JP3354151B2 - 抄紙機のバックウォータを循環する方法と装置 - Google Patents
抄紙機のバックウォータを循環する方法と装置Info
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Description
置に関する。詳しくは本発明は、抄紙工程を迅速かつ正
確に制御し、かつ生産される紙のグレードを変えるのに
必要な時間を著しく短くする方法に関する。本発明の方
法は特に、バックウォータが再循環する時間を著しく短
くする手段を提供する。本発明の装置はバックウォータ
の制御された迅速な再循環の原理を実施するように設計
されている。
料が一次工程を構成する以下の段階を通過する。すなわ
ち、粘稠度を制御した後、紙料は一定流量で抄紙機アプ
ローチ系に送られ、そこで紙料は混合ポンプの近くに送
られ、その混合ポンプで紙料は、遠心クリーナーにてク
リーニングを行うのに適切な粘稠度まで稀釈混合され
る。その混合ポンプはこの薄い紙料を一次遠心クリーナ
ーにポンプ輸送し、そのクリーナーで、破片を遠心力に
よって分離し、その受容物(accept)を直接にまたは第
二混合ポンプによって一つ以上の一次加圧スクリーンに
送り、そのスクリーンから受容物は適切な稀釈系を通っ
て抄紙機のヘッドボックスに送られ、そのヘッドボック
スは該稀釈紙料を無端の抄造すき網上に、または場合に
よっては、二つのこのようなすき網間に均一分配され、
そのすき網を通って、前記の薄い紙料に含有されている
水の大部分は排出されて固まった繊維ウエブが該すき網
上に残り、そのすき網から、該ウエブは一般にプレッシ
ングと乾燥を行う抄紙の次の段階に移される。
ープで循環される。これは特にクリーナーおよびスクリ
ーンの排出物(reject)が、これらの装置の選択性が劣
っているため、良質の繊維、一般に一次段階で処理され
る原料の10〜30%を含有している場合である。前記排出
物は混合ポンプで稀釈され次いで二次クリーニング段階
で回収され、この段階は多数存在し、各々前の段階の排
出物を処理し、次いでその受容物は前の段階の上流また
は繊維工程に再循環される。
が抄造すき網を通過して排出される水に追従し、バック
ウォータによって繊維工程に戻して循環される。伝統的
な抄紙法では、前記バックウォータは、バックウォータ
のパンとチャネルを通過してバックウォータタンクに入
り、バックウォータはこのタンクに集められ、上記混合
ポンプに送られる。バックウォータはかなりの量の空気
を含有しており、この空気は繊維工程およびウエブの抄
造を妨害するので除去しなければならない。このこと
は、バックウォータのタンク内とチャネル内での流速を
低下させるか、または薄い紙料の全流量を別の脱気タン
クを通過させることによって達成される。
進む直前に、繊維工程に再循環され、そして紙料製造部
から供給される濃い紙料が抄造粘稠度まで稀釈され、ヘ
ッドボックスに送られ、次いで先に述べたように放出さ
れる工程は、“短循環(short circulation)”を構成
している。薄い紙料および抄紙機の抄造部分に残ってい
る繊維ウエブには粘稠度の差がありかつこの工程には他
の各種の水の添加が行われるので、過剰のバックウォー
タが生じ、“長循環(long circulation)”として紙料
製造部門に循環される。前記の長循環を流れる水の中の
固体物質は大部分が、セーブオールによって回収され、
前記の短循環または繊維工程に戻される。
ックウォータの組成に影響を与える他の工程が変化する
と、バックウォータ中に循環している大量の原料は平衡
状態に達するのが遅れる。短循環または長循環の水がウ
エブ抄造領域を通過する度ごとに、いわゆる保持係数
(retention factor)に対応して、循環原料の一部分が
すき網によって保持される。残留原料の分離、したがっ
