JP3348949B2 - 吸引吐出装置 - Google Patents

吸引吐出装置

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JP3348949B2
JP3348949B2 JP35415493A JP35415493A JP3348949B2 JP 3348949 B2 JP3348949 B2 JP 3348949B2 JP 35415493 A JP35415493 A JP 35415493A JP 35415493 A JP35415493 A JP 35415493A JP 3348949 B2 JP3348949 B2 JP 3348949B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、血液、尿等
の体液の成分検査や河川、上下水道等の水質検査を行う
ために、試料、試薬等の分析用液体の吸引および/また
は吐出を行う吸引吐出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、血液、尿等の体液の成分検査や
河川、上下水道等の水質検査においては、試料の分取
(吸引)および分取(吐出)した試料の分配を自動で行
う吸引吐出装置が広く用いられている。
【0003】このような吸引吐出装置では、正確な分析
結果を得るために、試料間のコンタミネ−ションを防止
する必要がある。
【0004】このため、従来の装置では、試料を分取す
る際に試料と直接接触する部位を多量の水で洗浄した
り、それでも不十分なときは洗剤あるいはある種の溶媒
等を用いて洗浄するようにしていた。
【0005】また、今までの臨床化学検査の主流であっ
た血液検査では、一般に遭遇する同一の検査項目での最
低値と最高値の隔りは大きくても最低値の100倍程度
であり試料間のコンタミネ−ションは検査値にあまり影
響しなかったので、上述した洗浄のみで十分であった。
【0006】しかし、最近注目を集めているウイルス性
肝炎や後天性免疫不全症の検査では同一検査項目での最
低値と最高値の隔りが最低値の10万から100万倍程
度あるようなこともある。このような検査項目を実施す
る場合に、試料間のコンタミネ−ションが生じると検査
値に大きな影響を及ぼし、偽陽性判定が著しく増大する
おそれがある。
【0007】上述した洗浄のみで、この危険性を回避す
るには膨大な量の洗浄水が必要となる。また、装置上で
実施できる化学反応を応用した殺菌処理方法について
は、おのずと限界がある。
【0008】このような事情に鑑みて、従来特開昭61
−181968号公報に開示された装置が採用されてい
る。この装置では、試料を分取する際に試料と接触する
ノズル部であるチップを交換可能かつ一回きりの使い捨
てとし、このチップを一度の使用のみで廃棄するような
構成となっている。
【0009】一方、特定の抗原、抗体、酵素、ホルモ
ン、アレルゲン、電解質等に反応する各種試薬を分取分
配する装置において、試薬間の干渉が考えられる場合に
は、主に、チップを使い捨てとして、試薬間の干渉を適
宜の洗浄で解消できる場合または試薬間で混合しても測
定結果を狂わせない場合には、チップを適当回数だけ使
用した後廃棄したり洗浄して再使用することも考えられ
る。
【0010】また、チップを分取分配のために使用する
以外にも試料、試薬等による各種反応、希釈等を確実に
行うために、所定容器内の液体を複数回吸引し吐出する
動作を反復することで、攪拌を行う場合もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した装
置に使用される交換可能なチップは図11(a)に1で
示すようなものである。このチップ1は、一般に、プラ
スチック材料を射出成形することにより大量生産された
ノズル状のもので、このチップ1の内径は下端開口1a
である試料吸引部から上端部開口1bに向かって次第に
大径なるようテ−パ状に形成されており、分取する液量
に応じて0.5μl〜5ml容量用の種々の寸法に仕上
げられている。
【0012】また、この交換可能なチップ1は、図11
(a)に示すチップスタンド2に立設された状態で複数
本保持されている。
【0013】一方、このチップスタンド2から上記チッ
プ1を保持し取り出すことができるプロ−ブ3(チップ
保持部)は、同図(b)に示すように、下端部を上記チ
ップ1の上端開口1b内に嵌入することで上記チップ1
との摩擦力により上記チップ1を保持するようになって
いる。
【0014】従来の自動吸引吐出装置は、上記プロ−ブ
3を駆動することで、このチップ1を用いて試料または
試薬の分取および分配を行った後、一回の使用のみで、
このチップ1を廃棄する。そして、再び上記プロ−ブ3
の下端部に未使用チップ1を挿着し、試料または試薬等
の各種吸引吐出作業を連続的に行う。
【0015】しかし、このような構成を用いて試料の分
取分配を行う場合には、以下のような問題がある。
【0016】第1に、上記プロ−ブ3で上記チップ1を
保持する際、チップ1の保持ミスが生じ、上記チップ1
を上記チップスタンド2から取り出せないということが
ある。
【0017】すなわち、上記チップ1は、このチップ1
の材質であるプラスチックの弾性とこの弾性に応じて定
まる摩擦力とによって、金属製の上記プロ−ブ3に保持
されるようになっているが、作業気温が低い場合には、
上記チップ1の材質であるプラスチック材料の弾性が小
さくなるために摩擦係数が低下し、上記チップ1の保持
が困難になるのである。
【0018】例えば、気温8℃では、保持するチップ1
のうち約80%のチップ1について保持ミスが生じる。
また、仮に上記チップ1を保持できたとしても、このチ
ップ1を移送する最中や各種吸引吐出作業中に落下させ
るおそれもある。
【0019】第2に、このような保持ミスを防止するた
めに、上記プロ−ブ3の上記チップ1への押し込み力を
大きくすることも考えられるが、このようにした場合に
は、機械全体の剛性を上げたりより発生トルクの大きい
押し込み駆動源を用いなければならず、大型かつ高価な
