JP3336911B2 - プリプレグの製造方法およびその装置 - Google Patents

プリプレグの製造方法およびその装置

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JP3336911B2
JP3336911B2 JP16386497A JP16386497A JP3336911B2 JP 3336911 B2 JP3336911 B2 JP 3336911B2 JP 16386497 A JP16386497 A JP 16386497A JP 16386497 A JP16386497 A JP 16386497A JP 3336911 B2 JP3336911 B2 JP 3336911B2
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直人 池川
宏 原田
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B15/00Pretreatment of the material to be shaped, not covered by groups B29B7/00 - B29B13/00
    • B29B15/08Pretreatment of the material to be shaped, not covered by groups B29B7/00 - B29B13/00 of reinforcements or fillers
    • B29B15/10Coating or impregnating independently of the moulding or shaping step
    • B29B15/12Coating or impregnating independently of the moulding or shaping step of reinforcements of indefinite length
    • B29B15/122Coating or impregnating independently of the moulding or shaping step of reinforcements of indefinite length with a matrix in liquid form, e.g. as melt, solution or latex

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維からなるシー
ト状の補強基材に液体状態とした熱硬化性樹脂を、マト
リクス樹脂として供給して加熱するプリプレグの製造方
法及びその装置に関し、特にガラスクロスなどのシート
状繊維補強基材に、溶媒を用いないでマトリクス樹脂を
含浸させて、プリプレグを製造する方法及びその装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、溶剤にマトリクス樹脂となる
熱硬化性樹脂を溶かして粘度を低くしたのち、ガラスク
ロスなどの補強基材に含浸、乾燥させる方法がプリプレ
グの製造方法としてよく用いられている。このような方
法によれば、毛細管現象によってマトリクス樹脂が補強
基材によく含浸されるので、比較的容易にプリプレグを
製造することができる。
【0003】しかしながら、このような溶剤を用いる方
法では、可燃性溶剤を用いるので、溶剤回収用設備、防
爆設備などの設備を必要とし、そのため設備コストが高
く、かつ、プリプレグに微量の溶媒が残存するため、気
泡発生による品質上の問題も有している。
【0004】また、上記の溶剤を用いることによる欠点
を排除するものとしては、特開平5−200748号公
報に開示されているものがある。
【0005】この製造方法を実施する装置は図27に示す
ように、複式ベルトプレス21を備え、この複式ベルトプ
レス21の入り口の手前には、ガラスクロスなどの補強基
材の繰り出しユニット22と、押出機23とが設けられてい
る。押出機23ではエポキシ樹脂などのマトリクス樹脂が
溶融されて、フイルムの形状に押し出されるとともに、
補強基材に被着される。そして、このマトリクス樹脂の
フイルムと補強基材との層形成物は、複式ベルトプレス
21に導かれ、面圧を受けながら加熱される。このとき、
前記層形成物は、複式ベルトプレス21を通過する過程
で、マトリクス樹脂が溶融して補強基材内に含浸される
とともに、半硬化状態とされたプリプレグとなるのであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
図27に示す装置による方法にあっても、以下の点が不満
になる場合がある。
【0007】つまり、この装置では両面から面圧を与え
てマトリクス樹脂を補強基材内部に含浸させているの
で、気泡が外に抜けにくく、得られるプリプレグ中にボ
イドが残存しやすくなるものである。特に目付量が大き
いなどの理由のために含浸性の劣る補強基材では、ボイ
ドが残りやすくなる。また、両面から面圧を与えている
ので、マトリクス樹脂が両サイドに逃げて、マトリクス
樹脂の含有量の調整範囲が狭く、樹脂含有量の大きいプ
リプレグを作成しにくい。また、樹脂含有量が表裏で異
なったり、表面の平滑性が不十分になることもある。
【0008】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたものであり、その目的は、樹脂の含浸性
が良好であって、ボイドが少なく、また、表面の平滑
性、樹脂含有量の均一性に優れ、樹脂含有量を大きくで
きるプリプレグの製造方法及びその装置の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明は、繊維からなるシート状の補強基材1
を連続的に供給して、この補強基材1に溶融状態の熱硬
化性樹脂をマトリクス樹脂2として供給し、加熱するプ
リプレグの製造方法であって、以下の(a)〜(d)の
各工程を順に行うことを特徴として構成している。
【0010】(a)少なくとも補強基材1内部の全体
含浸されるに足りる量のマトリクス樹脂2を第一のダイ
コータ3にて補強基材1に塗工する第一の塗工工程。
【0011】(b)非接触型の第一の加熱ユニット4に
て、上記補強基材1を加熱し塗工されたマトリクス樹脂
2を補強基材1内部の全体に含浸させる第一の加熱工
程。
【0012】(c)上記補強基材1にさらにマトリクス
樹脂2を第二のダイコータ5にて塗工する第二の塗工工
程。
【0013】(d)非接触型の第二の加熱ユニット6に
て上記補強基材1を加熱して、マトリクス樹脂2を半硬
化させる第二の加熱工程。
【0014】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、第一の塗工工程で補強基材1内部の空間を満たすに
十分なマトリクス樹脂2が供給される。そして、第一の
加熱工程によって、マトリクス樹脂2が補強基材1全体
の内部に含浸されるが、このとき、非接触の状態で表面
が開放されているので、この表面から補強基材1内部の
気泡が抜けることができるのである。さらに、第二の塗
工工程でマトリクス樹脂2が上記補強基材1の表面に補
充され、第二の加熱工程で全体のマトリクス樹脂2が加
熱溶融されると、マトリクス樹脂2は、気泡がさらに除
かれるとともに半硬化状態に硬化し、プリプレグが製造
される。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、マトリクス樹脂2として、主剤となるエポ
キシ樹脂組成物(A)と、少なくとも硬化剤を含む樹脂
組成物(B)と、硬化促進剤(C)とを、各々流動状態
に保って、各々を均一に混合したのち、第一または/及
び第二のダイコータ3または/及び5に供給することを
特徴として構成している。
【0016】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、エポキシ樹脂組成物(A)は硬化剤及び硬化促進剤
を含まず、混合する前には硬化反応が進まないので長期
間安定に貯蔵できる。また、樹脂組成物(B)には硬化
促進剤が含まれないので、硬化剤が反応して変質するこ
とがなくなっている。つまり、それぞれの(A)〜
(C)の材料の長期保管が可能になっている。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、エポキシ樹脂組成物(A)と、硬化剤
(B)と、硬化促進剤(C)とを、各々の貯槽7a、7b、
7cの送出口からダイコータ3、5に供給される間におい
て、各々個別に、または混合後に、それぞれの樹脂の粘
度500〜500000センチポイズでろ過することを
特徴として構成している。
【0018】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、マトリクス樹脂2が500センチポイズ以上なの
で、塗工時に裏面側にマトリクス樹脂2が浸透し過ぎ
て、バックアップローラに付着することがないのであ
り、また、500000センチポイズ以下なので、拡展
性が十分であって、均一に補強基材1に塗工される。さ
らに、空気中の粉塵またはゲル化物などの異物が取り除
かれる。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、第一の塗工工程にて、補強基材1の内部に
含浸されるとともに、塗工側の表面のみを覆う量のマト
リクス樹脂2を塗工し、第二の塗工工程にて、第一の塗
工工程にて塗工した表面と反対側の表面に塗工すること
を特徴として構成している。
【0020】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、第二の塗工工程で片面に塗工するのみで、補強基材
1の両面にマトリクス樹脂2の層を形成している。
【0021】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明において、第一の塗工工程にて、少なくとも補強基材
