JP3343992B2 - 保護継電器 - Google Patents

保護継電器

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JP3343992B2
JP3343992B2 JP12267993A JP12267993A JP3343992B2 JP 3343992 B2 JP3343992 B2 JP 3343992B2 JP 12267993 A JP12267993 A JP 12267993A JP 12267993 A JP12267993 A JP 12267993A JP 3343992 B2 JP3343992 B2 JP 3343992B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、保護継電器に関し、特
に定期点検等の特性試験の実施を容易にした保護継電器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の過電流保護継電器は、図3に示す
ような構成となっていた。同図において、1は保護継電
器により保護される保護電路、2は保護電路1に流れる
電流を検出する変流器である。
【0003】30は保護電路1の過電流を検出して保護
動作を指示する過電流保護継電器であり、変流器2から
の電流を検出する補助変流器31、補助変流器31の出
力を増幅する増幅回路32、増幅回路32からのアナロ
グ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路33、
A/D変換回路33からの出力に基づく所定演算の結果
に応じて予め設定された設定動作時間経過後に動作接点
35を動作させる制御回路34から構成されている。な
お、3は電流入力端子、4は動作出力端子である。
【0004】また図4は、定期点検等において過電流保
護継電器30の特性試験を実施する場合の接続図であ
る。同図において、40は過電流保護継電器30の特性
試験を実施するための試験装置であり、43は試験電流
の値を示す電流計、44は過電流保護継電器30の動作
時間を示すタイマ表示窓、45は試験電流を可変設定す
る試験電流可変ツマミ、46は試験開始を指示する試験
スタートスイッチである。
【0005】41は過電流保護継電器30へ出力する試
験電流出力端子、42は短絡信号に応じて内部タイマを
停止するタイマストップ端子であり、それぞれ過電流保
護継電器30の電流入力端子3および動作出力端子4に
接続されている。
【0006】次に、図4を参照して、過電流保護継電器
30の特性試験を実施する場合の動作について説明す
る。まず、試験装置40の電流可変ツマミ45を操作し
て、電流計43により所定のテスト電流値をセットとし
た後、過電流保護継電器30をスタンバイ状態に設定
し、試験スタートスイッチ46を押下する。これに応じ
て、試験装置40の試験電流出力端子41から所定の試
験電流が出力されるとともに、試験装置30内部のタイ
マがスタートし動作時間の計時が開始される。
【0007】過電流保護継電器30は、電流入力端子3
を介してこの試験電流を検出し、所定の動作時間経過
後、動作接点35を動作させ、動作出力端子4を介して
タイマストップ端子42を短絡する。これにより、試験
装置40の内部タイマが停止して、過電流保護継電器3
0の動作時間がタイマ表示窓に表示され、この値により
過電流保護継電器30の動作が正常であるか否か判断さ
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、このような従
来の過電流保護継電器では、試験装置から実際の動作電
流と同じ試験電流を出力する必要があり、試験電流が大
きくなるにつれて試験装置も大型化し、さらに試験電流
が大きく試験電流設定に時間がかかるような場合には、
装置自体または過電流保護継電器自体を破壊する危険性
があった。また、試験実施時に通常時の電流入力端子を
使用するため、電路が活線中は実施できないという問題
点があった。本発明はこのような課題を解決するための
ものであり、定期点検等における特性試験を容易に実施
できる過電流保護継電器を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による過電流保護継電器は、補助変流
器として、電路からの入力信号が入力される第1の1次
側巻線と、巻数が第1の1次側巻線のn倍(ただし、n
>1)であり試験信号が入力される第2の1次側巻線と
を有し、判断処理の試験を実施する場合には、第2の1
次側巻線に入力される試験信号に基づき判断処理を実施
するようにしたものである。
【0010】さらに、電路からの入力信号と試験信号の
いずれか一方を接続入力するとともに、他方を切り離す
信号入力切換手段を備え、この信号入力切換手段により
接続された信号に基づき判断処理を実施するようにした
ものである。
【0011】また、1次側巻線の巻数が補助変流器のそ
れと比較してn倍(ただし、n>1)であり試験信号を
所定の信号に変換する試験用補助変流器を備え、判断処
理の試験を実施する場合には、入力される試験信号に基
づき判断処理を実施するようにしたものである。
【0012】さらに、電路からの入力信号と試験信号の
うち大きい方を選択する最大値選択手段を備え、この最
大値選択手段からの出力信号に基づき判断処理を実施す
るようにしたものである。
【0013】
【作用】従って、特性試験を実施する場合には、補助変
