JP3243530B2 - 酸性排ガスの処理方法 - Google Patents

酸性排ガスの処理方法

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JP3243530B2 JP07755198A JP7755198A JP3243530B2 JP 3243530 B2 JP3243530 B2 JP 3243530B2 JP 07755198 A JP07755198 A JP 07755198A JP 7755198 A JP7755198 A JP 7755198A JP 3243530 B2 JP3243530 B2 JP 3243530B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ゴミの焼却炉等
から発生する酸性排ガスを処理する酸性排ガスの処理方
法に関するものである。詳しくは、酸性排ガスに含まれ
る有害物質を酸性排ガス処理剤に固定化する固定化処理
方法、及び使用済みの酸性排ガス処理剤を再利用できる
ように再生する再生処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の酸性排ガスの処理方
法としては、特開平8−47617号公報において、ゴ
ミ焼却炉等で発生する酸性排ガスを消石灰、石灰石、ド
ロマイト等を用いて化学的に吸収させる方法が記載され
ている。この方法は、消石灰等の造粒物を煙道等に充填
することによって、焼却炉等から排出される酸性排ガス
を600〜900℃の高温条件下で吸収できるようにし
たものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
高温条件下での酸性排ガスの処理方法では、酸性排ガス
の一成分である塩素化合物と反応して生成した塩化カル
シウムが高温条件下で不安定であることから、容易に融
解して飛散し、排気系を閉塞してしまうおそれがあっ
た。さらに、この処理方法は、生成した塩化カルシウム
が800℃以上の温度で分解されて、塩化水素ガスが発
生するおそれもあった。
【0004】さらに、従来の酸性排ガスの処理方法で
は、酸性排ガスを吸収させた消石灰等に対して、主に埋
め立てによる廃棄処分が行われていたが、処分場確保の
難題が存在するうえ、廃棄物から塩化カルシウムが漏洩
し、塩害やカルシウムスケール等による二次公害が発生
するおそれがあった。
【0005】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、酸性排ガスを固定化でき、酸性排ガス処
理設備を保全できるとともに、塩化水素等の有害物質の
生成を抑制することができる酸性排ガスの処理方法を提
供することにある。その他の目的とするところは、酸性
排ガス処理剤を再生し、繰り返し使用を可能とするとと
もに、二次公害の発生を抑制することができる酸性排ガ
スの処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の酸性排ガスの処理方法は、ソー
ダライト族の化合物を含有する酸性排ガス処理剤を、酸
性排ガスに接触させて固定化処理した後、水酸イオンを
生成可能な物質及び炭酸イオンを生成可能な物質の少な
くとも1種を含む水溶液と接触させ、酸性排ガス処理剤
を再生処理するものである。
【0007】請求項2に記載の酸性排ガスの処理方法
は、請求項1に記載の発明において、前記固定化処理
は、ソーダライト族の化合物を含有する酸性排ガス処理
剤を、500〜900℃の温度範囲で酸性排ガスに接触
させ、酸性排ガスを固定化処理するものである。
【0008】請求項3に記載の酸性排ガスの処理方法
は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記
固定化処理は、酸性排ガス処理剤の粉末を焼却炉又は焼
却炉から排出される排ガスが通過する煙道に噴霧するも
のである。
【0009】請求項4に記載の酸性排ガスの処理方法
は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記
酸性排ガス処理剤を酸性排ガスが流通可能な構造を有す
る固定層に成形し、その固定層を焼却炉から排出される
排ガスが通過する煙道に配置したものである。
【0010】請求項5に記載の酸性排ガスの処理方法
は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明にお
いて、前記水酸イオンを生成可能な物質は水酸化ナトリ
ウムであり、炭酸イオンを生成可能な物質は炭酸ナトリ
ウムであるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。なお、この実施形態では、主として
