JP3346031B2 - 耐金属劣化性の優れたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体 - Google Patents

耐金属劣化性の優れたポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレン系樹脂
型内発泡成形体に関するものであって、特に本発明によ
って得られる発泡成形体は、高温雰囲気下で金属に接触
した状態において長期間使用しても性質が変化しない耐
金属劣化性に優れたものであり、断熱材、構造部材、自
動車部品、通い凾、緩衝用包装材、フロート、容器等に
有効に利用される。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリプ
ロピレン系樹脂発泡成形体は、その優れた耐熱性と断熱
性を利用して車輛天井用やパイプカバー等の各種の断熱
材として利用されている。しかしながら、基材として使
用されているポリプロピレン系樹脂は長期間高温雰囲気
下で金属に接触させられると、劣化していくため高温で
金属に接する用途には用いられていないのが現状であ
る。
【0003】一方、本発明者らは、一般的に金属劣化を
防止するために用いられる金属不活性化剤をポリプロピ
レン系樹脂に添加したところ、予期したほど安定的に劣
化防止の効果が発現しないうえ、金属不活性化剤を多量
に添加した場合には、かかる添加剤が気泡核剤として強
く作用し、発泡粒子の気泡径を著しく細かくするため、
その型内成形性が悪化し、また発泡成形体の断熱性を低
下させるという問題に直面した。
【0004】
【課題を解決させるための手段】そこで本発明者らは、
前記の問題点を解決し、ポリプロピレン系樹脂型内発泡
成形体の優れた耐熱性と断熱性を保持したまま、金属と
接触した状態でも長期間安定な断熱部材について鋭意検
討した結果、ポリプロピレン系樹脂100重量部当り金
属不活性化剤を0.01〜5重量部含有した基材樹脂か
らなるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の型内発泡成形体
であって、該発泡成形体を構成する樹脂が、示差走査熱
量計によって10℃/分の昇温速度で220℃まで昇温
して測定したときに融解ピークが2つ以上現われる結晶
構造を有し、その最も高温の融解ピークの熱量が5〜3
0J/gであるポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体と
することによって本発明を完成させるに至った。
【0005】即ち、本発明では発泡に供するポリプロピ
レン系樹脂100重量部に対して金属不活性化剤を0.
01〜5重量部含有した樹脂を基材樹脂とする。好まし
くは0.10〜4重量部であり、添加量が少なすぎると
十分な効果が得られず、また多すぎるとそれに見合う効
果の向上が見られないばかりか、断熱性が低下するので
好ましくない。
【0006】本発明において用いられる金属不活性化剤
としては従来公知の化合物を用いることができる。例え
ば、ジステアリルヒドラジン、ジラウロイルヒドラジ
ン、ジカプロイルヒドラジン、ジオクタノイルヒドラジ
ン、ビス−N,N′(2ーエチルヘキサノイル)ヒドラ
ジン、サルシドル−ベンゾイルヒドラジン、サリチリデ
ンサリチロイルヒドラジン〔チバガイギー社製、商品名
Chel−180〕、N,N′−ビス〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル〕ヒドテジン〔チバガイギー社製、商品名IRGAN
OX MD1024〕等のヒドラジン系化合物やオキザ
ロ−ビス−12−ヒドロキシベンジリデンヒドラジド
〔イーストマンコダック社製、商品名イーストマンイン
ヒビター OABH〕、ビス−サリシロイル(β,β′
−チオジプロピオン酸)ヒドラジド、イソフタル酸ビス
(α−フェノキシプロピオニル)ヒドラジド、ビス−ア
セトアジピン酸ヒドラジド〔チバガイギー社製、商品名
GI09−367〕、デカメチレンジカルボン酸ジサリ
チロイルヒドラジド〔アデカアーガス社製、商品名アデ
カスタッブCDA−6〕等のヒドラジド系化合物やベン
ゾトリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾー
ル、1,3−ジフェニルトリアジン、5−フェニルテト
ラゾール、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,
4−トリアゾール〔アデカアーガス社製、商品名アデカ
スタッブCDA−1〕等の含窒素芳香化合物等が挙げら
れ、これらを単独で又は併用して用いる。
【0007】また、本発明においては、この金属不活性
化剤とともに、公知の酸化防止剤、光安定剤、スリップ
剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、顔料、無機フィラー、染料等を必要に応じて添加す
ることができる。それらの添加量は要求される機能に従
って設定できるが、一般的にはポリプロピレン系樹脂1
00重量部に対して金属不活性化剤を除く全添加剤が
0.01から10重量部程度である。
【0008】本発明において、金属不活性化剤をポリプ
ロピレン系樹脂に含有させる方法としては、溶融混練
法、加熱含浸法、溶融共沈法等があるが、溶融混練法が
最も一般的で好ましい。例えば、押出機、バンバリーミ
キサー、ミキシングロール等の混練機でポリプロピレン
系樹脂を加熱溶融させるとともに、金属不活性化剤を加
え混練し樹脂中に均一に分散させる。金属不活性化剤が
均一に分散したら、該樹脂は公知の各種の方法で粒子状
にする。例えば、ストランドカット法、水中カット法、
ホットカット法、シートカット法、凍結粉砕法、懸濁分
散法、溶融噴霧法などいずれの方法を用いてもよい。
【0009】本発明において、ポリプロピレン系樹脂と
しては、プロピレンのホモポリマーの他、プロピレン−
エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテン−1ラ
ンダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ラ
ンダム共重合体、プロピレン−ヘキセン−1ランダム共
重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロ
ピレン−ブテン−1ブロック共重合体等のアイソタック
チック樹脂の他、シンジオタックチック構造のポリプロ
ピレン系樹脂を用いることができる。またこのポリプロ
ピレン系樹脂には、ポリプロピレン系樹脂の特徴をそこ
なわない範囲で他の樹脂やゴム等を併用することができ
る。例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリブテン−1、エ
チレン−プロピレンゴム、水添スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、水添スチレン−イソプレンブロック共
重合体等があげられ、ポリプロピレン系樹脂100重量
部に対して100重量部未満、好ましくは50重量部未
満を混合することができる。
【0010】本発明において、好ましい樹脂の融点は、
該樹脂を示差走査熱量計で測定したときに表われる融解
ピーク温度が130〜160℃のものが好ましい。ま
た、該樹脂をJIS K7210に準じて230℃、荷
重2.16kgにて測定したときのメルトフローインデ
ックスが0.5〜50g/10分、さらに好ましくは2
〜20g/10分のものである。
【0011】本発明において、発泡粒子はドカン法(特
許庁63年3月編 図説IPC)あるいは、押し出し発
泡法(特開昭58−76230号公報)によって製造さ
れる。例えばドカン法の場合、上記にて得られた基材樹
脂粒子を密閉容器内で水に分散させ、密閉容器内に揮発
性膨張剤を供給し、該樹脂粒子の軟化点以上の温度に分
散液を加熱した後、密閉容器内の水面下に設けた吐出口
を開放し、膨張剤が含浸された樹脂粒子を含む水分散液
を密閉容器内の圧力より低い圧力の雰囲気(大気圧)に
放出することにより製造される。この際、空気や窒素ガ
スで容器内を加圧して放出を容易とするのが良い。
【0012】揮発性膨張剤として例えばブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪属炭化水素類、トリク
ロロフロロメタン、ジクロロフロロメタン、テトラクロ
ロジフロロエタン、ジクロロテトラフロロメタン、メチ
レンクロライド、エチルクロライド等のハロゲン化炭化