装置となってしまうという問題がある。
【0020】また、このように駆動力を上げると、逆に
チップ1を交換する際にプロ−ブ3およびその駆動機構
等に過剰な負担を与える他、場合によっては作業者が指
を挟むなどの危険性も高くなる。
【0021】第3に、このような保持ミスを回避するた
めに、上記プロ−ブ3の構成を他のものに変更して上記
チップ保持時の安定性を高めるという方法もある。しか
し、この方法であると、上記プロ−ブ3の構成が複雑に
なったり、一般にあるチップ1とは異なる特殊構成のチ
ップとしなければならず、やはりコスト上問題があると
いうことがある。
【0022】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、外気温に左右されるということもなく、安
定したチップの保持を行え、より信頼性の高い吸引およ
び吐出を行える自動吸引吐出装置を提供することを目的
とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の手段
は、互いに連通する一端開口と他端開口とを有する熱可
塑性チップを分析用液体の種類に応じて交換すると共
に、上記チップの一端開口を通じてチップ内部に分析用
液体を吸引および/または吐出する吸引吐出装置におい
て、使用すべき複数本のチップを収容するチップ収容部
と、少なくとも上記チップの他端開口部の軟化状態を熱
的に変更するための温度制御部と、チップ保持部に接続
され、上記チップ保持部に保持されたチップ内に分析用
液体を吸引および/または吐出させるための吸引吐出制
御部とを有することを特徴とする吸引吐出装置である。
【0024】第2の手段は、第1の手段の吸引吐出装置
において、上記チップ収容部が保温構造を有し、上記
度制御部がチップ収容部内部を加熱する加熱手段からな
ることを特徴とするものである。
【0025】第3の手段は、第1の手段の吸引吐出装置
において、上記チップ保持部に保持されたチップを冷却
する冷却手段をさらに備えていることを特徴とするもの
である。
【0026】
【0027】
【0028】なお、この発明で取扱う分析用液体とは、
血液、尿等の体液を原液のままあるいは適宜遠心分離、
希釈、加温処理などの前処理した液状試料や任意の試料
を分析するために上記試料と混合される各種の液状試薬
をいう。液状試薬の例としては、生化学的、免疫学的、
遺伝子工学的な分析に用いられる任意の試薬が含まれ
る。
【0029】場合によっては、試料または試薬は、使用
前に凍結ないし乾燥状態であって適宜の溶解用液によっ
て液状化されたものでも良い。また、抗原、抗体、酵
素、トレ−サなどを固定した微粒子担体を適量含む懸濁
溶液であっても良い。さらに、任意の試料を複数の分析
項目で分析するために異なる種類の洗浄用液ないし希釈
用液を項目別に使用する必要がある場合や、同一の洗浄
用液ないし希釈用液を異なる種類の試料ないし試薬に向
けて再度吸引して攪拌を行う場合には、これら洗浄用液
ないし希釈用液もまた分析用液体として本発明で扱う。
【0030】この発明で使用する熱可塑性チップとは、
例えば、ポリプレン、ポリエチレン、テフロン(登録商
標)、ポリメチルペンテンなどのプラスチックを主に含
み、大量生産性、加工性、耐水性に適した材質からな
り、好ましくは透明度、互換性等も満足する種々の市販
ないし公知のチップをいう。また、採血管やバイアル瓶
中に封入された試料等を分取するために、チップ先端が
金属制の針状構造を組み合わされたものであっても良
い。
【0031】また、チップ保持部は、多数のチップを交
換保持し得る適宜の硬度と耐蝕性を有する中空部分を有
していれば、特に任意の材質で良く、金属類(スレンレ
ス、アルミニウム等)、セラミック、プラスチック、ガ
ラス等で形成される。チップおよびチップ保持部の形状
および各部寸法は、吸引吐出すべき分析用液体の組成、
吸引吐出容量、分析用法等に応じて適宜選択された任意
のものを適用することができる。
【0032】なお、チップは連通する開口部からなり、
その一端開口部は、分析用液体を吸引および吐出する都
合上、先細に形成されるのが普通であり、他端開口部は
チップ保持部の嵌入がなしうる程度の開口面積を有す
る。
【0033】この発明において、温度制御部は、チップ
保持部による嵌入と保持が十分に保証される程度にチッ
プの軟化状態を維持するようにし、チップの少なくとも
他端開口部有効温度に制御するものである。
【0034】チップに対して制御温度すべき箇所はチッ
プ保持部が嵌入し得る範囲であるから、少なくともこの
嵌入範囲が温度制御されていれば、残りの部分は温度制
御の如何を問わない。
【0035】制御すべき有効温度はチップの材質特にプ
ラスチックの種類に応じて若干変動するが、概して20
℃〜55℃の範囲内であれば、一般のチップについて好
適な保持力が保証される。
【0036】具体例として、ポリプレンまたはその混合
物から製造されたチップについて、好ましくは25℃〜
45℃の範囲に制御することで、1万本のチップを交換
使用してもチップが脱落することは無いに等しい。
【0037】例えば25℃に制御されたチップの保持率
(分注用液体の吸引および吐出が完了するまでの間チッ
プがチップ保持部空外れかかったり脱落する頻度)は1
万本のチップのうち数本に過ぎず、実用上対処容易な誤
差範囲で分析を続行することができる。
【0038】一方、20℃未満のチップ温度におけるチ
ップ保持率は、例えば15℃で全体の使用チップ数の2
割に達したりするので、高度な安全手段を要する上に分
析の無駄を生じてしまう。
【0039】逆に55℃を越えるチップは、一端開口部
付近での熱的変形やチップ保持力の低下を招くのでやは
り好ましくないので、55℃以下に制御する必要があ
る。他方、チップ保持部を温度制御しても、チップの熱
的軟化は瞬間的には得られないので、この発明の目的に
はほとんど寄与しないといえる。
【0040】チップを保持した後に、このチップを低
温、例えば4℃〜20℃未満に冷却すれば、チップが硬
