JP3352428B2 - 空気調和機の風向制御方法 - Google Patents
空気調和機の風向制御方法Info
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Description
方法に関し、さらに詳細には、自然な気流を形成するた
めの空気調和機の風向制御方法に関する。
然に近い気流を再現することにより、居住空間の快適性
を向上したい場合がある。かかる場合に、従来は以下の
ような風向制御方法が用いられていた。
断面図である。図7において、1は前面カバー、2は空
気の吸込口、3は熱交換器、4は送風ファン、5はリア
ガイダ、6はスタビライザ、8は空気の吹出口である。
送風ファン4により空気吸込口2から導入された空気
が、スタビライザ6とリアガイダ5により形成された送
風路7を介して、空気吹出口8から送出される。空気吹
出口8には、風の流れを水平に変化させる複数の風向左
右羽根10と、風の流れを垂直に変化させる風向上下羽
根9が設けられている。
従来の風向制御方法により形成された吹出し流の様子を
示す模式図である。従来は、風向上下羽根9を上下に揺
動させながら、風量、揺動振幅θ、揺動速度v等を時間
と共に変化させることにより、自然気流に似た気流を形
成していた。例えば、特開平8−313032号公報に
は、風向上下羽根の揺動振幅、揺動速度、上死点又は下
死点における保持時間等をカオスデータに基づいて時間
と共に変化させることが開示されている。
向制御方法においては、気流が同一の空気吹出口8から
送出されるため、空気調和機から送出される気流の上下
角度を同一の位相でしか変化することができない。一
方、自然界においては、複数の気流源から発生した気流
が互いに異なる位相で変化しており、これらが複合され
て全体の気流が形成されている。このため、従来の技術
によっては、空気調和機により形成する室内気流を自然
に近づけるのに限界があった。また、複数台の空気調和
機を室内に配置すれば、より自然に近い気流の形成が可
能であるが、経済性が悪く、制御も複雑となる。
気調和機を用いて、より自然に近い気流を形成し、居住
空間の快適性を向上することを目的とする。
に、本発明の請求項1に記載の風向制御方法は、室内機
内部に、室内熱交換器と、送風ファンと、空気吹出口に
上下方向に回動可能に軸支され、風向きを垂直方向に変
化させる風向上下羽根を備え、上記風向上下羽根が、水
平方向に3分割された空気調和機において、上記3分割
された風向上下羽根を、中央の風向上下羽根と左右の風
向上下羽根との角度の位相が異なるように、上下に揺動
させることを特徴とする。
の風向上下羽根及び上記左右の風向上下羽根の揺動振
幅、上死点保持時間、下死点保持時間、揺動速度のうち
少なくとも1つを経時的に変化させることを特徴とす
る。
時的な変化を、カオスデータに基づいて制御することを
特徴とする。
記中央風向上下羽根の制御に用いるカオスデータと、上
記左右風向上下羽根の制御に用いるカオスデータが異な
ることを特徴とする。
央風向上下羽根の制御に用いるカオスデータが、上記左
右風向上下羽根の制御に用いるカオスデータのデータ系
列を所定のデータ数ずらして成ることを特徴とする。
ながら説明する。図1は、本発明の制御方法に係る空気
調和機の室内機を示す斜視図であり、図2は、そのII-I
I線断面図である。図1及び2において、1は前面カバ
ー、2は空気の吸込口、3は室内熱交換器、4は送風フ
ァン、5はリアガイダ、6はスタビライザ、8は空気の
吹出口である。送風ファン4により空気吸込口2から導
入された空気が、スタビライザ6とリアガイダ5により
形成された送風路7を介して、空気吹出口8から送出さ
れる。空気吹出口8近傍に、複数の風向左右羽根20が
左右方向に回動自在に軸支されており、風の流れを略水
平方向に変化させる。また、空気吹出口8に、風向上下
羽根19a及び19bが上下方向に回動自在に軸支され
ており、風の流れを垂直方向に変化させる。風向上下羽
根は、水平方向に3分割されており、中央の風向上下羽
根(中央風向上下羽根)19aと、左右の風向上下羽根
(左右風向上下羽根)19bから成る。左右風向上下羽
根19bは互いに連動する一方、中央風向上下羽根19
aは独立に回動可能である。これらの風向上下羽根19
a及び19bはステッピングモータ等の駆動手段にて回
動する。
り、自然に近い気流を形成する様子を示す模式図であ
る。本発明の風向制御方法においては、中央風向上下羽
