JP3341787B2 - ゴム組成物およびその製造方法 - Google Patents

ゴム組成物およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホワイトカーボンのゴ
ムに対する補強性を向上させたホワイトカーボン入りゴ
ム組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムに配合されるケイ酸系充填剤はカー
ボンブラック類似の補強性をゴムに与えるためホワイト
カーボンと呼ばれており、これには無水ケイ酸、含水ケ
イ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等があ
る。このホワイトカーボンは、非石油系原料であること
に加え、配合ゴム組成物のヒステリシスロスが小さいこ
とや低変形時の弾性率が高いこと、また色物配合が可能
であることなどの長所をもっている。
【0003】ところで、カーボンブラックと汎用ゴムと
を混合するとカーボンブラック表面にゴム分子が反応し
て有機溶媒に不溶のカーボンゲル(充填剤ゲル)を生成
し、このゲルを介してカーボンブラックがゴムを補強す
るといわれている。一般に、単位重量当たりの表面積の
大きいカーボンブラックほど大量の充填剤ゲルを生成
し、補強性も高い。これに対し、ホワイトカーボンは、
汎用ゴムに比して極性が高いためゴムに対する親和性が
低く、混合時に生成する充填剤ゲルが少なく(充填剤ゲ
ル量はホワイトカーボン配合量の0.3 〜0.7 倍程度)、
そのままではカーボンブラックよりも補強性に劣る。
【0004】そこで、ホワイトカーボンを充填剤として
用いる場合には、ホワイトカーボンとゴムの両者に対し
て反応するビス(3-トリエトキシシリルプロピル) テト
ラスルフィドのようなシランカップリング剤を併用して
いる。しかし、シランカップリング剤を添加してホワイ
トカーボンと汎用ゴムとを混合すると充填剤ゲル量が増
して補強性が高まるが、シランカップリング剤は高価で
あることに加えてゴムの加硫剤としても作用するため、
加工工程で焼け(スコーチ)を生じ易いという欠点があ
った。また、日本ゴム協会誌58巻468頁(1985年) にポリ
イソプレンとホワイトカーボン間の結合を増加させた例
が見られるが、有機溶媒中で両者を長時間混合する必要
があり、工業的には実現性に乏しいことに加え、熱劣化
によるゴム分子の分子量低下が著しく、加硫ゴム物性も
期待できないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、加工工程で
スコーチを生じることなく、ホワイトカーボンのゴムに
対する補強性を向上させたホワイトカーボン入りゴム組
成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の未加硫ゴム組成
物としては、シス1,4-結合をもつイソプレン系ゴムを30
重量%〜100 重量%含有する原料ゴム100 重量部に対し
ホワイトカーボンを30重量部〜100 重量部配合してな
り、充填剤ゲル量がホワイトカーボン配合量の0.9 倍以
上であることを特徴とする。
【0007】この未加硫のゴム組成物の製造方法は、シ
ス1,4-結合をもつイソプレン系ゴムを30重量%〜100 重
量%含有する原料ゴム100 重量部に対しホワイトカーボ
ンを30重量部〜100 重量部配合した配合物を、70℃〜20
0 ℃の温度下に加熱処理することを特徴とする。このよ
うに本発明では、シス1,4-結合をもつイソプレン系ゴム
に対しホワイトカーボンを配合した配合物を70℃〜200
℃の温度下に加熱処理して未加硫ゴム組成物としたため
に、この未加硫ゴム組成物は充填剤ゲル量がホワイトカ
ーボン配合量の0.9 倍以上となるので、ホワイトカーボ
ンのイソプレン系ゴムに対する補強性を向上させること
が可能となる。
【0008】また、本発明の加硫後のゴム組成物の場合
は、シス1,4-結合をもつイソプレン系ゴムを30重量%〜
100 重量%含有する原料ゴム100 重量部に対しホワイト
カーボンを30重量部〜100 重量部配合してなり、アセト
ン抽出後に40℃で測定したソリッドエコー法によるT2
