JP3082855B1 - ハイドロガーネットの製造法及びハイドロガーネットによる高温酸性排ガスの除去法 - Google Patents

ハイドロガーネットの製造法及びハイドロガーネットによる高温酸性排ガスの除去法

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JP3082855B1
JP3082855B1 JP11236780A JP23678099A JP3082855B1 JP 3082855 B1 JP3082855 B1 JP 3082855B1 JP 11236780 A JP11236780 A JP 11236780A JP 23678099 A JP23678099 A JP 23678099A JP 3082855 B1 JP3082855 B1 JP 3082855B1
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靖雄 芝崎
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正哉 鈴木
悟 藤田
尚之 小川
友幸 福田
勝洋 中山
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Abstract

【要約】 【課題】 ハイドロガーネットの製造法及びハイドロガ
ーネットによる高温酸性排ガスの除去法を提供する。 【解決手段】 シリカ源、アルミナ源、カルシウム源の
混合物に水熱処理を施すことを特徴とするハイドロガー
ネットの製造法、及び該ハイドロガーネットにより焼却
炉等から排出される高温酸性排ガスを吸収及び固定化す
ることを特徴とする高温酸性排ガスの除去法。 【効果】 低温、低圧下でハイドロガーネットを効率よ
く合成することができる。得られたハイドロガーネット
は高温酸性ガス固定化剤として約1000℃までの高温
で使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温酸性排ガス吸
収剤に関するものであり、更に詳しくは、シリカ源、ア
ルミナ源、カルシウム源の混合物に水熱処理を施すこと
により、低温・低圧下でハイドロガーネットからなる高
温酸性ガス固定化剤を効率よく製造する方法、及び該ハ
イドロガーネットにより高温酸性排ガスを効率よく吸収
及び固定化して除去する方法に関するものである。本発
明の方法により製造される上記ハイドロガーネットは、
例えば、ゴミ焼却炉、溶融炉、窯炉等から発生する酸性
排ガスを高温で吸収及び固定化して除去するために好適
に使用される。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ゴミ焼却炉等から排出される
酸性排ガスの環境への影響が問題となっている。特に、
最近では、都市ゴミの焼却時に生じる酸性排ガスによる
環境汚染、ダイオキシンなどの有害物質による健康被
害、焼却炉の腐食などが問題となっている。従来、例え
ば、ゴミ焼却炉等から発生する酸性排ガスを吸収除去し
て固定化するために使用される酸性排ガス吸収剤は、主
に300℃以下の低温で使用されていた。例えば、大型
ゴミ焼却炉において、塩化水素などの酸性排ガスを処理
する場合は、炉から発生する酸性排ガスの温度を下げて
からカセイソーダ液又は石灰乳などの液中を通過させ、
排ガスを除去する方法や、消石灰粉末などを排ガスが通
る煙道に噴霧して酸性排ガスを吸収除去する方法等が採
用されていた。また、酸性排ガス吸収剤を高温で使用す
る場合は、ゴミの焼却時に炉の燃焼室に石灰石粉などを
噴霧することにより酸性排ガスを除去する方法が採られ
ていた。
【0003】しかし、カセイソーダ液又は石灰乳、ある
いは消石灰粉末などによる処理では、処理段階で生成し
た塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどの溶解で生じる
塩素イオンによる環境汚染の問題がある。また、酸性排
ガスを低温で処理する方法では、ダイオキシンなどの有
害物質の生成が促進され、また、酸性排ガス中に含まれ
るハロゲン化水素やハロゲン元素により、炉の内部や煙
道などが腐食される、という問題がある。
【0004】更に、石灰石粉などを使用して高温で酸性
排ガスを処理する方法では、800℃以上で石灰石の分
