JP3349892B2 - 不飽和ポリエステル及びその製造方法 - Google Patents

不飽和ポリエステル及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子量脂肪族不
飽和ポリエステルの製造方法に関する。本発明は、脂肪
族多価アルコール類又はその混合物と脂肪族多塩基酸類
又はその混合物、又はそれらのオリゴマーあるいはポリ
マーを、加熱脱水反応させることを特徴とする高分子量
脂肪族不飽和ポリエステルの製造方法に関する。不飽和
ポリエステル、あるいは、不飽和ポリエステル(P)と
不飽和ポリエステルと共重合可能なモノマー(M)を含
む不飽和ポリエステル樹脂は、汎用繊維強化プラスチッ
ク(FRP)やプリプレグ等の複合材料として、浴槽、
浄化槽、便器、洗面化粧板等の建築資材、並びに、漁船
やレジャーボート、ヨット、さらには自動車部品等に多
量に使用されている。本発明に係る高分子量脂肪族不飽
和ポリエステルの製造方法は、加熱脱水反応させること
により、従来のエステル化法では得られない高分子量の
脂肪族不飽和ポリエステルの製造方法を提供するもので
ある。本発明に係る高分子量脂肪族不飽和ポリエステル
を含有する組成物は、その有利な特性を活かして、成形
品や加工品に応用することができる。
【0002】
【従来の技術】多価アルコール類と多塩基酸類から高分
子量(ここでいう高分子量とは重量平均分子量で約1
5,000以上とする)ポリエステルを合成する方法
は、末端ヒドロキシ基の低分子量ポリエステルの脱グリ
コール反応によっている。従って、分子量が増大するに
従って、末端基濃度は著しく減少し、エステル交換時の
加熱による分解反応も加わって、分子量の増大に関し、
限界を生ずるようになる。特に、不飽和ポリエステルに
ついては、以下の[問題例1]や[問題例2]に示すよ
うに、その傾向が著しくみられる。 [問題例1] 従来技術の減圧下の脱グリコール反応によると、高分子
量飽和ポリエステルを製造する場合、分子量が最大に達
した後、減少に転ずるという困った現象が、しばしば、
認められる。 [問題例2] 高分子量ポリマーを得ようとして、高温で反応を行った
場合、反応時間とともに、ゲル化により流動性のない不
均一な重合物となってしまうという困った現象が、しば
しば、認められる。
【0003】[特開平7−228675号・米国特許第
5,401,796号] 本出願の発明者らは、既に、特開平7−228675
号、及び、米国特許第5,401,796号において、
脂肪族多価アルコール類又はその混合物と脂肪族多塩基
酸類又はその混合物、又はそれらのオリゴマーを、有機
溶媒を含む反応混合物中で加熱脱水反応させることを特
徴とする重量平均分子量が15,000以上である脂肪
族ポリエステルを製造する技術を開示した。 目的 脂肪族多価アルコール類と脂肪族多塩基酸類等とを、有
機溶媒を含む反応混合物中で直接縮合反応させて、高分
子量で不純物を含まず、低着色度で生体内でも加水分解
され吸収される医療用に有用な脂肪族ポリエステルを提
供することである。 構成 脂肪族多価アルコール類と脂肪族多塩基酸類、または、
脂肪族多価アルコール類と脂肪族多塩基酸類等とヒドロ
キシカルボン酸類とを用い、該モノマーを、有機溶媒
(好ましくは、アニソール、フェネトール、ジフェニル
エーテル等)を含む反応混合物中で、直接縮合反応を行
なう。そして、生成した水、過剰なモノマーを有機溶媒
と共に反応系外に留出させ、重量平均分子量が1500
0以上である脂肪族ポリエステルを得る。しかしなが
ら、この技術の中には、脂肪族飽和ポリエステルについ
のみ開示され、化学的性質を異にする脂肪族不飽和ポリ
エステルについては、一切開示がない。
【0004】[特開昭60−101118号] 特開昭60−101118号には、生物学的再吸収性ポ
リエステル及びポリエステル組成物について開示されて
いる。 目的 この技術の目的は、クレブス・サイクルジカルボン酸
類、ジオ−ル及びα−ヒドロキシカルボン酸を縮合反応
させてなる、哺乳動物の神経の再生及び誘導を助ける為
の縫合糸等の外科用物品の製造に有用な、生物学的再吸
収性ポリエステル及びポリエステル組成物を提供するこ
とである。 構成 (A)コハク酸、フマル酸、オキザロ酢酸、L−リンゴ
酸及びD−リンゴ酸からなる群から選ばれたクレブス・
サイクルジカルボン酸又はその異性体あるいは酸無水
物、 (B)炭素原子数が、2、4、6又は8であるジオ−
ル、及び、 (C)グリコ−ル酸、L−乳酸及びD−乳酸からなる群
から選ばれたα−ヒドロキシカルボン酸、を縮合反応さ
せて得られる、モノマ−副次単位がポリエステル分子中
でランダムに配列したポリエステルである。このポリエ
