JP3355151B2 - クワガタムシの幼虫飼育用キノコ菌床 - Google Patents

クワガタムシの幼虫飼育用キノコ菌床

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クワガタムシ類の
飼育用キノコ菌糸に関する。
【0002】
【従来の技術】かつて、わが国にはクヌギ、ナラなどの
広葉樹を中心とした雑木林がいたるところに存在し、そ
こはカブトムシやクワガタムシの宝庫であった。ところ
が土地開発により雑木林が失われ、さらに農薬散布がこ
れらの昆虫の減少に追い打ちをかけた。そういったな
か、昨今のペットブームの流れにのって、クワガタムシ
飼育マニアの人口が老若男女を問わずに急増し、その数
は10万人とも言われている。クワガタムシの成虫およ
び幼虫についての非常に大きな需要を満たすために、ク
ワガタムシの人工飼育が行われている。
【0003】最も飼育方法が普及しているオオクワガタ
を例にしてその人工飼育法を述べる。通常、成虫になっ
てから6ヵ月以上を経たオスとメスとが交尾し、朽ち木
に産卵が行われる。産卵後10日〜2週間ほどたつと、
孵化し、卵のなかから幼虫が出てくる。幼虫は自分の脱
いだ卵の殻を食べ、次いで朽ち木の柔らかい部分をエサ
にし、坑道(トンネル)を掘っていく。幼虫が約5mm
の大きさに成長したら、幼虫を朽ち木から取り出し、人
工飼育を行う。
【0004】以前は、0.5〜1Lのビンに朽ち木を砕
いた木くずを詰め込みそのなかに幼虫を入れて幼虫を飼
育することが多かったが、現在はキノコの菌糸が蔓延し
たオガクズ培地が入ったビン(本明細書中以後、菌床ビ
ンという)で幼虫を飼育する場合が増えてきた。これ
は、朽ちていない木材では、クワガタムシの幼虫の利用
できる栄養素が乏しいのに対して、キノコ菌糸(おもに
白色腐朽菌)が繁殖した朽ち木では、木質成分の分解が
ほどよく進み、クワガタムシの幼虫が利用できる栄養素
の量が豊富になり、幼虫が生育するのに適した環境にな
るからである。
【0005】一般に、オガクズに蔓延させるために使用
されるキノコ菌糸は、ヒラタケ科のキノコであり、例え
ば、鳳尾茸(Pleurotus sajor−caj
u)、ヒラタケ(Pleurotus ostreat
us)、ウスヒラタケ(Pleurotus pulm
onarius)が挙げられる。
【0006】これらの菌種は、クワガタムシの幼虫飼育
に適していることが当該業者間で知られている。しか
し、菌床ビンを用いた方法では、温度変化、湿度変化等
により容易にキノコ子実体が発生してしまい、使用以前
に廃棄せねばならなかったり、あるいは飼育途中でのキ
ノコ子実体の発生により幼虫に悪影響を与えてしまった
りする場合が多い。
【0007】通常、幼虫がサナギを経て成虫になるまで
の間に菌床ビンは最低3本必要とされ、そのため子実体
発生を抑え、無駄になるビンをなくすことは飼育業者、
ペットショップ、一般マニアそれぞれにとって重要な課
題となっている。
【0008】上述したキノコ菌糸ビンは、もともと一般
的な食用キノコ栽培用の菌床を幼虫飼育用に流用したに
すぎず、子実体が発生するのは避けがたい。菌床から子
実体が発生するのを防ぐため、ビンに培地成分を強く押
し込んで菌糸を培養する方法、および培地栄養源を少な
くして、子実体の発生を妨げる方法などが試みられてい
る。しかし、これらの方法は、幼虫の生育に対して悪影
響を及ぼし、さらに子実体の発生を完全に防ぐことはで
きない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
の解決を意図するものであり、子実体が生じない、クワ
ガタムシの幼虫飼育用のキノコ菌床、およびそれを収容
した容器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、幼虫飼育
用のキノコ菌床に一核菌糸を用いることにより、子実体
が生じない幼虫飼育用のキノコ菌床が得られることを見
