JP3343408B2 - 円偏波アンテナ - Google Patents
円偏波アンテナInfo
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Description
り、特に、直線偏波を円偏波に変換する偏波変換器を備
えた円偏波アンテナの性能向上に関する。
ンテナを構成する方法として、直線偏波・円偏波変換器
(単に、「円偏波発生器」あるいは「偏波変換器」とも
称する)を利用することが、一般的に行われている。
例えば、平行平板、ミアンダ線路を使用したもの等、多
種多様なものがある。
は、広い周波数帯域に渡って、良好な偏波変換特性(す
なわち、良好な円偏波を発生させる機能)を有している
ため、実用に供せられることが非常に多い。
換器の1例を示す。
数のミアンダ線路1を配列して構成した薄い誘電体シー
トBを、スペーサCを介して、適当な間隔を設けて重ね
る層構造を有して構成されている。
ンダ線路1が配列され、ミアンダ線路の軸Y(以下、
「線路軸」と称する)を、入射する直線偏波電界Ein
cに対して、ξなる角度を有するようにする。
うにしていたため、Eincは、同位相かつ同振幅を有
する直線偏波、すなわち、Y軸成分Eyと、これに直交
するX軸成分Exの2つの同振幅の直線偏波に分解さ
れ、偏波変換器内を伝搬する。
作用により、異なった位相差が発生し、変換器を伝搬し
終えたときに、「90°」の位相が発生する様に、ミア
ンダ線路1の寸法、および、スペーサCの厚さを調整し
ておくと、放射電界は良好な円偏波となる。
アンテナ開口面における、直交する2つの直線偏波が同
振幅を有し、かつ、90°の位相差を有することであ
り、この条件を、以下「条件1」と称することにする。
換器Dを使用した円偏波アンテナの1例であり、Fは、
スロットアレー導波管アンテナ、Gは、金属フレア、H
は、垂直偏波抑圧格子である。
は、金属フレアGの開口面前方に配置されるのが一般的
である。また、その他のアンテナ、例えば、ホーンアン
テナ、コーナーリフレクタアンテナ等の電波収束機能を
有する開口面アンテナに応用する場合にも、偏波変換器
は、同様に、アンテナ開口面前方に配置される。
来技術の様に、偏波変換器をアンテナ開口面前方に配置
した構造では、偏波変換器の大きさが、開口面とほぼ同
じか、それ以上の大きさとなり、製造コストの上昇やア
ンテナの大型化を招く等の問題があった。
を金属フレアやホーンアンテナの内部に配置すると、図
3に示すように金属フレア内部の寸法W1、W2が異な
るために、発生する電磁界E1、E2に波長差が生じるた
め放射電波が良好な円偏波にならないという問題が発生
する。
偏波変換器Dの小型化を図るとともに、金属フレアGの
影響を考慮して、ミアンダ線路偏波変換器Dを製造する
ため、製造コストの上昇の阻止や、放射電波が円偏波に
ならないという従来の欠点を改善することである。
め、以下の手段が考えられる。
ンテナと、該直線状アレイアンテナから放射された直線
偏波の垂直偏波成分を抑圧する垂直偏波抑圧格子と、ア
ンテナ軸に直交する断面のビームを絞るために、前記直
線状アレイアンテナおよび垂直偏波抑圧格子を覆うよう
に設けられ、その一部に開口を有する金属フレアと、ミ
アンダ型直線偏波・円偏波変換器を具備した構成にす
る。
レア内を、金属フレアの開口面まで伝搬するときにうけ
る水平偏波および垂直偏波間の位相差をζとし、前記変
換器を構成するミアンダ線路の伸びる方向および前記金
属フレアの長手方向のなす角度をξとして、次式
数単位、x、yを実数として、∠は、∠(x+jy)=
invtan(y/x)なる角度を示す。ここで、in
vtanは、逆正接関数を表す)の示す値が90°とな
る条件を満たすように、角度ξを設定し、かつ、前記変
換器を前記金属フレア内の所定位置に設けた構成にす
る。
射する直線状アレイアンテナと、該直線状アレイアンテ
ナから放射された直線偏波の垂直偏波成分を抑圧する垂
直偏波抑圧格子と、アンテナ軸に直交する断面のビーム
を絞るために、前記直線状アレイアンテナおよび垂直偏
波抑圧格子を覆うように設けられ、その一部に開口を有