ステルは、非毒性、非抗原性、生物学的分離性及び生物
学的再吸収性であり、それらの分解生成物は現存する代
謝系路を経て体内から除かれる性質を有し、切断した神
経の再生と誘導を助ける為の縫合系、結索糸及び微小管
導管を含めた外科用物品の製造に有用である。しかしな
がら、ポリエステルの好ましい平均分子量(重量平均分
子量(Mw)、数平均分子量(Mn)等)については開
示がない。
【0005】[特開平2−140213号] 特開平2−140213号には、生物医学的用途向け改
良ポリ(プロピレングリコ−ルフマレ−ト)組成物につ
いて開示されている。 目的 この技術の目的は、末端基の比率、重量平均分子量及び
数平均分子量を特定としてなる、機械的性質及び生分解
性を改良し、高い再現性を有し、骨セメント等生物医学
用途に有用な標記組成物を提供することである。 構成 好ましい重量平均分子量(Mw)約500〜3000、
数平均分子量(Mn)約300〜2000であり、かつ
ポリマ−1g当り1〜2mmolのカルボン酸末端基を
有するフマル酸及びプロピレングリコ−ルのポリマ−を
有するポリマー組成物である。尚、機械的強度が10〜
25MPaであり、製造に際しては、フマル酸とビス,
プロピレングリコ−ルフマレ−ト及びMPMペンタマ−
からなる群から選ばれる化合物との、0.65:1の比
で反応生成物を含むことが好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来の減圧下の脱グリコール反応により高
分子量飽和ポリエステルを製造する場合、分子量が最大
に達した後、減少に転ずることがみられることや、高温
で反応すると反応時間とともに、ゲル化が起こってしま
うという従来技術の問題点を克服し、高分子量の不飽和
ポリエステルの製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術の問題点に鑑み、脂肪族不飽和ポリエステルの製造
工程に、前記特開平7−228675号・米国特許第
5,401,796号に開示した技術を応用することに
より、高分子量の不飽和ポリエステルを得ることができ
ることを見い出し、本発明を完成するに至ったのであ
る。すなわち、本発明者らは、上記従来技術の問題点に
鑑み、本発明者らにより完成された特開平7−2286
75号・米国特許第5,401,796号に開示した発
明を完成させる基礎となった技術的思想をさらに発展さ
せて応用しつつ、鋭意検討した結果、エチレングリコー
ルや1,4−ブタンジオール等の脂肪族多価アルコール
類とフマル酸やマレイン酸等の脂肪族多塩基酸類、又は
それらのオリゴマーあるいはポリマーを有機溶媒中で、
触媒の存在下又は触媒の非存在下で比較的低温で加熱脱
水反応させることにより、ゲル化等の問題もなく高分子
量の不飽和ポリエステルを得ることができるという知見
を見い出し、本発明を完成するに至ったのである。本出
願に係る発明は、以下の(1) 〜(7)に記載された
発明である。(1) 脂肪族多価アルコール脂肪族不飽和多塩基
酸を、有機溶媒中、触媒の存在下、かつ減圧下で加熱脱
水反応させる重量平均分子量15,000〜500,0
00の高分子量脂肪族不飽和ポリエステルの製造方法。(2) 脂肪族不飽和多塩基酸の少なくとも一部が、
フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びこれらの無水
物からなる群から選択された少なくとも1種である
(1)に記載の高分子量脂肪族不飽和ポリエステルの製
造方法。(3) 脂肪族多価アルコールの少なくとも一部が、脂
肪族ジオールである、(1)に 記載の高分子量脂肪族
不飽和ポリエステルの製造方法。(4) 脂肪族ジオールの少なくとも一部が、エチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、テレフタル酸ビス(2−ヒド
ロキシエチル)からなる群から選択された少なくとも1
種である、(3)に記載の高分子量脂肪族不飽和ポリエ
ステルの製造方法。(5) 加熱脱水反応の反応温度が、100〜200℃
であることを特徴とする(1) 乃至(4) の何れか
に記載の高分子量脂肪族不飽和ポリエステルの製造方
法。(6) (1) 乃至(5)の何れかに記載の製造方法
により得られる、高分子量脂肪族不飽和ポリエステル。(7) (6) に記載の高分子量脂肪族不飽和ポリエス
テルから製造されてなるフィルム。
【0008】 (1) (a1) 脂肪族多価アルコー
ル及び脂肪族不飽和多塩基酸、 (a2) 脂肪族不飽和オリゴエステル並びに (a3) 脂肪族不飽和ポリエステル、からなる群から
選択された少なくとも1種(A)と、 (b1) 脂肪族多価アルコール及び脂肪族飽和多塩基