い出し、これに基づいて本発明を完成させた。
【0011】本発明は、クワガタムシの幼虫飼育用キノ
コ菌床であって、該菌床に含まれる菌糸は、一核菌糸で
ある。1つの実施態様では、上記一核菌糸は、ヒラタケ
科、キシメジ科、およびモエギタケ科からなる群より選
択される科、好ましくは、ヒラタケ属、キシメジ属、エ
ノキタケ属、シメジ属、シロタモギタケ属およびスギタ
ケ属からなる群より選択される属、より好ましくは、鳳
尾茸(Pleurotus sajor−caju)、
ヒラタケ(Pleurotus ostreatu
s)、ウスヒラタケ(Pleurotus pulmo
narius)、タモギタケ(Pleurotus c
ornucopiae var. citrinopi
leatus)、ニオウシメジ(Tricholoma
giganteum)、エノキタケ(Flammul
ina velutipes)、ブナシメジ(Hyps
izigus marmoreus)、およびナメコ
(Pholiota nameko)からなる群より選
択されるキノコの一核菌糸であり得る。
【0012】別の実施態様では、上記菌床は、広葉樹の
オガクズを含む培地に前記一核菌糸を接種し、培養を行
うことにより形成され得る。
【0013】本発明のクワガタムシの幼虫飼育用容器
は、上記のいずれかの菌床を収容している。1つの実施
態様では、本発明のクワガタムシの幼虫飼育用容器は、
さらに、クワガタムシの幼虫を含み得る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明においては、他に特定されない限
り、当該分野で公知である、菌糸分離方法、菌糸培養方
法、菌糸培養培地、ならびに昆虫飼育方法が採用され得
る。これらの手法は、市販のキット、培地、試薬などを
使用して行い得る。
【0016】本発明のクワガタムシの幼虫飼育用キノコ
菌床は、一核菌糸を含む。
【0017】一般的に、キノコの生活環は、単核(一
核)および多核(通常、二核)の世代を交互に繰り返
す。一個の胞子から発芽した菌糸は、それぞれ細胞中に
1つの核を持った菌糸(すなわち、一核菌糸)として生
長する。一核菌糸は、異なった和合性のある他の一核菌
糸と接合して、細胞中に2つの核を持った二核菌糸とな
る。二核菌糸には、クランプとよばれる、細胞壁を仕切
る隔壁部にあるかすがい状の突起を持つ種が多い。二核
菌糸はさらに成長を続け、大きく広がり、二核菌糸の各
部に球状の菌糸塊が形成され、次第に大きく分化して子
実体基(つぼみ)となり、やがて成熟した子実体(キノ
コ)となる。子実体の傘の裏面には、ひだ状の子実層托
が形成される。ひだの最外層には、棍棒状の担子器を形
成し、核の融合および減数分裂が行われて、先端に担子
胞子(通常は4個)をつける。担子胞子は一核性であ
り、2または4の性がある。二核菌糸は子実体を得るに
適した菌糸であり、当然のことながら、キノコを栽培す
る場合においては、二核菌糸を培養する必要がある。
【0018】しかし、通常、キノコ業界関係者がキノコ
種菌を作製する場合は、このように胞子をその都度交配
させて二核菌糸を得る方法ではなく、優良な形態をもつ
子実体から組織を分離し、二核菌糸を得る方法が用いら
れている。したがって、逆にキノコの発生を望まなけれ
ば、一核菌糸を培養すれば良い。
【0019】「菌床」とは、培地にキノコの菌糸を接種
し、培養することにより形成される、培地とキノコの菌
糸との混合物をいう。
【0020】菌床を得るために用いられる培地は、通
常、キノコの子実体を培養するために用いられる任意の
培地である。キノコの子実体を培養するための培地組成
は、当該分野で公知であり、必要に応じて適切に選択さ
れ得る。培地は、例えば、広葉樹または針葉樹からのオ
ガクズおよび木材チップ;アワ、ヒエ、キビ、イネ、サ
トウキビ、ムギ(例えば、コムギ、オオムギ、ライム
ギ)など、イネ科の栽培植物由来の穀物および植物体
(ワラ、フスマ、もみがら、およびサトウキビバガ
