JP3339470B2 - ウエザデータ表示システム - Google Patents

ウエザデータ表示システム

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JP3339470B2 JP23097699A JP23097699A JP3339470B2 JP 3339470 B2 JP3339470 B2 JP 3339470B2 JP 23097699 A JP23097699 A JP 23097699A JP 23097699 A JP23097699 A JP 23097699A JP 3339470 B2 JP3339470 B2 JP 3339470B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はウエザデータ表示シ
ステムに関し、特に航空機を検出する航空管制用の一次
レーダにおいて受信信号から雨域を検出して航空管制用
の表示装置に表示するウエザデータ表示システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ウエザデータ表示システムにおい
ては、図6に示すように、空中線21と、送受信装置2
2と、A/D(アナログ/ディジタル)変換器23と、
ドップラフィルタ24と、平均レベル抽出器25と、量
子化器26と、メッセージ生成器27と、モデム(MO
DEM)28,29と、レーダデータ処理装置30と、
表示装置31とから構成されている。
【0003】空中線21はRFのパルス信号を空間に放
射し、図示せぬ航空機等からの反射信号を受信する。送
受信装置22はRFパルス信号を生成して空中線21に
出力するとともに、空中線21で受信したRFの反射信
号201を増幅・位相検波し、ビデオ帯域の信号である
コヒアレントビデオ(I及びQ)202を出力する。
【0004】A/D変換器23はコヒアレントビデオ2
02をA/D変換し、ディジタルI,Qビデオ203を
出力する。ドップラフィルタ24は固定クラッタである
グラウンドクラッタを抑圧し、雨域からの反射信号成分
を抽出してウエザビデオ204を出力する。
【0005】平均レベル抽出器25はウエザビデオ20
4を入力とし、扇形の小領域毎に平均振幅値を算出して
平均振幅データ205を出力する。量子化器26は平均
振幅データ205を予め定めたしきい値[しきい値
(1)]と比較し、平均振幅データがしきい値(1)を
超える小領域に対して“1”または“0”のディジタル
信号(アクティブであることを示す信号)である量子化
データ206を出力する。
【0006】メッセージ生成器27は量子化データ20
6を入力として所定フォーマットのメッセージを作成
し、複数スキャンにわたって1スキャン分のウエザデー
タ207を出力する。モデム28はメッセージ生成器2
7からのウエザデータ207を音声帯域の信号に変換す
る。
【0007】モデム29は音声帯域の信号に変調された
ディジタルデータを復元し、復元されたウエザデータ2
09をレーダデータ処理装置30に出力する。レーダデ
ータ処理装置30は複数スキャンにわたって送られてく
るウエザデータ209を蓄積して1スキャン分のウエザ
データを編集し、ウエザ表示データをLAN(Loca
l Area Network)210に出力する。表
示装置31はLAN210からウエザ表示データを取込
み、それを画面表示する。
【0008】図6において、空中線21、送受信装置2
2、A/D変換器23、ドップラフィルタ24、モデム
28,29各々の動作は当業者にとってよく知られてい
るため、その動作説明は省略する。
【0009】平均レベル抽出器25では予め決められた
単位距離及び単位方位で定まる扇形の小領域(セル)毎
にビデオの平均振幅を抽出し、平均振幅データ205を
出力する。量子化器26では各セル毎に平均振幅値が予
め定めたしきい値を超えるか否かを判定し、その結果を
量子化データ206としてメッセージ生成器27に出力
する。
【0010】メッセージ生成器27ではこの情報を所定
のメッセージフォーマットに編集してモデム28,29
及び伝送ライン208を通じてレーダデータ処理装置3
0に伝送する。メッセージ生成器27からのメッセージ
は通常、予め定めた角度単位分(以下、セクタとする)
の捜索範囲に対する情報をレーダの1スキャン分の時間
をかけて送り、(360度)/(セクタ)スキャン分の
時間をかけて1スキャン分の量子化データが送り終わる
ことになる。
【0011】レーダデータ処理装置30では複数スキャ
ンにわたって送られてくるウエザデータを蓄積して1ス
キャン分の表示のためのウエザ表示データを編集し、こ
れをLAN210を介して表示装置31に出力する。表