酸、 (b2) 脂肪族飽和オリゴエステル並びに (b3) 脂肪族飽和ポリエステル、からなる群から選
択された少なくとも1種(B)を、有機溶媒中、触媒の
存在下、かつ減圧下で加熱脱水反応させることを特徴と
する重量平均分子量15,000〜500,000の
分子量脂肪族不飽和ポリエステルの製造方法。
【0009】 (2) 脂肪族不飽和多塩基酸及び/又
は脂肪族飽和多塩基酸の少なくとも一部が、脂肪族ジカ
ルボン酸である、(1) に記載の高分子量脂肪族不飽
和ポリエステルの製造方法。
【0010】 (3) 脂肪族不飽和多塩基酸の少なくと
も一部が、フマル酸、イタコン酸、シトラコ ン酸及び
これらの無水物からなる群から選択された少なくとも1
種であることを特徴と する(1) に記載の高分子量
脂肪族不飽和ポリエステルの製造方法。
【0011】 (4) 脂肪族多価アルコールの少なく
とも一部が、脂肪族ジオールである、(1) 乃至
(3) の何れかに記載の高分子量脂肪族不飽和ポリエ
ステルの製造方法。
【0012】 (5) 脂肪族ジオールの少なくとも一
部が、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、テレフタル酸ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)からなる群から選択された
少なくとも1種である、(4) に記載の高分子量脂肪
族不飽和ポリエステルの製造方法。
【0013】 (6) 加熱脱水反応の反応温度が、10
0〜200℃であることを特徴とする(1) 乃至
(5) の何れかに記載の高分子量脂肪族不飽和ポリエ
ステルの製造方法。
【0014】 (7) (1) 乃至(6)の何れかに記
載の製造方法により得られる、高分子量脂肪族不飽和ポ
リエステル。
【0015】 (8) (7)に記載の高分子量脂肪族不
飽和ポリエステルから製造されてなるフィルム。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係る不飽和ポリエステル
は、脂肪族多価アルコール類と脂肪族多塩基酸類を触媒
の存在下又は触媒の非存在下、有機溶媒中で反応させる
ことにより得られる。有機溶剤中で反応を行なう場合に
おいて、より高分子量の生成ポリマーを得るためには、
生成した水又は過剰のモノマーを該有機溶媒と共に反応
系外に留出させるとともに、留出した有機溶媒に溶解す
る水又はモノマーの以下の水又はモノマー含有量を有す
る有機溶媒を追加溶媒として反応系に装入しながら反応
する。
【0017】 本発明の製造方法に使用できる有機溶媒の
具体例としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチ
レン等の炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ブロモベン
ゼン、ヨ−ドベンゼン、ジクロロベンゼン、1,1,
2,2−テトラクロロエタン、p-クロロトルエン等のハ
ロゲン系溶媒、3−ヘキサノン、アセトフェノン、ベン
ゾフェノン等のケトン系溶媒、ジブチルエ−テル、アニ
ソ−ル、フェネトール、o−ジメトキシベンゼン、p−
ジメトキシベンゼン、3−メトキシトルエン、ジベンジ
ルエーテル、ベンジルフェニルエーテル、メトキシナフ
タレン等のエーテル系溶媒、フェニルスルフィド、チオ
アニソール等のチオエーテル溶媒、安息香酸メチル、フ
タル酸メチル、フタル酸エチル等のエステル系溶媒、ジ
フェニルエーテル、又は4−メチルフェニルエーテル、
3−メチルフェニルエーテル、3−フェノキシトルエン
等のアルキル置換ジフェニルエーテル、又は、4−ブロ
モフェニルエーテル、4−クロロフェニルエーテル、4
−ブロモジフェニルエーテル、4−メチル−4’−ブロ
モジフェニルエーテル等のハロゲン置換ジフェニルエー
テル、又は、4−メトキシジフェニルエーテル、4−メ
トキシフェニルエーテル、3−メトキシフェニルエーテ
ル、4−メチル−4’−メトキシジフェニルエーテル等
のアルコキシ置換ジフェニルエーテル、又は、ジベンゾ
フラン、キサンテン等の環状ジフェニルエーテル等のジ
フェニルエーテル系溶媒が挙げられ、これらは、混合し
て用いてもよい。そして、溶媒として容易に水と分液分
離できるものが好ましく、特に平均分子量の高い不飽和
ポリエステルを得るためにはエーテル系溶媒、アルキル
−アリールエーテル系溶媒及びジフェニルエーテル系溶
媒がより好ましいが、アルキル−アリールエーテル系溶
媒及びジフェニルエーテル系溶媒が特に好ましい。
【0018】 本発明の製造方法において、生成した水又
は過剰のモノマーを反応系外に留出させるには、用いた
有機溶媒と水又はモノマーとの共沸によることが好まし
い。共沸により留出した有機溶媒は、含有する水又はモ
