JP3356834B2 - 創傷治癒材 - Google Patents

創傷治癒材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、組織の修復や創傷の治
癒に用いる創傷治癒材に関する。
【0002】
【従来の技術】熱傷、採皮創および皮膚剥削創、外傷性
皮膚欠損創等の疾患ないし創傷による患部を保護し、治
癒を促進する目的のために、患部に一時的に適応される
創傷被覆材として、従来、ガーゼ、脱脂綿等が用いられ
てきたが、これらは細菌感染防止が低く、かつ滲出液を
速やかに吸収するために創面が乾燥してしまうと取り外
す際に、痛み、出血等を伴った。また、軟膏等を併用す
ることも行われているが、この場合は逆に滲出液の吸収
が不充分で創面が過度に湿った状態になってしまうもの
であった。
【0003】また、これらに代わるものとしては、特に
創面が広範囲にわたる場合に適用されるものとして、シ
リコーン製ガーゼ、シリコーンゴム製およびベロアー状
の表面構造を有するナイロン、テフロンなど合成樹脂シ
ート等の人工材料の被覆膜や凍結乾燥豚皮、フィブリン
膜、キチン不織布、コラーゲン膜、ポリアミノ酸スポン
ジ、ムコ多糖複合コラーゲン膜等の生体由来材料の被覆
膜も知られている。しかしながら、これらのうち人工材
料の被覆膜は、患部との密着性、水蒸気透過性、ひび割
れなどの点で種々の問題点を残し、一方生体由来材料の
被覆膜は生体適合性が良いなどの特徴を有するが、その
多くは抗原性を有し、また細菌感染、滲出液による劣化
などの欠点を有し、さらに材料が入手しにくい等の問題
があった。
【0004】さらに最近では、コラーゲン処理したナイ
ロンメッシュとシリコーン膜からなる複合膜が開発され
実用化されており、よく密着し、適度な水分透過性を有
するが、創面に固着し、肉芽組織が被覆膜中に入り込む
という欠点があった。一方、創傷治癒を目的とした薬が
開発され、例えば塩基性線維芽細胞増殖因子(basic FG
F[basic fibroblast growth factor])、血小板由来
増殖因子(PDGF[platelet-derived growth factor
t])、CHL−Cu錯体(Glycyl-L-Histidyl-L-Lysin
e-Cu Complex)やヘパリン−銅錯体などがある。これら
はいずれも血管新生因子として知られている。しかしこ
れらの血管新生因子は創傷面に適用した場合、創面から
流れ出してしまうため半減してしまう。このため、適用
頻度を多くする必要があったり、他のマトリックス(例
えば合成樹脂)の中に含有して使用したりする。また、
これらの血管新生因子は非常に高価であるため、特開昭
63−79588号のようにβ−TGFやPDGFを複
数類含んだ血小板由来の細胞増殖因子を使用している。
【0005】また、これら血管新生因子を使用しないで
ある程度の効果が得られているが、十分な効果が得られ
ているとは言えない。例えば、コラーゲン・ヘパリン複
合体は生体適合材料として人工血管や人工臓器に用いる
場合に、生体適応性に優れ、また内皮細胞の増殖性に優
れていることが特開昭63−68174号に記載されて
いる。特開昭60−222425には、コラーゲンおよ
び走化性を誘発されるグルコスアミノグリカンの懸濁液
からなる創傷治癒剤が記載されている。また、特開昭6
3−54328には線維状コラーゲンとヘパリンまたは
ヘパリン類似のグリコサアミングリカンと血小板由来増
殖因子あるいは線維芽細胞成長因子の混合物からなる創
傷包帯がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の創傷治癒剤ある
いは人工皮膚は、上述したようにそれぞれ問題点を有し
いるので、熱傷等により皮膚組織が損失した場合の患部
に対する処理としては、自家移植(autograft)が現在最
善の方法とされている。しかしながら、皮膚欠損部が広
