JP3356597B2 - ノーリンギング通信システム - Google Patents

ノーリンギング通信システム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電話回線を利用し
てノーリンギング通信によりデータを伝送するノーリン
ギング通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のノーリンギング通信システムは、
ノーリンギングトランクを備えた交換局を介して電話回
線網で結んだものであり、宅内の電話機のベルを鳴らす
ことなく、センター側システムと端末側システムとの間
でデータ伝送を行う。前記ノーリンギングトランクは、
電話機が“チン”鳴りするのを防ぐために緩やかな極性
反転を行い、それと同時にいくつかある宅内機器の1つ
を選択するためのNRS信号(DTMF信号)を送出す
る。
【0003】しかし、このようにノーリンギングトラン
クを用いるシステムでは、電話回線の使用料金が高額と
なる。また、ノーリンギングトランク等の設備は交換局
に設置されていない場合が多く、設置申請をしても設置
されるまでにかなりの時間がかかる場合がある。さら
に、ノーリンギングトランクは、NRTSを常時送出し
ているので通信速度を早くすることができず、また同時
に使用される電話回線数が多いと通信信号が輻輳すると
いった様々な問題があった。
【0004】このため、本出願人は特願平5−2528
84号において、ノーリンギングトランクを使用しない
で、センター側システムと端末側システムとの間でノー
リンギング通信を行うノーリンギング通信システムを提
案した。
【0005】このノーリンギング通信システムは、端末
装置に設けられた制御装置に電話回線を接続して、制御
装置によりセンター側システムの起動により交換機から
送出された呼出信号(リンガー)と呼出信号の休止期間
に挿入された電文形式の発信者番号信号を検出するもの
である。そして、その発信者番号の検出により発信者番
号を得て、予め登録された発信者番号と比較し、特定の
発信者(センター側システム)であると識別すると、制
御装置から後方に接続された電話機にリンガーを送出す
ることなく着信し、センター側システムと通信する。ま
た、特定の相手でない場合は、電話回線を電話機に接続
する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、端末側シス
テムに送られる発信者番号信号とリンガーの順番は、通
常、極反信号、その次にリンガー、発信者番号信号の順
で送信されるように構成されているが、現実的には発信
者番号信号とリンガーの来るタイミングはランダムにな
っている。また、発信者番号信号も途中からくることも
度々発生する。
【0007】上記ノーリンギング通信システムでは、発
信者番号信号を検出する方法として、発信者番号信号の
マークの立ち下がり、すなわちスタートビットで同期を
とって発信者番号の読み取りを行っている。したがっ
て、上記のように発信者番号信号が途中からくると、す
なわち発信者番号を構成する電文のスタートビットより
後方からくると、同期がとれず発信者番号を検出できな
くなり、次に送信される発信者番号を待たなければなら
ない。さらに、発信者番号を正確に検知するまで、リン
ガーを回線端末装置以後に接続された電話機等の端末機
器に送出しない構成になっているので、留守番電話機等
のリンガー回数をカウントして動作するものが接続され
ていれば、リンガーのカウントが狂うことがあった。
【0008】また、宅内の電話設置場所にいる相手にリ
ンガーの回数により何らかの合図を送ろうとする場合に
おいて、リンガーのカウントが狂うと合図を伝えられな
いことがあるといった不都合が生じていた。そのため、
本来ノーリンギング通信システムは、一般の電話機に影
響を与えずに無関係にガスメータ等の検針を行うシステ
ムであるが、一般の電話機に悪影響を与えてしまう。
【0009】本発明は、上記に鑑み、発信者番号信号の
途中からでも発信者番号を検出することを可能とし、早
期に特定の発信者か否かを判断してリンガーの回数を減
少させないことを目的とするノーリンギング通信システ
ムを提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、交換機から送出される発信者番号信号を検出する
検出手段と、検出された発信者番号信号によりセンター
側システムからの発信であるか否かを識別してセンター
側システムからの発信であるときノーリンギング通信を
行う通信手段とが設けられ、検出手段は発信者番号信号