て工程の調節に対する応答はバックウォータの循環のサ
イクル時間に直接依存している。循環している水の容積
が大きく循環時間が長くなると工程の調節が遅れ、した
がってグレード変更または工程の調節を行った後、製品
の品質が受容可能に到達するのも遅れる。
なる。このことはバックウォータの開放タンクの容積が
大きいとさらに助長される。パイプ内の流速を3m/秒以
上に保持するとそのパイプの内壁にぬめり(スライム)
およびきょう雑物が生成するのを防止するが、低流速
は、空気がバックウォータ中に混合するのを回避しかつ
混合するときに空気を逃げ出させるために必要である。
この低流速は、ぬめり(スライム)を発生させる生物活
性および系内のデッドコーナへの原料堆積物の蓄積に対
して理想的な環境を提供する。バックウォータのタンク
の開放面は不明確で変化し易いことが多いので、系の容
積は、流量を厳密に制御するのに充分なほど正確には定
義されていない。
敏感なので、伝統的に、可能な最高の安定性が達成され
るように設計されている。そのため前記工程はごく徐々
にしか制御できない。工程の外乱はいずれも実際にはゆ
っくり作用することは事実であるが、外乱の修正もゆっ
くり行われる。循環経路で循環している大量の原料は、
生産される紙のグレードを変更する場合に特に有害であ
る。製品品質の安定化には数分間かかり、そして例えば
紙の色の変化は1時間以上、また二、三日間さえも続く
ことがある。このため、他の製造産業で通常確立されて
いる“ジャスト・オン・タイム(Just On Time)”生産
は製紙産業では不可能である。またこの固有のスローネ
ス(slowness:ゆっくりしていること)のために、通常
の工程の調節も困難な場合が多い。さらにこの系は定期
的な時間間隔をおいて洗浄しなければならず、そのため
コストと生産性の損失をまねく。
ループがあるので、特に各種のフィードバックループが
互いに許容可能な流動容積を制限する場合、この工程の
検査が一層困難になる。
がなされている。
は、空気除去ポンプ(air−removing pump)が、紙料を
抄紙機に送りかつ抄紙機の短循環において他の手段で脱
気する必要性を少なくするために使用される工程が開示
されている。この工程では白水の第一部分が、抄造布
(forming fabric)の下方のサクションボックスから短
循環へ空気除去ポンプでポンプ輸送され、一方、白水の
第二部分は水収集オープントレイに集められる。
59頁、1985年には、シート抄造が液圧で閉じられた空間
で行われる紙ウエブ抄造器が記載されている。この装置
はシート抄造を改良するために開発されたものである。
てその方法は濃い紙料の乾燥度に相当する乾燥度まで脱
水できない。したがってNisserが提案した方法は実用化
されないままになっている。
192〜V193頁、1989年には、特に圧液ヘッドボックスの
圧力パルスアテニュエータの後で機械横断方向に繊維懸
濁液を分配する方法が記載されている。この方法は、媒
体として泡を用いて紙ウエブを抄造する場合、実際に使
用されている。
要性をなくすことによって従来の抄紙工程を改良するこ
とである。
易に制御することができ、かつ紙のグレードを変更する
ときまたは工程を調節するとき繊維の損失が少ない抄紙
工程を提供することである。
流出する固体原料を、できるだけ迅速にかつ直接に繊維
工程に戻すことである。
工程より上流へのバックウォータの再循環を回避するこ
とにより改善されて、多数のフィードバックループを有
する工程の作動問題がない明確でかつ論理的な処理を提
供する。
イム)の堆積を起こさず、そのため、伝統的な抄紙工程
よりも洗浄する必要性が著しく少ない抄紙工程を提供す
ることである。
バックウォータの少なくとも一部分を少なくとも二つ
(好ましくは三つ以上)の別個の流れに分割し、これら
