JP3339160B2 - 量子素子およびその製造方法ならびにトランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

量子素子およびその製造方法ならびにトランジスタおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、量子素子およびその
製造方法ならびにトランジスタおよびその製造方法に関
し、特に、量子箱(量子ドットとも呼ばれる)を用いた
量子素子に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの将来像として、電子間
の相互作用を積極的に利用することが考えられ始めてい
る。その理由としては、半導体結晶の高品質化により低
電荷密度を均質に実現することができるようになったこ
と、および、化合物半導体ヘテロ接合により電荷を狭い
領域に閉じ込めることが可能になってきたことが挙げら
れる。そして、このような観点から、近年、結合量子ド
ット・アレイが注目を集めている。
【0003】本出願人は先に、特願平5−21982号
において、このような結合量子ドット・アレイにおける
量子ドット間の電子の移動を外部電場によって変調する
方法を提案し、さらに特願平5−174774号におい
て、この方法を応用した量子ドット集合素子を提案し
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
願平5−21982号および特願平5−174774号
に提案された方法では、外部電場による量子ドット・ア
レイ中の電子間相関変調の効率は必ずしも十分に高くな
かった。
【0005】従って、この発明の目的は、外部電場によ
る量子箱アレイ中の電子間または正孔間相関の変調を効
率良く行うことができる量子素子およびその製造方法
提供することにある。この発明の他の目的は、外部電場
により、量子箱アレイの一端から他端に流れ出る電流の
変調を効率良く行うことができるトランジスタおよびそ
の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第1の発明による量子素子は、一面内に
互いに隣接して配列された複数の量子箱(QD)を有
し、複数の量子箱(QD)が上記面と直交する方向に対
して組成的に非対称になっており、 上記方向に外部電場
を印加することにより複数の量子箱(QD)内の電気伝
導度を変調することを特徴とするものである。
【0007】第1の発明による量子素子においては、複
数の量子箱(QD)が上記方向に対して組成的に非対称
になっていることにより複数の量子箱(QD)の量子閉
じ込めの障壁の高さが上記方向に対して変化している。
【0008】第1の発明による量子素子においては、好
適には、複数の量子箱(QD)が化合物半導体ヘテロ接
合により形成され、その化合物半導体ヘテロ接合を構成
する化合物半導体の混晶比が上記方向に対して変化して
いることにより障壁の高さが上記方向に対して変化して
いる。
【0009】第1の発明による量子素子の典型的な一実
施形態においては、障壁の高さが上記方向に対して単調
に増加または減少している。
【0010】
【0011】第1の発明による量子素子の好適な一実施
形態においては、外部電場を印加するための電極(4)
が複数の量子箱(QD)に近接して設けられている。
【0012】この発明の第2の発明による量子素子は、
一面内に互いに隣接して配列された複数の量子箱(Q
D)を有し、複数の量子箱(QD)が上記面と直交する
方向に対して形状的に非対称になっていることにより互
いに隣接する量子箱(QD)間の間隔が上記方向に対し
て変化しており、上記方向に外部電場を印加することに
より複数の量子箱(QD)内の電気伝導度を変調するこ
とを特徴とするものである。
【0013】第2の発明による量子素子においては、複
数の量子箱(QD)が上記方向に対して形状的に非対称
になっていることにより互いに隣接する量子箱(QD)
間の間隔が上記方向に対して変化している。
【0014】第2の発明による量子素子の典型的な一実
施形態においては、量子箱(QD)間の間隔が上記方向
に対して単調に増加または減少している。
【0015】第2の発明による量子素子においては、好
適には、複数の量子箱(QD)が化合物半導体ヘテロ接
合により形成されている。
【0016】
【0017】第2の発明による量子素子の好適な一実施
形態においては、外部電場を印加するための電極(2
4)が複数の量子箱(QD)に近接して設けられてい
る。
【0018】第2の発明による量子素子の好適な実施形
態においては、量子箱(QD)間の間隔が上記方向に対
して変化するようにするため、量子箱(QD)は、錐状
の形状、例えば円錐、三角錐、四角錐または正四面体の
形状を有する。
【0019】量子箱(QD)は、円錐、三角錐、四角錐
または正四面体の頂部を切除した形状を有するものでも
よい。
【0020】この発明の第3の発明によるトランジスタ
は、一面内に互いに隣接して配列された複数の量子箱
(QD)がチャネル領域に設けられ、複数の量子箱(Q
D)が上記面と直交する方向に対して組成的または形状
的に非対称になっており、 チャネル領域上に複数の量子
箱(QD)に近接してゲート電極(35)が設けられて
おり、 ゲート電極(35)により上記方向に外部電場を
印加することにより複数の量子箱(QD)内の電気伝導
度を変調することを特徴とするものである。
【0021】ここで、以下の説明において用いられる
「トランスファー・エネルギー」の物理的意味について
説明しておく。
【0022】今、中心座標が(rx 、ry )の量子箱1
と中心座標が(−rx 、−ry )の量子箱2との二つの
量子箱から成る量子箱結合系を考える。そして、この量
