JP3340927B2 - 切削性と冷間鍛造性を兼備した中炭素軸受用鋼鋼管とその製造方法 - Google Patents

切削性と冷間鍛造性を兼備した中炭素軸受用鋼鋼管とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、おもにローグレー
ド軸受部品に用いられる重量比としてC:0.60〜
0.75%、Cr:0.15〜0.65%と焼入れ性調
整成分を主成分として含有する中炭素軸受用鋼で切削性
と冷間鍛造性をSUJ2、SAE52100並に改善し
た軸受用材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軸受用鋼材は従来はSUJ2などの高炭
素クロム軸受鋼であったが、クロム、カーボン含有量を
下げて、例えば、重量比として、C:0.60〜0.7
5%、Cr:0.15〜0.65%と焼入れ性調整成分
とし残部不可避不純物成分を含有する中炭素軸受用鋼が
開発され、これらは、従来、熱間鍛造、熱間鍛造→焼鈍
→冷間ロール成形、或いは、熱間加工で製造した鋼管を
引抜きして提供されていた。しかし、これらの材料は球
状化促進元素であるCrの含有量が少ないため、球状化
が不十分なパーライト組織が残存した組織であるために
切削性や冷間鍛造性に問題があった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】本発明が解決しようとする課題は、上記の
重量比としてC:0.60〜0.75%、Cr:0.1
5〜0.65%と焼入れ性調整成分を主成分として含有
し、不可避不純物成分と残部Feからなる中炭素軸受用
鋼で、通常の焼鈍熱処理だけでは球状化しにくいこの中
炭素軸受用鋼を、従来のSUJ2、SAE52100並
に球状化して優れた切削性や冷間鍛造性を有するものに
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の課題を解
決する手段は、請求項1の発明では、重量比としてC:
0.60〜0.75%、Cr:0.15〜0.65%と
焼入れ性調整成分を主成分として含有し、不可避不純物
および残部Feからなる中炭素軸受用鋼を熱間加工して
製造した鋼管を、球状化熱処理後、下記数式で表す面積
減少率が60〜80%の高減面率で冷間圧伸した後に焼
鈍することにより加工歪みによる球状化促進効果を利用
することを特徴とするミクロ組織がフェライト組織と球
状炭化物からなり切削性と冷間鍛造性に優れた中炭素軸
受用鋼鋼管の製造方法である。
【0005】
【数1】面積減少率=100(S−s)/S 但し、S:母材断面積、s:製品断面積
【0006】請求項2の発明では、重量比としてC:
0.60〜0.75%、Cr:0.15〜0.65%と
焼入れ性調整成分を主成分と不可避不純物および残部F
eを含有する中炭素軸受用鋼の熱間加工による鋼管を球
状化処理後、面積減少率が60〜80%の高減面率の冷
間圧伸して焼鈍して、ミクロ組織をフェライト組織と球
状炭化物としたことを特徴とする請求項1記載の方法に
より製造の切削性と冷間鍛造性に優れた中炭素軸受用鋼
鋼管である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を述べる。重
量比としてC:0.60〜0.75%、Cr:0.15
〜0.65%と焼入れ性調整成分を主成分として含有
し、不可避不純物および残部Feからなる中炭素軸受用
鋼とは、例えば、C:0.67%、Si:0.27%、
Mn:0.81%、P:0.012%、S:0.010
%、Cr:0.40%、Mo:0.02%、Cu:0.