ス);綿実ハルブラン、ココナッツピート、苔類、園芸
用土;石灰、牡蛎殻、糖蜜、植物用液体肥料;および牛
フン堆肥、鶏フン堆肥、バーク堆肥、オカラ、豆皮、コ
ーヒーかす、酒かす、食品製造副産物などから選択され
る任意の成分を含み得る。培地は、好ましくはオガクズ
を含み、より好ましくは広葉樹のオガクズを含む。広葉
樹の例としては、ブナ科の植物(例えば、ブナ、クヌ
ギ、コナラ、ミズナラ、クリ、マテバシイなど)、カバ
ノキ科の植物(例えば、アカシデ、ヤシャブシなど)、
バラ科の植物(例えば、サクラなど)、クルミ科の植物
(例えば、オニグルミ、テウチグルミ、サワグルミな
ど)が挙げられる。
【0021】培地成分は、直径15mm×長さ15mm
以下の大きさに調整して用いることが好ましい。培地成
分の形態は、特に限定されず、粒状であってもよいし、
細片状であってもよいし、粉末であってもよい。
【0022】培地は、当該分野で公知の方法に従って調
製される。培地は、必要に応じて適切な容器に収容され
る。培養容器は、滅菌処理に耐え得る容器であれば、そ
の形状、大きさ、材料などは制限されない。キノコ栽培
で最も一般的に用いられる容量850ml、直径58m
mのビンを使用してもよいし、他の菌床栽培用容器、例
えば袋栽培用の袋を使用することもできる。
【0023】上記の培地は、そのままで、あるいは培養
容器に詰められた後に滅菌処理が行われる。滅菌条件
は、一般的に用いられる滅菌処理の条件の範囲内であれ
ば、特に限定されない。滅菌方法の例としては、高圧蒸
気滅菌、常圧蒸気滅菌などが挙げられる。例えば、12
1℃にて60分間の高圧蒸気滅菌が好ましい。大量の培
地の蒸気滅菌を行う場合は、滅菌処理の時間を延長する
ことが好ましい。
【0024】本発明に用いられる一核菌糸は、ヒラタケ
科、キシメジ科、およびモエギタケ科からなる群より選
択される科に属するキノコの一核菌糸である。一核菌糸
は、好ましくは、ヒラタケ属、キシメジ属、エノキタケ
属、シメジ属、シロタモギタケ属およびスギタケ属から
なる群より選択される属に属するキノコの一核菌糸であ
り、より好ましくは、鳳尾茸(Pleurotus s
ajor−caju)、ヒラタケ(Pleurotus
ostreatus)、ウスヒラタケ(Pleuro
tus pulmonarius)、タモギタケ(Pl
eurotuscornucopiae var. c
itrinopileatus)、ニオウシメジ(Tr
icholoma giganteum)、エノキタケ
(Flammulina velutipes)、ブナ
シメジ(Hypsizigusmarmoreus)、
およびナメコ(Pholiota nameko)から
なる群より選択されるキノコの一核菌糸である。
【0025】一核菌糸は、当該分野で公知の方法に従っ
て調製される。例えば、任意のキノコの子実体から胞子
を単離し、得られた胞子を例えば、水などで充分に希釈
して、適切な寒天培地(例えば、ポテトデキストロース
寒天培地、麦芽エキス寒天培地など)に塗抹して培養
し、発芽および発育させることにより、調製され得る。
一核菌糸を得るためには、単一の胞子から得られた菌糸
を他の胞子から得られた菌糸と混合しない(つまり、接
合させない)ことが重要である。
【0026】得られた一核菌糸を、上記の殺菌された培
地に接種し、そして培養することにより、本発明の菌床
が調製される。培養条件は、接種される一核菌糸が生育
可能な条件であれば、特に限定されない。接種方法、接
種条件、および培養条件などは当該分野で公知であり、
培養される菌種に応じて適切に選択され得る。
【0027】本発明のキノコ菌床は、クワガタムシの幼
虫の飼育に適切に用いられる。
【0028】「クワガタムシ」とは、クワガタムシ科に
属する任意の昆虫をいう。クワガタムシの例としては、
オオクワガタ、ヒラタクワガタ、ヒメオオクワガタ、コ
クワガタ、スジクワガタ、ノコギリクワガタ、ミヤマク
ワガタ、アマミシカクワガタ、マルバネクワガタ、ネブ