子箱結合系における電子のダイナミックスを、孤立した
水素原子の電子状態の厳密解から水素分子イオン(H2
+ )の電子状態を考える場合の有効な近似法として知ら
れているLCAO(Linear Combination of Atomic Orb
itals)近似に基づいて考察する。
【0023】このLCAO近似で考えると、最初は孤立
していた量子箱1および量子箱2が互いに接近したとき
には、量子箱1の電子の基底状態|1〉および量子箱2
の電子の基底状態|2〉のエネルギー準位E0 に幅2Δ
Eの分裂が起こり、結合状態と反結合状態との二状態が
得られる。これらの結合状態および反結合状態のエネル
ギーおよび波動関数は次のように表される。
【0024】
【数1】
【数2】 ここで、ΔEがトランスファー・エネルギーと呼ばれ、
後述のように量子箱間の電子のトンネル時間τの目安と
なるものである。
【0025】この量子箱結合系のハミルトニアンを
【数3】 と書くと、
【数4】 は、次式で示されるようにこのハミルトニアンの固有状
態となっている。
【数5】
【0026】さて、今、例えば量子箱1に電子が局在し
ているとすると、この状態は
【数6】 と書くことができる。この状態からシュレーディンガー
方程式によって時間発展させると、時刻tにおける状態
【数7】 となる。
【0027】これより、
【数8】 を満たす時刻tになると、量子箱1に局在していた電子
は量子箱2に到達していることがわかる。従って、この
LCAO近似の範囲で、量子箱1から量子箱2への電子
のトンネル時間τを
【数9】 と考えることができる。
【0028】このトンネル時間τは、より一般的には、
【数10】 と書くことができる。
【0029】以上より、量子箱結合系における電子のダ
イナミックスを最も単純化すれば、量子箱間のトランス
ファー・エネルギーΔEの大きさに依存するトンネリン
グにより電子は運動することになる。
【0030】次に、LCAO近似の範囲内でのトランス
ファー・エネルギーΔEの表式を求める。
【0031】今、一辺の長さが2dの単独の正方形量子
箱を考えると、そのポテンシャルエネルギーは
【数11】 である。従って、運動エネルギーをKと書けば、この系
のハミルトニアンは
【数12】 である。このハミルトニアンの基底状態を
【数13】 とし、そのエネルギーをE0 とすれば、
【数14】 が成り立つ。
【0032】これに対し、二つの正方形量子箱からなる
量子箱結合系のハミルトニアンは、次式のように書くこ
とができる。
【0033】
【数15】 ただし、一方の量子箱の中心座標および他方の量子箱の
中心座標をすでに述べたように書くと、
【数16】 である。
【0034】一方、(10)式で示される単独正方形量子箱
のハミルトニアンの基底状態の波動関数は
【数17】 であるが、
【数18】 はそれぞれ、
【数19】 を満たしている。
【0035】以上の準備ができたところで、(12)式で示
される量子箱結合系のハミルトニアンのエネルギー固有
値を、(15)式で示される単独正方形量子箱の固有状態の
張る二次元部分空間上で求める。この(15)式で示される
二つの固有状態は直交していないので、まず直交基底を
構成すると、これは例えば以下のようになる。
【0036】
【数20】
【0037】この直交基底でハミルトニアン行列要素を
計算すると、
【数21】
【数22】
【数23】
【数24】 となる。ただし、これらの行列要素の計算においては、
(16)式および次の式を用いた。
【0038】
【数25】
【0039】(20)式および(21)式からわかるようにハミ
ルトニアン行列の非対角要素は0であるので、このハミ
ルトニアン行列は実は対角化されている。従って、エネ
ルギー固有値は
【数26】 であり、その固有ベクトルがそれぞれ、
【数27】 となっている。
【0040】(18)式および(19)式の中で、波動関数の局
在性より、
【数28】 が言えるので、エネルギーとして
【数29】 のように考えることができる。
【0041】上記のトランスファー・エネルギー(Δ
E)が小さい場合には、電子は各量子箱に局在し、量子
箱間のトンネリングによる電子の運動は抑制される。
【0042】
【作用】上述のように構成されたこの発明の第1の発明
による量子素子によれば、複数の量子箱(QD)がそれ
らの配列面と直交する方向に対して組成的に非対称にな
っていることから、その方向に外部電場を印加して複数
の量子箱(QD)内の電子または正孔の波動関数の分布
を制御することにより、複数の量子箱(QD)から成る
量子箱アレイ中の電子間または正孔間相関の変調を効率
良く行うことができる。
【0043】上述のように構成されたこの発明の第2の
発明による量子素子によれば、複数の量子箱(QD)が
それらの配列面と直交する方向に対して形状的に非対称
になっていることから、その方向に外部電場を印加して
複数の量子箱(QD)内の電子または正孔の波動関数の
分布を制御することにより、第1の発明による量子素子
と同様に、複数の量子箱(QD)から成る量子箱アレイ
中の電子間または正孔間相関の変調を効率良く行うこと
ができる。
【0044】上述のように構成されたこの発明の第3の
発明によるトランジスタによれば、チャネル領域に設け
られた複数の量子箱(QD)がそれらの配列面と直交す
る方向に対して組成的または形状的に非対称になってい
ることから、その方向に外部電場を印加して複数の量子
箱(QD)内の電子または正孔の波動関数の分布を制御
することにより、複数の量子箱(QD)から成る量子箱
アレイ中の電子間または正孔間相関の変調を効率良く行
うことができる。これによって、チャネル領域中をこの
量子箱アレイの一端から他端に流れる電流を外部電場に
より効率良く変調することができ、トランジスタ動作を