流器の第2の1次側巻線に入力された試験信号が、電路
からの入力信号に比較してn倍の変流比で検出出力さ
れ、これに応じてA/D変換され所定演算の結果に基づ
き試験信号に対する保護動作要否の判断処理が実施され
る。さらに、通常は信号入力切換手段を電路側に切換え
ることにより、電路からの入力信号が接続されるととも
に試験信号が切り離され、特性試験を実施する場合には
試験信号側に切換えることにより、試験信号が接続され
るとともに電路からの入力信号が切り離され、接続され
た信号に基づき判断処理が実施される。
【0014】また、特性試験を実施する場合には、試験
用補助変流器の1次側巻線に入力された試験信号が、電
路からの入力信号に比較してn倍の変流比で検出出力さ
れ、これに応じてA/D変換され所定演算の結果に基づ
き試験信号に対する保護動作要否の判断処理が実施され
る。さらに、最大値選択手段により電路からの入力信号
と試験信号とのどちらか大きい方が自動的に選択出力さ
れ、この出力信号に基づき判断処理が実施される。
【0015】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図1は本発明の一実施例である過電流保護継電器の
ブロック図である。なお同図において、前述の説明(図
3)と同じまたは同等な部分には、同じ符号を付してあ
る。
【0016】図1において、10は過電流保護継電器で
あり、1次側巻線として保護電路用巻線および試験電流
用巻線が1:n(ただし、n>1)の割合で巻かれてい
る補助変流器11、補助変流器11への入力電流を切り
換える信号入力切換スイッチ16、試験電流入力端子5
から入力された試験電流を検出する試験電流検出センサ
17、増幅回路12、A/D変換回路13、制御回路1
4、動作接点15から構成されている。
【0017】信号入力切換スイッチ16は、電流入力端
子3から入力される保護電路1からの検出電流と、試験
電流入力端子5から入力される試験電流とのうち、どち
らか一方をそれぞれ専用の巻線により補助変流器11に
供給するものであり、一方の巻線に電流が供給されてい
る場合、他方の巻線には電流が供給されず開放(オープ
ン)状態となる。
【0018】次に、本発明の動作を図1を参照して説明
する。通常運転時において、電流切換スイッチ16は、
電流入力端子3側に切り換えられており、補助変流器1
1には保護電路1からの検出電流が供給され、これによ
り制御回路14は保護電路1の過電流を監視することに
なる。
【0019】一方、特性試験を実施する場合、まず、試
験装置40の試験電流出力端子41およびタイマストッ
プ端子42を、過電流保護継電器10の試験電流入力端
子5および動作出力端子4にそれぞれ接続しておき、信
号入力切換スイッチ16を試験電流入力端子5側に切り
換える。これにより、保護電路1側が切り離されるとと
もに、試験電流入力端子5側、すなわち試験装置出力が
補助変流器11に接続される。なお、この場合、変流器
2に接続されている電流入力端子3は、信号入力切換ス
イッチ16により短絡される。
【0020】次に、前述と同様に、試験装置40におい
て所定の試験電流を設定し、試験を開始する。ここで、
補助変流器11において、試験電流入力端子5側の巻線
数は、保護電路1側巻線のn倍としているため、補助変
流器11では通常の保護電路1からの検出電流の1/n
の試験電流で同等の出力が得られる。従って、試験装置
40に設定される試験電流値は、通常動作時の1/nの
電流値でよい。
【0021】試験開始に応じて、試験装置40から試験
電流が供給され、これが補助変流器11で検出され、増
幅回路12およびA/D変換回路13を介して制御回路
14に入力される。この入力信号に応じた演算処理結果
に基づき、制御回路14は動作接点15を動作させ、こ
れにより試験装置40の内部タイマがストップして、過
電流保護継電器10の動作時間が測定され、異常の有無
が判断される。
【0022】一方、試験装置40から出力された試験電
流は、試験電流検出センサ17により検出されて制御回
路14に入力される。これにより、制御回路14が試験
中であることを認識して、保護電路1を保護するために
設けられた遮断器(図示せず)の遮断動作を禁止(トリ
ップロック)し、あるいは自己が試験動作中であること
を表示出力する。
【0023】なお、試験電流検出センサ17の代わり
に、信号入力切換スイッチの動作位置を制御回路14で
検出し、この動作位置が試験電流入力端子5側である場
合に、制御回路14が試験中であると認識して、遮断器
の遮断動作を禁止し、あるいは試験動作中を表示出力す
るようにしてもよい。
【0024】また、特性試験を実施する場合、過電流保
護継電器10と変流器2との引外しを実施し、電流入力
端子3側の巻線を開放(オープン)状態とする場合に
は、信号入力切換スイッチ16は不要となる。
【0025】次に、本発明の第2の実施例について、図
面を参照して説明する。図2は過電流保護継電器のブロ
ック図であり、前述の説明(図1)と同じまたは同等部
分には同じ符号を付してある。
【0026】図2において、20は過電流保護継電器で
あり、21は保護電路1からの検出電流を検出する補助
変流器、22は試験電流を検出する試験用補助変流器、
23は補助変流器21および試験用補助変流器22から
の電流を比較しどちらか大きい方の信号を出力する最大
値回路である。
【0027】次に、本発明の動作を図2を参照して説明
する。通常運転時において、補助変流器21を介して保
護電路1からの検出電流が供給されており、試験電流入
