JP3344430B2 - 吸収式冷凍装置 - Google Patents

吸収式冷凍装置

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JP3344430B2 JP12162793A JP12162793A JP3344430B2 JP 3344430 B2 JP3344430 B2 JP 3344430B2 JP 12162793 A JP12162793 A JP 12162793A JP 12162793 A JP12162793 A JP 12162793A JP 3344430 B2 JP3344430 B2 JP 3344430B2
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武 新井
勝之 津野
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Tokyo Gas Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は再生器、吸収器、凝縮
器及び蒸発器等からなる吸収式冷凍装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、燃焼装置を熱源とする再生器,
吸収器,凝縮器,蒸発器,冷媒タンク,溶液タンク,熱
交換器等からなる吸収式冷凍装置において、従来の蒸発
器の構成は、例えば図4に示すように蒸発器aの底部b
は平坦面を呈し、該底部bに単に小径のパイプよりなる
冷媒戻し管cを接続し、該冷媒戻し管cの先端を冷媒タ
ンクdにした構造となっている。この場合、凝縮器から
給送の冷媒液は冷媒タンクdの下部に設けた冷媒ポンプ
eを経て蒸発器aの上部に配設の冷媒散布管fに送ら
れ、冷媒液の散布された時に生ずる気化潜熱をもって冷
却管の熱交換器(伝熱管)gを冷やすようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記冷媒タン
クdにあっては、高圧側となる凝縮器から給送の液冷媒
が低圧側となる該冷媒タンクdに流入したとき、液冷媒
は自己蒸発を起こすため、蒸気が冷媒タンクd内に生ず
る。従来、この冷媒蒸気に対する対策は施されていない
ため、蒸気は止むを得ず蒸発器aに溜まった冷媒を冷媒
タンクdへ戻すための冷媒戻し管cを経て上昇し蒸発器
aへ流れ込むようになる。即ち、蒸発器aで余った冷媒
を戻す冷媒戻し管cの流下に逆らって冷媒蒸気が吹き上
がると云うことは、冷媒の流れを阻害するものであり、
蒸発器aの底部に液溜まりを生ずるものとなりうる。そ
のため、蒸発器aに液が溜まり過ぎて蒸発器伝熱管で蒸
発しきれなくなり、冷房能力低下の原因となっている。
【0004】また、蒸発器自体の底部bも単なる平坦構
造であり、且つ飲み口hも小径であるため、薄幕が張っ
たりし冷媒散布管fから散布した冷媒が溜まってしま
い、この点からも冷凍サイクルの効率が低下するものと
なっていた。
【0005】本発明は上記実情に鑑み、冷媒タンクと蒸
発器の間に専用の蒸気供給管を設け、且つ蒸発器底を傾
斜底面とすることで、上記課題を解決する吸収式冷凍装
置を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、再生器と吸収
器と凝縮器と蒸発器と冷媒タンク等からなる吸収式冷凍
装置において、蒸発器本体の底部の少なくとも余剰冷媒
の溜まる基準水面より上部位置に、下方に配置する冷媒
タンクから突出させた蒸気供給管端を臨ませると共に、
蒸発器本体の底面を傾斜底面とし、且つこの傾斜末端に
冷媒タンクへつながる広飲み口をもつ冷媒戻し管を接続
してなるものである。
【0007】
【作用】上記のように、蒸発器は底部を傾斜底面としこ
の傾斜末端から冷媒タンクに導く冷媒戻し管を接続し、
また冷媒タンクの上部には別途に蒸発器底部に溜まる余
剰冷媒の基準水面より上方に先端が臨む蒸気供給管を突
設したことにより、冷媒タンクで発生した冷媒蒸気をこ
の専用路となる蒸気供給管を通って蒸発器へ直接導き得
るため、冷媒戻し管への流入はなく溶液流下に支障を来
さず、且つ蒸発器の傾斜底部に滴下した冷媒を傾斜末端
に集め、該傾斜末端に配管した冷媒戻し管で流下させる
ので、底部に液溜まりを招かない。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例の図面に基づいて説明
すれば、次の通りである。
【0009】図1は吸収式冷凍装置における蒸発器と冷
媒タンクの位置関係を示す説明図であり、1は上部に冷
媒散布管2とその下部に熱交換器となる冷水管用伝熱管
3を配設した蒸発器であり、該蒸発器1の底部1aを傾
斜底面4とし、且つこの傾斜底面4の傾斜末端に広飲み
口5をもつ冷媒戻し管6を接続し、該冷媒戻し管6の下
端を蒸発器1の下方に設置した冷媒タンク7の中間部に
連結する。また、この冷媒タンク7の上端部から上方へ
突設した蒸気供給管8の先端8aを、前記蒸発器1の底
部1aに溜まる余分な冷媒の基準水面Lより少なくとも
