JP3339078B2 - 珪素化合物被覆物品の製造方法 - Google Patents
珪素化合物被覆物品の製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、珪素化合物被覆物品、
特に、撥水性、親水性、または反射防止性等の機能性が
付与された、珪素化合物で被覆されたガラス、プラスチ
ック等の物品およびその製造方法に関する。
特に、撥水性、親水性、または反射防止性等の機能性が
付与された、珪素化合物で被覆されたガラス、プラスチ
ック等の物品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】このような珪素化合物被膜を形成する方
法として、現在、アルキルトリアルコキシシランのよう
な有機珪素化合物の部分加水分解物溶液を塗布液とする
湿式塗布法が主流となっている。
法として、現在、アルキルトリアルコキシシランのよう
な有機珪素化合物の部分加水分解物溶液を塗布液とする
湿式塗布法が主流となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記湿式塗布
法では、表面が平坦でない異形表面を持つ基材上に均一
な厚みに被膜を形成することが不可能である。
法では、表面が平坦でない異形表面を持つ基材上に均一
な厚みに被膜を形成することが不可能である。
【0004】また、撥水性被膜のように、弗素元素を有
する珪素化合物被膜を形成する場合には、その希釈溶媒
としてフロン系溶媒のごときハロゲン元素を有するもの
を使用しない限り、透明で均一な塗膜が得られないとい
った問題もある。
する珪素化合物被膜を形成する場合には、その希釈溶媒
としてフロン系溶媒のごときハロゲン元素を有するもの
を使用しない限り、透明で均一な塗膜が得られないとい
った問題もある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであって、その目的は、基材表面に形状追従性よく
ムラの少ない珪素化合物被膜を形成した珪素化合物被覆
物品を製造しようとするものである。
ものであって、その目的は、基材表面に形状追従性よく
ムラの少ない珪素化合物被膜を形成した珪素化合物被覆
物品を製造しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1)で示される珪素化合物の加水分解物と弗化物を有
する溶液に物品を浸漬してその浸漬中に前記溶液から有
機ポリシロキサンまたは酸化ケイ素を前記物品の表面に
析出させ、そしてその析出量が所定の膜厚になるように
浸漬を所定時間維持し、そして前記溶液から引き上げた
後に物品を洗浄することを特徴とする、有機ポリシロキ
サンまたは酸化ケイ素の膜を被覆した物品の製造方法で
ある。
(1)で示される珪素化合物の加水分解物と弗化物を有
する溶液に物品を浸漬してその浸漬中に前記溶液から有
機ポリシロキサンまたは酸化ケイ素を前記物品の表面に
析出させ、そしてその析出量が所定の膜厚になるように
浸漬を所定時間維持し、そして前記溶液から引き上げた
後に物品を洗浄することを特徴とする、有機ポリシロキ
サンまたは酸化ケイ素の膜を被覆した物品の製造方法で
ある。
【0007】R1 nSi(R2)4-n (1) (式中R1は、炭化水素基、ビニル基、メタクリロキシ
基、メルカプト基、弗素含有有機基、または塩素含有有
機基であり、R2は、アルコキシ基、アルコキシアルコ
キシ基、アセトキシ基および塩素元素から選ばれる少な
くとも1種の結合基であり、nは、0または1であ
る。)以下に本発明を詳細に説明する。
基、メルカプト基、弗素含有有機基、または塩素含有有
機基であり、R2は、アルコキシ基、アルコキシアルコ
キシ基、アセトキシ基および塩素元素から選ばれる少な
くとも1種の結合基であり、nは、0または1であ
る。)以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明に使用される基材物品としては、無
機ガラスおよび有機ガラス等の透明基材および金属、セ
ラミックス等が挙げられる。無機ガラスとしては、例え
ば、ソーダ・ライムシリケートガラス、ホウ珪酸ガラ
ス、石英ガラスなどが挙げられ、熱あるいは化学処理に
より表面に圧縮歪層を設けたいわゆる強化ガラスであっ
てもよい。有機ガラスとしては、ポリカーボネート、ポ
リオレフィン、ポリメチルメタクリレートを主とするい
わゆるアクリル材料、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、