トクワガタ、オニクワガタ、ツヤハダクワガタ、ルリク
ワガタ、マメクワガタ、チビクワガタ、マダラクワガ
タ、アマミミヤマクワガタ、アマミノコギリクワガタな
どが挙げられる。
【0029】キノコ菌床に含まれる一核菌糸の種は、ク
ワガタムシの種に関係なく任意に選択され得るが、一核
菌糸の種とクワガタムシの種との好ましい組合せは、鳳
尾茸とオオクワガタとの組合せ、ヒラタケとヒラタクワ
ガタとの組合せなどが挙げられる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。しか
し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、いずれも、鳳尾茸(Pleurot
ussajor−caju)を用いた。
【0031】(実施例1:一核菌糸の分離)鳳尾茸(P
leurotus sajor−caju)の子実体か
ら切り離した傘部を、150℃、120分間で乾熱滅菌
した黒色のクラフト紙の上に静置した。そしてさらに風
に吹かれないように1,000mlのビーカーをかぶせ
て一夜15℃の室内で放置した。
【0032】翌日、傘のヒダから胞子が落下し、クラフ
ト紙上に白い胞子紋を生じた。白金耳で胞子を掻きと
り、100mlの滅菌水に懸濁し、その懸濁液0.2m
lをポテトデキストロース寒天培地(PDA培地)上に
塗抹した。25℃、5日間培養すると、一枚のシャーレ
上に10〜20個の胞子から発芽した菌糸のコロニーが
現れた。菌糸が接合しないようにそれらのコロニーを別
々にカッターナイフで5mm角の大きさで切り取り、新
しい別のPDA培地に移植した。25℃、14日間の培
養で菌糸はシャーレ全面に拡がった。400〜1,00
0倍の倍率の顕微鏡下で観察を行い、得られた菌糸が、
クランプコネクションを有さないこと、つまり一核菌糸
であることを確認した。
【0033】(比較例1:二核菌糸の分離)鳳尾茸(P
leurotus sajor−caju)の子実体の
内部をカッターナイフで無菌的に5mm角切取り、PD
A培地上に接種した。25℃、3日間で菌糸が再生し、
14日間で菌糸はシャーレ全面に拡がった。400〜
1,000倍の倍率の顕微鏡下で観察を行い、得られた
菌糸が、クランプコネクションを有すること、つまり二
核菌糸であることを確認した。
【0034】(実施例2:クワガタムシ幼虫飼育用菌床
の作製のための培地の調製)850cc、58mmの耐
熱性ポリプロピレンビンに以下の表1の配合で調製した
培地を詰め、中央に直径15mmの穴をビンの底から1
cmの深さまであけた。これは、菌糸を培地の下の方に
も落として菌糸の培養を早めるととも空気の流通をよく
するためである。このような培地をテスト区および対照
区のそれぞれについて50本ずつ作製した。培地の入っ
たビンに通気性のあるキャップをして118℃、60分
間の殺菌をおこなった。殺菌が終了したビンは清浄な部
屋で一夜培地を18℃まで冷却した。
【0035】
【表1】
【0036】(実施例3:培養継続試験)テスト区の一
核菌糸および対照区の二核菌糸を、実施例2で作製した
培地(テスト区および対照区、各10本)にそれぞれ接
種し、温度20℃、湿度70%、CO2濃度1,500
ppm以下の条件下で20日間培養した。
【0037】上記条件下でそのまま培養を続け、何日目
でキノコ子実体が発生するかを試験した。結果を表2に
示す。
【0038】
【表2】
【0039】対照区では培養35日目までに10本のビ
ン全てで子実体の発生が認められたが、テスト区では子
実体の発生は認められなかった。
【0040】(実施例4:温度ショック試験)実施例3
と同様に、テスト区の一核菌糸および対照区の二核菌糸
を、実施例2で作製した培地(テスト区および対照区、
各10本)にそれぞれ接種し、温度20℃、湿度70
%、CO2濃度1,500ppm以下の条件下で培養し
た。
【0041】培養21日目に1日間、15℃に温度を下
げた後、再び20℃に戻して培養を続けた。20℃に戻
