JP3351201B2 - ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの制御装置

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JP3351201B2
JP3351201B2 JP26539595A JP26539595A JP3351201B2 JP 3351201 B2 JP3351201 B2 JP 3351201B2 JP 26539595 A JP26539595 A JP 26539595A JP 26539595 A JP26539595 A JP 26539595A JP 3351201 B2 JP3351201 B2 JP 3351201B2
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼルエンジン
の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用ディーゼルエンジンでは燃料噴
射ポンプの電子化が進み、たとえば分配型の噴射ポンプ
の場合、コンロールスリーブ位置調整用のアクチュエー
タとタイマ位置調整用のアクチュエーターとをマイコン
からの指令にしたがって動かしている(1984年
(株)グランプリ出版発行の「ディーゼル乗用車」p.
130〜p.141参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジンの
運転中には各種の自己診断が行われ、その診断結果が記
憶されるとともに、診断結果が故障ありのときにはこれ
に連動してバックアップモードによる制御がエンジン制
御手段に対して指示される。
【0004】たとえば使用燃料の燃料粘度の低下などで
噴射ポンプのプランジャ圧縮行程における燃料リーク量
が多くなっても、噴射量が不足しないように、コントロ
ールスリーブ位置センサにより実測の燃料噴射量を検出
して燃料噴射量のフィードバック制御を行っている。こ
の場合に、コントロールスリーブ位置センサにより検出
される実測の燃料噴射量とマイコンにより演算される目
標噴射量とがそれまでほぼ一致していたのに、コントロ
ールスリーブ位置センサの断線により、突然に出力が出
なくなった(つまり実測の燃料噴射量が最小の値になっ
た)ときには、フィードバック制御により燃料噴射量が
大きく増量され、これによって回転上昇が急に生じ、特
に低負荷域において運転フィーリングが悪くなる。
【0005】一方、自己診断では、コントロールスリー
ブ位置センサの断線によりセンサ出力が予め設定してい
る下限値を下回ることになるので、この下限値を下回っ
た状態が一定時間継続したとき、センサの故障と診断さ
れ、その結果がバックアップRAMに保持される。さら
に、バックアップモードでの制御により、自己診断結果
がセンサ故障ありを表すデータであるとき、上記の燃料
噴射量のフィードバック制御が禁止されることで、急な
回転上昇に伴う運転フィーリングの悪化が避けられる。
【0006】こうしたセンサ故障の状態で車両がサービ
ス工場に持ち込まれたときには、サービスマンが外部ツ
ール(たとえばコンサルト)を接続して、エンジンを運
転し、過去の運転中に記憶された自己診断結果をみるこ
とで、センサに故障があることを知ることができるわけ
であるが、その故障時の症状をもう一度生じさせて自ら
が確認するため、運転中のまま自己診断の消去要求コマ
ンドを実行するためのボタンを押して、自己診断結果を
強制的にクリアすることがある。
【0007】この場合には、自己診断結果のクリアに連
動してバックアップモードから通常モードに切換えら
れ、上記燃料噴射量のフィードバック制御が再開される
ことから、自己診断の消去要求コマンドが実行された途
端に急な回転上昇が生じてしまうのである。
【0008】また、通常の運転中においても、コントロ
ールスリーブ位置センサに故障ありと誤診断された後に
故障なしと診断されたときにも、バックアップモードか
ら通常モードに切換えられるので、これに伴って、急な
回転上昇が生じることがある。
【0009】そこで本発明は、サービス工場における
診断結果の強制解除により運転中に診断結果が故障あ
りから故障なしへと変化しても、診断結果の強制解除直
後にサービスマンがビックリするようなエンジン挙動が
生じないようにすることを目的とする。また、特に自己
診断結果の強制解除時にバックアップモード作動命令を
セット状態からクリア状態に切換えることができないと