06%、Al:0.024%、N:61ppm、O:6
ppmを化学成分として含有し、残部Feおよび不可避
不純物からなる鋼である。この鋼素材を熱間でアッセル
ミルにより製管した後、SUJ2等の高炭素クロム軸受
鋼に対する通常の球状化焼鈍と同様の球状化焼鈍をす
る。次いで、例えばコールドピルガーミルにより、面積
減少率=100(S−s)/S(ただし、Sは母材断面
積、sは製品断面積)を60〜80%の高減面率として
冷間圧伸する。この冷間圧伸による加工歪を付与し、次
いで670℃〜720℃で約3.5時間の低温の歪取り
焼鈍をする。かくして残留歪みによる合金元素の拡散が
促進され従来困難であった炭化物の球状化促進が図られ
球状化し、ミクロ組織がフェライト組織と球状化炭化物
からなる切削性と冷間鍛造性に優れた中炭素軸受用鋼鋼
管が得られる。得られた鋼管は曲がり矯正した後、切断
してベアリングレース用のリングとする。
【0008】
【実施例】表1に本発明における中炭素軸受鋼と比較例
として従来の高炭素クロム軸受鋼の化学成分を示す。N
o.1は本発明の鋼種で、No.2は従来の鋼種のSU
J2である。
【0009】
【表1】
【0010】本願発明の実施例を以下に示す。 実施例1:表1に示すNo.1の鋼種の軸受鋼の管素材
を熱間でアッセルミルで、外径100mm 、肉厚11mmの鋼管
に製管し、この鋼管を 775℃×12Hrで球状化焼鈍する。
次いでこの鋼管をピルガーミルにより面積減少率67.7%
に圧伸して外径62.60mm ×肉厚5.55mmの鋼管とし、次い
で 720℃×3.5Hr で焼鈍をする。この様にして得られた
鋼管の硬さとミクロ組織を図1の顕微鏡写真に示す。図
1の顕微鏡写真から、本実施例では、ミクロ組織はフェ
ライトと球状化炭化物からなることがわかる。
【0011】実施例2:表1に示すNo.1の鋼種の軸
受鋼の管素材を熱間でアッセルミルで、外径72mm、肉厚
12mmの鋼管に製管し、この鋼管を 775℃×12Hrで球状化
焼鈍する。次いでこの鋼管をピルガーミルにより面積減
少率69.7%に圧伸して外径41.4mm×肉厚6.2mm の鋼管と
し、次いで 720℃×3.5Hr で歪とり焼鈍をする。この様
にして得られた鋼管の硬さとミクロ組織を図2の顕微鏡
写真に示す。図2の顕微鏡写真から、本実施例でも実施
例1と同様に、ミクロ組織はフェライトと球状化炭化物
からなることがわかる。
【0012】次いで比較例を示す。比較例は、管素材を
熱間でアッセルミルにより製管して従来と同様の球状化
焼鈍を行なって仕上がりとするものであり、本発明にお
ける高減面率の圧伸およびその後の焼鈍を行わないもの
である。 比較例:表1に示すNo.1の鋼種の軸受鋼の管素材を
熱間でアッセルミルで、外径94.3mm×肉厚11.80mm の鋼
管に製管し、この鋼管を 775℃×12Hrで球状化焼鈍して
仕上がり鋼管とする。この鋼管の硬さとミクロ組織を図
3の顕微鏡写真に示す。図3の顕微鏡写真から、球状化
は不十分でパーライトが存在することがわかる。
【0013】次いで、(a)実施例1で製造の管材(φ
62.6mm×肉厚5.55mm) と従来の一般軸受鋼である高炭素
クロム軸受鋼SUJ2から慣用手段により製管後、球状
化焼鈍した管材(φ65.7mm×肉厚5.2mm)及び(b)比較
例で製造の管材(φ94.30mm×肉厚11.80mm)と従来の高
炭素クロム軸受鋼SUJ2から慣用手段により製管した
後、球状化焼鈍した管材(比較例と同一寸法)の突切切
断におけるバイト寿命について比較して示す。
【0014】
【表2】
【0015】表2から本発明により製造の実施例1の管
材は、従来の一般の軸受鋼SUJ2材の管材とほぼ同等
の切削性を有することがわかる。これに対し、比較例に
よる管材は従来の一般の軸受鋼SUJ2材の管材に比し
切削性は大幅に劣ることがわかる。
【0016】次いで、冷間鍛造性について、表1のN
o.1の中炭素軸受鋼の球状化処理材とNo.2の従来
の一般の軸受鋼SUJ2の球状化処理材とを対比して、
表3に硬さと限界据込率および図4に変形抵抗で示す。
球状化焼鈍条件は750℃×12Hrとした。表3から
No.1の中炭素軸受鋼の球状化処理材の硬さはNo.
