JP3341446B2 - アゾ基含有重合体およびその製造方法 - Google Patents

アゾ基含有重合体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラジカル重合法による
ブロック共重合体の製造に有用なラジカル重合開始能を
有する新規なアゾ基含有重合体およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ビニルポリマーとオルガノポリシロキサ
ンとのブロック共重合体は、シリコーン樹脂の有する様
々な優れた性質がビニルポリマーに付与されたものであ
り、プラスチック、被覆剤、離型剤、粘着剤、気体透過
性フィルム、加工助剤などの用途での使用が期待されて
いる。
【0003】このようなビニルポリマー−シリコーン系
ブロック共重合体を比較的容易に製造する方法として、
ラジカル重合活性を示すアゾ基含有ポリシロキサンアミ
ドを使用する方法が、特公平2−33053号公報に示
されている。このアゾ基含有ポリシロキサンアミドは、
アゾ基を有するジカルボン酸とシロキサンセグメントを
有するジアミンとがアミド結合した繰り返し単位を有す
る化合物であり、熱または光により容易にラジカルを発
生し、該化合物をビニルモノマーの重合開始剤として使
用することによりビニルポリマー−シリコーン系ブロッ
ク共重合体を製造することができる。
【0004】上記アゾ基含有ポリシロキサンアミドは、
様々なビニルポリマー−シリコーン系ブロック共重合体
を製造するための重合開始剤として有用であるが、その
形状は極めて粘度の高いオイル状もしくはゴム状であ
り、そのため取り扱いが困難で、計量や重合缶への仕込
みといった操作が非常に煩雑となるという問題があっ
た。あるいは、それ自体はほとんど流動しないため、流
動させるためには有機溶剤などで希釈する必要がある
が、もともとの粘度が極めて高いため多量の溶剤を必要
とし、溶解に要する時間も長時間を必要とした。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ラジカル重
合活性を示すアゾ基とオルガノポリシロキサンとの繰り
返し単位を有し、取り扱いの容易な新規な重合体を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、アゾ基を有するジ
カルボン酸とシロキサンセグメントを有するビスフェノ
ールとがエステル結合した繰り返し単位からなる特定の
化合物が、前記アゾ基含有ポリシロキサンアミドに比し
て著しく粘度が低く、このため取り扱いが容易となるこ
とを見いだし、発明を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1は各々同一または異なってい
てもよく、水素原子、低級アルキル基またはニトリル基
を示し、R2は各々同一または異なっていてもよく、水
素原子、ハロゲン原子置換もしくは非置換のアルキル基
またはフェニル基を示す。RおよびRは各々同一ま
たは異なっていてもよく、炭素数0〜24の直鎖状また
は分岐状の2価の炭化水素基を示し、nは0〜500の
整数を示す。)で表される繰り返し単位を有し、数平均
分子量が2000〜500000であるアゾ基含有重合
体およびその製造方法に関する。
【0010】一般式(1)において置換基R1のとり得
る低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基などの炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル
基を挙げることができる。また、同様に置換基R2のと
り得るアルキル基としては、上記低級アルキル基に加え
てヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウン
デシル基、ドデシル基などの炭素数7〜12の直鎖状ま
たは分岐状のアルキル基を挙げることができる。また、
ハロゲン原子置換のアルキル基としては上記アルキル基
がハロゲン化されたもの、例えばクロロメチル基、ブロ
モメチル基、トリフルオロメチル基、2−クロロエチル
基、3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、
3,3,3−トリフルオロプロピル基、1,1,2,2
−テトラヒドロパーフルオロオクチル基などを挙げるこ
とができ、このハロゲン化におけるハロゲン原子として
はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを
挙げることができる。さらに、一般式(1)において置
換基R3およびR4は存在しても存在しなくてもよく、存
在する場合のとり得る2価の炭化水素基としては、例え
ばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメ
チレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプ
タメチレン基、オクタメチレン基、エチリデン基、プロ
ピレン基、イソプロピリデン基、ブチレン基、イソブチ
レン基、ペンチレン基などの炭素数1〜24の直鎖状ま
たは分岐状の2価の脂肪族炭化水素基、フェニレン基、
トリレン基、ナフチレン基、アセナフテニレン基、フェ
ナントリレン基などの炭素数1〜24の2価の芳香族炭
化水素基、あるいは上記の脂肪族炭化水素基と芳香族炭
化水素基とが結合した炭素数1〜24の炭化水素基を挙
げることができる。
【0011】一般式(1)で表される繰り返し単位を有
する本発明の重合体としては、下記一般式(2)
【0012】
【化3】
【0013】(式中、R1およびR3は前記に同じ。)で
表される構成成分と下記一般式(3)
【0014】
【化4】
【0015】(式中、R2,R4およびnは前記に同
じ。)で表される構成成分とが交互にエステル結合して
成る重合体はもちろんのこと、一般式(2)で表される
構成成分の一部が下記一般式(4)
【0016】
【化5】
【0017】(式中、Xはジカルボン酸残基を示す。)
で表される構成成分に置き換えられてなる重合体あるい
は一般式(3)で表される構成成分の一部が一般式
(5)
【0018】
【化6】
【0019】(式中、Yはジオール残基を示す。)で表
される構成成分で置き換えられた重合体も含む。
【0020】また、上記一般式(4)で示される構成成
分に含まれるジカルボン酸残基は特に制限はないが、例
えばしゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸の
残基を挙げることができる。一方、上記一般式(5)で
示される構成成分に含まれるジオール残基についても特
に制限はなく、例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキ
サンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、
デカンジオール、シクロヘキサンジオール、ヒドロキノ
ン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’
−ビフェノールなどのジオールの残基を挙げることがで
き、このうち高重合度の重合体が得られやすいことから
芳香族ジオールの残基が好ましい。
【0021】以上述べた本発明の重合体は、フェノール
性水酸基を2つ有するオルガノポリシロキサンとアゾ基
含有ジカルボン酸とを主原料とし、これらを重縮合させ
ることにより得ることができる。
【0022】ここで、アゾ基含有ジカルボン酸としては
下記一般式(6)
【0023】
【化7】
【0024】(式中、R1およびR3は前記に同じ。)で
表される化合物が、フェノール性水酸基を2つ有するオ
ルガノポリシロキサンとしては下記一般式(7)
【0025】
【化8】
【0026】(式中、R2,R4およびnは前記に同
じ。)で表されるシロキサンセグメントを有するビスフ
ェノールが用いられ、両者の重縮合反応は、アゾ基の分
解を抑制するため温和な条件で行うことが好ましい。
【0027】そのような温和な条件で反応を行う方法と
しては、例えば、一般式(6)で表されるジカルボン酸
を酸ハライド化した後、一般式(7)で表されるビスフ
ェノールと反応させる方法が挙げられる。
【0028】また、両者を温和な条件においてでも効果
のある縮合活性化剤を使用して重縮合させることによ
り、高収率で本発明の重合体を得ることもできる。この
ような縮合活性化剤としては、例えば1−メチル−2−
クロロピリジニウムアイオダイド、1,1’−カルボニ
ルジイミダゾール、あるいはベンゼンスルホン酸クロラ
イド、トルエンスルホン酸クロライドなどのアリールス
ルホン酸クロライドが挙げられ、特にその入手のしやす
さの点からアリールスルホン酸クロライドを用いること
が好ましい。
【0029】本発明の重合体において、一般式(4)で
表される構成成分を有する重合体を製造するためには、