根19aと左右風向上下羽根19bを、互いに角度の位
相が異なるように、上下に揺動させる。これにより、空
気吹出口中央部の吹出し流21aと空気吹出口左右部の
吹出し流21bが互いに異なる位相で変化し、これらの
吹出し流が複合されて室内全体の気流が形成されるた
め、自然に近い気流を実現することができる。
持たせるために、中央風向上下羽根19a及び左右風向
上下羽根19bの揺動条件(揺動振幅θ(度)、下死点
保持時間T1(秒)、上死点保持時間T2(秒)、揺動
速度v(度/秒))のうち少なくとも1つを経時的に変
化させることが好ましい。これにより、吹出し流21a
及び21bの各々に、自然気流に似たゆらぎを持たせる
ことができる。例えば、上記揺動条件を一定の時間毎に
カオスデータに基づいて変化させる。カオスデータと
は、カオス理論に基づいて算出された離散的なデータ系
列であり、一見乱雑ながら、自然界に類似した一定の秩
序に基づいてデータが配列されている。
ローレンツ方程式等から計算される。例えば、カオスデ
ータを生成可能なマイコンチップ等を空気調和機に組み
込むことにより、揺動動作と平行してカオスデータを生
成させることができる。また、予め計算された所定の長
さのカオスデータをリード・オンリ・メモリ(ROM)
等に記録して空気調和機に組み込んでも良い。その場
合、所定の長さのカオスデータを繰り返し使用すること
となるが、カオスデータが適当な長さであれば、自然な
もしくは自然に近い気流変化とすることができる。
めに、中央風向上下羽根19aと左右風向上下羽根19
bの揺動条件を、異なるカオスデータに基づいて変化さ
せることが好ましい。これにより、空気吹出口中央部の
吹出し流21aと空気吹出口左右部の吹出し流21bが
異なるゆらぎを持つこととなり、さらに自然に近い気流
変化とすることができる。
根19bとを、異なるカオスデータに基づいて変化させ
るには、全く独立に計算された2つのカオスデータを用
いても良いが、一方の風向上下羽根の揺動条件の算出に
用いるカオスデータのデータ系列を、所定のデータ数ず
らして、他方の風向上下羽根の揺動条件の算出に用いる
ことが好ましい。図4(a)及び(b)は、中央風向上
下羽根19a及び左右風向上下羽根19bの制御に用い
るカオスデータを示す。図4に示すように、中央の風向
上下羽根19aの制御に用いるカオスデータを、例えば
ROMに記録した1周期に対して半周期ずらして、左右
の風向上下羽根19bの制御に用いる。これにより、カ
オスデータの生成に必要なROM等が1つで済み、簡易
な回路構成による風向制御が可能となる。
図5は、中央風向上下羽根19a及び左右風向上下羽根
19bの揺動動作の一例を示す側面図である。ここで
は、揺動1往復毎に、揺動条件のうち、揺動振幅θ
(度)、下死点保持時間T1(秒)、揺動速度v(度/
秒)を、カオスデータに基づいて変化させる。尚、中央
風向上下羽根19aと左右風向上下羽根19bは、互い
に角度の位相が異なるように同様の動作を行う。中央風
向上下羽根19aと左右風向上下羽根19bの角度位相
が異なるように制御するためには、各々の羽根の初期角
度を異ならせる等の種々の方法が可能であるが、異なる
カオスデータを用いて各々の風向上下羽根を制御する方
法が好ましい。かかる方法によれば、風向上下羽根の互
いの角度位相を異ならせると同時に、互いの吹出し流の
ゆらぎ状態も異ならせることができるからである。
羽根19bの具体的な動作内容は、次の通りである。 (1)揺動振幅θ(度)、下死点保持時間T1(秒)、
揺動速度v(度/秒)が、カオスデータに基づいて算出
される。 (2)風向上下羽根が、上死点から下方に向かって速度
v(度/秒)で揺動振幅θ(度)だけ回転する。 (3)下死点でT1(秒)停止する。 (4)下死点から上死点に向かって速度v(度/秒)で
揺動振幅θ(度)だけ回転する。 (5)上死点で上死点保持時間T2(秒)停止する。 (6)上記(1)から(5)を繰り返す。
る制御フロー図の一例を示す。中央の風向上下羽根と左
右の風向上下羽根の制御フローは、用いるカオスデータ
が異なる点を除いて、同様である。まず、ステップ1に
おいて、室内温度設定値tr0(℃)の更新、室内熱交換
器温度th(℃)の検知、風量OA(単位)の検知が行
われる。次に、ステップS2において、風向上下羽根の
揺動振幅パラメータX θ(0から7の整数)が、あらか
じめROM等に記録されたカオスデータ表を参照して決
定される。同様にして、ステップS3及びステップS4