の流れを何らの開放容器も通過させることなく本質的に
空気を含有していない別個の流れとして直接に短循環の
繊維工程における少なくとも二つ(好ましくは三つ以
上)の基本的に別個の紙料稀釈場所に送ることによって
達成される。なお、開放容器を通過させることなく本質
的に空気を含有していない流れにするためには、例えば
ガス分離ポンプを使用したり、溢水排水ボックスを使用
したりする。
って処理されない場合でも、本発明によって著しい利益
を得ることができる。しかし抄造布を通過して排出する
バックウォータのすべてまたはほとんどすべてを、本発
明の方式で短循環の繊維工程に導くことが好ましい。
の流れに分割し、空気なしの状態で繊維工程に直接ポン
プ輸送することが好ましい。本発明の好ましい実施態様
では、バックウォータは15以上の別個の流れに分割され
る。なお、いくつかの実施態様では、二つ以上の分割し
た流れを合わせて共通のポンプによって短循環の繊維工
程にポンプ輸送することが有利な場合がある。
タは大量の排出繊維を含有している。本発明の最も好ま
しい実施態様では、ヘッドボックスに近い抄造布で濾過
されたバックウォータは、前記短循環の繊維工程の最後
(またはその手前)の重要な稀釈段階に導かれる。した
がって、大量の前記排出繊維は繊維工程に迅速に戻され
る。
近い抄造布からのバックウォータが最後の稀釈段階に行
き、その次のバックウォータが最後の稀釈段階の一つ手
前の稀釈段階へ行くという順序で順次隣りの稀釈段階に
行く別個の流れとして、前記バックウォータが戻される
ときに達成される。なぜなら、ヘッドボックスに入る前
に最初に洗浄される画分を洗浄することを目的とする場
合には、繊維含量が少ない水かまたは清浄水を使用する
方が有利であるからである。
は、多段遠心クリーナの稀釈部および加圧スクリーンの
稀釈部に直接送られる。その結果、繊維工程より上流へ
のフィードバックが回避される。
も二つの紙料稀釈装置、ヘッドボックス、無端の抄造
布、ならびにバックウォータを前記抄造布で集めて繊維
工程へ戻す手段を備え、前記抄造布の位置に少なくとも
二つ(好ましくは三つ以上)の別個のバックウォータ収
集手段を備え、これらの収集手段の少なくとも二つ(好
ましくは三つ以上)は、それぞれ別個のポンプに直結さ
れて、前記バックウォータを、開放容器を経由すること
なく本質的に空気を含有しない状態にて、別個のバック
ウォータ再循環パイプを通じて、前記の少なくとも二つ
の別個の紙料稀釈装置或いは紙料稀釈装置へのそれぞれ
の水分配手段に直接戻す。
ましくは50まで或いは50をこえる多数)のバックウォー
タ収集手段が機械方向に設けられている。またいくつか
(例えば2〜20)のバックウォータ収集手段が機械横断
方向に設けられていることが好ましい。収集されたバッ
クウォータの別個の流れは別個のポンプによって前記短
循環の別個の紙料稀釈装置にポンプ輸送される。バック
ウォータの循環は、第一バックウォータ収集手段(すな
わちヘッドボックスに最も近い単一もしくは複数の該手
段)からのバックウォータ再循環パイプが最後の紙料稀
釈装置(すなわち前記ヘッドボックスに最も近い該装
置)に接続されるように配置されることが好ましい。
る。
示す従来の抄紙工程を参照して伝統的な抄紙工程を説明
する。繊維工程は図1中、太線で示し、紙料製造部10か
らの紙料は、紙料供給ライン11を通ってバックウォータ
循環部(混合ポンプ112において)に、さらに第一クリ
ーナー段階31に送られ、前記クリーナー段階31から紙料
は混合ポンプ111に送られ、さらに一次スクリーン41を
通ってヘッドボックス50に送られ、紙料はそのヘッドボ
ックス50から抄造布(もしくは抄造すき網)60上に放出
される。上記抄造布60を通過するバックウォータの大部
分はバックウォータタンク121に集められ、このタンク
