JP3356330B2 - 移動物体検出装置及びそれを備えた電気機器 - Google Patents

移動物体検出装置及びそれを備えた電気機器

Info

Publication number
JP3356330B2
JP3356330B2 JP16366593A JP16366593A JP3356330B2 JP 3356330 B2 JP3356330 B2 JP 3356330B2 JP 16366593 A JP16366593 A JP 16366593A JP 16366593 A JP16366593 A JP 16366593A JP 3356330 B2 JP3356330 B2 JP 3356330B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distance
signal
distance sensor
light
moving object
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16366593A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06273436A (ja
Inventor
博 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP16366593A priority Critical patent/JP3356330B2/ja
Publication of JPH06273436A publication Critical patent/JPH06273436A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3356330B2 publication Critical patent/JP3356330B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドアの入口や駐車場等
に使用される、例えば玄関灯やインターホーン等の電気
機器、及びそのような電気機器に備えられる移動物体検
出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、玄関灯やドアの入口のインターホ
ーン等の電気機器は、来訪者を検知するための距離セン
サを装備している。従来の距離センサは、通常、赤外発
光ダイオードとフォトダイオードとを組み合わせて構成
され、赤外発光ダイオードにて発光された光が常時所定
範囲内に発せられている。距離センサ付近に物体、例え
ば人体が存在すると、その物体に赤外発光ダイオードか
ら発せられた光が反射して距離センサに戻り、フォトダ
イオードに入射する。フォトダイオードに入射した光は
その光量に応じた電気信号に変換される。距離センサと
物体との距離が短いほど、赤外発光ダイオードからの光
及び物体からの反射光の散乱が少なくなるので、フォト
ダイオードへの入射光量は多くなる。従って、フォトダ
イオードから出力される電流は大きくなる。このことか
ら、フォトダイオードの出力電流の大きさを検出するこ
とにより、距離センサと物体との距離情報を得ることが
できる。
【0003】距離センサ付き電気機器では、その用途に
応じて、ある一定の範囲内(以下、「検出エリア」と呼
ぶ。)に物体が存在することが検知されたときに所定の
動作、例えば照明灯の点灯を行うように設定されてい
る。この検出エリアは、距離センサの赤外線ダイオード
及びフォトダイオードを適当に選択することによって設
定される。距離センサは、検出エリア内、例えば半径4
m以内に物体が存在した場合に、距離情報信号を発し、
その信号により電気機器は所定の動作を行う。
【0004】このような距離センサ付き電気機器は、玄
関やドアの入口に取り付けられ、具体的には、物体があ
る領域に入ったときにアラーム音を発する防犯用セン
サ、来客者があったときに音声、例えば「いらっしゃい
ませ」を発する店番センサなどとして用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の距離センサ
付き電気機器では、検出エリア内に物体が存在すればど
の様な場合でも、照明を点灯させたり、アラーム音を発
生させたりする。従って、例えば玄関灯は、物体が検出
エリア内に存在する場合に、その物体が通行人であるか
来訪者であるかの区別がつかず、通行人である場合でも
照明を点灯してしまうという問題点がある。