化して保持力を増大する点で好ましい。さらに、チップ
を比較的高温、例えば38℃〜55℃に制御して保持さ
せることにより、チップ保持部による嵌入を円滑に行っ
た後で、4℃〜20℃のような低温にして十分な保持力
を得るかあるいは適宜の反応を適温度(例えば20℃〜
37℃)に降温化すればチップを保持して即座に安定な
吸引および/または吐出を行える点でさらに好ましい。
【0041】所望の温度制御を達成するための手段はチ
ップとの接触ないし非接触状態での昇温を可能にする任
意の加熱手段を少なくとも有している。必要ならば加熱
手段は加熱強度ないし加熱時間を選択的に切り替える構
造や過剰な加熱抑制するための適宜の冷却構造を有して
いても良い。
【0042】温度制御部を分析用液体のための恒温手
段、例えば20℃〜37℃の温浴槽で構成すれば、装置
全体の小形化、簡略化を図れる点で好ましい。温度制御
部は、好ましくは、チップの温度を検出する適宜の温度
センサと上記センサの出力に基づいて加熱手段を制御す
る制御手段とをさらに有している。
【0043】ここで温度センサの出力はチップの温度が
有効温度範囲を外れている場合に、加熱および冷却を制
御してチップを有効温度範囲内に恒温化するために利用
される。また温度センサの出力はチップの温度が有効温
度範囲を外れている場合に嵌入動作を保留したり、別の
チップを選択して嵌入動作させるようなチップ保持部の
駆動制御に利用することにより、誤った吸引吐出を事前
に回避する方が信頼性の向上のためにさらに好ましい。
【0044】温度センサはさらにチップ保持部の気温を
検出し、この気温と有効温度範囲との差異に応じて加熱
または冷却制御するために利用しても良い。
【0045】この発明において、チップ収容部の構成は
種々考えられる。すなわち、チップ収容部は同一のチッ
プ保持部を用いて複数種類の分析用液体を扱うことがで
きるように十分な個数のチップを収容するものである。
【0046】チップ収容部におけるチップの収容状態
は、静止状態であっても移動状態であっても良い。しか
しながら、チップ収容部において、上記チップは他端開
口を上方に向けて収容されることが好ましい。なぜなら
ば、一般に、分析用液体の吸引吐出のために、チップ保
持部は下向きであるから、チップへの嵌入をチップ保持
部の下降動作によって行うことにより、最も簡易な嵌入
動作を達成することができるからである。
【0047】チップ保持部の駆動機構は特に具体的な制
約はなく任意の機構を適宜採用することができる。チッ
プ保持部をチップに嵌入させるために、チップ保持部を
チップ収容部の任意のチップの上方に移動させる構成も
しくは吸引吐出のためチップ保持部の移動経路上にディ
スポ−ザブルチップを移動させる構成にすれば良い。
【0048】チップを適宜の嵌入予定位置に移動させる
場合には、この嵌入予定位置をチップ収容部の内外いず
れに設けても良い。また、嵌入予定位置の数は、チップ
保持部の数に応じて複数であっても良い。
【0049】嵌入予定位置をチップ収容部内の特定位置
に設ける場合には、チップ収容部の特定箇所にチップを
個別にまたは全体的に移動させれば良い。嵌入予定位置
をチップ収容部の外に設ける場合にはチップ収容部内の
チップを嵌入予定位置に移動させる機構を要する。
【0050】いずれにしても、チップをチップ収容部の
内部または外部で移動させる構成は、搬送用ベルトコン
ベアによる搬送、傾斜による手動ロボットア−ムによる
置き換え、振動等の各種機構を採用することができる。
【0051】なお、チップ保持部がチップ収容部の任意
のチップの真上に位置決め可能な構成であれば、チップ
収容部内でチップを移動させる構成は不要となる。
【0052】チップ保持部とチップとの嵌入動作は、チ
ップ保持部の駆動機構によりチップ保持部を嵌入予定位
置にあるチップの上方から同軸上に下降させることで行
われる。このときのチップ保持部の下降量および嵌入時
の力量は、チップおよびチップ保持部の各材質、形状、
寸法等に応じて適宜決定される。
【0053】吸引吐出部は、公知のシリンジポンプなど
による圧力伝達方式(液体または空気を圧力伝達体とす
るもの)を採用することができ、好ましくは、分析用液
体の種類、分析項目、チップ形状、寸法などに応じて、
吸引および吐出のための各速度および吸引量を制御し得
る構成を有している。
【0054】吸引吐出部は、チップ保持部に対して任意
の接続方法により圧力リ−クを生じないように中空部分
を連通させている。ここで吸引吐出部は使い捨てされる
ような注射筒のごとく、チップ保持部と一体になったも
のでも良い。
【0055】場合によっては、吸引吐出制御部は、吸引
または吐出による量的精度の向上、攪拌作用等の目的に
応じて、断続的吸引ないし吐出動作や吸引および吐出の
反復動作、さらには微量の空気の吸引等の種々の制御を
行ってもよい。
【0056】チップ交換に際して、チップ保持部からチ
ップを取り外すための構成は、公知の物を任意に採用す
ることができる。
【0057】なお、チップが毛管力ないし表面張力を利
用する種類の場合あるいは検体間汚染の恐れがある複数
の試料に対して専ら薬液を注入する場合には、吐出のみ
制御するような構成であっても良い。
【0058】
【作用】このような構成によれば、チップ保持部をチッ
プの他端開口内に嵌入しこのチップを保持する場合に、
上記チップの他端開口を所定の温度まで加熱し、上記チ
ップの上端部を軟化させ、このことによりチップ保持部
との摩擦力を高めてこのチップの確実な保持を行うこと
ができる。
【0059】
【実施例】以下、この発明の実施例を図1〜図9を参照
して説明する。なお、従来例の項で説明した構成要素と
同一の構成要素には同一符号を付してその説明は省略す
る。
【0060】まず、第1の実施例について説明する。
【0061】図1中5は基台である。この基台5の上面
は略平坦に形成され、試料の分取および分配を行う作業
面5aとなっている。この作業面5a上には、Y方向に
沿って順にマイクロプレ−ト保持部6、試料容器保持部
7、チップ供給部8が配設されている。
【0062】上記マイクロプレ−ト保持部6には、複数