ポリエチレンテレフタレート、などの基材が挙げられ
る。
機ガラスおよび有機ガラス等の透明基材および金属、セ
ラミックス等が挙げられる。無機ガラスとしては、例え
ば、ソーダ・ライムシリケートガラス、ホウ珪酸ガラ
ス、石英ガラスなどが挙げられ、熱あるいは化学処理に
より表面に圧縮歪層を設けたいわゆる強化ガラスであっ
てもよい。有機ガラスとしては、ポリカーボネート、ポ
リオレフィン、ポリメチルメタクリレートを主とするい
わゆるアクリル材料、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、
ポリエチレンテレフタレート、などの基材が挙げられ
る。
【0009】一般式(1)で示される珪素化合物として
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、、
テトラクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキ
シエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、3.3.3−ト
リフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフ
ルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ
デシルトリクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン等がその
代表例として挙げられる。これらの珪素化合物は、1種
を単独で使用しても、2種以上を混合して用いてもよ
い。
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、、
テトラクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキ
シエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、3.3.3−ト
リフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフ
ルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ
デシルトリクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン等がその
代表例として挙げられる。これらの珪素化合物は、1種
を単独で使用しても、2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0010】これら一般式(1)で示される珪素化合物
の加水分解物とは、該珪素化合物中のアルコキシ基、ア
ルコキシアルコキシ基、アシルオキシ基、塩素元素の一
部または全部が水酸基に置換されたもの、および置換さ
れた水酸基同士が一部自然に縮合したものを含んでい
る。これらの加水分解物は、例えば、水およびアルコー
ルの様な混合溶媒中で酸の存在下で加水分解することに
よって得ることができる。
の加水分解物とは、該珪素化合物中のアルコキシ基、ア
ルコキシアルコキシ基、アシルオキシ基、塩素元素の一
部または全部が水酸基に置換されたもの、および置換さ
れた水酸基同士が一部自然に縮合したものを含んでい
る。これらの加水分解物は、例えば、水およびアルコー
ルの様な混合溶媒中で酸の存在下で加水分解することに
よって得ることができる。
【0011】加水分解溶液中の珪素濃度は、使用する珪
素化合物の種類によって適正値が異なるが、概ね、10
-4〜0.5mol/lの範囲が好ましい。10-4mol
/l以下では、被膜の析出能力が著しく低下するので好
ましくない。また、0.5mol/l以上では、不経済
である。また溶液の温度は室温で差し支えない。
素化合物の種類によって適正値が異なるが、概ね、10
-4〜0.5mol/lの範囲が好ましい。10-4mol
/l以下では、被膜の析出能力が著しく低下するので好
ましくない。また、0.5mol/l以上では、不経済
である。また溶液の温度は室温で差し支えない。
【0012】このような加水分解溶液は、所定珪素濃度
の溶液が得られるように試薬を混合後加水分解して調製
してもよいが、高濃度の加水分解溶液を作成し、溶媒で
希釈して調製してもよい。溶媒は、被膜の析出触媒であ
る弗化物の溶解性を考慮すると水またはアルコールが好
ましい。
の溶液が得られるように試薬を混合後加水分解して調製