範囲にわたる場合等においては、非常に困難であり、適
用可能であっても長時間にわたって幾度となく繰り返す
必要がある。
【0007】また、自家移植に代わって患部を一時的に
被覆する方法として他家(アログラフト)が適用されて
いる。他家移植は血管が確保されているため、感染しに
くいなどの利点があるが、やがては表皮部分は脱落して
しまう。そこで、自家移植や他家移植に代わって患部を
被覆して毛細血管他を早期に誘導して細菌感染を防止す
ることができる創傷治癒剤や人工皮膚の開発が望まれて
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の構成
を有する本発明の創傷治癒材によって達成される。 (1) 血清,血漿あるいは血小板抽出液をヘパリンカ
ラムを用いて、生理的条件下でヘパリンカラムに結合さ
せ、0.5M NaCl溶液および/または1.0M Na
Cl溶液により溶出される画分と、コラーゲン及びヘパ
リンを含む基材からなる創傷治癒材。 (2) 前記溶出される画分が1.0M NaCl溶液の
条件下で溶出され、更に0.5M NaCl溶液の画分を
除く上記(1)記載の創傷治癒材。 (3) 前記コラーゲンは、牛真皮由来のコラーゲンを
原料とし、プロクターゼ又はペプシンにより分子末端の
抗原基のテロペプチドを除去したアテロコラーゲンであ
る上記(1)〜(2)記載の創傷治癒材。
【0009】(4) 前記コラーゲンは、牛真皮由来の
コラーゲンを原料とし、それを中性緩衝液を添加して再
構成した線維化アテロコラーゲンである上記(1)〜
(3)記載の創傷治癒材。 (5) 前記コラーゲンを含む基材にヘパリンを含有さ
せ、線維化アテロコラーゲンとヘパリンが可逆的な架橋
で結合されている上記(1)〜(4)記載の創傷治癒
材。 また、本発明は下記の構成により達成される。 (6) 水蒸気透過調節層と創傷治癒層からなる人工皮
膚であって、当該創傷治癒層は、血清,血漿あるいは血
小板抽出液を、ヘパリンカラムを用いて生理的条件下で
ヘパリンに結合させ、更に1.0M NaCl溶液で溶出
される画分を含有する、線維化アテロコラーゲン及び変
性アテロコラーゲンを含む基材からなることを特徴とす
る人工皮膚。
【0010】(7) 水蒸気透過調節層と創傷治癒層か
らなる人工皮膚であって、当該創傷治癒層は、血清,血
漿あるいは血小板抽出液において、ヘパリンカラムを用
いて生理的条件下でヘパリンに結合させ、更に1.0M
NaCl溶液の条件下で溶出されて得られる画分を含有
する、線維化アテロコラーゲンおよび/または変性アテ
ロコラーゲンとヘパリンおよび/またはヘパリン類似物
のグリコサミノグリカンの基材からなる上記(6)記載
の人工皮膚。 (8) 前記コラーゲンは、牛真皮由来のコラーゲンを
原料とし、抗原基を除去し、それを40〜90℃の温度
範囲で熱変性させたアテロコラーゲンである上記(6)
〜(7)記載の人工皮膚。 (9) 水蒸気透過調節層はシリコーンエラストマーで
ある上記(6)〜(8)記載の人工皮膚。
【0011】本発明の創傷治癒材は、血清,血漿あるい
は血小板、特に血小板凝集を生起させ、この際放出され
る種々の細胞増殖因子等を含んだ抽出液を生理的条件下
でヘパリンカラムを通してヘパリンカラムと結合させ、
0.5M NaCl溶液及び1.0M NaCl溶液の条
件下で溶出される画分を含むコラーゲン基材からなる。
本発明における、血清,血漿あるいは血小板抽出液を生
理的条件下でヘパリンカラムを通してヘパリンとヘパリ
ン結合させ、0.5M NaCl溶液及び1.0M NaC
l溶液の条件下で溶出される画分について、具体的に説
明する。本発明において、具体的に生理的条件とは、p
H6〜8範囲の生理食塩水および生理食塩水とpH緩衝
液等を使用することをいう。
【0012】ヒトあるはラット等の血清あるいは血小板
抽出物をヘパリンカラムに添加し、りん酸緩衝液−生理
食塩水(PBS溶液)で充分に洗浄し、0.5M NaC