実現することができる。
【0045】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。図1はこの発明の第1実施例による
量子素子を示す。
【0046】図1に示すように、この第1実施例による
量子素子においては、n型GaAs基板1上に、障壁層
としてのi型AlAs層2が設けられている。このi型
AlAs層2中には、量子井戸部としての、例えば直方
体の形状を有するi型AlxGa1-x As層3が所定の
配置でx−y面内に二次元的に複数個埋め込まれてい
る。そして、障壁層としてのi型AlAs層2により量
子井戸部としてのi型Alx Ga1-x As層3の周囲が
取り囲まれた構造によりAlAs/Alx Ga1-x As
ヘテロ接合による量子ドットQDが形成され、この量子
ドットQDがx−y面内に二次元的に複数個配列されて
二次元の量子ドット・アレイが形成されている。ここ
で、量子ドットQDの大きさや隣接する量子ドットQD
間の間隔は、例えばそれぞれ10nm程度に選ばれる。
また、障壁層としてのi型AlAs層2上には、例えば
金属のような導体から成る電極4が設けられている。こ
の場合、n型GaAs基板1がもう一方の電極として用
いられる。この第1実施例による量子素子の動作時にお
いては、例えば、この電極としてのn型GaAs基板1
が接地され、電極4に電圧が印加される。
【0047】この第1実施例による量子素子において
は、各量子ドットQDの組成はx−y面に垂直なz軸方
向に沿って変化しており、従って各量子ドットQDはz
軸方向に対して組成的に非対称になっている。具体的に
は、量子井戸部としてのi型Alx Ga1-x As層3の
混晶比(Al組成比)xは、z座標の関数であり、典型
的には線形関数である。
【0048】このときの図1の線α−α(z軸方向)に
沿ってのエネルギーバンド構造の一例を図2に示す。図
2に示すように、この場合、i型Alx Ga1-x As層
3の混晶比xは、図1におけるその下側の部分のi型A
lAs層2との界面での0の値から、図1におけるその
上側の部分のi型AlAs層2との界面でのx0の値
(例えば、0.1)までz軸の正方向に線形に単調増加
しており、その結果、i型Alx Ga1-x As層3の伝
導帯の底のエネルギーEc はz軸の正方向に単調に上昇
している。
【0049】次に、上述のように構成されたこの第1実
施例による量子素子の動作原理について説明する。
【0050】まず、この第1実施例による量子素子にお
いて制御すべき量を定義しておく。隣接する量子ドット
QD間を電子がトンネリングにより移動するときの電子
の移りやすさを決める量が、すでに述べたトランスファ
ー・エネルギーT(ここではΔEの代わりにTで表す)
である。また、ここでは、量子ドット・アレイにおける
電子間の多体相互作用のうち、オンサイト・クーロン・
エネルギーUのみを考える。このオンサイト・クーロン
・エネルギーUは、一つの量子ドットQDに電子が二個
入ったときにそれらの間に働くクーロン力により上昇す
るエネルギーである。量子ドット・アレイがハーフ・フ
ィルド(half filled)のとき、つまり一つの量子ドット
QD当たり電子が一つ入っているという電子密度のと
き、この電子系の電気伝導度は、R=T/Uの変化によ
って劇的に変化することが知られている(モット転
移)。この第1実施例による量子素子においては、以下
のようにしてこのRを外部電場により有効に変調する。
【0051】今、電極4ともう一方の電極としてのn型
GaAs基板1との間に電位差がないとき、すなわちz
軸方向に外部電場が印加されていないときに、量子ドッ
トQDにおける電子状態が図3に示すようになっている
ものとする。図3に示すように、この状態では、量子ド
ットQDにおける電子の波動関数は、z軸の負側(図3
中左側)に偏って分布している。このときの量子ドット
QDにおける電子の量子閉じ込めの実効的障壁高さは図
3に示す通りである。
【0052】次に、電極4の電位をn型GaAs基板1
の電位よりも高くすることにより、具体的には例えばn
型GaAs基板1を接地し、電極4に正電圧を印加する
ことにより、z軸の負方向の外部電場を印加する。する
と、図4に示すように、量子ドットQDにおける電子の
波動関数の分布は、z軸の正側(図4中右側)、すなわ
ち高電位側に移動する。このときの量子ドットQDにお
ける電子の量子閉じ込めの実効的障壁高さは図4に示す
通りであり、外部電場印加前に比べて減少している。従
って、隣接量子ドットQD間を隔てているトンネリング
障壁高さの低い方、すなわちz軸の正側の部分の隣接量
子ドットQDにおける電子の存在確率が高くなり、その
結果、隣接量子ドットQD間のトランスファー・エネル
ギーTが増加することになる。
【0053】このとき、単独の量子ドットQDに着目す
ると、電子の波動関数は外部電場によりz軸方向に広が
っており、電子の量子閉じ込めの強さは小さくなってい
る。一方、オンサイト・クーロン・エネルギーUは、一
般的に、量子閉じ込めの強さの増大に対して増加するの
で、外部電場によりUは減少する。従って、外部電場に
より、 T → 増大 U → 減少 となり、R=T/Uは極めて大幅に増大することがわか
る。そして、この方法によって、量子ドット・アレイ中
の電子系の電子間相関を、外部電場によって効率的に変
調することができる。
【0054】印加電場によるトランスファー・エネルギ
ーTの変化を隣接量子ドット間の間隔dをパラメータと
して計算した結果の一例を図5に示す。ただし、この計
算においては、量子ドットのz軸方向の長さが16n
m、z軸方向に垂直な断面が一辺の長さ6nmの正方形
であるとしている。図5より、d=3nm、4nm、5
nmのいずれの場合においても、電場印加によりトラン
