JP3342286B2 - 入庫または出庫ラックアドレスのサーチ方法 - Google Patents

入庫または出庫ラックアドレスのサーチ方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば荷として線
材コイルを自動倉庫の立体格納ラックへ入庫しまたは出
庫するに際し、入庫ラックアドレス(格納ラック位置ア
ドレス)、及び出庫ラックアドレス(取出しラック位置
アドレス)をサーチする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来立体格納ラックにおける線材コイル
(コイル)の入庫ラックアドレスは、複数列のうち1つ
のラック列を選択し、このラック列の中で空いているラ
ックをスタッカークレーンのホームポジションに近い方
から順に優先順位を決めてサーチし、入庫ラックアドレ
スとして決定していた(図8に、、・・・で示し
てある)。また、コイルの入庫ラックアドレスは、複数
列のうち1つのラック列を選択すると共に、このラック
列の中で取出し対象となるコイルをスタッカークレーン
のホームポジションに近い方から順に優先順位を決めて
サーチし、出庫ラックアドレスとして決定していた(図
9にI,II,III・・・で示してある)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の入庫ま
たは出庫ラックアドレスの決定方法では、(1) 各ラック
列ともラック列のスタッカークレーンのホームポジショ
ンに近い側と遠い側とに荷(コイル)の偏在を生じる、
(2) ラック列が複数の場合ラック列相互の間にも荷(コ
イル)の偏在を生じる、(3) 2コイル同時搬送時に、2
個所連続した入庫ラックアドレス、または出庫ラックア
ドレスが存在する場合でも1コイルずつの入庫、または
出庫となる場合を生じる、等の問題が発生し、効率的な
機器運用が行われない不具合があった。
【0004】本発明は、入庫ラックアドレスまたは出庫
ラックアドレスのサーチ及び対象ラックの選定につい
て、検索条件ならびに選定条件を定め、それらに従って
ラックアドレスの選定を行うことによって効率的な機器
運用が可能な入庫または出庫アドレスのサーチ方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の入庫または出庫アドレスのサーチ方法は、立
体自動倉庫のラック列にアドレスサーチ順位を定め荷の
入庫または出庫に応じて対象のラックアドレスのサーチ
を行うようにすると共に、スタッカークレーンのホーム
ポジションを基点として前記立体自動倉庫のラック列を
遠エリアと近エリアに分割設定し、遠エリア内ではホー
ムポジションから遠い順に、アドレス・サーチ順位を設
定すると共に、近エリア内ではホームポジションから近
い順にアドレス・サーチ順位を設定し、入庫または出庫
に際し、同時搬送する荷数に応じて荷数の大きい単位の
アドレス・サーチを優先し、同一ラック列内では遠エリ
ア内ならびに近エリア内を交互にそれぞれ設定されたア
ドレス・サーチ順位に従って全ラック数の数%未満の範
囲で該当単位の対象ラックアドレスをサーチ選定し、次
いで順に隣のラック列へ移って同じサーチ方法で対象ラ
ックアドレスのサーチ選定を繰り返し行うことを特徴と
する。
【0006】そして本発明では、複数の立体格納用のラ
ック列は、遠エリア内、近エリア内の両側で交互に、同
時搬送する荷数の大きい単位(2個の荷:1ペア)を優
先し、全ラック数の数%未満の範囲で少数ずつ対象ラッ
クアドレスがサーチ選定されるので、同一ラック列内で
の荷の偏在が解消され、同時に遠エリア、近エリア一対
の入出庫搬送サイクルが平均化する。
【0007】また同じ方法で順に隣のラック列へ横断方
向に対象ラックアドレスのサーチ選定を行うため、複数
のラック列の相互間でも荷の偏在が解消され、また、ス
タッカークレーンが2個の荷を同時搬送できる場合、1
ペア単位優先でラックアドレスのサーチ行なって入出庫
作業を行うため、同時1ペアの荷の搬送が増加して荷全
体に入出庫搬送時間を短縮することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の一実施形態に
係る方法を適用するコイル立体格納設備の概略平面図を
示してある。本例では、荷として線材コイル(コイル)
を適用した例を示してある。
【0009】図1において、20は小規模の構成で示し
た建屋内のコイル立体格納区画であり、21は最寄りの
コイル受渡し場に配置された天井クレーンであり、22
はコイル立体格納区画20とコイル受渡し場間に配置し
たコイル搬送設備である。