l溶液で溶出される画分をファクション(Fraction)
I とし、1.0M NaCl溶液で溶出される画分をFr
action IIとする。更に、1.6M NaCl溶液で溶出
される画分をFraction IIIとする。
【0013】これらのファクションは、電気泳動による
分析するとFraction Iの成分としては、主にPDGF
(MW 30,000),プロスロムビン(prothrombi
n、MW 72,000),フィブロネクチン(fibronect
in、MW 250,000),ビトロネクチン(vitronect
in、MW 75,000)等が含まれていた。
【0014】Fraction IIの成分はβ−スロンボ グロ
ブリン(thrombo globulin:β−TG、MW 8,90
0),ロウ-アフィニティ プレイトレット ファクター
(low-affinity platelet factor 4:LA−PF4、M
W 9,200),プレイトレット ベーシック プロテイ
ン(platelet basic protein:PBP、MW 10,00
0),ヘパトサイト グロウス ファクター(hepatocyte
growth factor:HGF、MW 85,000)等が含ま
れる。
【0015】Fraction III の成分は、プレイトレット
ファクター(platelet factor 4:PF4,MW 1
2,000),アンチ スロンビン III(anti thrombi
n III:AT III,MW 65,000)が含まれてい
た。
【0016】本発明で使用できるコラーゲンとしては、
特に限定しないが、牛真皮を酸性溶液中でプロテアーゼ
処理して得られるタイプIコラーゲンが好適である。こ
のコラーゲンは一般的には低イオン強度下0.3%以下
の濃度の酸性溶液では透明で均一な溶液状態であるが中
性条件下ではイオン強度、温度等を適宜選択することに
より生体中での状態と類似した線維を形成させることが
できる。タイプIコラーゲンは無架橋の単分子状態では
分子量300,000の3本鎖ヘリックス構造を有する
長さ3000Å(Å=1×10-8m)、直径15Åの棒
状分子でその両端部にテロペプチドと呼ばれるアミノ酸
10数残基からなる非ヘリックス構造を有する。このテ
ロペプチド部位は未変性コラーゲンの抗原性の殆どを占
め、ペプシン等のプロテアーゼによる加水分解で容易に
除去することができる。
【0017】また、本発明においてコラーゲンを含む基
材には、ヘパリン等を含有させても良い。本発明は更
に、前記人工皮膚の変性コラーゲンのヘリックス含量が
0〜80%である人工皮膚によって達成される。本発明
は更に、前記人工皮膚の変性コラーゲンの含有比が全体
の5〜30重量%である人工皮膚によっても達成され
る。本発明の人工皮膚のペプシンの含有比は、好ましく
は0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.5〜1.0重
量%である。更に本発明に用いる変性コラーゲンは分子
的にコラーゲン特有の3重鎮ヘリックス含量が0〜80
%、好ましくは0〜50%、より好ましくは30〜50
%のもので、コラーゲンの変性には、例えば加熱処理,
化学処理又は物理処理等により行うことができ、特にコ
ラーゲン溶液を加熱処理することが最も好ましい。
【0018】本発明を創傷治癒材として用いる場合、創
傷治癒材は上記アテロコラーゲンをpH3溶液(塩酸等)
に溶解させ、0.3(w/v)%とし、次いでこの溶液をりん
酸緩衝液−生理食塩水(PBS溶液)を加え、37℃の
恒温槽で4時間処理すると、アテロコラーゲンは線維化
して白濁化する。この懸濁液を遠心分離して所定の濃度
に濃縮して、凍結乾燥した。この基材を真空下110℃
で2〜8時間加熱処理を行った。一方前述した方法で分
離したFraction IあるいはFraction IIを含浸させ