ノマーの量が該有機溶媒に対する水又はモノマーの溶解
度より多い場合は分液により水又はモノマーを除去した
後、反応系内に戻して良く、さらに用いた有機溶媒に溶
解した水又はモノマーを除くために、脱水、脱モノマー
剤で処理したり、蒸留等により水又はモノマーの分量含
有量を低下させた後、反応系内に戻してもよい。また共
沸により留出した有機溶媒の代わりに、新たな水又はモ
ノマーの含有量の低い有機溶媒を装入してもよい。また
反応の始めの部分で水又は過剰のモノマーを減圧により
除去し、その後に有機溶媒を加え、有機溶媒を含む反応
混合物より有機溶媒の一部を除去することにより、反応
混合物の水又はモノマーを所定の値とすることもでき
る。つまり、少なくとも反応のある段階で溶媒を用いて
水又はモノマーを除去しつつ縮合反応を進めるものであ
り、この実施態様としては、溶媒は水又はモノマーと共
沸するものでもしないものでもよく、水又はモノマーと
分液するものでもしないものでもよい。また、他の実施
態様としては、過剰の溶媒を予め装入しておき、単に溶
媒を抜き出すのみで脱水する方法、反応溶媒を他の溶媒
を用いて乾燥する方法等も含まれる。またさらに変形と
して、反応溶媒自体を液状のまま水分を除去してもよ
い。また、本発明の反応温度については、溶媒が水と共
沸するために、沸点が低下したとしても所定の温度で行
われればよい。
【0019】 不飽和ポリエステルの平均分子量は、反応
系に装入する有機溶媒の水又はモノマー量にも依存し、
溶媒の種類にもよるが、溶媒が400〜500ppmと
高い水分量を有する場合、得られる分解性高分子組成物
の重量平均分子量は、10,000以下である。上記高
水分量、高モノマー量でもジフェニルエーテル系溶媒あ
るいはオルソジクロルベンゼン等を用いると15,00
0以上の重量平均分子量の不飽和ポリエステルが得られ
ることは驚くべきことである。更に高い平均分子量の不
飽和ポリエステルを得るためには、反応系に挿入する有
機溶媒の水又はモノマー量が低いことが望ましく、共沸
により留出した有機溶媒を脱水、脱モノマー剤で処理し
て水を除去又は減少して反応系に戻すか、水分量の低い
新たな有機溶媒を挿入することにより、挿入する水又は
モノマー量を50ppm以下とすることにより、重量平
均分子量(Mw)50,000以上の不飽和ポリエステ
ルを得ることができる。
【0020】 本発明の製造方法において、平均分子量の
高い不飽和ポリエステルを得るために用いる脱水、脱モ
ノマー剤の具体例としては、例えば、モレキュラーシー
ブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ
5A、モレキュラーシーブ13X等のモレキュラーシー
ブ類、アルミナ、シリカゲル、塩化カルシム、硫酸カル
シウム、五酸化二リン、濃硫酸、過塩素酸マグネシウ
ム、酸化バリウム、酸化カルシウム、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、あるいは水素化カルシウム、水素化
ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素
化物、又は、ナトリウム等のアルカリ金属等が挙げられ
る。中でも、取扱い及び再生の容易さからモレキュラー
シーブ類が好ましい。
【0021】 本発明の製造方法における反応温度は、ポ
リマーの生成速度及び生成したポリマーの熱分解速度を
考慮して、好ましくは80〜200℃であり、より好ま
しくは、110〜170℃である。縮合反応は、通常、
常圧下に使用する有機溶媒の留出温度で行われる。反応
温度を好ましい範囲にするために高沸点の有機溶媒を用
いる場合には、減圧下で行ってもよいし、低沸点の有機
溶媒を用いる場合には、加圧下で行ってもよい。
【0022】 本発明に使用する多価アルコール類の具体
例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペン
チルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、テレ
フタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)などが挙げられ
る。
【0023】 また、多塩基酸類については、フマル酸、
マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、またこれらの
無水物でもかまわない。多塩基酸類については、上記不
飽和脂肪族多塩基酸の他に、コハク酸、アジピン酸、ス
ベリン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族多塩基酸を含んで