に含まれるビットの変化で同期をとり発信者番号を読み
取る。そして、読み取った発信者番号のビット列の最後
からキャラクターに変換し、登録された発信者番号と比
較するものである。また、発信者番号信号の検出の有無
にかかわりなく、リンガーを端末機器に送るか否かを設
定する設定手段を設けてもよい。
【0011】これによって、発信者番号信号の途中から
でも発信者番号を検出することが可能となり、途中から
検出された発信者番号と登録された発信者番号の一部と
を比較して識別することにより登録された発信者番号か
否かを早期に検出できる。また、発信者番号の取得に失
敗した場合でも、設定手段を発信者番号信号の有無にか
かわらず電話機にリンガーが送出されるように設定して
おくことにより、リンガーを電話機に送出することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のノーリンギング通信シス
テムは、図2に示すように、複数の端末装置1に電話機
2並びに電文式メータ3が接続された端末側システム4
と、ホストコンピュータ5にセンター側回線端末装置6
が接続されたセンター側システム7とが、交換局8,9
の交換機を介して電話回線網で結ばれたものである。
【0013】前記端末装置1には、図3に示すように、
通信相手であるセンター側システム7の発信者番号を登
録する半導体メモリあるいはディップスイッチ等より構
成されたコード設定部10と、端末装置1自身から発呼
するためのダイヤル部11と、端末側交換局9から送出
される発信者番号信号およびセンター側システム7から
送出されるPB信号またはFSK信号によって構成され
た機器選択信号を検出するモデム部12と、極反信号の
検出を行う極反検出部13と、リンガーを検出する呼出
信号検出部14と、センター側システム7からの発信で
ない場合電話機2にリンガーを送信するため電話機2を
電話回線に対して接続したり切り離したりするスイッチ
切換部15と、ガスメータや水道メータの検針データを
送出するためのメータインターフェース部16と、接続
された端末機器のオンフックを検出するラインオフフッ
ク検出部17と、接続された端末機器のいずれかがオフ
フックした場合それを検出する機能と電話機2の使用状
態を検出する機能とを持ったオフフック検出部18と、
タスク処理を行うためのCPUやROM、RAM等のメ
モリを備えた制御部19と、タイマ並びにクロックとし
ての高精度計時部20とが設けられている。そして、1
つの端末装置1にのみ電話機2が接続され、他の端末装
置1には電話機2が接続可能なように接続端子が設けら
れている。
【0014】前記制御部19は、電話機2から電話回線
を切り離す機能と、交換機から送出される発信者番号信
号、機器選択信号、リンガーおよび同一の回線に並列に
接続された端末機器のオフフックを検出する機能を有
し、また、検出した発信者番号、あるいは制御信号によ
り特定のセンター側機器からの発信であるか識別する機
能と、特定のセンター側機器からの発信であると識別し
た場合に接続した電話機2を切り離したままオフフック
してノーリンギング通信する機能と、並列に接続された
端末機器のいずれかがオフフックした場合それを検出す
る機能と、リンガーを受信した場合に前記特定の発信者
でないとき回線を電話機2側に接続し、電話機2にリン
ガーを送出する機能とを備えている。そして、発信者番
号信号を検出する方法として、発信者番号信号に含まれ
るビットの変化で同期をとり、発信者番号を読み取る。
【0015】また、前記オフフック検出部18では、電
話機2を電話回線から切り離した状態において、電話機
2に電源から電圧を印加して、電話機2のインピーダン
スを監視している。そして、インピーダンスが一定値以
下になったときオフフックされたと判断し、インピーダ
ンスが一定値より大きいときは、オンフックされている
と判断する。
【0016】上記構成において、端末機器がセンター側
から呼び出しを待つ待機状態では、電話機2の使用状態
を検出するためにスイッチ切換部15は電話機2をオフ
フック検知部18側に接続して、電話機2は電話回線か
ら常時切り離されている。
【0017】そして、センター側システム7が起動され
ると、交換機から端末側システム4にリンガーが送出さ
れる。このとき、リンガーとリンガーの休止期間にセン
ター側システム7の番号を示す発信者番号信号が挿入さ
れている。また、この発信者番号信号は、例えばボーレ
ト1200ボー、キャラクター長JIS7で電文形式
で送られる。なお、ボーレート、キャラクター長はこの
限りではない。
【0018】この電文形式は、図4に示すように、マー