S+M 成分量が充填剤重量当り10%以上であることを特徴
とする。
【0009】この加硫後のゴム組成物の製造方法は、シ
ス1,4-結合をもつイソプレン系ゴムを30重量%〜100 重
量%含有する原料ゴム100 重量部に対しホワイトカーボ
ンを30重量部〜100 重量部配合した配合物を、70℃〜20
0 ℃の温度下に加熱処理し、ついで加硫することを特徴
とする。このように本発明では、シス1,4-結合をもつイ
ソプレン系ゴムに対しホワイトカーボンを配合した配合
物を70℃〜200 ℃の温度下に加熱処理し、ついで加硫す
るために、アセトン抽出後に40℃で測定したソリッドエ
コー法によるT2S+M 成分量が充填剤重量当り10%以上
となるので、加硫ゴム組成物の弾性率の温度依存性が少
なくなるから、ホワイトカーボンのイソプレン系ゴムに
対する補強性を向上させることが可能となる。
【0010】さらに、本発明では、シランカップリング
剤を用いないかもしくは減量できるため、加工工程でス
コーチを起こしにくくすることが可能となる。本発明の
加硫ゴム組成物は、タイヤのトレッド、産業用ゴムホー
ス等のように変化する環境温度下に使用されるゴム製品
として有用である。以下、本発明の構成につき詳しく説
明する。
【0011】 未加硫ゴム組成物 シス1,4-結合をもつイソプレン系ゴムを30重量%〜100
重量%含有する原料ゴム100 重量部に対しホワイトカー
ボンを30重量部〜100 重量部配合してなる。原料ゴムに
おいて、シス1,4-結合をもつイソプレン系ゴムが30重量
%未満では、充填剤ゲルが生じにくく、本発明の目的に
不適である。この原料ゴムは、具体的には、イソプレン
の単独重合ゴム、イソプレンとジエン系化合物および芳
香族不飽和化合物との共重合ゴム(好ましいそれぞれの
組成割合は、35〜65重量%、5〜60重量%、5〜60重量
%)、或いはこれらのゴムと他のゴムとのブレンド物で
ある。より具体的には、例えば、天然ゴム、高シス1,4-
結合のポリイソプレンゴム、イソプレンとブタジエンと
の共重合ゴム、イソプレンとスチレンとの共重合ゴム、
イソプレンとブタジエンとスチレンとの共重合ゴムなど
である。シス1,4-結合の含有量としては、ポリイソプレ
ン成分の少なくとも30重量%以上であることが好まし
く、より好ましくは60重量%以上である。ブレンドに用
いるゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重
合ゴム、ポリブタジエンゴム等が挙げられる。これらの
なかで、溶液重合法により得られるポリイソプレンゴム
が充填剤ゲルを最も生成し易いので好ましい。
【0012】ホワイトカーボンとしては、表面に活性シ
ラノール基を有する平均粒子径10〜50 mμのもので、必
要に従いそれを半粒状化したものが使用される。湿式法
にて製造される含水ケイ酸が最も好ましい。このホワイ
トカーボンは、原料ゴム100 重量部に対し30重量部〜10
0 重量部配合される。30重量部未満では充填剤ゲル生成
量が相対的に低下し、100 重量部を超えると未加硫ゴム
組成物の粘度が異常に高くなるため加工が困難になる。
安定化のために少量の老化防止剤や分散助剤等の薬品を
加えてもよいが、一般にこれらの薬品は極性を有するた
め充填剤ゲルの生成を阻害するので、老化防止剤として
は原料ゴム100 重量部当たり0.01〜3重量部が好まし
い。石油系プロセス油は充填剤ゲル生成の障害とはなら
ないので、粘度調整のために原料ゴム100 重量部当たり
0〜100 重量部加えるとよい。
【0013】この未加硫ゴム組成物は、充填剤ゲル量が
ホワイトカーボン配合量の0.9 倍以上、好ましくは1.0
倍〜2.0 倍である。0.9 倍未満の場合には、原料ゴムと
ホワイトカーボンとの親和性が不足となるために、ホワ
イトカーボンのゴムに対する補強性を向上させるのが困
難となるからである。充填剤ゲル量は、未加硫ゴム組成
物をベンゼンにて抽出したときにおける非抽出の原料ゴ
ム分である。
【0014】このように充填剤ゲル量がホワイトカーボ
ン配合量の0.9 倍以上である未加硫ゴム組成物は、シス
1,4-結合をもつイソプレン系ゴムを30重量%〜100 重量
%含有する原料ゴム100 重量部に対しホワイトカーボン