2の従来の一般の軸受鋼SUJ2の球状化処理材の硬さ
よりやや軟らかく、据込率もやや優れていることがわか
る。図4からNo.1の中炭素軸受鋼の球状化処理材の
変形抵抗はNo.2の従来の一般の軸受鋼SUJ2の球
状化処理材の変形抵抗よりやや優れていることがわか
る。
【0017】
【表3】
【発明の効果】以上に詳述したとおり、本発明は、熱間
加工により製管した材料を球状化焼鈍後、さらに高減面
率で圧伸した後に焼鈍をすることにより、材料を大幅に
改善することができ、ミクロ組織がフェライトと球状化
炭化物からなる中炭素軸受鋼鋼管が得られる。その結
果、本発明の中炭素軸受鋼鋼管の切削性および冷間鍛造
性は従来の高炭素クロム軸受鋼並となり、ベアリングレ
ースの製造コストの削減を図ることを可能とする優れた
効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施方法による軸受鋼鋼管のミクロ組
織を示す顕微鏡写真である。
【図2】本発明の他の実施方法による軸受鋼鋼管のミク
ロ組織を示す顕微鏡写真である。
【図3】アッセルミルによる製管後球状化焼鈍で仕上が
りとした比較例の軸受鋼鋼管のミクロ組織を示す顕微鏡
写真である。
【図4】本発明の実施方法による軸受鋼鋼管と従来の一
般の軸受鋼SUJ2の球状化処理材との変形抵抗を比較
して示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 研二 兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番 地 山陽特殊製鋼株式会社内 (72)発明者 北野 修平 兵庫県姫路市飾磨区中島字一文字3007番 地 山陽特殊製鋼株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−127651(JP,A) 特開 平1−234519(JP,A) 特開 昭57−43929(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/10,9/08 C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比としてC:0.60〜0.75
    %、Cr:0.15〜0.65%と焼入れ性調整成分を
    主成分として含有し、不可避不純物および残部Feから
    なる中炭素軸受用鋼を熱間加工して製造した鋼管を、
    状化熱処理後、下記数式で表す面積減少率が60〜80
    %の高減面率で冷間圧伸した後に焼鈍することにより加
    工歪みによる球状化促進効果を利用することを特徴とす
    るミクロ組織がフェライト組織と球状炭化物からなり切
    削性と冷間鍛造性に優れた中炭素軸受用鋼鋼管の製造方
    法。 【数1】 面積減少率=100(S−s)/S 但し、S:母材断面積、s:製品断面積
  2. 【請求項2】 重量比としてC:0.60〜0.75
    %、Cr:0.15〜0.65%と焼入れ性調整成分を
    主成分として含有し、不可避不純物および残部Feから
    なる中炭素軸受用鋼の熱間加工による鋼管を球状化処理
    後、面積減少率が60〜80%の高減面率の冷間圧伸し
    て焼鈍するこによりミクロ組織をフェライト組織と球状
    炭化物としたことを特徴とする請求項1記載の方法によ
    り製造の切削性と冷間鍛造性に優れた中炭素軸受用鋼鋼
    管。
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CN100344784C (zh) * 2003-01-30 2007-10-24 住友金属工业株式会社 轴承零件用钢管、其制造方法及切削方法
CN110802373A (zh) * 2019-11-16 2020-02-18 徐州乐泰机电科技有限公司 一种应用于轴承套圈的预应力锻造方法

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