スファー・エネルギーが大きく変化していることがわか
る。
【0055】次に、上述のように構成されたこの第1実
施例による量子素子の製造方法について説明する。
【0056】まず、図6に示すように、例えば有機金属
化学気相成長(MOCVD)法により、n型GaAs基
板1上に、i型AlAs層2a、i型Alx Ga1-x
s層3およびi型AlAs層2bを順次エピタキシャル
成長させる。ここで、i型Alx Ga1-x As層3のエ
ピタキシャル成長は、成長原料の供給量を変化させるこ
とにより混晶比xを変化させながら行う。
【0057】次に、形成すべき量子ドットQDに対応す
る部分のi型AlAs層2b上に例えば電子ビームリソ
グラフィー法によりレジストパターン(図示せず)を形
成した後、このレジストパターンをマスクとして例えば
反応性イオンエッチング(RIE)法により基板表面と
垂直方向に異方性エッチングを行う。この異方性エッチ
ングは、i型AlAs層2aが露出するまで行う。この
後、レジストパターンを除去する。これによって、図7
に示すように、i型Alx Ga1-x As層3およびi型
AlAs層2bが四角柱状にパターニングされる。
【0058】次に、図8に示すように、例えばMOCV
D法によりi型AlAs層2cをエピタキシャル成長さ
せて、四角柱状のi型Alx Ga1-x As層3およびi
型AlAs層2bの間の部分を埋める。この場合、i型
AlAs層2a、2b、2cの全体が図1におけるi型
AlAs層2に対応する。
【0059】次に、例えば真空蒸着法やスパッタリング
法によりi型AlAs層2b、2cの全面に金属膜を形
成した後、必要に応じてこの金属膜のパターニングを行
って、図9に示すように、電極4を形成する。これによ
って、目的とする量子素子が完成する。
【0060】以上のように、この第1実施例によれば、
各量子ドットQDをそれらの配列面に直交するz軸方向
に対して組成的に非対称にしていることにより、z軸方
向の外部電場による量子ドット・アレイ中の電子間相関
変調を効率良く行うことができる。
【0061】上述の第1実施例においては、各量子ドッ
トQDをそれらの配列面に垂直なz軸方向に対して組成
的に非対称にしているが、各量子ドットQDをそれらの
配列面に垂直なz軸方向に対して形状的に非対称にした
場合にも、第1実施例と同様な効果を得ることができ
る。すなわち、図10に示すように、例えば、z軸方向
に対して非対称な四面体形状の量子ドットQDを用いて
量子ドット・アレイを形成してもよい。このような四面
体形状の量子ドットQDは、例えば、図11に示すよう
に、図示省略したGaAs基板の全面に例えばSiO2
膜を形成し、このSiO2 膜を選択的にエッチングする
ことにより三角形状の開口を形成した後、この開口の部
分のGaAs基板上にAlGaAs層11を選択的にエ
ピタキシャル成長させ、その上に三角錐状にGaAs層
12をエピタキシャル成長させ、さらにそれらを覆うよ
うにAlGaAs層13をエピタキシャル成長させるこ
とにより形成することができる。
【0062】そこで、次に、上述のような量子ドットQ
Dの形状非対称性を利用したこの発明の第2実施例につ
いて説明する。図12はこの発明の第2実施例による量
子素子を示す。
【0063】図12に示すように、この第2実施例によ
る量子素子においては、n型GaAs基板21上に、障
壁層としてのi型Aly Ga1-y As層22が設けられ
ている。このi型Aly Ga1-y As層22中には、量
子井戸部としての、例えば四面体の形状を有するi型G
aAs層23が所定の配置でx−y面内に二次元的に複
数個埋め込まれている。そして、障壁層としてのi型A
y Ga1-y As層22により量子井戸部としてのi型
GaAs層23の周囲が取り囲まれた構造によりAly
Ga1-y As/GaAsヘテロ接合による量子ドットQ
Dが形成され、この量子ドットQDがx−y面内に二次
元的に複数個配列されて二次元の量子ドット・アレイが
形成されている。ここで、量子ドットQDの大きさは例
えば10nm程度に選ばれ、隣接する量子ドットQD間
の間隔はその最大値と最小値との平均値で例えば10n
m程度に選ばれる。また、障壁層としてのi型Aly
1-y As層22上には、例えば金属のような導体から
成る電極24が設けられている。この場合、n型GaA
s基板21がもう一方の電極として用いられる。第1実
施例による量子素子と同様に、この第2実施例による量
子素子の動作時においては、例えば、この電極としての
n型GaAs基板21が接地され、電極24に電圧が印
加される。
【0064】この第2実施例による量子素子において
は、量子井戸部としてのi型GaAs層23が四面体の
形状を有していることにより、各量子ドットQDはz軸
方向に対して形状的に非対称になっている。この場合、
x−y面に平行に切断したときの各量子ドットQDの断
面積は、z軸の正方向に単調に減少している。そして、
隣接する量子ドットQD間の間隔は、図13に示すよう
に、z軸の正方向に単調に増加している。
【0065】次に、上述のように構成されたこの第2実
施例による量子素子の動作原理について説明する。
【0066】まず、電極24の電位をもう一方の電極と
してのn型GaAs基板21よりも低くすることによ
り、具体的には例えばn型GaAs基板21を接地し、
電極24に負電圧を印加することにより、z軸の正方向
の外部電場を印加する。すると、各量子ドットQD内の
電子は、z軸の負方向に力を受け、図13における各量
子ドットQDの下部に引き寄せられる。すなわち、各量
子ドットQD内の電子の波動関数はz軸の負側に偏って
分布する。このとき、隣接する量子ドットQD間の間隔
は実効的に減少し、従って隣接する量子ドットQD間の