1の内部に含浸されるに足りる量のマトリクス樹脂2を
塗工し、第二の塗工工程にて、補強基材1の両面からマ
トリクス樹脂2を塗工することを特徴として構成してい
る。
【0022】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、第二の塗工工程で同じ条件で両側から塗工できるの
で、補強基材1の両面に形成されるマトリクス樹脂2の
層の厚みを揃えやすくなっている。
【0023】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明において、第一の加熱工程における第一の加熱ユニッ
ト4の入口もしくは出口、または入口及び出口にて、補
助加熱を行うことを特徴として構成している。
【0024】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、補助加熱によって、第一の加熱ユニット4の入口ま
たは出口における温度低下を防ぐことができ、所定温度
に保たれるゾーンを長く取って、マトリクス樹脂2の含
浸を十分に行うことができる。
【0025】請求項7記載の発明は、請求項1記載の発
明において、第二の加熱工程における加熱ユニット6の
温度設定を、出口側ほど高くなるようにすることを特徴
として構成している。
【0026】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、入り口側の温度が低いので、硬化反応が進んでいな
いために粘度が低いマトリクス樹脂2であっても、溶融
した状態の粘度が下がりすぎることがなく、このマトリ
クス樹脂2が流れ過ぎることが防止されている。また、
出口側では高温になっているので、反応がスピーディに
進行する。
【0027】請求項8記載の発明は、請求項1記載の発
明において、コンパクションローラ8によって補強基材
1を熱圧する工程を、第二の加熱工程の途中または後に
行うことを特徴として構成している。
【0028】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、コンパクションローラ8による熱圧を受けて、得ら
れるプリプレグの厚みが均一化され、表面が平滑化され
る。
【0029】請求項9記載の発明は、請求項1記載の発
明において、第一の塗工工程において、補強基材1の第
一のダイコータ3への供給前に補強基材1の厚みを検知
し、この厚みに合わせて第一のダイコータ3とバックア
ップローラ14aとのクリアランスを調整することを特徴
として構成している。
【0030】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、連続生産時などに、補強基材1の最後端部に異なる
補強基材1の先端部を重ねて貼着して連続供給する場
合、補強基材2枚分の厚みを有するこの貼着部25の厚み
を第一のダイコータ3への供給前に検知し、厚みが増え
た分第一のダイコータ3とバックアップローラ14aとの
クリアランスを調整して広げるので、貼着部25が第一の
ダイコータ3とバックアップローラ14aの間でひっかか
ることなくスムーズに通過でき、補強基材1の破れを防
止できる。
【0031】請求項10記載の発明は、請求項1記載の
発明において、第一の塗工工程において、補強基材1の
厚み、織り密度又は目付量による通気度に合わせて第一
のダイコータ3及びバックアップローラ14aの温度を調
整することを特徴として構成している。
【0032】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、厚み、織り密度又は目付量に差がある補強基材1に
マトリクス樹脂2を塗工する場合、補強基材1の通気度
が高いほど第一のダイコータ3及びバックアップローラ
14aの温度を低くしてマトリクス樹脂2の粘度を高くす
るので、塗工されたマトリクス樹脂2がバックアップロ
ーラ14aに到達することを防止できる。
【0033】請求項11記載の発明は、請求項1記載の
発明において、第一の加熱工程において、補強基材1の
厚み、織り密度又は目付量による通気度に合わせて第一
の加熱ユニット4の設定温度を調整することを特徴とし
て構成している。
【0034】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、厚み、織り密度又は目付量に差がある補強基材1に
マトリクス樹脂2を含浸させる場合、補強基材1の通気
度が高いほど第一の加熱ユニット4の温度を低くしてマ
トリクス樹脂2の粘度を高くするので、補強基材1の裏
面へのマトリクス樹脂2の到達量を一定にでき、補強基
材1表裏両面の樹脂層の厚みを均一にできる。
【0035】請求項12記載の発明は、請求項1記載の
発明において、第一の加熱工程において、第一の加熱ユ
ニット4を補強基材1の幅方向に分割し、この分割され
た第一の加熱ユニット4ごとに設定温度を調整すること
を特徴として構成している。
【0036】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、補強基材1の通気度が高い部分ほど、その近傍の分
割された第一の加熱ユニット4の設定温度を低くしてマ
トリクス樹脂2の粘度を高くするので、補強基材1の裏
面へのマトリクス樹脂2の到達量を一定にでき、補強基
材1表裏両面の樹脂層の厚みを均一にできる。
【0037】請求項13記載の発明は、請求項1記載の
発明において、第一の加熱工程と第二の塗工工程との間
で、補強基材1内部へのマトリクス樹脂2の含浸状態を
検出し、ボイド31が消滅するように、第一の加熱ユニッ
ト4の設定温度を調整することを特徴として構成してい
る。
【0038】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、補強基材1内部へのマトリクス樹脂2の含浸状態を
検出し、ボイド31があるときは第一の加熱ユニット4の
設定温度を高くしてマトリクス樹脂2の粘度を低くする
ことにより、ボイド31を消滅させるので、補強基材1内
部まで十分にマトリクス樹脂2を含浸させることができ
る。
【0039】請求項14記載の発明は、請求項1記載の
発明において、第一の加熱工程と第二の塗工工程との間
で、補強基材1の塗工面と反対側へのマトリクス樹脂2
の到達状態を検出し、この到達状態が一定となるよう
に、第一の加熱ユニット4の設定温度を調整することを
特徴として構成している。
【0040】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、補強基材1の塗工面と反対側へのマトリクス樹脂2
の到達量を検出し、この到達量が多いほど第一の加熱ユ
ニット4の設定温度を低くしてマトリクス樹脂2の粘度
を高くするので、この到達量を一定にでき、補強基材1
表裏両面の樹脂層の厚みを均一にできる。
【0041】請求項15記載の発明は、請求項1記載の
発明において、第二の塗工工程において、補強基材1の
進行方向と逆方向に回転するバックアップローラ14bに
より補強基材1を支えることを特徴として構成してい
る。
【0042】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、補強基材1の進行方向と、補強基材1を支えるバッ
クアップローラ14bの回転方向とが逆であるため、補強
基材1とバックアップローラ14bとの間にマトリクス樹
脂2が溜まらず、マトリクス樹脂2の補強基材1への供
給量を一定に保つことができる。
【0043】請求項16記載の発明は、請求項15記載
の発明において、第二の塗工工程において、バックアッ
プローラ14bの周速を補強基材1の進行速度よりも大き
くすることを特徴として構成している。
【0044】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、バックアップローラ14bの周速が補強基材1の進行
速度よりも大きいため、マトリクス樹脂2をスムーズに
補強基材1に塗工するこができ、樹脂層をむらなく平滑
化できる。
【0045】請求項17記載の発明は、請求項1記載の
発明において、第二の塗工工程において、バックアップ
ローラ14bの前後でバックアップローラ14bの反対側より
押えロール34で補強基材1を押さえることを特徴として
構成している。
【0046】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、バックアップローラ14bの前後でバックアップロー
ラ14bの反対側より押えロール34で補強基材1を押さえ
るため、補強基材1とバックアップローラ14bとの接触
面積を一定に保ち、樹脂層をむらなく平滑化できる。
【0047】請求項18記載の発明は、請求項1記載の
発明において、第二の塗工工程と第二の加熱工程との間
で、補強基材1の進行方向と逆方向に回転する平滑化ロ
ール35を用いて、補強基材1の表面又は裏面の樹脂層を
平滑化することを特徴として構成している。
【0048】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、補強基材1の進行方向と逆方向に回転する平滑化ロ
ール35により、補強基材1の表面又は裏面の樹脂層をむ
らなく平滑化できる。
【0049】請求項19記載の発明は、請求項1記載の
発明において、第一の塗工工程にて、マトリクス樹脂2
を補強基材1の下面より塗工し、第二の塗工工程にて、
補強基材1の上面からマトリクス樹脂2を塗工すること
を特徴として構成している。
【0050】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、最初に補強基材1の下面よりマトリクス樹脂2を塗
工するので、このマトリクス樹脂2が重力の影響で補強
基材1の上面に過剰に到達することを防止でき、補強基
材1の表裏両面の樹脂層の厚みを均一にできる。