【0006】また、従来の距離センサ付き電気機器を、
例えば店番センサとして用いた場合に、来客者が近づい
ているときと遠ざかっているときとの区別がつかないた
めに何れのときにも同じ動作、例えば「いらっしゃいま
せ」のLED表示を行う。
【0007】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたものであり、物体の移動状態を検出で
きるようにすることで、例えば通行人と来訪者との区別
を可能にする移動物体検出装置を提供することを目的と
する。
【0008】また、本発明は、物体の移動状況を検出す
ることにより、例えば来客者が近づいているときと遠ざ
かっているときとで異なる動作を行うことができる電気
機器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の移動物体検出装
置は、発光素子から発せられて検出エリア内に存在する
物体からの反射光を受光素子にて受光することにより、
該発光素子から該物体までの距離に対応する信号を出力
する距離センサと、該距離センサによって物体が検知さ
れた際に該距離センサが出力する該物体までの距離に
対応する信号を、前記検出エリア内において予め設定さ
れた異なる複数の距離範囲のいずれに存在するかを示す
距離情報信号に変換する変換手段と、 所定時間後におけ
る該変換手段にて変換された距離情報信号の変化に基づ
いて、該物体の移動状態を判断する移動検出手段とを備
えており、そのことによって、上記目的が達成される。
【0010】本発明の電気機器は、発光素子から発せら
れて検出エリア内に存在する物体からの反射光を受光素
子にて受光することにより、該発光素子から該物体まで
の距離に対応する信号を出力する距離センサと、該距離
センサによって物体が検知された際に該距離センサが
出力する該物体までの距離に対応する信号を、前記検出
エリア内において予め設定された異なる複数の距離範囲
のいずれに存在するかを示す距離情報信号に変換する変
換手段と、所定時間後における該変換手段にて変換され
た距離情報信号の変化に基づいて、該物体の移動状態を
判断する移動検出手段と、該移動検出手段によって判断
された該物体の移動状態に応じて予め設定された所定の
動作を行う手段とを備えており、そのことによって、上
記目的が達成される。
【0011】
【作用】本発明の移動物体検出装置では、移動検出手段
を備えているので、距離センサにより出力された物体ま
での距離に対応する信号と、所定時間後に出力されたそ
の物体までの距離に対応する信号とを比較することによ
って、その物体が接近しているかどうかなどの移動を判
断することができる。
【0012】また、本発明の電気機器では、移動検出手
段によって判断されたそれぞれの物体の移動状態、例え
ば人や車の接近状態あるいは遠ざかる状態などに応じて
複数の所定の動作を行うことができる。
【0013】
【実施例】本発明を実施例について以下に説明する。
【0014】図1に、本実施例の移動物体検出装置1の
ブロック図を示す。この移動物体検出装置1は、物体と
移動物体検出装置1との距離を検出する距離センサ10
0と、距離センサ100を制御する制御部200とを有
する。
【0015】距離センサ100は、移動物体検出装置1
から外部に距離検出用光を発する赤外発光ダイオード1
10と、物体から反射された距離検出用光を受け、その
光量に応じた信号電流を出力する半導体位置検出素子
(Position Sensitive Photodetector)120とを有す
る。赤外発光ダイオード110は、赤外発光ダイオード
駆動回路130に接続されており、赤外発光ダイオード
駆動回路130から入力されるパルス信号により、距離
検出用光を出力する。半導体位置検出素子120は、信
号処理回路140と接続されており、半導体位置検出素
子120が出力する信号電流は信号処理回路140に送
られる。信号処理回路140は、半導体位置検出素子1
20の信号電流を信号処理し距離情報信号として、スイ
ッチ150を介して、制御回路160に出力する。制御
回路160は、入力電圧Vinが与えられ、赤外発光ダイ
オード駆動回路130、信号処理回路140及びスイッ
チ150を制御する。制御回路160は、赤外発光ダイ
オード駆動回路130を駆動するためのパルス信号を発
生させる発振回路161と、信号処理回路140にスイ
ッチ150を介して接続されたアナログ/デジタル変換
回路162とを含んでいる。駆動電圧Vccはレギュレー
タ170により安定にされ、半導体位置検出素子12
