JP3341316B2 - 映像表示装置の水中ケース - Google Patents

映像表示装置の水中ケース

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JP3341316B2
JP3341316B2 JP29922692A JP29922692A JP3341316B2 JP 3341316 B2 JP3341316 B2 JP 3341316B2 JP 29922692 A JP29922692 A JP 29922692A JP 29922692 A JP29922692 A JP 29922692A JP 3341316 B2 JP3341316 B2 JP 3341316B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオモニター等の映
像表示装置を水中で見るための水中ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マリンスポーツの普及に伴い、ビ
デオ機器についても水中で使用する例が増えて来た。例
えば、ビデオモニターを水中で使用する場合は、図8に
示すように、前面の窓に透明ガラス31を嵌め込んだ水
中ケース30内にビデオモニター1を収容し、画面2に
映し出される映像を透明ガラス31を通して水中から見
ている。
【0003】ところで、水中で透明ガラス越しにビデオ
モニターの画面を見ると、画面に映し出される映像の明
るさに対し圧倒的に明るい外光が、光屈折率の関係から
透明ガラス31とケース30内の空気との境界面で多く
反射して、画面の映像と重なってしまい、映像が反射し
た外光に埋もれて見にくくなる。このため、従来では水
中ケース30の窓の外側に外光遮断用の角筒状フード3
2を設け、このフード32に顔を近付けて外光が入らな
いようにし、覗き込むようにして画面を見ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来で
は、フードに顔を近付けて覗き込まないと、画面の映像
を良く見ることができなかったので、離れた位置から見
ることはできなかった。
【0005】そこで本発明は、離れた位置からでもモニ
ター映像を観察できるようにした映像表示装置の水中ケ
ースを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による水中ケースは、水密構造のケース本体
の前面の窓に、ケース本体内部に収容される映像表示装
置の画面に対して傾斜した姿勢で配設された透明板と、
この透明板と対向する側に配置され、内面側に光吸収板
が設けられた外光遮断用フードとを有し、傾斜は画面に
正対する方向からの外光が全反射する傾斜であり、光吸
収板は全反射した外光が到達する位置に設けることを特
徴としている。
【0007】この場合、透明板と映像表示装置の画面と
の間に、該画面と平行に拡大レンズを配設したりしても
よい。また、光吸収板を外光遮断用フードに対して着脱
自在かつ位置調整自在に設けてもよい。
【0008】
【作用】本発明では、内面側に光吸収板が設けられた外
光遮断用フードを透明板と対向する側に配置するととも
に、画面の前にある透明板が画面に対して正対する方向
からの外光が全反射するように傾斜しているので、画面
に対して垂直な方向にいる観察者の周辺の外光が、透明
板とケース内空気との境界面で反射しても、その反射光
が観察者とは異った方向へ進む。つまり、従来は眼に入
りやすかった観察者周辺の外光による反射光が、観察者
の眼に入りにくくなる。従って、反射光に邪魔されずに
画面を見ることができるようになる。
【0009】なお、光吸収板が位置調整自在であれば、
光の具合や見る位置に応じて適当に位置を移動すればよ
い。また、拡大レンズを配設すれば画面の映像を大きく
見ることができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0011】図1は本発明の一実施例の水中ケース5に
ビデオモニター1を収容した状態を示す側断面図、図2
は同斜視図である。
【0012】この実施例の水中ケース5は、樹脂ででき
たケース本体6を有する。ケース本体6は、ビデオモニ
ター1を一定の姿勢(図1の右真横方向を向いた姿勢)
で収容するボックス部7と、その開口に設けられた前面
枠8とからなる。
【0013】前面枠8は、ボックス部7の前面にやや斜
め上方を向いた姿勢で取り付けられており、上端がヒン
ジ9でボックス部7の上端に回動自在に連結され、下端
がネジ10でボックス部7の下端に取り外し自在に締結
されている。ボックス部7と前面枠8との合わせ目はシ
ール材11で水密的にシールされている。
【0014】前面枠8にはさらに斜め上方を向いた窓1
2があり、この窓12には透明ガラス板13がシール材
14を介して水密的に固定されている。この透明ガラス
板13は、ガラス押さえ枠15を前面枠8にネジ16で
締め付けることにより、前面枠8に固定されており、ビ
デオモニター1の画面2に対して所定の角度αをもって
上向き傾斜した姿勢で取り付いている。前面枠8は、こ
の透明ガラス板13が取り付けられることで、ボックス
部7の開口を開閉する蓋体として機能する。
【0015】また、前面枠8の上側には、透明ガラス板
13と対向するようにして外光遮断用のフード17が設
けられている。フード17は、その外観が前面枠8の下
側部分と対称形状となるように形成され、フード17と
前面枠8とで、先端側が窄まった外観角錐台形状をなし
ている。フード17の先端内面側には、光吸収板18が
面ファスナ等の脱着手段19により位置調整自在に取り
付いている。
【0016】次に、透明ガラス板13の傾斜角度の設定
の仕方について述べる。屈折率の異なる物質が接し、そ
の境界面に光屈折率の大きい物質側から小さい物質側へ
光を照射すると、光の入射角度の条件により、光が全反
射する領域がある。図3は、水中の視点Aから透明ガラ
ス板13を透過して空気層側の物体を見た場合を示すも
ので、視線の角度θを順次変えて行った場合の見える範
囲と見えない範囲を区別して示している。
【0017】視線が或る角度を超えた角度になると、ケ
ース内空気とガラス板13の境界面で全反射の条件が成
立するので、透明ガラス板13の向こうの物体を見るこ
とができなくなる。即ち、透過領域の光は視点Aに到達