なると、故障があることを知った後の運転中には、故障
時の症状をもう一度生じさせてサービスマン自らが確認
することができなくなるので、自己診断結果の強制解除
の後でも、いったんエンジン制御用アクチュエータの作
動を中止させれば、故障時の症状をもう一度生じさせて
サービスマン自らが確認することができるようにするこ
とをも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、図10
に示すように、通常モードではセンサ検出値に基づいて
演算された制御値をエンジン制御用アクチュエータに与
えることにより、またバックアップモードでは前記通常
モードにおける制御値とは異なる制御値をエンジン制御
用アクチュエータに与えることによりエンジンを制御す
る手段61と、このエンジン制御手段61の故障の有無
自己診断する手段62と、この自己診断結果を記憶す
る手段63と、この記憶された自己診断結果に対応し、
自己診断結果が故障ありのときにはセット状態に、故障
なしのときにはクリア状態にバックアップモード作動命
令を切換える手段64と、このバックアップモード作動
命令がクリア状態であるときには通常モードでの制御
を、またバックアップモード作動命令がセット状態であ
るときにはバックアップモードでの制御を前記エンジン
制御手段61に指示する手段65と、強制解除により
記記憶された自己診断結果が故障ありから故障なしに変
化した場合に、セット状態からクリア状態へのバックア
ップモード作動命令の切換を禁止する手段66とを設け
た。
【0011】第2の発明では、第1の発明において、前
記記憶された自己診断結果が故障ありのときはその故障
あることを運転席または外部ツールに出力する。
【0012】
【0013】第の発明では、第1または2の発明にお
いて、複数の診断対象を備える場合に、前記診断結果記
憶手段63が自己診断結果を診断対象(たとえばセン
サ、エンジン制御用アクチュエータ、CPU)記憶す
る。
【0014】第の発明では、第の発明において、前
記バックアップモード作動命令切換手段64がバックア
ップモード作動命令を診断対象毎に切換える。
【0015】第の発明では、第の発明において、前
記バックアップモード作動命令切換禁止手段66は切
禁止を指示する診断対象毎のメモリからなる。第の発
は、通常モードではセンサ検出値に基づいて演算され
た制御値をエンジン制御用アクチュエータに与えること
により、またバックアップモードでは前記通常モードに
おける制御値とは異なる制御値をエンジン制御用アクチ
ュエータに与えることによりエンジンを制御する手段
と、このエンジン制御手段の故障の有無を自己診断する
手段と、この自己診断結果を記憶する手段と、この記憶
された自己診断結果に対応し、自己診断結果が故障あり
のときにはセット状態に、故障なしのときにはクリア状
態にバックアップモード作動命令を切換える手段と、こ
のバックアップモード作動命令がクリア状態であるとき
には通常モードでの制御を、またバックアップモード作
動命令がセット状態であるときにはバックアップモード
での制御を前記エンジン制御手段に指示する手段と、前
記記憶された自己診断結果が故障ありから故障なしに変
化した場合に、セット状態からクリア状態へのバックア
ップモード作動命令の切換を禁止する手段と、前記セッ
ト状態からクリア状態へのバックアップモード作動命令
の切換禁止状態で前記記憶された診断結果が故障なしと
なりかつエンジン運転中でも前記エンジン制御用アクチ
ュエータが作動停止中になったとき、この切換禁止状態
を解除してバックアップモード作動命令をセット状態か
らクリア状態に切換える手段とを設けた。第7の発明で
は、第6の発明において、前記記憶された自己診断結果
が故障ありから故障なしに変化した場合が、強制解除に
より変化した場合である。第8の発明では、第6の発明
において、前記エンジン制御用アクチュエータがロータ
リソレノイドまたはタイミングコントロールバルブであ
る。第9の発明では、第8の発明において、前記記憶さ
れた自己診断結果がコントロールスリーブ位置センサ、
ロータリソレノイドまたはCPUの故障である。
【0016】
【作用】第1の発明では、サービス工場における自己
断結果の強制解除により運転中に診断結果が故障ありか
ら故障なしへと変化しても、セット状態からクリア状態
へのバックアップモード作動命令の切換が禁止され、バ
ックアップモードでのエンジン制御が継続されるので、
診断結果の強制解除直後にサービスマンがビックリする
ようなエンジン挙動が生じないようにすることができ