解による不安定化、処理段階で生成した塩化カルシウム
の分解による塩化水素の再生成などの問題があるため、
酸性排ガス吸収剤の使用温度は800℃未満でなければ
ならないという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、焼却炉等か
ら排出される高温酸性排ガスを、広い温度範囲で効率よ
く吸収及び固定化することができるとともに、有害物質
の生成、焼却炉等の装置の腐食の問題などを生起しない
新しい高温酸性排ガスの吸収及び固定化技術を開発する
ことを目標として鋭意研究を進める過程で、シリカ源、
アルミナ源、カルシウム源の混合物に水熱処理を施すこ
とにより得られるハイドロガーネットで高温酸性排ガス
を効率よく吸収及び固定化できる可能性を見出し、更に
研究を重ねて、本発明を完成するに至った。本発明は、
簡単な工程で、新しい高温酸性排ガス吸収剤として利用
できるハイドロガーネット(高温酸性ガス固定化剤)
効率よく製造する方法を提供することを目的とするもの
である。また、本発明は、上記ハイドロガーネットによ
り高温酸性排ガスを効率よく吸収及び固定化して除去す
る方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)シリカ源、アルミナ源、カルシウム源の混合物に
水熱処理を施すことを特徴とするハイドロガーネット
らなる高温酸性ガス固定化剤の製造法。 (2)アルミナ源、カルシウム源の混合物に水熱処理を
施すことを特徴とするハイドロガーネットからなる高温
酸性ガス固定化剤の製造法。 (3)シリカ源が、カオリン、シリカ、非晶質シリカ、
珪藻土、ケイ砂、石英のいずれか1種以上である、前記
(1)に記載のハイドロガーネットからなる高温酸性ガ
ス固定化剤の製造法。 (4)アルミナ源が、カオリン、アルミナゾル、ベーマ
イト、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムのいずれ
か1種以上である、前記(1)又は(2)に記載のハイ
ドロガーネットからなる高温酸性ガス固定化剤の製造
法。 (5)カルシウム源が、消石灰、生石炭、石膏のいずれ
か1種以上である、前記(1)又は(2)に記載のハイ
ドロガーネットからなる高温酸性ガス固定化剤の製造
法。 (6)水熱処理の処理温度が130℃〜200℃であ
る、前記(1)又は(2)に記載のハイドロガーネット
からなる高温酸性ガス固定化剤の製造法。 (7)前記(1)又は(2)に記載のハイドロガーネッ
からなる高温酸性ガス固定化剤により焼却炉等から出
される高温酸性排ガスを吸収及び固定化することを特徴
とする高温酸性排ガスの除去法。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。本発明は、シリカ源、アルミナ源、カルシウ
ム源の混合物に水熱処理を施すことにより、高温酸性排
ガス吸収剤として利用できるハイドロガーネットを製造
することを特徴とするものである。本発明において、シ
リカ源としては、カオリン、シリカ、非晶質シリカ、珪
藻土、ケイ砂、石英等があるが、望ましくはカオリン、
非晶質シリカが使用される。アルミナ源としては、カオ
リン、アルミナゾル、ベーマイト、水酸化アルミニウ
ム、酸化アルミニウム等があるが、望ましくはカオリ
ン、アルミナゾルが使用される。カルシウム源として
は、生石灰、消石灰、石膏等があるが、望ましくは生石
灰、消石灰が使用される。即ち、シリカ源、アルミナ
源、カルシウム源として、それぞれ、上記原料のいずれ
か1種以上が使用される。
【0008】次に、本発明のハイドロガーネットからな
る高温酸性ガス固定化剤の製造法の例を説明する。原料
として、例えば、カオリン(望ましくは焼成したカオリ
ン)、アルミナゾル、消石灰が使用される。上記原料を
カオリン:アルミナゾル:消石灰=1モル:1モル:6
モルで混合(A)し、例えば、水/A=12(重量比)
の比でAに水を添加する。この場合、水/Aは、他の
比、例えば、6〜24でも当然問題ない。尚、原料混合
比をハイドロガーネットの組成に合わせた場合に上記モ
ル比となる(以下、同様)。また、原料として、石炭
灰、アルミナゾル、消石灰を使用する場合は、例えば、
石炭灰中に含まれるSi分と消石灰のモル比をSi:C
a=1:0.5〜1:30にして混合する。また、原料
