JP3345607B2 - 酸性ガスと反応したハイドログロシュラーの再生方法 - Google Patents
酸性ガスと反応したハイドログロシュラーの再生方法Info
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Description
ガスと反応したハイドログロシュラーの再生方法に関す
るものであり、更に詳しくは、ゴミ焼却炉等から発生す
る酸性排ガスを吸収し、固定化して除去するために使用
される酸性ガス吸収剤の構成成分であるハイドログロシ
ュラーの再生方法に関するものである。本発明は、酸性
排ガス吸収剤の構成成分としてのハイドログロシュラー
を効率よく再生し、その再利用を図ることを可能とする
新しいハイドログロシュラーの再生方法を提供するもの
である。
グロシュラーは、焼却炉の燃焼室や煙道等に設置され、
ゴミ焼却時に焼却炉から発生する高温の酸性排ガスを吸
収、固定化して除去するために使用される。そして、一
般に、使用後の酸性排ガス吸収剤は、主として埋め立て
による廃棄処分が考えられている。
てにより廃棄処分する場合、処分場の確保という難問が
存在するとともに、固定化された酸性排ガス中の有害物
質が廃棄物中から漏洩し、処分場付近の土壌や河川を汚
染するといった二次公害が発生する恐れがあり、当該技
術分野においては、これらの問題を有効に解決すること
が可能な新技術の開発が強く要請されていた。
で、本発明者らは、酸性排ガス吸収剤の一種であるハイ
ドログロシュラーの再生方法を開発することを目標とし
て鋭意研究を重ねた結果、使用後の酸性排ガス吸収剤の
新しい再生方法を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、上記のような従来技術に存在する問題
点に着目してなされたものであり、その目的は、塩素を
固定した使用後のハイドログロシュラーを再生し、その
繰り返し使用を可能とするとともに、廃棄処分の問題を
解消することができるハイドログロシュラー(酸性排ガ
ス吸収剤)の新しい再生方法を提供することである。
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)塩素を含む酸性排ガスと反応したハイドログロシ
ュラーに石灰と水を混合し、水熱処理を施すことを特徴
とする、酸性排ガスと反応したハイドログロシュラーの
再生方法。 (2)温度60〜200℃で水熱処理を施す前記(1)
に記載の方法。
説明する。本発明の酸性排ガス吸収剤の再生方法は、塩
素を含む酸性排ガスと反応した使用後のハイドログロシ
ュラー(酸性排ガス吸収剤)に石灰と水を混合し、水熱
処理を施すことを特徴とするものである。このハイドロ
グロシュラーは、例えば、原料として、非晶質シリカ、
アルミナゾル、消石灰を使用する。この場合、例えば、
非晶質シリカ:アルミナゾル:消石灰=1:3:3(モ
ル比)に混合する。ハイドログロシュラーは、これらの
混合物に130〜200℃、望ましくは150℃、処理
時間約1〜15時間で水熱処理を施すことにより製造す
ることができる。酸性排ガス吸収剤であるハイドログロ
シュラーは、例えば、ゴミの焼却炉等から排出される高
温の酸性排ガスに含有される有害物質を吸収し、固定化
して除去するために使用される。この酸性排ガス吸収剤
に吸収される有害物質としては、例えば、塩化水素ガス
(HCl)、塩素ガス(Cl2 )、フッ化水素ガス(H
F)等が挙げられるが、この酸性排ガス吸収剤は、主と
して塩化水素ガス等の塩素を含むガスを吸収するのに好
適に使用される。この酸性排ガス吸収剤は、所定粒径に
粉砕した粉体の状態や、当該粉体を加圧成形した成形体
の状態で使用される。成形体の形状は、球体、円柱、ア
ーモンド形、ハニカム状等適宜のものが採用される。こ
のハイドログロシュラーを用いることにより約1000
℃までの高温の酸性排ガスを効率よく吸収及び固定化す
ることができる。また、このハイドログロシュラーは、
例えば、酸性ガス固定化剤として有用なハイドロソーダ
ライトと比べて、塩素固定量が多く、高温酸性排ガスを
効率よく吸収及び固定化して除去できる。
ラーは、例えば、600〜1000℃の高温で燃焼する
ゴミの焼却炉において、塩化水素ガス等の塩素を含む酸
性排ガスと接触させることにより、その塩素と反応して
塩素を固定化する。本発明の酸性排ガス吸収剤の再生方
法においては、塩素を含む酸性排ガスと反応した使用済