を30重量部〜100 重量部配合した配合物を、70℃〜200
℃、好ましくは70℃〜140 ℃の温度下に加熱処理するこ
とにより得られる。
【0015】これは、本発明者等が加工工程で焼け(ス
コーチ)を起こさずに充填剤ゲル生成量を増す方法を研
究した結果、イソプレン系ゴムとホワイトカーボンの混
合物を70℃〜200 ℃の温度下で機械的剪断力を加える予
備加熱工程にて予め充填剤ゲルを生成させ、さらに、70
℃〜140 ℃の温度で加熱処理する後加熱工程を併用する
ことにより、ホワイトカーボン配合量の0.9 倍以上の著
しく高い充填剤ゲル生成量の未加硫ゴム組成物(マスタ
ーバッチ)が得られることを見い出したことによる。
【0016】予備加熱工程は、例えば、密閉式ミキサー
中で原料ゴムとホワイトカーボンとを加熱混合するか、
又は押出機中で懸濁状態の原料ゴムとホワイトカーボン
とを加熱攪拌することによる。加熱温度は、70℃〜200
℃、好ましくは70℃〜140 ℃である。加熱時間は通常2
〜10分程度であり、ホワイトカーボン配合量の0.6 倍以
上の充填剤ゲルを生成させるのが好ましい。0.6 倍未満
では後加熱工程に長時間かかる。30分以上の充分な時間
をかけて0.9 倍以上の充填剤ゲルを生成できれば後加熱
工程は省略できる。
【0017】後加熱工程は、例えば、加熱オーブンを用
いて行われ、1〜24時間の加熱が適当である。この工程
により充填剤ゲル量はホワイトカーボン配合量の0.9 倍
以上になり、通常1.0 〜1.4 倍に達する。これは、シラ
ンカップリング剤を使わないホワイトカーボンのゲルと
しては驚異的な量である。この後加熱工程は酸素を遮断
した状態で行うことが好ましいが、大きな塊で行う場合
は内部まで酸素の拡散が起こりにくいので、大気中でも
差し支えない。この工程を経たマスターバッチでは、シ
ランカップリング剤を全く添加しなくとも又は通常より
も少量しか添加しなくとも充分な補強性が得られる。な
お、このマスターバッチは、通常のものと同様に取り扱
うことができ、例えば、これに加硫剤や追加の充填剤等
を加え、加硫することにより加硫ゴムとして製品に用い
られる。
【0018】 加硫ゴム組成物 シス1,4-結合をもつイソプレン系ゴムを30重量%〜100
重量%含有する原料ゴム100 重量部に対しホワイトカー
ボンを30重量部〜100 重量部配合してなり、アセトン抽
出後に40℃で測定したソリッドエコー法によるT2S+M
成分量が充填剤重量当り10%以上、好ましくは12%〜20
%のものである。この場合の原料ゴム、ホワイトカーボ
ンは、それぞれ、前記の未加硫ゴム組成物におけると
同様である。 前述したように、充填剤ゲル量を高める
ことによりホワイトカーボンのゴムに対する補強性を向
上させることができる。しかし、加硫ゴム組成物におい
ては、充填剤ゲル量が高くても高温時には弾性率が低下
し、補強性が低減してしまうという問題がある。そこ
で、本発明者らは、研究の結果、40℃で測定したソリッ
ドエコー法によるT2S 成分量とT2M 成分量との和、す
なわちT2S+M 成分量がホワイトカーボン重量当り又は
ホワイトカーボンとカーボンブラック等の他の充填剤と
を併用した場合には全充填剤重量当り10%以上であれば
弾性率の温度依存性が少なくなり、高温時においても弾
性率が低下しないことを知り、加硫ゴム組成物において
このようにT2S+M 成分量を定めたのである。
【0019】ソリッドエコー法は、日本ゴム協会誌第58
巻第468頁等にて報告されているように公知の方法であ
る。このソリッドエコー法においては、加硫ゴム組成物
をアセトンで抽出した後の残渣物が用いられ、スピン−
スピン緩和時間であるT2 が2相に分けられた場合はT
2 の短い相から順にT2S 成分、T2L 成分と名付け、3
相に分けられた場合にはT2S 成分、T2M 、T2L と名
付ける。
【0020】このようにT2S+M 成分量が充填剤重量当
り10%以上である加硫ゴム組成物は、前記で述べたよ
うに、シス1,4-結合をもつポリイソプレンを30重量%〜
100重量%含有する原料ゴム100 重量部に対しホワイト
カーボンを30重量部〜90重量部配合した配合物を、70℃
〜200 ℃の温度下に加熱処理した後、ついで加硫するこ