として、非晶質シリカ、アルミナゾル、消石灰を使用す
る場合は、例えば、非晶質シリカ:アルミナゾル:消石
灰=1:3:3(モル比)に混合する。更に、原料とし
て、アルミナゾル、消石灰を使用する場合は、例えば、
アルミナゾル:消石灰=1:3(モル比)に混合する。
【0009】次に、上記混合物に水熱処理を施すが、水
熱処理は、例えば、オートクレーブを使用し、水熱温度
130〜200℃、望ましくは150℃、処理時間15
時間で行う。この場合、処理時間は短くも長くもでき
る。次いで、冷却、開封し、得られた生成物を濾過、乾
燥して、ハイドロガーネットを得るが、これらの操作は
必要に応じて適宜省略することができる。尚、高温・高
圧下でハイドロガーネットを合成する従来のハイドロガ
ーネットの合成条件は、圧力:1〜4kb、温度:27
0〜745℃であったが、本発明では、圧力:2.9〜
15.6b、温度:130〜200℃の低温・低圧下
で、簡単な工程で、効率よくハイドロガーネットを製造
することができる。本発明の方法は、従来の合成条件よ
り低温・低圧下で、簡単な工程で効率よくハイドロガー
ネットを製造することを最大の特徴としている。低温・
低圧下でハイドロガーネットを合成する本発明では、結
晶性の低いアルミナ源やシリカ源を出発原料に用いるこ
とができる。従来の合成条件より低温・低圧下でハイド
ロガーネットを合成する本発明は、結晶性のなるべく低
いアルミナ源やシリカ源を出発原料に選ぶことにより、
はじめてなし得たものである。
【0010】本発明の方法により製造される上記ハイド
ロガーネットは、従来、焼却炉等から排出される酸性排
ガスを吸収及び固定化する酸性ガス固定化剤として有用
なハイドロソーダライトと比べて、より高い耐熱温度を
有しており、該ハイドロガーネットを用いることにより
約1000℃までの高温の酸性排ガスを効率よく吸収及
び固定化することが可能であり、該ハイドロガーネット
は、高温酸性排ガスを吸収及び固定化するための高温酸
性ガス固定化剤として有用である。本発明の方法により
製造される上記ハイドロガーネットは、従来、酸性ガス
固定化剤として有用なハイドロソーダライトと比べて、
塩素固定量が多く、(例えば、800℃での塩素固定
量:6.8重量%(ハイドロソーダライト)、15.6
重量%(実施例4のハイドロガーネット))、高温酸性
排ガスを効率よく吸収及び固定化して除去する。
【0011】次に、上記ハイドロガーネット(高温酸性
ガス固定化剤)を利用して、高温酸性ガスを吸収及び固
定化する方法について説明する。図1に示す装置11
は、高温酸性ガス固定化剤12の特性を実験的に示すた
めのものである。実際には、この高温酸性ガス固定化剤
は、例えば、ゴミ焼却炉等の炉の燃焼室や煙道などに設
置され、酸性排ガスを吸収及び固定化するために使用さ
れる。また、この装置において、高温酸性ガス固定化剤
の使用場所は特に限定されるものではない。
【0012】酸性排ガスとしては、例えば、塩化水素ガ
ス(HCl)、フッ化水素ガス(HF)などが例示され
る。ここでは、塩化水素ガスの場合について説明する
が、他の酸性排ガスについても塩化水素ガスの場合と同
様に処理される。
【0013】本方法では、高温酸性ガス固定化剤12は
単独で使用してもよく、必要に応じて他の酸性排ガス吸
収剤と併用してもよい。
【0014】この高温酸性ガス固定化剤12は、所定粒
径に粉砕した粉体の状態や、該粉体を加圧成形した成形
体の状態で使用することができる。成形体の形状は、球
体、円柱、アーモンド形、ハニカム状等適宜のものが採
用される。このように、高温酸性ガス固定化剤12は、
任意形状に形成できるため、装置の任意の場所に設置し
て使用することが可能である。
【0015】図1では、石英管13は円筒状に形成され
て横方向に配置され、その左右両端は出口用蓋14及び
入口用蓋15により密閉されている。所定粒径に粉砕さ
れた高温酸性ガス固定化剤12は、石英管13内の中央
に配置され、その高温酸性ガス固定化剤12の左右両端
にロックウール層16が設けられている。
【0016】加熱装置としての電気炉17は、石英管1
3の周囲に配設され、石英管13内の高温酸性ガス固定
化剤12を80〜1250℃の温度域で加熱する。この
加熱温度は、高温酸性ガス固定化剤12により酸性排ガ
スを固定化して効率よく除去するために、300〜10