障壁の幅は実効的に減少する。このため、電子は隣接す
る量子ドットQD間をトンネリングにより移動しやすく
なり、トランスファー・エネルギーTは増加する。
【0067】これに対し、外部電場の印加方向を上述と
逆方向、すなわちz軸の負方向にすると、各量子ドット
QD内の電子は、z軸の正方向に力を受け、図13にお
ける各量子ドットQDの上部、すなわち四面体の頂部に
押しやられる。すなわち、各量子ドットQD内の電子の
波動関数はz軸の正側に偏って分布する。このとき、隣
接する量子ドットQD間の間隔は実効的に増加し、従っ
て隣接する量子ドットQD間の障壁の幅は実効的に増加
する。このため、電子は隣接する量子ドットQD間をト
ンネリングにより移動しにくくなり、トランスファー・
エネルギーTは減少する。
【0068】以上のようにして、量子ドットQD間のト
ランスファー・エネルギーTをz軸方向の外部電場によ
って効率的に変調することができる。
【0069】第1実施例で説明したと同様に、量子ドッ
ト・アレイがハーフ・フィルドのとき、つまり一つの量
子ドットQD当たり電子が一つ入っているという電子密
度のとき、この電子系の電気伝導度は、R=T/Uの変
化によって劇的に変化する。すなわち、z軸方向の外部
電場により、量子ドット・アレイ中の電子系の電子間相
関を効率的に変調することができ、これによってR=T
/Uを効率的に変調することができる。
【0070】なお、量子ドット・アレイを構成する量子
ドットQDが周期的に配列されている場合、その周期性
により形成されるサブバンドの幅は、トランスファー・
エネルギーTに比例する。従って、この場合には、この
量子ドットQDが周期的に配列された量子ドット・アレ
イのサブバンドの幅を効率的に変調することができるこ
とがわかる。このようなサブバンド幅変調法は、例え
ば、速度変調トランジスタ(Jpn. J. Appl. Phys. 21,
L381(1982))に応用することができる。
【0071】次に、上述のように構成されたこの第2実
施例による量子素子の製造方法について説明する。
【0072】まず、図14に示すように、例えばMOC
VD法により、n型GaAs基板21上に、i型Aly
Ga1-y As層22aをエピタキシャル成長させる。
【0073】次に、例えば、福井らにより提案された方
法(T.Fukui, S.Ando, and H.Saito,Science and Techno
logy of Mesoscopic Structures, p.353, ed. S.Namba,
C.Hamaguchi, and T.Ando(Springer-Verlag, Tokyo, 1
992)) により、図15に示すように、i型Aly Ga
1-y As層22a上に、量子井戸層としての四面体形状
のi型GaAs層23を二次元アレイ状に形成する。す
なわち、i型Aly Ga1-y As層22aの全面にCV
D法により例えばSiO2 膜(図示せず)を形成し、こ
のSiO2 膜を選択的にエッチングすることにより正三
角形状の開口を二次元アレイ状に形成した後、i型Ga
As層をエピタキシャル成長させる。これによって、図
15に示すように、これらの開口の部分のi型Aly
1-y As層22a上に四面体形状のi型GaAs層2
3が選択的にエピタキシャル成長される。
【0074】次に、上述の選択エピタキシャル成長に用
いたSiO2 膜をエッチング除去した後、図16に示す
ように、例えばMOCVD法によりi型Aly Ga1-y
As層22bをエピタキシャル成長させて、四面体形状
のi型GaAs層23の間の部分を埋める。この場合、
i型Aly Ga1-y As層22a、22bの全体が図1
2におけるi型Aly Ga1-y As層22に対応する。
【0075】次に、例えば真空蒸着法やスパッタリング
法によりi型Aly Ga1-y As層22bの全面に金属
膜を形成した後、必要に応じてこの金属膜のパターニン
グを行って、図12に示すように、電極24を形成す
る。これによって、目的とする量子素子が完成する。
【0076】以上のように、この第2実施例によれば、
各量子ドットQDをそれらの配列面に直交するz軸方向
に対して形状的に非対称にしていることにより、第1実
施例と同様に、z軸方向の外部電場による量子ドット・
アレイ中の電子間相関変調を効率良く行うことができ
る。
【0077】図17はこの発明の第3実施例による量子
素子を示す。図17に示すように、この第3実施例によ
る量子素子においては、量子ドットQDの量子井戸部と
してのi型GaAs層23は、例えば四角錐の頂部をそ
れに対向する底面に平行な面で切除した凸形状を有す
る。量子井戸部としてのi型GaAs層23がこのよう
な形状を有していることにより、各量子ドットQDはz
軸方向に対して形状的に非対称になっている。そして、
この場合、x−y面に平行に切断したときの各量子ドッ
トQDの断面積は、z軸の正方向に単調に減少してお
り、隣接する量子ドットQD間の間隔は、z軸の正方向
に単調に増加している。
【0078】この第3実施例による量子素子の上記以外
の構成は、第2実施例による量子素子と同様であるの
で、説明を省略する。また、この第3実施例による量子
素子の動作原理も第2実施例による量子素子と同様であ
るので、説明を省略する。
【0079】次に、この第3実施例による量子素子の製
造方法について説明する。まず、図18に示すように、
例えばMOCVD法により、n型GaAs基板21上
に、i型Aly Ga1-y As層22a、i型GaAs層
23およびi型Aly Ga1-y As層22bを順次エピ
タキシャル成長させる。次に、このi型Aly Ga1-y
As層22b上に、形成すべき量子ドットQDに対応し
た形状のマスク25を形成する。このマスク25は例え