みの酸性排ガス吸収剤には、石灰と水を混合し、水熱処
理を施すが、この水熱処理における温度、時間等の処理
条件は、基本的には、固定化した塩素が除去されてハイ
ドログロシュラーに再生される条件であれば適宜の条件
を採用することができる。
好ましくは150〜200℃の範囲である。この水熱処
理の温度が150℃未満では、再生が完了するまでに非
常に長い時間が浪費される。また、ハイドログロシュラ
ーの再生反応が充分に進行しない。逆に水熱処理の温度
が200℃を越えると、水熱処理のために多量の熱量が
必要となることから好ましくない。また、最適な水熱処
理の時間は、基本的には、処理温度及びその雰囲気に依
存するが、例えば、水熱処理における加熱温度が150
℃である場合には、3〜5時間加熱するのが好適であ
る。本発明のハイドログロシュラーの再生方法におい
て、石灰としては、生石灰、消石灰、炭酸カルシウムが
使用される。塩素固定化後の酸性排ガス吸収剤と、例え
ば、消石灰との混合割合は、好ましくは酸性排ガス吸収
剤1モルに対して0.5〜2モルの範囲であり、好まし
くは酸性排ガス吸収剤と消石灰とを1モル:1モルで混
合(A)する。混合物(A)に対する水の混合割合は、
水/A=12(重量比)が望ましい。また、添加順序は
特に問題としない。上記水熱処理は圧力容器等を用いて
行われるが、使用する装置等は特に限定されるものでは
ない。
前記のように、塩素を含む酸性排ガスと反応した使用済
みの酸性排ガス吸収剤に石灰と水を加えた後、水熱処理
を施すものであり、簡単な操作によりハイドログロシュ
ラー(酸性排ガス吸収剤)を効率よく再生処理すること
ができる。本発明の酸性排ガス吸収剤の再生方法によれ
ば、ハイドログロシュラーを生成する化学反応を簡単な
操作で容易に促進させることができるとともに、わずか
なエネルギーで再生処理を行うことができる。さらに、
再生されたハイドログロシュラーは、高温での安定性が
良好であることから、高温で酸性排ガスを固定化するの
に有用であり、その場合には、ダイオキシン等の有害物
質の発生を効果的に抑制することができる。本発明の再
生方法によれば、後記するX線解析の結果から明らかな
ように、使用済みの酸性排ガス吸収剤である塩素を固定
したハイドログロシュラーを効率よく、かつ確実にハイ
ドログロシュラーに再生することができるので、ハイド
ログロシュラーを酸性排ガス吸収剤として繰り返し使用
することが可能となる。
具体的に説明するが、以下の参考例及び実施例は、本発
明を当業者が実施できるようにその好適な例を示すもの
であり、本発明の範囲を限定するものではない。 参考例1 (1)ハイドログロシュラーの製造 原料として、非晶質シリカ、アルミナゾル、消石灰を用
いた。非晶質シリカ0.21g、アルミナゾル(Al2
O3 としての含量;20%)1.8g、消石灰0.77
gを混合して、全容積14.6mlとなるように水を添
加し、オートクレーブ(容積25ml)に入れて、攪拌
(50rpm)し、200℃−15h保持後、冷却して
試料を取り出し、ろ過、乾燥を施し、ハイドログロシュ
ラー粉末を得た。得られたハイドログロシュラーの粉末
X線回折を図1〔1〕に示す。
使用して実施した。また、装置として、円筒状に形成さ
れた石英管、当該石英管の周囲に配設された、80〜1
250℃の温度域で加熱することができる電気炉、塩化
水素ガス(HCl)及び窒素ガス(N2 )供給手段、を
具備した反応装置を使用した。) ハイドログロシュラー1.0gを円筒状に形成された石
英管内に充填し、加熱温度を電気炉により800℃に設
定した後、塩化水素ガスと窒素ガスとを石英管内に導入
した。塩化水素ガス濃度は1000ppm、ガス流量は
500ml/minとし、3時間導入した。ハイドログ
ロシュラーの塩素固定量を調べた結果、11.1wt%
であった。塩素を固定したハイドログロシュラーの粉末
X線回折を図1〔2〕に示す。
用して実施した。)塩素を固定(塩素固定量;11.1
wt%)したハイドログロシュラー1.02gと消石灰
0.195gを混合し、全容積14.0mlとなるよう
に水を添加し、オートクレーブ(容積25ml)に入れ
て、攪拌(50rpm)した。これを200℃−15h
保持後、冷却して試料を取り出し、ろ過、乾燥を施し、
塩素を含まないハイドログロシュラー粉末(再生ハイド
ログロシュラー)を得た。再生ハイドログロシュラーの
粉末X線回折を図1〔3〕に示す。図1〔3〕から、ハ