【0051】請求項20記載の発明は、請求項1記載の
発明において、第二の加熱工程において、第二の加熱ユ
ニット6を補強基材1の幅方向に分割し、この分割され
た第二の加熱ユニット6ごとに設定温度を調整すること
を特徴として構成している。
【0052】このようなプリプレグの製造方法によれ
ば、得られたプリプレグの硬化度が高い部分ほど、その
近傍での分割された第二の加熱ユニット6の設定温度を
低くして硬化度を低くするので、幅方向に均一な硬化度
を有するプリプレグが得られる。
【0053】請求項21記載の発明は、請求項1記載の
発明を実施するための装置であって、補強基材1の巻き
出しユニット15と、連続運転を可能とすべく補強基材1
の切り替え時に作用するアキュムレータユニット10と、
主剤(A)、硬化剤(B)及び硬化促進剤(C)を各々
一定温度に流動状態で保管する貯槽7a、7b、7cと、これ
らの貯槽7a、7b、7cからの各組成物を計量する計量装置
11a 、11b、11c と、計量された主剤(A)、硬化剤
(B)及び硬化促進剤(C)を混合してマトリクス樹脂
2を調整する混合ユニット12と、調整されたマトリクス
樹脂2を塗工する第一のダイコータ3と、マトリクス樹
脂2を補強基材1内部の全体に含浸させる非接触型の第
一の加熱ユニット4と、この第一の加熱ユニット4を経
た補強基材1に、前記調整されたマトリクス樹脂2をさ
らに塗工する第二のダイコータ5と、この第二のダイコ
ータ5を経た補強基材1に含浸されているマトリクス樹
脂2を半硬化状態に硬化させる第二の加熱ユニット6
と、マトリクス樹脂2が含浸された補強基材1を加圧し
て均一かつ平滑化する、温度を一定に保持するコンパク
ションローラ8と、プリプレグを巻き取るためのロール
タイプの巻き取りユニット13または一定長さに横方向に
切断するカッターユニットとを有するプリプレグの製造
装置であることを特徴として構成している。
【0054】このようなプリプレグの製造方法によって
も、請求項1記載の発明と同様に、第一の加熱工程によ
って、マトリクス樹脂2が補強基材1全体の内部に含浸
され、この補強基材1表面から内部の気泡が抜けること
ができる。さらに、第二の塗工工程でマトリクス樹脂2
が上記補強基材1の表面に補充され、第二の加熱工程で
全体のマトリクス樹脂2が半硬化状態にさせられたプリ
プレグを得ることができる。
【0055】
【発明の実施の形態】本発明の一つの実施の形態を以下
に添付図を参照して説明する。
【0056】図1はこの実施の形態におけるプリプレグ
の製造を行う第一の装置の構成を概略示す説明図であ
り、図2は同上製造方法における各工程の補強基材1及
びマトリクス樹脂2の状態を模式的に断面視して示す説
明図である。
【0057】図1に示すように、このプリプレグの製造
装置は、繊維からなるシート状の補強基材1を連続的に
供給し、この補強基材1に溶融状態の熱硬化性樹脂をマ
トリクス樹脂2として供給し、加熱することによって、
プリプレグを製造するように構成されている。
【0058】さらに具体的には、以下の(a)〜(d)
の各工程を順に行うように構成されている。
【0059】(a)少なくとも補強基材1内部に含浸さ
れるに足りる量のマトリクス樹脂2を第一のダイコータ
3にて補強基材1に塗工する第一の塗工工程。
【0060】(b)非接触型の第一の加熱ユニット4に
て、上記補強基材1を加熱し塗工されたマトリクス樹脂
2を補強基材1内部に含浸させる第一の加熱工程。
【0061】(c)上記補強基材1にさらにマトリクス
樹脂2を第二のダイコータ5にて塗工する第二の塗工工
程。
【0062】(d)非接触型の第二の加熱ユニット6に
て上記補強基材1を加熱して、マトリクス樹脂2を半硬
化させる第二の加熱工程。
【0063】また、図2は上記の各工程の材料の状態を
模式的に示し、(A)の図は(a)の第一の塗工工程が
行われた状態に該当し、塗工されたマトリクス樹脂2は
補強基材1の塗工面に付着した状態になっている。そし
て、第一の加熱ユニット4を通過時に加熱されることに
よって、(B)に示すように、塗工されたマトリクス樹
脂2は補強基材1内部に含浸される。すなわち、この図
は(b)の工程が終了した状態を示している。また、こ
の図の場合には、マトリクス樹脂2は補強基材1内部に
含浸されるに足りる量以上に供給されているので、塗工
側にも層状に残った状態で含浸されている。そして、
(c)の第二の塗工工程で、上記第一の塗工工程におけ
る塗工面と反対側に、さらに塗工されて(C)に示すよ
うに、両面に層状にマトリクス樹脂2を有する状態とさ
れる。つまり、第二の塗工工程で片面に塗工するのみ
で、補強基材1の両面にマトリクス樹脂2の層を形成で
きているのである。
【0064】なお、(B)に示すように、塗工側にのみ
マトリクス樹脂2が層状に残っているが、場合によって
は反対側の面にも層状に溜まることになる。たとえば、
マトリクス樹脂2の粘度が低いか、またはガラスクロス
の目が開いているか等のような、マトリクス樹脂の含浸
が極めてスピーディーに行われる場合などが、この場合
に相当する。
【0065】さらに、(d)の工程で第二の加熱ユニッ
ト6を通過して、加熱されることによって、全体のマト
リクス樹脂2は適度な半硬化状態(いわゆるB−ステー
ジの状態)に、硬化反応を進めたプリプレグを得ること
ができるのである。また、以上の第一の加熱ユニット4
及び第二の加熱ユニット6には、非接触型のものを用い
ている。このため、第一の加熱工程によって、マトリク
ス樹脂2が補強基材1全体の内部に含浸されるときに、
補強基材1は非接触の状態で表面が開放されている。し
たがって、この表面から補強基材1内部の気泡が抜ける
ことができ、得られる含浸体内部にボイドが残りにくく
なっている。さらに、第二の加熱ユニット6において
も、同様の事情からボイドが抜けやすく、得られるプリ
プレグにボイドを含有しにくくなっているのである。ま
た、均一に含浸されるので、表面の平滑性及び樹脂含有
量の均一性に優れるプリプレグを得ることができるので
ある。
【0066】特に、第一の加熱ユニット4が非接触型に
なっていることは、この工程で補強基材1内部にマトリ
クス樹脂が略完全に含浸されるので重要である。
【0067】なお、以上の補強基材1としては、例え
ば、ガラスクロスを代表的に例示することができるが、
この他に、種々の無機質、有機質などの繊維、例えば、
芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維、炭素
繊維から成る布、または不織布など、さまざまなシート
状材料を用いることができる。また、上記に示した繊維
の束を一方向に連続的に巻き出すことによっても形成す
ることができる。
【0068】また、マトリクス樹脂2となる熱硬化性樹
脂としては、例えば、エポキシ樹脂を代表的に例示する
ことができるが、この他に、不飽和ポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリレート
樹脂、フェノール樹脂などさまざまな熱硬化性樹脂を用
いることができる。
【0069】また、この種のプリプレグは、例えば、ガ
ラス基材エポキシ樹脂多層回路板などに用いられるガラ
スエポキシプリプレグを代表的に例示することができる
が、このような電気用途の回路基板のみならず、化粧板
または構造用の積層体など、さまざまな用途に用いられ
るものである。
【0070】以下、さらに詳細にこの実施の形態におけ
るプリプレグの製造方法及びその装置について説明する
が、以下の説明はガラス布基材のエポキシ樹脂プリプレ
グに関するものを取り上げている。
【0071】図1において、15は巻き出しユニットであ
って、ガラスクロスである補強基材1の巻き出しロール
9aが該当している。この巻き出しロール9aより、ガラス
クロスが連続的に供給されている。
【0072】この場合、ガラスクロスとしては、厚み
0.03〜0.2mm、目付量25〜250g/m2 で
あり、マトリクス樹脂2の含有率は40〜75%程度に
調整される。
【0073】また、7a、7b、7cはマトリクス樹脂2の材
料の貯槽であり、それぞれの貯槽7a、7b、7cに入ってい
る(A)、(B)、(C)の材料は、それぞれ計量装置
11a、11b 、11c で所定量計量され、混合ユニット12に
よってマトリクス樹脂2として混合調整されたのち、第
一のダイコータ3及び第二のダイコータ5に送られ、補
強基材1に塗工される。
【0074】第一のダイコータ3による塗工は、バック
アップローラ14a によって支えられたガラスクロス表面
にマトリクス樹脂2を塗工して行われる。また、第二の
ダイコータ5からの塗工は、第一のダイコータ3の塗工
面を上面にして補強基材1を上方に支えるバックアップ
ローラ14b に、第二のダイコータ5からマトリクス樹脂
2を塗工し、このマトリクス樹脂2を補強基材1下面に
転写させている。
【0075】この場合、第一のダイコータ3としては、
計量用のギヤポンプを内蔵したギヤポンプ・イン・ダイ
タイプのものを用いており、第二のダイコータ5として
は、ギヤポンプを有しないTダイタイプのものを用い、
外部にギヤポンプを備えている。しかし、このようなタ
イプに限定される訳ではなく、コートハンガーダイ、扇
形ダイ、フィッシュテールダイなどさまざまなタイプの
ものを用いることができる。
【0076】上記第一のダイコータ3によって塗工され
るマトリクス樹脂2の量は、塗工される全量の70〜9
0%程度とされ、残りの30〜10%程度を第二のダイ
コータ5によって塗工するようにしている。
【0077】また、8はマトリクス樹脂2が含浸された
補強基材1を、加圧して得られるプリプレグの厚みを均
一にし、かつ表面を平滑化するコンパクションローラで
ある。このコンパクションローラ8はマトリクス樹脂2
を軟化させる程度の一定温度に保持されているものであ
り、第二の加熱ユニット6の出口側に配設されている。
【0078】なお、以上のコンパクションローラ8は、