上位に臨むよう配設し、該蒸気供給管8を冷媒蒸気逃げ
手段としている。また、図3に示すように、冷媒タンク
7の下端に接続した冷媒配管9は冷媒ポンプ10を経て
前記蒸発器1の冷媒散布管2に連結し、冷媒液を蒸発器
1に給送するようにしている。この冷媒タンク7には、
図3に示す吸収式冷凍装置の概略図のように再生器11
に連通した凝縮器12で凝縮した液冷媒を冷媒配管13
をもって導くものである。また、蒸発器1で発生した冷
媒蒸気は、該蒸発器1に連通した吸収器14に流入さ
せ、前記再生器11から濃液配管15を経て導いた散布
の濃液で吸収し稀溶液として溶液タンク16に集め、こ
の稀溶液を溶液タンク16から溶液ポンプ17を経て稀
液配管18から再生器11に戻す循環路を構成してい
る。
【0010】次にこの作用を説明すると、再生器11と
凝縮器12と蒸発器1と吸収器14と冷媒タンク7等か
ら構成される吸収式冷凍サイクルの冷房運転に際し、先
ず再生器11の下部の燃焼装置19で加熱で溶液(稀溶
液)を沸騰させ濃液と冷媒蒸気に分ける。この冷媒蒸気
が凝縮器12へ流れて液冷媒となり、この液冷媒を冷媒
タンク7に一旦溜める。この冷媒液を冷媒ポンプ10の
働きで蒸発器1へ給送すれば、この冷媒液の気化潜熱に
て冷水を通すは流通する熱交換器の冷水管用伝熱管3を
冷やし、この冷水を室内機20へ導いて冷房を行なう。
【0011】この場合、蒸発器1にあっては、散布する
冷媒液の余った液は底部1aに溜まるようになるが、こ
の底部1aは傾斜底面4を呈するために片側へ寄った溜
まりとなり、この傾斜末端に臨む広飲み口5から流下し
冷媒戻し管6を経て冷媒タンク7へ回収される。即ち、
蒸発器1の底面が従来タイプの平坦底面構造と異なり傾
斜構造としてなるため、冷媒散布管2より滴下し冷媒が
必要以上に溜まることもなく速やかに余剰冷媒を冷媒タ
ンク7へ円滑に流すので冷凍サイクルの効率を高めるも
のである。
【0012】また、冷媒タンク7では、高圧側(凝縮器
側)から供給される液冷媒の流入に当たって自己蒸発を
起こし冷媒蒸気が発生するが、この冷媒タンク7の上部
に設け蒸気供給管8に流入し上方に位置する蒸発器1へ
直接抜けるものとなる。但し、この蒸気供給管8の上端
は蒸発器1内にあって、溜まる液面(基準水面L)より
上方へ臨ませてなるため、該蒸気供給管8から冷媒液が
流れ込まない。
【0013】
【発明の効果】上述のように、本発明の吸収式冷凍装置
は蒸発器が底部に傾斜を付けたことに冷媒の流れを良く
し、冷媒タンクへの冷媒供給を速やかにし、且つこの流
れ込み口(飲み口)を大径としてなるため、口縁に水幕
が生ずることなくこの点からも速やかに流下する。ま
た、冷媒タンクで発生する冷媒蒸気は蒸気供給管から直
接蒸発器へ導きし得、従来の如く冷媒戻し管に流れ込む
虞れが全く無く、この点からも蒸発器における余剰冷媒
の流下が速やかに行なえ、冷媒タンク以外に冷媒が溜ま
ることが少なくなり、冷媒充填量を減少させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す蒸発器と冷媒タンクの説
明図である。
【図2】同実機の要部を示す側面図である。
【図3】吸収式冷凍装置の概略図である。
【図4】従来の蒸発器と冷媒タンクの説明図である。
【符号の説明】
1 蒸発器 1a 底部 4 傾斜底面 5 広飲み口 6 冷媒戻し管 7 冷媒タンク 8 蒸気供給管 11 再生器 12 凝縮器 14 吸収器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 武 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 津野 勝之 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 高橋 敏輝 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−79966(JP,A) 特開 平1−306736(JP,A) 実開 平4−78477(JP,U) 実開 平3−67874(JP,U) 実開 昭60−178772(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 39/02 F25B 43/00 F24F 1/00 361

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生器と吸収器と凝縮器と蒸発器と冷媒
    タンク等からなる吸収式冷凍装置において、蒸発器本体
    の底部の少なくとも余剰冷媒の溜まる基準水面より上部
    位置に、下方に配置する冷媒タンクから突出させた蒸気
    供給管端を臨ませると共に、蒸発器本体の底面を傾斜底
    面とし、且つこの傾斜末端に冷媒タンクへつながる広飲
    み口をもつ冷媒戻し管を接続してなることを特徴とする
    吸収式冷凍装置。
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