0、制御回路160及びスイッチ150に与えられる。
【0016】上記半導体位置検出素子120としては、
例えば1次元位置検出用の素子が使用されている。2次
元位置検出用の素子も使用可能であり、用途によっては
有効な場合もある。図2に、半導体位置検出素子120
の断面図を示し、図3にその斜視図を示す。図示するよ
うに、この半導体位置検出素子120は、それぞれ平板
状のシリコンn層122、シリコンi層123、及びシ
リコンp層124がこの順に積層されたPIN型フォト
ダイオード構造になっている。シリコンp層124は全
面に均一な抵抗値を持つように形成される。シリコンp
層124の表面が受光面になり、シリコンp層124の
各端部表面上には、半導体位置検出素子120内で発生
する光電流を取り出すため電極125、126が設けら
れている。シリコンn層122の表面上全面に、電極1
27が設けられている。各電極125、126にはそれ
ぞれ端子125a、126aが設けられており、電極1
27の表面中央には、逆バイアスをかけるための端子1
27aが設けられている。
【0017】図2に示すように、上記構造を有する半導
体位置検出素子120にて、シリコンp層124の表面
の点Pに光Lが入射した場合を考える。点Pは、シリコ
ンp層124の表面中央から距離XAだけ一方の電極1
26寄りの点であり、他方の電極125から距離XBだ
け離れた点である。半導体位置検出素子120は、PI
N型フォトダイオード構造をしているので、光Lが入射
すると、光Lの光エネルギーに比例した電荷が発生す
る。この発生した電荷は光電流としてシリコンp層12
4を通り各電極125、126から分割され出力され
る。この時、シリコンp層124は抵抗層として機能す
る。シリコンp層124は全面に均一な抵抗値を持って
いるので、光電流は点Pから各電極125、126迄の
距離(抵抗値)に逆比例して分割される。ここで、光電
流の大きさをI0、出力端子125aから取り出される
信号電流をI1、及び出力端子126aから取り出され
る信号電流をI2とすると、信号電流I1、I2は数1で
表される。
【0018】
【数1】
【0019】上記数1から分かるように、半導体位置検
出素子120は入射光Lの光スポットの位置Pにより、
信号電流I1とI2とのバランスが変化する。上記数1か
ら数2の関係が導かれる。
【0020】
【数2】
【0021】上記数2から分かるように、信号電流I
1、I2の和及び差、又は比を求めることにより、入射光
Lの光エネルギーの大きさとは無関係に点Pの位置を特
定できる。
【0022】図4に、上記半導体位置検出素子を使用し
た距離センサ100の一部を模式的に示す。距離センサ
100は、距離検出用光Lである赤外線を発光する赤外
発光ダイオード110と、物体から反射された距離検出
用光Lを受け、その光量に応じた電流を出力する半導体
位置検出素子120とを有する。赤外発光ダイオード1
10の出力段には、距離検出用光Lを集光するための集
光レンズ111が配置され、半導体位置検出素子120
の入力段には、物体から反射された距離検出用光L’
を、半導体位置検出素子120の受光面120aに集光
するための集光レンズ121が配置されている。
【0023】この様な構成を有する距離センサ100で
は、図4に実線で示すように、赤外発光ダイオード11
0にて発光された距離検出用光Lは、物体(図4では一
例として人物)Mにて反射され、半導体位置検出素子1
20に入射する。この反射された距離検出用光L’が半
導体位置検出素子120に入射する位置(光のスポット
位置)Pは、人物Mと距離センサ100との距離Dによ
って変化する。人物Mが遠い、即ち距離Dが長いと、反
射された距離検出用光L’は、図4中の破線で示す様な
角度で半導体位置検出素子120に入射し、光のスポッ
ト位置も点Qで示すように点Pとは異なる。上述したよ
うに、半導体位置検出素子120に入射する光のスポッ
ト位置が変化すると、これに応じて信号電流I1とI2と
のバランスが変化する。このバランスの変化を検出する
ことによって、物体Mと距離センサ100との距離を検
出することができる。
【0024】図5に、距離センサ100から物体までの
距離Dと信号電流の比I1/I2との関係を示す。比I1
/I2は対数目盛りで表している。ここでは、物体とし
て灰色紙を使用した。このグラフから分かるように、信
号電流の比I1/I2が求められれば、距離センサ100
から物体までの距離Dがわかる。
【0025】上述した構成の距離センサ100によっ