上記の第二の加熱ユニット6の出口側のみならず、第二
の加熱工程の途中または後であればよく、したがって、
第二の加熱ユニット6を分割して、その間に設けること
もできる。また、異なる位置に複数設けることもでき
る。
【0079】マトリクス樹脂2が含浸された補強基材1
は、このようなコンパクションローラ8による熱圧を受
けて、得られるプリプレグの厚みが均一化され、表面が
平滑化されたものになる。さらに、このコンパクション
ローラ8を出たプリプレグは、巻き取りユニット13であ
る巻き取りローラにて、連続して巻き取られるように構
成されている。なお、この巻き取りユニット13に代え
て、一定長さに横方向に切断するカッターユニットを設
けるようにしてもよい。
【0080】また、上記の貯槽7a、7b、7cに入っている
材料(A)、(B)、(C)としては、(A)がビスフ
ェノール型などの一種類以上の成分からなるエポキシ樹
脂組成物であって、主剤となるものである。(B)はジ
シアンジアミドなどの硬化剤であって、保存温度での溶
融性を向上させるために、反応しにくくて適切な樹脂組
成物に混合されている。また、(C)はイミダゾール化
合物などの硬化促進剤である。そして、これらの主剤
(A)、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)は、適切な温
度に加温されて、各々安定な流動状態に保たれおり、各
々を均一に混合したのち、第一または/及び第二のダイ
コータ3または/及び5に供給される。
【0081】一例を挙げると、貯槽7aには、約65℃で
液状に保持され、ビスフェノール型エポキシ樹脂を主成
分とし、臭素化エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂等を
配合したものを主剤として貯蔵し、貯槽7bには約40℃
に保持された硬化剤としてジシアンジアミドを含むエポ
キシ樹脂を貯蔵し、貯槽7cにはイミダゾール系硬化促進
剤を約40℃にて貯蔵することができる。このような組
成配合のものは、24段スタチックミキサーを備える静
止型混合機である混合ユニット12にて、滞留時間1分で
混合調整され、60℃に保持されている第一及び第二の
ダイコータ3、5に供給される。
【0082】このように供給すれば、各々の主剤
(A)、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)は、加温され
た液体状態においても反応せず、長期間安定に貯蔵で
き、安定に効率よく製造作業を行うことができる。
【0083】また、図には示していないが、上記の主剤
(A)、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)を、各々の貯
槽7a、7b、7cの送出口からダイコータ3、5に供給され
る間において、各々個別に、または混合後に、それぞれ
の樹脂の粘度500〜500000センチポイズでろ過
されるように構成されている。
【0084】つまり、500センチポイズ以上なので、
塗工時に裏面側にマトリクス樹脂2が浸透し過ぎて、バ
ックアップローラに付着することがなく、運転トラブル
が発生しにくくなっている。また、500000センチ
ポイズ以下なので、拡展性が十分であって、均一に補強
基材1に塗工されるのである。さらに、ろ過されること
によって、空気中の粉塵またはゲル化物などの異物が取
り除かれ、マトリクス樹脂2が均一に含浸されて、異物
等の付着の少ないプリプレグが得られるのである。
【0085】また、図3はこの実施の形態におけるプリ
プレグの製造を行う第二の装置の構成を示す説明図であ
る。
【0086】この図に示すように、この第二の装置によ
る方法では、図1に示した第一の装置による方法と異な
り、バックアップローラ14b を第一のダイコータ3によ
る補強基材1の塗工面と同じ側に設け、裏面側にダイコ
ータ5を配して、補強基材1に直接塗工するようにして
いる。
【0087】以上のように、直接補強基材1に塗工する
場合と、バックアップローラ14b に塗工して補強基材1
に転写させる場合との、いずれの方法によっても塗工は
可能であり、設備のスペース等を考慮して選択すること
ができる。特に、バックアップローラ14b に塗工する場
合には、ダイコータ3または5とのクリアランスが正確
になり、塗工量を一定に管理しやすい利点がある。また
この場合には、バックアップローラ14b の回転方向は、
補強基材1の進行方向に対して正回転又は逆回転のいず
れでも良いが、望ましくは逆回転である。
【0088】また、図4はこの実施の形態におけるプリ
プレグの製造を行う第三の装置の構成を示す説明図であ
る。
【0089】この図に示すように、この装置による方法
では、図1に示した方法と異なり、第二のダイコータ5
を二つ使用し、この二つの第二のダイコータ5を補強基
材1の両側に配して、両面からマトリクス樹脂2を塗工
するように構成している。このとき、第一の塗工工程で
は、補強基材1の内部にちょうど含浸されるに足りる量
のマトリクス樹脂2を塗工するようにしている。また、
この場合、二つのバックアップローラ14b を用い、この
二つのバックアップローラ14b にて補強基材1を挟み込
んで搬送しており、第二のダイコータ5からこのバック
アップローラ14b に塗工したマトリクス樹脂2を補強基
材1に転写させるようにしている。
【0090】このようにして塗工することによって、第
二の塗工工程において同じ条件で両側から塗工できるの
で、補強基材1の両面に形成されるマトリクス樹脂2の
層の厚みを揃えやすくなっているのである。
【0091】以上の具体的な塗工条件の一例としては、
補強基材1としては厚さ180μm、目付量210g/
m2 のものを用いて、同様な組成のエポキシ樹脂を塗工
している。そして、第一のダイコータ3によって、塗工
する全体量の80%に相当するマトリクス樹脂2を、6
000センチポイズで塗工し、マトリクス樹脂2の塗工
量を122g/m2 としている。この場合の塗工量12
2g/m2 は、ガラスクロス内部にちょうど含浸される
量に相当する。続いて、このガラスクロスを遠赤外線加
熱炉である第一の加熱ユニット4内を30秒間走行させ
ることによって、マトリクス樹脂2をガラスクロス内部
に含浸させる。さらに、第二のダイコータ5にて、ガラ
スクロスの上下面から、それぞれ塗工する全体量の10
%に相当するマトリクス樹脂2を、6000センチポイ
ズで塗工し、マトリクス樹脂2の塗工量を15g/m2
としている。この不足分の両側で20%のマトリクス樹
脂2は、第二の加熱ユニット6を通る過程で、硬化が進
んで半硬化状態とされる。
【0092】図5は上記方法における各工程の、補強基
材1及びマトリクス樹脂2の状態を模式的に断面視して
示す説明図である。
【0093】この図の(A)の図は、第一の塗工工程が
行われた状態に該当し、塗工されたマトリクス樹脂2は
補強基材1の塗工面に付着した状態になっている。そし
て、第一の加熱ユニット4を通過時に加熱されることに
よって、(B)に示すように、補強基材1内部に含浸さ
れるにちょうど足りる量のマトリクス樹脂2が供給され
ているので、補強基材1の表面にはマトリクス樹脂2の
層は形成されていない。しかし、第二の塗工工程でさら
にマトリクス樹脂2が供給されるので、(C)に示すよ
うに、両面に層状にマトリクス樹脂2を有する状態にな
っているのである。
【0094】また、以上のそれぞれの装置によるそれぞ
れの方法において、第一の加熱ユニット4の入口もしく
は出口、または入口及び出口にて、補助加熱を行うこと
も好ましい。このような補助加熱によれば、第一の加熱
ユニット4の入口または出口における温度低下を防ぐこ
とができ、所定温度に保たれるゾーンを長く取って、マ
トリクス樹脂2の含浸を十分に行うことができる。
【0095】このような補助加熱の具体的な例として
は、第一の加熱ユニット4の入口及び出口の、それぞれ
5秒間の熱履歴を受ける領域に、波長0.75〜2.0
μmの近赤外線加熱ヒータを設け、この領域以外の部分
を波長25〜5000μmの遠赤外線加熱ヒータとして
いるのである。
【0096】図6はこのような、補助加熱を行った場合
の炉内の温度分布を実施例とし、補助加熱を行わない場
合を比較例として示すグラフ図である。この図は横軸に
この第一の加熱ユニット4に入った時点からの経過時間
をとっている。したがって、0秒は入口であり、30秒
間で通過するように設定されているので、30秒後の位
置が出口に相当する。
【0097】この図に示すように、加熱炉内の設定温度
を100℃としているのであるが、補助加熱がない遠赤
外線加熱ヒータのみの場合の比較例では、暫時炉内の温
度が上昇し、約25秒後に略100℃に達するととも
に、出口では80℃程に低下している。しかし、補助加
熱を用いた場合には、約5秒後に略100℃に達し、こ
の温度は出口においてもほとんど低下しないようになっ
ている。
【0098】なお、図7の説明図に概略構成を示すよう
な加熱ヒータを、上記の遠赤外線ヒータに代えて用いる
ことができる。この加熱ヒータではフローテングドライ
ヤーであって、複数のノズルから加熱エアーまたは窒素
などの流体を補強基材1の上下から噴射して、補強基材
1を浮上させた状態で加熱するように構成されている。
この他に、熱媒加熱型の非接触式加熱ヒータなども好ま
しく用いることができる。
【0099】図8はこの実施の形態におけるプリプレグ
の製造を行う第四の装置の構成を示す説明図である。
【0100】この図の装置では、図1に示した装置及び
方法において、第二の加熱ユニット6を6a、6b、6cに三
分割している。そして、分割された第二の加熱ユニット
6aが、最も設定温度が低く、6b、6cと高くなるようにし
ている。また、第二の加熱ユニット6b、6cとしては、省
スペースの縦型のユニットを用いている。このようなプ
リプレグの製造方法によれば、入り口側の温度が低いの
で、硬化反応が進んでいなくて粘度が低いマトリクス樹
