JP3350790B2 - ころ軸受用保持器 - Google Patents

ころ軸受用保持器

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JP3350790B2 JP03990293A JP3990293A JP3350790B2 JP 3350790 B2 JP3350790 B2 JP 3350790B2 JP 03990293 A JP03990293 A JP 03990293A JP 3990293 A JP3990293 A JP 3990293A JP 3350790 B2 JP3350790 B2 JP 3350790B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円周数箇所にポケット
が打ち抜き形成され、このポケット内部にころが径方向
内外に抜け出し不可能に収納保持される金属製のころ軸
受用保持器に関する。
【0002】
【従来の技術】図6および図7に従来の金属製のころ軸
受用保持器を示している。図中、50は保持器、51は
複数のポケット、52はポケット51間の柱部、53は
柱部52のポケット面である。図例の保持器50では、
ポケット面53の軸方向に離れた二箇所の径方向内外に
ころ54が抜け出すのを防止する突起55,56が設け
られている。この突起55,56は、コイニング加工に
より形成されるものであり、ころPCDの径方向内外に
ほぼ対称に設けられている。
【0003】前述のコイニング加工とは、加工対象とす
る柱部52の両側のポケット51,51に二つ一対の加
工工具(図示省略)を挿入し、この一対の加工工具で柱
部52をつまんで塑性変形させる処理であり、要するに
加工工具の加工面形状を柱部52のポケット面53に転
写させているのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のころ軸受用
保持器50では、ころの抜け出し防止の突起55,56
をポケット面53の二箇所にスポット的に設けていて、
この突起55,56を除くポケット面53にころ54が
摺接するようになっているが、ころ54が転動中に突起
55,56に接触すると、ころ54の周面に形成されて
いる油膜が部分的にかきとられることになる。
【0005】このように油膜がかきとられても、ころ5
4の周辺に潤滑剤が存在していて、早期段階で油膜が再
形成されれば問題ないのであるが、従来の保持器50
は、ころ54の周辺に潤滑剤が溜まりにくい構造である
ため、前述のようにしてころ54の油膜がかきとられる
と、早期段階での油膜の再形成は望めず、潤滑不良を起
こしやすくなる。
【0006】本発明はこのような事情に鑑み、ポケット
面に潤滑剤を溜まりやすくするとともに、ころへの速や
かな潤滑剤供給を可能とし、良好な潤滑状態を長期間に
わたって確保できるようにすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために、本発明は、円周数箇所にポケットが打ち抜き
形成され、このポケット内部にころが径方向内外に抜け
出し不可能に収納保持される金属製のころ軸受用保持器
において、次のような構成をとる。
【0008】本発明のころ軸受用保持器では、各ポケッ
ト間の柱部のポケット面における軸方向中間領域が、前
記ころのPCDに対応する部位を底部としてほぼ断面横
V字形に形成され、対向するポケット面において、前記
軸方向中間領域における径方向内外のポケット開口端縁
どうしの間隔が前記ころの直径より小さく設定され、か
つ、前記底部どうしの間隔が前記ころの直径より大きく
設定されているとともに、軸方向両端領域における径方
向内外のポケット開口部どうしの間隔が、前記ころの直
径より大きく、かつ、前記底部どうしの間隔より小さく
設定されており、前記横V字形のポケット面における二
つの斜面は、前記ポケット開口端縁よりも面方向の内側
で前記ころが当接する転動案内面に構成されている。
【0009】
【作用】柱部のポケット面の少なくとも軸方向中間部分
の径方向内外の突出部分でころの径方向内外への抜け出
しが防止される。また、ころの転動に伴いころがポケッ