いてもよい。本発明の反応においては、触媒を使用して
も使用しなくてもよいが、触媒を用いるばあいには、反
応速度を上げることができる。使用する触媒としては、
周期表のII、III、IV、V族の金属、その酸化物
あるいはその塩等が挙げられる。具体的には、亜鉛末、
錫末、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ゲルマニ
ウム等の金属、酸化錫、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸
化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の金
属酸化物、塩化第一錫、塩化第二錫、臭化第一錫、臭化
第二錫、フッ化アンチモン、塩化亜鉛、塩化マグネシウ
ム、塩化アルミニウム等の金属ハロゲン化物、硫酸錫、
硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム等の硫酸塩、炭酸マグネシ
ウム、炭酸亜鉛等の炭酸塩、酢酸錫、オクタン酸錫、酢
酸亜鉛、酢酸アルミニウム等の有機カルボン酸塩、トリ
フルオロメタンスルホン酸錫、トリフルオロメタンスル
ホン酸亜鉛、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウ
ム、メタンスルホン酸錫、p−トルエンスルホン酸錫等
の有機スルホン酸塩が挙げられる。その他、ジブチルチ
ンオキサイド等の上記金属の有機金属酸化物、又は、チ
タニウムイソプロポキサイド等の上記金属の金属アルコ
キサイド、又は、ジエチル亜鉛等の上記金属のアルキル
金属、又は、ダウエックス、アンバーライト等のイオン
交換樹脂等が挙げられる。その使用量は、使用する脂肪
族多価アルコールと脂肪族多塩基酸、又はそれらのオリ
ゴマーの0.0001〜10重量%が良く、経済性を考
えると、0.001〜2重量%が好ましい。
【0024】 本発明の製造方法では、系外から水分が入
らないように、不活性ガス(例えば、乾燥窒素、アルゴ
ン等)雰囲気下で行なうことが好ましく、不活性ガスで
置換しながら又は不活性ガスでバブリングしながら行っ
てもよい。本発明の製造方法では、反応で生成した水又
はモノマーを有機溶媒と共に反応系外に留出させながら
反応することができるが、好ましくは生成した水又はモ
ノマーを有機溶媒と共に反応系外に留出させるととも
に、留出した有機溶媒に溶解する水又はモノマーと同じ
か又は低い水又はモノマー量を有する有機溶媒を反応系
に装入しながら反応することができ、その実施態様の好
ましい一例を原料モノマーとして1,4−ブタンジオー
ルとフマル酸を用いて以下に記載する。
【0025】 水分離器(例えば、Dean Stark
trap)を備えた反応器に、溶媒及び所定量の1,
4−ブタンジオールとフマル酸と所定量の触媒を装入
し、反応器を加熱し、生成した水を留出させ水分離器に
導く。溶媒の溶解度以上の水を水分離器で分離して系外
に除去し、溶解度分の水を含んだ溶媒は、反応系に戻
す。この段階で1,4−ブタンジオールとフマル酸がオ
リゴマー化する。この段階での重量平均分子量は、50
0〜1,000であり、重量平均分子量が5,000程
度までになっていてもよい。この間の反応時間はおよそ
0.5時間から数時間である。このオリゴマー化の反応
は、あらかじめ別の反応器で、無溶媒、無触媒、減圧下
で行っていてもよいし、無触媒で溶媒を用いて行っても
よい。このまま溶媒の留出温度で、反応が進むにつれて
生成する水を除去し、水で飽和した溶媒を反応系に戻し
ながら反応を続けもよいが、数時間反応すると、溶媒の
種類にもよるが、重量平均分子量15,000〜50,
000のものが得られる。さらに高分子量のポリマーを
得るには、原料中の水がほぼ留出した後、水分離器をは
ずし、モレキュラーシーブ等の乾燥剤を充填した管を取
り付け、留出する溶媒がこの管を通って還流するように
するか、留出した溶媒を、乾燥剤を入れた別の反応器で
処理して反応器に戻すようにするか、又は新たな水分含
量の低い溶媒を反応器に装入する。これらの方法により
溶媒に溶解する水の量を50ppm以下にし、このまま
数十時間反応を続けることにより、溶媒の種類にもよる
が、重量平均分子量50,000〜500,000の分
解性高分子組成物を得ることができる。反応終了後、所
望の分解性高分子組成物を得る処理方法はどのような方
法でもよいが、例えば、反応液にクロロホルムを加え加
熱し、その後メタノールに排出し、析出した結晶を濾
過、乾燥すれば、所望の不飽和ポリエステルが得られ
る。
【0026】 本発明の方法により得られる不飽和ポリエ
ステルの重量平均分子量は、溶媒の種類、触媒の種類及