脂2であっても、溶融した状態の粘度が下がり過ぎるこ
とがなく、このマトリクス樹脂2が垂れたりすることが
防止されているのである。そして、硬化反応が進んで粘
度が高い出口側では、高温になって硬化反応がスピーデ
ィに進行し、生産スピードを高くすることができている
のである。
【0101】具体的な硬化反応の水準としては、第二の
加熱ユニット6の水平部分6aで約10%の硬化反応率であ
り、第二の加熱ユニット6の縦型の部分6b、6cを通過し
た状態で48%の硬化反応率になっている。ここで言う
硬化反応率としては、エポキシ基の反応率を意味してい
る。
【0102】また、図9、10、11は、図8の装置におい
て、コンパクションローラ8の配置が異なる構成を示す
説明図である。
【0103】図9の構成では、図8の構成において、第
二の加熱ユニット6の水平部分6aと縦型の部分6b、6cと
の間にも、コンパクションローラ8を設け、マトリクス
樹脂2の硬化の水準が低く、軟化しやすい段階で、より
効果的にプリプレグ表面の平滑化及び厚みの均一化が行
われるように構成している。
【0104】図10の構成では、図8の構成において、コ
ンパクションローラ8を二つ連設して、より押圧力を強
力なものにし、効果的にプリプレグ表面の平滑化及び厚
みの均一化が行われるように構成している。
【0105】図11の構成では、上記図10のものに、第二
の加熱ユニット6の水平部分6aと縦型の部分6b、6cとの
間にも、コンパクションローラ8を設けて、さらに表面
の平滑化及び厚みの均一化が効果的になされるように構
成している。
【0106】また、図12は、図1における巻き出しユニ
ット15の部分の異なる構成を示している。
【0107】この図12においては、巻き出しロール9aの
他に引き継ぎロール9bを備え、巻き出しロール9aから巻
き出されたガラスクロスは、アキュムレータ10を経た
後、第一のダイコータ3にてマトリクス樹脂2が塗工さ
れる。このアキュムレータ10は、巻き出しロール9aから
引き継ぎロール9bに切り換える際にも、ガラスクロスの
供給を止めずに連続運転を可能にするために設けられて
いる。
【0108】また、図13は、図12に示すプリプレグの製
造装置において、第一の塗工工程の異なる構成を示す説
明図である。
【0109】この図に示すように、第一のダイコータ3
にガラスクロスを供給する前に、ガラスクロスの厚みを
検知する変位計24を備えている。変位計24は巻き出しロ
ール9aからアキュムレータ10へ供給される間のガラスク
ロスの上方に配され、ガラスクロスの厚みを検知する変
位センサ24aと、変位センサ24aで検知される信号を増幅
するアンプ24bとで構成されている。連続生産時など
に、ガラスクロスの最後端部に異なるガラスクロスの先
端部を重ねて貼着して連続供給する場合、ガラスクロス
2枚分の厚みを有するこの貼着部25の厚みを第一のダイ
コータ3への供給前に検知し、厚みが増えた分第一のダ
イコータ3とバックアップローラ14aとのクリアランス
を調整して広げるので、貼着部25が第一のダイコータ3
とバックアップローラ14aの間をスムーズに通過でき、
ガラスクロスのひっかかりによる破れを防止できる。な
お、変位計24はガラスクロスの下方に配してもよい。ま
た、変位計24でなくても、ガラスクロスの厚みの変化を
検知するシステムであればよく、ガラスクロスの上下に
配してもよい。
【0110】図14は、巻き出しロール9aとアキュムレー
タ10との間のガラスクロスの上方に、非接触式の可視光
レーザ変位計を幅方向の中央に設置し、厚み180μ
m、目付け210g/m2の2枚のガラスクロスを両面
テープ26で貼着して接合し、この貼着部25を通過させた
場合の可視光レーザ変位計の測定結果を示すもので、
(a)はガラスクロスの貼着部25を示す正面図、(b)
はガラスクロスの変位を示すグラフである。縦軸は変位
量、横軸は時間を示す。
【0111】この図に示すように、ガラスクロスの貼着
部25で250μmの変位差が発生している。ガラスクロ
スの厚み以上の変位差が発生したときは、ガラスクロス
の貼着部25が通過するとして信号が送られ、第一のダイ
コータ3を前後に移動させるエアシリンダ(図示せず)
のバルブが開いて第一のダイコータ3を後退させ、第一
のダイコータ3とバックアップローラ14aとのクリアラ
ンスが100mm程度に広がる。その結果、この100
mmのクリアランスの間を430μmのガラスクロスの
貼着部25がひっかかることなく、スムーズに通過でき
る。
【0112】また、貼着部25を検知する方法としてCC
Dカメラを用いてもよい。ガラスクロスの貼着部に適当
な大きさの黒色テープを貼着し、その上方に配されたC
CDカメラによりガラスクロス表面を撮像する。そして
得られた画像を連続的にパソコンに取り込み、二値化処
理することにより黒色テープ部を識別し、貼着部25を検
知する。
【0113】表1に、図1に示すプリプレグの製造を行
う第一の装置において、第一の塗工工程の異なる構成に
おける実験結果を示す。
【0114】
【表1】 この第一の塗工工程の異なる構成は、ガラスクロスの厚
み、織り密度又は目付量による通気度に合わせて第一の
ダイコータ3及びバックアップローラ14aの温度を調整
することである。ガラスクロスは、厚み、織り密度又は
目付量により通気度差が生じる。通気度の大きいガラス
クロスでは、マトリクス樹脂2がガラスクロスを簡単に
通過してバックアップローラ14aに付着し、順次供給さ
れるガラスクロスがバックアップローラ14aに巻き付
き、過大な張力が発生してガラスクロスが破れることが
あるため、このようなガラスクロスにマトリクス樹脂2
を塗工する場合、第一のダイコータ3及びバックアップ
ローラ14aの温度をガラスクロスの通気度が高いほど第
一のダイコータ3及びバックアップローラ14aの温度を
低くしてマトリクス樹脂2の粘度を高くするので、塗工
されたマトリクス樹脂2がバックアップローラ14aに到
達することを防止できる。
【0115】実験としては、ガラスクロスの厚み、目付
量、織り密度、使用糸、通気度、第一のダイコータ3温
度、バックアップローラ14a温度の組み合わせ変えて、
実施例1乃至5及び比較例1乃至2の合計7種類のサン
プル及び温度条件を設定し、バックアップローラ14aへ
のマトリクス樹脂2の付着の有無を測定した。マトリク
ス樹脂2として、図2で説明したものを用いている。な
お、比較例1は、実施例4と同一のガラスクロスを用
い、第一のダイコータ3及びバックアップローラ14aの
温度を変えたものであり、比較例2は、実施例5と同一
のガラスクロスを用い、第一のダイコータ3及びバック
アップローラ14aの温度を変えたものである。
【0116】この表1に示すように、実施例1乃至実施
例5では、バックアップローラ14aへのマトリクス樹脂
2の付着はなかったが、比較例1乃至比較例2ではバッ
クアップローラ14aへのマトリクス樹脂2の付着があっ
た。通気度が大きいガラスクロスを用いるときは、第一
のダイコータ3及びバックアップローラ14aの温度を下
げて、マトリクス樹脂2の粘度を大きくすれば、バック
アップローラ14aへマトリクス樹脂2が付着しないこと
がわかった。
【0117】表2に、図1に示すプリプレグの製造を行
う第一の装置において、第一の加熱工程の異なる構成に
おける実験結果を示す。(a)は実施例1乃至5の実験
結果を示し、(b)は比較例1乃至比較例8の実験結果
を示す。
【0118】
【表2】 この表2に示す第一の加熱工程の異なる構成は、ガラス
クロスの厚み、織り密度又は目付量による通気度に合わ
せて第一の加熱ユニット4の設定温度を調整するもので
ある。前述したように、ガラスクロスは、厚み、織り密
度又は目付量により通気度差が生じる。通気度が大きい
と、マトリクス樹脂2がガラスクロスを通過し易く裏面
側の樹脂層の厚みが大きくなり、通気度が小さいと、マ
トリクス樹脂2がガラスクロスを通過しにくく裏面側の
樹脂層の厚みが小さくなってしまう。したがって、この
ようなガラスクロスにマトリクス樹脂2を含浸させる場
合、ヒータ温度及び第一の加熱ユニット4内の雰囲気温
度をガラスクロスの通気度が高いほど第一の加熱ユニッ
ト4の温度を低くしてマトリクス樹脂2の粘度を高くす
るので、ガラスクロスの裏面へのマトリクス樹脂2の到
達量を一定にでき、ガラスクロス表裏両面の樹脂層の厚
みを均一にできる。
【0119】実験としては、ガラスクロスの厚み、目付
量、織り密度、使用糸、通気度、ヒータ温度、第一の加
熱ユニット4内の雰囲気温度の組み合わせ変えて、実施
例1乃至5及び比較例1乃至8の合計13種類のサンプ
ル及び温度条件を設定し、ガラスクロスの裏面へのマト
リクス樹脂2の到達量を測定した。マトリクス樹脂2と
して、図2で説明したものを用い、第一の加熱ユニット
4として、遠赤外線加熱炉を用いている。なお、比較例
1は実施例1と同一のガラスクロスを用い、温度条件を
変えている。同様に比較例2、3は実施例2と、比較例
4、5は実施例3と、比較例6、7は実施例4と比較例
8は実施例5とそれぞれ対応している。
【0120】この表2に示すように、実施例1乃至5で
は、通気度が大きいほど、ヒータ温度及び第一の加熱ユ
ニット4内の雰囲気温度をそれぞれ適正に下げることに
より、ガラスクロスの裏面へのマトリクス樹脂2の到達
量を適正にできた。これに対し、比較例1乃至8におい
て、ヒータ温度及び第一の加熱ユニット4内の雰囲気温
度が適正な温度より高すぎるときは(比較例2、4、
6、8)、マトリクス樹脂2の粘度が低くなって、ガラ
スクロスの裏面へのマトリクス樹脂2の到達量が過剰と
なっている。また、ヒータ温度及び第一の加熱ユニット
4内の雰囲気温度が適正な温度より低すぎるときは(比
較例1、3、5、7)、マトリクス樹脂2の粘度が高く
なって、ガラスクロスの裏面よりも表面のマトリクス樹
脂2が過剰となっている。
【0121】また、図15は、この実施の形態におけるプ
リプレグの製造を行う第五の装置の第一の加熱工程を示