ト面すなわち横V字形になった二つの斜面に対してそれ
ぞれ当接するようになっているから、この保持器の案内
形態はころ案内になる。
【0010】 ころの転動案内面は、横V字形を成す二つ
の斜面のポケット開口端縁よりも面方向の内側でころが
当接するように構成されるので、ころはポケット開口端
縁に接触しにくくなっており、したがってそのポケット
開口端縁でころ表面から潤滑剤がかきとられるのが抑制
される。
【0011】ころは、突出部を乗り越えさせてポケット
に収納される。突出部は、ころの収納時に抵抗となる。
しかし、突出部は、ポケット面の軸方向中間領域にのみ
形成されており、軸方向両端領域には存在しないため、
突出部がポケット面の軸方向全長に渡って形成されてい
る場合に比べ、ころの収納作業が容易に行える。
【0012】ポケット面の軸方向両端領域では、ころと
ポケット開口部は常時接触せず、ころとポケット開口部
の間が潤滑油の流通経路となり、当該流通経路を通っ
て、ころ周面とポケット面との間に形成されるの潤滑剤
貯溜空間に潤滑油が導入され、ころ軸受の潤滑特性が向
上する。
【0013】ところで、ころが横V字形のポケット面に
当接して転動する状態では、ころの周面とポケット面と
の間に軸方向に長いほぼ三角形の空間が形成されること
になり、この空間が潤滑剤の溜まりとなる。したがっ
て、仮に、ころ転動動作に伴ってころの周面の油膜が例
えば保持器のポケット開口端縁などでかきとられたとし
ても、ころの回転に伴って前記空間内の潤滑剤がころ周
面に転移供給されることになって油膜が直ぐに再形成さ
れるようになるから、潤滑状態が良好に保たれる。この
ようなころに対する油膜形成はころが1回転する毎に行
われる。
【0014】
【実施例】図1ないし図5に本発明の一実施例を示して
いる。図例のころ軸受用保持器1は、金属製の円筒部材
の円周数箇所に平面視ほぼ長方形のポケット2・・・が
打ち抜き形成されていて、ポケット2間の柱部3・・・
のポケット面4において軸方向中間領域Aの径方向内外
部分が周方向に突出させられているとともに、このポケ
ット面4のころPCDに対応する部位が周方向に後退さ
せられていて、ころPCDに対応する部位を底部41と
してポケット面4がほぼ断面横V字形に形成されてい
る。このポケット面4の凹みは、複数の柱部3それぞれ
にコイニング加工を施すことによって形成される。な
お、柱部3の軸方向中間領域Aの径方向内外の突出部分
に符号5,6を付してある。
【0015】そして、隣り合う柱部3の突出部5,6に
より、ころ7の径方向内外への抜け出しが防止されてい
る。また、ポケット面4における二つの斜面42は、ポ
ケット開口端縁43よりも面方向の内側でころ7が当接
する転動案内面となる。横V字形に凹むポケット面4に
ころ7が当接して転動する状態では、ころ7の周面とポ
ケット面4との間に軸方向に長いほぼ三角形の空間Zが
形成されることになり、この空間Zが潤滑剤の溜まりと
なる。この空間Z内の潤滑剤がころ7の転動に伴いころ
7の周面に転移供給されて油膜が再形成されるようにな
っている。したがって、仮にころ7の周面の油膜が例え
ばポケット2の内外開口端縁43でかきとられたとして
も、ころ7の回転に伴い空間Z内の潤滑剤ですぐにころ
7の周面に油膜が再形成されるようになるから、潤滑状
態が良好に保たれる。このようなころ7に対する油膜形
成はころ7が1回転する毎に行われることになる。
【0016】対向するポケット面4において、図2に示
すように、軸方向中間領域Aにおける径方向内外のポケ
ット開口端縁43どうしの間隔W1がころ7の直径Rよ
り小さく設定され、かつ、底部41どうしの間隔W3が
ころ7の直径Rより大きく設定されている。また、図3
に示すように、軸方向両端領域B,Cにおける径方向内
外のポケット開口部44どうしの間隔W2が、ころ7の
直径Rより大きく、かつ、底部41どうしの間隔W3よ
り小さく設定されている。また、空間Zの容積は、隣り
合うポケット面4の凹みの底部41どうしの間隔W3
と、前述の間隔W1との寸法差を調整することにより適
宜に可変設定できる。
【0017】上記ころ軸受用保持器1は、例えば帯状鋼