枚のマイクロプレ−ト10…(反応容器)がマトリック
ス状に配置されている。各マイクロプレ−ト10には多
数個の反応ウェル10a…が凹設されている。
【0063】また、上記試料容器保持部7には、試料容
器としての試験管11が複数本立設保持されている。こ
の試験管11内には、上記マイクロプレ−ト10の各反
応ウェル10a内に分配される試料が所定量満たされて
いる。
【0064】また、上記チップ供給部8は、図1および
図2に示すように、複数本のチップ1…を立設保持する
チップスタンド13を具備する。このチップスタンド
は、上記チップ1を立設保持すると共にこれらのチップ
1をY方向(矢印(イ)で示す方向)に案内するための
複数枚の仕切板9を有する。これらの仕切板9は、上端
部どうしの間隔が上記チップ1の上端を保持できる程度
に狭く形成され、かつ上端面はこれらのチップ1をY方
向にスライド自在に支持する案内面となっている。
【0065】なお、この案内面には必要に応じて後述す
るチップフィ−ダ14による振動をY方向(矢印(イ)
で示す方向)への推進力に変換するための多数の突起部
分を形成しても良い。
【0066】さらに、上記チップ供給部8は、このチッ
プスタンド13を保持すると共に、このチップスタンド
13に振動を与えてこのチップスタンド13に保持され
た各チップ1を図に矢印(イ)で示すY方向一端側に送
るための振動を発生する公知のチップフィ−ダ14と、
図1および図4に示すように上記チップスタンド13の
Y方向一端側に設けられ、このチップスタンド13から
上記チップ1を受取り、それらのチップ1を順次図にA
で示すチップ装着位置に間欠的に移送するチップ移送機
構15とを具備する。
【0067】なお、このチップ移送機構15は、上記チ
ップスタンド13の仕切枠9の設置間隔に相当する停止
ピッチで間欠的に停止し、上記仕切枠9から進んできた
先頭のチップ1を確実に受け取るようになっている。ま
た、このチップ移送機構15の停止時間は、少なくとも
チップスタンド13からの上記チップ1の受け取りに要
する時間およびチップ装着位置Aにおける後述するプロ
−ブ3によるチップ保持に要する時間のいずれに対して
も十分に長い時間に設定されている。
【0068】また、上記チップスタンド13のX方向に
沿う一側面には、図1および図2に示すように、加熱ヒ
−タ16と、この加熱ヒ−タ17を通して上記チップス
タンド13内に送風する送風機17とが取り付けられて
いる。
【0069】すなわち、チップスタンド13のX方向に
沿う一側面には、図2に示すように開口13aが形成さ
れていると共に、各仕切板9は逆さL字状に形成され上
記スタンド13内にX方向に沿って上記開口13aに連
通する通孔13bを区画している。
【0070】したがって、上記送風機17からの送風
は、上記開口13aおよび通孔13bを通過して、この
チップスタンド13内を流通し、このチップスタンド1
3に保持された各チップ1を加熱することができるよう
になっている。なお、チップスタンド13の背面側に
は、チップスタンド13内の気温を測定するスタンド内
気温センサ45が設けられている。
【0071】一方、上記チップスタンド13の背面、他
側面および底面はいずれも送風が漏れないように遮蔽さ
れている。したがって、上記開口13aからこのチップ
スタンド13内に送風された熱風のほどんどは他側面側
へ抜けて通風するが、チップ1およびスタンド内壁面に
反射した熱風は上方および前方へ流れて外部へ出る。
【0072】このような熱風の流通経路は、スタンド1
3上の任意の位置にあるチップ1に対して好ましい熱対
流をもたらすと共にチップの(イ)方向への前進を妨げ
ない。また、図2のようにチップ1がスタンド13上に
密集している程、より多くの熱風がチップ1の下方を通
過しながら上方および前方へと分配されることとなる。
【0073】なお、仕切枠9が多数の場合、あるいは送
風機の送風強度を弱く設定する場合には、上記チップス
タンド13の他側面にも同様のヒ−タ16および送風機
17を取着することにより、熱風を上記チップスタンド
13の両側面からまんべんなくチップ1…へ送るように
設計しても良い。
【0074】上記各チップ1は、このチップスタンド1
3により、加熱された後図1、図4に示すチップ移送機
構15に受け渡され、約20℃〜55℃、好ましくは2
5〜45℃に加熱された状態で上記チップ装着位置Aに
順次供給される。
【0075】このチップ装着位置Aには、この位置Aに
供給されたチップ1の上端開口部1b(他端開口部)の
温度を検知するチップ温度センサ18が設けられてい
る。
【0076】このチップ温度センサ18は、このチップ
温度センサ18の温度検知信号に基づいて上記加熱ヒ−
タ16、送風機17および上記チップ移送機構15を制
御するコントロ−ラ19に接続されている。
【0077】このコントロ−ラ19は上記チップ供給位
置Aに供給されるチップ1の上端開口部1bの温度が上
述した最適な温度になるように、上記気温センサ45に
よりチップスタンド13内の気温を測定しつつ、上記加
熱ヒ−タ16の加熱力および上記送風機17の送風量を
制御する。したがって、上記加熱ヒ−タ16、送風機1
7、スタンド内気温センサ45、チップ温度センサ18
およびコントロ−ラ19とで、この発明の温度制御手段
が構成されている。ここで、温度制御を簡略化するため
に、加熱力、送風料共に一定として、適宜の冷却装置を
加熱ヒ−タ16と交互に作動するように切り替え制御す
る構造としても良いし、加熱ヒ−タ16のみをオン・オ
フ制御する構造としても良い。
【0078】また、上記コントロ−ラ19は上記チップ
移送機構15に対しても命令を発し、上記装着位置Aに
供給されたチップ1の上端開口部1bの温度が所定温度
以下であれば、このチップ1が後述するプロ−ブ3(チ
ップ保持部)に保持されることがないように、この位置
Aを素通りさせるようになっている。
【0079】さらに、図4の例では、以上の構成に加え
て上記コントロ−ラ19が、上記プロ−ブ3に取着され