す説明図である。
【0122】この図に示すように、第一の加熱ユニット
4をガラスクロスの幅方向に3つに分割し、ガラスクロ
スの進行方向に対して左側よりヒートゾーン30a、ヒー
トゾーン30b、ヒートゾーン30cを形成している。このヒ
ートゾーン30a、30b、30cごとの設定温度を、ガラスク
ロスの通気度が高い部分ほど、その近傍のヒートゾーン
の設定温度を低くしてマトリクス樹脂2の粘度を高くす
るので、ガラスクロスの裏面へのマトリクス樹脂2の到
達量を一定にでき、ガラスクロス表裏両面の樹脂層の厚
みを均一にできる。
【0123】一例を挙げると、、幅1300mm、厚み
180μm、目付量210g/m2のガラスクロスを用
い、マトリクス樹脂2として、ビスフェノール型エポキ
シ樹脂を主成分とし、フェノール性化合物及び多官能エ
ポキシ樹脂をそれぞれ少量ずつ含む組成物(A)と、硬
化剤ジシアンジアミド(DICY)を含むエポキシ樹脂
組成物(B)と、イミダゾール系硬化促進剤を含むエポ
キシ樹脂組成物(C)との混合物を用いている。このマ
トリクス樹脂2の総塗工量の90%を第一のダイコータ
3により、樹脂粘度6000cps、樹脂量137g/
m2の塗工条件でガラスクロスの表面に均一な厚さに塗
工した。ここで総塗工量の90%とは、ガラスクロス内
部を満たすとともに表面側を覆うだけの樹脂量に相当す
る。また、ヒートゾーン30a、30b、30cは、それぞれ5
00mmの幅に形成されている。
【0124】また表3に、図15に示すプリプレグの製造
を行う第五の装置において、上記条件での実験結果を示
す。
【0125】
【表3】 表3において、中実施例1乃至5に示すように、ガラス
クロスの厚み、目付量、織り密度、使用糸及び通気度の
異なる5種類のサンプルを作製し、各ヒートゾーン30
a、30b、30cの温度及び第一の加熱ユニット4内の雰囲
気温度を適正に設定して第一の加熱工程を行い、裏面へ
のマトリクス樹脂2の到達量を測定した。実施例1乃至
5のいずれのガラスクロスにおいても、ヒートゾーン30
a側の通気度が高くなっており、ヒートゾーン30aの温度
を低めに設定することで、ガラスクロスの幅方向に略均
一に裏面へマトリクス樹脂2が到達している。
【0126】また、図16は、この実施の形態におけるプ
リプレグの製造を行う第六の装置の第一の加熱工程及び
第二の塗工工程を示す説明図である。
【0127】また、図17は、第一の加熱工程後のボイド
31を有するガラスクロスの表面のCCDカメラによる拡
大撮像図である。この撮像図は、図15に示す装置で用い
たガラスクロス及びマトリクス樹脂2を用い、同様の塗
工条件で第一の塗工工程を行った後、ガラスクロスの下
方に配置したバックライト36により裏面側からガラスク
ロスを照射した状態で、対応するガラスクロスの上方の
幅方向中央部に設置したCCDカメラ32を用い、ガラス
クロス内部へのマトリクス樹脂2の含浸状態をモニタ33
で観察して得られたものである。ガラスクロスのボイド
31ではバックライト36の光が透過せず黒く写り、ガラス
クロスの含浸領域ではバックライト36の光が透過して白
く写る。
【0128】図16、図17に示すように、ガラスクロスは
複数のボイド31を有している。このボイド31は、第一の
加熱工程中に消滅させないと最終状態においても残存す
ることになる。このため、第一の加熱工程と第二の塗工
工程との間で、ガラスクロス内部へのマトリクス樹脂2
の含浸状態をCCDカメラ32で撮像して検出し、ボイド
31があるときは第一の加熱ユニット4の設定温度を高く
してマトリクス樹脂2の粘度を低くするので、ガラスク
ロス内部まで十分にマトリクス樹脂2を含浸させること
ができる。また、より明確に判断できるような画像を得
ようとすれば、画像処理解析装置で二値化処理を行なえ
ばよい。また、CCDカメラ32を幅方向に複数設けるこ
とで、幅方向のガラスクロスへの含浸状態のばらつきを
把握でき、その結果によっては、図15に示したように、
第一の加熱ユニット4を幅方向に分割して、独立にコン
トロールしてもよい。
【0129】また、図18は、この実施の形態におけるプ
リプレグの製造を行う第七の装置の第一の加熱工程及び
第二の塗工工程を示す説明図である。
【0130】この図に示すように、第一の加熱工程と第
二の塗工工程との間で、変位計24を用いてガラスクロス
の塗工面と反対側へのマトリクス樹脂2の到達量を検出
し、この到達量が多いほど第一の加熱ユニット4の設定
温度を低くしてマトリクス樹脂2の粘度を高くするの
で、この到達量を一定にでき、補強基材1表裏両面の樹
脂層の厚みを均一にできる厚みを均一にできる。
【0131】図19及び図20は、図18に示す装置におい
て、図15に示す装置で用いたガラスクロス及びマトリク
ス樹脂2を用い、同様の塗工条件で第一の塗工工程を行
った後、第一の加熱工程と第2の塗工工程との間のガラ
スクロスの裏面側に非接触式の可視光レーザ変位計を幅
方向中央部に設置し、ガラスクロスの表面変位を測定し
た結果を示す説明図であり、(a)はガラスクロスの模
式断面図、(b)はガラスクロスの表面及び裏面の変位
量を示すグラフである。また、図19では第一の加熱ユニ
ット4の設定温度を調整し、ヒータ温度=350℃、雰
囲気温度=160℃である。これに対し、図20は比較例
で第一の加熱ユニット4の設定温度は調整せず、ヒータ
温度=150℃、雰囲気温度=80℃である。
【0132】図19では、マトリクス樹脂2が裏面まで到
達しているため、ガラスクロスの表面及び裏面の変位パ
ターンは同一である。これに対し、図20では、繊維束と
繊維束との間で、樹脂が裏面まで達していない。そのた
め、繊維束に相当する大きなうねりがみられ、うねりに
は繊維が露出していることによる、細かなうねりもみら
れる。ここで、可視光レーザ変位計を幅方向に複数設け
ることで、裏面側への樹脂の到達状況の幅方向ばらつき
を把握し、その結果によって第一の加熱ユニット4内の
温度を幅方向に独立してコントロールすることもでき
る。
【0133】図21は、この実施の形態におけるプリプレ
グの製造を行う第八の装置の第二の塗工工程を示す説明
図である。また、図22は、図21に示す装置において、バ
ックアップローラ14b近傍の拡大図であり、(a)は比
較例でバックアップローラ14bが正回転、(b)は実施
例で、バックアップローラ14bが逆回転である。(b)
ではガラスクロスの進行方向と、ガラスクロスを支える
バックアップローラ14bの回転方向とが逆であるため、
補強基材1とバックアップローラ14bとの間にマトリク
ス樹脂2が溜まらず、マトリクス樹脂2の補強基材1へ
の供給量を一定に保つことができる。
【0134】一例を挙げると、図21、図22において、図
15に示す装置で用いたガラスクロス及びマトリクス樹脂
2を用い、同様の塗工条件で第一の塗工工程、第一加熱
工程を行った後、第2の塗工工程では、第二のダイコー
タ5により、マトリクス樹脂2の総塗工量の10%をガ
ラスクロス裏面より、樹脂粘度6000cps、樹脂量
15g/m2の塗工条件でバックアップローラ14bをガ
ラスクロスの進行方向に対して逆回転させた状態で均一
な厚さに塗工した。このとき、ガラスクロスの進行速度
8m/分に対して、バックアップローラ14bの周速を8
m/分としている。むらのない平滑性に優れた塗工面が
得られた。それに対して、バックアップローラ14bの周
速を8m/分として正回転とすると、ガラスクロスとバ
ックアップローラ14bとの間にマトリクス樹脂2が溜
り、それがある量を越えると一気にガラスクロス側に転
写された。
【0135】また、バックアップローラ14bの周速をガ
ラスクロスの進行速度よりも大きくすると、マトリクス
樹脂2がガラスクロスへスムーズに転写され、むらなく
平滑な樹脂層が形成される。バックアップローラ14bの
周速を12m/分、16m/分とすると、より平滑度の
高い塗工面が得られた。それに対して、周速を4m/分
とすると、マトリクス樹脂2は斑点状のむらとなって塗
工された。
【0136】図23は、この実施の形態におけるプリプレ
グの製造を行う第九の装置の第二の塗工工程を示す説明
図である。
【0137】バックアップローラ14bの前後でガラスク
ロスの表面側より押えロール34a、34bでガラスクロスを
押さえている。このため、ガラスクロスとバックアップ
ローラ14bとの接触面積を一定に保ち、効率的に、樹脂
層をむらなく平滑化できる。
【0138】一例を挙げると、図23において、図15に示
す装置で用いたガラスクロス及びマトリクス樹脂2を用
い、同様の塗工条件で第一の塗工工程、第一加熱工程を
行った後、第二の塗工工程では、第二のダイコータ5に
より、マトリクス樹脂2の総塗工量の10%を、バック
アップローラ14bをガラスクロスの進行方向に対して逆
回転させ、樹脂粘度6000cps、樹脂量15g/m
2の塗工条件でガラスクロス裏面より均一な厚さに塗工
した。このとき、バックアップローラ14bへの進入側の
押えロール34aを下降させて、バックアップローラ14bと
の接触面積を一定に保った。反対側の押えロール34b
も、状況に応じて用いる。さらに、押えロール34a、34b
を左右に移動させることで、最適な接触面積を見いだす
ことができる。
【0139】図24は、この実施の形態におけるプリプレ
グの製造を行う第十の装置の第二の塗工工程と第二の加
熱工程を示す説明図である。
【0140】ガラスクロスの進行方向と逆に回転する平
滑化ロール35a、35bを用いて、ガラスクロスの表面又は
裏面の樹脂層を平滑化している。
【0141】一例を挙げると、図24において、図15に示
す装置で用いたガラスクロス及びマトリクス樹脂2を用
い、同様の塗工条件で第一の塗工工程、第一加熱工程を
行った後、第二の塗工工程では、第二のダイコータ5に
より、マトリクス樹脂2の総塗工量の10%を、バック
アップローラをガラスクロスの進行方向に対して逆回転
させ、樹脂粘度6000cps、樹脂量15g/m2の