とにより得られる。この加硫は、常法によって行えばよ
い。
【0021】
【実施例】 表1に示す配合内容(重量部)のゴム組成物(実施
例1、比較例1〜3)につき、下記のように熱処理を施
した後、充填剤ゲル量を測定した。この結果を表1に併
せて示す。予備加熱工程 :120 ℃に温度調節した毎分30回転する密
閉型ミキサー中で、原料ゴム(ポリイソプレンゴム)10
0 重量部を1分間素練りしたのち、これに充填剤(ホワ
イトカーボン、カーボンブラック)を60重量部加えて5
分間混合した。
【0022】後加熱工程:上記の予備加熱工程を経た混
合物を120 ℃に温度調節した減圧オーブン中で18時間加
熱して、マスターバッチを得た。充填剤ゲル量の測定 :マスターバッチを3mm角に裁断
し、ケージ法を用いて室温にて24時間ベンゼンに浸漬
後、ベンゼンに不溶な成分を取り出し、それを室温にて
減圧乾燥し、秤量した。充填剤ゲル量は以下の式にて計
算した。なお、実施例1で用いた原料ゴムを試験したと
ころベンゼンに全て溶解した。
【0023】 注) *1 日本ゼオン社製 IR2200 *2 日本シリカ
社製 ニプシルAQ *3 三菱化成社製 ダイアブラックA
【0024】表1から明らかなように、後加熱工程を経
ない熱処理が不充分の比較例1では充填剤ゲル量が0.69
であるのに対し、後加熱工程を経て充分な熱処理を行っ
た実施例1では充填剤ゲル量が大幅に増大して1.25にな
っている。これは、カーボンブラックを充填剤に用いた
ときの比較例3の充填剤ゲル量0.90よりも多くなってお
り、ホワイトカーボンの補強性の増加といえる。比較例
1と実施例1の間の充填剤ゲル量の増加と比較例2と比
較例3の間の増加を比べると、後加熱工程を経た場合の
効果がポリイソプレンゴムとホワイトカーボンとの組み
合わせで特異的に大きいことが判る。
【0025】 表2に示す配合内容(重量部)のゴム
組成物(実施例2〜3、比較例4〜6)につき、下記の
ように熱処理を施した後、T2S+M 成分量および弾性率
を測定した。この結果を表2に併せて示す。予備加熱工程 :120 ℃に温度調節した毎分30回転する密
閉型ミキサー中で、原料ゴム(ポリイソプレンゴム、ポ
リブタジエンゴム)100 重量部を1分間素練りしたの
ち、これに充填剤(ホワイトカーボン、カーボンブラッ
ク)を60重量部加えて5分間混合した。その後、オープ
ンロールで酸化亜鉛と加硫促進剤および硫黄とを加え、
未加硫ゴム組成物を調製した。
【0026】後加熱工程:上記の予備加熱工程を経た未
加硫ゴム組成物を160 ℃に温度調節した金型中で加圧プ
レスを用いて15分間加熱して、厚さ2mmで縦横150mm の
加硫ゴムシートを作製した。T2S+M 成分量の測定 :上記の後加熱工程で得られた加
硫ゴムシートを約1mm角に裁断し、還流アセトン中で8
時間アセトン抽出を行った後、室温で減圧乾燥し、アセ
トンを除去したものをプロトンパルスNMR測定試料と
した。ソリッドエコー法により、NMR用ガラス管中に
減圧封入した試料を40℃で測定し、T2S+M 成分を求め
た。単位充填剤当たりのT2S+M 成分量は下記式によっ
た。 弾性率の測定:動的粘弾性装置を用い、加硫ゴムシート
から切り出した幅5mm×長さ20mmの短冊状の試料に10%
の予備伸張を加えた後、20Hzで±2%の正弦歪を加え、
20℃と100 ℃の動的弾性率(E’)を求めた。
【0027】 注) *4 日本ゼオン社製 IR2200 *5 日本ゼオン
社製 BR1200 *6 日本シリカ社製 ニプシルAQ *7 三菱化成社製
ダイアブラックA *8 (20℃の弾性率−100 ℃の弾
性率) ÷20℃の弾性率
【0028】表2から明らかなように、実施例2の弾性
率の温度変化は僅か2.5 %であり、実施例3の弾性率の
温度変化は8.4 %である。したがって、実施例2、3で
は、ホワイトカーボンの代わりにカーボンブラックを使
用した比較例4の弾性率の温度変化43.9%に比して大幅
に改良されている。ポリブタジエンゴムは弾性率の温度
依存性が小さいゴムの代表であるが、実施例2、3およ
び比較例4の原料ゴムをポリブタジエンゴムに代えた比
較例5および比較例6では、ホワイトカーボンの方がカ