00℃の範囲に設定することが望ましい。温度測定装置
18は、石英管13内の温度検出部19と、温度記録部
20と、一端が温度検出部19に接続され、他端が温度
記録部20に接続されたリード線21とを備え、石英管
13内の温度を検出して記録する。
【0017】第1ボンベ22は、酸性排ガスとしての塩
化水素ガス(HCl)が充填され、上端部の第1バルブ
23により塩化水素ガスを放出できるようになってい
る。第1導入部としての第1導入管24は、一端が第1
ボンベ22上端の第1バルブ23に接続され、他端が石
英管13の入口用蓋15を貫通して石英管13内に突出
し、第1ボンベ22内の塩化水素ガスを石英管13内に
供給する。第1流量計25は、第1導入管24に設けら
れ、第1導入管24中を流れる塩化水素ガスの流量を示
すとともに、流量を調節できるようになっている。
【0018】第2ボンベ26は、窒素ガス(N2 )が充
填され、上端部の第2バルブ27により窒素ガスを放出
できるようになっている。第2導入部としての第2導入
管28は、一端が第2ボンベ26上端の第2バルブ27
に接続され、他端が石英管13の入口用蓋15を貫通し
て石英管13内に突出し、第2ボンベ26内の窒素ガス
を石英管13内に供給する。第2流量計29は、第2導
入管28に設けられ、第2導入管28中を流れる窒素ガ
スの流量を示すとともに、流量を調節できるようになっ
ている。なお、この窒素ガスは、石英管13内の塩化水
素ガスの濃度を調節するために使用される。
【0019】排出部としての排出管30は、一端が石英
管13の出口用蓋14から石英管13内に突出し、他端
は第1吸収びん31内に挿入され、更に別の排出管30
が第2吸収びん32、流量計33及び、ポンプ34を介
して大気中へ開放されている。第1吸収びん31には水
35が収容され、石英管13から提出される酸性排ガス
などを通過させる。pH測定装置36は、第1吸収びん
31内の水35中のpH測定部37と、pH記録部38
と、一端がpH測定部37に接続され、他端がpH記録
部38に接続されたリード線39とを備え、第1吸収び
ん31内の水35のpH値を測定して記録する。なお、
第1吸収びん31は第1蓋41により密閉されている。
【0020】第2吸収びん32には水酸化ナトリウム水
溶液40が収容され、排出管30から排出される酸性排
ガスなどを中和する。そして、石英管13内の反応ガス
がこの排出管30を介して大気中に放出される。なお、
第2吸収びん32は第2蓋42により密閉されている。
【0021】次に、高温酸性ガス固定化剤12を用いて
塩化水素ガスを除去する場合の作用について説明する。
塩化水素ガスを固定化して除去する場合、まず石英管1
3内の中央に所定粒径のハイドロガーネットよりなる高
温酸性ガス固定化剤12を配置し、その両端をロックウ
ール層16で固定する。次に、第1ボンベ22に塩化水
素ガスを充填するとともに、第2ボンベ26に窒素ガス
を充填する。そして、第1吸収びん31に水35を入れ
るとともに、第2吸収びん32に水酸化ナトリウム水溶
液40を入れる。更に、電気炉17を作動させて石英管
13内を80〜1250℃の温度範囲に上昇させる。
【0022】この状態で、第1ボンベ22の第1バルブ
23及び第2ボンベ26の第2バルブ27を開き、第1
ボンベ22内の塩化水素ガスを第1導入管24及び第2
ボンベ26内の窒素ガスを第2導入管28を介して石英
管13内に導入する。石英管13内に導入された塩化水
素ガスは、高温酸性ガス固定化剤12と反応し、塩化水
素ガス中の塩素は吸収、固定化される。
【0023】反応後のガスは、ポンプ34の吸引動作に
より、排出管30から第1吸収びん31、第2吸収びん
32に導入される。第1吸収びん31内では、水35の
pH値がpH測定装置36により測定され、排出管30
から排出される酸性排ガスなどによりpH値が低下す
る。その後、生成ガスが排出管30より大気中へ放出さ
れる。なお、この生成ガスは酸性排ガスや有害物質など
が除去されている。
【0024】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。以下の実施例は本発明の好適な例を示すもので
あり、本発明は該実施例により何ら限定されるものでは
ない。 実施例1 原料として、カオリン、アルミナゾル、消石灰を用い
た。カオリン0.43g、アルミナゾル(Al23