塗工条件で、ガラスクロス裏面より均一な厚さに塗工し
た。第二の塗工工程と第二の加熱工程の間の樹脂流動が
可能な状態において、ガラスクロスに接触するように、
上下に1本ずつの平滑化ロール35a、35bを配した。ガラ
スクロスの進行速度8m/分のとき、これらの平滑化ロ
ール35a、35bは8m/分の周速で、ガラスクロスの進行
方向に対して逆回転させた。また、平滑化ロール35a、3
5bの中に60℃の熱媒を循環させている。ガラスクロス
は、この平滑化ロール35a、35bによって、表面及び裏面
の平滑性が大きく向上した。
【0142】図25は、この実施の形態におけるプリプレ
グの製造を行う第十一の装置の第一の塗工工程、第一の
加熱工程、第二の塗工工程及び第二の加熱工程を示す説
明図である。また図26は、図25の装置において、(a)
は第一の塗工工程後、(b)は第一の加熱工程後、
(c)は第二の塗工工程後の各段階でのガラスクロスの
模式断面図を示す。
【0143】図25、図26に示すように、第一の塗工工程
にて、少なくともガラスクロスの内部に含浸されるに足
りる量のマトリクス樹脂2をガラスクロスの下面より塗
工し、第二の塗工工程にて、ガラスクロスの上面からマ
トリクス樹脂2を塗工している。最初にガラスクロスの
下面よりマトリクス樹脂2を塗工するので、このマトリ
クス樹脂2が重力の影響でガラスクロスの上面に過剰に
到達することを防止でき、ガラスクロス表裏両面の樹脂
層の厚みを均一にできる。
【0144】一例を挙げると、図25において、図15に示
す装置で用いたガラスクロス及びマトリクス樹脂2を用
い、同様の塗工条件でガラスクロス裏面より第一の塗工
工程を行った。次に、第一の加熱工程において、裏面が
塗工されたガラスクロスを遠赤外線加熱炉の中を30秒
間走行させ、マトリクス樹脂2をガラスクロス内部から
表面にまで含浸させた。そして、第二の塗工工程では、
第二のダイコータ5により、マトリクス樹脂2の総塗工
量の10%を、樹脂粘度6000cps、樹脂量15g
/m2の塗工条件でガラスクロス表面に均一な厚さに塗
工した。
【0145】また、第二の加熱工程において、第二の加
熱ユニット6を幅方向に分割して独立にコントロールす
ると、得られたプリプレグの硬化度が高い部分ほど、そ
の近傍での分割された第二の加熱ユニット6の設定温度
を低くして硬化度を低くするので、幅方向に均一な硬化
度を有するプリプレグが得られる。
【0146】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、第一の塗工工
程で供給されたマトリクス樹脂は、第一の加熱工程で補
強基材全体の内部に含浸されるとともに、このとき非接
触の状態で表面が開放されているので、補強基材内部の
気泡が略完全に抜け出して、ボイドがほとんどない状態
となる。そして、第二の塗工工程でさらにマトリクス樹
脂が補強基材表面に補充されて層成され、この第二の加
熱工程を経て、気泡がさらに除かれるとともに、半硬化
状態とされたプリプレグを得ることができる。
【0147】つまり、この発明の方法によれば、マトリ
クス樹脂の含浸性が良好であって、ボイドが少なく、ま
た、均一に含浸されるので、表面の平滑性、樹脂含有量
の均一性に優れるプリプレグを得ることができる。
【0148】請求項2記載の発明では、主剤、硬化剤、
硬化促進剤のそれぞれが分離された状態なので、長期間
安定に貯蔵でき、ポットライフなどに気を使うことな
く、容易に製造できる。
【0149】請求項3記載の発明では、マトリクス樹脂
の粘度が適正なので、塗工がスムーズにかつ均一に行わ
れる。つまり、塗工時にマトリクス樹脂の粘度が低すぎ
ることによって、補強基材に浸透しすぎてバックアップ
ローラに付着することが防がれ、また、塗工時にマトリ
クス樹脂の粘度が高すぎることによって、補強基材上に
広がらずに、不均一な塗工がなされることがなくなって
いる。
【0150】さらに、スムーズなろ過が行われて、空気
中の粉塵またはゲル化物などの異物が取り除かれ、異物
の混入の少ないプリプレグを得ることができる。
【0151】請求項4記載の発明では、第二の塗工工程
で片面に塗工するのみの簡単な工程で、両面にマトリク
ス樹脂の層を有するプリプレグを得ることができる。
【0152】請求項5記載の発明では、第二の塗工工程
で同じ条件で両側から塗工できるので、両面に同じ厚み
のマトリクス樹脂層を有するプリプレグを得ることがで
きる。
【0153】請求項6記載の発明では、補助加熱によっ
て、加熱ユニットの入口または出口における温度低下を
防ぐことができ、所定温度に保たれるゾーンを長く取っ
て、マトリクス樹脂の含浸を十分に行うことができる。
また、含浸に寄与するゾーンが実質的に長くなるので、
ラインスピードを上げて、生産性を向上させることがで
きる。
【0154】請求項7記載の発明では、マトリクス樹脂
の粘度を低下させる過ぎることがないので、生産スピー
ドを落とすことなく、樹脂垂れなどの不具合の発生も防
止される。
【0155】請求項8記載の発明では、コンパクション
ローラによって、厚みが均一化され、表面が平滑化され
たプリプレグを得ることができる。
【0156】請求項9記載の発明では、補強基材のダイ
コータへの供給前に補強基材の厚み変位をとらえ、この
厚みに合わせてダイコータとバックアップローラとのク
リアランスを調整するので、特に、異なる補強基材の端
部を貼着して連続的に供給を行うときなどに効果を奏
し、厚みが増えた分ダイコータとバックアップローラと
のクリアランスを調整して広げることができる。したが
って、貼着部がダイコータとバックアップローラの間を
スムーズに通過でき、補強基材のひっかかりによる破れ
を防止し、スムーズで連続的な生産ができる。
【0157】請求項10記載の発明では、厚み、織り密
度又は目付量の差によって異なる補強基材の通気度に合
わせ、通気度が高いほどダイコータ及びバックアップロ
ーラの温度を低くしてマトリクス樹脂の粘度を高くする
ので、塗工されたマトリクス樹脂がバックアップローラ
に到達することを防止できる。したがって、バックアッ
プローラに付着したマトリクス樹脂によって補強基材が
バックアップローラに巻き付くことを防止し、スムーズ
で連続的な生産ができる。
【0158】請求項11記載の発明では、厚み、織り密
度又は目付量の差によって異なる補強基材の通気度に合
わせ、通気度が高いほど加熱ユニットの温度を低くして
マトリクス樹脂の粘度を高くするので、補強基材の裏面
へのマトリクス樹脂の到達量を一定にでき、表裏両面の
樹脂層の厚みが均一なプリプレグを得ることができる。
【0159】請求項12記載の発明では、補強基材の幅
方向の通気度差に合わせ、通気度が高い部分ほど、その
近傍の補強基材の幅方向に分割された加熱ユニットでの
設定温度を低くして、マトリクス樹脂の粘度を高くする
ので、幅方向に通気度ばらつきの大きい補強基材であっ
ても、裏面へのマトリクス樹脂の到達量を一定にでき、
表裏両面の樹脂層の厚みが均一なプリプレグを得ること
ができる。
【0160】請求項13記載の発明では、補強基材内部
へのマトリクス樹脂の含浸状態を検出し、ボイドがある
ときは第一の加熱工程における加熱ユニットの設定温度
を高くしてマトリクス樹脂の粘度を低くすることによ
り、ボイドを消滅させるので、補強基材内部まで十分に
マトリクス樹脂が含浸したプリプレグを得ることができ
る。
【0161】請求項14記載の発明では、補強基材の塗
工面と反対側へのマトリクス樹脂の到達量を検出し、こ
の到達量が多いほど第一の加熱ユニットの設定温度を低
くしてマトリクス樹脂の粘度を高くするので、この到達
量を一定にでき、表裏両面の樹脂層の厚みが均一なプリ
プレグを得ることができる。
【0162】請求項15記載の発明では、補強基材の進
行方向と、補強基材を支えるバックアップローラ14bの
回転方向とが逆であるため、補強基材とバックアップロ
ーラとの間にマトリクス樹脂が溜まらず、マトリクス樹
脂の補強基材への供給量を一定に保つことができる。し
たがって、樹脂層の厚みが均一なプリプレグを得ること
ができる。
【0163】請求項16記載の発明では、バックアップ
ローラの周速が補強基材の進行速度よりも大きいため、
スムーズにマトリクス樹脂を補強基材に塗工するこがで
き、平滑性の優れた樹脂層を有するプリプレグを得るこ
とができる。
【0164】請求項17記載の発明では、バックアップ
ローラの前後でバックアップローラの反対側より押えロ
ールで補強基材を押さえ、補強基材とバックアップロー
ラとの接触面積を一定に保って塗工できるため、平滑性
の優れた樹脂層を有するプリプレグを得ることができ
る。
【0165】請求項18記載の発明では、補強基材の進
行方向と逆方向に回転する平滑化ロールにより、平滑性
の優れた樹脂層を有するプリプレグを得ることができ
る。
【0166】請求項19記載の発明では、最初に補強基
材の下面よりマトリクス樹脂を塗工するので、このマト
リクス樹脂が重力の影響で補強基材の上面に過剰に到達
することを防止でき、表裏両面の樹脂層の厚みが均一な
プリプレグを得ることができる。
【0167】請求項20記載の発明では、得られたプリ
プレグの硬化度の幅方向のばらつきに合わせ、硬化度が
高い部分ほど、その近傍での分割された第二の加熱ユニ
ットの設定温度を低くして硬化度を低くするので、幅方
向に均一な硬化度を有するプリプレグが得られる。
【0168】請求項21記載の発明では、請求項1記載
の発明と同様の効果が奏され、ボイドが少なく、表面の
平滑性、樹脂含有量の均一性に優れるプリプレグを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるプリプレグの製造
を行う第一の装置の構成を概略示す説明図である。
【図2】同上の製造方法における各工程の補強基材及び
マトリクス樹脂の状態を模式的に断面視して示す説明図
である。
【図3】本発明の実施の形態におけるプリプレグの製造