イドログロシュラーを示すピークが認められるのが分か
る。この試料の塩素濃度を調べた結果、塩素は含有され
ていなかった。
して、さらに、塩化水素ガスの固定化を施した。) 再生ハイドログロシュラー1.0gを石英管内に充填
し、加熱温度を電気炉により800℃に設定した後、塩
化水素ガスと窒素ガスとを石英管内に導入した。塩化水
素ガス濃度は1000ppm、ガス流量は500ml/
minとし、3時間導入した。塩素固定量は10.6w
t%であった。塩素を固定した再生ハイドログロシュラ
ーの粉末X線回折を図1〔4〕に示す。
含む酸性排ガスと反応したハイドログロシュラーに石灰
と水を混合し、水熱処理を施すことを特徴とする、酸性
排ガスと反応したハイドログロシュラーの再生方法に係
るものであり、本発明によれば、1)塩素を含む酸性排
ガスと反応したハイドログロシュラーを簡単な操作によ
り再生させることができる、2)上記方法により得られ
る再生ハイドログロシュラーは、高温酸性排ガスを効率
よく吸収及び固定化する作用を有する、3)使用した酸
性排ガス吸収剤を廃棄処分することなく、酸性排ガス吸
収剤として再利用することが可能である、等の格別の効
果が奏される。
X線回折図を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 塩素を含む酸性排ガスと反応したハイド
ログロシュラーに石灰と水を混合し、水熱処理を施すこ
とを特徴とする、酸性排ガスと反応したハイドログロシ
ュラーの再生方法。 - 【請求項2】 温度60〜200℃で水熱処理を施す請
求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33451199A JP3345607B2 (ja) | 1999-11-25 | 1999-11-25 | 酸性ガスと反応したハイドログロシュラーの再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33451199A JP3345607B2 (ja) | 1999-11-25 | 1999-11-25 | 酸性ガスと反応したハイドログロシュラーの再生方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001149778A JP2001149778A (ja) | 2001-06-05 |
JP3345607B2 true JP3345607B2 (ja) | 2002-11-18 |
Family
ID=18278229
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33451199A Expired - Lifetime JP3345607B2 (ja) | 1999-11-25 | 1999-11-25 | 酸性ガスと反応したハイドログロシュラーの再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3345607B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108671882A (zh) * | 2018-04-20 | 2018-10-19 | 浙江工业大学 | 利用焚烧炉底灰合成的水钙铝榴石及其制备方法与应用 |
-
1999
- 1999-11-25 JP JP33451199A patent/JP3345607B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
田代忠一外2名,Ca3Al206−Mg0系調合物の水熱処理 とくにhydrogrossularおよびその関連相の精製について,石膏と石灰,日本,1981年,第172巻,108−113 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108671882A (zh) * | 2018-04-20 | 2018-10-19 | 浙江工业大学 | 利用焚烧炉底灰合成的水钙铝榴石及其制备方法与应用 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001149778A (ja) | 2001-06-05 |
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