しての含量;20%)0.85g、消石灰(Ca(O
H)2 )0.73gを混合して、全容積14.6mlと
なるように水を添加し、オートクレーブ(容積25m
l)に入れて、攪拌(50rpm)、150℃−15h
保持後、冷却して試料を取り出し、ろ過、乾燥を施し、
ハイドロガーネット粉末を得た。得られたハイドロガー
ネット粉末の粉末X線回折パターンを図2に示す。
【0025】実施例2 原料として、石炭灰、消石灰を用いた。石炭灰0.83
g、消石灰0.43gを混合し、全容積14.6mlと
なるように水を添加し、オートクレーブ(全容積25m
l)に入れて、攪拌(50rpm)、200℃−15h
保持後、冷却して試料を取り出し、ろ過、乾燥を施し、
ハイドロガーネット粉末を得た。ここで使用した石炭灰
の化学組成は以下の通りであった。SiO2 :54wt
%、Al23 :22wt%、MgO:1.7wt%、
CaO:8.2wt%、Fe23 :8.2wt%、N
2 O:2.6wt%、TiO2 :1.4wt%、K2
O:1.6wt%
【0026】実施例3 原料として、非晶質シリカ、アルミナゾル、消石灰を用
いた。非晶質シリカ0.21g、アルミナゾル(Al2
3 としての含量;20%)1.8g、消石灰0.77
gを混合して、全容積14.6mlとなるように水を添
加し、オートクレーブ(容積25ml)に入れて、攪拌
(50rpm)、200℃−15h保持後、冷却して試
料を取り出し、ろ過、乾燥を施し、ハイドロガーネット
粉末を得た。
【0027】実施例4 原料として、アルミナゾル、消石灰を用いた。アルミナ
ゾル(Al2 3 としての含量;20%)2.2g、消
石灰0.96gを混合し、全容積14.6mlとなるよ
うに水を添加し、オートクレーブ(容積25ml)に入
れて、攪拌(50rpm)、200℃−15h保持後、
冷却して試料を取り出し、ろ過、乾燥を施し、ハイドロ
ガーネット粉末を得た。得られたハイドロガーネット粉
末の粉末X線回折パターンを図3に示す。
【0028】実施例5 塩化水素ガスの固定化 (実施例1の方法で作製したハイドロガーネットを使用
して実施した。) 平均粒径1mmのハイドロガーネット1.0gを石英管
13内に充填し、加熱温度を電気炉17により300、
700、800、850、900、950℃の各温度に
設定した後、塩化水素ガスと窒素ガスとを石英管13内
に導入した。塩化水素ガス濃度は1000ppm、ガス
流量は500ml/minとし、3時間導入した。各温
度におけるハイドロガーネットの塩素固定量を調べた結
果、300℃で3.3重量%、700℃で8.8重量
%、800℃で12.7重量%、850℃で8.6重量
%、900℃で7.3重量%、950℃で7.2重量%
であった。上記温度は950℃が最高であるが、これは
装置の制約によるものであり、それ以上の温度でも塩素
の固定は可能である。実施例2、3で得られるハイドロ
ガーネットの結果もほぼ同様であった。
【0029】実施例6 塩化水素ガスの固定化 (実施例4の方法で作製したハイドロガーネットを使用
して実施した。) 平均粒径1mmのハイドロガーネット1.0gを石英管
13内に充填し、加熱温度を電気炉17により800℃
に設定した後、塩化水素ガスと窒素ガスの混合ガスを石
英管13内に導入した。塩化水素ガス濃度は1000p
pm、ガス流量は500ml/minとし、3時間導入
した。ハイドロガーネットの塩素固定量を調べた結果1
5.6重量%であった。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、シリカ
源、アルミナ源、カルシウム源の混合物に水熱処理を施
すことを特徴とするハイドロガーネットからなる高温酸
性ガス固定化剤の製造方法、及び該ハイドロガーネット
による高温酸性排ガスの除去方法に係るものであり、本
発明により、1)原料としてシリカ源、アルミナ源、カ
ルシウム源を用いて、簡単な工程でハイドロガーネット
(高温酸性ガス固定化剤)を製造することができる、
2)結晶性の低いアルミナ源やシリカ源を出発原料に選
ぶことにより、従来の合成条件より低温、低圧下で上記
ハイドロガーネットを合成することができる、3)得ら
れた上記ハイドロガーネットは焼却炉等から排出される
高温酸性排ガスを効率よく吸収及び固定化する作用を有
しており、高温酸性ガス固定化剤として有用である、
