JP3342832B2 - 塗料組成物及びハイソリッド塗料 - Google Patents

塗料組成物及びハイソリッド塗料

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JP3342832B2
JP3342832B2 JP10656098A JP10656098A JP3342832B2 JP 3342832 B2 JP3342832 B2 JP 3342832B2 JP 10656098 A JP10656098 A JP 10656098A JP 10656098 A JP10656098 A JP 10656098A JP 3342832 B2 JP3342832 B2 JP 3342832B2
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孝生 岡田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、自動車用ト
ップコートとしてベースコート上にウェットオンウェッ
トで塗装するのに適した、良好な塗料組成物、及びハイ
ソリッド塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用のトップコートとして、従来
は、アミノプラスト硬化のアクリルポリオールからなる
塗料組成物が広く用いられてきた。しかし、近年酸性雨
による雨ジミが欠陥として指摘され、耐酸性を備えたト
ップコートが実用化されて、これに置き換わりつつあ
る。
【0003】また、環境保護の観点から、総使用溶剤量
を削減できるハイソリッド塗料を開発することが望まれ
ている。
【0004】耐酸性トップコートとしてはエポキシ基と
カルボキシル基の付加反応を用いた架橋形態のものを中
心に種々の組成物が提唱されているけれども、高外観、
硬度、貯蔵安定性、耐酸性等の性能を満足するハイソリ
ッド型トップコートは存在しなかった。
【0005】例えば、特開昭62−87288にはポリ
エポキシドと多酸硬化剤からなる組成物を用いた方法が
提示されている。例えば、エポキシ含有アクリルポリマ
ーと、ヘキサンジオールとメチルヘキサヒドロフタル酸
無水物の反応で合成される多酸硬化剤とからなる例で
は、ハイソリッド化は可能であるけれども、架橋密度が
不十分であるため十分な耐酸性を得ることは困難であ
る。さらに、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を併用
する例が示されているが、この組成物は湿気に敏感で取
り扱いに注意を要するだけでなく、貯蔵安定性に劣って
いる。
【0006】また、特開平1−165670には、低分
子量ポリエポキシド、エポキシ基含有アクリルポリマー
と脂肪族ジカルボン酸とポリオールからなるジエステル
ポリオールに環状酸無水物を反応させて合成された多酸
硬化剤とからなる組成物が提示されている。しかし、十
分な塗膜性能を発揮するためには、実施例に示されてい
るようにアミン触媒を併用しなければならず、その結
果、貯蔵安定性が不十分となる。一方、触媒なしでは硬
度、耐酸性、耐溶剤性が不足し、高外観、貯蔵安定性、
耐酸性等の性能を満足するハイソリッド型トップコート
とはなりえない。
【0007】特表平6−504314には、ポリエポキ
シドと多酸硬化剤からなり、塩基性触媒を含まない、貯
蔵安定性の良好な耐腐食性コーティング剤が提示されて
いる。しかし、ここに例示されるような単純なポリオー
ルと酸無水物からなる多酸硬化剤の場合、十分な硬度、
耐酸性、耐溶剤性が得られる組み合わせではハイソリッ
ド型の塗料とはなりえない。例えば、ネオペンチルグリ
コールとメチルヘキサヒドロフタル酸無水物からなる多
酸硬化剤を用いれば、ハイソリッド化を達成しうる可能
性はあるものの、架橋密度が十分でないために十分な耐
酸性、耐溶剤性を得ることはできない。
【0008】このように、これまで提唱されてきたよう
な形態の塗料では、高外観、硬度、耐酸性、貯蔵安定性
の全てを損なうことなくハイソリッド化を達成すること
は困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、高
外観、硬度、耐酸性、貯蔵安定性の全ての性能を満足す
ることのできる自動車用トップコートに有用な塗料組成
物、及びハイソリッド塗料を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定のエポキシ基
含有アクリルポリマーと、特定の多官能カルボン酸とを
組み合わせることによって、上述した課題を解決できる
ことを見いだし、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明は、エポキシ当量が25
0〜500の範囲であり、重量平均分子量が2000〜
5000の範囲であり、ポリマーTgが10〜50℃の範
囲にあるエポキシ基含有アクリルポリマー(A)、1分
子あたり平均で3以上のカルボキシル基を有し、のカ
ルボキシル基に対して同一分子内で少なくとも15以
上の原子を挟んだ位置に別のカルボキシル基が存在し、
酸価が150〜250mgKOH /gの範囲にあり、3官能
以上のポリオールと酸無水物との反応によって合成され
たものである多官能カルボン酸(B)、および触媒
(C)を含む、塗料組成物、及び、この塗料組成物を含
有し、固形分が60重量%以上であることを特徴とす
る、ハイソリッド塗料に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】(A)成分は、エポキシ当量が2