び量、反応温度、反応時間、共沸により留出した溶媒の
処理方法等を変えることにより、種々のものが得られる
が、約15,000〜500,000である。本発明の
方法によれば、反応条件を適宜選択することにより、高
分子量(重量平均分子量(Mw):4,000〜50
0,000)を有する不飽和ポリエステルを容易に生成
することができる。本発明の方法において、縮合反応を
触媒の存在下で行った場合には、ポリマー中に触媒が残
存するとポリマーの熱安定性、耐候性に影響する恐れが
あるため、ポリマー中の触媒を除くことが好ましい。好
ましい除去方法としては、縮合反応液を攪拌下又はその
まま冷却して得られる粉末個体状のポリマーを、親水性
有機溶媒の存在下酸性物質と接触させる方法である。
【0027】 この方法に使用される親水性有機溶媒とし
ては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル類、酢酸、酪酸等のカルボン酸類、アセトニ
トリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセチアミド、1,3−ジメチル
イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホルアミド等のア
ミド類等が挙げられる。特に、安価なしかも該ポリマー
を溶解しないアルコール類が好ましい。
【0028】 酸性物質としては、塩酸、硫酸、硝酸、リ
ン酸等の無機酸、又は、酢酸、パラトルエンスルホン酸
等の有機酸などが挙げられ、特に安価な塩酸、硫酸、硝
酸などが好ましい。
【0029】 酸性物質の使用量は、ポリマー対して
0.0001〜5.0モル/100重量部であり、好ま
しくは0.001〜1モル/100重量部がよい。0.
0001モルより少ないと触媒の除去効果が悪くなり、
また、5.0モルより多いとポリマーが劣化するなどの
問題が生じる場合がある。
【0030】 この方法で用いるポリマーの個体状物とし
ては、粉末状、顆粒状、粒状、フレーク状、ブロック状
の形態を示し、一般にポリマーを得る方法としては、常
法の一旦ポリマーを良溶媒に溶解した後、貧溶媒を滴下
あるいは貧溶媒中に滴下する方法、又は特定の溶媒に加
熱溶解後冷却晶析する方法がある。
【0031】 ポリマーの性状としては、好ましくは、嵩
密度が0.6g/ml以下であるが、より好ましくは
0.05〜0.5g/mlがよい。嵩密度が0.6g/
mlより大きいと酸性物質との接触が不十分となるため
ポリマー中の触媒が除去しきれない事があり、逆に嵩密
度が0.05g/mlより小さいと触媒の除去にはなん
ら問題はないが、処理後の濾過性が悪くなるため操作的
に問題が生じる場合がある。
【0032】 ポリマーと酸性物質を接触させる条件とし
ては、好ましくは親水性有機溶媒中、固形分濃度3〜4
0重量%程度、接触温度は0〜100℃、特に好ましく
は0〜60℃、接触時間は0.1時間〜24時間程度、
特に好ましくは0.5〜8時間程度である。
【0033】 このようにして得られた不飽和ポリエステ
ルは、フィルム、成形物等に加工した場合に、十分な強
度と靱性を持ち、そのまま容器等の用途に用いることが
できる。特に本発明の製造方法によって製造したポリマ
ーでフィルムに成形した場合、重量平均分子量10,0
00より低いものでは、引張強度及び伸び率が十分では
なく、フィルムとして使用するに難点がある。そのた
め、フィルムとして使用する場合強度や伸びの点で、こ
のポリマーの重量平均分子量は、40,000以上が要
求され、好ましくは70,000以上、より好ましくは
100,000以上の重量平均分子量が要求されるが、
本発明の製造方法によれば、このフィルムに用いて好適
な分子量の不飽和ポリエステルが容易に得られる。また
さらに、これら高分子量の不飽和ポリエステルは、延
伸、ブロー、真空成形等の二次加工を行なうことができ
る。従って、本発明の方法により得られる高分子量の不
飽和ポリエステルは、発泡体、網状体等の従来の汎用樹
脂の代替物として使用することができる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれに限定
されるものではない。 [実施例における物性測定の方法] この実施例で用いた評価方法は、以下の通りである。 (1)重量平均分子量 不飽和ポリエステルの重量平均分子量(Mw)は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(カラム温度40
℃、クロロホルム溶媒)により、ポリスチレン標準サン
プルとの比較で求めた。 (2)溶媒中の水分測定 カールフィッシャー水分計(MKC−210、京都電子