において、下死点保持時間パラメータXT1(0から3の
整数)及び揺動速度パラメータXv(0から3の整数)
が、ROM等に記録されたカオスデータ表を参照して決
定される。
が、室内温度設定値tr0(℃)、室内熱交換器温度th
(℃)及び風量OA(単位)から表1に従って決定さ
れ、ステップS6において、揺動振幅θ(度)が、振幅
領域α及び揺動振幅パラメータXθから表2に従って決
定される。
時間T1(秒)が、下死点保持時間パラメータXT1から
表3に従って決定され、ステップS8において、揺動速
度v(度/秒)が、揺動速度パラメータXvから表4に
従って決定される。
根を1往復させる制御信号が、揺動振幅θ(度)、下死
点保持時間T1(秒)、揺動速度v(ms)に基づいて
出力される。尚、上死点保持時間T2(秒)は0秒とす
る。但し、風向上下羽根の揺動にステッピングモータを
用いる場合には、ステッピングモータの励磁パルス発生
時間が、T1及びT2に加わる。また、揺動速度vは、
ステッピングモータの場合の駆動信号の印加間隔を示
す。ステップS10において、制御信号に基づいて風向
上下羽根が1往復した後、ステップS1に回帰する。
a及び左右風向上下羽根19bを駆動するステッピング
モータの制御データとして、各々に対して異なるカオス
データを用いて行うことにより、空気吹出口中央部と空
気吹出口左右部の吹出し流の風向が異なる角度位相で上
下し、かつ各々の吹出し流が自然なゆらぎを持つ。
ているため、下記の効果を奏する。本発明の請求項1に
記載の風向制御方法によれば、中央風向上下羽根と左右
風向上下羽根との角度の位相が異なるように、上下に揺
動させるため、空気吹出口中央部の吹出し流と空気吹出
口左右部の吹出し流が互いに異なる位相で変化し、これ
らの吹出し流が複合されて室内全体の気流が形成される
ため、自然に近い気流を実現して、居住空間の快適性を
向上することができる。
央風向上下羽根及び左右風向上下羽根の揺動振幅、上死
点保持時間、下死点保持時間、揺動速度のうち少なくと
も1つを経時的に変化させるため、吹出し流の各々にゆ
らぎを持たせ、室内の気流に一層自然に近い変化を与え
ることができる。
時的な変化を、カオスデータに基づいて制御するため、
さらに自然に近い気流変化を与えることができる。
記中央風向上下羽根の制御に用いるカオスデータと、上
記左右風向上下羽根の制御に用いるカオスデータを異な
らせるため、異なるゆらぎを持つ吹出し流の複合により
室内気流を形成し、より一層自然に近い気流を実現する
ことができる。
中央風向上下羽根の制御に用いるカオスデータが、左右
風向上下羽根の制御に用いるカオスデータのデータ系列
を所定のデータ数ずらして成るため、簡易な回路構成に
よって風向上下羽根の制御を行うことができる。
和機の室内機を示す斜視図である。
面図である。
れる気流を示す模式図である。
及び左右風向上下羽根の制御に用いるカオスデータの関
係を示す概略図である。
羽根の揺動動作を示す模式図である。
制御の概略を示す制御フロー図である。
る。
る気流を示す模式図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 室内機内部に、室内熱交換器と、送風フ
ァンと、空気吹出口に上下方向に回動可能に軸支され、
風向きを垂直方向に変化させる風向上下羽根を備え、上
記風向上下羽根が、水平方向に3分割された空気調和機
において、 上記3分割された風向上下羽根を、中央の風向上下羽根
と左右の風向上下羽根との角度の位相が異なるように、
上下に揺動させる空気調和機の風向制御方法。 - 【請求項2】 上記中央の風向上下羽根及び上記左右の
風向上下羽根の揺動振幅、上死点保持時間、下死点保持
時間、揺動速度のうち少なくとも1つを経時的に変化さ
せる請求項1記載の風向制御方法。 - 【請求項3】 上記経時的な変化を、カオスデータに基
づいて制御する請求項2記載の風向制御方法。 - 【請求項4】 上記中央風向上下羽根の制御に用いるカ
オスデータと、上記左右風向上下羽根の制御に用いるカ
オスデータが異なることを特徴とする請求項3記載の風
向制御方法。 - 【請求項5】 上記中央風向上下羽根の制御に用いるカ
オスデータが、上記左右風向上下羽根の制御に用いるカ
オスデータのデータ系列を所定のデータ数ずらして成る
ことを特徴とする請求項4記載の風向制御方法。
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