JP3345196B2 - 射出成形金型のコア冷却用スパイラルパイプとその製造方法 - Google Patents
射出成形金型のコア冷却用スパイラルパイプとその製造方法Info
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Description
却装置に関する。
ては、従来から水などの冷却媒体を用いて樹脂と熱交換
しており、金型コアの冷却方法としても各種の方法、装
置が知られている。小径の細長いコアピンの冷却には、
パイプによる噴流式の方法が従来より用いられていた。
この方法は、最も熱いゲート対応点を最初に冷却し、パ
イプ外周の平行流によつてコアの温度を均一にするもの
であるが、パイプに片偏りが生じパイプとコアとの間の
円筒状流路が不均一になり易いという問題点があり、ま
た横型の金型装置では重力の影響を受けて冷却水が均等
に流動しないという問題点があった。
示すようにパイプの外周にワイヤ3cを螺旋状に巻き付
け、パイプを冷却孔と同心に支持するとともにスパイラ
ル流路を形成させ流動を均等にするよう制御する方法が
従来より提案されている。
を設けた冷却筒体をコア冷却孔に嵌挿し、中央開孔より
冷却水を噴出させてゲート対応点を冷却し、次いでネジ
溝内を旋回流動させるようにしたネジ式のコア冷却方法
も従来から知られている。
付けパイプは、ワイヤを一定の間隔で正確に巻付け、冷
却孔に嵌挿することが困難であり、流路が均一にならな
いという問題点があった。 また、コアピンが小径の場
合には水垢が出来やすくなり、水垢がワイヤとパイプま
たはコア孔との間にたまり易く、しばしば掃除もしなけ
ればならなかった。 その際にワイヤがなかなか取れな
いという事態が発生し、ワイヤが変形するため、金型整
備時には再度の巻き直しが必要となるという問題点があ
った。
工を施すものであるから比較的大径のコアには採用でき
るが小径のものには適用が困難であり、さらに一重ネジ
であるので円周方向に冷却が均一でないという問題点が
あった。本発明は、これらの問題点を解決することを技
術的課題とし、噴流式冷却方法に用いられているパイプ
を改善してスパイラルパイプとし、それを利用した金型
冷却装置と冷却方法を提供すること、およびスパイラル
パイプを簡易に成形する製造装置と製造方法とを提供す
ることを目的とする。
解決するため、コア冷却用スパイラルパイプとして、コ
ア冷却用パイプにおいて、パイプ素材を圧縮型付けする
ことによって円筒周面と周面より突出する山形凸条が形
成されており、該山形凸条が二重スパイラル状になって
いることを特徴とする構成、或いは断面を菱形とした筒
体を一定の捩じれ角で二重スパイラル状に成形したこと
を特徴とする構成を採用する。
に、円筒周面に山形凸条を二重スパイラル状に形成した
コア冷却用スパイラルパイプを嵌挿し、パイプ内部から
冷却水を噴出させゲート対応点を冷却し、次いで冷却流
体を二分し二重スパイラル状流路により旋回流動させて
コアを冷却するようにした方法を採用し、冷却装置とし
て、パイプ素材を圧縮型付けすることによって円筒周面
と周面より突出する山形凸条が形成されており、該山形
凸条が二重スパイラル状になっていることを特徴とする
コア冷却用スパイラルパイプを金型コアの冷却孔内に嵌
挿したことを特徴とする構成を採用する。
所定の捩じれ角を有する型付け溝を設けた二つ割りダイ
スで、素材パイプの所定の箇所を上下から圧縮して型付
けし、前記捩じれ角を形成するための必要なリードで素
材パイプを回転させながら、送り方向に引き抜くことに
よって成形することを特徴とするスパイラルパイプの製
造方法を採用する。
された二っ割りダイスと、送り軸を備えた送り台と、該
送り台の端部に支持されたリード調整台と、前記リード
調整台に支持されたスクロールチャックとからなるスパ
イラルパイプの製造装置において、前記二つ割りダイス
が、所定の捩じれ角を有する型付け溝を設けた型付け面
を備え、前記リード調整台が、端部に前記スクロールチ
ャックを取着し内部にウォームホイールを取着した主軸
と、前記ウォームホイールと噛合うウォームを取着した
ウォーム軸と、該ウォーム軸と歯車機構により連係され
た伝動軸とを備え、前記送り台の送り軸と前記リード調
節台の伝動軸とを換歯車列により連係したことを特徴と
するスパイラルパイプの製造装置を採用する。また、上
記二つ割りダイスについて、型付け溝の所定範囲のダイ
ス対向面側に、圧縮型付けされる凸条がアンダーカット
とならないよう切欠き部を形成する。
状に形成し、冷却孔に嵌挿させたので、パイプが孔内で
確実に支持される。また凸条の間隔は一定であるから冷