る。
【0017】自己診断結果の強制解除時にバックアップ
モード作動命令をセット状態からクリア状態に切換える
ことができないとなると、故障があることを知った後の
運転中には、故障時の症状をもう一度生じさせてサービ
スマン自らが確認することができなくなるが、第の発
明では、自己診断結果の強制解除(つまり自己診断結果
が故障なしとなる)の後で、いったんエンジン制御用ア
クチュエータの作動を中止させれば、故障時の症状をも
う一度生じさせてサービスマン自らが確認することがで
きる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1において、10はディーゼル
エンジンのエンジン本体、11は吸気通路、12は排気
通路で、ターボチャージャ13により吸気が過給され
る。14は排気還流通路で、排気還流制御弁15によ
り、吸気通路11に還流される排気還流量が制御され
る。なお、排気還流時には吸気通路11に介装したスロ
ットルバルブ16を絞る。
【0019】エンジン本体1の燃焼室17に燃料を噴射
する燃料噴射弁18が設けられ、この燃料噴射弁18に
は燃料噴射ポンプ19からの燃料が供給される。燃料噴
射ポンプ19はエンジン回転数に同期してプランジャ2
0が作動し、フィードポンプ21により予圧した燃料を
高圧化し、各気筒の燃料噴射弁18に圧縮上死点近傍で
燃料圧送する。燃料の噴射量は、コントロールスリーブ
22の位置により変化し、制御装置25からの信号で作
動するロータリソレノイド(エレクトロリックガバナ)
23によりコントロールスリーブ22の位置を制御す
る。
【0020】マイコンからなる制御装置25にはアクセ
ル開度を検出するアクセルセンサ26からの信号と、エ
ンジン回転数信号が入り、アクセル開度と回転数に応じ
て基本的な燃料噴射量を演算し、これに基づいてロータ
リソレノイド23を制御する。
【0021】制御装置25には、この基本噴射量を補正
したり、前記した排気還流量を制御するため、運転状態
を代表する信号として、アクセル開度や回転数のほか、
エンジンの上死点位置を検出するセンサ(TDCセン
サ)27からの上死点位置信号(回転数信号でもあ
る)、さらには車両速度信号、トランスミッションスイ
ッチからの信号が入力する。さらにまた、燃料噴射ポン
プ19の実際の燃料噴射量を計測するためコントロール
スリーブ位置を検出するセンサ29、燃料温度を検出す
るセンサ30からの信号、また、エンジン本体1の燃料
噴射弁18のニードルリフト量を検出するセンサ31、
エンジン冷却水温を検出するセンサ32からの信号も入
力する。また、吸気通路11にはエンジン吸入空気の質
量流量を検出するエアフローメータ33が取り付けら
れ、この吸入空気信号も入力する。
【0022】制御装置25は燃料噴射時期を運転状態に
応じて制御するため、タイミングコントロールバルブ3
5の開度を制御し、タイマピストン36にかかる圧力を
変化させる。また、燃料漏れを防止するためフューエル
カットバルブ37をエンジン停止時に閉じる。さらに、
排気還流制御弁15の駆動負圧をコントロールする負圧
制御弁34をデューティ制御し、同時にスロットルバル
ブ16の駆動電圧をコントロールする第1ソレノイドバ
ルブ38と、第2ソレノイドバルブ39の開度を制御
し、これらにより、NOxを低減するために運転状態に
応じて最適な排気還流を行う。
【0023】制御装置25はまた、エンジンの運転中
に、エンジン制御用の各種のセンサ、燃料噴射量や燃料
噴射時期等を調整するためのエンジン制御用アクチュエ
ータ(ロータリソレノイド23やタイミングコントロー
ルバルブ35)あるいはCPUそのものを診断対象とし
て自己診断を行い、その診断結果をバックアップRAM
に記憶するとともに、その診断結果に対応して故障あり
のときにはセット状態に、また故障なしのときにはクリ
ア状態にバックアップモード作動命令を切換え、このバ
ックアップモード作動命令に従い、セット状態のときに
バックアップモードで、またクリア状態のときに通常モ
ードでエンジン制御を行う。これを図2の制御ブロック
図により説明する。
【0024】図2において故障診断部41では、次のよ
うにして、診断許可条件の成立時に自己診断を行う。
【0025】ここで、診断対象は、アクセル開度TV
O、コントロールスリーブ位置CSP、回転数Ne(こ
こでは2つの回転数があるため、第1回転数をNe1、
第2回転数をNe2とする)、燃料噴射量Qi、燃料噴
射時期Tiで代表させる。
【0026】〈1〉TVO:アクセルセンサ出力は0.