力端子5から試験電流が入力されず試験用補助変流器2
2の出力がないため、最大値回路23は補助変流器21
からの信号を出力することになり、これにより制御回路
14は保護電路1の過電流を監視することになる。
【0028】一方、特性試験を実施する場合、試験装置
40の試験電流出力端子41が過電流保護継電器20の
試験電流入力端子5に接続され、試験開始に応じて試験
電流が入力される。ここで、過電流保護継電器20の応
動を試験するような試験電流は、正常時の保護電路1か
らの入力電流より大きいため、試験電流の出力開始に応
じて最大値回路23は自動的に切り換えられ、試験電流
を出力する。
【0029】これにより、前述と同様に制御回路14の
指示に応じて動作接点15が動作し、試験回路40によ
り動作時間が計測され、異常の有無が判断される。
【0030】なお、以上の実施例において、過電流保護
継電器の場合について説明したが、これらの各変流器の
代わりに変圧器を有し、過電圧検出に応じて保護動作を
指示する過電圧保護継電器においても、試験電圧側の変
圧比を大きく設定することにより、前述と同様に実施す
ることが可能である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、電路か
らの入力信号に比較してn倍(n>1)の変流比となる
ように、補助変流器に第2の1次側巻線を設け、あるい
は補助変流器とは異なる試験用補助変流器を設けて、特
性試験を実施する場合には、これにより試験信号を検出
するようにしたので、実際の電流値の1/nの試験電流
で試験を実施することができるという効果を奏するもの
である。
【0032】また、信号入力切換手段あるいは最大値選
択手段を設けて、特性試験を実施する場合には、試験信
号入力側に切換え、あるいは電路からの入力信号より大
きくなるような試験信号を入力することにより、保護継
電器を電路から引外すことなく、オンライン試験を実施
することができるという格別な効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による過電流保護継電器のブ
ロック図である。
【図2】本発明の第2の実施例による過電流保護継電器
のブロック図である。
【図3】従来の過電流保護継電器のブロック図である。
【図4】従来の特性試験の方法を示す接続図である。
【符号の説明】
1 保護電路 2 変流器 3 電流入力端子 4 動作出力端子 5 試験電流入力端子 10 過電流保護継電器 11 補助変流器 12 増幅回路 13 A/D変換回路 14 制御回路 15 動作接点 16 信号入力切換スイッチ 17 試験電流検出センサ 21 補助変流器 22 試験用補助変流器 23 最大値回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−120945(JP,A) 特開 平2−74121(JP,A) 特開 平3−3612(JP,A) 特開 平4−342917(JP,A) 特開 平4−359619(JP,A) 特開 平5−81998(JP,A) 特開 平5−344638(JP,A) 特開 平6−11550(JP,A) 特開 平6−284551(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01H 73/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電路からの入力信号を補助変流器で所定
    信号に変換し、これをA/D変換し所定演算した結果に
    基づき前記電路に対する保護動作要否の判断処理を行う
    保護継電器において、 前記補助変流器は、前記電路からの入力信号が入力され
    る第1の1次側巻線と、巻数が前記第1の1次側巻線の
    n倍(ただし、n>1)であり試験信号が入力される第
    2の1次側巻線とを有し、前記判断処理の試験を実施す
    る場合には、前記第2の1次側巻線に入力される前記試
    験信号に基づき前記判断処理を実施するようにしたこと
    を特徴とする保護継電器。
  2. 【請求項2】 請求項1の保護継電器において、 前記電路からの入力信号と前記試験信号のいずれか一方
    を接続入力するとともに、他方を切り離す信号入力切換
    手段を備え、この信号入力切換手段により接続された信
    号に基づき前記判断処理を実施するようにしたことを特
    徴とする保護継電器。
  3. 【請求項3】 電路からの入力信号を補助変流器で所定
    信号に変換し、これをA/D変換し所定演算した結果に
    基づき前記電路に対する保護動作要否の判断処理を行う
    保護継電器において、 1次側巻線の巻数が前記補助変流器のそれと比較してn
    倍(ただし、n>1)であり試験信号を所定の信号に変
    換する試験用補助変流器を備え、前記判断処理の試験を
    実施する場合には、入力される前記試験信号に基づき前
    記判断処理を実施するようにしたことを特徴とする保護
    継電器。
  4. 【請求項4】 請求項3の保護継電器において、 前記電路からの入力信号と前記試験信号のうち大きい方
    を選択する最大値選択手段を備え、この最大値選択手段
    からの出力信号に基づき前記判断処理を実施するように
    したことを特徴とする保護継電器。
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