る。より好ましくはFraction IIが好ましい。本発明の
創傷治癒材の作成方法は、何ら限定されるものではな
く、血清,血漿あるいは血小板抽出液をヘパリンカラム
を用いて、生理的条件下でヘパリンに結合させ、0.5
M NaCl溶液および/または1.0M NaCl溶液
により溶出される画分と、コラーゲンを含む基材を混ぜ
合わせれば良い。
【0019】以下、実施例を示し本発明をさらに詳細に
説明する。
【実施例】
(実施例1)ラット血清調製 ラット血液25mlをオートセップ(テルモ(株)製)に
採取し、室温2時間放置し、更に4℃で一晩放置した。
この溶液を3000r.p.mで15分間遠心分離し、
0.45μmフィルターで濾過して、10mlの血清を得
た。
【0020】(実施例2)ラット血小板抽出物の調製 ラット血液75mlを0.1容の0.15M NaCl−7
7mM EDTA(pH7.4)溶液で採取し、1000r
pmで15分間遠心分離を行ない、多血小板血漿を採取し
た。更に3000rpmで15分間遠心分離し、沈査(血
小板)を0.01M PB(pH7.0)−0.15M N
aCl溶液で2回洗浄を行なった。この溶液を1mM P
MSF(フェニルメチル スルフォニル フルオライ
ド)−7.7mM EDTA−0.01M PB(pH7.
0)−0.15M NaCl溶液 1mlに懸濁し、15分
間超音波処理を行ない、3000rpmで15分間遠心分
離を行なった。得られた溶液を孔径0.45μmフィルタ
ーで濾過して、0.8×1010の血小板抽出物を得た。
【0021】(実施例3)ヘパリン結合物質の分離 実施例1と2で分離した血清及び血小板成分をウシコラ
ーゲン−セファロース4Bおよびウシ変性コラーゲン−
セファロース4Bに流した。この通り画分をヘパリン−
セファローズCL−6Bカラムに流した。0.15M N
aCl−0.01M PB(pH7.0)溶液で充分に洗
浄した後、0.5M NaCl溶液で溶出した画分をFra
ction Iとした。次に1.0M NaCl溶液で溶出した
画分Fraction IIとした。更に1.6M NaCl溶液で
溶出した画分をFraction III とした。
【0022】(実施例4)ヘパリン結合物質を含浸させ
た人工皮膚の作製 アテロコラーゲン粉末(高研(株)製)を4℃の温度下
でpH3.0の希塩酸に溶解して0.3〜0.4(w/v)%に
調製した。この溶液にヘパリンナトリウム溶液(ブタ小
腸粘膜由来)を加え、4℃に維持しながらpH7.4の
りん酸緩衝液を加え、最終濃度が0.2(w/v)%アテロコ
ラーゲン(30mM Na2HPO4,100mM NaC
l)であるコラーゲン・ヘパリン溶液とした(ヘパリン
0.5mg/コラーゲン100mg)。
【0023】次いで37℃の恒温槽内に4時間放置し、
線維化アテロコラーゲン・ヘパリン(FC・Hp)溶液
を調製した。このFC・Hp溶液を無菌条件下で遠心操
作による濃縮を行ない、濃度を2(w/v)%に調製した。
一方、無菌のアテロコラーゲン粉末に無菌の蒸留水に
6.6(w/v)%となるよう再溶解し、これを60℃の恒温
槽内に30分間放置して熱変性を生ぜしめ変性アテロコ
ラーゲン溶液とした。この溶液をステンレスパットに注
入し、−30℃以下で急速に冷却して十分凍結させた
後、−40℃/0.1トール未満の真空下で凍結乾燥し
た。このコラーゲンスポンジのマトリックスにFractio
n I(84.3μg/0.15M NaCl溶液10ml)を
含浸させた。
【0024】(実施例5)ヘパリン結合物質を含浸させ
た人工皮膚の作製 実施例4と同様な方法でコラーゲンスポンジを作製し
た。このマトリックスにFraction II(2.4μg/0.1
5M NaCl 10ml)を含浸させた。
【0025】(比較例)ヘパリン結合物質を含浸させた
人工皮膚の作製 実施例4と同様な方法でコラーゲンスポンジを作製し
た。このマトリックスにFraction III(1.9μm/0.