7V〜3.5Vの範囲にあるので、この範囲になければ
アクセルセンサ26に断線等の故障が生じていると判断
する。
【0027】〈2〉CSP:コントロールスリーブ位置
センサ29についてもセンサ出力が所定の範囲になけれ
ば、センサ29に断線等の故障ありと判断する。
【0028】〈3〉Ne1、Ne2:第1回転数センサ
(TDCセンサ27)あるいは第2回転数センサ(ポン
プ回転数センサ40、図1参照)からの信号がスタータ
モータの作動中に入力されないとき回転数センサに故障
が生じていると判断する。
【0029】〈4〉Qi:目標噴射量(演算値)と実測
の燃料噴射量(コントロールスリーブ位置センサにより
検出される)との差が所定値以上の状態が所定時間以上
続いたときロータリソレノイド23やCPUに故障が生
じていると判断する。
【0030】〈5〉Ti:噴射時期のフィードバック制
御中に目標噴射時期と実測の噴射時期(タイマピストン
位置センサにより検出される)との差が所定値以上の状
態が所定時間以上続いたときタイミングコントロールバ
ルブ35やCPUに故障が生じていると判断する。
【0031】上記〈2〉のコントロールスリーブ位置セ
ンサ29や〈4〉のロータリソレノイド23、CPUに
故障が生じたときは、エンジン回転が急上昇することが
ある。たとえば使用燃料の燃料粘度の低下などにより、
実際の燃料噴射量が不足することがないようにセンサ2
9により検出される実測の燃料噴射量と目標噴射量とを
一致させるフィードバック制御が行われる場合に、セン
サ29の断線により、突然に出力が出なくなった(つま
り、実測の燃料噴射量が最小の値になった)ときには、
フィードバック制御により燃料噴射量が大きく増量さ
れ、これによって回転上昇が急に生じ、特に低負荷域に
おいて運転フィーリングが悪くなるのである。同様にし
て、ロータリソレノイド23の故障で燃料噴射量が大き
くなる側に動いたときやCPUの故障で突然大きな目標
噴射量が演算されたときにも、回転上昇が急に生じる。
【0032】このようにして自己診断した結果は、診断
対象毎にバックアップRAMからなる診断結果記憶部4
2で記憶され、この記憶データに基づいて、診断対象に
1つでも故障ありと診断されたときには、この故障ある
ことが出力され、運転席の表示装置(たとえばランプ)
43が点灯される。診断結果を記憶するためのバックア
ップRAMの内容は、たとえば図3に示すようなもの
で、コントロールスリーブ位置センサ29に故障が生じ
ているときには、診断結果が“1”として記憶されるわ
けである。図3において“0”は故障なし、“1”は故
障ありを表している。
【0033】なお、故障の表示については、診断対象の
うち重要度の大きいものについてだけ点灯させても、あ
るいは運転席に表示装置をもたせず、サービスマンの特
別な操作によって別体のサービスツールマイコンにデー
タ転送させてもよい。
【0034】なお、上記〈1〉〜〈5〉の診断は、一定
周期により実行しているので、故障ありと誤診断された
後に故障なしと診断されることがあり、このときには、
診断結果の記憶データが“1”から“0”へと変更され
る。
【0035】一方、バックアップモード作動命令切換部
44では、診断結果記憶部42のデータに対応し、診断
結果が故障ありのときにはセット状態に、また診断結果
が故障なしのときにはクリア状態にバックアップモード
作動命令記憶部45のバックアップモード作動命令を切
換える。このバックアップモード作動命令の記憶内容
を、図3に対応させて図4に示すと、図3ではCSPに
対してだけ故障ありと診断されているので、図4におい
てもCSPに対してだけバックアップモード作動命令の
セット状態を表す“1”が記憶される。なお、診断結果
が故障なしの診断対象に対しては、バックアップモード
作動命令のクリア状態を表す“0”である。
【0036】次に、運転モード指示部46では、バック
アップモード作動命令の記憶データに対応し、そのデー
タが“0”であるときには通常モードでの制御を、また
そのデータが“1”であるときにはバックアップモード
での制御をエンジン制御部47に指示する。
【0037】ここで、通常モードでの制御とは、センサ
検出値に基づいて演算された制御値をエンジン制御用ア
クチュエータに与えてエンジン制御を行うことであり、
バックアップモードでの制御とは、通常モードにおける
制御値とは異なる制御値をエンジン制御用アクチュエー
タに与えてエンジン制御を行うことである。バックアッ
プモードでの具体的制御は次のとおりである。
【0038】〔1〕TVO:アクセル開度を検出できな
いので、アクセル開度TVOに初期値のアイドル量TV
IDLEを入れ、その後はアクセルペダルに設けられてい
るアイドルスイッチとフルスイッチ(図示しない)に応