工業株式会社製)を用いて行った。 (3)示差熱分析 走査熱量計(DSC−3100、マックサイエンス社
製)で、−20℃〜230℃の範囲で分析した。 (4)引張強度 フィルムサンプルの引張強度は、JIS K−6732
に従って測定した。 (5)透明性 フィルムサンプルの透明性は、Haze(曇度)をJI
S K−6714に従って、HazeメーターTC−H
III(東京電色株式会社製)にて測定した。
【0035】 [実施例1] 1,4−ブタンジオール41.0gとフマル酸52.8
gと、さらに酸化第1錫0.77gを加え、窒素を流し
ながら150℃/1atmで2.5時間、次いで、15
0℃/15mmHgにして0.5時間、系外に水を留出
しながら加熱撹拌しオリゴマー化した。これに、オルソ
ジクロルベンゼン232gを加えモレキュラーシーブ5
A、20gが充填された管を付け、留出した溶媒がモレ
キュラーシーブ層中を通って反応機に戻るようにした。
その後、140℃/250mmHgで25時間反応を行
った。その反応マスに800gのオルソジクロルベンゼ
ンを加え、熱時濾過後冷却して晶析させた。これを濾過
し、濾塊を1%塩酸/イソプロピルアルコール溶液60
0mlを加え1時間攪拌した後、吸引濾過する操作を行
い錫を除去した。その濾塊をイソプロピルアルコール6
00mlで攪拌した後、吸引濾過する操作を濾液が中性
になるまで行い、その後、60℃熱風乾燥し、69.7
g(収率 90%)のポリブチレンフマレートを得た。
そのポリブチレンフマレートの重量平均分子量は42,
000であった。該不飽和ポリエステルを示差熱分析し
たところ、ガラス転移温度は97℃、融点は140.3
℃の値を示した。
【0036】 [フィルムの作成] 得られたポリマーを、温度180℃でホットプレスして
プレスフィルムを作成した。フィルムの分子量を測定し
たら82,000であった。作成したフィルムの物性を
以下に示す。 厚み:100μm 引張強度は、JIS K−6732に従って測定した。 引張強度(降伏):290kg/cm2 引張強度(破断):240kg/cm2 伸び:120% 透明性(Haze) :72%
【0037】 [実施例2] 1,4−シクロヘキサンジオール65.6gとフマル酸
52.8gと、さらに酸化第1錫0.77gを加え、窒
素を流しながら150℃/1atmで2.5時間、次い
で、150℃/15mmHgにして0.5時間、系外に
水を留出しながら加熱撹拌しオリゴマー化した。これ
に、オルソジクロルベンゼン232gを加えモレキュラ
ーシーブ5A、20gが充填された管を付け、留出した
溶媒がモレキュラーシーブ層中を通って反応機に戻るよ
うにした。その後、140℃/250mmHgで25時
間反応を行った。その反応マスに800gのオルソジク
ロルベンゼンを加え、熱時濾過後冷却して晶析させた。
これを濾過し、濾塊を1%塩酸/イソプロピルアルコー
ル溶液600mlを加え1時間攪拌した後、吸引濾過す
る操作を行い錫を除去した。その濾塊をイソプロピルア
ルコール600mlで攪拌した後、吸引濾過する操作を
濾液が中性になるまで行い、その後、60℃熱風乾燥
し、95.9g(収率 94%)のポリシクロヘキサン
ジメチレンフマレートを得た。そのポリシクロヘキサン
ジメチレンフマレートの重量平均分子量は55,000
であった。該不飽和ポリエステルを示差熱分析したとこ
ろ、ガラス転移温度は43℃、融点は147.7℃の値
を示した。
【0038】 [フィルムの作成] 得られたポリマーを、温度180℃でホットプレスして
プレスフィルムを作成した。フィルムの分子量を測定し
たら102,000であった。作成したフィルムの物性
を以下に示す。 厚み:100μm 引張強度は、JIS K−6732に従って測定した。 引張強度(降伏):250kg/cm2 引張強度(破断):230kg/cm2 透明性(Haze) : 7%
【0039】 [実施例3] エチレングリコール28.2gとフマル酸52.8g
と、さらに酸化第1錫0.77gを加え、窒素を流しな
がら150℃/1atmで2.5時間、次いで、150
℃/15mmHgにして0.5時間、系外に水を留出
ながら加熱撹拌しオリゴマー化した。これに、オルソジ
クロルベンゼン232gを加えモレキュラーシーブ5
A、20gが充填された管を付け、留出した溶媒がモレ
キュラーシーブ層中を通って反応機に戻るようにした。
その後、140℃/250mmHgで25時間反応を行
った。その反応マスに800gのオルソジクロルベンゼ
ンを加え、熱時濾過後冷却して晶析させた。これを濾過
し、濾塊を1%塩酸/イソプロピルアルコール溶液60
0mlを加え1時間攪拌した後、吸引濾過する操作を行
い錫を除去した。その濾塊をイソプロピルアルコール6
00mlで攪拌した後、吸引濾過する操作を濾液が中性