示装置31では航空機の航跡データに加えてウエザデー
タを表示する。また、ウエザデータの表示更新は0度方
向から時計方向まわりで行われる。
【0012】この様子を図4を用いてさらに説明する。
図4(a)は全捜索空間を所定の距離単位及び方位単位
で区切った例を示している。図4(a)中のAで示すよ
うな「ます」の一つ一つがこれまでの説明のなかで述べ
てきた小領域(セル)である。図4(a)中の502及
び501がセルサイズを決める単位距離及び単位方位で
ある。
【0013】上記のウエザデータ表示システムではこの
セル一つ一つについてグランドクラッタを抑圧したレー
ダ受信ビデオの平均振幅を算出し、それが所定の値を超
えた場合に雨域と判定して図4(a)のAのように航空
管制用の表示装置に表示するものである。
【0014】従来のウエザデータ表示システムとしては
雨量レーダの観測結果を所定の距離単位及び方位単位よ
りなる微少区間毎に平均レベルを求めるものがある。こ
の技術については、特開昭61−164173号公報
(第1図、第2図及び2,4,5ページ)に記載されて
いる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のウエザ
データ表示システムでは、ウエザデータの検出が予め決
まったサイズのセル毎であるため、レーダデータ処理装
置の処理容量を超えるウエザデータが発生した場合に全
方位にわたるウエザデータの表示ができないという問題
がある。
【0016】すなわち、レーダによる航空管制システム
では航空機の追尾、警報監視、フライトプランとの照
合、航跡や地図等の表示データ生成等が主要な機能であ
るため、ウエザ処理に許される処理容量が限られる場合
があるため、その処理容量を超えるウエザデータが発生
すると、全方位にわたるウエザデータを表示することが
できなくなることがある。
【0017】また、実際の雨域が広がり、従来のウエザ
データ表示システムが雨域と判定する領域が広がるほど
レーダデータ処理装置の負荷が増し、処理オーバフロー
となった場合、限られた量のウエザデータのみしか処理
できなくなる。レーダデータ処理装置の処理能力が低く
なるほど、この傾向が高くなる。
【0018】そこで、本発明の目的は上記の問題点を解
消し、従来の方式では全てのウエザ情報が表示されない
場合でも全方位にわたるウエザ情報の表示を行うことが
できるウエザデータ表示システムを提供することにあ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明によるウエザデー
タ表示システムは、航空機を検出する航空管制用の一次
レーダにおいて受信信号から雨域を検出して航空管制用
の表示装置に表示するウエザデータ表示システムであっ
て、常に1スキャンあたりの量子化データ数をモニタす
るモニタ手段と、前記モニタ手段でモニタされた前記量
子化データ数が予め設定された所定数を超えた時に前記
雨域を検出するための扇形の小領域のサイズを増大させ
るよう制御する制御手段とを備えている。
【0020】本発明による他のウエザデータ表示システ
ムは、全方位の空間にパルス信号を送信し、その反射信
号から航空機の位置を抽出する二次元パルスレーダにお
いて前記反射信号から雨域を検出して航空管制用の表示
装置に表示するウエザデータ表示システムであって、前
記反射信号から検出されたレーダ受信ビデオから固定ク
ラッタを抑圧する手段と、前記二次元パルスレーダにお
ける二次元捜索範囲を外部から入力されるセルサイズ制
御信号によって決まる距離範囲と方位範囲とから定まる
小領域に分割しかつその小領域毎に平均振幅値を抽出す
る平均レベル抽出手段と、前記平均レベル抽出手段の出
力を予め定めた第1のしきい値と比較しかつ前記第1の
しきい値を超えた小領域の数をスキャン毎に計数する計
数器と、前記計数器で得られた1スキャンあたりのカウ
ント数である量子化数データを予め定めた第2のしきい
値と比較しかつ前記カウント数が前記第2のしきい値を
超えた時に前記小領域のサイズを変更させるためのセル
サイズ制御信号を出力するセルサイズ制御器とを備えて
いる。
【0021】すなわち、本発明のウエザデータ表示シス
テムは、全方位空間にRFパルス信号を送信し、その反
射信号から航空機の二次元位置を抽出するとともに、降
雨領域の情報(以下、ウエザデータとする)を抽出する
航空管制用レーダ装置と、抽出されたそれらの情報をデ
ータ処理装置で処理し、管制用の表示装置に表示する航
空管制システムにおいて、降雨領域が増えて上記レーダ
装置からのウエザデータが増大するような場合でもデー
タ処理装置の処理能力をオーバさせることなく、全方位
にわたるウエザデータの表示を継続可能としている。