してもよいが、高濃度の加水分解溶液を作成し、溶媒で
希釈して調製してもよい。溶媒は、被膜の析出触媒であ
る弗化物の溶解性を考慮すると水またはアルコールが好
ましい。
【0013】次に、上記有機珪素化合物の加水分解溶液
に、弗化物を添加し、R1 nSiO(4-n)/2型の被膜を析
出させる。使用する弗化物としては、弗酸、珪弗化水素
酸、弗化ナトリウム、弗化ニッケル、弗化アンモニウム
等のように、弗素イオンを生じるものならば何でもよ
い。弗化物の添加量の最適値は、弗化物の種類および使
用した珪素化合物の種類によって異なるのでその都度決
定することが好ましいが通常は10-4〜0.5mol/
lの範囲で用いられる。例えば、一般式(1)において
R1=CH3の場合、加水分解溶液中への弗酸の過剰添加
(例えば添加量が1mol/lである場合)は、CH3
SiF3ガスの発生を促進し、被膜は、形成されない。
また、基材を侵食するので好ましくない。
に、弗化物を添加し、R1 nSiO(4-n)/2型の被膜を析
出させる。使用する弗化物としては、弗酸、珪弗化水素
酸、弗化ナトリウム、弗化ニッケル、弗化アンモニウム
等のように、弗素イオンを生じるものならば何でもよ
い。弗化物の添加量の最適値は、弗化物の種類および使
用した珪素化合物の種類によって異なるのでその都度決
定することが好ましいが通常は10-4〜0.5mol/
lの範囲で用いられる。例えば、一般式(1)において
R1=CH3の場合、加水分解溶液中への弗酸の過剰添加
(例えば添加量が1mol/lである場合)は、CH3
SiF3ガスの発生を促進し、被膜は、形成されない。
また、基材を侵食するので好ましくない。
【0014】本発明によって、非ガラス物品例えばプラ
スチック物品上に被膜を析出させる場合、プラスチック
を予めシランカップリング剤またはその加水分解物で処
理して表面にシラノール基を導入しておくことが、均一
な被膜を析出させるために好ましい。
スチック物品上に被膜を析出させる場合、プラスチック
を予めシランカップリング剤またはその加水分解物で処
理して表面にシラノール基を導入しておくことが、均一
な被膜を析出させるために好ましい。
【0015】被覆させる基材物品は、弗化物を添加する
前に溶液中に浸漬しておいて浸漬した後に弗化物を添加
してもよく、弗化物を添加した溶液中に浸漬してもよ
く、また、弗化物添加中の溶液中に浸漬してもよい。さ
らに弗化物溶液に、一般式(1)で示される珪素化合物
の加水分解物溶液を添加してもよい。この場合も、基材
の浸漬は、加水分解溶液の添加前でも、添加後でも、添
加中でもかまわない。
前に溶液中に浸漬しておいて浸漬した後に弗化物を添加
してもよく、弗化物を添加した溶液中に浸漬してもよ
く、また、弗化物添加中の溶液中に浸漬してもよい。さ
らに弗化物溶液に、一般式(1)で示される珪素化合物
の加水分解物溶液を添加してもよい。この場合も、基材
の浸漬は、加水分解溶液の添加前でも、添加後でも、添
加中でもかまわない。
【0016】本発明による被膜形成の機構は明かではな
いが、おそらく次のようであると推定される。すなわ
ち、弗化物が添加された珪素化合物の加水分解物溶液中
に基材物品が浸漬されると、溶液中または基材物品表面
の存在していたヒドロキシ珪素種のシラノール基が、溶
液中の弗化物から由来する弗素で部分的に置換されてS
iF基となる。そして基材表面または溶液中に残ってい
るシラノール基とSiF基との間で脱弗酸反応が進行
し、両者の間にシロキサン結合が形成されて基材表面に
は、R1 nSiO(4-n)/2で示す有機ポリシロキサンの被
膜が析出すると考えられる。なお一般式(1)で示され
る珪素化合物のnがゼロの場合には二酸化珪素の被膜が
析出する。
いが、おそらく次のようであると推定される。すなわ
ち、弗化物が添加された珪素化合物の加水分解物溶液中
に基材物品が浸漬されると、溶液中または基材物品表面
の存在していたヒドロキシ珪素種のシラノール基が、溶
液中の弗化物から由来する弗素で部分的に置換されてS
iF基となる。そして基材表面または溶液中に残ってい
るシラノール基とSiF基との間で脱弗酸反応が進行
し、両者の間にシロキサン結合が形成されて基材表面に
は、R1 nSiO(4-n)/2で示す有機ポリシロキサンの被
膜が析出すると考えられる。なお一般式(1)で示され
る珪素化合物のnがゼロの場合には二酸化珪素の被膜が
析出する。
【0017】本発明において、上記一般式(1)で示さ
れる珪素化合物の加水分解物と弗化物を有する溶液に物
品を浸漬する時間は、使用する珪素化合物の種類、弗化