却水流路が均一となり、山形凸条としたので冷却水が澱
みなく流動する。
嵌挿し、パイプ内部から冷却水を噴出させるようにした
から、従来のパイプ噴流式のものと同様に最も熱いゲー
ト対応点を最初に冷却し、次いで冷却水が2等分され二
重スパイラル状流路に沿って旋回するから冷却が円周方
向に均一になる。
二つ割りダイスで、素材パイプを圧縮して型付けし、必
要なリードで素材パイプを回転させながら、送り方向に
引抜くようにしたから、スパイラルパイプの製造が容易
にできるようになった。
説明する。まず始めにコア冷却装置について説明する。
図1において、1は射出成形金型の雄型で射出成形機の
ノズルに連なるゲート部1aを有する。2は金型の雄型
であり、コア2a,型板2c,受板2dとを有してい
る。前記コア2aの中心部には冷却孔2bが設けられ、
受板2dには冷却水の入口流路4a、型板2cには出口
流路4eが設けられている。
部3aとその周面に形成された2重スパイラル状の山形
凸条3bとからなっており、その外周の直径は、冷却孔
2b内に嵌挿されるよう所定の直径に形成されている。
前記スパイラルパイプ3の端部は前記受板2dに取着さ
れ、パイプの山形凸条が形成された部分は冷却孔2b内
に嵌挿、配設されている。前記受板2dに設けられた入
口流路4a、前記スパイラルパイプ3の内部流路4b、
ゲートに対向する冷却水噴出部4c、パイプと冷却孔2
dの内周面との間に形成されたスパイラル状流路4d、
型板2cに設けられた出口流路4eとからコアの冷却流
路が形成されており、冷却水は矢印に示す方向に流動す
る。
うに冷却水は、パイプの内部通路4bより噴出され、ま
ず最初にコアの最も熱いゲート対応点を冷却し、次いで
冷却水が2等分されてスパイラル状流路4dに沿って旋
回流動する。冷却水が二重スパイラル状の流路4dを旋
回流動することにより円周方向に均一に冷却することが
でき、又、流路が山形凸状によって形成されているので
冷却水が澱みなく流れることとなる。また、パイプの内
部流路4bの断面積は、流路4dの断面積と等しいか少
し大きめに形成されており、外周部の流速が速くなって
冷却効果がよくなる。
て説明する。図4の(a)には、断面菱形の筒状体6で
形成したスパイラルパイプが示されており、菱形筒体の
長く離れた側の対向する稜線は一定の捩じれ角を有する
スパイラル状に形成されている。また(b)には、断面
楕円の筒状体7で形成したスパイラルパイプが示されて
おり、長径側の対向面はスパイラル状に形成されてい
る。いずれも山形凸条3bを設けたスパイラルパイプ3
と同じく、冷却孔内に確実に保持されるとともに、2重
スパイラル状の流路が形成され、冷却水が均一に流れ前
記実施例のものと同じ目的、作用効果を達成することが
できる。
置について説明する。本発明の成形方法の基本的な特徴
は、所定の捩じれ角を有する型付け溝を設けた二つ割り
ダイスで、素材パイプの所定の箇所を上下から圧縮して
型付けし、前記捩じれ角を形成するための必要なリード
で素材パイプを回転させながら、送り方向に引き抜くこ
とによって成形することである。
詳しく説明する。図5に示されているよう、成形装置
は、機台10と、該機台に固定された保持台11にスク
ロールチャックを介して支持された二つ割りダイス20
と、前記機台に摺動自在に装着された送り台30と、該
送り台の端部に設けられたリード調節台40と、該リー
ド調節台に取着されたスクロールチャック50とからな
っている。
基台17を有する機柱16に固着されており、その上面
には、ダイス保持台11が固着されている。該保持台1
1の上方の支持枠12には、2方向スクロールチャック
13が取着されている。図において14は摺動溝、15
はハンドル挿入口であり、該チャック13の内部には渦
巻溝を設けた連動歯車が装着され、前記渦巻溝に係合し
て摺動溝14内を案内される部材が二つ割りダイス20
の上型21と下型22に固着されている(図示しな
い)。ハンドルをハンドル挿入口15に挿入し連動歯車
を回転させることによって、前記上型と下型は連動して
対向移動するようにしている。
上型21と下型22とからなり、それぞれの型には、一
体として鼓状を形成する型付け面23と、スパイラル状
の山形凸状を成形するための捩じれ角を有する型付け溝
24が形成されている。上型21には、ねじ21a、2
5aにより案内ピン25が取着され、下型22に設けた
案内孔22aに挿入されている。
に断面AAでは型付け面23の端面23aの直径は素材
パイプと同じであり、型付け溝24は水平になってい
る。断面BBでは、型付け溝24は断面AAから45度
捩じれて位置しており、その近傍では、型付け溝24の