一般式(6)で表されるジカルボン酸の酸ハライド化物
と一般式(4)で表される構成成分に対応する酸ハライ
ド化物との混合物を原料として用いればよい。一般式
(6)で表されるジカルボン酸と一般式(4)で表され
る構成成分に対応するジカルボン酸との混合物を用いる
場合には、縮合活性化剤を使用することが好ましい。
【0030】また本発明の重合体において、一般式
(5)で表される構成成分を有する重合体を製造するに
は、一般式(7)で表されるビスフェノールと一般式
(5)で表される構成成分に対応するジオールとの混合
物を原料として用いればよい。
【0031】さらに、一般式(7)で表されるビスフェ
ノールの代わりに、下記一般式(8)
【0032】
【化9】
【0033】(式中、R2,nは前記に同じであり、R5
は各々同一または異なっていてもよく、炭素数1〜10
の2価の脂肪族炭化水素基またはアルキレングリコール
基を示す。)で表されるシロキサンセグメントを有する
脂肪族ジオールを使用した場合にも本発明と類似の重合
体を製造することができるが、一般式(8)で表される
化合物は反応性が低く、高重合度の重合体が得られにく
いという欠点を有する。これに対して、一般式(7)で
表されるビスフェノールを使用した場合には、水酸基の
反応性が高く、短時間で反応し、高重合度の重合体が得
られやすいという特徴を有する。
【0034】上述の製造方法においてアリールスルホン
酸クロライドを縮合活性化剤として使用する場合には、
反応系に塩基性物質を存在せしめることが必要となる。
ここで使用される塩基性物質としては、例えばイミダゾ
ール、ピリジン、ピコリン、キノリン、ピロール、メチ
ルイミダゾール、エチルイミダゾール、フェニルイミダ
ゾール、トリエチルアミン、ジメチルホルムアミドなど
が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いること
ができる。
【0035】本発明の重合体の製造は、通常溶媒中で行
われ、溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエー
テル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、
ジクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化
水素、ヘキサン、石油エーテル、石油ベンジン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メ
チルエチルケトン、アセトニトリル、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン等が挙
げられ、これらの1種または2種以上が用いられるが、
用いる溶媒は得られるアゾ基含有重合体との分離が容易
なものが望ましく、例えば、低沸点溶媒を使用した場
合、減圧にすることにより得られる重合体から容易に分
離除去することができる。
【0036】一般式(6)で示されるジカルボン酸また
はその酸ハライド化物と一般式(7)で示されるビスフ
ェノール、一般式(4)で表される構成成分に対応する
ジカルボン酸および一般式(5)で表される構成成分に
対応するジオールの使用割合は適宜決定されるが、生成
する重合体を高重合度のものとするためには、全カルボ
ニル基のモル数と全水酸基のモル数をほぼ同程度の割合
とすることが好ましい。
【0037】また、アリールスルホン酸クロライドなど
の縮合活性化剤を使用する場合のその使用量は、1モル
のエステル基形成には1モルを必要とし、通常は1モル
のエステル基形成に1〜2モルを使用する。アリールス
ルホン酸クロライドを使用する場合の塩基性物質の使用
量は、アリールスルホン酸クロライドと同モル以上であ
り、さらに詳しくは、反応性などにより適宜決定され
る。また、溶媒の使用量は、使用する原料化合物あるい
は生成化合物の溶解度や反応溶液の粘度等に応じて適宜
決定される。
【0038】本発明の重合体の製造における反応温度
は、アゾ基の分解を抑制するためにできるだけ低温で行
うことが望ましいが、反応速度は温度の低下に従って遅
くなるので、使用するアゾ化合物のアゾ基の分解する速
度を考慮して適宜決定される。具体的には、通常−20
〜60℃程度、望ましくは0〜40℃であり、一定の温
度で反応を行ってもよく、また、段階的に温度を上昇さ
せてもよい。反応時間は特に限定されないが、通常0.