【0022】より具体的に、本発明のウエザデータ表示
システムにおいて、平均レベル抽出器は固定クラッタが
抑圧されたレーダ受信ビデオを入力とし、所定の方位範
囲と距離範囲とによって定まる小領域の平均振幅データ
を抽出する。小領域のサイズを規定する単位距離や単位
方位の信号はセルサイズ制御器によって複数の信号から
なるセルサイズ制御信号として平均レベル抽出器に入力
される。
【0023】量子化器は平均振幅データを入力とし、予
め定められたしきい値とこれを比較し、平均振幅データ
がしきい値を超えた場合に“1”または“0”の量子化
データを出力する。メッセージ生成器は量子化データを
入力として所定フォーマットのメッセージを作成し、ウ
エザデータを出力する。このメッセージはしきい値を超
えたセルに対応し、しきい値を超えるセル数が多いほど
メッセージ数も多くなる。その後、ウエザデータはデー
タ処理機器に伝送され、管制用表示装置への表示のため
のデータ処理が行われる。
【0024】計数器とセルサイズ制御器とが本発明の特
徴となる部分である。計数器は量子化データを入力とし
てレーダの1スキャンあたりの量子化データ数を計数
し、量子化数データをセルサイズ制御器に出力する。セ
ルサイズ制御器は距離クロック信号、方位角信号、ノー
スパルス、レーダトリガを受信し、小領域の開始及び終
了のタイミングを教える複数の信号からセルサイズ制御
信号を出力する。このセルサイズ制御信号は平均レベル
抽出を行うセルサイズを決定するものである。
【0025】セルサイズ制御器では量子化数データを予
め定められたしきい値と比較し、量子化数データがこの
しきい値を超える場合に小領域のサイズを大きくするよ
うにセルサイズ制御信号を変更して量子化データが所定
の値を超えないように機能する。
【0026】上記のウエザデータ表示システムではレー
ダの捜索空間内で降雨域が大きく広がり、平均振幅がし
きい値を超える小領域数が所定の値を超えた場合に、小
領域のサイズを増大させ、量子化データ数の増加を抑え
るようにフィードバック制御を行っているので、このよ
うな環境下でもデータ処理装置の処理能力をオーバフロ
ーさせずに全捜索空間にわたるウエザデータ表示を継続
させられるようにシステムを制御することが可能とな
る。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の一実施例について
図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例によ
るウエザデータ表示システムの構成を示すブロック図で
ある。図1において、本発明の一実施例によるウエザデ
ータ表示システムは空中線1と、送受信装置2と、A/
D(アナログ/ディジタル)変換器3と、ドップラフィ
ルタ4と、平均レベル抽出器5と、量子化器6と、計数
器7と、セルサイズ制御部8と、メッセージ生成器9
と、モデム(MODEM)10,11と、レーダデータ
処理装置12と、表示装置13とから構成されている。
【0028】空中線1はRFのパルス信号を空間に放射
し、図示せぬ航空機等からの反射信号を受信する。送受
信装置2はRFパルス信号を生成して空中線1に出力す
るとともに、空中線1で受信したRFの反射信号101
を増幅・位相検波し、ビデオ帯域の信号であるコヒアレ
ントビデオ(I及びQ)102を出力する。A/D変換
器3ではこれをA/D変換し、デジタルI,Qビデオ1
03を出力する。
【0029】ドップラフィルタ4は固定クラッタである
グラウンドクラッタを抑圧し、雨域からの反射信号成分
を抽出してウエザビデオ104を出力する。平均レベル
抽出器5はグラウンドクラッタが抑圧された受信ビデオ
であるウエザビデオ104を入力とし、扇形の小領域毎
に平均振幅値を算出して平均振幅データ105を出力す
る。
【0030】量子化器6は平均振幅データ105を予め
定めたしきい値と比較し、平均振幅データがしきい値を
超える小領域に対して“1”または“0”のディジタル
信号(アクティブであることを示す信号)である量子化
データ106を出力する。
【0031】計数器7は量子化データ106を入力とし
てレーダの1スキャンあたりの量子化データ数を計数
し、量子化数データ107をセルサイズ制御器8に出力
する。セルサイズ制御器8は距離クロック信号107
A、方位角信号107B、ノースパルス107C、レー
ダトリガ107Dを受信し、小領域の開始及び終了のタ
イミングを教えるセルサイズ制御信号108を出力す
る。このセルサイズ制御信号108は平均レベル抽出を
する小領域のサイズを決定するものである。
【0032】セルサイズ制御器8では量子化数データ1
07を予め定められたしきい値と比較し、量子化数デー