た力量センサ46にも接続されている。この力量センサ
46は、プロ−ブ3がチップ1の上端開口1b内に嵌入
する時の摩擦抵抗による圧力をZ方向に生じるある良く
変化に変換することで継続的に検出し、これにより上記
チップ1の加熱状態を検出するものである。
【0080】すなわち、上記チップ1が加熱されている
場合と冷えている場合とで、嵌入抵抗が異なるからこの
抵抗を常に監視することで、チップ1の温度を間接的に
検出することができ、上記コントロ−ラ19は、上記加
熱ヒ−タ17および移送機構15の制御を行うことがで
きる。
【0081】すなわち、チップ温度センサ18は、プロ
−ブ3がチップ1を保持して移送されたか否かを温度変
化により確認し、力量センサ46による出力が許容範囲
を外れている場合には、図1で示した治具29によりチ
ップ1を取り外すように制御されて装着不良による分注
ミスを未然に防止し、この取り外したチップ1は適宜回
収して再びチップスタンド13に収容させる。
【0082】なお、上記チップ温度センサ18と上記力
量センサ46の検出は平行して行えば、その分信頼性の
高い作業を行うことができるが、どちらか一つのみの使
用であっても十分である。
【0083】なお、上記チップスタンド13に保持され
た各チップ1は前述したようにプラスチック材料を射出
成形することにより量産されたプラスチック部品である
から、上述したようにして加熱されることで若干軟化
し、摩擦係数が大きくなる。
【0084】また、上記基台5のY方向両端部には、図
に20、20で示す一対の支持柱が立設されている。こ
の一対の支持柱20、20の上端には、Yガイドレ−ル
21が水平に架設されている。
【0085】このYガイドレ−ル21には、図示しない
X駆動手段によってこのYガイドレ−ル21に沿ってY
方向に位置決め駆動されるXガイドレ−ル22がスライ
ド自在に取着されている。このXガイドレ−ル22の他
端側は上記基台5の作業面5aの上方に水平に延出され
ている。
【0086】上記Xガイドレ−ル22には、図示しない
X駆動手段によりこのXガイドレ−ル22に沿ってX方
向に位置決め駆動されるX移動体23が設けられてい
る。また、このX移動体23には、図示しないZ駆動手
段により上下方向に駆動されるブラケット24が突設さ
れている。
【0087】そして、このブラケット24には、従来例
の項で説明したチップ保持部としての直管状のプロ−ブ
3が軸線を略垂直にした状態で保持されている。このプ
ロ−ブ3の下端部は、図11(a)および(b)を引用
して示すように、先端に向かって次第に小径となるよう
に形成され、上記チップ1の上端開口1b内に嵌入され
た場合にこの上端開口1bの内壁面との間に生じる摩擦
力によりこのチップ1を保持することができるようにな
っている。
【0088】また、このプロ−ブ3内に設けられた吸引
孔3aの上端側は、図1に示すように、このプロ−ブ3
に取着された接続チュ−ブ25を介して上記基台5の側
面に取着された試料分取分配用シリンジ26に接続され
ている。
【0089】このシリンジ26は、図示しない希釈液タ
ンクに接続されていて、この希釈液タンク内の希釈液を
上記プロ−ブ3内に圧送できるようになっている。
【0090】なお、この発明において、上記希釈液タン
ク内の希釈液は略室温程度であるが、適宜の保冷手段に
よって20℃未満好ましくは4〜15℃の比較的低温に
維持されている。
【0091】そして、この装置は、上記プロ−ブ3を上
記チップ1に嵌入した後、この希釈液を上記チップ1内
に一旦充満させ、加熱されたチップ1を冷却する。この
ことで上記チップ1は冷却されて収縮し、上記プロ−ブ
3とチップ1との結合はさらに強固なものとなる。
【0092】なお、上記Xガイドレ−ル22、X移動体
23およびブラケット24とで、この発明の駆動手段が
構成され、上記プロ−ブ3は、この駆動手段によってX
YZ方向に位置決め駆動されることで上記チップ装着位
置Aに対向し、上記チップ1を保持し取り出すと共に、
上記分取分配用シリンジ26の加圧および減圧動作によ
って、上記試験管11から試料を分取し、上記マイクロ
プレ−ト10に設けられた各反応ウェル10a…内にこ
の試料を分配するようになっている。
【0093】一方、上記作業面5aの、上記試料容器保
持部7の側方の位置する部位には、使用済みのチップ1
が廃棄される廃棄孔27が設けられている。この廃棄孔
27は、この基台5内に設けられた図示しない使用済み
チップ収容部に連通している。
【0094】また、上記作業面5a上には、上記プロ−
ブ3の下端部から上記使用済みのチップ1を取り外し、
このチップ1を上記廃棄孔27内に廃棄する治具28
(チップ取り外し手段)が設けられている。この治具2
8は、上記作業面5a上に立設されると共に、上端部2
8aは所定の高さで略水平に設けられ、この上端部28
aを上記廃棄27の上方に延出させている。
【0095】また、この治具28の上端部28aには、
水平方向一端側に開放するスリット29が設けられてい
る。このスリット29の幅は、上記プロ−ブ3の外径寸
法よりも大きく上記チップ1の上端部の外径寸法よりも
小さく設定されている。
【0096】すなわち、上記プロ−ブ3は、XYZ駆動
されることで上記チップ1の直上に位置する部位を上記
スリット29内に水平方向に挿入させた後、上方向に駆
動されることで、上記チップ1の上端面と上記治具28
の上端部28aの下面とを係止させることで、このチッ
プ1を上記プロ−ブ3との摩擦力に抗してこのプロ−ブ
3から取り外す。取り外されたチップ1は、上記廃棄孔
27内に落下し、上記使用済みチップ収容部に廃棄され
る。
【0097】また、上記プロ−ブ3は、使用済みのチッ
プ1を廃棄したならば、再び上記チップ装着位置Aの上
方に移送され、この位置で未使用のチップを保持する。
そして、再び試料の分取および分注を行う。
【0098】なお、上記試料を分取する際に上記チップ
1内に吸引される試料の量はこの試料が上記プロ−ブ3
の下端に接触しないような量とされる。したがって、上
述したように、上記チップ1を一回限りの使い捨てとす