て、人体の距離検出実験を行った結果を図6に示す。図
6は、距離センサ100から人体までの実際の距離D
と、距離センサ100の出力値との関係を表すグラフで
ある。この実験では、2人の人物A、Bに対して、距離
Dを0m〜5mの範囲で0.5m間隔に設定し、各人各
3回ずつ測定を行った。人物A、Bは共に、灰色の服を
着用し、距離センサ100から発する距離検出用光は、
人物A、Bのみぞおち付近に当たるようにした。検出エ
リア付近は、屋内蛍光灯(400lx)にて照らしてい
た。実験結果は、距離Dが0m〜3.5mの範囲では、
6回全て検出され、距離Dが4mでは、6回中4回検出
された。距離Dが4m及び4.5mでは6回全て検出さ
れなかった。このように、この距離センサ100によっ
て、距離Dが4m以内の範囲では、ほぼ正確に距離セン
サ100から人物までの距離を測定できる。
【0026】制御部200は、例えばマイクロコンピュ
ータが使用され、距離センサ100の制御回路160に
接続されている。制御部200は、所定の動作を行うた
めの各種基本命令を実行する部分である中央処理装置
(CPU)210を有している。中央処理装置210に
は、信号処理回路140から距離情報信号が、制御回路
160のアナログ/デジタル変換回路162によりアナ
ログ信号からデジタル信号に変換されて与えられる。中
央処理装置210には、プログラムや演算定数などが格
納されたROM220、及び距離情報信号等の格納や演
算の作業領域として使用されるRAM230が接続され
ている。中央処理装置210は、距離センサ100から
の信号に基づいて物体の移動状態、例えば接近している
かどうかを判断する。
【0027】上記構成とすることにより、本実施例で
は、物体の移動を検出することができる。図1、図7及
び図8に基づいて、本実施例の移動物体検出装置1によ
る移動検出の動作を説明する。図7は、入力電圧Vinの
波形を表し、図8は、移動検出の動作を説明するための
模式図である。
【0028】距離センサ100による距離測定は、図7
に示すような周期t秒のパルス信号である入力電圧Vin
が、ハイレベルからローレベルに立ち下がった時刻Tか
ら開始される。時刻Tで、制御回路160では、発振回
路161が赤外発光ダイオード駆動回路130にパルス
信号を出力し、赤外発光ダイオード駆動回路130は、
そのパルス信号に応じて赤外発光ダイオード110用の
駆動パルス信号を発生する。駆動パルス信号は赤外発光
ダイオード110に出力され、赤外発光ダイオード11
0は、距離検出用光である赤外線を移動物体検出装置1
の外部に発する。距離センサ100は、使用する赤外発
光ダイオード110及び半導体位置検出素子120の性
能に応じてその検出エリアS(図8中では4m以内)が
定まる。
【0029】距離検出用光が検出エリア内に発せられて
いる時に、図8に示すように、人体Mが、検出エリアS
内である移動物体検出装置1から4mの地点Aに存在す
ると、距離検出用光は人体Mに反射され、半導体位置検
出素子120に入射する。半導体位置検出素子120は
入射光のスポット位置に応じて、信号電流I1及びI2を
信号処理回路140へ出力する。
【0030】信号処理回路140は、信号電流I1及び
I2から(I2−I1)/(I1+I2)又はI1/I2の値
を求めるための信号処理を行う。信号処理回路120の
具体的な構成については後述する。上述したように、
(I2−I1)/(I1+I2)又はI1/I2の値から、半
導体位置検出素子120への入射光のスポット位置が特
定でき、そのことによって、人体Mまでの距離が検出で
き、距離情報信号(4m)として制御回路160のアナ
ログ/デジタル変換回路162を介して制御部200に
与えられる。アナログ/デジタル変換回路162では、
例えば以下の表1に示すように、距離情報信号をアナロ
グ信号からデジタル信号へ変換する。
【0031】
【表1】
【0032】この場合は、距離情報信号(4m)は距離
情報信号(101)に変換され、制御部200の中央処
理装置210に出力される。中央処理装置210に出力
された距離情報信号(101)はRAM230に送ら
れ、記憶される。
【0033】時刻Tからt秒後の時刻(T+t)に、入
力電圧Vinは、図7に示すように、再びハイレベルから
ローレベルに立ち下がり、距離センサ100は距離測定
を開始する。距離センサ100は、上述した動作を再び
繰り返し、距離検出用光を移動物体検出装置1の外部に
発する。この時、人体Mが地点Aから移動し、移動物体