50〜500の範囲であり、重量平均分子量が2000
〜5000の範囲であり、ポリマーTgが10〜50℃の
範囲にあるエポキシ基含有アクリルポリマーである。
【0013】(A)成分のエポキシ基含有アクリルポリ
マーのエポキシ当量は、250〜500の範囲である必
要がある。これは、エポキシ当量を250以上とするこ
とによって貯蔵安定性が良好となる傾向にあり、エポキ
シ当量を500以下とすることによって硬化した塗膜の
架橋密度が充分なものとなり、硬度、耐酸性、耐溶剤性
が良好となる傾向にあるためである。このエポキシ当量
は、好ましくは300〜450の範囲である。
【0014】(A)成分のエポキシ基含有アクリルポリ
マーの重量平均分子量は、2000〜5000の範囲で
ある必要がある。これは、重量平均分子量を2000以
上とすることによって、塗膜の耐酸性、耐溶剤性が良好
となる傾向にあり、重量平均分子量を5000以下とす
ることによって、塗料の固形分を高めることができる傾
向にあるためである。この重量平均分子量は、好ましく
は2500〜4000の範囲である。
【0015】(A)成分のエポキシ基含有アクリルポリ
マーのポリマーTgは、10℃〜50℃の範囲にある必要
がある。これは、ポリマーTgを10℃以上とすることに
よって、塗膜の硬度、耐酸性が良好となる傾向にあり、
ポリマーTgを50℃以下とすることによって、塗料の固
形分を高めることができる傾向にあるためである。
【0016】(A)成分のエポキシ基含有アクリルポリ
マーは、グリシジル基を有するエチレン性不飽和モノマ
ー、シクロヘキセンオキサイド基を有するエチレン性不
飽和モノマーの少なくともいずれか一方と、少なくとも
1種の他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとを
共重合することによって得ることができる。グリシジル
基を有するエチレン性不飽和モノマーの具体例としては
グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルメタクリ
レート、グリシジルアクリレート、グリシジルアリルエ
ーテル等が挙げることができ、シクロヘキセンオキサイ
ド基を有するエチレン性不飽和モノマーの具体例として
はオキソシクロヘキシルメチルメタクリレート、オキソ
シクロヘキシルメチルアクリレート等を挙げることがで
きる。
【0017】他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマ
ーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アク
リレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブ
チル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリ
レート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、炭素数8〜22の直鎖
脂肪族のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリ
レート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジ
シクロペンテニル(メタ)アクリレート、アダマンチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレートのγ−カプロラクトン付
加物、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロ
ニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メ
タ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−
メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシ
メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリ
ルアミド、スチレン、α−メチルスチレン等を挙げるこ
とができる。
【0018】本発明により得られる塗膜の耐酸性のレベ
ルをさらに向上させるためには、エポキシ基含有アクリ
ルポリマー(A)はヒドロキシル基を持たないのが好ま
しいが、本発明の効果を損なわない範囲でヒドロキシル
基を導入することができる。
【0019】通常、自動車用トップコートとしてベース
コート上にウェットオンウェットで塗装する塗料には、
付着性の改良、ノンサンドリコート性の改良等の目的で
ヒドロキシル基を有するポリマーを配合することが多い
が、本発明塗料においては、その硬化反応の過程におい
てエポキシ基とカルボキシル基の反応でヒドロキシル基
が発生するため、あえてヒドロキシル基を有するポリマ
ーを配合しなくても十分な付着性とノンサンドリコート
性を得ることができる。
【0020】本発明の組成物において、低粘度化と高反
応性をさらに高いレベルでバランスさせるためには、エ
ポキシ基含有アクリルポリマー(A)がアルコキシシリ
ル基を有することが好ましい。
【0021】エポキシ基含有アクリルポリマー(A)中
にアルコキシシリル基を導入する方法としては、アルコ
キシシリル基を有するエチレン性不飽和モノマーを共重
合する方法や、アルコキシシリル基とメルカプト基を持
つ化合物を連鎖移動剤として用いる方法等を挙げること
ができる。アルコキシシリル基を有するエチレン性不飽