タがこのしきい値を超える場合に小領域のサイズを大き
くするようにセルサイズ制御信号108を変更して量子
化データ106が所定の値を超えないように機能する。
【0033】メッセージ生成器9は量子化データ106
を入力として所定フォーマットのメッセージを作成し、
複数スキャンにわたって1スキャン分のウエザデータ1
09をモデム10に出力する。モデム10の出力は伝送
ライン110を経由して離れた場所にある別のモデム1
1に伝送され、モデム11はディジタルデータに復元し
たウエザデータ111をレーダデータ処理装置12に出
力する。
【0034】レーダデータ処理装置12では複数スキャ
ンにわたって送られてくるウエザデータ111を蓄積し
て1スキャン分のウエザデータを編集し、ウエザ表示デ
ータをLAN(Local Area Networ
k)112を介して表示装置13に出力する。表示装置
13では航空機の航跡データに加えてウエザデータが表
示される。また、表示装置13におけるウエザデータの
表示更新は0度方向から時計方向まわりで行われる。
【0035】図2は本発明の一実施例によるウエザデー
タ表示システムの特徴部分を示すブロック図である。図
2において、平均レベル抽出器5は固定クラッタが抑圧
されたレーダ受信ビデオ104を入力とし、所定の方位
範囲と距離範囲とで定まる小領域の平均振幅データ10
5を抽出する。小領域のサイズを規定する単位距離や単
位方位の信号はセルサイズ制御器8によって複数の信号
からなるセルサイズ制御信号108として平均レベル抽
出器5に入力される。
【0036】量子化器6は平均振幅データ105を入力
とし、この平均振幅データと予め定められたしきい値と
を比較し、平均振幅データがしきい値を超えた場合に
“1”または“0”の量子化データ106を出力する。
【0037】メッセージ生成器9は量子化データ106
を入力として所定フォーマットのメッセージを作成し、
ウエザデータ109を出力する。このメッセージはしき
い値を超えたセルに対応し、しきい値を超えるセル数が
多いほどメッセージ数も多くなる。その後、ウエザデー
タ109はデータ処理機器12に伝送され、管制用表示
装置(表示装置13)への表示のためのデータ処理が行
われる。
【0038】計数器7とセルサイズ制御器8とが本発明
の特徴となる部分である。計数器7は量子化データ10
6を入力としてレーダの1スキャンあたりの量子化デー
タ数を計数し、量子化数データ107をセルサイズ制御
器8に出力する。
【0039】セルサイズ制御器8は距離クロック信号1
07A、方位角信号107B、ノースパルス107C、
レーダトリガ107Dを受信し、小領域の開始及び終了
のタイミングを教える複数の信号からセルサイズ制御信
号108を出力する。このセルサイズ制御信号108は
平均レベル抽出を行うセルサイズを決定するものであ
る。
【0040】セルサイズ制御器8では量子化数データ1
07を予め定められたしきい値と比較し、量子化数デー
タがこのしきい値を超える場合に小領域のサイズを大き
くするようにセルサイズ制御信号108を変更して量子
化データ106が所定の値を超えないように機能する。
【0041】このウエザーデータ表示システムではレー
ダの捜索空間内で降雨域が大きく広がり、平均振幅がし
きい値を超える小領域数(量子化データ106)が所定
の値を超えた場合に、小領域のサイズを増大させ、量子
化データ数の増加を抑えるようにフィードバック制御を
行っているので、このような環境下でもデータ処理装置
12の処理能力をオーバフローさせずに全捜索空間にわ
たるウエザデータ表示を継続させられるようにシステム
を制御することができる。
【0042】図3は本発明の一実施例によるウエザデー
タ表示システムの特徴部分の詳細な構成を示すブロック
図である。図3において、平均レベル抽出器5は単位距
離平均値抽出部5aとスイープ平均値算出部5bから構
成されている。
【0043】単位距離平均値抽出部5aはクラッタ抑圧
されたレーダ受信ビデオを入力とし、レーダの1スイー
プ毎に平均レベルを算出する小領域のサイズを決める距
離単位毎の平均振幅値を算出し、単位距離平均値データ
151を出力する。
【0044】スイープ平均値算出部5bは単位距離平均
値データ151をさらに小領域のサイズを決める方位単
位に含まれるスイープ数にわたって平均振幅値を算出
し、二次元小領域の平均振幅データ105を出力する。
【0045】量子化器6は比較器6aを含んで構成され
ている。比較器6aは平均振幅データ105を予め定め
たしきい値(1)161と比較し、平均振幅データがし
きい値を超える小領域に対して“1”または“0”のデ
ィジタル信号(アクティブであることを示す信号)であ
る量子化データ106を出力する。