検出装置1から2mの地点Bに存在していたとすると、
距離センサ100は人体Mの距離情報信号(2m)を得
る。この距離情報信号(2m)は距離情報信号(01
1)に変換され、中央処理装置210に与えられる。中
央処理装置210では、先にRAM230に記憶された
距離情報信号(101)と次の距離情報信号(011)
とを比較して、人体Mが、例えば移動物体検出装置1に
近づいているかどうかを判断する。この場合は、中央処
理装置210は、人体Mが移動物体検出装置1に近づい
ていると判断する。ここでは、人体Mが近づく場合を想
定しているが、逆に離れていく場合も同様に判断でき
る。
【0034】上述のように、本実施例の移動物体検出装
置1は、検出エリアS内での物体の移動を検出すること
ができるので、移動物体検出装置1を備えた電気機器で
は、人体Mが近づいて来た状態をとらえて照明を点灯さ
せたり、アラーム音を発生させたりすることができる。
このように移動物体検出装置1を電気機器に使用する場
合は、制御部200に電気機器の制御部を兼ねさせる構
成とすることもできる。その場合は、中央制御装置21
0は、物体の移動を検出すると、その移動に応じたコン
トロール信号を発生し電気機器の各部を制御する。デジ
タル制御される電気機器、例えば照明灯や警報装置等
は、中央制御装置210からのコントロール信号により
直接制御される。中央制御装置210には、デジタル/
アナログ変換回路240が接続されており、アナログ制
御される電気機器は、例えばモータ等は、デジタル/ア
ナログ変換回路240によりデジタル信号からアナログ
信号に変換されたコントロール信号によって制御され
る。
【0035】距離測定の時間間隔は、移動物体検出装置
1が用いられる電気機器の用途に応じて、入力電圧Vin
に与えるパルス信号の周期を変えることにより変更でき
る。例えば、本例では1秒に10回(t=100ms)
の距離測定を行えば、物体が地点Aから地点Bに移動し
ても充分に測定できる。
【0036】上記移動物体検出装置1の信号処理回路1
40の一例を図9に示す。この信号処理回路140は、
半導体位置検出素子120からの信号電流I1及びI2に
それぞれ比例した電圧V11及びV12に変換する電流電圧
変換回路部141と、電圧V11及びV12から、信号電流
I1とI2との差に比例した電圧VAを得るための減算回
路部142と、信号電流I1とI2との和に比例した電圧
VBを得るための加算回路部143とを有する。
【0037】電流電圧変換回路部141は、半導体位置
検出素子120の信号電流I1及びI2に反転入力端子が
それぞれ接続された2つのオペアンプOP11と、各オペ
アンプOP11の反転入力端子と出力端子との間にそれぞ
れ接続された抵抗値の等しい抵抗R11とを有している。
各オペアンプOP11の非反転出力端子はそれぞれ接地さ
れている。信号電流I1が入力されるオペアンプOP11
の出力端子側での電圧V11、及び信号電流I2が入力さ
れるオペアンプOP11の出力端子側での電圧V12は数3
で表される。
【0038】
【数3】
【0039】この電圧V11及びV12はそれぞれ減算回路
部142と加算回路部143へ入力される。
【0040】減算回路部142は、電流電圧変換回路部
141の信号電流I1に対応するオペアンプOP11側の
出力端子及び信号電流I2に対応するオペアンプOP11
側の出力端子にそれぞれ接続された抵抗値の等しい抵抗
R12と、信号電流I1に対応する抵抗R12が反転入力端
子に接続され、信号電流I2に対応する抵抗R12が非反
転入力端子に接続されたオペアンプOP12とを有してい
る。オペアンプOP12の反転入力端子と出力端子との間
には抵抗R13が接続されており、オペアンプOP12の非
反転入力端子には、抵抗R13と抵抗値が等しい抵抗R13
の一端が接続され、その他端は接地されている。この減
算回路部142の出力であるオペアンプOP12の出力電
圧VAは数4で表される。
【0041】
【数4】
【0042】加算回路部143は、電圧V11とV12との
和に比例した電圧を出力する加算器143aと、加算器
143aの出力を反転増幅して出力する反転増幅回路1
43bとを有している。加算器143aは、信号電流I
1に対応するオペアンプOP11側の出力端子及び信号電
流I2に対応するオペアンプOP11側の出力端子にそれ
ぞれ接続された抵抗値の等しい抵抗R14と、各抵抗R14
が反転入力端子に接続されオペアンプOP13と、オペア
ンプOP13の反転入力端子と出力端子との間に接続され