ダイス対向面側には、型付けされる凸条がアンダーカッ
トとならないよう切欠き部27が形成されている。断面
CCでは、型付け面23cと型付け溝24は、成形され
るパイプと同形の形状、寸法になっており、型付け溝2
4は、断面AAから90度捩じれて位置し、型付け溝2
4の周と型付け面の周の全延長長さは、素材パイプの円
周長さに等しくされている。上記実施例では、捩じれ角
を90度としているが、90度未満でも捩じれ角通りに
スパイラルが形成でき、また断面AAまたはCCにおけ
る型付け溝24の傾斜角度も適宜に選択することもでき
る。
イラルパイプに対するダイスの形状について説明する。
図8は断面を菱形としたスパイラルパイプに対する型付
け面26を示すもので、(a),(b),(c)は、図
6の断面AA,BB,CCに相当する部分の形状を示し
ている。断面AA,BB,CCにおけるダイスの断面形
状は、基本的には相似形で順次に断面を縮小させるとと
もに、所定の捩じれ角を有して位置している。AA断面
では、素材パイプを包接するだけの大きさの型付け面2
6aが形成され、断面BBの近傍では、型付け面のダイ
ス対向面側には、筒状体の対向する稜線部がアンダ−カ
ットとならないよう切欠き部27が形成されている。断
面CCでは、最終に成形されるスパイラルパイプの断面
と同一の形状、寸法とした型付け面26cとしている。
断面を楕円形としたスパイラルパイプに対するダイスに
ついては、図示して説明しないが、型付け面の形状が変
わるだけで上記のものと同一である。
チャックで挟持し、次いで二つ割りダイスで上下より締
め付ける。その際、素材パイプは上下から押圧され、断
面AAでは素材パイプは変形を受けないが、断面BBの
近傍では凸条がアンダカット部とならないよう、型付け
溝24のダイス対向面側に切欠き部27が形成されてい
るので、断面BB、CCに行くにしたがって周面が圧縮
されるとともに型付け溝24に対応する部分は溝内に膨
出される。断面CCでは、切欠き部27がなく、素材パ
イプは最終の断面形状に圧縮され型付け成形される。
同じ捩じれを生じるようY方向に回転が加えられてX方
向に送られると(後で詳述する)、素材パイプの断面A
Aにある部分は、ダイスの断面BB、CCと移行し、周
面が圧縮されるとともに型付け溝に対応する部分が膨出
してスパイラルパイプが形成される。素材パイプの周面
の長さは成型後の周面の長さをほぼ等しくしているか
ら、パイプは上下のダイスによって圧縮され型付けされ
るだけで、引抜きにより絞り加工は受けない。したがっ
て成形が容易であってステンレスでも容易に加工できる
のである。
調節機構は、送り台とリード調節台、それらを連係する
換歯車列から構成される。送り台30は、機台上を摺動
自在に支持された送りテーブル31を備えており、送り
テーブル31の送り軸支持片32には送りネジを備えた
送り軸33が枢着されている。図8において、34は機
台のアリ溝に係合する案内、35は送りハンドルであ
る。送り軸33は、機台10に装着された雌ねじ(図示
はしない)と係合しており、送りハンドル35により回
転させることで送りテーブルを移動させることができ
る。前記送り軸33の先端にはブッシュ37を介して歯
車36aが取着されており、中間歯車36bを経てリー
ド調節台の伝動軸45に取着された歯車36cに回転を
伝動する。
40が取着されている。本発明のリード調整台は、割出
し台の技術を適用したもので、図8〜10を参照してそ
の構造を説明すると、41は回転主軸、42は回転主軸
に取着されたウォームホィール、43はウォーム、44
はウォーム軸、46aはウォーム軸に取着された傘歯
車、46bは中間軸47に取着された傘歯車、48a,
bは平歯車、45は伝動軸で、その端部は外部に突出
し、スィングアーム38と歯車を取着できるようにして
いる。傘歯車46aと46b、平歯車48aと48bは
いずれも同じもので、ウォーム軸44と伝動軸45は同
一の回転数で回転されている。
列を構成しており、リードの必要に応じて適当な歯数の
歯車が選択される。スパイラルパイプのリードは、金型
コアの大小、その長さによって異なるが、通常120m
mとしており、送り軸の送りねじのピッチは6mmであ
るから、この場合には送り軸33の回転に対して主軸4
1の回転を1/20に落とすことが必要になる。この場
合、送り軸とリード調節台の主軸との間で、平歯車列だ
けでは回転を落とすことは困難であり、ウォームとウォ
ームホィールとによる回転の調節が必要となるのであ
る。捩じれ角が小さい場合には、スクロールチャック5
0を自由に回転できるようにすると、パイプはダイス型