ることで、試料のコンタミネ−ションを防止することが
できる。
【0099】図5は、上述したこの装置の動作を示した
フロ−チャ−トである。
【0100】このような構成によれば、以下に説明する
効果がある。
【0101】すなわち、上記チップ1はプラスチック材
料で形成されているから所定の温度に加熱されることで
若干軟化する。また、上記温度センサ18、力量センサ
46およびコントロ−ラ19の働きにより上記チップ1
の温度は常に最適に制御されるようになっている。
【0102】このことで、外気温にかかわらず、上記チ
ップ1を軟化させることができ、このチップ1の弾性お
よび摩擦係数を大きくすることができる。このことで、
上記チップ1とプロ−ブ3との間に作用する摩擦力が増
すと共に上記チップ1の上記プロ−ブ3に対する食い付
きも良くなる。したがって、外気温が低い場合であって
も保持ミスが発生することが少なくなる。
【0103】また、加熱されたチップ1はチップ保持時
には若干膨脹し、保持後は上記プロ−ブ3からこのチッ
プ1内に注入された冷えた希釈液に迅速に熱を奪われて
冷却されて収縮し、上記プロ−ブ3との結合がさらに強
固となる。したがって、短時間で十分なチップ交換が行
われると共にこのチップ1が分取分配作業中に脱落する
ことは少なくなる。
【0104】これらのことにより、より信頼性の高い分
取分注作業を行うことができる効果がある。また、特
に、チップ温度を比較的高温、例えば38℃〜55℃に
制御してプロ−ブ3の嵌入をより円滑に完了させた後に
冷却するようにすれば、プロ−ブ3への負担も少なく、
より迅速にチップ1を保持できる点で好ましい。
【0105】なお、この発明は上記第1の実施例に限定
されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種
々変形可能である。
【0106】例えば、上記チップスタンド10は、上記
仕切板9の上端面で上記チップを保持する構成であった
が、図3に示すような構成であっても良い。
【0107】この仕切枠9の上端は、上記チップ1の上
端開口1bよりも高く形成され、図に9aで示す段差部
で上記チップ1の上端部を保持するようにしている。
【0108】このような構成によれば、送風機17から
の送風は仕切枠9間の谷間47に吹き溜まりとなって上
記チップ1の上端開口1bを効率良く加熱することがで
きる。
【0109】また、加熱されたチップ1をチップ保持後
に冷ます構成としてはプロ−ブ3をチップ1への嵌入の
前後いずれかで(冷却風により)冷却するように構成し
ても良い。
【0110】次に、この発明の第2の実施例について図
6を参照して説明する。なお、上記第1の実施例と同一
の構成要素には同一符号を付してその説明は省略する。
【0111】図6に示すチップ供給部8´は、上記チッ
プ1を加熱する加熱装置30を上記チップスタンド13
と上記チップ移送機構15との接続部に取り付けたもの
である。上記加熱装置30は、上記チップ1の上端開口
1bに向けて下向きの熱風を断続的ないし連続的に吹き
付けることで、このチップ1を加熱するもので、上記チ
ップ移送機構15に受け渡された1列のチップ1…およ
びこのチップスタンド13のY方向一端部に位置する2
列のチップ1…の計3列のチップ1…を加熱する機能を
有する。
【0112】このような構成によれば、上記チップ装着
位置Aに供給されるチップ1の上端開口部1b内を効率
良く加熱することができるからチップ1の加熱装置を小
型にすることができる。
【0113】次に、この発明の第3の実施例を図7を参
照して説明する。
【0114】この第3の実施例の試料分取分注装置は、
図7に32で示す恒温槽を具備する。この恒温槽32に
は、試薬テ−ブル33が設けられている。この試薬テ−
ブル33は、内部に試薬が満された複数個の試薬容器3
4…を具備する。上記恒温槽は、恒温化された液ないし
気体との直接的又は間接的接触によってこの試薬容器3
4内に満された試薬を所定の温度に加熱し保温する機能
を有する。
【0115】また、上記恒温槽32には、チップ供給部
8´´が設けられている。このチップ収納部8´´は、
図に35で示すカバ−と、このカバ−35内に設けられ
たチップスタンド36を具備する。このチップスタンド
36は、上面に上記チップ1…をY方向スライド自在に
保持する仕切板37を複数平行に具備し、これら仕切板
37間は上方にのみ開口する構造となっている。また、
このチップスタンド36の上面の高さは、図にBで示す
位置が最も高く、CおよびD点、E点の順で低くなるよ
うに設計されている。
【0116】ここで、上記仕切板37は好ましくはステ
ンレス、アルミニウム、真鍮などの伝熱性の高い材料で
構成されている。そして、上記チップスタンド36およ
びカバ−35の底面は脚部36a、35aによって若干
底上げされている。
【0117】すなわち、上記仕切板37の上端に保持さ
れた各チップ1…は、このチップスタンド36の上面に
設けられた傾斜によって滑り、このチップスタンド36
のY方向一端側へ案内されるようになっている。
【0118】また、このチップスタンド36のY方向一
端部には、上記C点とE点を結ぶガイド38がX方向に
スライド自在となるように設計されている。したがっ
て、上記スリット36に沿って滑りY方向一端部へ案内
されたチップ1…は、上記C点とE点との間に設けられ
た傾斜によって滑り、上記ガイド38に沿って点Eに案
内され、その後図にAで示すチップ供給位置に順次案内
されるようになっている。
【0119】一方、このチップスタンド36を覆うカバ
−35は、このチップスタンド36の底面部分を除いて
非接触にかつ全体を覆い隠すように設けられたもので断
熱材料により形成されている。
【0120】ここで、少なくとも、カバ−上面はガラ
ス、アクリル、等の透明部材で構成仕手、チップ1の収
容状態を監視し得るようにするのが好ましい。
【0121】また、このカバ−35の上記チップ装着位
置Aの上方に対応する部位には、上記プロ−ブ3が挿入
される貫通孔39が設けられている。