た抵抗R15とを有している。オペアンプOP13の非反転
入力端子は接地されている。オペアンプOP13の出力電
圧V13は数5で表される。
【0043】
【数5】
【0044】反転増幅回路143bは、オペアンプOP
13の出力に一端が接続された抵抗R16と、抵抗R16の他
端が反転入力端子に接続されたオペアンプOP14と、オ
ペアンプOP14の反転入力端子と出力端子との間に接続
された抵抗R17とを有している。オペアンプOP14の非
反転入力端子は接地されている。加算回路部143の出
力であるオペアンプOP14の出力電圧VBは数6で表さ
れる。
【0045】
【数6】
【0046】ここで、数7に示す条件を満たすように、
抵抗R12、R13、R14、R15、R16及びR17の抵抗値を
設定すれば、出力電圧VBは数8で表される。
【0047】
【数7】
【0048】
【数8】
【0049】この様にして求められた電圧VA、VBを、
制御部200に出力し、演算処理することによって数9
が求められる。
【0050】
【数9】
【0051】上述したように、(I2−I1)/(I1+
I2)の値から、半導体位置検出素子120への入射光
のスポット位置が特定できるので、移動物体検出装置1
から物体までの距離が分かる。
【0052】図10に、信号処理回路140の他の例を
示す。この信号処理回路140は、半導体位置検出素子
120からの信号電流I1及びI2の対数に対応した電圧
V21及びV22に変換するための対数変換回路部144
と、電圧V21及びV22から、信号電流I1とI2との比に
対応した電圧VCを得るための差動増幅回路部145と
を有する。
【0053】対数変換回路部144は、半導体位置検出
素子120の信号電流I1及びI2に反転入力端子がそれ
ぞれ接続された2つのオペアンプOP21と、各オペアン
プOP21の反転入力端子と出力端子との間にそれぞれ接
続された、逆方向飽和電流I0がそれぞれ等しい対数ダ
イオードD21とを有している。各オペアンプOP21の非
反転出力端子にはそれぞれ電圧VREF1が与えられる。
尚、半導体位置検出素子120の端子127aにも電圧
VREF1が与えられる。信号電流I1が入力されるオペア
ンプOP21の出力端子側での電圧V21、及び信号電流I
2が入力されるオペアンプOP21の出力端子側での電圧
V22は数10で表される。
【0054】
【数10】
【0055】差動増幅回路部145は、対数変換回路部
144の信号電流I1に対応するオペアンプOP21側の
出力端子及び信号電流I2に対応するオペアンプOP21
側の出力端子にそれぞれ接続された抵抗値の等しい抵抗
R21と、信号電流I1に対応する抵抗R21が反転入力端
子に接続され、信号電流I2に対応する抵抗R21が非反
転入力端子に接続されたオペアンプOP22とを有してい
る。オペアンプOP22の反転入力端子と出力端子との間
には抵抗R22が接続されており、オペアンプOP22の非
反転入力端子には、抵抗R22と抵抗値が等しい抵抗R22
の一端が接続され、その他端には電圧VREF2が与えられ
る。この差動増幅回路部145の出力であるオペアンプ
OP22の出力電圧VCは数11で表される。
【0056】
【数11】
【0057】このようにして、log(I1/I2)に対
応した出力電圧Vcを得ることができる。上述したよう
に、I1/I2の値から、半導体位置検出素子120への
入射光のスポット位置が特定できるので、移動物体検出
装置1から物体までの距離が分かる。
【0058】本発明の移動物体検出装置は、上記実施例
のように、物体の複数の移動方向を検出できるので、本
発明の移動物体検出装置を用いて、それぞれの移動方向
に対応して、異なる所定の動作を行うことができる電気
機器を提供することができる。
【0059】図11に、上記移動物体検出装置を備え、
移動方向に応じて異なる所定の動作を行うことのできる
電気機器における動作を説明するための模式図を示す。
【0060】この電気機器は、上記移動物体検出装置1
と移動物体検出装置1によって検出された移動方向に応
じて所定の動作を行うための表示装置2とからなり、例
えば車庫、ガレージ、及び駐車場施設等に備えられる。
移動物体検出装置1は、上述したように、物体、この場
合では車Cの移動方向、即ち車Cが移動物体検出装置1
に近づく方向a及び遠ざかる方向bを検出する。移動物
体検出装置1が車Cの移動方向が方向aであると検出し
た場合は、表示装置2は、例えば「いらっしゃいませ」