じて、次のようにTVOを変化させる。
【0039】a)アイドルスイッチON、フルスイッチ
OFFのとき TVO(今回値)←TVO(前回値)−Δ1 …(1) ただし、Δ1:所定値 b)アイドルスイッチOFF、フルスイッチONのとき TVO(今回値)←TVO(前回値)+Δ2 …(2) ただし、Δ2:所定値(Δ2<Δ1) c)アイドルスイッチ、フルスイッチともOFFのとき TVO(今回値)←TVO(前回値) …(3) なお、a)の場合に、TVO(今回値)<TVOIDLE
ときはTVO(今回値)=TVOIDLEである。
【0040】〔2〕CSP:燃料噴射量のフィードバッ
ク制御を中止してオープンループ制御に切換える。
【0041】〔3〕Ne1、Ne2:2つの回転数セン
サとも故障時には回転数を用いる制御(フィードバック
制御、オープンループ制御とも)を中止し、図5に示し
たところに従い、燃料噴射時期と燃料噴射量を制御す
る。なお、第1回転数センサだけの故障時には第2回転
数センサにより検出される回転数を用いる。
【0042】〔4〕Qi:燃料噴射量のフィードバック
制御を中止し、オープンループ制御に切換える。
【0043】〔5〕Ti:燃料噴射時期のフィードバッ
ク制御を中止し、オープンループ制御に切換える。
【0044】さて、車両がサービス工場等に持ち込まれ
たときに、サービスマンが外部ツール48(図2参照)
を接続して、エンジンを運転し、過去の運転中に記憶さ
れた自己診断結果を取り出すことでセンサやエンジン制
御用アクチュエータ等に故障があることを知ることがで
き、その故障時の症状をもう一度生じさせてサービスマ
ン自らが確認するため、従来は運転中のまま自己診断の
消去要求コマンドを実行したとき、診断結果によっては
運転中のまま自己診断の消去要求コマンドを実行した途
端に、サービスマンがビックリする原因ともなる急な回
転上昇が生じることがあった。
【0045】たとえば、コントロールスリーブ位置セン
サ29に断線が生じた状態で運転中に自己診断の消去要
求コマンドを実行したとき、図3に示した自己診断結果
のデータがすべて“0”(つまり自己診断結果の消去)
にされるとともに、図4に示したバックアップモード作
動命令のメモリデータもすべて“0”に戻されるので、
センサ29故障が解消されていない状態のまま、センサ
29出力を用いての燃料噴射量のフィードバック制御が
再開され、これによって、自己診断の消去要求コマンド
を実行した途端に、サービスマンがビックリする原因と
もなる急な回転上昇が生じてしまうわけである。
【0046】同様にして、通常の運転中においても、セ
ンサ29に故障ありと誤診断された後に故障なしと診断
されたときには、自己診断結果が“1”から“0”へと
変更され、これに伴ってバックアップモード作動命令の
メモリデータが“0”に戻され、センサ29出力を用い
ての燃料噴射量のフィードバック制御が急に再開される
ので、急な回転上昇が生じることがある。
【0047】これに対処するため本発明では、図2にお
いて、バックアップモード作動命令切換禁止部49を設
け、この切換禁止部49において、診断結果の記憶デー
タが“1”から“0”に変化した場合(つまり故障あり
から故障なしに変化した場合)には、サービスマンがビ
ックリする原因ともなる急な回転上昇が生じる診断対象
についてバックアップモード作動命令のセット状態から
クリア状態への切換を禁止する。この場合、バックアッ
プモード作動命令の切換を許可するか禁止するかは、バ
ックアップモード作動命令の切換禁止を指示するメモリ
のデータに従う。このメモリ内容を図6に示すと、診断
対象がCSPとQiについてだけ切換禁止を表す“0”
を、それ以外の診断対象に対しては切換許可を表す
“1”を入れている。
【0048】また、切換禁止解除部51では、CSPと
Qiについてのセット状態からクリア状態へのバックア
ップモード作動命令の切換が禁止されている状態で、診
断結果が故障なしとなりかつエンジン制御用アクチュエ
ータ作動中止検出部50によりエンジン制御用アクチュ
エータの作動中止が検出されたとき、この切換禁止状態
を解除して、CSPとQiについてのバックアップモー
ド作動命令をセット状態からクリア状態に切換える。
【0049】ここで、本発明の作用を説明する。
【0050】図7に示したように、上記の〈1〉〜
〈5〉で述べたように5つの診断対象のすべてについ
て、かりに診断結果が“0”から“1”へと変化したと
きには、これに対応して各診断対象のバックアップモー
ド作動命令が“0”から“1”へと切換えられる。これ
は従来と同じである。
【0051】これに対して、自己診断の消去要求コマン
ドの実行により(あるいはセンサ29やロータリソレノ
イド23、CPUに故障ありと誤診断された後に故障な