して3日後および5日後(接種後24日目および27日
目)に、子実体の発生状況を調べた。結果を表3に示
す。
【0042】
【表3】
【0043】対照区では、温度ショックを与えて6日後
に9本のビンで子実体の発生が認められたが、テスト区
では、子実体の発生は認められなかった。
【0044】(実施例5:クワガタムシ幼虫生存試験)
実施例3と同様に、テスト区の一核菌糸および対照区の
二核菌糸(テスト区および対照区、各30本)をそれぞ
れ接種し、温度20℃、湿度70%、CO2濃度1,5
00ppm以下の条件下で培養した。
【0045】培養20日目にオオクワガタの1齢幼虫を
各ビンに1匹ずつ入れ、22℃、湿度60%、CO2
度1,000ppmの条件下で飼育をおこなった。その
後、3ヶ月後、6ヶ月後、9ヶ月後に新しい菌糸ビンに
更新し、試験開始12ヶ月後サナギになる直前までの段
階で生存率を調べた。結果を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、クワガタムシの幼虫飼
育用キノコ菌床であって、この菌床に含まれる菌糸が、
一核菌糸であるキノコ菌床が提供される。キノコ菌床に
一核菌糸を使用するので、クワガタムシの幼虫の生育の
障害となるキノコ子実体の発生が防がれる。このキノコ
菌床を用いることにより、店頭販売の際の歩留まり向
上、幼虫の生存率の向上などがもたらされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−205932(JP,A) 特開2001−8580(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 67/033 502 A01G 1/04

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クワガタムシの幼虫飼育用キノコ菌床で
    あって、該菌床に含まれる菌糸が、一核菌糸である、キ
    ノコ菌床。
  2. 【請求項2】 前記一核菌糸が、ヒラタケ科、キシメジ
    科、およびモエギタケ科からなる群より選択される科に
    属するキノコの一核菌糸である、請求項1に記載のキノ
    コ菌床。
  3. 【請求項3】 前記一核菌糸が、ヒラタケ属、キシメジ
    属、エノキタケ属、シメジ属、シロタモギタケ属および
    スギタケ属からなる群より選択される属に属するキノコ
    の一核菌糸である、請求項2に記載のキノコ菌床。
  4. 【請求項4】 前記キノコ菌糸が、鳳尾茸(Pleur
    otus sajor−caju)、ヒラタケ(Ple
    urotus ostreatus)、ウスヒラタケ
    (Pleurotus pulmonarius)、タ
    モギタケ(Pleurotus cornucopia
    e var. citrinopileatus)、ニ
    オウシメジ(Tricholoma giganteu
    m)、エノキタケ(Flammulina velut
    ipes)、ブナシメジ(Hypsizigus ma
    rmoreus)、およびナメコ(Pholiota
    nameko)からなる群より選択されるキノコの一核
    菌糸である、請求項1に記載のキノコ菌床。
  5. 【請求項5】 前記菌床が、広葉樹のオガクズを含む培
    地に前記一核菌糸を接種し、培養を行うことにより形成
    される、請求項2に記載のキノコ菌床。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の菌
    床を収容した、クワガタムシの幼虫飼育用容器。
  7. 【請求項7】 さらに、クワガタムシの幼虫を含む、請
    求項6に記載のクワガタムシの幼虫飼育用容器。
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