【0010】コイル搬送設備22は、コイル受渡し場の
近くに配置した2列の整列置台1,2と、2列の軌道3
a及び4a上を走行する整列台車3、4と、シフト台車
5と、シフト台車5からコイル立体格納区画20前まで
軌道6a上を走行する移載機6と、移載機6と直交して
軌道7a及び8a上を走行する入出向台車7,8とで構
成されている。
【0011】コイル立体格納区画20は、入出庫台車
7,8の軌道7a,8aと端部をラップするよう平行に
配置した軌道9a,10a上を走行するスタッカークレ
ーン9,10と、各スタッカークレーン9,10の走路
に面して平行に配置した立体格納ラックR1 ,R2 ,R
3 ,R4 とにより構成され、スタッカークレーン9及び
これに面した2列の立体格納ラックR1 ,R2 が倉庫の
第1レーンを構成し、スタッカークレーン10及びこれ
に面した2列の立体格納ラックR3 ,R4 が倉庫の第2
のレーンを構成している。
【0012】図2、図3には入出庫ラックアドレスの検
索条件及び対象ラック選定の条件を表示してある。
【0013】図2において、第1にラック列をスタッカ
ークレーンのホームポジションから見て遠エリアと近エ
リアに分割し、遠エリアと近エリアを交互にサーチを行
う。また第2に同一ラック列内では全ラック数の数%以
上には連続してサーチを行わない。また第3に荷のコイ
ルはスタッカークレーンで1個または2個ずつ搬送でき
るが、荷数の多い2コイル(1ペア)単位を優先してサ
ーチし、1コイル単位のサーチは必要に応じて後で行う
こととする。
【0014】図3は、2コイル(1ペア)単位で入出庫
のラックアドレス・サーチを行う場合に、それぞれ入出
庫作業を行い易い順にラックアドレスの組み合わせを考
慮して優先順位を設定した一例であり、内容については
後述する。
【0015】図4に図1中のIV−IV線矢視のラック列R
2 を代表としてラック列内の遠エリア、近エリア分割例
を示してある。
【0016】ラック列R2 は、スタッカークレーン9に
面した側をコイル出入り用の間口とし、一例としてラッ
ク列の長さ方向に50個の格納ラック間口を有してい
る。且つ、各間毎口に高さ方向に14段のコイル格納ラ
ック区画を備え、総数で700個のコイルラック区画が
碁盤目状に配置されている。左下の間口2個に対向する
位置23が、入出庫台車7とスタッカークレーン9とが
コイルを受渡しするホームポジションである。ラック列
2 は700個のコイル格納ラック部をホームポジショ
ンを基点とする搬送距離(時間)に応じ、遠近に略半数
ずつに2分して遠エリア24と近エリア25が設定され
ている。
【0017】図5には図3を拡大してコイル格納ラック
区画を碁盤目状に示してあり、遠エリア24内及び近エ
リア25内のコイル格納ラック区画にアドレス・サーチ
順位を付した例である。
【0018】図5では、通エリア24内では間口49と
50の最上段の2区画をセットとして番とし、ホーム
ポジション23からのスタッカークレーン9による搬送
時間の長い順(=遠い順として)に170個の各2区画
セットにアドレス・サーチ順位を設定する。しして、近
エリア25内では間口1と2の最下段の2区画をセット
にして番とし、ホームポジション23から搬送時間の
短い順(=近い順として)に180個の2区画セットに
アドレス・サーチ順位を設定した場合を示してある。
【0019】遠エリア24内と近エリア25内の同一番
号のセットのアドレス・サーチ順位が接近した間口の上
下に位置する場合は、その位置を水平方向に離すように
アドレス・サーチ順位を変更し、入出庫位置が同一個所
近くに集中して選定される可能性を減少させることが可
能である。
【0020】図6には図3中で表示した該当ラック選定
条件を示してある。
【0021】各選定条件の内容は次の通りである。 同列同セット──図6のように、同一段の列方向に隣
合う2組の2区画セットの両方に×印で示す検索対象の
ラックがある状態。 同列隣セット──図6のように、同一段の列方向に隣
合う2組の2区画セットの2区画セットの何れか一方に
×印で示す検索対象のラックがある状態。 隣列同セット──図6のように、同一レーンの対向す
るラック列の同一段の2区画セットの対角位置に検索対
象のラックがある状態。 隣列隣セット──図6のように、同一レーンの対向す
るラック列の列方向に隣合う2組の2区画セット内に筋
向かい位置に検索対象のラックがある状態。 シングル×2個所──図6のように、同一段の離れた
2区画セット位置に1個ずつ2個の検索対象のラックが
ある状態。 シングル・1個所──図6のように、検索対象のラッ
クが同一段中に、1個だけしか存在しない状態。