水素類を単独又は、二種以上混合して用いることが出来
る。また空気、窒素ガス、炭酸ガスなどの無機ガス類を
用いることも出来る。揮発性膨張剤の添加量は、膨張剤
の種類及び目的とする樹脂粒子の嵩密度によって異なる
が、通常、樹脂粒子100重量部に対して10〜80重
量部である。
【0013】樹脂粒子を水に分散させる分散剤として
は、酸化アルミニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、
塩基性炭酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム等の無
機系懸濁剤、ポリビニルアルコール、メチルカルボキシ
セルロース、N−ポリビニルピロリドン等の水溶性高分
子系保護コロイド剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、アルカンスルホン酸ナトリウム、アルキル硫酸
エステルナトリウム、オレフィン硫酸エステルナトリウ
ム、アシルメチルタウリン、ジアルキルスルホコハク酸
ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤等があげられる。
【0014】分散剤により水に分散されたポリプロピレ
ン系樹脂粒子の水分散液に、密閉容器中でガス状の膨張
剤または液状の膨張剤が供給され、樹脂の軟化点以上、
好ましくは樹脂の前述の融解ピーク温度前後の温度に加
熱されるとともに、この加熱により容器内の圧力は上昇
し、膨張剤が樹脂粒子に含浸される。ついで密閉容器内
の下部に設けられたスリット、ノズル等の吐出口より水
とともに樹脂粒子を密閉容器より低圧域(一般には大気
圧中)に放出することによりポリプロピレン系樹脂発泡
粒子が得られる。
【0015】型物成形法としては、従来公知の種々の方
法が利用できる。 A.発泡粒子に揮発性液状膨張剤を予め含浸させて発泡
粒子に二次発泡能を付与した後、型に充填しスチームで
加熱し、二次発泡させるとともに発泡粒子を融着させ、
その後型を冷却し、形成体を得る方法。 B.発泡粒子を密閉容器に入れ、次いで空気、窒素など
の無機ガスを容器内に圧入することにより発泡粒子のセ
ル内の圧力を高めて二次発泡能を付与し、この粒子を型
に充填し、スチームで加熱して二次発泡させるとともに
粒子を融着させ、その後型を冷却し、成形体を得る方法
(加圧熟成法・特公昭59−23731号)。 C.加圧ガスで1.0〜6.0kg/cm2 Gに昇圧し
た型内に、発泡粒子をこの型内より0.5kg/cm2
以上高い加圧ガスを用いて圧縮しながら、且つ複数回に
分割して逐次充填し、充填中型内圧力を前記の型内圧力
に保持し続け、次いで充填終了後に型内圧力を大気圧に
戻してからスチームにより加熱を行って発泡粒子を融着
させ、その際の発泡粒子の式、
【0016】
【数1】 で表される圧縮率を40〜70%に制御し、その後、型
を冷却し、成形体を得る方法(特開昭62−15132
5号)。
【0017】D.加圧ガスで0.5〜5.0kg/cm
2 Gに昇圧した型内に、予めこの型内圧力より0.5k
g/cm2 以上高い加圧ガスを用いて1時間以上加圧処
理して得られたガス内圧の付与された発泡粒子を、前記
の型内圧力より0.5kg/cm2 以上高い加圧ガスを
用いて複数回に分割して逐次充填し、充填中、型内圧力
を前記の型内圧力に保持し続け、ついで充填終了後に型
内圧力を大気圧に戻してからスチームにより加熱を行っ
て発泡粒子を融着させ、その際の発泡粒子の同上式で表
される圧縮率を40%未満(但し0%を除く)に制御
し、その後、型を冷却し、成形体を得る方法。
【0018】E.発泡粒子自身二次発泡能力を有する発
泡粒子を常圧下のキャビテイ内に充填するか、加圧下の
金型に充填し、スチームにより加熱を行って二次発泡さ
せるとともに発泡粒子を融着させ、その後、型を冷却
し、成形体を得る方法(特開昭62−128709号、
特開昭63−256634号、特開昭63−25893
9号、特開昭63−107516号)。以上のいずれの
成形法を用いてもよく、発泡粒子の性状や成形体の形
状、密度等を考慮して選択する。
【0019】本発明においては、ポリプロピレン系樹脂
型内発泡成形体を構成する樹脂が、示差走査熱量計によ
って10℃の昇温速度で220℃まで昇温して測定した