【0122】すなわち、上記プロ−ブ3は、上記貫通孔
39を通るZ方向に沿って上下方向に駆動されることに
よりこのカバ−35内に挿入され、上記チップ1の上端
開口1b内に嵌入されることで、上記チップ1を保持す
ることができるようになっている。
【0123】また、上記カバ−35は新たなチップ1を
補給するためにチップスタンド36の上方に分離し得る
ように組み合わされている。
【0124】また、上記恒温槽32は、チップスタンド
36の底面を通じて上記カバ−35に熱を伝えるので、
上記カバ−35内の空気は加熱され、この加熱された空
気によって上記チップスタンド36に保持されたチップ
1…を所定の温度に加熱するようになっている。したが
って、上記チップ装着位置Aに供給されるチップ1の上
端開口部1bを軟化させることができるので、上記第
1、第2の実施例と略同様の効果を得ることができる効
果がある。
【0125】さらに、上記仕切板37が伝熱性の高い材
質である場合には、恒温槽32からの熱をチップ1の設
置部分に直接的に伝えることも可能となる点で好まし
い。
【0126】また、このような構成よれば、試薬を加熱
するための恒温槽32を用いて上記チップ1を加熱する
ようにしたので、固有の加熱装置が不要になる。このこ
とにより装置全体の構成を簡略化することができる効果
もある。
【0127】なお、この発明は、この第3の実施例に限
定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で
種々変形可能である。
【0128】例えば上記第3の実施例では、上記チップ
スタンド36の上面に斜面を設けて、上記チップ1を上
記チップ装着位置Aに案内するようにしたが、上記第
1、第2の実施例のようにチップフィ−ダ14を用いて
上記チップ1をチップ装着位置Aに案内するようにして
も良い。
【0129】また、使用するプロ−ブ3が複数の場合に
は、一つの装着位置で順次装着動作をさせても良いし、
複数の装着位置をプロ−ブ3毎に設けるようにしても良
い。 また、上記第3の実施例のチップスタンド36
の好ましい構造として、図8に示すものも考えられる。
このチップスタンド36は、V字型に傾斜してなるガイ
ド38を仕切板37よりも段差状に低く設け、このガイ
ド38の中央部部分には仕切板37と同様にチップ1の
上端開口部を保持することができるガイド溝38´が装
着位置Aまで延設されている。
【0130】また、仕切板37の上端部には、上記ガイ
ド溝38aへのチップ1の落下が妨げられない程度に若
干迫出した迫出し部分37aを有し、ガイド38は仕切
板37の隙間に若干入り込みながらスリット39を形成
している。
【0131】このスリット39は仕切板37に保持され
たチップ1の上端開口部が上記迫出し部分37aを通過
するのと略同時期に上記チップ1の下端開口部の先端箇
所が中央を通過するような位置関係にある。
【0132】さらに迫出し部分37aにおけるチップ1
の高さは図に示すように上記チップ1の下端開口部の先
端箇所がガイド38に保持されたチップ1の上端開口部
にぶつかることでガイド38への落下を一時的に延期さ
れる配置となるように調整されている。
【0133】したがって、この構成によれば、仕切板3
7上を順次滑り降りてきたチップ1が迫出し部分37a
に差しかかったとき、ガイド38上にチップ1がなけれ
ば次々に落下し、さらに多数のチップ1…は上記装着位
置Aより遠い仕切板37から近い方へと順番にかつ円滑
にからになっていくようになっている。
【0134】次に、第4の実施例について説明する。
【0135】この実施例の吸引吐出装置は、上記チップ
スタンド13、36(第1〜第3の実施例)でチップを
加熱するのではなく、チップ移送機構15上でチップ1
を加熱する構成のものである。
【0136】すなわち図9に示すように、上記チップ移
送機構15の上方には、このチップ移送機構15に保持
されたチップ1の上端開口1bに挿入され、このチップ
1の上端部を加熱する伝熱性の棒状ヒ−タ48が設けら
れている。
【0137】上記棒状ヒ−タ48は、図示しないが、上
記チップ移送機構15の移送経路に沿ってこのチップ1
が間欠停止される間隔で複数本配設され、上記移送機構
15が停止された際に一体的に上下して上記チップ1の
上端開口1b内に挿入されるようになっている。
【0138】また、上記チップ移送機構15の上方に
は、上記棒状ヒ−タ48を上昇させる際に、このチップ
1の上端面と係合してこのチップ1を上記棒状ヒ−タ4
8から離脱させる治具49が配設されている。
【0139】すなわち、上記チップ1は、上記移送経路
に沿って移送され停止する毎に順次上記棒状ヒ−タ48
によって上端部を加熱されるようになっており、好まし
くは、複数の停止位置で加熱されるように、複数の棒状
ヒ−タ48と、これに対応する治具49が移送経路に沿
って配設されている。
【0140】このような構成によっても、上記第1〜第
3の実施例と略同様の効果を得ることができる。
【0141】次に、この発明の第5の実施例について説
明する。
【0142】チップ供給部は、図10に示すような構成
であっても良い。
【0143】図中50はベルトである。このベルト50
は無端状に形成され、図に51で示す2種類のロ−ラに
より間欠的に図の矢印で示す方向に沿って送り駆動され
るようになっている。なお、図示しないが、ベルト50
は適宜の支持部材により補強され、安定的に張設されて
いる。またベルト50の内側部分は、チップ1を保持
し、移送するに十分な空間を有している。
【0144】このベルト50には、8個のチップ1をこ
のベルト50の幅方向に所定間隔で保持し得る8個の保
持孔52が、このベルト50の長さ方向に等間隔で列状
に配設されている。したがって上記保持孔52に保持さ
れたチップ1は上記ベルト50が間欠駆動されることで
所定の位置に順次停止されるようになっている。
【0145】また、図に53で示すのはチップスロッタ
−である。このチップスロッタ−53は、補給すべきチ
ップ1を大量に格納すると共に、上記ベルト50の各保