から繊維工程の混合ポンプ111,112に流入する。前記抄
造布60の下流末端で濾過されたバックウォータは共通の
白水タンク122に集められ、次いで廃棄紙料とともに前
記抄紙機の長循環の紙料製造部10に再循環される。
ータ系に戻されさらに第二クリーナー段階32に送られ
る。前記第二クリーナー段階32の排出物は場合によって
はその受容物の一部とともに、バックウォータの配管を
経由して第三のクリーナー段階33に導かれる。類似の方
式で、前記一次スクリーン41の排出物はバックウォータ
配管を経由して第二スクリーン42に導かれる。
の工程は安定であるが極端にゆっくりしており、工程パ
ラメータの変化に対してごく徐々にしか反応しない。ま
たこのゆっくりした工程では、きょう雑物が堆積したり
配管の詰まりが起こる危険がある。
す。この実施態様は本発明の利点を明確に示す。図2の
参照番号は図3に詳細に説明される装置を意味する。し
たがって本発明の方法では、バックウォータは迅速かつ
清浄に再循環される。分岐、開放タンクおよびバックウ
ォータの曝気は回避される。紙料10は混合・清浄の段階
12,30,40のそれぞれにおいてバックウォータ81〜84を用
いて段階的に稀釈される。繊維含量が最も高いバックウ
ォータは、抄造領域61から、ヘッドボックス50に最も近
い稀釈場所40に最も速く戻される。
8〜20mでありさらに流速が約5〜15m/秒であるとする
と、循環ループのサイクル時間は大体約5〜20秒であ
る。当該技術分野の当業者には分かっているように、バ
ックウォータの合計量の大部分はヘッドボックスに近い
抄造布を通過して排出される。その上に、抄造布を通過
して最初に排出するバックウォータは、抄造布を通って
排出するすべての繊維の大部分を含有している。上記の
ループ時間が一層短いことはループが最も短いことを意
味し、すなわちそのバックウォータが大部分の繊維を含
有することを意味する。
で、循環水の容積は小さく保持することが可能で、死角
は回避され、そして速い流れによってパイプが清浄に保
たれる。紙のグレードを変更する際には、新しい平衡
に、迅速にかつ制御された状態で到達し、流速が比較的
高いので、系は洗浄する必要なしに清浄に保持される。
に説明する。本発明によれば、紙料は、紙料製造部10に
おいて品質要件にしたがって公知の方式で正確に製造さ
れ次いで約3〜5%またはそれ以上の濃度にて制御され
た流れ11として短循環に供給される。繊維工程は太線で
表してあり、以下に説明するように番号10,11,12,30お
よび40で示す装置を経由する。
は、紙料供給後ウエブ抄造の最終点までの工程ステップ
を意味する。なお、この最終点から濾過された白水も紙
料供給段階または次の工程段階にフィードバックされ
る。それぞれのバックウォータを前記の紙料供給段階ま
たは次の工程段階に送る手段は短循環の一部である。し
たがって、図3の短循環には、流れ11、紙ウエブ99およ
びリターンフロー91の間の工程が含まれている。繊維回
収装置90は短循環に含まれ、特に好ましい装置である。
これは伝統的な系ではむしろ長循環の一部であるか、少
なくとも、それ自体の長ループを構成している。
行うのに適した濃度、一般に0.5〜1.5%、まで紙料がミ
キサー12で稀釈される。上記ミキサーは簡単には紙料パ
イプでもよく、または必要に応じて機械的混合手段を備
えていてもよい。またミキサーに抄紙を行うのに必要な
各種の添加剤を加えることができる。稀釈後、紙料は遠
心クリーナー30に送られる。なおこのクリーナーとして
はフィンランド特許願第922282号(出願人が本願と同じ
で係属出願中のもの)によるタイプのものが好ましい。
前記クリーナーは、その排出物を再循環せずに一つの段
階で作動する。遠心クリーナー30で清浄化され稀釈され
た紙料は加圧スクリーン40に送られるが、このスクリー
ンとしてはフィンランド特許願第922284号(出願人が本
願と同じで係属出願中のもの)によるタイプのものが好
ましい。前記スクリーンも、排出物を再循環することな
しに一つの段階で作動する。また他のタイプのクリーナ
ーおよびスクリーンもこの工程に使用できることは明ら
かである。
ックス50に送られる。ヘッドボックスへの供給は流れ分
配マニホルド45(スクリーン40の多数のパイプで構成さ
れている)によって行うことが好ましく、これらのパイ
プはすべて長さが同じでさらに該パイプの曲げの数と曲
率はほぼ同じになるように配置されている。この配置に
よって、抄紙機の幅全体にわたって紙料を均一に分配す
ることができる。
バックウォータが多数の連続排出ボックス51〜54中に排
出する。本発明によれば、少なくとも二つの排出ボック
スが備えられているが、その数はかなり多い方が好まし
く、50以上の場合もある。本明細書および請求の範囲に
おいて、抄造布のうち水によって完全に覆われかつ繊維
が依然として水中に懸濁されている領域を閉じた抄造領
域61と呼ぶ。この領域で紙ウエブが抄造されて繊維はこ
のウエブ中にその最終的な位置を見つける。
該ボックスの出口への速度を加速するよう形成され、ガ
ス分離ポンプ20へ直接接続されている。ガス分離ポンプ
はフィンランド特許願第922283号(出願人が本願と同じ
で係属出願中のもの)に定義されている種類のものが好
ましい。ガス分離ポンプは、細長いガス分離部分とこれ
に接続された大直径のポンプ室で特に構成されている中
空殻内で回転するロータを備えている。前記のガス分離
部分の内壁は、その壁上に薄い層として回転している空
気と液体との混合物から空気をほぼ完全に分離するため
に大きなガス分離面を備えている。前記ロータの羽根の
形状は前記ガス分離面とほぼ同じで、ガス分離面近くへ
広がり、ガス分離面にそって基本的に層流の液体を提供
する。
ォータは別個に直接の流れとして繊維工程にポンプ輸送
される。ガス分離ポンプは、到達する水がすべてポンプ
輸送されるように自己調節を行うので、流量を制御する
必要はない。流量は、各排出ボックスに入る排出量によ
って決定される。他の種類のガス分離ポンプを使用する
場合は流れの制御が必要であろう。
集中的に起こる。開始部分における繊維保持率は最低な
ので、バックウォータの中の繊維含量は最大である。こ
の抄造領域で排出されるバックウォータを最適に分配
し、繊維工程へできるだけ迅速にかつできるだけヘッド
ボックス50の近くに戻すため、排水ボックス51と52は抄
造布の横断方向で横方向にも分割されている。これらの
分割された流れは、それぞれの稀釈場所、スクリーン40
および遠心クリーナー30へ直接ポンプ輸送される。
が続く。この開放抄造領域でもなお水が容易に排出され
るが、繊維の保持率が増大する。この領域では水は第二
排出ボックス53内に集められ、一部はミキサー12に、一
部は泡除去装置86(セーブオール繊維回収部90からの)
に、一部はセーブオール繊維回収部90にポンプ輸送され
る。このような流れの分配は種々な用途の必要性によっ
て種々な方式で分配することができる。
排水ボックス54および吸引ロール55に減圧を加えること
によって排出が促進される。この吸引は共通の減圧装置
(図示せず)で発生させることが好ましく、各々ガス分
離ポンプを通して吸引することができ、ガス分離ポンプ
への流れが加速されガス分離ポンプでの脱気が容易にな
る。
造されるウエブがクーチブローク(couch broke)98と
紙ウエブ99とに分割されるのと同じ比率でクーチピット
稀釈流(couch pit dilution flow)92と紙料製造部放
出液93とに分割される。この方式では、クーチブローク
放出液95の組成は濃厚紙料11の組成とほとんど同一のま
まであり、このことによって、通常の稀釈と再濃縮と比
べて、クーチブローク98の処理と再循環が著しく容易に
なる。
気なしの閉じた抄造領域61Aに送られる。図4の実施態
様では、第一排水ボックス51A、52Aの所で、抄造領域61
Aは液で規定された空間であり、ヘッドボックスの側壁
(または他の適切な横方向のシーリング)と、抄造布60
とによって、さらに抄造布に平行の方向に抄造布60に類
似の第二抄造布またはヘッドボックスの壁もしくは上部
リップ56とで限定されている。前記の閉じた抄造領域61
Aでは紙料懸濁液からかなりの水(50%あるいはそれ以
上の量)が除去される。残りの水は抄造された繊維ウエ
ブとともにリップ開口57を通過して開放抄造領域62に入
る。
らバックウォータの排出が排水ボックス53Aに対して続
けられる。水の被膜がこの抄造領域の抄造布を覆ってい
るので排水ボックス51A、52Aおよび53Aはバックウォー
タによって溢水しかつシールされる。従って空気は排水
ボックス中に入らない。したがってポンプ21に入るバッ
クウォータの流れにはほとんど空気が含有されていない
ので、短循環の繊維工程に直接再循環させることができ
る。閉じた抄造領域61Aは長くしたりまたは短くしても
よく、また抄造されたウエブの品質は閉じた空間の長さ
と形態によって影響を受けることがあることは明らかで
ある。
ータが抄造布を通過する程度まで水の量が減少してい
る。したがって排水ボックス53からのバックウォータ
は、ガス分離ポンプ20を用い空気を除いて短循環の繊維
工程にポンプ輸送される。
用に特に設計された図5Aまたは図5Bに示すタイプのもの
が好ましい。これらの排水ボックス51A、51Bは平たい形
態なので水があふれた状態に保持できる。抄造布60は、
図5Aに示すフォイル64または図5Bに示す支持バー65によ
って補助されて排水ボックス中に支持されている。溢水
排水ボックス51A、51Bは平たい形態なので排水ボックス
に入っている水の容積は小さいため、水は迅速に再循環
される。溢水排水ボックスは空気を含有しない液で規定
された流れを生成し、その流速はかなり大きくすること
ができる。
該ボックスの出口末端は、横方向に分割されて多数のチ
ャネルになって迅速かつ均一な排水を促進する。このチ
ャネルは2〜100本でもよい。これらのチャネルは下流
方向に狭くなって別個のバックウォータパイプ59を形成
し、このパイプはそれぞれの排水ボックスの循環ポンプ
に接続されている。本発明によれば、別個の出口チャネ
ルからのバックウォータは別々のポンプに送ってもよ
く、あるいは、隣接する排水ボックスもしくは出口チャ
ネルからの水を集めて共通のポンプに送ってもよい。
バー65を支持する排水ボックス51Aもしくは51Bの機械方
向のビームを示す。これら脱水要素もしくはフォイルは
前記排水ボックスを補強もする。なおこれらは、抄造布
を通過してくる流れを妨害することがある抄造布のすぐ
近くにまで延びていない。
続されているときは、流動抵抗に影響を与える直径、バ
ウ(bow)、長さおよび他の因子が等しく配置され、そ
の結果、等しい流量がすべての等しい横領域から得られ
るように注意しなければならない。
る。この領域では空気はウエブを通じてバックウォータ
中に吸引される。このバックウォータが図3の実施態様
に示すように再循環する前にガス分離ポンプによってバ
ックウォータから空気は除去しなければならない。空気
が該ボックス中に入るのを許容するがガス分離ポンプで
除去することによって、圧力分布を均一にすることがで
きる。さらにバックウォータの流速は配管中で増大させ
ることができる。
る。図6は、伝統的な清浄装置および図1に示したのと
同じ繊維工程を連結して利用する本発明の原理を示す。
ンプによって、空気なしの別個の流れとして抄造領域か
ら上記の伝統的繊維工程へ直接送られ、バックウォータ
の流れを保留して遅らせる開放容器を使用しない。バッ
クウォータは、繊維含量が減少しながら順にバックウォ
ータ分配パイプ80にポンプ輸送され、各混合ポンプ111
〜116に稀釈水が充分供給できるように分配される。過
剰のバックウォータ91は、クーチブローク98と紙ウエブ
99とで釣合いをとって、クーチピット94と紙料製造部10
とに分割する。
ータタンクは除くことができ、抄造布から排出される繊
維のリターンフローは最適化されて、繊維含量の最も多
いバックウォータが最短の循環を行うようになる。
30、スクリーン40またはセーブオール90のうち一つ以上
を短循環中に設けることによって改善することができ
る。また、同様に、連続多段装置の要素は、従来のバッ
クウォータタンクを備えた伝統的な抄紙機のウェットエ
ンドに付加してもよく、これによって上記の工程の性能
が改善される。後者の場合、バックウォータは、バック
ウォータ系からバックウォータを供給されている従来の
ポンプによって、本発明による別個の空気なしの流れと
して、それぞれの装置へ稀釈のために供給することがで
きる。
示す好ましい実施態様のウェットエンド、および図6に
示す従来工程の装置を有する実施態様を次のように比較
した。それぞれの工程の設定条件の変化に対する応答の
スローネスを下記表に示す。
って計算した。
回収セーブオールループおよびクーチブロークにおいて
フィードバックによってもたらされたスローネスおよび
合計スローネスを示す。したがって本発明の好ましい実
施態様は、伝統的な工程に比べて約60倍改良されてい
る。一方図6に示すハイブリッドの実施態様でも大きな
改良がなされている。多くの変形が可能であり、その成
果は、異なるステップにおいて異なる方式で達成するこ
とができる。
異なる方法で改変することができることは当該技術分野
の当業者にとって明らかなことである。したがって本発
明の利点は、伝統的な工程と伝統的な装置ならびに本発
明のすべての利点を利用する装置を組合わせることによ
って達成することができる。
示す。
ー線図(Sankey diagram)を示す。
有する本発明の実施態様による工程の流れ図を示す。
る排水ボックス(forming box)の二つの実施態様を示
す。
特に伝統的な工程の装置が繊維工程に使用されている。
Claims (19)
- 【請求項1】抄紙機においてバックウォータを再循環す
る方法において、 抄紙工程中、抄造布を通過して排出されるバックウォー
タの少なくとも一部を少なくとも二つの流れに分割する
こと、および これらの分割流を、抄紙機の短循環の繊維工程における
紙料稀釈の少なくとも二つの基本的に別個の場所へ、何
らかの開放容器に通すことなく実質的に空気を含有しな
い別個の流れとして直接にポンプで送ること、 を特徴とする抄紙機においてバックウォータを再循環す
る方法。 - 【請求項2】前記抄造布の抄造領域を通過して排出する
水のすべてもしくはほぼすべてを分割し、次いで直接に
別個のかつ空気を含有しない方式で短循環に導く請求の
範囲1記載の方法。 - 【請求項3】バックウォータを5〜10の別個の流れに分
割する請求の範囲1または2に記載の方法。 - 【請求項4】バックウォータを15までの別個の流れに分
割する請求の範囲1または2に記載の方法。 - 【請求項5】バックウォータを15を越える別個の流れに
分割する請求の範囲1または2に記載の方法。 - 【請求項6】前記抄紙機の抄造布を通過して排出するバ
ックウォータを、機械方向に3〜50個の別個の流れおよ
び機械横断方向に2〜20個の別個の流れに分割する請求
の範囲1記載の方法。 - 【請求項7】前記抄紙機のヘッドボックスのすぐ下流で
排出されるバックウォータ流または前記バックウォータ
流のかなりの部分を、前記ヘッドボックスのすぐ上流の
稀釈場所に送る請求の範囲1記載の方法。 - 【請求項8】バックウォータが、機械方向に排出する連
続順に別個の流れとして直接に送られ、最初に排出され
る流れは最後の稀釈段階に送られ、二番目に排出される
流れは最後の稀釈段階の一つ手前の稀釈段階に送られる
という順序で連続して送られる請求の範囲7記載の方
法。 - 【請求項9】前記抄造布に接続した溢水排水ボックスを
用いて前記抄紙機の抄造領域からのバックウォータのか
なりの部分が、実質的に空気を含有しない別個の流れと
して、得られる請求の範囲1記載の方法。 - 【請求項10】空気が、排出されるバックウォータか
ら、ガス分離ポンプによって除去される請求の範囲1〜
9のいずれか一つに記載の方法。 - 【請求項11】前記抄造布を通過して排出されるほとん
どすべてのバックウォータが、ガス分離ポンプによっ
て、空気を含有しない多数の別個の流れとして、開放容
器なしで、繊維工程の工程段階に送られる請求の範囲10
記載の方法。 - 【請求項12】少なくとも二つの紙料稀釈装置、ヘッド
ボックス、無端の抄造布、およびバックウォータを前記
抄造布で収集して繊維工程へ戻す手段を有する、抄紙機
の短循環でバックウォータを循環させる装置において、 少なくとも二つの別個のバックウォータ収集手段(51,5
2,53,54;51A,52A,53A,53)を前記抄造布(60)において
具備し、 前記バックウォータ収集手段の少なくとも二つは各自の
ポンプ(20;20,21)に直接連通されて、収集したバック
ウォータを別々に本質的に空気を含まない状態で開放容
器を経由することなく前記の少なくとも二つの別々の紙
料稀釈装置(12,30,40;111,112,113,114,115,116)或い
は紙料稀釈装置への実質的に別々の水分配手段(80)へ
送るようにし、かくして前記抄造布からのバックウォー
タを分割して前記繊維工程へ空気を含有せずに迅速に再
循環させることを特徴とする抄紙機の短循環でバックウ
ォータを循環させる装置。 - 【請求項13】機械方向に3〜50個のバックウォータ収
集手段があり、前記収集手段のいくつかまたはすべてが
別個のポンプ(20,21)に接続されている請求の範囲12
記載の装置。 - 【請求項14】更に機械横断方向に2〜20個のバックウ
ォータ収集手段があり、前記収集手段のいくつかまたは
すべてが別個のポンプ(20,21)に接続されている請求
の範囲13記載の装置。 - 【請求項15】前記ポンプ(20,21)の少なくとも一部
がガス分離ポンプである請求の範囲12〜14のいずれか一
つに記載の装置。 - 【請求項16】前記ヘッドボックス(50)に最も近い下
流のバックウォータ収集手段(51)に集められたバック
ウォータが、前記ヘッドボックス(50)に最も近い上流
の稀釈場所(40;41)に接続されている請求の範囲12〜1
5のいずれか一つに記載の装置。 - 【請求項17】前記ヘッドボックス(50)の下流の水収
集手段(52)に集められたバックウォータが、前記ヘッ
ドボックス(50)の上流の最も近くの稀釈場所(40;4
1)またはこの稀釈場所の手前の稀釈場所(30;31)に接
続されている請求の範囲16記載の装置。 - 【請求項18】前記ヘッドボックスの上流の最も近くの
前記稀釈場所が加圧スクリーン(40)を備え、そのスク
リーンは排出物を再循環せずに一段階で機能し、および
前記ヘッドボックスの上流の最も近い稀釈場所の手前の
前記稀釈場所が、遠心洗浄器(30)を備え、この洗浄器
は排出物を再循環せずに一段階で機能する請求の範囲16
記載の装置。 - 【請求項19】抄造領域(61)における前記バックウォ
ータ収集手段(51A,52A,53A)の少なくとも一部分は溢
水できる平たい排水ボックス(51A,51B)である請求の
範囲12記載の装置。
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