塩化水素ガス(HCl)について説明するが、その他の
酸性排ガスも塩化水素ガスとほぼ同様に処理され得る。
その他の酸性排ガスとしては、フッ化水素ガス(H
F)、臭化水素ガス(HBr)、ヨウ化水素ガス(H
I)、硫化水素ガス(H2 S)、二酸化硫黄ガス(SO
2 )等が挙げられる。
【0012】酸性排ガス処理は、ゴミの焼却炉等から排
出される酸性排ガスに含有される有害物質を酸性排ガス
処理剤に固定化させる固定化処理、及び使用済みの酸性
排ガス処理剤を再利用するために再生する再生処理から
構成される。
【0013】酸性排ガス処理剤は、ソーダライト族の化
合物を含有するものである。ソーダライト族に属する化
合物としては、ハイドロソーダライト(Na8 Al6
624・(OH)2 )、炭酸ノゼライト(Na8 Al
6 Si6 24・CO3 )等が挙げられる。これらの化合
物は、包接格子状の結晶構造をしており、その結晶構造
の内部に水酸イオン(OH- )又は炭酸イオン(CO3
2-)を強固に取り囲んだ構造を有している。
【0014】酸性排ガス処理剤の形状としては、粉末、
又は柱状、球状、アーモンド状、ハニカム状等の成形体
とすることができる。また、この酸性排ガス処理剤に
は、消石灰、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等のカル
シウム化合物、及びベントナイト、カオリナイト、ハイ
ドロタルサイト、ゼオライト等の粘土鉱物から選ばれる
少なくとも1種を含有させることも可能である。
【0015】固定化処理は、酸性排ガス処理剤を好まし
くは500〜900℃、さらに好ましくは600〜90
0℃の高温条件下で、酸性排ガスに接触させることによ
って行われる。この固定化処理は、酸性排ガス処理剤の
結晶格子内にある水酸イオン又は炭酸イオンが、前記高
温条件下で排ガス中に含まれるハロゲン、硫化水素、二
酸化硫黄等と置換されるとともに、水又は炭酸ガスを生
成させることによって行われる。この固定化処理温度が
500℃未満の場合、酸性排ガスに含まれるハロゲン、
硫化水素、二酸化硫黄等が、水酸イオン又は炭酸イオン
と充分に置換されない。逆に、この温度が900℃を越
える場合は、焼却炉の温度を高く維持するために多量の
エネルギーが消費されることから経済的でないととも
に、酸性排ガスに含まれるハロゲン、硫化水素、二酸化
硫黄等が充分に置換されない。
【0016】以下に、代表的な酸性排ガス処理剤の固定
化処理における化学反応式を示す。 Na8 Al6 Si6 24・(OH)2 (ハイドロソーダ
ライト)+2HCl→Na8 Al6 Si6 24・Cl2
(ソーダライト)+2H2 O 酸性排ガス処理剤が粉末状である場合、この酸性排ガス
処理剤は、焼却炉、又は焼却炉から排出される酸性排ガ
スが通過する煙道に、連続的又は非連続的に噴霧させる
ことによって固定化処理が行われる。このとき、酸性排
ガス処理剤に含有されるソーダライト族の化合物の含有
量は、好ましくは50〜100重量%、さらに好ましく
は60〜100重量%である。この含有量が50重量%
未満の場合、酸性排ガスを充分に固定化させることがで
きない。
【0017】また、酸性排ガス処理剤が成形体状である
場合、この酸性排ガス処理剤は、酸性排ガスが流通可能
な構造を有する固定層として成形され、焼却炉から排出
される酸性排ガスが通過する煙道に、その固定層を配置
することによって固定化処理が行われる。このとき、酸
性排ガス処理剤に含有されるソーダライト族の化合物の
含有量は、好ましくは50〜90重量%、さらに好まし
くは60〜85重量%である。この含有量が50重量%
未満の場合、酸性排ガスを充分に固定化させることがで
きない。逆に、90重量%を越える場合、成形体の強度
を充分に維持できないおそれがある。
【0018】次に、再生処理は、使用済みの酸性排ガス
処理剤を再利用するために、多量の有害物質を固定化し
た酸性排ガス処理剤から、有害物質を除去するものであ
る。この再生処理において、使用済みの酸性排ガス処理
剤は、水酸イオンを生成可能な物質及び炭酸イオンを生
成可能な物質の少なくとも1種を含む水溶液と接触させ
て充分に撹拌した後、洗浄及び乾燥される。この再生処
理は、前記固定化処理と逆方向に進行する化学反応を起
こさせるものであり、水酸イオン又は炭酸イオン濃度の
高い水溶液中で、酸性排ガス処理剤の結晶格子内にある
酸性排ガス由来のマイナスイオンと、水酸イオン又は炭
酸イオンとを強制的に置換させるものである。
【0019】以下に、使用済み酸性排ガス処理剤の再生
処理における化学反応式を示す。 Na8 Al6 Si6 24・Cl2 (ソーダライト)+2