4)約1000℃までの高温で使用可能である、等の格
別の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハイドロガーネットを高温酸性ガス固定化剤と
して使用した装置の概略を示 す説明図である。
【図2】本発明の実施例1で得られたハイドロガーネッ
ト粉末の粉末X線回折パターンを示す。
【図3】本発明の実施例4で得られたハイドロガーネッ
ト粉末の粉末X線回折パターンを示す。
【符号の説明】
11 装置 12 ハイドロガーネット(高温酸性ガス固定化剤) 13 石英管 14 出口用蓋 15 入口用蓋 16 ロックウール層 17 電気炉 18 温度測定装置 19 温度検出部 20 温度記録部 21 リード線 22 第1ボンベ 23 第1バルブ 24 第1導入管 25 第1流量計 26 第2ボンベ 27 第2バルブ 28 第2導入管 29 第2流量計 30 排出管 31 第1吸収ビン 32 第2吸収ビン 33 流量計 34 ポンプ 35 水 36 pH測定装置 37 pH測定部 38 pH記録部 39 リード線 40 水酸化ナトリウム水溶液 41 第1蓋 42 第2蓋
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 正哉 岐阜県多治見市松阪町4丁目8番地212 号 荒井方 (72)発明者 藤田 悟 岐阜県羽島郡岐南町伏屋3−249−203 (72)発明者 小川 尚之 愛知県名古屋市西区比良2−213 (72)発明者 福田 友幸 岐阜県多治見市京町4−115 明和寮 (72)発明者 中山 勝洋 岐阜県大垣市昼飯町95 東畑住宅102号 審査官 関 美祝 (56)参考文献 D.S.Klimesch et.a l.“EFFECTS OF QUAR TZ PARTICLE SIZE A ND KAOLIN ON HYDRO GARNET FORMATION D URING AUTOCLAVIN G”,Cement and Conc rete Research(1998)V ol.28,No.9,p.1317−1323 恒松修二、外2名“フライアッシュと 石灰、セッコウとの水熱反応性”Gyp sum&Lime、1987年、No.211、 p.362−368 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/20 - 33/46 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ源、アルミナ源、カルシウム源の
    混合物に水熱処理を施すことを特徴とするハイドロガー
    ネットからなる高温酸性ガス固定化剤の製造法。
  2. 【請求項2】 アルミナ源、カルシウム源の混合物に水
    熱処理を施すことを特徴とするハイドロガーネットから
    なる高温酸性ガス固定化剤の製造法。
  3. 【請求項3】 シリカ源が、カオリン、シリカ、非晶質
    シリカ、珪藻土、ケイ砂、石英のいずれか1種以上であ
    る、請求項1に記載のハイドロガーネットからなる高温
    酸性ガス固定化剤の製造法。
  4. 【請求項4】 アルミナ源が、カオリン、アルミナゾ
    ル、ベーマイト、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウ
    ムのいずれか1種以上である、請求項1又は請求項2に
    記載のハイドロガーネットからなる高温酸性ガス固定化
    の製造法。
  5. 【請求項5】 カルシウム源が、消石灰、生石炭、石膏
    のいずれか1種以上である、請求項1又は請求項2に記
    載のハイドロガーネットからなる高温酸性ガス固定化剤
    の製造法。
  6. 【請求項6】 水熱処理の処理温度が130℃〜200
    ℃である、請求項1又は請求項2に記載のハイドロガー
    ネットからなる高温酸性ガス固定化剤の製造法。
  7. 【請求項7】 請求項1又は請求項2に記載のハイドロ
    ガーネットからなる高温酸性ガス固定化剤により焼却炉
    等から排出される高温酸性排ガスを吸収及び固定化する
    ことを特徴とする高温酸性排ガスの除去法。
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