物の種類、溶液中の珪素濃度・弗化物濃度、溶液の温
度、必要な被膜の厚み、基材の種類などによって異なる
が、通常は30秒〜24時間である。
れる珪素化合物の加水分解物と弗化物を有する溶液に物
品を浸漬する時間は、使用する珪素化合物の種類、弗化
物の種類、溶液中の珪素濃度・弗化物濃度、溶液の温
度、必要な被膜の厚み、基材の種類などによって異なる
が、通常は30秒〜24時間である。
【0018】そして形成させる、有機ポリシロキサン膜
または二酸化珪素膜の厚みは、通常は、使用した有機珪
素化合物の単分子層から約200nmである。被膜形成
後、基材をその変形温度以下でかつ被膜の分解温度(通
常は100〜400℃)以下で熱処理して、被膜を更に
硬化してもかまわない。この熱処理によって被膜中の吸
着水が除去され、また未反応で残存していたシラノール
基が脱水縮合し、シロキサン結合が形成され,次第にち
密化していくものと推察される。
または二酸化珪素膜の厚みは、通常は、使用した有機珪
素化合物の単分子層から約200nmである。被膜形成
後、基材をその変形温度以下でかつ被膜の分解温度(通
常は100〜400℃)以下で熱処理して、被膜を更に
硬化してもかまわない。この熱処理によって被膜中の吸
着水が除去され、また未反応で残存していたシラノール
基が脱水縮合し、シロキサン結合が形成され,次第にち
密化していくものと推察される。
【0019】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。
【0020】実施例1 メチルトリエトキシシラン100g、蒸留水100g、
および1N塩酸1gを混合し、室温で1時間激しく攪拌
し、加水分解溶液を得た。蒸留水200gに上記加水分
解溶液5gを添加し、攪拌後、あらかじめ洗浄した縦、
横各50mm厚み1.1mmのソーダライムガラス基板
を浸漬した。次いでこの溶液に、4mol/lの珪弗化
水素酸水溶液を5g添加、攪拌した。30分後、溶液は
白濁していた。この時点でガラス基板を取り出し、蒸留
水で洗浄し、50℃で30分間乾燥した。ガラス基板上
には、約70nm厚みのメチルポリシロキサンの被膜が
形成されていた。被膜上の蒸留水の接触角を調べたとこ
ろ、95゜であった。なお未処理のソーダライムガラス
基板表面の水の接触角は25゜であった。
および1N塩酸1gを混合し、室温で1時間激しく攪拌
し、加水分解溶液を得た。蒸留水200gに上記加水分
解溶液5gを添加し、攪拌後、あらかじめ洗浄した縦、
横各50mm厚み1.1mmのソーダライムガラス基板
を浸漬した。次いでこの溶液に、4mol/lの珪弗化
水素酸水溶液を5g添加、攪拌した。30分後、溶液は
白濁していた。この時点でガラス基板を取り出し、蒸留
水で洗浄し、50℃で30分間乾燥した。ガラス基板上
には、約70nm厚みのメチルポリシロキサンの被膜が
形成されていた。被膜上の蒸留水の接触角を調べたとこ
ろ、95゜であった。なお未処理のソーダライムガラス
基板表面の水の接触角は25゜であった。
【0021】比較例1 メチルトリエトキシシラン100g、蒸留水100g、
および1N塩酸1gを混合し、室温で1時間激しく攪拌
し、加水分解溶液を得た。蒸留水200gに上記加水分
解溶液5gを添加し、攪拌後、あらかじめ洗浄した縦、
横各50mm厚み1.1mmのソーダライムガラス基板
を浸漬した。次いでこの溶液に、濃硫酸を5g添加、攪
拌した。30分後、溶液は白濁していた。この時点でガ
ラス基板を取り出し、蒸留水で洗浄し、50℃で30分
間乾燥した。ガラス基板上に被膜は全く形成されなかっ
た。
および1N塩酸1gを混合し、室温で1時間激しく攪拌
し、加水分解溶液を得た。蒸留水200gに上記加水分
解溶液5gを添加し、攪拌後、あらかじめ洗浄した縦、
横各50mm厚み1.1mmのソーダライムガラス基板
を浸漬した。次いでこの溶液に、濃硫酸を5g添加、攪
拌した。30分後、溶液は白濁していた。この時点でガ
ラス基板を取り出し、蒸留水で洗浄し、50℃で30分
間乾燥した。ガラス基板上に被膜は全く形成されなかっ
た。
【0022】実施例2 テトラエトキシシラン100g、蒸留水100g、およ
び1N塩酸2gを混合し、室温で24時間攪拌し、加水
分解溶液を得た。蒸留水200gに上記加水分解溶液1
0gを添加し、攪拌後、あらかじめ洗浄した縦、横各5
0mm厚み1.1mmのソーダライムガラス基板を浸漬
した。次いでこの溶液に、4mol/lの珪弗化水素酸
水溶液を50g添加、攪拌した。4時間後ガラス基板を
取り出し、蒸留水で洗浄し、50℃で30分間乾燥し