OH- →Na8 Al6 Si6 24・(OH)2 (ハイド
ロソーダライト)+2Cl-Na8 Al6 Si6 24
Cl2 (ソーダライト)+CO3 2-→Na8 Al6 Si
6 24・CO3 (炭酸ノゼライト)+2Cl- 水酸イオンを生成可能な物質としては、水酸化リチウム
(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化
カリウム(KOH)等のアルカリ金属の水酸化物が挙げ
られるが、水酸化ナトリウムが入手が容易で安価である
ことから好ましい。また、炭酸イオンを生成可能な物質
としては、炭酸リチウム(Li2 CO3)、炭酸ナトリ
ウム(Na2 CO3 )、炭酸カリウム(K2 CO3 )等
のアルカリ金属の炭酸塩が挙げられるが、炭酸ナトリウ
ムが入手が容易で安価であることから好ましい。
【0020】水酸イオン又は炭酸イオンを含む水溶液の
濃度は、4モル濃度(M)以上から飽和濃度までが望ま
しい。この濃度が4M未満の場合、酸性排ガス処理剤の
結晶構造内部にある塩素イオン等の酸性排ガス由来のマ
イナスイオンが、水酸イオン又は炭酸イオンと充分に置
換されず、再生処理が不充分になってしまうおそれがあ
る。
【0021】さらに、再生処理時の反応温度は、反応速
度を高めるために好ましくは80〜300℃の範囲で行
われる。この再生処理は、密閉されていない容器内では
80〜100℃の温度で行われ、密閉された耐圧容器内
では、水蒸気圧が加味されて内圧が高まり、100〜3
00℃の温度で行うことができる。この再生処理温度が
80℃未満の場合、反応速度が遅いことから時間が浪費
される。逆に、300℃を越える場合、高い温度及び内
圧を維持するために多量のエネルギーが消費されること
から、経済的でない。
【0022】次に、酸性排ガス処理剤によって酸性排ガ
スを処理する場合の作用について、図1に基づいて説明
する。なお、図1に示すフローシートは、この発明の酸
性排ガス処理方法の有効性を実験的に検証するための実
験装置1の流れを簡単に図示したものであり、この発明
を特に限定するものではない。
【0023】図1に示すように、酸性排ガス発生設備2
及び処理設備3は、実際にはゴミやプラスチック等を焼
却する焼却設備を表したものであり、700〜800℃
の高温に維持されている。この酸性排ガス発生設備2
は、焼却設備の一部である焼却炉の燃焼室を示したもの
であり、処理設備3は、焼却炉に近い部分の煙道を示し
たものである。また、冷却設備4は、処理設備3から排
出される高温の排ガスを300℃未満の温度に冷却する
ためのものであり、集塵設備5は、冷却された排ガス中
に含まれる微粒子等を、バグフィルターを用いて捕捉す
るためのものである。さらに、高温酸性排ガス処理剤供
給設備6は、酸性排ガス処理剤を酸性排ガス発生設備2
又は処理設備3に供給するための設備である。
【0024】酸性排ガス発生設備2から発生される高温
の塩化水素ガスは、700〜800℃の温度を維持した
まま処理設備3へと送られる。その際、粉末状の酸性排
ガス処理剤は、酸性排ガス発生設備2又は処理設備3内
に連続的又は非連続的に噴霧されることによって、酸性
排ガスに含まれる塩化水素を固定化する。また、成形体
状の酸性排ガス処理剤は、酸性排ガスが流通可能な構造
を有する固定層として成形され、処理設備3内に設置さ
れることによって、酸性排ガスに含まれる塩化水素を固
定化する。
【0025】この固定化処理の過程で、酸性排ガスに含
まれる塩化水素は、酸性排ガス処理剤に固定化され、無
害な水又は炭酸ガスを生成させる。従って、ゴミやプラ
スチック等の燃焼によって発生した酸性排ガスは、この
固定化処理によって塩化水素が除去される。
【0026】処理設備3を通過した高温の排ガスは、バ
グフィルター保護のために、冷却設備4にて300℃未
満の温度まで冷却される。さらに、この排ガスは、集塵
設備5内のバグフィルターを用いて、排ガス中に存在す
る微粒子等が除去された後、大気中へ排出される。
【0027】酸性排ガスに含まれる塩化水素をほぼ飽和
状態まで吸着させて、固定化処理能力を失った酸性排ガ
ス処理剤は、水酸イオンを生成可能な物質又は炭酸イオ
ンを生成可能な物質を含む高温の水溶液に浸漬される。
この酸性排ガス処理剤は、充分な時間撹拌された後、水
溶液を濾過することによって取り出され、水洗及び乾燥
されて再利用される。
【0028】次に、上記実施形態の酸性排ガスの処理方
法による効果について説明する。 ・ 実施形態の酸性排ガスの処理方法によれば、ソーダ
ライト族の化合物を含有することによって、酸性排ガス
に含まれる有害物質を固定化することができるうえ、使