【0046】計数器7の機能については上述したので省
略する。セルサイズ制御器8は比較器8gと、距離タイ
ミング信号発生部8aと、方位タイミング信号発生部8
bと、4つのセレクタ8c〜8fとから構成されてい
る。
【0047】以上、本発明の一実施例の詳細な構成につ
いて述べたが、空中線1、送受信装置2、A/D変換器
3、ドップラフィルタ4、メッセージ生成器9、モデム
10,11、レーダデータ処理装置12、表示装置13
については当業者にとってよく知られており、また本発
明とは直接関係しないので、その詳細な構成についての
説明は省略する。
【0048】尚、本実施例では平均レベル抽出器5とし
て単に現在のレーダスキャンの扇形領域の平均だけでな
く、さらに数スキャンにわたる時間平均を抽出する機能
を追加して平均振幅データとしてもよい。
【0049】また、距離タイミング信号発生部8aは距
離方向の平均値算出を行う算出開始タイミング信号18
1,182と算出終了タイミング信号183,184と
のそれぞれ2種類のタイミング信号を、方位タイミング
信号発生部8bは方位方向の平均値算出を行う算出開始
タイミング信号185,186と算出終了タイミング信
号187,188とのそれぞれ2種類のタイミング信号
を発生させてセレクタ8c〜8fでいずれか一つを選択
しているが、3種類以上のタイミング信号を発生させて
もよい。
【0050】この場合、比較器8gに加えて他の比較器
を追加し、別のしきい値での判定が必要となる。これら
複数の比較器出力によって3種類以上のタイミング信号
のいずれかを選択することができる。さらに、図3にお
いては個々のハードウェアの組合せを記しているが、こ
れらの機能をゲートアレイやマイクロプロセッサ等で構
成することもできる。
【0051】図4(a)及び図4(b)は本発明の一実
施例によるウエザデータ表示システムの動作を説明する
ための図であり、図5(a)及び図5(b)は本発明の
一実施例によるウエザデータ表示システムの効果を示す
表示イメージ図である。これら図1〜図5を参照して本
発明の一実施例によるウエザデータ表示システムの動作
について説明する。尚、空中線1、送受信装置2、A/
D変換器3、ドップラフィルタ4、モデム10,11各
々の動作は当業者にとってよく知られており、また本発
明とは直接関係しないので、それらの詳細な動作につい
ての説明は省略する。
【0052】最初に、本発明の一実施例によるウエザデ
ータ表示システムの動作概要について図4を参照して説
明する。図4(a)は全捜索空間を所定の距離単位及び
方位単位で区切った例を示している。図4(a)中のA
で示すような「ます」(以下、セルとする)の一つ一つ
がこれまでの説明のなかで述べてきた小領域である。図
4(a)中の502及び501がセルサイズを決める単
位距離及び単位方位である。
【0053】上記のウエザデータ表示システムではこの
セル一つ一つについてグランドクラッタを抑圧したレー
ダ受信ビデオの平均振幅を算出し、それが所定の値を超
えた場合に雨域と判定して航空管制用の表示装置13に
表示するものである。したがって、セルのサイズを小さ
くすればするほど雨域の分解能は高くなるが、その後の
データ処理を行うデータ量が多くなり、最悪、レーダデ
ータ処理装置12で処理しきれずに処理オーバフローと
なる場合が発生する。
【0054】レーダによる航空管制システムでは航空機
の追尾、警報監視、フライトプランとの照合、航跡や地
図等の表示データ生成等が主要な機能であるため、ウエ
ザ処理に許される処理容量が限られる場合がある。
【0055】本実施例ではレーダデータ処理装置12か
らのウエザ表示データは図4(a)の0度方向から時計
回りに表示装置に出力されるため、処理オーバフローと
なった場合にはある方位以降、表示装置13にウエザデ
ータを表示することができなくなる。
【0056】一方、図4(b)はセルの単位距離及び単
位方位を図4(a)の場合の2倍にし、セルサイズを拡
大した場合を示している。本実施例の全体的な動作は通
常、例えば図4(a)のセルサイズでウエザデータ表示
処理を行うが、レーダデータ処理装置12が処理オーバ
フローになるほど雨域のデータ量が増えた場合には、セ
ルサイズを例えば図4(b)のサイズに拡大して処理オ
ーバフローを回避し、全方位にわたるウエザデータ表示
を維持するものである。
【0057】以下、図3に基づいて本実施例の特徴部分
の動作について詳細に説明する。但し、図3における量
子化器6及び計数器7の動作については構成の説明にお
いて言及しているので省略し、平均レベル抽出器5及び
セルサイズ制御器8の動作に絞って説明する。
【0058】まず、セルサイズ制御器8に関し、受信信