和モノマーの具体例としては、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリエトキシシラン等が挙げられ、アルコキシシリル基
とメルカプト基を持つ化合物の具体例としては、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン等を挙げることが
できる。
【0022】アクリルポリマー(A)の製造方法として
は、溶液重合法が良好である。キシレン、トルエン等の
芳香族炭化水素類、イソブタノール、n−ブタノール等
のアルコール類、酢酸ブチル等のエステル類、メチルア
ミルケトン等のケトン類、セロソルブ、ブチルセロソル
ブ、セロソルブアセテート等のエーテル類等の有機溶剤
中で、N,N−アゾビスジイソブチロニトリル等のアゾ
化合物、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物等
のラジカル重合開始剤、n−ドデシルメルカプタン等の
連鎖移動剤等を用いて、前述のモノマー成分を共重合さ
せることにより、(A)成分を製造することができる。
【0023】(B)成分は、1分子あたり平均で3以上
のカルボキシル基を有し、のカルボキシル基に対して
同一分子内で少なくとも15以上の原子を挟んだ位置
に別のカルボキシル基が存在し、酸価が150〜250
mgKOH /gの範囲にあり、3官能以上のポリオールと酸
無水物との反応によって合成されたものである多官能カ
ルボン酸である。
【0024】多官能カルボン酸(B)は、1分子あたり
平均で3以上のカルボキシル基を有する。これは、カル
ボキシル基を1分子あたり平均で3以上とすることによ
って、架橋密度が充分なものとなり、硬度、耐酸性、耐
溶剤性が良好となる傾向にあるためである。このカルボ
キシル基の数は、好ましくは4以上である。
【0025】多官能カルボン酸(B)の酸価は、150
〜250mgKOH /gの範囲である必要があり、好ましく
は170〜230mgKOH /gの範囲にある。これは、酸
価を150mgKOH /g以上とすることによって、架橋密
度が充分なものとなり、硬度、耐酸性、耐溶剤性が良好
となる傾向にあるためである。また、酸価を250mgKO
H /g以下とすることによって、塗料の固形分を高める
ことができ、また貯蔵安定性が良好となる傾向にあるた
めである。
【0026】また、多官能カルボン酸(B)は、のカ
ルボキシル基に対して、同一分子内で少なくとも15
以上の原子を挟んだ位置に別のカルボキシル基を有する
必要がある。
【0027】これは、(B)成分の末端を長鎖のカルボ
キシル基にすることによりカルボキシル基の運動の自由
度が上がるため、低粘度化と高反応性を両立させること
ができる傾向にあるためである。これによって、塗料化
時における(B)成分の配合量を低く押さえることがで
き、ハイソリッド化が達成される。
【0028】多官能カルボン酸(B)の合成方法として
、3官能以上のポリオールと酸無水物との反応によっ
て合成する方法が挙げられる。この方法は、合成方法の
コントロールのしやすさと、生成物の分子量のコントロ
ールのしやすさの面から好ましい。
【0029】酸無水物の具体例としては、ヘキサヒドロ
フタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、
テトラヒドロフタル酸無水物、フタル酸無水物、コハク
酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ドデシルコハク
酸無水物、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物等の環
状酸無水物、アジピン酸無水物、セバシン酸無水物、ア
ゼライン酸無水物、ドデカンジオイック酸無水物等の線
状酸無水物等を挙げることができる。
【0030】得られる硬化塗膜の硬度の点と、(B)成
分とアクリルポリマーとの相溶性の点から、酸無水物は
ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタ
ル酸無水物のいずれか一方であるか、またはその混合物
であることが好ましい。
【0031】3官能以上のポリオールの具体例として
は、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、
ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等
のポリオールや、これらのポリオールのエチレンオキサ
イド付加物、プロピレンオキサイド付加物、テトラメチ
レンオキサイド付加物、γ−カプロラクトン付加物等を
挙げることができる。
【0032】目的の多官能カルボン酸を得るためにカル
ボキシル基間の原子数を延長する方法としては、例え
ば、ポリオールと酸無水物からなる多官能カルボン酸に
単官能エポキシドを付加し、生成したヒドロキシル基に
さらに酸無水物を付加する方法等を挙げることができ
る。
【0033】エポキシ基含有アクリルポリマー(A)の
エポキシ基と、多官能カルボン酸(B)のカルボキシル
基の割合は、モル比で、エポキシ基/カルボキシル基=
1.6〜0.8/1の範囲、特に1.3〜0.9/1の
範囲であるのが好ましい。上記モル比がこの範囲内にあ
る場合に、優れた塗膜性能が発揮される傾向にある。
【0034】本発明に有用な触媒(C)は、本発明の塗
料組成物中のエポキシ基とカルボキシル基との架橋反応
を促進する目的で用いられる。
【0035】触媒(C)の具体例としては、テトラメチ
ルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウム
ブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テ
トラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアン
モニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマ
イド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベ
ンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルト
リブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチル
アンモニウムブロマイド、酢酸テトラメチルアンモニウ
ム、酢酸テトラエチルアンモニウム、酢酸テトラブチル
アンモニウム、酢酸ベンジルトリメチルアンモニウム、
酢酸ベンジルトリエチルアンモニウム、酢酸ベンジルト
リブチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩、メチル
トリオクチルホスホニウムジメチルホスフェート、メチ
ルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート、メチ
ルトリフェニルホスホニウムジメチルホスフェート、テ
トラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホス
ホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムアイオ
ダイド、テトラフェニルホスホニウムクロライド、テト
ラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホ
スホニウムアイオダイド、ベンジルトリフェニルホスホ
ニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウム
ブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムアイオ
ダイド、テトラブチルホスホニウムハイドロオキサイ
ド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレー
ト等の4級ホスホニウム塩、ジブチルチンジラウレー
ト、ジブチルチンジマレート、モノブチルチントリオク
トエート、ジブチルチンジオキサイド等の有機スズ化合
物、有機亜鉛化合物、有機チタネート化合物、有機アル
ミニウム化合物等の有機金属化合物、モノメチルホスフ
ェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェ
ート、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェ
ート、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、
ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデ
シルホスフェート等のリン酸エステル等を挙げることが
できる。
【0036】触媒(C)の使用量は、本発明の塗料組成
物中の総固形分量に対して0.1〜5重量%であるのが
好ましい。これは、使用量を0.1重量%以上とするこ
とによって、架橋反応の促進の効果が優れたものになる
傾向にあり、5重量%以下とすることによって、貯蔵安
定性が良好になる傾向にあるためである。
【0037】本発明の組成物においては、塗装固形分を
さらに向上させる目的で、(A),(B)および(C)
成分以外に低分子量ポリエポキシド、ポリシロキサンま
たは1分子中にエポキシ基とアルコキシシリル基の両方
を有する化合物のいずれか1種のまたはその混合物から
なる反応性希釈剤(D)を併用することができる。
【0038】反応性希釈剤(D)の使用量は、本発明の
塗料組成物中の総固形分量に対して0〜20重量%の範
囲、特に0〜15重量%の範囲であるのが好ましい。こ
れは、使用量を20重量%以下とすることによって、貯
蔵安定性、硬化性が良好となる傾向にあるためである。
【0039】成分(D)の具体例としては、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリ
シジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチル
グリコールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエ
ーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロール
トリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリ
シジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジル
エーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエー
テル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジ
ルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、
トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレート、アジピン酸ジグリシジルエステル、2,3
−エポキシシクロヘキサンカルボン酸(2,3−エポキ
シシクロヘキシル)メチル、2,3−エポキシシクロヘ
サンカルボン酸(2,3−エポキシシクロヘキシル)メ
チルのカプロラクトン付加物、1−メチル−1,2−エ
ポキシ−5−(1−メチルグリシジル)シクロヘキサン
等の低分子量ポリエポキシド、ジメチルポリシロキサ
ン、ジフェニルポリシロキサン、メチルヒドロキシルポ
リシロキサン、フェニルヒドロキシルポリシロキサン等
のポリシロキサンや、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、β−(2,3−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン等の1分子中にエポキシ基とアルコ
キシシリル基の両方を有する化合物等を挙げることがで
きる。
【0040】希釈効果や、硬度等の塗膜物性の観点か
ら、反応性希釈剤(D)としては、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジメトキシシラン、β−(2,3−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン等の1分子中にエポキ
シ基とアルコキシシリル基の両方を有する化合物が好ま
しい。
【0041】本発明の塗料組成物には、低温硬化性や塗
膜物性を向上させる目的で、アミノプラスト(E)を本
発明の耐酸性向上の効果を損なわない範囲で配合するこ
とができる。アミノプラストの配合量は、本発明の塗料
組成物中の樹脂総固形分に対して0〜20重量%の範
囲、特に0〜10重量%の範囲であることが好ましい。
これは、配合量を20重量%以下とすることによって、
塗膜の耐酸性が良好となる傾向にあるためである。アミ
ノプラストの具体例としては、メチル化メラミン、ブチ
ル化メラミン、ベンゾグアナミン等を挙げることができ
る。
【0042】また、本発明の塗料組成物には、紫外線吸
収剤、抗酸化剤、レベリング剤等の添加物を必要に応じ
て配合することができる。本発明の塗料組成物を使用す
ることによって、固形分が60重量%以上、好ましくは
60〜70重量%程度という高固形分を有するハイソリ
ッド塗料を得ることができる。
【0043】本発明のハイソリッド塗料の塗装方法とし
ては、ベースコートを塗布した基材上にいわゆるウェッ
トオンウェットでスプレー塗装する方法等が挙げられる
が、もちろんこれに限られるものではない。本発明の塗
料組成物により得られるトップコートの膜厚は、好まし
くは約20〜40μmである。
【0044】本発明のハイソリッド塗料は、塗装後、室
温にて約5〜20分間風乾し、またはそれと同程度乾燥
するように加熱乾燥して溶剤を揮散させた後、加熱硬化
して、目的のトップコートを得ることができる。硬化
は、通常、120℃〜160℃の温度で約20〜40分
間加熱することにより行うことができる。
【0045】
【実施例】以下に実施例を用いて、本発明をさらに説明
する。特に指定のない場合、実施例中の部は重量部を示
す。重量平均分子量は、GPC測定結果のポリスチレン
換算値を示す。Tgは、真空理工製のDSC9200を用
いて測定した。
【0046】エポキシ当量は、モノマー仕込み組成より
算出した。固形分酸価は、酸無水物とポリオールの仕込
み組成より算出した。 実施例1 〔アクリルポリマー溶液(A−1)の調製〕4つ口フラ
スコに攪拌羽根、冷却管、窒素管、温度計を取り付け、
溶剤として43部のソルベッソ150(エクソンケミカ
ル製)を仕込み、窒素雰囲気中で170°に昇温した。
【0047】別途、滴下するモノマー溶液を、10部の
スチレン、4.0部のグリシジルメタクリレート、30
部のn−ブチルメタクリレート、20部のn−ブチルア
クリレートと重合開始剤として3部のジターシャリーブ
チルパーオキサイドから調製し、反応容器中に5時間か
けて滴下し、滴下終了後30分かけて120℃に降温
し、追加触媒として0.5部のN,N−アゾビスジイソ
ブチロニトリルを30分おきに5回に分けて投入した。
さらに、1時間保持した後、11部のn−ブタノールを
加えて、重量平均分子量3000、Tg20℃、固形分約
65%のアクリルポリマー溶液(A−1)を得た。
【0048】得られたポリマーのモノマー組成および特
性を表1に記す。 〔多官能カルボン酸溶液(B−1)の調製〕4つ口フラ
スコに攪拌羽根、冷却管、窒素管、温度計を取り付け、
溶剤として67部のエクタプロEEP(イーストマンコ
ダック製)、12部のペンタエリスリトール、反応触媒
として0.4部のテトラブチルアンモニウムブロマイド
を仕込み、120℃に昇温し、58部の無水メチルヘキ
サヒドロフタル酸を30分かけて滴下し、酸無水物基の
消失をIRスペクトルで追跡し、確認した。続いて、1
6部のデナコールEX−121(ナガセ化成工業製、2
−エチルヘキシルグリシジルエーテル)を30分かけて
滴下し、エポキシ基の消失をIRスペクトルで追跡し、
確認した。さらに、14部の無水メチルヘキサヒドロフ
タル酸を30分かけて滴下し、酸無水物基の消失をIR
スペクトルで追跡して確認し、表2に示すような多官能
カルボン酸溶液(B−1)を得た。
【0049】〔塗料の調製および塗膜の作成〕93部の
クリルポリマー溶液(A−1)、66部の多官能カルボ
ン酸溶液(B−1)、硬化触媒として1部のテトラブチ
ルアンモニウムブロマイド、0.5部のジブチルフォス