ばレジストにより形成される。
【0080】次に、このマスク25を用いて、例えばウ
エットエッチング法により、サイドエッチングが大きく
なる条件で、i型Aly Ga1-y As層22bおよびi
型GaAs層23を順次エッチングする。これによっ
て、図19に示すように、これらのi型Aly Ga1-y
As層22bおよびi型GaAs層23が、頂部が切除
された四角錐状の形状にパターニングされる。
【0081】次に、マスク25を除去した後、例えばM
OCVD法により、図20に示すように、i型Aly
1-y As層22cをエピタキシャル成長させて、頂部
が切除された四角錐状の形状のi型Aly Ga1-y As
層22bおよびi型GaAs層23の間の部分を埋め
る。この場合、i型Aly Ga1-y As層22a、22
b、22cの全体が図17におけるi型Aly Ga1-y
As層22に対応する。
【0082】次に、例えば真空蒸着法やスパッタリング
法によりi型Aly Ga1-y As層22b、22c上に
金属膜を形成した後、必要に応じてこの金属膜のパター
ニングを行って、図17に示すように、電極24を形成
する。これによって、目的とする量子素子が完成する。
この第3実施例によっても、第2実施例と同様な利点を
得ることができる。
【0083】次に、この発明の第4実施例について説明
する。この第4実施例は、この発明を電界効果トランジ
スタに適用した実施例である。図21はこの発明の第4
実施例による電界効果トランジスタを示す。
【0084】図21に示すように、この第4実施例によ
る電界効果トランジスタにおいては、例えば半絶縁性G
aAs基板31中に、電極として用いられるn型GaA
s層32が設けられている。これらの半絶縁性GaAs
基板31およびn型GaAs層32上には、チャネル領
域としてのi型Aly Ga1-y As層33が設けられて
いる。第2実施例と同様に、このi型Aly Ga1-y
s層33中に、量子井戸部としての、例えば四面体の形
状を有するi型GaAs層34が所定の配置でx−y面
内に二次元的に複数個埋め込まれている。そして、障壁
層としてのi型Aly Ga1-y As層33により量子井
戸部としてのi型GaAs層34の周囲が取り囲まれた
構造によりAly Ga1-y As/GaAsヘテロ接合に
よる量子ドットQDが形成され、この量子ドットQDが
x−y面内に二次元的に複数個配列されて二次元の量子
ドット・アレイが形成されている。また、このi型Al
yGa1-y As層33上には、例えば金属のような導体
から成るゲート電極35が設けられている。さらに、こ
のi型Aly Ga1-y As層33の両端には、例えば金
属のような導体から成るソース電極36およびドレイン
電極37がそれぞれ設けられている。
【0085】次に、上述のように構成されたこの第4実
施例による電界効果トランジスタの動作原理について説
明する。ここでは、ソース電極36は接地しておき、ド
レイン電極37には所定の正電圧を印加しておくものと
する。また、電極として用いられるn型GaAs層32
は接地しておくものとする。
【0086】まず、ゲート電極35に負電圧を印加する
ことにより、チャネル領域としてのi型Aly Ga1-y
As層33にz軸の正方向の外部電場を印加すると、第
2実施例で述べたと同様に、このチャネル領域としての
i型Aly Ga1-y As層33中に埋め込まれた各量子
ドットQD内の電子は、z軸の負方向に力を受け、各量
子ドットQDの下部に引き寄せられる。このとき、隣接
する量子ドットQD間の間隔は実効的に減少し、従って
隣接する量子ドットQD間の障壁の幅は実効的に減少す
る。このため、電子は隣接する量子ドットQD間をトン
ネリングにより移動しやすくなり、トランスファー・エ
ネルギーTは増加する。このとき、ソース電極36およ
びドレイン電極37間にはドレイン電流が流れやすい。
【0087】一方、外部電場の印加方向を上述と逆方
向、すなわちz軸の負方向とすると、各量子ドットQD
内の電子は、z軸の正方向に力を受け、各量子ドットQ
Dの上部、すなわち四面体の頂部に押しやられる。この
とき、隣接する量子ドットQD間の間隔は実効的に増加
し、従って隣接する量子ドットQD間の障壁の幅は実効
的に増加する。このため、電子は隣接する量子ドットQ
D間をトンネリングにより移動しにくくなり、トランス
ファー・エネルギーTは減少する。このとき、ソース電
極36およびドレイン電極37間にはドレイン電流が流
れにくい。
【0088】以上のように、ゲート電極35に電圧を印
加することによりz軸方向の外部電場を印加し、この外
部電場により量子ドットQD間のトランスファー・エネ
ルギーTを効率的に変調することができる。これによっ
て、ソース電極36およびドレイン電極37間に流れる
ドレイン電流の変調を効率的に行うことができ、トラン
ジスタ動作を実現することができる。
【0089】次に、上述のように構成されたこの第4実
施例による電界効果トランジスタの製造方法について説
明する。
【0090】まず、半絶縁性GaAs基板31中にn型
不純物を例えばイオン注入法により選択的にドープする
ことにより、n型GaAs層32を形成する。次に、こ
れらの半絶縁性GaAs基板31およびn型GaAs層
32上に、例えばMOCVD法によりi型Aly Ga
1-y As層33をエピタキシャル成長させた後、このi
型Aly Ga1-y As層33をエッチングによりチャネ
ル領域の形状にパターニングする。この後、このi型A
y Ga1-y As層33上にゲート電極35を形成する
とともに、このi型Aly Ga1-y As層33の両端に
ソース電極36およびドレイン電極37をそれぞれ形成
する。これによって、目的とする電界効果トランジスタ