ーボンブラックよりも温度依存性を改良する効果はみら
れず、特異的に本発明のゴム組成物の温度依存性が小さ
いことが判る。
【0029】また、実施例2、3の単位充填剤当たりの
T2S+M 成分量をみると、それぞれ14.5%、11.0%と、
比較例4〜6の3.3 〜6.7 %に比して極端に高く、これ
は本発明のゴム組成物中のゴム分子が充填剤表面に多量
に固定されていることを示唆している。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明のゴム組成物
は、シス1,4-結合をもつイソプレン系ゴムを30重量%〜
100 重量%含有する原料ゴム100 重量部に対しホワイト
カーボンを30重量部〜100 重量部配合してなるものであ
って、シランカップリング剤を減量もしくは使用しない
から加工工程でスコーチを生じにくく、また、未加硫物
の充填剤ゲル量がホワイトカーボン配合量の0.9 倍以上
であることや、加硫物のアセトン抽出後に40℃で測定し
たソリッドエコー法によるT2S+M 成分量が充填剤重量
当り10%以上であるために、ホワイトカーボンのゴムに
対する補強性を向上させることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 顕正 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日本ゼオン株式会社内 (72)発明者 中村 昌生 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日本ゼオン株式会社内 (72)発明者 高岸 幸雄 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日本ゼオン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−107343(JP,A) 特開 平2−53843(JP,A) 特開 昭49−85139(JP,A) 特開 平5−17624(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 9/00 - 21/00 C08K 3/36

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シス1,4-結合をもつイソプレン系ゴムを
    30重量%〜100 重量%含有する原料ゴム100 重量部に対
    しホワイトカーボンを30重量部〜100 重量部配合してな
    り、充填剤ゲル量がホワイトカーボン配合量の0.9 倍以
    上である未加硫のゴム組成物。
  2. 【請求項2】 シス1,4-結合をもつイソプレン系ゴムを
    30重量%〜100 重量%含有する原料ゴム100 重量部に対
    しホワイトカーボンを30重量部〜100 重量部配合した配
    合物を、70℃〜200 ℃の温度下に加熱処理する充填剤ゲ
    ル量がホワイトカーボン配合量の0.9 倍以上である未加
    硫のゴム組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 シス1,4-結合をもつイソプレン系ゴムを
    30重量%〜100 重量%含有する原料ゴム100 重量部に対
    しホワイトカーボンを30重量部〜100 重量部配合してな
    り、アセトン抽出後に40℃で測定したソリッドエコー法
    によるT2S+M 成分量が充填剤重量当り10%以上である加
    硫されたゴム組成物。
  4. 【請求項4】 シス1,4-結合をもつイソプレン系ゴムを
    30重量%〜100 重量%含有する原料ゴム100 重量部に対
    しホワイトカーボンを30重量部〜100 重量部配合した配
    合物を、70℃〜200 ℃の温度下に加熱処理し、ついで加
    硫剤を加えたのち加硫するアセトン抽出後に40℃で測定
    したソリッドエコー法によるT2S+M成分量が充填剤重量
    当り10%以上である加硫されたゴム組成物の製造方法。
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