用済みの酸性排ガス処理剤を再生することができる。 ・ 実施形態の酸性排ガスの処理方法によれば、酸性排
ガス処理剤を粉末状又は成形体状とすることによって、
様々な形態で酸性排ガスを固定化させることができる。 ・ 実施形態の酸性排ガスの処理方法によれば、カルシ
ウム化合物又は粘土鉱物を含有させることによって、成
形体状の酸性排ガス処理剤の強度を高めることが可能で
ある。 ・ 実施形態の酸性排ガスの処理方法によれば、酸性排
ガス処理剤を500〜900℃の高温条件下で酸性排ガ
スと接触させることによって、酸性排ガスに含まれる有
害物質を固定化できるとともに、エネルギー消費を抑制
することができて経済的である。 ・ 実施形態の酸性排ガスの処理方法によれば、酸性排
ガス処理剤を水酸イオンを生成可能な物質及び炭酸イオ
ンを生成可能な物質の少なくとも1種を含む水溶液と接
触させることによって、酸性排ガスに含まれる有害物質
を除去して再利用することができる。 ・ 実施形態の酸性排ガスの処理方法によれば、水酸イ
オン又は炭酸イオンを含む水溶液の濃度を4Mから飽和
濃度とすることによって、酸性排ガス処理剤の再生処理
を確実に行うことができる。 ・ 実施形態の酸性排ガスの処理方法によれば、再生処
理を80〜300℃の温度範囲で行うことによって、反
応速度を高めることができるとともに、エネルギー消費
を抑制することができて経済的である。
【0029】
【実施例】以下に、前記実施形態をさらに具体化した実
施例について説明する。 (実施例1)前記実施形態の酸性排ガス処理実験装置の
酸性排ガス発生設備において、約600〜700ppm
の塩化水素ガスを含有する酸性排ガスを発生させ、70
0〜800℃の処理設備内に、平均粒径5μmのハイド
ロソーダライト(上田石灰製造株式会社製)を0.25
kg/hの割合で供給しながら装置を運転した。この装
置の集塵設備から排出される排ガスの流量(Nm3
h)及び塩化水素ガス濃度(ppm)を、30分毎に2
40分間測定し、第1回目の測定結果とした。この第1
回目の試験終了後の酸性排ガス処理剤に含有される塩素
濃度は、7.1%であった。
【0030】続いて、この酸性排ガス処理剤を回収し、
5Mの水酸化ナトリウム溶液10リットルに浸漬し、9
0℃で5時間撹拌した後、濾過、水洗及び乾燥させて酸
性排ガス処理剤の再生処理を行った。この再生処理後の
酸性排ガス処理剤に含有される塩素濃度は、0.5%で
あった。
【0031】この酸性排ガス処理剤について、第1回目
の測定と同様に集塵設備から排出される排ガスの流量及
び塩化水素ガス濃度を測定して、第2回目の測定結果と
した。この第2回目の試験終了後の酸性排ガス処理剤に
含有される塩素濃度は、7.2%であった。第1回目及
び第2回目の測定結果を表1に示す。
【0032】
【表1】 表1の結果より、粉末状のハイドロソーダライトを用い
て高温条件下で固定化処理することによって、かなり効
果的に塩化水素が除去されることが示された。さらに、
再生処理した酸性排ガス処理剤を用いて同様に固定化処
理を行った第2回目の測定結果より、再生処理された酸
性排ガス処理剤は、再生処理前の酸性排ガス処理剤とほ
ぼ同様の効果を発揮できることが示された。 (実施例2)平均粒径5μmのハイドロソーダライト7
0重量部、消石灰微粉末(上田石灰製造株式会社製、4
5μmアンダーが95.1%)15重量部、ベントナイ
ト(豊順工業株式会社製の穂高)15重量部を混合し
て、ディスクペレッターにて3〜5mmの柱状造粒物を
造粒した。この柱状造粒物を前記実施形態の酸性排ガス
処理実験装置の処理設備内に2kg充填して、酸性排ガ
ス処理フィルター層を形成させ、このフィルター層の温
度が700〜800℃となるように装置を運転しなが
ら、実施例1と同様に試験を行った。第1回目の試験終
了後、再生処理後、第2回目の試験終了後の酸性排ガス
処理剤に含有される塩素濃度は、それぞれ6.7%、
0.4%、7.1%であった。第1回目及び第2回目の
測定結果を表2に示す。
【0033】
【表2】 表2の結果より、成形体状のハイドロソーダライトを用
いて高温条件下で固定化処理することによって、かなり
効果的に塩化水素が除去されることが示された。さら
に、再生処理した酸性排ガス処理剤を用いて同様に固定
化処理を行った第2回目の測定結果より、再生処理され
た酸性排ガス処理剤は、再生処理前の酸性排ガス処理剤
とほぼ同様の効果を発揮できることが示された。
【0034】なお、前記実施形態を次のように変更して
構成することもできる。 ・ 粉末状及び成形体状の酸性排ガス処理剤を組み合わ
せて使用すること。このように構成した場合、さらに効
果的な酸性排ガス処理が可能である。 ・ 酸性排ガス発生設備及び処理設備で酸性排ガス処理
剤を使用すること。