しと診断されたとき)、診断結果が“1”から“0”へ
と変化した場合に、CSPとQiについては、図8に示
したように、バックアップモード作動命令の切換禁止を
指示するメモリデータが“0”となっているため、CS
PとQiについてのバックアップモード作動命令は
“0”への切換が禁止され、“1”のままであることか
ら、センサ29に断線に伴う故障やロータリソレノイド
23、CPUに故障が生じていても、自己診断結果の消
去直後にサービスマンがビックリするようなエンジン挙
動が生じることがないのである。
【0052】なお、自己診断の消去要求コマンドの実行
時にCSPとQiについてだけバックアップモード作動
命令を“0”に切換えられないとなると、外部ツールを
用いてセンサ29やロータリソレノイド23、CPUに
故障があることを知った後の運転中には、センサ29、
ロータリソレノイド23、CPUの故障時の症状をもう
一度生じさせて自らが確認することができない。しかし
ながら、本発明では、自己診断の消去要求コマンドの実
行の後で、いったんエンジン制御用アクチュエータの作
動を中止させれば、図9に示したように、CSPとQi
についてのバックアップモード作動命令が“1”から
“0”へと切換えられるのであり、センサ29、ロータ
リソレノイド23、CPUの故障時の症状をもう一度生
じさせて自らが確認することができるので、問題はな
い。
【0053】このようにして、本発明では、サービス工
場における診断結果の強制解除や誤診の後の再度の診断
により運転中に診断結果が故障ありから故障なしへと変
化しても、セット状態からクリア状態へのバックアップ
モード作動命令の切換が禁止され、バックアップモード
でのエンジン制御が継続されるので、診断結果の強制解
除直後にサービスマンがビックリするようなエンジン挙
動や誤診の後の再度の診断直後に運転者がビックリする
ようなエンジン挙動が生じないようにすることができ
る。
【0054】
【0055】
【発明の効果】第1の発明では、サービス工場における
自己診断結果の強制解除により運転中に自己診断結果が
故障ありから故障なしへと変化しても、セット状態から
クリア状態へのバックアップモード作動命令の切換が禁
止され、バックアップモードでのエンジン制御が継続さ
れるので、自己診断結果の強制解除直後にサービスマン
がビックリするようなエンジン挙動が生じないようにす
ることができる。
【0056】第の発明では、特に強制解除による自己
診断結果の故障ありから故障なしへの変化の後で、いっ
たんエンジン制御用アクチュエータの作動を中止させれ
ば、故障時の症状をもう一度生じさせてサービスマン
らが確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のディーゼルエンジンの制御システ
ム図である。
【図2】制御装置25の制御ブロック図である。
【図3】診断結果の記憶データの内容を説明するための
表図である。
【図4】バックアップモード作動命令の記憶データの内
容を説明するための表図である。
【図5】TDCセンサ27、ポンプ回転数センサ40が
ともに故障したときのバックアップモードによる制御内
容を示す表図である。
【図6】バックアップモード作動命令の切換禁止を指示
するメモリ内容を説明するための表図である。
【図7】故障なしから故障ありへと診断結果が変化した
ときのバックアップモード作動命令の切換わりを説明す
るための表図である。
【図8】故障ありから故障なしへと診断結果が変化した
ときのバックアップモード作動命令の切換わりを説明す
るための表図である。
【図9】始動時のバックアップモード作動命令の切換わ
りを説明するための表図である。
【図10】第1の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
23 ロータリソレノイド(エンジン制御用アクチュエ
ータ) 25 制御装置 29 コントロールスリーブ位置センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 45/00 376 F02D 45/00 376F (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/22 375 F02D 41/40 F02D 45/00 314 F02D 45/00 358 F02D 45/00 372 F02D 45/00 376

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通常モードではセンサ検出値に基づいて演
    算された制御値をエンジン制御用アクチュエータに与え
    ることにより、またバックアップモードでは前記通常モ
    ードにおける制御値とは異なる制御値をエンジン制御用