ときに融解ピークが2つ以上現われる結晶構造を有して
おり、その最も高温の融解ピークの熱量(ΔH)が5〜
30J/gであることが必要である。このΔHが30J
/g超過である場合には、金属不活性化剤をポリプロピ
レン系樹脂に対し前述の規定量含有させていてもその効
果が殆ど発現せず不経済であるばかりでなく、前述のよ
うに気泡径が細かく、断熱性の低下が起こり、また成形
性を損なうこととなり好ましくない。一方5J/g未満
である場合、金属不活性化剤の効果は良好に発揮される
が、発泡成形体としての表面平滑性、機械的物性や断熱
性等の低下とともに、発泡粒子からの型内発泡成形体へ
の加工性が著しく悪化するので好ましくない。
【0020】本発明において、ΔHは使用する樹脂の種
類と発泡するプロセスの組合せにより調整することがで
きる。例えばドカン発泡で発泡粒子を製造する際には、
使用するポリプロピレン系樹脂の軟化点以上でかつ結晶
が全て消失する温度未満の条件下で一定時間保持するこ
とによって調整する。一般的に保持時間は5分から12
0分程度であり、長く保持することによってΔHを大き
くすることができる。また、保持する温度が低い程、Δ
Hが大きくなるため、プロセス上の最適の条件を選択し
てΔHを目的とする範囲に調整する。
【0021】本発明では、ポリプロピレン系樹脂型内発
泡成形体を構成する樹脂のΔHを5〜30J/gに調整
するとともに、発泡成形体をJIS K6767に準じ
て30℃で測定したときの即ち、加熱収縮率が10%以
下であることが好ましい。加熱収縮率が10%を超えて
大きく収縮する場合には高温雰囲気下での使用に制限を
受けるという不具合の他に、金属不活性化剤をはじめ、
各種の添加剤の機能が安定的に発揮されない傾向にあ
る。加熱収縮率を本発明の好ましい範囲に調整する方法
としては、使用するポリプロピレン系樹脂を耐熱性の高
いものを選択するとともに、発泡方法や成形方法によっ
て調整する方法が挙げられる。
【0022】また、発泡粒子の発泡倍率をより高める方
法として、多段階に発泡する方法(特公平2−5094
4号、特公平2−50945号、特公平3−64543
号公報等)が知られており、本発明においてもかかる技
術を利用することが可能である。しかし、一般的に多段
階に発泡した粒子を用いて得られたポリプロピレン系樹
脂型内発泡成形体は、二段目以降の発泡の工程にかか
る、気泡壁の歪が大きく、成形体の加熱収縮率が大きく
なるという不具合が発生し易いので、本発明において
は、多段階に発泡する場合、二段目以降の倍率を1.5
倍以下の発泡比に抑えることが好ましい。
【0023】以下、実施例により更に本発明を詳細に説
明する。なお、例中の部および%は重量基準である。
【0024】
【実施例】
(実施例1)JIS K7106に準拠して測定される
曲げ剛性が8800kg/cm2 のプロピレン−エチレ
ンランダム共重合体(エチレン含量2.5%、融点14
5℃、MFR9g/10分)100部に、ステアリン酸
カルシウム0.10部、2,6−ジ−t−ブチル−p−
クレゾール〔吉富製薬社製 商品名ヨシノックスBH
T〕0.05部、テトラキス〔メチレン−3(3′,
5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕メタン〔チバガイギー社製 商品名IR
GANOX1010〕0.10部、及び金属不活性化剤
としてN,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン
〔チバガイギー社製 商品名IRGANOX MD10
24〕0.20部を加え、口径65mmの単軸押出機に
て210℃で混練した後、1mmの径のストランド状に
押出し、水槽にて冷却後約1.2mg/粒の大きさでカ
ッテングし、樹脂粒子を作製した。続いて密閉容器内に
水250部、樹脂粒子100部、第三リン酸カルシウム
1.0部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
007部を仕込み(充填率62%)、次いで攪拌下で窒
素ガスで3kg/cm2Gとなるまで加圧し、窒素ガス
の供給を停止した。ついで、ブタン21.5部を密閉容
器内に供給し、45分かけて135℃まで加熱し、同温
度で15分間保持したところ、密閉容器内圧力は21.