【0035】このように構成した場合、さらに効果的な
酸性排ガス処理が可能である。次に、前記実施形態から
把握できる技術的思想について以下に記載する。 ・ 前記再生処理は、水酸イオンを生成可能な物質及び
炭酸イオンを生成可能な物質の少なくとも1種を含む水
溶液の濃度を4M以上から飽和濃度とし、さらに80〜
300℃の温度範囲で行う請求項1から請求項5のいず
れかに記載の酸性排ガスの処理方法。
【0036】このように構成した場合、酸性排ガス処理
剤の再生処理を確実に行うことができる。
【0037】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の酸
性排ガスの処理方法によれば、酸性排ガスを固定化で
き、酸性排ガス処理設備を保全できるとともに、塩化水
素等の有害物質の生成を抑制することができるうえ、酸
性排ガス処理剤を再生し、繰り返し使用を可能とすると
ともに、二次公害の発生を抑制することができる。
【0038】請求項2に記載の酸性排ガスの処理方法に
よれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、酸性排ガ
スを固定化でき、酸性排ガス処理設備を保全できるとと
もに、塩化水素等の有害物質の生成を確実に抑制するこ
とができる。
【0039】請求項3又は請求項4に記載の酸性排ガス
の処理方法によれば、請求項1又は請求項2に記載の発
明の効果に加え、酸性排ガスを固定化でき、酸性排ガス
処理設備を保全できるとともに、塩化水素等の有害物質
の生成をさらに抑制することができる。
【0040】請求項5に記載の酸性排ガスの処理方法に
よれば、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明
の効果に加え、酸性排ガス処理剤を再生し、繰り返し使
用を可能とするとともに、二次公害の発生をさらに抑制
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の酸性排ガス処理実験装置の流れを
示すフローシート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (74)上記3名の代理人 100068755 弁理士 恩田 博宣 (72)発明者 芝崎 靖雄 名古屋市熱田区大宝二丁目4番地 白鳥 パークハイツ大宝団地 第9棟第601号 (72)発明者 鈴木 憲司 愛知県丹羽郡大口町大字余野字水瀬259 番地 (72)発明者 工藤 芳子 岐阜県大垣市赤坂町3751番地 上田石灰 製造 株式会社 内 (72)発明者 相藤 茂 岐阜県大垣市赤坂町3751番地 上田石灰 製造 株式会社 内 審査官 小川 慶子 (56)参考文献 特開 平10−216510(JP,A) 特開 平11−228257(JP,A) 特開 平9−75667(JP,A) 特開 平8−276115(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/34 - 53/83 B01J 20/16,20/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソーダライト族の化合物を含有する酸性
    排ガス処理剤を、酸性排ガスに接触させて固定化処理し
    た後、水酸イオンを生成可能な物質及び炭酸イオンを生
    成可能な物質の少なくとも1種を含む水溶液と接触さ
    せ、酸性排ガス処理剤を再生処理する酸性排ガスの処理
    方法。
  2. 【請求項2】 前記固定化処理は、ソーダライト族の化
    合物を含有する酸性排ガス処理剤を、500〜900℃
    の温度範囲で酸性排ガスに接触させ、酸性排ガスを固定
    化処理するものである請求項1に記載の酸性排ガスの処
    理方法。
  3. 【請求項3】 前記固定化処理は、酸性排ガス処理剤の
    粉末を焼却炉又は焼却炉から排出される排ガスが通過す
    る煙道に噴霧するものである請求項1又は請求項2に記
    載の酸性排ガスの処理方法。
  4. 【請求項4】 前記酸性排ガス処理剤を酸性排ガスが流
    通可能な構造を有する固定層に成形し、その固定層を焼
    却炉から排出される排ガスが通過する煙道に配置した請
    求項1又は請求項2に記載の酸性排ガスの処理方法。
  5. 【請求項5】 前記水酸イオンを生成可能な物質は水酸
    化ナトリウムであり、炭酸イオンを生成可能な物質は炭
    酸ナトリウムである請求項1から請求項4のいずれかに
    記載の酸性排ガスの処理方法。
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