付け溝の捩じれ角によって回転され、換歯車は使用しな
くともよい。
すると、前記主軸41の突出端部には、素材パイプを取
り付けるための3方向スクロールチャック50が取着さ
れている。図において51は爪、52は摺動溝、53は
ハンドル挿入口である。該チャック50には、内部には
渦巻溝を設けた連動歯車が装着され、爪51はその裏面
に設けた渦巻歯が前記渦巻溝に係合して摺動溝52内を
案内される(図示しない)。ハンドルをハンドル挿入口
53に挿入し連動歯車を回転させると爪51を同一に移
動させることがでる。パイプ素材の取着にあたって、芯
金をパイプ内に挿入しチャックにより強固に挟持する。
に説明する。送り台30の送りハンドルで送り軸を回転
させると、送り台が移動し、同時に送り軸の一端に取着
された歯車が中間歯車を介してリード調節台の伝動軸に
取着された歯車に回転を伝え、リード調節台のウォーム
とウォームホィールとによって主軸が回転され、素材パ
イプがダイスに対して送りと同時に必要な回転が与えら
れるのである。
るが、モータを送り台に装着してモータによって送り軸
を回転させるようしても良く、また送りテーブルを固定
にして、ダイス保持台を移動させるようにしても良い。
ているので、以下に記載するような効果をもたらす。
二重スパイラル状に形成したスパイラルパイプを採用
し、冷却孔に嵌挿するようにしたから、パイプが孔内で
確実に支持され傾斜することがない。また、凸条の間隔
は一定であるから冷却水流路が均一となり、流路の断面
積が均一であり、冷却水が均一に流れる。凸状の形状を
山形凸条としたので冷却水が澱みなく流動するので、水
垢の付着が減少し、掃除の必要も少なくできる。
したから、従来のパイプ噴流式のものと同様に最も熱い
ゲート対応点を最初に冷却することができる。次いで冷
却流体を二等分し二重スパイラル状流路により旋回流動
させてコアを冷却するようにしたから、円周方向でも冷
却が均一で、コア全体として均等に冷却できる。
二つ割りダイスで、素材パイプを圧縮して型付けし、必
要なリードで素材パイプを回転させながら、送り方向に
引抜くようにしたから、スパイラルパイプの製造が容易
にできるようになった。
たリード調節台と換歯車列を用いたから、必要なリード
が換歯車を交換するだけで簡単に調節できる。
を示す説明図である。
る。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 コア冷却用パイプにおいて、パイプ素材
を圧縮型付けすることによって円筒周面と周面より突出
する山形凸条が形成されており、該山形凸条が二重スパ
イラル状になっていることを特徴とするコア冷却用スパ
イラルパイプ。 - 【請求項2】 断面を菱形とした筒体を一定の捩じれ角
で二重スパイラル状に成形したことを特徴とするコア冷
却用スパイラルパイプ。 - 【請求項3】 請求項1記載の冷却用スパイラルパイプ
を金型コアの冷却孔内に嵌挿したことを特徴とする射出
成形金型コア冷却装置。 - 【請求項4】 所定の捩じれ角を有する型付け溝を設け
た二つ割りダイスで、素材パイプの所定の箇所を上下か
ら圧縮して型付けし、前記捩じれ角を形成するための必
要なリードで素材パイプを回転させながら、送り方向に
引き抜くことによって成形することを特徴とするスパイ
ラルパイプの製造方法。 - 【請求項5】 機台の固定台に保持された二つ割りダイ
スと、送り軸を備えた送り台と、該送り台の端部に支持
されたリード調整台と、前記リード調整台に支持された
スクロールチャックとからなるスパイラルパイプの製造
装置において、 前記二つ割りダイスが、所定の捩じれ角を有する型付け
溝を設けた型付け面を備え、 前記リード調整台が、端部に前記スクロールチャックを
取着し内部にウォームホイールを取着した主軸と、前記
ウォームホイールと噛合うウォームを取着したウォーム
軸と、該ウォーム軸と歯車機構により連係された伝動軸
とを備え、 前記送り台の送り軸と前記リード調節台の伝動軸とを換
歯車列により連係したことを特徴とするスパイラルパイ
プの製造装置。 - 【請求項6】 型付け溝の所定範囲のダイス対向面側
に、圧縮型付けされる凸条がアンダーカットとならない
よう切欠き部を形成したことを特徴とする請求項4に記
載の製造方法に用いる二つ割りダイス。 - 【請求項7】 型付け溝の所定範囲のダイス対向面側
に、圧縮型付けされる凸条がアンダーカットとならない
よう切欠き部を形成したことを特徴とする請求項5に記
載の製造装置に用いる二つ割りダイス。
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