た。ガラス基板上には、厚みが約20nmの二酸化珪素
の被膜が形成されていた。
び1N塩酸2gを混合し、室温で24時間攪拌し、加水
分解溶液を得た。蒸留水200gに上記加水分解溶液1
0gを添加し、攪拌後、あらかじめ洗浄した縦、横各5
0mm厚み1.1mmのソーダライムガラス基板を浸漬
した。次いでこの溶液に、4mol/lの珪弗化水素酸
水溶液を50g添加、攪拌した。4時間後ガラス基板を
取り出し、蒸留水で洗浄し、50℃で30分間乾燥し
た。ガラス基板上には、厚みが約20nmの二酸化珪素
の被膜が形成されていた。
【0023】実施例3 ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン2.8
g、蒸留水4g、0.1N塩酸1gおよびエタノール5
gを混合し、室温で30分間攪拌し、加水分解溶液を得
た。イソプロピルアルコール400gに弗化アンモニウ
ム0.5gを添加、攪拌後、上記加水分解溶液4.5g
を添加し攪拌した。この溶液にあらかじめ洗浄した縦1
00mm横70mm厚み1.1mmのソーダライムガラ
スを浸漬し、30秒後溶液から引き上げ、溶媒が乾燥す
る前に、イソプロピルアルコールでリンスし、蒸留水で
洗浄後、圧縮空気で蒸留水を吹き飛ばした。ガラス基板
上には、約5nmのヘプタデカフルオロデシルポリシロ
キサンの被膜が形成されていた。被膜上の蒸留水の接触
角を測定したところ、103゜であった。また、撥油性
も確認された。
g、蒸留水4g、0.1N塩酸1gおよびエタノール5
gを混合し、室温で30分間攪拌し、加水分解溶液を得
た。イソプロピルアルコール400gに弗化アンモニウ
ム0.5gを添加、攪拌後、上記加水分解溶液4.5g
を添加し攪拌した。この溶液にあらかじめ洗浄した縦1
00mm横70mm厚み1.1mmのソーダライムガラ
スを浸漬し、30秒後溶液から引き上げ、溶媒が乾燥す
る前に、イソプロピルアルコールでリンスし、蒸留水で
洗浄後、圧縮空気で蒸留水を吹き飛ばした。ガラス基板
上には、約5nmのヘプタデカフルオロデシルポリシロ
キサンの被膜が形成されていた。被膜上の蒸留水の接触
角を測定したところ、103゜であった。また、撥油性
も確認された。
【0024】比較例2 ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン2.8
g、蒸留水4g、0.1N塩酸1gおよびエタノール5
gを混合し、室温で30分間攪拌し、加水分解溶液を得
た。イソプロピルアルコール400gに上記加水分解溶
液8gを添加、攪拌した。この溶液にあらかじめ洗浄し
た縦100mm横70mm厚み1.1mmのソーダライ
ムガラスを浸漬し、30秒後溶液から引き上げ、溶媒が
乾燥する前に、イソプロピルアルコールでリンス後、蒸
留水で洗浄した。蒸留水ははじかず濡れたままであっ
た。
g、蒸留水4g、0.1N塩酸1gおよびエタノール5
gを混合し、室温で30分間攪拌し、加水分解溶液を得
た。イソプロピルアルコール400gに上記加水分解溶
液8gを添加、攪拌した。この溶液にあらかじめ洗浄し
た縦100mm横70mm厚み1.1mmのソーダライ
ムガラスを浸漬し、30秒後溶液から引き上げ、溶媒が
乾燥する前に、イソプロピルアルコールでリンス後、蒸
留水で洗浄した。蒸留水ははじかず濡れたままであっ
た。
【0025】実施例4 特開平3−84043号公報の実施例8に従って、深さ
0.07μm、幅0.8μm、ピッチ1.6μmの溝を
有するポリカーボネート製光ディスク基板の表面上に液
相析出法で厚みが約40nmの二酸化珪素被膜を形成し
た。
0.07μm、幅0.8μm、ピッチ1.6μmの溝を
有するポリカーボネート製光ディスク基板の表面上に液
相析出法で厚みが約40nmの二酸化珪素被膜を形成し
た。
【0026】弗素化合物として、4mol/lの濃度の
珪弗化水素酸水溶液5gのかわりに5%弗酸水溶液2g
を使用したこと以外は実施例1と同様にして、上記二酸
化珪素被膜付きポリカーボネート製光ディスク基板上に
厚みが約30nmのメチルポリシロキサンの被膜を形成
した。
珪弗化水素酸水溶液5gのかわりに5%弗酸水溶液2g
を使用したこと以外は実施例1と同様にして、上記二酸
化珪素被膜付きポリカーボネート製光ディスク基板上に
厚みが約30nmのメチルポリシロキサンの被膜を形成
した。
【0027】成膜した溝部を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、メチルポリシロキサンの被膜がディスク基板の凹凸
形状に沿って均一な厚みで成膜していることが認められ