する金属フレアと、ミアンダ線路型偏波変換器を具備す
る円偏波アンテナに、前記ミアンダ線路型偏波変換器を
前記金属フレア内に挿入し、装着する。
ダ線路の伸びる方向および前記金属フレアの長手方向の
なす角度をξを、前記「条件1」を満足するようにす
る。
る電界は、この時点では円偏波とはならない。また、前
記偏波変換器から放射した電磁波が、前記金属フレア内
を伝搬し、さらに、アンテナ開口面に到達したとき、良
好な円偏波となる。
の厚さを調整して、偏波変換器Dの有する位相特性を変
更して、より良好な円偏波を発生させる円偏波アンテナ
を構成するのも好ましい。
するとともに、金属フレアGの影響を考慮して、偏波変
換器Dを設計するため、偏波変換器を装着した円偏波ア
ンテナであっても、変換器自体の小型化を図ることがで
き、その結果、製造コストの大幅な低減も図れる。
する。
第一実施例である円偏波アンテナの断面図、正面図であ
り、Fは、スロットアレー導波管アンテナ、Hは、垂直
偏波抑圧格子、Gは、金属フレア、Dは、ミアンダ線路
型偏波変換器である。
波変換器Dは、金属フレアGの内部に設けられた垂直偏
波抑圧格子Hに、隙間を空けないように密着して配置す
る。
抑圧格子Hを通過した直線偏波電界Eincの有する偏
波面と、ミアンダ線路軸Yとのなす角度をξとする。
で円偏波が発生する、すなわち、前記角度ξが、前記
「条件1」を満足するように設定されている。
すように、ミアンダ線路を配置、製造すれば、このこと
は実現しうる。
に、上記のように角度ξを設定することに加えて、「条
件1」をさらに厳密に実現すべく、ミアンダ線路1の幅
等の寸法、スペーサーCの厚さ等を調整し、設定した偏
波変換器Dを金属フレア内に配置するのが好ましい。
路型偏波変換器によって発生する水平偏波および垂直偏
波間の位相差をφとして、次式
数単位、x、yを実数として、∠は、∠(x+jy)=
invtan(y/x)なる角度を示す。ここで、in
vtanは、逆正接関数を表す)の示す値が90°とな
るようにすればよい。
らに詳しく説明する。
り発生した、直交する2つの直線偏波の電界ベクトル
の、金属フレアGに入射する時点(ミアンダ線路型偏波
変換器D通過直後)での、状態を示す図である。
し、Y軸に直交するミアンダ線路の格子方向にX軸をと
る。また、金属フレアGの長手方向とこれに直交する方
向を、それぞれU軸、V軸とする。
今、入射する直線偏波の入射電界ベクトルEincがU軸
上に存在すると考える。
Dに入射する時点で、X、Y軸上において直交する2つ
の直線偏波Ex、Eyに分離して考えると、各々、
ダ線路型偏波変換器D内を伝搬して行くにつれ、その位
相だけが徐々に変化し、ミアンダ線路型偏波変換器Dを
通過し終え、金属フレアGに入射する時点で、両者には
変換器の特性によって、ある位相差が生じることにな
る。
トルEx、Eyを、それぞれExd、Eydとすると、U
軸、V軸方向における電界成分Eu、Evは、図6を参照
して座標系の回転公式より、それぞれ次式で表される。
Exd/EydをE、Eydの位相を基準とした時のExd
の相対位相をφとした場合、
d、Ev/Eydをそれぞれ、Eu/Eyd、Evとして
いる。また、以下「e」は、自然対数の底のべき乗を、
「j」は、虚数単位を表すこととする。
アGの開口面までの距離をbとし、この間に発生する二
つの直線偏波の位相変化量を、それぞれkub、kvbとす
る。
電界成分を、それぞれEua、Evaとすると、
Dの損失を無視してEを計算すると、
と、
標系U、V、Zに基づく断面図を使用して計算する。
充分長いため、電界Evの伝搬位相kvbは、長さbの自
由空間を伝搬した時の位相変化量に等しい。
と、
内の電界Euは、導波管と同じ様な境界条件(電界の接
線成分が「0」である)を科すことになるので、金属フ
レア開口面から距離zにおける、金属フレア内の波長を
λgとすると、zの位置における位相定数βvは、
アの幅をaとすると、境界条件より、
参照)で表現すると、次式となる。
定数であり、zによって変化する値である。したがっ
て、金属フレアGの開口面からミアンダ線路型偏波変換