    アクチュエータに与えることによりエンジンを制御する
    手段と、 このエンジン制御手段の故障の有無を自己診断する手段
    と、 この自己診断結果を記憶する手段と、 この記憶された自己診断結果に対応し、自己診断結果が
    故障ありのときにはセット状態に、故障なしのときには
    クリア状態にバックアップモード作動命令を切換える手
    段と、 このバックアップモード作動命令がクリア状態であると
    きには通常モードでの制御を、またバックアップモード
    作動命令がセット状態であるときにはバックアップモー
    ドでの制御を前記エンジン制御手段に指示する手段と、強制解除により 前記記憶された自己診断結果が故障あり
    から故障なしに変化した場合に、セット状態からクリア
    状態へのバックアップモード作動命令の切換を禁止する
    手段とを設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの
    制御装置。
  2. 【請求項2】前記記憶された自己診断結果が故障ありの
    ときはその故障あることを運転席または外部ツールに
    力することを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエ
    ンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】複数の診断対象を備える場合に、前記診断
    結果記憶手段は自己診断結果を診断対象毎に記憶するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のディーゼルエ
    ンジンの制御装置。
  4. 【請求項4】前記バックアップモード作動命令切換手段
    はバックアップモード作動命令を診断対象毎に切換える
    ことを特徴とする請求項に記載のディーゼルエンジン
    の制御装置。
  5. 【請求項5】前記バックアップモード作動命令切換禁止
    手段は切換禁止を指示する診断対象毎のメモリからなる
    ことを特徴とする請求項に記載のディーゼルエンジン
    の制御装置。
  6. 【請求項6】通常モードではセンサ検出値に基づいて演
    算された制御値をエンジン制御用アクチュエータに与え
    ることにより、またバックアップモードでは前記通常モ
    ードにおける制御値とは異なる制御値をエンジン制御用
    アクチュエータに与えることによりエンジンを制御する
    手段と、 このエンジン制御手段の故障の有無を自己診断する手段
    と、 この自己診断結果を記憶する手段と、 この記憶された自己診断結果に対応し、自己診断結果が
    故障ありのときにはセット状態に、故障なしのときには
    クリア状態にバックアップモード作動命令を切換える手
    段と、 このバックアップモード作動命令がクリア状態であると
    きには通常モードでの制御を、またバックアップモード
    作動命令がセット状態であるときにはバックアップモー
    ドでの制御を前記エンジン制御手段に指示する手段と、 前記記憶された自己診断結果が故障ありから故障なしに
    変化した場合に、セット状態からクリア状態へのバック
    アップモード作動命令の切換を禁止する手段と、 前記セット状態からクリア状態へのバックアップモード
    作動命令の切換禁止状態で前記記憶された診断結果が故
    障なしとなりかつエンジン運転中でも前記エンジン制御
    用アクチュエータの作動停止中になったとき、この切換
    禁止状態を解除してバックアップモード作動命令をセッ
    ト状態からクリア状態に切換える手段とを設けたことを
    特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  7. 【請求項7】前記記憶された自己診断結果が故障ありか
    ら故障なしに変化した場合は、強制解除により変化した
    場合であることを特徴とする請求項6に記載のディーゼ
    ルエ ンジンの制御装置。
  8. 【請求項8】前記エンジン制御用アクチュエータはロー
    タリソレノイドまたはタイミングコントロールバルブで
    あることを特徴とする請求項6に記載のディーゼルエン
    ジンの制御装置。
  9. 【請求項9】前記記憶された自己診断結果はコントロー
    ルスリーブ位置センサ、ロータリソレノイドまたはCP
    Uの故障であることを特徴とする請求項7に記載のディ
    ーゼルエンジンの制御装置。
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