板を用意し、それの長手方向所定間隔おきに長方形のポ
ケット2を打ち抜き形成して、これら隣り合うポケット
2間の各柱部3を図5に示すように工具10,10を用
いてコイニング加工してポケット面4をV字形に凹ませ
てから、この帯状鋼板を円筒形状にフォーミングして突
き合わせ端部を溶接する、といった手順で製作される。
【0018】なお、柱部3をコイニング加工すると、実
際にはわずかではあるが突出部5,6が径方向内外へ反
った状態で張り出すのであるが、この張り出しについて
の図示は省略している。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、柱部
のポケット面の少なくとも軸方向中間領域をころの摺接
面として広い摺接幅を確保しつつ、このように広いころ
摺接面にころとの間でほぼ三角形の潤滑剤貯溜空間を設
けるようにしているので、仮にころの抜け出し防止用の
突出部分でころ周面の潤滑剤油膜がかきとられたとして
も、ころの回転に伴い途切れなくころ周面に潤滑剤が転
移供給されて油膜を再形成することができる。したがっ
て、ころと柱部の摺接部位の潤滑状態を長期的に良好に
できるだけでなく、ころ軸受とした場合でのころがり特
性の安定化にも効果を発揮する。
【0020】また、突出部は、ポケット面の軸方向中間
領域にのみ形成されており、軸方向両端領域には存在し
ないため、突出部がポケット面の軸方向全長に渡って形
成されている場合に比べ、ころの収納作業が容易に行え
る。
【0021】さらに、ポケット面の軸方向両端領域で
は、ころとポケット開口部は常時接触せず、ころとポケ
ット開口部の間が潤滑油の流通経路となり、当該流通経
路を通ってポケット面の潤滑剤貯溜空間に潤滑油が導入
され、ころ軸受の潤滑特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のころ軸受用保持器の一実施例の縦断面
図。
【図2】図1の(2)−(2)線断面矢視図。
【図3】図2の(3)−(3)線断面矢視図。
【図4】図1のころ軸受用保持器の部分斜視図。
【図5】図1のころ軸受用保持器でのコイニング処理形
態を示す断面図。
【図6】従来のころ軸受用保持器の縦断面図。
【図7】図6の(7)−(7)線断面矢視図。
【符号の説明】
1 保持器 2 ポケット 3 柱部 4 ポケット面 5 径方向内側の突出部 6 径方向外側の突出部 7 ころ41 底部 42 斜面 43 ポケット開口端縁 44 ポケット開口部 Z 潤滑剤貯溜空間

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周数箇所にポケットが打ち抜き形成さ
    れ、このポケット内部にころが径方向内外に抜け出し不
    可能に収納保持される金属製のころ軸受用保持器であっ
    て、各ポケット間の柱部のポケット面における軸方向中間領
    域が、前記ころのPCDに対応する部位を底部としてほ
    ぼ断面横V字形に形成され、 対向するポケット面において、前記軸方向中間領域にお
    ける径方向内外のポケット開口端縁どうしの間隔が前記
    ころの直径より小さく設定され、かつ、前記底部どうし
    の間隔が前記ころの直径より大きく設定されているとと
    もに、軸方向両端領域における径方向内外のポケット開
    口部どうしの間隔が、前記ころの直径より大きく、か
    つ、前記底部どうしの間隔より小さく設定されており、 前記横V字形のポケット面における 二つの斜面は、前記
    ポケット開口端縁よりも面方向の内側で前記ころが当接
    する転動案内面に構成されている、ことを特徴とする
    軸受用保持器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のころ軸受用保持器にお
    いて、前記柱部のポケット面は、柱部を周方向両側から
    加工工具でつまむコイニング加工によりほぼ横V字形に
    凹むように塑性変形させられるものである、ことを特徴
    とするころ軸受用保持器。
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