1〜48時間程度で行われ、好ましくは0.1〜10時
間で行われる。
【0039】本発明の重合体と反応時に生成した副生物
や原料化合物などとの分離は、通常知られている方法、
例えば水、アルコール類、エーテル類等による抽出やろ
過により行うことができる。
【0040】かくして得られる本発明の重合体は、前記
のとおり一般式(1)で表される繰り返し単位を有し、
数平均分子量が2000〜500000であるオリゴマ
ーまたはポリマーであり、その形状は通常粘性のオイル
状であるが、その粘度は前記のアゾ基含有ポリシロキサ
ンアミドに比して著しく低く、そのため取り扱いが容易
である。
【0041】また、本発明の重合体は、熱または光によ
りN2を発生して分解し、ラジカルを発生する。その
際、ラジカル重合可能なモノマーが存在すれば、速やか
に重合を起こし、ポリシロキサンセグメントを有するポ
リマーとラジカル重合ポリマーとのブロック共重合体を
生成する。
【0042】さらに、本発明の重合体は、前記のアゾ基
含有ポリシロキサンアミドに比して熱分解温度(アゾ基
の分解温度でなく、さらに高温での分解温度)が高いた
め、熱分解温度の高いビニルポリマー−シリコーン系ブ
ロック共重合体を合成できるという長所も合わせもつ。
【0043】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は実施例に限定されるものではない。
【0044】なお、分析は以下の方法で行った。
【0045】IR測定は、赤外分光光度計(島津製作所
社製、IR−460)を用いて行った。
【0046】NMR測定は、NMR測定装置(日本電子
社製、JNM−GX400)を用いて行った。
【0047】分子量は、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー[GPC](東ソー社製、HLC−802
A)を用い、ポリスチレン換算により求めた。
【0048】粘度は、粘弾性測定解析装置(レオロジ社
製、ソリキッドメータMR−500)を用いて測定し
た。
【0049】熱分解温度は、示差熱重量測定装置(セイ
コー電子工業社製、TG/DTA200)を用い、窒素
中、昇温速度20℃/分で測定した。
【0050】実施例1 トルエンスルホン酸クロライド8.4gをジクロロメタ
ン20mlに溶かした後、ピリジン10mlを加えた。
室温で15分間かき混ぜた後、ジメチルホルムアミド5
mlを加え、さらに15分間かき混ぜた。
【0051】4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン
酸) 5.6gをジクロロメタン100mlに分散さ
せ、これに上記の混合液を加え、室温で攪拌した。30
分後、数平均分子量3300のα,ω−ビス(2−(p
−ヒドロキシフェニル)エチル)ポリジメチルシロキサ
ン(前記一般式(7)においてR2がメチル基、R4がエ
チレン基、nが平均で40のもの)67gをジクロロメ
タン20mlに溶かした溶液を加え、室温で5時間反応
させた。
【0052】反応終了後、反応液中の不溶物をろ過し、
ろ液をメタノールで数回洗浄した後、溶媒を室温で減圧
留去し、生成物63g(収率88%)を得た。
【0053】得られた化合物は、IRスペクトルおよび
1H−NMRスペクトルにより、アゾ基含有ポリジメチ
ルシロキサンエステルであることを確認した。上記IR
スペクトルを図1に、1H−NMRスペクトルを図2に
示す。GPCにより求めた分子量は、重量平均分子量
(Mw)=47000,数平均分子量(Mn)=240
00であり、粘度は2000ポイズであった。また、加
熱重量減少から求めた熱分解温度は390℃であった。
【0054】実施例2 トルエンスルホン酸クロライド8.4gをジクロロメタ
ン20mlに溶かした後、ピリジン10mlを加えた。
室温で15分間かき混ぜた後、ジメチルホルムアミド5
mlを加え、さらに15分間かき混ぜた。
【0055】4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン
酸) 5.6gをジクロロメタン100mlに分散さ
せ、これに上記の混合液を加え、室温で攪拌した。30
分後、数平均分子量8200のα,ω−ビス(2−(p
−ヒドロキシフェニル)エチル)ポリジメチルシロキサ
ン(前記一般式(7)においてR2がメチル基、R4がエ
チレン基、nが平均で105のもの)164gをジクロ
ロメタン20mlに溶かした溶液を加え、室温で5時間
反応させた。
【0056】反応終了後、反応液をジクロロメタンで希
釈後、不溶物をろ過し、ろ液をメタノールで数回洗浄し
た後、溶媒を室温で減圧留去し、生成物144g(収率
85%)を得た。
【0057】得られた化合物は、IRスペクトルおよび
1H−NMRスペクトルにより、アゾ基含有ポリジメチ
ルシロキサンエステルであることを確認した。GPCに
より求めた分子量は、Mw=110000,Mn=56
000であり、粘度は2000ポイズであった。また、
加熱重量減少から求めた熱分解温度は440℃であっ
た。
【0058】比較例1 4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸) 5.6