5kg/cm2 Gを示した。その後、密閉容器の底部に
ある吐出ノズルの弁を開き、分散液を大気圧中に放出し
て発泡粒子を得た。このようにして得られたポリプロピ
レン系樹脂発泡粒子は、嵩密度24g/l、粒径3.5
mm、平均気泡径200ミクロンで良好なものであっ
た。
【0025】得られた発泡粒子を40℃の雰囲気下で2
日間放置した後、スチーム孔を有する凸凹一対の金型よ
り形成される型内へ、2.2kg/cm2 Gの圧縮空気
を用いて逐次的に充填した後、3.0kg/cm2 Gの
スチームを導き、発泡粒子同志を加熱融着させ、次いで
100秒水冷、30秒放冷後金型より成形体を取り出し
た。成形体は、密度40g/lで、縦600mm、横9
00mm、厚み50mmであり、粒子間の間隙も少ない
表面平滑なものであった。また、成形体中央部をナイフ
にて深さ10mmで切れ目を入れ、さらに切れ目を押し
広くようにして破断したところ、その断面の約90%の
発泡粒子が融着している優れた成形体であった。またこ
の成形体をDSCにより熱分析したところΔHは15J
/gであった。
【0026】また、この成形体の加熱収縮率、スキン面
及びカット面の耐金属劣化性、及び表面平滑性を下記方
法により評価した結果、加熱収縮率は−4.5%であ
り、耐金属劣化性試験は200時間後で成形スキン面お
よび断面の両方とも変化なく良好なものであり、成形体
の表面平滑性も優れていた。加熱寸法変化率;成形後5
0時間経過後の成形体より、縦150mm、横150m
m、厚さ50mmの試験片を5つ切り出し、JIS K
6767に準拠して130℃のギアーオーブンで22時
間加熱して測定し、その平均で評価した。
【0027】耐金属劣化性;成形体より縦100mm、
横100mm、厚さ25mmの試験片を切り出し、該試
験片2片でサンドペーパーで表面をみがいた外径8mm
φの銅パイプを鋏み、120℃のギヤーオーブンに入
れ、一定時間毎に銅パイプに接触したスキン面及び断面
の劣化状態を、それぞれ5つのサンプルで評価した。 ◎:200時間経過しても全サンプル変化なし。
【0028】○:200時間経過しても2/5以下のサ
ンプルは変化なし。 △:100時間経過しても2/5以下のサンプルは変化
ないが、200時間経過すると2/5を超えるサンプル
の劣化が認められる。 ×:100時間経過した時点で2/5を超えるサンプル
の劣化が認められる。表面平滑性;成形体を目視にて評
価した。
【0029】◎:粒子間の間隙も少なく表面平滑。 ○:粒子間の間隙はあるが、表面平滑。 △:粒子間の間隙があり、表面がでこぼこしている。 ×:粒子間の間隙が著しいか、表面の収縮が著しく商品
価値がない。 熱伝導率;JIS A1412の平板比較法に準拠して
測定し、以下の基準により評価した。
【0030】◎:0.035Kcal/mh ℃以下。 △:0.040〜0.036Kcal/mh ℃ ×:0.040Kcal/mh ℃を超える。 (実施例2〜6、比較例1〜5)樹脂粒子の基材樹脂、
金属不活性化剤、発泡条件、成形条件などを表1に示す
ように変更した以外は、実施例1と同様に行った。結果
を表1〜表3に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】表中 *1 N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン
(チバガイギー社製 商品名 IRGANOX MD1
024) *2 3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−
トリアゾール(アデカアーガス社製 商品名 アデカス
タッブ CDA−1) *3 デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラ
ジド(アデカアーガス社製 商品名 アデカスタッブ
CDA−6) *4 オキザロービス−12−ヒドロキシベンジリデン
ヒドラジド(イーストマンコダック社製 商品名 イー
ストマンインヒビター OABH)
【0035】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡成形
体は、耐金属劣化性に優れ、金属と直接接するような用
途において断熱材として用いても長期間安定的で劣化し
ないという優れた効果を有する。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/04 C08L 23/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂100重量部当り
    金属不活性化剤を0.01〜5重量部含有した基材樹脂
    からなるポリプロピレン系樹脂発泡粒子の型内発泡成形
    体であって、該発泡成形体を構成する樹脂が、示差走査
    熱量計にて10℃/分の昇温速度で220℃まで昇温し
    て測定したときに融解ピークが2つ以上現われる結晶構
    造を有し、その最も高温の融解ピークの熱量が5〜30
    J/gであることを特徴とする、耐金属劣化性の優れた
    ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体。
  2. 【請求項2】 JIS K6767に準じて130℃で
    測定したときの加熱収縮率が10%以下であることを特
    徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂型内発
    泡成形体。
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