号に対する距離方向の量子化タイミングとなるクロック
107Aとレーダの送信タイミングに同期したレーダト
リガ107Dとが距離タイミング信号発生部8aに入力
された後、レンジカウントされ、図4(a)の単位距離
502に相当する周期及び図5(b)の単位距離511
に相当する周期のタイミング信号を発生する。
【0059】平均レベル抽出器5の単位距離平均値抽出
のためには演算開始及び終了のタイミングが必要であ
る。これは図4(a)及び図4(b)のセルA,Bを考
えた場合、演算開始は503及び512のタイミングで
あり、演算終了は504及び513のタイミングであ
る。
【0060】これが図3におけるレンジスタート信号
(1)181及びレンジスタート信号(2)182であ
り、レンジストップ信号(1)183及びレンジストッ
プ信号(2)184である。
【0061】一方、角度の変化情報である方位角信号
(アジマス・チェンジ・パルス:ACP)107Bと、
空中線1が北を向いた時に発生されるノースパルス10
7Cとが方位タイミング信号発生部8bに入力される。
方位タイミング信号発生部8bでは方位角信号107B
をカウントし、図4(a)の単位方位501に相当する
周期及び図4(b)の単位方位510に相当する周期の
タイミング信号を発生する。
【0062】スイープ平均値抽出部5bでの単位距離平
均値に対する単位方位範囲平均値抽出のためにも、単位
距離平均値抽出の場合と同様に、演算開始及び終了のタ
イミングが必要である。
【0063】これは図4(a)及び図4(b)のセル
A,Bを考えた場合、方位方向の演算開始は505及び
514のタイミングであり、演算終了は506及び51
3のタイミングである。これが図3における方位スター
ト信号(1)185及び方位スタート信号(2)186
であり、方位ストップ信号(1)187及び方位ストッ
プ信号(2)188である。
【0064】これらがセレクタ8c〜8fに入力され、
セルサイズ切替信号189によって図4(a)または図
4(b)に対応する各信号が選択されて単位距離平均値
算出部5a及びスイープ平均値算出部5bに出力され
る。
【0065】レーダの受信信号はA/D変換器3でレン
ジクロック単位で量子化され、レンジビンと呼ばれる離
散的なデータとなる。また、レーダのRFパルスの送信
は所定の繰り返し周期で行われるため、受信信号はこの
繰り返し周期と空中線1の回転数で決まる角度毎に得ら
れる。
【0066】単位距離平均値算出部5aでは各セルにつ
いて、例えば単位距離502に含まれるレンジビン数の
データの平均をとることになる。さらに、スイープ平均
値算出部5bでは、例えば単位方位501に含まれるレ
ーダスイープにわたって単位距離平均値151の平均値
を算出することによって所定のセルの平均振幅データ1
05を得る。
【0067】量子化器6では各セルの平均振幅データ1
05を所定のしきい値(1)161と比較する。ここ
で、しきい値(1)は降雨量に応じた雨の反射率に対応
するものであり、システム全体としてどの程度の雨量か
ら雨域として表示させるかを決める値であって、設計時
に決められる。
【0068】また、セルサイズ制御器8の比較器8gに
おいては量子化数データ107及びしきい値(2)19
0を比較し、量子化数データ107がしきい値(2)1
90を超えた場合にセルサイズ切替信号189がアクテ
ィブとなり、セレクタ8c〜8fでの信号切替によって
セルサイズが拡大される。ここで、しきい値(2)は設
計上得られる値であり、レーダデータ処理装置12で処
理オーバフローが起こる量子化データ数から決められ
る。
【0069】このように、常に1スキャンあたりの量子
化データ数をモニタし、これがレーダデータ処理装置1
2の処理能力を超えるほどの数になった状態を比較器8
gで判定し、セルのサイズを増大させるような平均値算
出の開始及び終了のタイミング信号108a〜108d
を選択するよう制御することによって、小領域のサイズ
を増大させ、量子化データ数の増加を抑えるようにフィ
ードバック制御を行うことができる。
【0070】よって、このような環境下でもレーザデー
タ処理装置12の処理能力をオーバフローさせず、全捜
索空間にわたるウエザデータ表示を継続させられるよう
にシステムを制御することができる。
【0071】すなわち、レーダの捜索空間内で降雨域が
大きく広がり、平均振幅がしきい値を超える小領域数
(量子化データ106)が所定の値を超えた場合に、小
領域のサイズを増大させるようにフィードバック制御を
行うことで、このような環境下でもレーザデータ処理装
置12の処理能力をオーバフローさせず、全捜索空間に
わたるウエザデータ表示を継続させられるという効果を
奏している。