フェートを混合し、n−ブタノールにてフォードカップ
#4を用いて25℃で30秒の粘度になるように希釈
し、固形分61.2%の塗料を得た。
【0050】試験用の鋼板として日本ルートサービス製
のダル鋼板(自動車用中塗り後水研ぎ済み、厚さ0.8
mm)を石油ベンジンで脱脂して用いた。乾燥膜厚30μ
mになるようにスプレー塗装し、10分間セッティング
し、溶剤を揮散させた後熱風乾燥機で140℃で30分
間焼き付けし、硬化塗膜を得た。この塗料の組成と評価
結果を表3に示す。
【0051】実施例2 〔多官能カルボン酸(B−2)の調製〕4つ口フラスコ
に攪拌羽根、冷却管、窒素管、温度計を取り付け、溶剤
として67部のエクタプロEEP、13部のペンタエリ
スリトール、反応触媒として0.4部のテトラブチルア
ンモニウムブロマイドを仕込み、120℃に昇温し、6
1部の無水メチルヘキサヒドロフタル酸を30分かけて
滴下し、酸無水物基の消失をIRスペクトルで追跡し、
確認した。次に、17部のデナコールEX−121を3
0分かけて滴下し、エポキシ基の消失をIRスペクトル
で追跡し、確認した。さらに、9部の無水コハク酸を投
入し、酸無水物基の消失をIRスペクトルで追跡して確
認し、表2に示すような多官能カルボン酸溶液(B−
2)を得た。
【0052】次いで、実施例1と同様にして、塗料を調
製し、評価を行った。得られた塗料の組成と評価結果を
表3に示す。 実施例3 〔多官能カルボン酸(B−3)の調製〕4つ口フラスコ
に攪拌羽根、冷却管、窒素管、温度計を取り付け、溶剤
として67部のエクタプロEEP、38部のプラクセル
303(ダイセル製、カプロラクトン変成トリメチロー
ルプロパン、水酸基価539)を仕込み、120℃に昇
温し、62部の無水メチルヘキサヒドロフタル酸を30
分かけて滴下し、酸無水物基の消失をIRスペクトルで
追跡して確認し、表2に示すような多官能カルボン酸溶
液(B−3)を得た。
【0053】次いで、実施例1と同様にして塗料を調製
し、評価を行った。得られた塗料の組成と評価結果を表
3に示す。 実施例4 〔多官能カルボン酸(B−4)の調製〕4つ口フラスコ
に攪拌羽根、冷却管、窒素管、温度計を取り付け、溶剤
として67部のエクタプロEEP、43部のプラクセル
405(ダイセル製、カプロラクトン変成ペンタエリス
リトール、水酸基価446)を仕込み、120℃に昇温
し、57部の無水メチルヘキサヒドロフタル酸を30分
かけて滴下し、酸無水物基の消失をIRスペクトルで追
跡して確認し、表2に示すような多官能カルボン酸溶液
(B−4)を得た。
【0054】次いで、実施例1と同様にして塗料を調製
し、評価を行った。得られた塗料の組成と評価結果を表
3に示す。 実施例5 〔多官能カルボン酸(B−5)の調製〕4つ口フラスコ
に攪拌羽根、冷却管、窒素管、温度計を取り付け、54
部のペンタエリスリトールと46部のε−カプロラクト
ン、触媒として1.4部のジブチルチンジオキサイドを
仕込み、100℃で激しく攪拌しながら16時間反応さ
せて、カプロラクトン変成ペンタエリスリトールを得
た。
【0055】次に、4つ口フラスコに攪拌羽根、冷却
管、窒素管、温度計を取り付け、溶剤として67部のエ
クタプロEEPと28部の上記カプロラクトン変成ペン
タエリスリトールを仕込み、120℃に昇温し、72部
の無水メチルヘキサヒドロフタル酸を30分かけて滴下
し、酸無水物基の消失をIRスペクトルで追跡して確認
し、表2に示すような多官能カルボン酸溶液(B−5)
を得た。
【0056】次いで、実施例1と同様にして塗料を調製
し、評価を行った。得られた塗料の組成と評価結果を表
3に示す。 実施例6 〔多官能カルボン酸(B−6)の調製〕4つ口フラスコ
に攪拌羽根、冷却管、窒素管、温度計を取り付け、溶剤
として67部のエクタプロEEP、13部のジペンタエ
リスリトール、反応触媒として0.4部のテトラブチル
アンモニウムブロマイドを仕込み、160℃に昇温し、
51部無水メチルヘキサヒドロフタル酸を30分かけて
滴下し、滴下終了後120℃に降温し、酸無水物基の消
失をIRスペクトルで追跡し、確認した。次に、19部
のデナコールEX−121を30分かけて滴下し、エポ
キシ基の消失をIRスペクトルで追跡し、確認した。さ
らに、17部の無水メチルヘキサヒドロフタル酸を投入
し、酸無水物基の消失をIRスペクトルで追跡して確認
し、表2に示すような多官能カルボン酸溶液(B−6)
を得た。
【0057】次いで、実施例1と同様にして塗料を調製
し、評価を行った。得られた塗料の組成と評価結果を表
3に示す。 実施例7 〔アクリルポリマー溶液(A−2)の調製〕モノマー組
成を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様に
して、アクリルポリマー溶液(A−2)を得た。次い
で、実施例1と同様にして塗料を調製し、評価を行っ
た。塗料の組成と評価結果を表3に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】〔評価方法〕 塗装固形分:アルミ皿に試料1gを採り、トルエンにて
薄く均一に拡げた後風乾し、さらに105℃の熱風乾燥
機中で2時間乾燥し、乾燥後の重量より算出した。 貯蔵安定性:60℃で16時間保管後のフォードカップ
#4,25℃での増加秒数を示す。
【0061】外観:塗膜のツヤ感、平滑性を目視により
次の基準で評価した。 ○:ツヤ、平滑性ともに良好 △:ツヤ、平滑性やや劣るが実用上は問題ない範囲 ×:ツヤびけ、ユズ肌等の欠陥があり、使用に耐えない 60°グロス:日本電色工業製VGS−300Aにて鏡
面光沢を測定した。