た。
ろ、メチルポリシロキサンの被膜がディスク基板の凹凸
形状に沿って均一な厚みで成膜していることが認められ
た。
【0028】実施例5 ソーダライム基板の析出溶液への浸漬時間を16時間と
したこと以外は実施例2と全く同様にして、ソーダライ
ム基板上に二酸化珪素被膜を形成した。被膜形成前に9
2.2%だった全光線透過率が被膜形成によって93.
3%まで上昇した。被膜表面を電子顕微鏡で観察したと
ころ、直径10〜50nmの半球状の凸部が密集してい
た。
したこと以外は実施例2と全く同様にして、ソーダライ
ム基板上に二酸化珪素被膜を形成した。被膜形成前に9
2.2%だった全光線透過率が被膜形成によって93.
3%まで上昇した。被膜表面を電子顕微鏡で観察したと
ころ、直径10〜50nmの半球状の凸部が密集してい
た。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、溶液に接触した物品の
任意の場所に有機珪素化合物または二酸化珪素の被膜を
形成させることが可能であり、異形表面を持つ基材上に
均一に被膜を形成することが可能となった。また、フロ
ン系溶媒のごとき弗素元素を有する溶媒を使用せず、均
一な撥水性被覆物品を得ることが可能となった。
任意の場所に有機珪素化合物または二酸化珪素の被膜を
形成させることが可能であり、異形表面を持つ基材上に
均一に被膜を形成することが可能となった。また、フロ
ン系溶媒のごとき弗素元素を有する溶媒を使用せず、均
一な撥水性被覆物品を得ることが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−117552(JP,A) 特開 平5−112662(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/04 - 7/06 B05D 1/00 - 7/24
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で示される珪素化合物
の加水分解物と弗化物を有する溶液に物品を浸漬してそ
の浸漬中に前記溶液から有機ポリシロキサンまたは酸化
ケイ素を前記物品の表面に析出させ、そしてその析出量
が所定の膜厚になるように浸漬を所定時間維持し、そし
て前記溶液から引き上げた後に物品を洗浄することを特
徴とする、有機ポリシロキサンまたは酸化ケイ素の膜を
被覆した物品の製造方法。 R1 nSi(R2)4-n (1) (式中R1は、炭化水素基、ビニル基、メタクリロキシ
基、メルカプト基、弗素含有有機基、または塩素含有有
機基であり、R2は、アルコキシ基、アルコキシアルコ
キシ基、アセトキシ基および塩素元素から選ばれる少な
くとも1種の結合基であり、nは、0または1であ
る。) - 【請求項2】 前記浸漬を30秒〜24時間維持する請
求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 前記溶液はその溶液中にそれぞれ10 -4
〜0.5mol/lおよび10 -4 〜0.5mol/lの
珪素の濃度および弗化物の濃度を有する請求項1または
2記載の製造方法。
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---|---|---|---|
JP27024092A JP3339078B2 (ja) | 1992-10-08 | 1992-10-08 | 珪素化合物被覆物品の製造方法 |
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JP27024092A JP3339078B2 (ja) | 1992-10-08 | 1992-10-08 | 珪素化合物被覆物品の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06116424A JPH06116424A (ja) | 1994-04-26 |
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-
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- 1992-10-08 JP JP27024092A patent/JP3339078B2/ja not_active Expired - Fee Related
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