15M NaCl 10ml)を含浸させた。
【0026】(試験例1)ラット皮下埋入試験 実施例4〜6で作製したマトリックスをラット皮下に埋
入し、病理学的に組織像を検索する。皮下埋植(埋入)
には、約200gのSDラット雌性ラットを用いる。埋
入前に、5倍希釈ネンブタールで麻酔後ラットの背面を
手術用のイソジン液(明治製菓(株)製)でぬらし、毛
刈り用カミソリで毛の刈り残しがないように、背面をイ
ソジンとエタノールで消毒する。各々の切り込みから、
ラットの皮筋下の疎性結合織内に空隙を作るように切り
込みを広げる。この空隙に検体をさし込み、検体全体が
平らに横たわるようにする。角針付ナイロン糸で切り口
を縫合する。切り口は3針縫う。同じ検体を別のラット
にも同様にして埋入する。埋入後、1,3,7,14日目
に動物をエーテルあるいは2倍希釈ネンブタールを用い
て殺す。埋入検体が組織中に留まっているようにして、
ラットの背筋上の皮膚組織を8cm×12cmあるいはそれ
以上の大きさに切り取る。この組織を10%中性緩衝ホ
ルマリン溶液中に置き、一昼夜放置し固定後、病理組織
検索を施す。
【0027】病理組織検索は組織からの検体の切り出し
に始まる。検体が確実に含まれるように、組織を0.5c
m×2.5cm程度の短冊状に切り出す。これをエタノー
ル、次にキシレンで透徹し、最後にパラフィンに置換す
る。置換後、固型パラフィンの加熱溶解液に、検体を含
む組織を置き、急冷してパラフィン包埋を完了する。包
埋された組織は、ヤマト(株)製回転式ミクロトームに
て薄切を行ない、厚さ4μmのパラフィン切片とする。
これを脱パラフィンした後、任意の染色法で病理組織染
色を行ない、プレパラートを完成する。病理組織染色と
して、ヘマトキシリン−エオジン(H・E)染色を採用
した。病理組織の所見から、Fraction IとFraction
IIを含浸した人工皮膚を使用した場合、線維芽細胞及び
血管の侵入が良好であった。しかしFraction IIIを含
浸した人工皮膚では線維芽細胞等の侵入性は悪く、むし
ろ阻害していた。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、コラーゲン
あるいはコラーゲンとヘパリンを含む基材に、血清,血
漿あるいは血小板から抽出される物質の中でヘパリンと
結合するものを担持させてなることを特徴とする創傷治
癒材であるから、生体内に適用された際、細胞増殖を強
く支持するものであって、かつ生体適合性が高いため
に、例えば人工皮膚として適用された場合に早期の肉芽
層形成ないし表皮形成をもたらし治癒促進を図ることの
できるものとなる。さらに本発明の創傷治癒材は、通気
性を有する支持層、例えばシリコーンからなる支持層で
裏打ちされることもでき、これによって例えば人工皮膚
として適用された場合、体液漏出,細菌感染等の発生を
最小限におさえることが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 15/00 - 33/18 A61K 9/70 A61K 35/16 CA/BIOSIS/MEDLINE/E MBASE(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血清,血漿あるいは血小板抽出液をヘパ
    リンカラムを用いて、生理的条件下でヘパリンカラムに
    結合させ、0.5M NaCl溶液および/または1.0M N
    aCl溶液により溶出される画分と、コラーゲン及びヘ
    パリンを含む基材からなる創傷治癒材。
  2. 【請求項2】 前記0.5M NaCl溶液および/または
    1.0M NaCl溶液により溶出される画分は、1.0M N
    aCl溶液の条件下で溶出され、更に0.5M NaCl溶
    液の画分を除いたものである請求項1に記載の創傷被覆
    材。
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