が完成する。
【0091】以上のように、この第4実施例によれば、
チャネル領域としてのi型Aly Ga1-y As層33中
にx−y面内の量子ドット・アレイを設けているので、
この量子ドット・アレイを構成する量子ドットQDの配
列面に直交するz軸方向に印加する外部電場により、ド
レイン電流を効率的に変調することができる。
【0092】以上、この発明の実施例について具体的に
説明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるも
のではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形
が可能である。
【0093】例えば、上述の第1実施例〜第4実施例に
おいては、量子ドットが二次元的に配列された二次元の
量子ドット・アレイを用いた場合について説明したが、
この発明は、量子ドットが一次元的または三次元的に配
列された一次元または三次元の量子ドット・アレイを用
いる場合にも、同様に適用することが可能である。
【0094】また、上述の第4実施例においては、チャ
ネル領域に設ける量子ドット・アレイを構成する量子ド
ットQDとしてz軸方向に形状非対称性を有するものを
用いているが、この量子ドットQDとしては、例えば第
1実施例において用いたような、z軸方向に組成非対称
性を有するものを用いてもよい。
【0095】なお、上述の第1実施例においては、量子
ドットQDの量子井戸部を構成するi型Alx Ga1-x
As層3の混晶比xをz軸方向に変化させているが、量
子ドットQDの量子井戸部をz軸方向の多重量子井戸構
造とし、その量子井戸部の幅を変えて電子の有効質量を
z軸方向に変化させることによっても、第1実施例と同
様な効果を得ることが可能である。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による量
子素子によれば、複数の量子箱がその配列面と直交する
方向に対して組成的または形状的に非対称になっている
ことから、外部電場による量子箱アレイ中の電子間また
は正孔間相関の変調を効率良く行うことができる。ま
た、この発明によるトランジスタによれば、一面内に互
いに隣接して配列された複数の量子箱がチャネル領域に
設けられ、これらの複数の量子箱が上記面と直交する方
向に対して組成的または形状的に非対称になっているこ
とから、外部電場により、量子箱アレイの一端から他端
に流れる電流の変調を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例による量子素子を示す斜
視図である。
【図2】図1の線α−αに沿う方向のエネルギーバンド
図である。
【図3】この発明の第1実施例による量子素子の動作原
理を説明するためのエネルギーバンド図である。
【図4】この発明の第1実施例による量子素子の動作原
理を説明するためのエネルギーバンド図である。
【図5】トランスファー・エネルギーの印加電場依存性
の計算結果の一例を示すグラフである。
【図6】この発明の第1実施例による量子素子の製造方
法を説明するための斜視図である。
【図7】この発明の第1実施例による量子素子の製造方
法を説明するための斜視図である。
【図8】この発明の第1実施例による量子素子の製造方
法を説明するための斜視図である。
【図9】この発明の第1実施例による量子素子の製造方
法を説明するための斜視図である。
【図10】四面体形状の量子ドットを示す斜視図であ
る。
【図11】四面体形状の量子ドットの具体的な構造例を
示す断面図である。
【図12】この発明の第2実施例による量子素子を示す
斜視図である。
【図13】この発明の第2実施例による量子素子の動作
原理を説明するための略線図である。
【図14】この発明の第2実施例による量子素子の製造
方法を説明するための斜視図である。
【図15】この発明の第2実施例による量子素子の製造
方法を説明するための斜視図である。
【図16】この発明の第2実施例による量子素子の製造
方法を説明するための斜視図である。
【図17】この発明の第3実施例による量子素子を示す
斜視図である。
【図18】この発明の第3実施例による量子素子の製造
方法を説明するための略線図である。
【図19】この発明の第3実施例による量子素子の製造
方法を説明するための斜視図である。
【図20】この発明の第3実施例による量子素子の製造
方法を説明するための斜視図である。
【図21】この発明の第4実施例による電界効果トラン
ジスタを示す断面図である。
【符号の説明】
1、21 n型GaAs基板 2、2a、2b、2c i型AlAs層 3 i型Alx Ga1-x As層 4、24 電極 22、22a、22b、22c、33 i型Aly Ga
1-y As層 23、34 i型GaAs層 31 半絶縁性GaAs基板 32 n型GaAs層 35 ゲート電極 36 ソース電極 37 ドレイン電極 QD 量子ドット
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/68 H01L 29/06 H01L 29/66 H01S 5/34

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一面内に互いに隣接して配列された複数
    の量子箱を有し、 上記複数の量子箱が上記面と直交する方向に対して組成
    的に非対称になっており、 上記方向に外部電場を印加することにより上記複数の量
    子箱内の電気伝導度を変調することを特徴とする量子素
    子。
  2. 【請求項2】 上記複数の量子箱が上記方向に対して組
    成的に非対称になっていることにより上記複数の量子箱
    の量子閉じ込めの障壁の高さが上記方向に対して変化し