【0072】この様子を図5に示す。図5(a)は図4
(a)のセルサイズの時にレーザデータ処理装置12が
オーバフローした場合の表示装置13の表示例を示して
いる。右下の点線部分601は作図上省略した部分を示
す。また、602から603までの方位範囲はオーバフ
ローのためレーザデータ処理装置12から表示データが
送られてこない部分を示している。
【0073】すなわち、更新された表示データは0度方
向から時計方向に向かって送られるため、表示装置13
も0度方向から時計方向の順番で表示されていく。しか
しながら、あるところで処理オーバフローが起きると、
レーザデータ処理装置12から表示データが送られてこ
なくなるため、そのタイミングに相当する方位以降では
ウエザデータが表示されなくなる。
【0074】一方、このような状態でセルサイズを変更
すると、ウエザデータの量が見かけ上減るため、処理オ
ーバフローの発生を抑えることができる。そうして、図
5(b)に示すように、分解能としては荒くなるが全方
位にわたるウエザデータ表示を継続して得ることができ
る。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、航
空機を検出する航空管制用の一次レーダにおいて受信信
号から雨域を検出して航空管制用の表示装置に表示する
ウエザデータ表示システムにおいて、常に1スキャンあ
たりの量子化データ数をモニタし、そのモニタされた量
子化データ数が予め設定された所定数を超えた時に雨域
を検出するための扇形の小領域のサイズを増大させるよ
う制御することによって、処理能力があまり高くない装
置において雨域が大きく広がりウエザデータの量が増大
した場合でも全方位にわたるウエザ情報の表示を行うこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるウエザデータ表示シス
テムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例によるウエザデータ表示シス
テムの特徴部分を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例によるウエザデータ表示シス
テムの特徴部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明の一実施例によるウ
エザデータ表示システムの動作を説明するための図であ
る。
【図5】(a)及び(b)は本発明の一実施例によるウ
エザデータ表示システムの効果を示す表示イメージ図で
ある。
【図6】従来例によるウエザデータ表示システムの構成
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 空中線 2 送受信装置 3 A/D変換器 4 ドップラフィルタ 5 平均レベル抽出器 5a 単位距離平均値算出部 5b スイープ平均値算出部 6 量子化器 6a,8g 比較器 7 計数器 8 セルサイズ制御器 8a 距離タイミング信号発生部 8b 方位タイミング信号発生部 8c〜8f セレクタ 9 メッセージ生成器 10,11 モデム 12 レーダデータ処理装置 13 表示装置 101 レーダ反射信号 102 コヒアレントビデオ 103 ディジタルI,Qビデオ 104 ウエザビデオ 105 平均振幅データ 106 量子化データ 107 量子化数データ 107A 距離クロック信号 107B 方位角信号 107C ノースパルス 107D レーダトリガ 108 セルサイズ制御信号 108a 方位ストップ信号 108b 方位スタート信号 108c レンジストップ信号 108d レンジスタート信号 109 ウエザデータ 110 伝送ライン 111 ウエザデータ 112 LAN 151 単位距離平均振幅データ 161 しきい値(1) 181 レンジスタート信号(1) 182 レンジスタート信号(2) 183 レンジストップ信号(1) 184 レンジストップ信号(2) 185 方位スタート信号(1) 186 方位スタート信号(2) 187 方位ストップ信号(1) 188 方位ストップ信号(2) 189 セルサイズ切替信号 190 しきい値(2) 501,510 単位方位 502,511 単位距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−24590(JP,A) 特開 平9−138279(JP,A) 特開 平6−347546(JP,A) 特開 平4−235376(JP,A) 特開 平11−258358(JP,A) 特開 平3−39677(JP,A) 特開 平3−287197(JP,A) 特開2000−59757(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95 G01W 1/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空機を検出する航空管制用の一次レー