器Dの出力面までの距離をbとすると、電界が距離bを
伝搬する間の位相変化量kubは、
ないため、例えば、台形公式等を利用した数値積分演算
を行って求めれば良い。
に設定して、電界の伝搬による位相の変化量を計算す
る。
すると、 kvb=853.2(°) kub=823.1(°) となり、電界Eu、Evの間で生じる位相差ξ(「kvb−
kub」)は、約30°となる。
特性を有する変換器を、フレア内に設置するだけでは、
上記位相差の影響によって、フレアから外部に向けて放
射される電界の軸比は劣化する。
軸に沿った電界に対する、V軸に沿った電界の相対的な
位相ξを30°とし、ミアンダ線路型偏波変換器Dによ
って生じる電界Exの、Eyに対する相対位相φを90
°として、式6から、金属フレアGの開口面における放
射電界の軸比を計算してみる。
横軸は金属フレアの長手方向を示すU軸と、ミアンダ線
路型偏波変換器の、y軸(図6参照)とのなす角ξであ
る。
約35°に設定して、ミアンダ線路型偏波変換器Dを金
属フレアG内部に置けば、放射電波の軸比は、角度δを
「45°」にした場合の4.8(dB)から1.9(d
B)へと改善される。
変数をパラメータとした場合の、軸比の値の変化の様子
を示しており、金属フレア内で発生する位相差ξは、3
0°として計算した。
とにより、放射電界の軸比を1.0(dB)以下にでき
ることが分かる。
の時、軸比0.13(dB)が実現可能であることがわか
った。
レア、ホーンアンテナ等に対して行い、適切な偏波変換
位相特性を有する変換器を、適切な設置傾き角(例え
ば、図5に示す、角度ξ)を有した状態で、金属フレア
内の適切な位置に設けることにより、良好な特性を有す
る円偏波アンテナを、安価に実現することが可能であ
る。 なおい、ここでは偏波変換器として、主としてミ
アンダ線路型偏波変換器を例にとり説明してきたが、も
ちろん、ミアンダ線路型偏波変換器に限られないことは
言うまでもなく、例えば、平行平板型偏波変換器等の他
の偏波変換器を使用しても良い。
ミアンダ線路型偏波変換器を採用し、該変換器を、垂直
偏波抑圧格子と、隙間を設けずに密着させて設置した構
成としたが、図9に示す第2実施例のように、ミアンダ
線路型偏波変換器Dを、垂直偏波抑圧格子Hと金属フレ
アGの開口面の間の任意の位置に置いても良い。もちろ
ん前述の条件を満たしていることが前提となることは言
うまでもない。
に、ミアンダ線路型偏波変換器の替わりに、金属平板を
平行に配置して構成した、平行平板型偏波変換器Iを使
用した実施例も考えられ、使用する偏波変換器は、前述
のようなミアンダ線路型偏波変換器に限られないことは
いうまでもない。なお、図10に示す実施例の場合、ミ
アンダ線路型偏波変換器における線路軸YとX軸は、そ
れぞれ、平行平板型偏波変換器を構成する平板の接戦方
向軸Y’、法線方向軸X’に対応して考えれば、上記の
説明がそのままあてはまる。
の開口面の存在する位置に偏波変換器を取り付ける等の
従来技術に替えて、条件1を満足するようにして、アン
テナ内部の所定位置に、偏波変換器を設定し配置すれ
ば、小型かつ安価な円偏波アンテナを実現できる。本発
明によれば、簡単な構造で、良好な円偏波を放射し、か
つ、偏波変換器自体の小型化が可能になる効果がある。
であり、良好な円偏波を放射する円偏波アンテナを実現
できる。
る。
の説明図である。
との説明図である。
の説明図である。
る。
の関係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】直線偏波を放射する直線状アレイアンテナ
と、該直線状アレイアンテナから放射された直線偏波の
垂直偏波成分を抑圧する垂直偏波抑圧格子と、アンテナ
軸に直交する断面のビームを絞るために、前記直線状ア
レイアンテナおよび垂直偏波抑圧格子を覆うように設け
られ、その一部に開口を有する金属フレアと、ミアンダ
型直線偏波・円偏波変換器を具備し、 前記変換器を通過した電界が、前記金属フレア内を、金
属フレアの開口面まで伝搬するときにうける水平偏波お
よび垂直偏波間の位相差をζとし、前記変換器を構成す