【0062】鉛筆硬度:JIS K5400で測定し
た。 耐酸性:塗膜に40%硫酸を3mlスポイトで滴下し、8
0℃の熱風乾燥機中に15分間放置後、水洗し、乾燥後
塗膜の変化を次の基準により目視判定した。 ○:塗膜に異常なし △:環状のシミがでるが乾燥後消失する ×:シミ、塗膜消失等の欠陥が出る 耐溶剤性:ガーゼにキシレンを含ませて塗膜を50往復
手でこすり、塗膜の変化を次の基準により目視判定し
た。
【0063】 ○:塗膜に異常なし △:かすかに傷が付く ×:傷つきが大きい、または塗膜が消失する
【0064】
【表3】
【0065】実施例1〜7に示すように、本発明の範囲
においては、塗装固形分が60%を越えるハイソリッド
型塗料でありながら、貯蔵安定性も良好であり、また耐
酸性、耐溶剤性といった性能に関しても良好な結果が得
られた。 実施例8 硬化触媒としてジブチルチンジラウレートを用いた以外
は実施例1と同様にして、評価を行った。その結果を表
4に示す。
【0066】実施例9〜11 表4に示すように(D)反応性希釈剤を用いて塗料を調
合し、実施例1と同様にして、評価を行った。その結果
を表4に示す。 実施例12および13 表4に示すように(E)アミノプラストを用いて塗料を
調合し、実施例1と同様にして、評価を行った。その結
果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】実施例8に示すように、硬化触媒を変えて
もほぼ同等の性能を示す。また、実施例9〜11に示す
ように、反応性希釈剤を用いることにより、塗装固形分
はさらに向上する。さらに、実施例12および13に示
すように、メラミン等のアミノプラストを耐酸性を低下
させない程度併用することにより、硬度等の塗膜物性を
向上させることができる。
【0069】比較例1 〔多官能カルボン酸(B−7)の調製〕4つ口フラスコ
に攪拌羽根、冷却管、窒素管、温度計を取り付け、溶剤
として67部のエクタプロEEP、26部のヘキサンジ
オールを仕込み、120℃に昇温し、74部の無水メチ
ルヘキサヒドロフタル酸を30分かけて滴下し、酸無水
物基の消失をIRスペクトルで追跡して確認し、表2に
示すような多官能カルボン酸溶液(B−7)を得た。
【0070】次いで、実施例1と同様にして塗料を調製
し、評価を行った。得られた塗料の組成と評価結果を表
5に示す。 比較例2 〔多官能カルボン酸(B−8)の調製〕4つ口フラスコ
に攪拌羽根、冷却管、窒素管、温度計を取り付け、溶剤
として67部のエクタプロEEP、21部のトリメチロ
ールプロパンを仕込み、120℃に昇温し、79部の無
水メチルヘキサヒドロフタル酸を30分かけて滴下し、
酸無水物基の消失をIRスペクトルで追跡して確認し、
表2に示すような多官能カルボン酸溶液(B−8)を得
た。
【0071】次いで、実施例1と同様にして塗料を調製
し、評価を行った。得られた塗料の組成と評価結果を表
5に示す。 比較例3 〔多官能カルボン酸(B−9)の調製〕4つ口フラスコ
に攪拌羽根、冷却管、窒素管、温度計を取り付け、溶剤
として67部のエクタプロEEP、17部のペンタエリ
スリトールを仕込み、120℃に昇温し、83部の無水
メチルヘキサヒドロフタル酸を30分かけて滴下し、酸
無水物基の消失をIRスペクトルで追跡して確認し、表
2に示すような多官能カルボン酸溶液(B−9)を得
た。
【0072】次いで、実施例1と同様にして塗料を調製
し、評価を行った。得られた塗料の組成と評価結果を表
5に示す。 比較例4 〔多官能カルボン酸(B−10)の調製〕4つ口フラス
コに攪拌羽根、冷却管、窒素管、温度計を取り付け、溶
剤として67部のエクタプロEEP、20部のジペンタ
エリスリトールを仕込み、160℃に昇温し、80部の
無水メチルヘキサヒドロフタル酸を30分かけて滴下
し、滴下終了後120℃に降温し、酸無水物基の消失を
IRスペクトルで追跡して確認し、表2に示すような多
官能カルボン酸溶液(B−10)を得た。
【0073】次いで、実施例1と同様にして塗料を調製
し、評価を行った。得られた塗料の組成と評価結果を表
5に示す。 比較例5および6 〔多官能カルボン酸(B−11)の調製〕4つ口フラス
コに攪拌羽根、冷却管、窒素管、温度計を取り付け、溶
剤として67部のエクタプロEEP、14部のペンタエ
リスリトール、反応触媒として0.4部のテトラブチル
アンモニウムブロマイドを仕込み、120℃に昇温し、
67部の無水メチルヘキサヒドロフタル酸を30分かけ
て滴下し、酸無水物基の消失をIRスペクトルで追跡
し、確認した。次に、19部のデナコールEX−121
を30分かけて滴下し、エポキシ基の消失をIRスペク
トルで追跡して確認し、表2に示すような多官能カルボ
ン酸溶液(B−11)を得た。
【0074】次いで、実施例1と同様にして塗料を調製
し、評価を行った。得られた塗料の組成と評価結果を表
5に示す。 比較例7 〔アクリルポリマー溶液(A−3)の調製〕滴下するモ
ノマー溶液中に混合する重合開始剤としてN,N−アゾ
ビスジイソブチロニトリル3部を用い、滴下中の反応温
度を135℃にした以外は実施例1と同様にして、表1
に示すような重量平均分子量6000のアクリルポリマ
ー溶液(A−3)を得た。次いで、実施例1と同様に塗
料を調製し、評価を行った。塗料の組成と評価結果を表
6に示す。
【0075】比較例8 〔アクリルポリマー溶液(A−4)の調製〕アクリルポ
リマーの重合処方をモノマー混合液滴下後170℃のま
ま2時間保持し、降温後n−ブタノール11部を混合す
るように変更した以外は実施例1と同様にして、表1に