ク部、およびメッセージタイプワード部、データワード
カウント部、データ部、チェックサム部よりなるキャラ
クター部から構成され、さらにデータ部は電話番号等の
データであり、スタートビット、データの7ビット、パ
リティビット、ストップビットから構成されている。な
お、この電文形式は上記に限るものではなく、例えば図
5,6にアメリカで使用されている形式(フォーマッ
ト)を示しておく。
【0019】そして、センター側システム7の起動によ
り交換機から端末側システム4に送出された極反信号を
極反検出部13で検出すると、図1に示すように、端末
装置1の制御部19は入力ポートの割り込みをビットの
0から1、あるいは1から0となる変化点の両エッジに
設定する(ステップ1)。ここで、発信者番号信号は、
図7に示すように、ビットの変化により変化点Aを持
つ。
【0020】次に、設定された制御部19の入力ポート
の割り込みにより、発信者番号信号のビットの0から1
あるいは1から0となる変化点Aを検出する(ステップ
2)。そして、このA点を同期ポイントとして、制御部
19内のタイマーをクリアーして、1/2ビット時間す
なわちボーレート1200ボーの場合0.417mse
cにタイマーをセットする(ステップ3)。タイマーが
タイムアップした時、すなわちB点をビットの中心とし
てビットを読み込む(ステップ4)。
【0021】さらに、B点から制御部19内のタイマー
をクリアーし、1ビット時間すなわち0.834mse
cのタイマーをセットし(ステップ5)、そのタイマー
がタイムアップする毎にサンプリングして、例えばC点
のビットを読んでいく(ステップ6)。
【0022】こうして、変化点Aを検出する度、すなわ
ち入力ポートの割り込み信号が入る度に、その点を新た
な同期ポイントとするためステップ2に戻り、さらにビ
ットデータを読み込み、検出する。そして、検出したビ
ットデータは制御部19内のRAMに記憶する(ステッ
プ7)。そして、発信者番号信号の変調に使用されたF
SK信号のキャリヤーがなくなれば終了する(ステップ
8)。
【0023】次に、検出されたビット列を後ろから10
ビット(キャラクター長がJIS7の場合、スタートビ
ット+パリティビット+ストップビット)で1キャラク
ターとして区切っていく。このとき、キャラクターを構
成できるだけのビットが残っていなければ終了する。
【0024】なお、データ7ビット+パリティビットが
データ8ビットになる場合も考えられるが、同様に10
ビット毎に区切っていき、パリティビットが存在するか
否かを制御部19において自動判別してもよい。
【0025】次に、得られたキャラクターにより発信者
番号を求めると、後ろからチェックサム部、次に電話番
号の最後尾と続く。そして、求めた電話番号と制御部1
9に登録された発信者番号とを最後尾から比較する。こ
こで、1桁でも異なれば登録された特定の発信者でない
とし、スイッチ切換部15において電話機2に電話回線
を接続し、電話機2にリンガーを送出する。しかし、検
出された部分が登録された発信者番号と一致すれば、セ
ンター側システム7からの発信である確率が高いので、
次の発信者番号信号の検出を行うため、スイッチ切換部
15は電話機2に電話回線を接続しない。なお、電文全
体を取り込んでいないので、チェックサム部は無視する
ようにする。
【0026】このとき、センター側システム7からの発
信である確率が高い時だけ、次の発信者番号信号の検出
を行うようにするが、センター側システム7からの発信
でない確率が0ではない。もし、次の発信者番号信号を
検出して、センター側システム7でないと識別される
と、電話機2に送出されるリンガーの回数が減少してし
まい支障があるときがある。そこで、1回目の検出で発
信者番号を識別できなかった場合でも、電話機2へリン
ガーを送出するか否かを設定することができる。
【0027】この設定は、ソフトウェアにより行い、制
御部19の中のRAMの一部の記憶場所へコマンドで書
き込んで設定するものであり、またこの記憶場所の内容
は別コマンドで読み出しできる構成とされている。コマ
ンドはセンターからモデムを介して送られるか、あるい
はディップスイッチ等の設定器の切換えによりメータイ
ンタフェースを介して送られて、制御部19内のCPU
により設定変更の処理がなされる。
【0028】このように、発信者番号信号のビットの変
化点を発信者番号を読み取る同期のタイミングとしてい
るので、発信者番号を途中からでも検出できる。さら
に、途中から検出された発信者番号と登録された発信者
番号を比較することによって、早くに特定の発信者であ
るか否かを識別できる。そのため、電話機等の端末機器