るミアンダ線路の伸びる方向および前記金属フレアの長
手方向のなす角度をξとして、次式 【数1】 ∠((jtan(ξ)sin(ξ)+cos(ξ))exp(jζ))−∠( −jtan(ξ)cos(ξ)+sin(ξ)) (ただし、expは、自然対数の底のべき乗、jは、虚
数単位、x、yを実数として、∠は、∠(x+jy)=
invtan(y/x)なる角度を示す。ここで、in
vtanは、逆正接関数を表す)の示す値が90°とな
る条件を満たすように、角度ξを設定し、かつ、前記変
換器を前記金属フレア内の所定位置に設けたことを特徴
とする円偏波アンテナ。 - 【請求項2】請求項1において、さらに、ミアンダ線路
およびスペーサーを有して構成される前記変換器によっ
て発生する水平偏波および垂直偏波間の位相差をφとし
て、次式 【数2】 ∠((exp(jφ)tan(ξ)sin(ξ)+cos(ξ))exp(j ζ))−∠(exp(−jφ)tan(ξ)cos(ξ)+sin(ξ)) (ただし、expは、自然対数の底のべき乗、jは、虚
数単位、x、yを実数として、∠は、∠(x+jy)=
invtan(y/x)なる角度を示す。ここで、in
vtanは、逆正接関数を表す)の示す値が90°とな
るように、ミアンダ線路幅を含むミアンダ線路寸法、お
よび、スペーサー幅を設定したことを特徴とする円偏波
アンテナ。
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JP20946993A JP3343408B2 (ja) | 1993-08-24 | 1993-08-24 | 円偏波アンテナ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20946993A JP3343408B2 (ja) | 1993-08-24 | 1993-08-24 | 円偏波アンテナ |
Publications (2)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20946993A Expired - Fee Related JP3343408B2 (ja) | 1993-08-24 | 1993-08-24 | 円偏波アンテナ |
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JP (1) | JP3343408B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018007212A1 (de) * | 2016-07-08 | 2018-01-11 | Lisa Dräxlmaier GmbH | Steuerbares phasenstellglied für elektromagnetische wellen |
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---|---|---|---|---|
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-
1993
- 1993-08-24 JP JP20946993A patent/JP3343408B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018007212A1 (de) * | 2016-07-08 | 2018-01-11 | Lisa Dräxlmaier GmbH | Steuerbares phasenstellglied für elektromagnetische wellen |
IL264101A (en) * | 2016-07-08 | 2019-01-31 | Draexlmaier Lisa Gmbh | Controllable phase control component for electromagnetic waves |
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