するのに対し、全反射領域の光は視点Aに到達しない。
従って、図4に示すように、視点Aから視点Bまで視野
範囲を広げた場合にも画面2の端部が反射光に邪魔され
ずに見えるようにするためには、画面2の端部が視点B
での透過領域内に入るようにする必要がある。本実施例
では、このような点並びに光吸収板18の突出長さ等を
考慮して、透明ガラス板13の傾斜角度αが35°に設
定されている。
【0018】なお、ビデオモニター1の画面2を大きく
見たい場合は、図5に示すように、画面2と透明ガラス
板13との間に、画面2と平行にして拡大用フレネルレ
ンズ20を配設する。フレネルレンズ20は、上部をガ
ラス板13にシリコンゴム系接着剤を用いて接着し、下
部を前面枠8にネジ止めすることで固定する。
【0019】次に、図5を用いて作用を説明する。例え
ば、光吸収板18の先端をかすめる外光aは透明ガラス
板13に略垂直に入射する。従って、透明ガラス板13
とケース内空気との境界面で反射し、透明ガラス板13
に略垂直な反射光となる。よって、画面2に対して垂直
な方向にいる観察者の眼にこの反射光が到達することは
ない。また、外光bは透明ガラス板13に対し70°の
入射角で進み、透明ガラス板13とケース内空気との境
界面で110°の反射光となる。この反射光は、視点側
に戻ることはなく、光吸収板18に到達して吸収され消
滅する。
【0020】このように、透明ガラス板13が画面2に
対して傾斜しているので、画面2に対して垂直な方向に
いる観察者の周辺の外光が、透明ガラス板13とケース
内空気との境界面で反射しても、その反射光が観察者と
は異った方向へ進む。従ってその反射光が観察者の眼に
入らなくなり、反射光に邪魔されず画面が見やすくな
る。これにより、観察者は外光が入らないようにフード
に顔を近付けて覗き込む必要がなくなり、離れた位置で
画面を見ることができるようになる。
【0021】なお、視点の位置や外光条件等に応じて光
吸収板18の突出量を調整することにより、より見やす
い条件を設定することができる。また、不要になった場
は、光吸収板18をフード17内に収納すれば邪魔に
ならない。この光吸収板18は、フード17に対してス
ライド自在に取り付けてもよい。
【0022】また、光吸収板18の具体例としては、例
えばプラスチック板に黒色スポンジゴムを接着したも
の、あるいはプラスチック板の表面に黒スエード塗装し
たもの等を用いることができる。図6はその一例を示し
ている。図において18Aは基板としてのプラスチック
板、18Bは黒色スポンジゴムあるいは黒スエード塗装
部分、19は面ファスナーである。
【0023】この場合、黒色スポンジゴム及び黒スエー
ド塗装部分の表面は、図7に示すように細かい凹凸状を
している。従って、例えば外光が凹部へ突入した場合は
凹部内表面で反射するが、凹部内表面が黒色であるため
反射光は著しく減衰する。更に凹部内表面は凹面である
ため1〜2回乱反射して外光は吸収される。一方、凸部
に衝突する光は凸部が黒色であるためその反射光は著し
く減衰し、更に凸部は鋭角であるため著しく減衰した外
光は乱反射して分散してしまう。このため、反射光や外
光が吸収される。
【0024】
【発明の効果】本発明の水中ケースによれば、映像表示
装置の画面の前面の透明板が画面に対して正対する方向
からの外光が全反射するように傾斜して配設され、その
透明板と対向する側で外光が到達する位置に、内面側に
全反射した外光を吸収する光吸収板が設けられた外光遮
断用フードが配置されているので、画面に正対する観察
者の方向からの外光が透明板で反射しても、その反射光
が観察者の方向に進まない。従って、画面の映像が反射
光に妨害されて見にくくなることがなく、フードを覗き
込むようにして観察者周辺の外光を遮らなくても、つま
り離れた位置からでも画面の映像を見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の側断面図である。
【図2】同実施例の斜視図である。
【図3】同実施例の透明ガラス板の傾斜角度の設定の仕
方の説明に供する図である。
【図4】同実施例の透明ガラス板の傾斜角度の設定の仕
方の説明に供する図である。
【図5】本発明の変形例の側断面図である。
【図6】本発明の実施例で用いる光吸収板の斜視図であ
る。
【図7】同光吸収板の光吸収の原理説明図である。
【図8】従来の水中ケースの側断面図である。
【符号の説明】
1 ビデオモニター(映像表示装置) 2 画面 5 水中ケース 6 ケース本体 7 ボックス部 8 前面枠 12 窓 13 透明ガラス板 17 フード 18 光吸収板 19 面ファスナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−76168(JP,A) 実開 昭63−5782(JP,U) 実開 昭62−35318(JP,U) 実開 昭61−9974(JP,U) 実開 昭59−20770(JP,U) 実開 平3−42189(JP,U) 実公 昭38−9913(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/64 551

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水密構造のケース本体の前面の窓に、ケ
    ース本体内部に収容される映像表示装置の画面に対して
    傾斜した姿勢で配設された透明板と、 前記透明板と対向する側に配置され、内面側に光吸収板
    が設けられた外光遮断用フードとを有し、 前記傾斜は前記画面に正対する方向からの外光が全反射
    する傾斜であり、 前記光吸収板は前記全反射した外光が到達する位置に設
    けることを特徴とする映像表示装置の水中ケース。
  2. 【請求項2】 前記透明板と前記映像表示装置の画面と
    の間に、該画面と平行に拡大レンズが配設されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の映像表示装置の水中ケー
    ス。
  3. 【請求項3】 前記光吸収板が前記外光遮断用フードに
    対して着脱自在かつ位置調整自在に設けられていること
    を特徴とする請求項1記載の映像表示装置の水中ケー
    ス。
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