へ送出されるリンガーの数を減らさないですみ、リンガ
ーの数をカウントする留守番電話等にも支障がなくなり
非常に便利である。
【0029】さらに、発信者番号の検出の有無にかかわ
らず、リンガーを電話機に送出するように設定できるの
で、リンガーを確実に端末機器に送出することができ
て、リンガーの数をカウントするような端末機器の使用
に非常に便利である。
【0030】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正および変更を加え得ることは勿論である。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、発信者番号を途中からでも検出でき、途中から
検出された発信者番号と登録された発信者番号を比較す
ることによって、早くに特定の発信者であるか否かを識
別でき、非常に使用性がよい。そのため、電話機等の端
末機器へ送出されるリンガーの数を減らさないですみ、
リンガーの数をカウントする留守番電話等にも支障がな
くなり非常に便利である。
【0032】さらに、リンガーを電話機に送出するよう
に設定できるので、リンガーを確実に端末機器に送出す
ることができて、リンガーの数をカウントするような端
末機器の使用に非常に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発信者番号信号を検出するときのフロ
ーチャート
【図2】ノーリンギング通信システムの構成図
【図3】端末装置の制御ブロック図
【図4】発信者番号信号の電文形式の構成図
【図5】電文形式の例を示す図
【図6】電文形式の例を示す図
【図7】発信者番号信号のビットを示す図
【符号の説明】
1 端末装置 2 電話機 4 端末側システム 7 センター側システム 19 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04M 11/00 - 11/10 H04M 3/42 H04L 7/00 - 7/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電話回線を利用して端末側システムとセ
    ンター側システムとの間でノーリンギング通信によるデ
    ータ伝送を行う通信システムにおいて、前記端末側システムに、 交換機から送出される発信者番
    号信号に含まれるビットの変化で同期をとり、発信者番
    号を読み取るとともに、読み取った前記発信者番号と登
    録された発信者番号とを比較することにより、全桁一致
    していれば、前記センター側システムからの発信である
    と識別してノーリンギング通信を行い、1桁でも異なっ
    ていれば、呼出信号を端末機器に送出する制御部を備
    え、 該制御部は、途中から読み取った発信者番号の一部が登
    録された発信者番号と一致している場合、次の発信者番
    号信号から発信者番号を読み取る ことを特徴とするノー
    リンギング通信システム。
  2. 【請求項2】 電話回線を利用して端末側システムとセ
    ンター側システムとの間でノーリンギング通信によるデ
    ータ伝送を行う通信システムにおいて、 交換機から送出される発信者番号信号に含まれるビット
    の変化を検出する手段と、検出されたビットの変化で同
    期をとって前記発信者番号信号に含まれるビットを読み
    込む手段と、読み込んだビット列の最後からキャラクタ
    ーに変換し、発信者番号を求める手段と、求めた発信者
    番号と登録された発信者番号とを最後尾から比較する手
    段と、全桁一致する場合には、前記センター側システム
    からの発信であると識別してノーリンギング通信を行
    い、1桁でも異なる場合には、呼出信号を端末機器に送
    出する手段とが設けられたことを特徴とするノーリンギ
    ング通信システム。
  3. 【請求項3】 送出される発信者番号信号が途中から読
    み込まれたときに求められた発信者番号の一部と登録さ
    れた発信者番号とを最後尾から比較して、一致する場合
    には、次の発信者番号信号の検出を行うことを特徴とす
    る請求項2記載のノーリンギング通信システム。
  4. 【請求項4】 発信者番号信号の検出の有無にかかわり
    なく、呼出信号を端末機器に送るか否かを設定する設定
    手段が設けられたことを特徴とする請求項1または2記
    載のノーリンギング通信システム。
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