になるまで行い、その後、60℃熱風乾燥し、61.4
g(収率 95%)のポリエチレンフマレートを得た。
そのポリエチレンフマレートの重量平均分子量は62,
000であった。該不飽和ポリエステルを示差熱分析し
たところ、ガラス転移温度は17.6℃、融点は10
4.1℃の値を示した。
【0040】 [フィルムの作成] 得られたポリマーを、温度180℃でホットプレスして
プレスフィルムを作成した。フィルムの分子量を測定し
たら122,000であった。作成したフィルムの物性
を以下に示す。 厚み:100μm 引張強度は、JIS K−6732に従って測定した。 引張強度(破断):50kg/cm2 伸び:351% 透明性(Haze) : 4%
【0041】
【発明の効果】本発明は、脂肪族多価アルコール類又は
その混合物と脂肪族多塩基酸類又はその混合物、又はそ
れらのオリゴマーあるいはポリマーを、比較的低温で加
熱脱水反応させることを特徴とする高分子量脂肪族不飽
和ポリエステルの製造方法に関する。本発明に係る高分
子量脂肪族不飽和ポリエステルは、共重合できるモノマ
ー類に溶解してポリエステル樹脂として、各種用途に活
用されるが、必要に応じて、補強材、フィラー、離型
剤、増粘剤、着色剤等を併用することができる。また、
光、熱及び硬化剤により硬化させることもできる。例え
ば、1,4−ブタンジオールとフマル酸を触媒の存在下
有機溶媒下で加熱脱水反応させることにより、重量平均
分子量が15,000以上である不飽和ポリエステルを
得られ、また得られたポリマーは、発砲体や、ブロー成
形による成形物などの加工製品が得られる。本出願に係
る高分子量脂肪族不飽和ポリエステル、あるいは、その
樹脂を、FRPやプリプレグ等の複合材料からなる成形
品や加工品に応用する場合は、使用する繊維材料は、目
的に応じ、分解性であっても、非分解性であってもよ
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−38431(JP,A) 藤井 光雄、垣内 弘,プラスチック の実際知識,日本,東洋経済新聞社, 1985年12月26日,第215頁及び第216頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 WPI/L(QUESTEL)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族多価アルコール脂肪族不飽和多
    塩基酸を、有機溶媒中、触媒の存在下、かつ減圧下で加
    熱脱水反応させることを特徴とする重量平均分子量1
    5,000〜500,000の高分子量脂肪族不飽和ポ
    リエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 脂肪族不飽和多塩基酸の少なくとも一部
    が、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びこれらの
    無水物からなる群から選択された少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高分子量脂肪族不飽
    和ポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 脂肪族多価アルコールの少なくとも一部
    が、脂肪族ジオールである、請求項1に記載の高分子量
    脂肪族不飽和ポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 脂肪族ジオールの少なくとも一部が、エ
    チレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−
    シクロヘキサンジメタノール、テレフタル酸ビス(2−
    ヒドロキシエチル)からなる群から選択された少なくと
    も1種である、請求項3に記載の高分子量脂肪族不飽和
    ポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 加熱脱水反応の反応温度が、100〜2
    00℃であることを特徴とする請求項1乃至の何れか
    に記載の高分子量脂肪族不飽和ポリエステルの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至の何れかに記載の製造方
    法により得られる、高分子量脂肪族不飽和ポリエステ
    ル。
  7. 【請求項7】 請求項に記載の高分子量脂肪族不飽和
    ポリエステルから製造されてなるフィルム。
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