    ダにおいて受信信号から雨域を検出して航空管制用の表
    示装置に表示するウエザデータ表示システムであって、
    常に1スキャンあたりの量子化データ数をモニタするモ
    ニタ手段と、前記モニタ手段でモニタされた前記量子化
    データ数が予め設定された所定数を超えた時に前記雨域
    を検出するための扇形の小領域のサイズを増大させるよ
    う制御する制御手段とを有することを特徴とするウエザ
    データ表示システム。
  2. 【請求項2】 前記一次レーダにおける二次元捜索範囲
    を単位距離及び単位方位で定まる小領域に分割しかつ前
    記小領域毎に前記受信信号から抽出したビデオ帯域の信
    号の平均振幅値を抽出する平均レベル抽出手段を含み、
    前記制御手段は前記平均レベル抽出手段における前記小
    領域のサイズを増大させるよう制御するようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載のウエザデータ表示システ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記ビデオ帯域の信号から固定クラッタ
    を抑圧する手段を含み、前記平均レベル抽出手段は前記
    固定クラッタ抑圧後のビデオ帯域の信号の平均振幅値を
    抽出するようにしたことを特徴とする請求項2記載のウ
    エザデータ表示システム。
  4. 【請求項4】 前記平均レベル抽出手段は、小領域のサ
    イズを決める距離単位毎の平均振幅値を算出する単位距
    離平均値抽出手段と、前記距離単位毎の平均振幅値をさ
    らに小領域のサイズを決める方位単位に含まれるスイー
    プ数にわたって平均振幅値を算出するスイープ平均値算
    出手段とを含むことを特徴とする請求項2または請求項
    3記載のウエザデータ表示システム。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記距離単位毎の平均
    振幅値及び前記方位単位に含まれるスイープ数にわたる
    平均振幅値を算出するための演算開始及び終了のタイミ
    ングを制御することで前記小領域のサイズを増大させる
    よう制御するようにしたことを特徴とする請求項4記載
    のウエザデータ表示システム。
  6. 【請求項6】 前記平均レベル抽出手段で抽出された平
    均振幅値が予め定めた第1のしきい値を超える小領域に
    対してアクティブであることを示す信号を出力する量子
    化手段と、前記量子化手段の出力から前記一次レーダの
    1スキャンあたりのアクティブである小領域数を示す量
    子化データ数を計数する計数手段とを含み、前記制御手
    段は前記係数手段の計数値が前記所定数を超えた時に前
    記小領域のサイズを増大させるよう制御するようにした
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか記載
    のウエザデータ表示システム。
  7. 【請求項7】 全方位の空間にパルス信号を送信し、そ
    の反射信号から航空機の位置を抽出する二次元パルスレ
    ーダにおいて前記反射信号から雨域を検出して航空管制
    用の表示装置に表示するウエザデータ表示システムであ
    って、前記反射信号から検出されたレーダ受信ビデオか
    ら固定クラッタを抑圧する手段と、前記二次元パルスレ
    ーダにおける二次元捜索範囲を外部から入力されるセル
    サイズ制御信号によって決まる距離範囲と方位範囲とか
    ら定まる小領域に分割しかつその小領域毎に平均振幅値
    を抽出する平均レベル抽出手段と、前記平均レベル抽出
    手段の出力を予め定めた第1のしきい値と比較しかつ前
    記第1のしきい値を超えた小領域の数をスキャン毎に計
    数する計数器と、前記計数器で得られた1スキャンあた
    りのカウント数である量子化数データを予め定めた第2
    のしきい値と比較しかつ前記カウント数が前記第2のし
    きい値を超えた時に前記小領域のサイズを変更させるた
    めのセルサイズ制御信号を出力するセルサイズ制御器と
    を有することを特徴とするウエザデータ表示システム。
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