示すような重量平均分子量1800のアクリルポリマー
溶液(A−4)を得た。次いで、実施例1と同様に塗料
を調製し、評価を行った。塗料の組成と評価結果を表6
に示す。
【0076】比較例9〜12 〔アクリルポリマー溶液(A−5)〜(A−8)の調
製〕モノマー組成を表1に示すように変更した以外は実
施例1と同様にして、アクリルポリマー溶液(A−5)
〜(A−8)を得た。次いで、実施例1と同様に塗料を
調製し、評価を行った。塗料の組成と評価結果を表6に
示す。
【0077】比較例13〜18 表7に示すように塗料を調合した以外は実施例1と同様
にして、評価を行った。その結果を表7に示す。
【0078】
【表5】
【0079】比較例1に示すように、(B)成分として
2官能の酸化合物を用いた場合は、架橋密度が不十分な
ため耐酸性、耐溶剤性が不足する。比較例2〜4に示す
ように、酸価が250を越えると、塗装固形分が低下
し、ハイソリッド型塗料とならないだけでなく、貯蔵安
定性も低下する。(B)成分として、比較例5に示すよ
うに、酸価250未満の3官能のカルボン酸を用いて
も、カルボキシル基間の原子数が15未満では、反応性
を満足するためにエポキシ基とカルボキシル基の当量関
係を維持した場合には、結果として(B)成分の配合比
率を多くせざるを得ないため期待するほどのハイソリッ
ド化は見込めない。比較例6に示すように、(B)成分
の配合比率を減らすと、エポキシ基とカルボキシル基の
割合が本発明の範囲を超え、架橋に関係のない官能基が
増えるため結果として架橋密度が低下し、耐酸性、耐溶
剤性が不足する。
【0080】
【表6】
【0081】比較例7に示すように、(A)成分の重量
平均分子量が5000を越えると塗装固形分が低下し、
また比較例8に示すように、重量平均分子量が2000
未満では硬度、耐酸性、耐溶剤性が不足する。比較例9
に示すように、(A)成分のエポキシ当量が250未満
では貯蔵安定性が大きく低下し、比較例10に示すよう
に、エポキシ当量が500を越えると架橋密度が不十分
で硬度、耐溶剤性が不足する。
【0082】比較例11に示すように、(A)成分のTg
が50℃を越えると塗装固形分が低下し、比較例12に
示すように、Tgが10℃未満では塗膜の硬度、耐酸性が
不足する。
【0083】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、貯蔵安定性や反
応性に優れ、さらに優れた物性を有する塗膜を形成する
自動車用トップコートに有用なハイソリッド塗料を提供
するものであり、工業上非常に有益なものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−228826(JP,A) 特開 平7−163943(JP,A) 特開 平4−18967(JP,A) 特開 昭63−175076(JP,A) 特開 昭62−87288(JP,A) 特開 昭54−66934(JP,A) 特開 昭63−113087(JP,A) 特公 昭56−1352(JP,B2) 特表 平9−500415(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 163/00 - 163/10 C09D 133/00 - 133/26

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ当量が250〜500の範囲で
    あり、重量平均分子量が2000〜5000の範囲であ
    り、ポリマーTgが10〜50℃の範囲にあるエポキシ基
    含有アクリルポリマー(A)、 1分子あたり平均で3以上のカルボキシル基を有し、
    のカルボキシル基に対して同一分子内で少なくとも1
    5以上の原子を挟んだ位置に別のカルボキシル基が存在
    し、酸価が150〜250mgKOH /gの範囲にあり、3
    官能以上のポリオールと酸無水物との反応によって合成
    されたものである多官能カルボン酸(B)、および触媒
    (C)を含む、塗料組成物。
  2. 【請求項2】 エポキシ基含有アクリルポリマー(A)
    がアルコキシシリル基を有する、請求項1記載の塗料組
    成物。
  3. 【請求項3】 触媒(C)が4級アンモニウム塩、4級
    ホスホニウム塩、有機スズ化合物、有機亜鉛化合物、有
    機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物等の有機
    金属化合物およびリン酸エステルから選ばれる1種のま
    たはその混合物からなるエステル化触媒である、請求項
    1記載の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 (A),(B)および(C)成分以外に
    低分子量ポリエポキシド、ポリシロキサンまたは1分子
    中にエポキシ基とアルコキシシリル基の両方を有する化
    合物のいずれか1種のまたはその混合物からなる反応性
    希釈剤Dをさらに含む、請求項1記載の塗料組成物。
  5. 【請求項5】 樹脂総固形分に対しアミノプラスト
    (E)が0〜20重量%配合された、請求項1または
    記載の塗料組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の塗料組成物を含有し、固
    形分が60重量%以上の範囲であることを特徴とする、
    ハイソリッド塗料。
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