と表示する。一方、移動物体検出装置1が車Cの移動方
向が方向bであると検出した場合は、表示装置2は、例
えば「ありがとうございました」と表示する。
【0061】移動物体検出装置によって検出された移動
方向に応じて所定の動作を行うための装置は表示装置に
限られず、音声発生装置やアラーム音発生装置などが使
用できる。また、用途についても、上記場合に限られ
ず、店番センサとして用いるべく商店の入口付近に設置
し、人体の出入りを検出して所定の動作を行わせること
もできる。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の移動物体検出装置によれば、検出エリア内の物体の移
動を検出できるので、例えば物体が移動物体検出装置に
近づいているかどうかを検出することができる。従っ
て、本発明の移動物体検出装置を電気機器に備えさせれ
ば、移動物体検出装置が物体の接近を検出したときに、
所定の動作、例えば照明灯の点灯やアラーム音の発生を
行うように制御することができ、通行人と来訪者との区
別を可能にすることができる。
【0063】また、本発明の電気機器によれば、移動物
体検出装置によって検出された複数の移動方向、例えば
人や車の接近方向あるいは遠ざかる方向などに応じて、
それぞれ異なる所定の動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の移動物体検出装置のブロック図であ
る。
【図2】半導体位置検出素子の断面図である。
【図3】半導体位置検出素子の斜視図である。
【図4】実施例の移動物体検出装置の距離センサ部分の
模式図である。
【図5】距離センサから物体までの距離Dと信号電流の
比I1/I2との関係を示すグラフである。
【図6】距離センサから人体までの実際の距離Dと、距
離センサの出力値との関係を表すグラフである。
【図7】距離センサへの入力電圧の波形を示す図であ
る。
【図8】実施例の移動物体検出装置による移動検出の動
作を説明するための模式図である。
【図9】図1に示す信号処理回路の一例である。
【図10】図1に示す信号処理回路の他の例である。
【図11】実施例の移動物体検出装置を備えた電気機器
における動作を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 移動物体検出装置 2 表示装置 100 距離センサ 110 赤外発光ダイオード 120 半導体位置検出素子 140 信号処理回路 160 制御回路 200 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 13/00 G01B 11/00 G01C 3/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光素子から発せられて検出エリア内に
    存在する物体からの反射光を受光素子にて受光すること
    により、該発光素子から該物体までの距離に対応する信
    号を出力する距離センサと、 該距離センサによって物体が検知された際に該距離セ
    ンサが出力する該物体までの距離に対応する信号を、
    記検出エリア内において予め設定された異なる複数の距
    離範囲のいずれに存在するかを示す距離情報信号に変換
    する変換手段と、 所定時間後における該変換手段にて変換された距離情報
    信号の変化に基づいて、 該物体の移動状態を判断する移
    動検出手段と、 を備えた移動物体検出装置。
  2. 【請求項2】 発光素子から発せられて検出エリア内に
    存在する物体からの反射光を受光素子にて受光すること
    により、該発光素子から該物体までの距離に対応する信
    号を出力する距離センサと、 該距離センサによって物体が検知された際に該距離セ
    ンサが出力する該物体までの距離に対応する信号を、
    記検出エリア内において予め設定された異なる複数の距
    離範囲のいずれに存在するかを示す距離情報信号に変換
    する変換手段と、 所定時間後における該変換手段にて変換された距離情報
    信号の変化に基づいて、 該物体の移動状態を判断する移
    動検出手段と、 該移動検出手段によって判断された該物体の移動状態に
    応じて予め設定された所定の動作を行う手段とを備えた
    電気機器。