    ていることを特徴とする請求項1記載の量子素子。
  3. 【請求項3】 上記複数の量子箱が化合物半導体ヘテロ
    接合により形成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の量子素子。
  4. 【請求項4】 上記化合物半導体ヘテロ接合を構成する
    化合物半導体の混晶比が上記方向に対して変化している
    ことにより上記障壁の高さが上記方向に対して変化して
    いることを特徴とする請求項3記載の量子素子。
  5. 【請求項5】 上記障壁の高さが上記方向に対して単調
    に増加または減少していることを特徴とする請求項2、
    3または4記載の量子素子。
  6. 【請求項6】 上記外部電場を印加するための電極が上
    記複数の量子箱に近接して設けられていることを特徴と
    する請求項1記載の量子素子。
  7. 【請求項7】 一面内に互いに隣接して配列された複数
    の量子箱を有し、 上記複数の量子箱が上記面と直交する方向に対して形状
    的に非対称になっていることにより互いに隣接する上記
    量子箱間の間隔が上記方向に対して変化しており、 上記方向に外部電場を印加することにより上記複数の量
    子箱内の電気伝導度を変調することを特徴とする量子素
    子。
  8. 【請求項8】 上記量子箱間の間隔が上記方向に対して
    単調に増加または減少していることを特徴とする請求項
    7記載の量子素子。
  9. 【請求項9】 上記複数の量子箱が化合物半導体ヘテロ
    接合により形成 されていることを特徴とする請求項7ま
    たは8記載の量子素子。
  10. 【請求項10】 上記外部電場を印加するための電極が
    上記複数の量子箱に近接して設けられていることを特徴
    とする請求項7記載の量子素子。
  11. 【請求項11】 上記量子箱が錐状の形状を有すること
    を特徴とする請求項7、8、9または10記載の量子素
    子。
  12. 【請求項12】 上記量子箱が円錐、三角錐、四角錐ま
    たは正四面体の形状を有することを特徴とする請求項
    7、8、9または10記載の量子素子。
  13. 【請求項13】 上記量子箱が円錐、三角錐、四角錐ま
    たは正四面体の頂部を切除した形状を有することを特徴
    とする請求項7、8、9または10記載の量子素子。
  14. 【請求項14】 一面内に互いに隣接して配列された複
    数の量子箱がチャネル領域に設けられ、 上記複数の量子箱が上記面と直交する方向に対して組成
    的または形状的に非対称になっており、 上記チャネル領域上に上記複数の量子箱に近接してゲー
    ト電極が設けられており、 上記ゲート電極により上記方向に外部電場を印加するこ
    とにより上記複数の量子箱内の電気伝導度を変調するこ
    とを特徴とするトランジスタ。
  15. 【請求項15】 一面内に互いに隣接して配列された複
    数の量子箱を有し、上記複数の量子箱が上記面と直交す
    る方向に対して組成的に非対称になっており、上記方向
    に外部電場を印加することにより上記複数の量子箱内の
    電気伝導度を変調する量子素子の製造方法であって、 基板上に障壁層となる第1の半導体層を形成する工程
    と、 上記第1の半導体層上に量子井戸層となる第2の半導体
    層を上記方向に対して組成的に非対称になるように形成
    する工程と、 上記第2の半導体層の間の部分を埋めるように障壁層と
    なる第3の半導体層を形成する工程とを有することを特
    徴とする量子素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 一面内に互いに隣接して配列された複
    数の量子箱を有し、上記複数の量子箱が上記面と直交す
    る方向に対して形状的に非対称になって いることにより
    互いに隣接する上記量子箱間の間隔が上記方向に対して
    変化しており、上記方向に外部電場を印加することによ
    り上記複数の量子箱内の電気伝導度を変調する量子素子
    の製造方法であって、 基板上に障壁層となる第1の半導体層を形成する工程
    と、 上記第1の半導体層上に量子井戸層となる第2の半導体
    層を上記方向に対して形状的に非対称になるように形成
    する工程と、 上記第2の半導体層の間の部分を埋めるように障壁層と
    なる第3の半導体層を形成する工程とを有することを特
    徴とする量子素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 一面内に互いに隣接して配列された複
    数の量子箱がチャネル領域に設けられ、上記複数の量子
    箱が上記面と直交する方向に対して組成的または形状的
    に非対称になっており、上記チャネル領域上に上記複数
    の量子箱に近接してゲート電極が設けられており、上記
    ゲート電極により上記方向に外部電場を印加することに
    より上記複数の量子箱内の電気伝導度を変調するトラン
    ジスタの製造方法であって、 基板上に障壁層となる第1の半導体層を形成する工程
    と、 上記第1の半導体層上に量子井戸層となる第2の半導体
    層を上記方向に対して組成的または形状的に非対称にな
    るように形成する工程と、 上記第2の半導体層の間の部分を埋めるように障壁層と
    なる第3の半導体層を形成する工程とを有することを特
    徴とするトランジスタの製造方法。
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