持孔52内に1または2列状に同時に供給する機構を有
している。
【0146】また、ベルト50全体は上面に侵入口54
aを有する保温用カバ−54内に気密に収納され、図に
55で示すシャッタ−を手動ないし自動で開閉すること
で侵入口54aが開放または遮蔽される構造となってい
る。
【0147】カバ−54の底面は部分的ないし全大敵に
伝熱性材料が減り、ベルト50の下側にて、逆さになっ
た各チップ1を保持孔52から落下しないよう離間する
と共に、滑面を形成している。
【0148】上記侵入口54aの上方には8本のプロ−
ブ3を等間隔で保持するマルチチャンネルディスペンサ
−56が配設されている。このマルチチャンネルディス
ペンサ−56は、図示しない駆動機構によって第1の実
施例と同様にX、Y、Z方向に自在に位置決めされ、上
記各プロ−ブ3を上記カバ−54の侵入口54aの下方
に間欠停止された8本のチップ1に同時に嵌入するよう
に構成されている。
【0149】また、カバ−54の底面には、加熱板58
が一面に密着されていおり、カバ−58内の空気を有効
温度に恒温化している。図に59で示す温度センサは侵
入口54aに達する直前の各チップ1の上端開口部の温
度を検出し、図に60で示す気温センサはカバ−54内
の気温を検出して加熱板58による加熱を制御するもの
である。
【0150】このような構成によれば、上記第1〜第3
の実施例と同様にチップ1を確実に保持することができ
ると共に、マルチチャンネルの試料または試薬の分注を
効率良く実施できる効果がある。また、各チップ1はカ
バ−54の底面上を摺動しながら移送されるので、加熱
板58による加熱が効率良く行われる。
【0151】なお、この発明は、上記第1〜第5の実施
例に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない
範囲で種々変形可能である。
【0152】例えば、上記第1〜第3の実施例では、上
記チップスタンド13、36は一つのみとして、チップ
1を適宜補給する構成であったが、複数個のチップスタ
ンド13、36を備え、段取り替えができる構成であっ
てもよい。このようにすれば、長時間の自動運転を行え
る効果がある。
【0153】また、加熱装置として、チップスタンド1
3、36の仕切枠又は仕切板の上端面に沿ってニクロム
線等の加熱用伝熱部材を埋設する事によりチップの接地
部分を直接加熱する構成としても良い。
【0154】
【0155】
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【発明の効果】このような構成によれば、外気温に左右
されることもなく、安定したチップの保持を行えるか
ら、試料の分取および分注を、より信頼性の高い状態で
行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す全体斜視図。
【図2】同じく、チップスタンドを分解して示す斜視
図。
【図3】同じく、チップスタンドの一部を拡大して示す
縦断面図。
【図4】同じく、チップ供給部を拡大して示す斜視図。
【図5】同じく、動作を示すフロ−チャ−ト。
【図6】第2の実施例を示す斜視図。
【図7】第3の実施例を示す斜視図。
【図8】同じく、変形例を示す一部斜視図。
【図9】第4の実施例を示す拡大縦断面図。
【図10】第5の実施例示す斜視図。
【図11】一般的なチップを示す縦断面図。
【符号の説明】
1…チップ、1a…先端開口(一端開口)、1b…上端
開口(他端開口)、3…プロ−ブ(チップ保持部)、8
…チップ供給部、11…試料容器(試料を分取する容
器)、10a…反応ウェル、26…シリンジ(吸引吐出
部)、16…加熱ヒ−タ(温度制御手段)、17…送風
機(温度制御手段)、19…コントロ−ラ(温度制御手
段)、18…温度センサ(温度制御手段)、26…シリ
ンジ(吸引吐出手段)、28…治具(チップ取り外し手
段)。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−306973(JP,A) 特開 昭63−88456(JP,A) 特開 昭61−181968(JP,A) 特開 平1−169364(JP,A) 特開 昭63−243762(JP,A) 特開 平6−308136(JP,A) 特開 平5−133851(JP,A) 実開 平3−39159(JP,U) 実開 昭62−135966(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 35/10 B01L 3/02 G01N 1/00 101 G01N 33/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに連通する一端開口と他端開口とを
    有する熱可塑性チップを分析用液体の種類に応じて交換
    すると共に、上記チップの一端開口を通じてチップ内部
    に分析用液体を吸引および/または吐出する吸引吐出装
    置において、 使用すべき複数本のチップを収容するチップ収容部と、 少なくとも上記チップの他端開口部の軟化状態を熱的に
    変更するための温度制御部と、 ップ保持部に接続され、上記チップ保持部に保持され
    たチップ内に分析用液体を吸引および/または吐出させ
    るための吸引吐出制御部とを有することを特徴とする吸
    引吐出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の吸引吐出装置において、上記 チップ収容部が保温構造を有し、上記温度制御部が
    チップ収容部内部を加熱する加熱手段からなることを特
    徴とする吸引吐出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の吸引吐出装置において、 上記チップ保持部に保持されたチップを冷却する冷却手
    段をさらに備えていることを特徴とする吸引吐出装置。
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