JP16366593A 1993-01-19 1993-07-01 移動物体検出装置及びそれを備えた電気機器 Expired - Fee Related JP3356330B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16366593A JP3356330B2 (ja) 1993-01-19 1993-07-01 移動物体検出装置及びそれを備えた電気機器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP702993 1993-01-19
JP5-7029 1993-01-19
JP16366593A JP3356330B2 (ja) 1993-01-19 1993-07-01 移動物体検出装置及びそれを備えた電気機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06273436A JPH06273436A (ja) 1994-09-30
JP3356330B2 true JP3356330B2 (ja) 2002-12-16

Family

ID=26341267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16366593A Expired - Fee Related JP3356330B2 (ja) 1993-01-19 1993-07-01 移動物体検出装置及びそれを備えた電気機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3356330B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106323916A (zh) * 2016-08-18 2017-01-11 中国科学院嘉兴微电子仪器与设备工程中心 一种晶圆扫描检测定位方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06273436A (ja) 1994-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3144736B2 (ja) 周囲光検出装置および同周囲光検出装置を用いたバーコードリーダ用レーザ点灯制御装置
US7022026B2 (en) Golf club swing analyzers
JP3356330B2 (ja) 移動物体検出装置及びそれを備えた電気機器
JP2942046B2 (ja) 光学的測距センサー
JP3165255B2 (ja) 測距センサ
JP2559393B2 (ja) 距離検出装置
JPH06137858A (ja) 車衝突防止センサ
JP2674468B2 (ja) 距離検出装置
JPH11304470A (ja) 距離検出器
JP3253681B2 (ja) カメラの測距装置
JP2791836B2 (ja) 測距センサ
JP3117227B2 (ja) 距離検出装置
JPH0830653B2 (ja) 距離検出装置
JPS59155704A (ja) 穴中心位置検出装置
JPH0675131B2 (ja) ゾーンフォーカスカメラの測距装置
WO1987005115A1 (en) Passive optical detector
JPS61501795A (ja) 可動物体の検出装置
JP3432852B2 (ja) 測距装置
JP4074828B2 (ja) 測距センサ
JP2581480B2 (ja) 距離センサ
JPH0674760A (ja) 光学式変位センサ
KR20040092516A (ko) 인체의 출입 방향을 판별하는 장치
JPH05306906A (ja) 移動物体検出装置
JPH0227215A (ja) 光電スイッチ
JPH0750656Y2 (ja) 光電センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020919

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071004

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081004

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081004

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091004

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees