JP3353350B2 - パッケージの糸端処理方法 - Google Patents

パッケージの糸端処理方法

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JP3353350B2 JP29773092A JP29773092A JP3353350B2 JP 3353350 B2 JP3353350 B2 JP 3353350B2 JP 29773092 A JP29773092 A JP 29773092A JP 29773092 A JP29773092 A JP 29773092A JP 3353350 B2 JP3353350 B2 JP 3353350B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パッケージに巻取られ
た糸条の自然解除を防ぐ糸端処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】糸条巻取り装置等により、糸条が巻取ら
れ満巻になったパッケージは後工程に搬送されるか、製
品として梱包出荷される。この満巻のパッケージの搬送
中に巻取られた糸条が解除するのを防止するために、巻
終わりの糸端を糸結びする等して自然解除しないように
処理する必要がある。
【0003】従来、この種の糸端処理は人手で行なわれ
ているが作業が煩雑なため、それを自動化した装置が、
例えば、実公平3-44777 号公報に示すように提案されて
いる。この装置では、いわゆるバンチ巻部等の剥脱部の
糸条(不要な糸条)の解除と、解除後の糸端の糸結びと
をそれぞれ自動で行なうように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、従来装置の糸結び機構は複雑であるた
め、糸結び作業の信頼性が低く、その機構の製作やメン
テナンス等が煩雑であるという問題がある。
【0005】また、剥脱部の糸条の解除においても、パ
ッケージの軸線方向へのバルーニングを利用して糸条を
解除しているので、バンチ巻部に巻取られた糸条の単糸
同士の引っ掛かり等により、解除中に糸切れが発生する
という問題もある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、作業の信頼性が高いパッケージの糸端
処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明は、パッケージに巻取られた
糸条の自然解除を防ぐパッケージの糸端処理方法であっ
て、糸端処理を行なう前記パッケージを糸条巻取り方向
と逆に回転させ、そのパッケージの糸端を吸引管で吸引
し、前記吸引管で糸端を吸引したことを検出後、前記吸
引管と前記パッケージとの間に張られた糸条をガイドで
捕捉し、その状態で前記ガイドを前記パッケージの外周
に沿って所定間隔をあけて相対的に移動させることによ
り、前記パッケージに巻取られた糸条を少なくとも1巻
分すくい上げ、前記吸引管が前記ガイドに近接し、前記
ガイドが前記すくい上げた糸条の捕捉を解除することに
より、前記すくい上げた糸条を前記吸引管で、既に吸引
している糸端につながった糸条と共に吸引し、前記吸引
管と前記パッケージとの間に張られた糸条を全て切断す
るものである。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、上述の請
求項1に記載のパッケージの糸端処理方法において、
ッケージの周面接線方向へエアーを噴射し、噴射したエ
アーによりパッケージの周面から吹き上げられた糸端を
吸引管で吸引するものである。 また、請求項3に記載の
発明は、上述の請求項1または2に記載のパッケージの
糸端処理方法において、糸端処理を行うパッケージは、
糸端がバンチ巻部から離れた位置にあるパッケージとし
たものである。
【0009】また、請求項に記載の発明は、上述の請
求項1ないし請求項3のいずれかに記載のパッケージの
糸端処理方法において、前記吸引管が糸端につながった
糸条と前記ガイドがすくい上げた糸条とを共に吸引した
後、前記糸端につながった糸条と前記ガイドがすくい上
げた糸条とを吸引した状態で、前記吸引管をいったん前
記パッケージに近接させ、さらに、前記吸引管を前記パ
ッケージから離して、前記吸引管と前記パッケージとの
間に張られた糸条を全て切断するものである。
【0010】
【作用】本発明の作用は次のとおりである。すなわち、
請求項1に記載の発明によれば、糸端処理するパッケー
ジを糸条巻取り方向と逆に回転させて、そのパッケージ
の周面にある糸端を吸引管で吸引する。
【0011】また、吸引管で糸端を吸引したことを検出
すると、吸引管とパッケージとの間に張られた糸条をガ
イドで捕捉し、その状態でガイドをパッケージの外周に
沿って所定距離をあけて相対的に移動させることによ
り、ガイドはパッケージに巻取られた糸条を少なくとも
1巻分すくい上げる。そして、吸引管がガイドに近接
し、ガイドがすくい上げた糸条の捕捉を解除することに
よりすくい上げた糸条を吸引管で、既に吸引している糸
端につながっている糸条と共に吸引する。このようにす
くい上げた糸条を吸引することにより、吸引した各糸条
(糸端につながった糸条とガイドがすくい上げた糸条)
は吸引管内でよられ、各糸条の単糸は互いに絡み合い1
本の糸条としてまとまる。この状態で吸引管とパッケー
ジとの間に張られた糸条を全て切断するので、パッケー
ジ側の糸端はガイドがすくい上げた糸条と絡まった状態
になり、搬送中等の自然解除が防止される。
【0012】また、請求項2に記載の発明によれば、
ッケージの周面にある糸端を吸引管で吸引する工程で、
パッケージの周面接線方向へエアーを噴射するため、パ
ッケージの糸端はパッケージの周面から吹き上げられ、
吸引管はエアーにより吹き上げられた糸端を容易に吸引
することができる。吸引管で糸端が吸引されると、以後
は、請求項1と同様の糸端処理を行う。 また、請求項3
に記載の発明によれば、糸端処理するパッケージの糸端
は、そのパッケージの周面においてバンチ巻部から離れ
た位置にあり、バンチ巻部に喰い込んでいないので、そ
のパッケージを糸条巻取り方向と逆に回転させ、さらに
、そのパッケージの周面接線方向へエアーを噴射する
ことにより、パッケージの糸端を吸引管で容易に吸引す
ることができる。吸引管で糸端が吸引されると、以後
は、請求項1と同様の糸端処理を行う。
【0013】また、請求項に記載の発明によれば、吸
引管が糸端につながった糸条とガイドがすくい上げた糸
条とを共に吸引した後、糸端につながった糸条とガイド
がすくい上げた糸条とを吸引した状態で、吸引管をいっ
たんパッケージに近接させ、さらに、吸引管をパッケー
ジから離すことにより、吸引した各糸条(糸端につなが
った糸条とガイドがすくい上げた糸条)は吸引管内でよ
り確実によられ、各糸条の単糸は互いに絡み合い1本の
糸条としてまとまる。この状態で吸引管とパッケージと
の間に張られた糸条を全て切断するので、パッケージ側
の糸端はガイドがすくい上げた糸条と絡まった状態にな
り、搬送中等の自然解除が防止される。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。本発明で取り扱うパッケージは、例えば、図7
に示すように、糸端YEがバンチ巻部BMから離れた位
置にあるものである。図において、符号1はパッケージ
を示し、このパッケージ1はボビン2に糸条が綾振りさ
れて巻取られており、また、パッケージ1の外周の所定
位置には糸条巻取り工程におけるボビンの切り替え時に
バンチ巻部BMが形成されているが、巻終わりの糸端Y
Eはバンチ巻部BMから離れた位置にある。これは、パ
ッケージ1の後工程等において、糸端YEを探す等の作
業を容易にし効率よく後工程を行なわせるために、糸端
YEをバンチ巻部BMへ喰い込まないようにしたもので
ある。なお、本発明で取り扱うパッケージは、バンチ巻
部が形成されておらず、糸端が単にパッケージの周面に
巻き付けられたものであってもよい。本発明では、係る
形態のパッケージの糸端処理を行なうものである。以
下、その実施例の詳細を説明する。
【0015】図1は、本発明に係る糸端処理を実現する
実施例装置の構成を示す正面図であり、図2は図1のA
−A矢視図である。図中、符号10は基台を示し、基台
10には側壁11、12が立設されている。側壁11に
は上述したパッケージ1を糸条の巻取り方向に回動可能
に支持する支持軸13と、ガイド14を突設した回動リ
ング15とが設けられている。
【0016】支持軸13の回動は、側壁11に固設され
たモータ16の正逆回転がプーリ17、18、ベルト1
9を介して伝動されることにより行なわれる。なお、支
持軸13にはパッケージ1のボビン2が装着される。ま
た、モータ16の回転は、図示しない制御部により回転
数をカウントしながら駆動されるように構成されてい
る。
【0017】また、回動リング15はその中心を上述し
た支持軸13の回動中心よりも上方に位置付けるように
側壁11に回動可能に取り付けられている。この回動リ
ング15の外周にはギア15aが形成されている。この
ギア15aに噛合するピニオン20がモータ21により
正逆転されることにより、回動リング15が壁面11に
対して回動するように構成されている。このモータ21
の駆動制御は上述した制御部により行なわれるように構
成されている。また、回動リング15には側壁11の内
側方向(支持軸13にパッケージ1を装着する方向)に
上述したガイド14が立設されているが、その構成は図
3、図4に示すように、ガイドの基端部に設けた馬蹄形
のソケット14aが、回動リング15に形成された長孔
状の凹部15bに、ガイド14が凹部15bの一部に形
成された孔15cに嵌め付けられている。ソケット14
a内には、後述する結合ロッド23のOリング23aに
嵌合する溝14bが設けられている。
【0018】側壁11の1個所(回動リング15による
ガイド14の基端部の移動軌跡上)には、ソケット14
aが通過できる貫通孔22が穿設されており、この貫通
孔22をスライド可能な結合ロッド23がシリンダ24
のロッド24aの伸縮により、回動リング15の回動に
よりソケット14aが側壁11の貫通孔22を通過でき
る位置に位置付けられたガイド14のソケット14aと
結合してガイド14を回動リング15から縮めて退避す
るように構成されている。すなわち、先端部にOリング
23aを設けた結合ロッド23が、シリンダ24のロッ
ド24aの収縮によってガイド14のソケット14aと
結合し、さらに、シリンダ24のロッド24aの伸長に
よって結合ロッド23と結合したガイド14が矢印方向
にスライドするものである。また、結合ロッド23をソ
ケット14aから取り外すときには、シリンダ24のロ
ッド24aを収縮して、ガイド14を孔15cに、ソケ
ット14aを凹部15bに嵌め付け、回動リング15を
若干回動させて、結合ロッドをソケット14aの開口部
14cから外し、シリンダ24のロッド24aを伸長さ
せて結合ロッド23の先端を貫通孔22までスライドさ
せることにより行なう。
【0019】基台10にはスリット形状の噴射口を有す
るエアー噴射部25が設けられ、支持軸13に装着され
たパッケージ1の周面接線方向へ、図示しないエアー供
給源から供給されるエアーを噴射し、糸端YEをパッケ
ージ1の周面から吹き上げるように構成されている。
【0020】また、側壁12の上方には、スリット形状
の吸引口を有する吸引管26が、シリンダ27のロッド
27aの伸縮により上下動するとともに、シリンダ28
のロッド28aの伸縮により壁面12に対して前後に移
動するように構成されている。この吸引管26は図示し
ない吸引源に接続されており、また、図5に示すよう
に、吸引口26aの1辺(パッケージ1側の長手方向の
辺)にはセンサ29が取り付けられ、糸端YEを吸引し
たことを検出するように構成されている。このセンサ2
9は、例えば、リミットスイッチなどで構成され、リミ
ットスイッチ29のンジレバ29aをパッケージ1側
の長手方向の辺に平行になるように、リミットスイッチ
29を吸引口26a付近に取り付ける。このセンサ29
による糸端YEの吸引の検出結果は制御部に供給される
ように構成されている。
【0021】側壁12に支持された吸引管26の下方に
は、図6に示すような、ハサミ30が取り付けられてい
る。このハサミ30は、刃30aを固定しシリンダ31
のロッド31aの伸縮によって刃30bを支点30cで
回転させて切断するように構成されている。また、シリ
ンダ31、32の各ロッド31a、32aを伸長させ
て、ハサミ30を吸引管26の下方に移動させ、吸引管
26で吸引している糸条を切断する。なお、糸条の切断
は、ハサミ以外にもカッターで切断するように構成して
もよく、また、ヒータを糸条に近接させることにより熱
で糸条を切断するように構成してもよい。
【0022】制御部は、上述したようにセンサ29から
の検出信号を受信し、各モータ16、21の駆動制御を
行なう以外にも、各シリンダのロッドの伸縮を駆動する
ように制御したり、エアー噴射部25からのエアー噴射
の駆動と停止、吸引管26による吸引の駆動と停止等、
装置全体の動作を制御するように構成されている。
【0023】次に、上述の装置による糸端処理の動作を
図8ないし図15を参照して説明する。まず、パッケー
ジ1を支持軸13に装着し、装着したパッケージ1を図
8(a)に示すように糸条巻取り方向と逆に回転させな
がら、エアー噴射部25からエアーARをパッケージ1
の周面接線方向へ噴射する。そして、図8(b)に示す
ように、吸引管26を降下させて吸引を開始する。これ
により、エアーが噴射された糸端YEはパッケージ1の
周面から吹き上げられ、吸引管26で容易に吸引される
ことになる。
【0024】次に、図9に示すように、糸端YEを吸引
管26が吸引したことをセンサ29で検出すると、制御
部はモータ16の回転数をカウントしながら、さらに、
パッケージ1の回転を継続するとともに、吸引管26も
糸条の吸引を継続する。これにより、バンチ巻部を含む
剥脱部(不要な糸条)を吸引管26で吸引して、容易に
剥脱することができる。このとき、制御部でモータ16
の回転数をカウントするのは、糸条巻取り工程におい
て、剥脱部の糸条の巻数は予めわかっているので、その
巻数に応じたモータ16の回転数だけパッケージ1を
(糸条巻取り方向と逆方向に)回転させることにより、
剥脱部を正確に剥脱することができ、綾振りされてパッ
ケージ1に巻取られた糸条の長さを一定にして製品出荷
することができる。なお、パッケージ1の径が異なって
いたり、剥脱部の巻数が異なっていても、モータ16の
回転数で調整することができるので、どのようなパッケ
ージ1であっても、正確に剥脱部の剥脱を行なうことが
できる。また、剥脱部の剥脱中、モータ16の回転速度
を速くすれば、剥脱部の剥脱に係る時間を短縮すること
もできる。剥脱部の剥脱が完了すると、パッケージ1の
回転を一旦中止し、吸引を継続したまま吸引管26を上
昇させる。なお、バンチ巻部などの剥脱部がないパッケ
ージであれば、この剥脱部の剥脱工程は不要であり、こ
のような場合には、糸端YEを吸引管26が吸引したこ
とをセンサ29で検出すると、パッケージの回転を一旦
中止し、吸引を継続したまま吸引管26を上昇させて、
次の工程を行なう。
【0025】次に、図10に示すように、回動リング1
5を回転させて、パッケージ1と吸引管26との間に張
られている糸条Yをガイド14で捕捉させ、パッケージ
1を再び糸条巻取り方向と逆に回転させながら、回動リ
ング15をパッケージ1と逆方向に回転させてガイド1
4を再び吸引管26の下方の停止位置に移動させる。こ
の停止位置は、ガイド14のソケット14aが側壁11
の貫通孔22を通過してガイド14を回動リング15か
ら縮めて退避できる位置である。これにより、図11
(a)〜(c)に示すように、ガイド14はパッケージ
1に巻取られた糸条を1巻分すくい上げることになる。
ガイド14が停止すると、パッケージ1の回転も中止す
る。
【0026】次に、図12に示すように、吸引を継続し
ている吸引管26をガイド14に近接させるように移動
し、図13に示すように、ガイド14を縮めて退避さ
せ、さらに、吸引管26を降下させる。これにより、吸
引管26では、ガイド14がすくい上げた糸条Y2 を、
既に吸引している糸端YEにつながった糸条Y1 ととも
に吸引する。これにより、吸引管26で吸引された各糸
条Y1 、Y2 は、吸引管26内の気流により互いによら
れ、各糸条Y1 、Y2 のそれぞれの単糸同士は互いに絡
まり合い、1本の糸条としてまとまった状態になる。そ
して、好ましくは、図14(a)に示すように、その状
態で吸引管26をパッケージ1に近接させるように降下
させ、その後、図14(b)に示すように、再び上昇さ
せる。これにより、吸引管26で吸引された各糸条
1 、Y2 は互いに、吸引管26内の気流によってより
確実によられ、各糸条Y1 、Y2 のそれぞれの単糸同士
は互いに絡まり合い、1本の糸条としてまとまった状態
になる 後に、パッケージ1と吸引管26との間に張
られた糸条Y1 、Y2 を、例えば図15の一点鎖線に示
す部分でハサミ30により全て切断する。このように、
糸条Y1 、Y2 を切断しても、上述したように、各糸条
1 、Y2 のそれぞれの単糸同士は、互いに絡まり合っ
ているので、パッケージ1に巻取られた糸条が自然解除
することはない。切断位置は、図15に示す一点鎖線の
位置に限らず、1本としてまとまった糸条部分がパッケ
ージ1側に残ればよいので、図よりパッケージ1寄りの
位置であってもよい。
【0027】次に、上述の実施例の一部変更例について
説明する。図13のようにガイド14を縮めて退避させ
るとともに吸引管26を降下させると、図16のように
糸条Y2 は、点線で示したごとく広がる場合があり、こ
の場合は、点線で示したガイド41を設け、これを実線
で示したガイド41の位置へ移動させる。この移動によ
り糸条が近接し互いに絡まる。この絡まった糸条を図1
5のようにハサミ30で切断する。このようにして切断
した糸端は自然解除することはない。
【0028】なお、上述の実施例では、ガイド14によ
る糸条のすくい上げを1巻分にするように構成したが、
2巻分以上すくい上げて糸端につながった糸条と絡ませ
るようにしてもよい。
【0029】また、上述の実施例では、ガイドをパッケ
ージの回りに沿って移動させるように構成したが、本発
明はこれに限らず、ガイドを固定して、パッケージ側を
移動させ、パッケージに巻取られた糸条をガイドですく
い上げるように構成してもよい。
【0030】さらに、上述の実施例では、支持軸13に
装着されたパッケージが1つの場合について説明した
が、2つ以上のパッケージを支持軸13に装着した場合
であっても同様に処理することができる。この場合は、
全てのパッケージの糸端を吸引管で吸引したことを検出
した後、ガイドが糸条を捕捉するのが好ましい。
【0031】また、本発明における吸引管26は、単に
真空源に接続されたものであってもよいが、吸引管内先
端部に公知の交絡手段を内蔵したもの、あるいは、吸引
管内先端部において旋回流を形成するノズルを内蔵した
ものを用いるのが好ましい。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、パッケージの糸端につながっ
た糸条とパッケージに巻取られた少なくとも1巻分の糸
条とを吸引管で一緒に吸引して、吸引管内でそれらの糸
条をよってから切断するため、切断されたパッケージ側
の各糸条の単糸は互いに絡まり、1本の糸条としてまと
まっているので、パッケージに巻取られた糸条の自然解
除を確実に防止することができる。また、吸引による糸
条の絡みにより糸端処理を行なうという簡易な方法であ
るため、作業を容易に実現でき、かつ、作業の信頼性を
向上させることもできる。
【0033】また、請求項2に記載の発明によれば、
ッケージの周面接線方向へエアーを噴射し、噴射したエ
アーによりパッケージの周面から吹き上げられた糸端を
吸引管で吸引するので、パッケージの糸端を吸引管で容
易に吸引することができる。 また、請求項3に記載の発
明によれば、バンチ巻部が形成されているパッケージで
あっても、糸端処理するパッケージの糸端は、そのパッ
ケージの周面においてバンチ巻部から離れた位置にあ
り、バンチ巻部に喰い込んでいないので、そのパッケー
ジを糸条巻取り方向と逆に回転させ、さらには、そのパ
ッケージの周面接線方向へエアーを噴射することによ
り、パッケージの糸端を吸引管で容易に吸引することが
でき、以後の糸端処理を行うことができる。
【0034】また、請求項に記載の発明によれば、吸
引管が糸端につながった糸条とガイドがすくい上げた糸
条とを共に吸引した後、糸端につながった糸条とガイド
がすくい上げた糸条とを吸引した状態で、吸引管をいっ
たんパッケージに近接させ、さらに、吸引管をパッケー
ジから離すことにより、吸引した各糸条(糸端につなが
った糸条とガイドがすくい上げた糸条)は吸引管内でよ
り確実によられ、各糸条の単糸は互いに絡み合い1本の
糸条としてまとまる。この状態で吸引管とパッケージと
の間に張られた糸条を全て切断するので、パッケージ側
の糸端はガイドがすくい上げた糸条と絡まった状態にな
り、搬送中等の自然解除が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る糸端処理を実現する実施例装置の
構成を示す正面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】ガイドと結合ロッドとの構成を示す図である。
【図4】ガイドと結合ロッドとの構成を示す図である。
【図5】センサの取り付け位置を示す図である。
【図6】ハサミの構成を示す図である。
【図7】本発明で取り扱うパッケージの形態の一例を示
す図である。
【図8】糸端を吸引管で吸引する状態を示す図である。
【図9】センサによる糸端吸引の検出の状態を示す図で
ある。
【図10】ガイドによる糸条の捕捉の状態を示す図であ
る。
【図11】ガイドによる糸条のすくい上げの状態を示す
図である。
【図12】吸引管をガイドに近接させた状態を示す図で
ある。
【図13】ガイドを退避し、すくい上げた糸条を吸引管
で吸引する状態を示す図である。
【図14】糸条を吸引して絡める状態を示す図である。
【図15】糸条を切断する状態を示す図である。
【図16】糸条を吸引するとともに、糸条を接近させて
絡める状態を示す図である。
【符号の説明】
1 … パッケージ 13 … 支持軸 14 … ガイド 15 … 回動リング 25 … エアー噴射部 26 … 吸引管 29 … センサ 30 … ハサミ YE … 糸端 BM … バンチ巻部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−267269(JP,A) 特開 平4−246071(JP,A) 特開 昭61−162469(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 65/00 B65H 55/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パッケージに巻取られた糸条の自然解除
    を防ぐパッケージの糸端処理方法であって、 糸端処理を行なう前記パッケージを糸条巻取り方向と逆
    に回転させ、そのパッケージの糸端を吸引管で吸引し、
    前記吸引管で糸端を吸引したことを検出後、前記吸引管
    と前記パッケージとの間に張られた糸条をガイドで捕捉
    し、その状態で前記ガイドを前記パッケージの外周に沿
    って所定間隔をあけて相対的に移動させることにより、
    前記パッケージに巻取られた糸条を少なくとも1巻分す
    くい上げ、前記吸引管が前記ガイドに近接し、前記ガイ
    ドが前記すくい上げた糸条の捕捉を解除することによ
    り、前記すくい上げた糸条を前記吸引管で、既に吸引し
    ている糸端につながった糸条と共に吸引し、前記吸引管
    と前記パッケージとの間に張られた糸条を全て切断する
    ことを特徴とするパッケージの糸端処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のパッケージの糸端処理
    方法において、 パッケージの周面接線方向へエアーを噴射し、噴射した
    エアーによりパッケージの周面から吹き上げられた糸端
    を吸引管で吸引することを特徴とするパッケージの糸端
    処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のパッケージの
    糸端処理方法において、 糸端処理を行うパッケージは、糸端がバンチ巻部から離
    れた位置にあるパッケージであることを特徴とするパッ
    ケージの糸端処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のパッケージの糸端処理方法において、 前記吸引管が糸端につながった糸条と前記ガイドがすく
    い上げた糸条とを共に吸引した後、前記糸端につながっ
    た糸条と前記ガイドがすくい上げた糸条とを吸引した状
    態で、前記吸引管をいったん前記パッケージに近接さ
    せ、さらに、前記吸引管を前記パッケージから離して、
    前記吸引管と前記パッケージとの間に張られた糸条を全
    て切断することを特徴とするパッケージの糸端処理方
    法。
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