【0022】次に、ラックアドレスのサーチ方法を具体
的に説明する。図7にはアドレス・サーチ順位と検索条
件を使用して行うアドレス・サーチのフローチャートを
示してある。
【0023】まず、図1に示すように、コイル立体格納
区画20の近くのコイル受渡し場に到着したコイルは、
天井クレーン21により整列置台1及び2上に各1列に
置かれる。整列置台1または整列置台2上のコイルは、
整列台車3と整列台車4により1コイルずつシフト台車
5上に搬送される。シフト台車5上のコイルは、移載機
6により2コイル同時にまたは1コイルずつ入出庫台車
7または入出庫台車8まで搬送される。入出庫台車7,
8はスタッカークレーン9またはスタッカークレーン1
0への受渡しのための所定のホームポジション23まで
コイルを搬送する。
【0024】ホームポジション23で入出庫台車7,8
の上のコイルは1コイルまたは2コイル単位でスタッカ
ークレーン9またはスタッカークレーン10に搭載さ
れ、所定の間口、段まで搬送されラック内に入庫され
る。また、ラック列内に保管されたコイルの出庫は、前
記入庫と逆の工程で整列置台1または2上まで1コイル
または2コイル単位で搬送され、天井クレーン21で受
渡し場へ搬送し、出荷される。
【0025】図7に示すように、立体自動倉庫へコイル
を入出庫するときは、倉庫管理計算機の端末機から入出
庫のためのアドレス・サーチ条件を入力する。このと
き、アドレス・サーチ条件の一例として、次のようなデ
ータを、入力し指定することができる。 (1)作業モード(入庫または出庫)、(2)サーチ対
象コイル数、(3)使用レーンNo.、(4)特殊処理フ
ラグ(使用禁止間口の指定等)、(5)出庫予約グルー
プNo.、 (6)出庫予約ロットNo.、等これらのデ
ータは、倉庫管理システムのメインルーチンからアドレ
ス・サーチ・ルーチンへ伝達される。
【0026】アドレス・サーチ・ルーチンでは、伝達さ
れたアドレス・サーチ条件から作業モードがチェックさ
れ、入庫モードの場合は空棚情報をラック列毎のラック
マップ情報に展開し、他方出庫モードの場合は出庫対象
コイルの在庫情報をラック列毎のラックマップ情報に展
開し、この2つのラックマップ情報から入出庫の該当す
るラック・アドレスが検索される。該当するラック・ア
ドレスのサーチは、図2で示すように、スタッカークレ
ーンが搬送する荷数の大きい単位(2コイル:1ペア)
を優先し、指定されたレーンを図5で示したアドレス・
サーチ順位番号に従って各ラック内の遠エリア24内と
近エリア25内を交互に1個ずつサーチする。
【0027】そして、列内の全ラック数の数%未満の範
囲で複数個の該当するラックアドレスを選定し、順に隣
のラック列へ移り同様の該当ラック・アドレスのサーチ
選定を繰返す。入出庫すべきコイルの数が奇数個で端数
1コイルが残る場合、またはこれらのラック列R1 〜R
4 内に該当する2コイル単位の該当アドレス・ラックが
検出されなくなった場合、(1コイル:シングル)単位
でのアドレス・サーチを行う。
【0028】図3及び図6に示す優先順位によれば、コ
イル立体格納用のラック列を2コイル単位の入出庫形式
で最大限に活用できる。尚、この図3に示すアドレス・
サーチ選定の優先条件は、さらに他の内容によって設定
されても良い。
【0029】アドレス・サーチで選定されたデータは一
旦選定終了状態を保持し、指定数のアドレス・サーチが
終了した後にアドレス・サーチ結果を返信する。返信さ
れたラックアドレス情報に従って、コイル搬送設備22
及びスタッカークレーン9,10を自動運転し、サーチ
されたラック位置へ(2コイル:1ペア)優先でコイル
の入庫または出庫を行う。
【0030】一つのラック列内で全ラック数の数%未満
の少ない範囲で遠エリア24内及び近エリア25内を交
互に該当するラックアドレスをサーチ選定し、ラック列
を横断する方向へ隣のラック列へ移り同様のアドレス・
サーチ選定を繰り返していくため、各々のラック列内で
は入出庫によるコイルの偏在がなくなり、同時に複数の
ラック列相互の間でもコイルの偏在が解消し、倉庫内に
平均に安全にコイルを保管することが可能になる。ま
た、2コイル同時搬送単位のアドレス・サーチを優先し
て行い、2個単位で入出庫を優先実施するため、コイル
搬送設備22及びスタッカークレーン9,10による搬
送時間が短縮し迅速な入出庫運転が可能になる。また、
ラック列内で遠エリア・近エリア交互にバランスして入
出庫対象のラックアドレスを決めるため、遠エリア・近
エリア一組ずつの単位でスタッカークレーン9,10の
運転サイクルが平均化し、能率よくコイル搬送運転を行
うことができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の入庫または出庫アドレスのサー
チ方法は、立体自動倉庫のラック列のアドレスサーチ順
位を定め、荷の入庫または出庫に応じて対象のラックア
ドレスのサーチを行うようにすると共に、立体自動倉庫
のラック列をスタッカークレーンのホームポジションを
基点として遠エリアと近エリアに分割設定し、遠エリア
内ではホームポジションから遠い順に、近エリア内では
ホームポジションから近い順に、それぞれアドレス・サ
ーチ順位を設定し、入庫または出庫に際して、同時搬送
する荷数に応じ、荷数の大きい単位でのアドレス・サー
チを優先し、同一ラック列内では遠エリア内ならびに近
エリア内を交互に、それぞれ設定されたアドレス・サー
チ順位に従って全ラック数の数%未満の範囲で該当単位
の対象ラックアドレスをサーチ選定し、次いで順に隣の
ラック列へ移って同じサーチ方法で対象ラックアドレス
のサーチ選定を繰り返し行うようにしたので、立体格納
倉庫の各ラック列内で及び複数のラック列相互間で発生
する荷の偏在を解消することができる。この結果、搬送
装置による入出庫時間を短縮し、搬送装置の運転サイク
ルを平均化し搬送能率を高め、効率的な機器運用が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るサーチ方法を適用する
コイル立体格納設備の概略平面図。
【図2】入出庫ラックアドレスの検索条件の表図。
【図3】入出庫ラックアドレスの選定条件の表図。
【図4】ラック列内の遠エリア・近エリア分割例を示す
正面図。
【図5】ラック列内の遠エリア・近エリアに分けて設定
したアドレス・サーチ順位を表すラック列の正面図。
【図6】図2におけるの選定条件の説明図。
【図7】アドレス・サーチの概略のフローチャート。
【図8】従来の入庫時のアドレス・サーチの設定順位を
示すラックの概略正面図。
【図9】従来の出庫時のアドレス・サーチの設定順位を
示すラックの概略正面図。
【符号の説明】
1,2 整列置台 3,4 整列台車 5 シフト台車 6 移載機 7,8 入出庫台車 3a,4a,6a,7a,8a 軌道 9a、10a スタッカークレーン 20 コイル立体格納区画 21 天井クレーン 22 コイル搬送設備 23 スタッカークレーンのホームポジション 24 遠エリア 25 近エリア R1 ,R2 ,R3 ,R4 ラック列
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 泰子 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島製作所内 (72)発明者 石井 弘幸 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 服部 淳一 千葉県君津市君津一番地 製鉄運輸株式 会社内 (72)発明者 安藤 正一 千葉県君津市君津一番地 製鉄運輸株式 会社内 (56)参考文献 特開 平5−170314(JP,A) 特開 平5−178403(JP,A) 特開 平5−186005(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65G 1/04 541 B65G 1/137

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立体自動倉庫のラック列にアドレスサー
    チ順位を定め荷の入庫または出庫に応じて対象のラック
    アドレスのサーチを行うようにすると共に、スタッカー
    クレーンのホームポジションを基点として前記立体自動
    倉庫のラック列を遠エリアと近エリアに分割設定し、 遠エリア内ではホームポジションから遠い順に、アドレ
    ス・サーチ順位を設定すると共に、近エリア内ではホー
    ムポジションから近い順にアドレス・サーチ順位を設定
    し、 入庫または出庫に際し、同時搬送する荷数に応じて荷数
    の大きい単位のアドレス・サーチを優先し、同一ラック
    列内では遠エリア内ならびに近エリア内を交互にそれぞ
    れ設定されたアドレス・サーチ順位に従って全ラック数
    の数%未満の範囲で該当単位の対象ラックアドレスをサ
    ーチ選定し、 次いで順に隣のラック列へ移って同じサーチ方法で対象
    ラックアドレスのサーチ選定を繰り返し行うことを特徴
    とする入庫または出庫ラックアドレスのサーチ方法。
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