gをジクロロメタン100mlに分散させ、これに1,
1’−カルボニルジイミダゾール 6.5gを加えた。
【0059】室温で1時間攪拌した後、数平均分子量3
200のα,ω−ジアミノプロピルポリジメチルシロキ
サン 67gをジクロロメタン20mlに溶かした溶液
を加え、室温で5時間反応させた。
【0060】反応終了後、反応液をメタノールで数回洗
浄し、室温で溶媒を減圧留去して、生成物60g(収率
83%)を得た。
【0061】得られた化合物は、IRスペクトルおよび
1H−NMRスペクトルにより、アゾ基含有ポリジメチ
ルシロキサンアミドであることを確認した。GPCによ
り求めた分子量は、Mw=46000,Mn=2300
0であり、粘度は400000ポイズであった。また、
加熱重量減少から求めた熱分解温度は367℃であっ
た。
【0062】比較例2 4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸) 5.6
gをジクロロメタン200mlに分散させ、これに1,
1’−カルボニルジイミダゾール 7.1gを加えた。
【0063】室温で1時間攪拌した後、数平均分子量1
1000のα,ω−ジアミノプロピルポリジメチルシロ
キサン 242gをジクロロメタン300mlに溶かし
た溶液を加え、室温で10時間反応させた。
【0064】反応終了後、反応液をメタノールで数回洗
浄し、室温で溶媒を減圧留去して、生成物225g(収
率91%)を得た。
【0065】得られた化合物は、IRスペクトルおよび
1H−NMRスペクトルにより、アゾ基含有ポリジメチ
ルシロキサンアミドであることを確認した。GPCによ
り求めた分子量は、Mw=120000,Mn=520
00であり、粘度は1000000ポイズであった。ま
た、加熱重量減少から求めた熱分解温度は410℃であ
った。
【0066】比較例3 トルエンスルホン酸クロライド8.4gをジクロロメタ
ン20mlに溶かした後、ピリジン10mlを加えた。
室温で15分間かき混ぜた後、ジメチルホルムアミド5
mlを加え、さらに15分間かき混ぜた。
【0067】4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン
酸) 5.6gをジクロロメタン100mlに分散さ
せ、これに上記の混合液を加え、室温で攪拌した。
【0068】30分後、数平均分子量3300のα,ω
−ビス(3−(2−ヒドロキシエトキシ)プロピル)ポ
リジメチルシロキサン 67gをジクロロメタン20m
lに溶かした溶液を加え、室温で5時間反応させた。
【0069】反応終了後、反応液中の不溶物をろ過し、
ろ液をメタノールで数回洗浄した後、溶媒を室温で減圧
留去し、生成物60g(収率83%)を得た。
【0070】得られた化合物は、IRスペクトルおよび
1H−NMRスペクトルにより、アゾ基含有ポリジメチ
ルシロキサンエステルであることを確認した。また、G
PCにより求めた分子量は、Mw=19000,Mn=
10000であった。
【0071】
【発明の効果】本発明の重合体は、その種々の長所から
ビニルポリマー−シリコーン系ブロック共重合体を製造
するための重合開始剤として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1において得られた重合体のIRスペ
クトル(KBr板に塗布して測定)を示す図である。
【図2】 実施例1において得られた重合体の1H−N
MRスペクトル(溶媒CDCl3)を示す図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は各々同一または異なっていてもよく、水
    素原子、低級アルキル基またはニトリル基を示し、R2
    は各々同一または異なっていてもよく、水素原子、ハロ
    ゲン原子置換もしくは非置換のアルキル基またはフェニ
    ル基を示す。R3およびR4は各々同一または異なってい
    てもよく、炭素数0〜24の直鎖状または分岐状の2価
    の炭化水素基を示し、nは0〜500の整数を示す。) で表される繰り返し単位を有し、数平均分子量が200
    0〜500000であるアゾ基含有重合体。
  2. 【請求項2】フェノール性水酸基を2つ有するオルガノ
    ポリシロキサンとアゾ基含有ジカルボン酸またはその酸
    ハライド化物とを主原料とし、これらを重縮合させるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のアゾ基含有重合体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】アリールスルホン酸クロライドおよび塩基
    性物質の存在下で重縮合させることを特徴とする請求項
    2に記載のアゾ基含有重合体の製造方法。
JP06069894A 1993-05-11 1994-03-30 アゾ基含有重合体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3341446B2 (ja)

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