を行う第二の装置の構成を概略示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるプリプレグの製造
を行う第三の装置の構成を概略示す説明図である。
【図5】同上の製造方法における各工程の、補強基材及
びマトリクス樹脂の状態を模式的に断面視して示す説明
図である。
【図6】第一の加熱ユニットに補助加熱を行った場合の
炉内の温度分布を、補助加熱を行わない場合に比較して
示すグラフ図である。
【図7】第一の加熱ユニットの遠赤外線ヒータに代わる
ヒータの概略構成を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるプリプレグの製造
を行う第四の装置の構成を概略示す説明図である。
【図9】同上装置におけるコンパクションローラの配置
が異なる構成を示す説明図である。
【図10】同上装置におけるコンパクションローラの配
置がさらに異なる構成を示す説明図である。
【図11】同上装置におけるコンパクションローラの配
置がさらに異なる構成を示す説明図である。
【図12】本発明の実施の形態におけるプリプレグの製
造を行う第一の装置の巻き出しユニットの異なる構成を
示す説明図である。
【図13】同上装置における第一の塗工工程の異なる構
成を示す説明図である。
【図14】同上装置における可視光レーザ変位計の測定
結果を示す説明図である。
【図15】この実施の形態におけるプリプレグの製造を
行う第五の装置の第一の加熱工程を示す説明図である。
【図16】この実施の形態におけるプリプレグの製造を
行う第六の装置の第一の加熱工程及び第二の塗工工程を
示す説明図である。
【図17】第一の加熱工程後のガラスクロスの表面のC
CDカメラによる拡大撮像図である。
【図18】この実施の形態におけるプリプレグの製造を
行う第七の装置の第一の加熱工程及び第二の塗工工程を
示す説明図である。
【図19】ガラスクロスの表面変位を測定した結果を示
す説明図であり、(a)はガラスクロスの模式断面図、
(b)はガラスクロスの表面及び裏面の変位量を示すグ
ラフである。
【図20】図19に対する比較例であって、ガラスクロス
の表面変位を測定した結果を示す説明図であり、(a)
はガラスクロスの模式断面図、(b)はガラスクロスの
表面及び裏面の変位量を示すグラフである。
【図21】この実施の形態におけるプリプレグの製造を
行う第八の装置の第二の塗工工程を示す説明図である。
【図22】図21に示す装置において、バックアップロー
ラ近傍の拡大図であり、(a)は比較例でバックアップ
ローラが正回転、(b)は実施例で、バックアップロー
ラが逆回転である。
【図23】この実施の形態におけるプリプレグの製造を
行う第九の装置の第二の塗工工程を示す説明図である。
【図24】この実施の形態におけるプリプレグの製造を
行う第十の装置の第二の塗工工程と第二の加熱工程を示
す説明図である。
【図25】この実施の形態におけるプリプレグの製造を
行う第十一の装置の第一の塗工工程、第一の加熱工程、
第二の塗工工程及び第二の加熱工程を示す説明図であ
る。
【図26】図25の装置において、(a)は第一の塗工工
程後、(b)は第一の加熱工程後、(c)は第二の塗工
工程後の各段階でのガラスクロスの模式断面図である。
【図27】従来例のプリプレグの製造装置の構成を概略
示す説明図である。
【符号の説明】
1 補強基材 2 マトリクス樹脂 3 第一のダイコータ 4 第一加熱ユニット 5 第二のダイコータ 5a 第二のダイコータ吐出口 6 第二加熱ユニット 7a 貯槽 7b 貯槽 7c 貯槽 8 コンパクションローラ 9a 巻き出しローラ 9b 引き継ぎローラ 10 アキュムレータ 11a 計量装置 11b 計量装置 11c 計量装置 12 混合ユニット 13 巻き取りユニット 14a バックアップローラ 14b バックアップローラ 15 巻き出しユニット 21 複式ベルトプレス 22 繰り出しユニット 23 押出機 24 変位計 24a 変位センサ 24b アンプ 25 貼着部 26 両面テープ 30a ヒートゾーン 30b ヒートゾーン 30c ヒートゾーン 31 ボイド 32 CCDカメラ 33 モニタ 34a 押えロール 34b 押えロール 35a 平滑化ロール 35b 平滑化ロール 36 バックライト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−281645(JP,A) 特開 昭53−3458(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 11/16 B29B 15/08 - 15/14

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維からなるシート状の補強基材を連続
    的に供給し、この補強基材に溶融状態の熱硬化性樹脂を
    マトリクス樹脂として供給し、加熱するプリプレグの製
    造方法であって、以下の(a)〜(d)の各工程を順に
    行うことを特徴とするプリプレグの製造方法。 (a)少なくとも補強基材内部の全体に含浸されるに足
    りる量のマトリクス樹脂を第一のダイコータにて補強基
    材に塗工する第一の塗工工程。 (b)非接触型の第一の加熱ユニットにて、上記補強基
    材を加熱して、塗工されたマトリクス樹脂を補強基材内
    の全体に含浸させる第一の加熱工程。 (c)上記補強基材にさらにマトリクス樹脂を第二のダ
    イコータにて塗工する第二の塗工工程。 (d)非接触型の第二の加熱ユニットにて上記補強基材
    を加熱して、マトリクス樹脂を半硬化させる第二の加熱
    工程。
  2. 【請求項2】 マトリクス樹脂として、主剤となるエポ
    キシ樹脂組成物(A)と、少なくとも硬化剤を含む樹脂
    組成物(B)と、硬化促進剤(C)とを、各々流動状態
    に保って、各々を均一に混合したのち、第一または/及
    び第二のダイコータに供給することを特徴とする請求項
    1記載のプリプレグの製造方法。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂組成物(A)と、樹脂組成
    物(B)と、硬化促進剤(C)とを、各々の貯槽の送出
    口からダイコータに供給される間において、各々個別
    に、または混合後に、それぞれの樹脂の粘度500〜5
    00000センチポイズでろ過することを特徴とする請
    求項2記載のプリプレグの製造方法。
  4. 【請求項4】 第一の塗工工程にて、補強基材の内部
    全体に含浸されるとともに、塗工側の表面のみを覆う量
    のマトリクス樹脂を塗工し、第二の塗工工程にて、第一
    の塗工工程にて塗工した表面と反対側の表面に塗工する
    ことを特徴とする請求項1記載のプリプレグの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 第一の塗工工程にて、少なくとも補強基
    材の内部に含浸されるに足りる量のマトリクス樹脂を塗
    工し、第二の塗工工程にて、補強基材の両面からマトリ
    クス樹脂を塗工することを特徴とする請求項1記載のプ
    リプレグの製造方法。
  6. 【請求項6】 第一の加熱工程における加熱ユニットの
    入口もしくは出口、または入口及び出口にて、補助加熱
    を行うことを特徴とする請求項1記載のプリプレグの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 第二の加熱工程における加熱ユニットの
    温度設定を、出口側ほど高くなるようにすることを特徴
    とする請求項1記載のプリプレグの製造方法。
  8. 【請求項8】 コンパクションローラによって補強基材
    を熱圧する工程を、第二の加熱工程の途中または後に行
    うことを特徴とする請求項1記載のプリプレグの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 第一の塗工工程において、補強基材のダ
    イコータへの供給前に補強基材の厚みを検知し、この厚
    みに合わせて前記ダイコータとバックアップローラとの
    クリアランスを調整することを特徴とする請求項1記載
    のプリプレグの製造方法。
  10. 【請求項10】 第一の塗工工程において、補強基材の
    厚み、織り密度又は目付量による通気度に合わせてダイ
    コータ及びバックアップローラの温度を調整することを
    特徴とする請求項1記載のプリプレグの製造方法。
  11. 【請求項11】 第一の加熱工程において、補強基材の
    厚み、織り密度又は目付量による通気度に合わせて加熱
    ユニットの設定温度を調整することを特徴とする請求項
    1記載のプリプレグの製造方法。
  12. 【請求項12】 第一の加熱工程において、加熱ユニッ
    トを補強基材の幅方向に分割し、この分割された加熱ユ
    ニットごとに設定温度を調整することを特徴とする請求
    項1記載のプリプレグの製造方法。
  13. 【請求項13】 第一の加熱工程と第二の塗工工程との
    間で、補強基材内部へのマトリクス樹脂の含浸状態を検
    出し、ボイドが消滅するように、第一の加熱工程におけ
    る加熱ユニットの設定温度を調整することを特徴とする
    請求項1記載のプリプレグの製造方法。
  14. 【請求項14】 第一の加熱工程と第二の塗工工程との
    間で、補強基材の塗工面と反対側へのマトリクス樹脂の
    到達状態を検出し、この到達状態が一定となるように、
    第一の加熱工程における加熱ユニットの設定温度を調整
    することを特徴とする請求項1記載のプリプレグの製造
    方法。
  15. 【請求項15】 第二の塗工工程において、補強基材の
    進行方向と逆方向に回転するバックアップローラにより
    補強基材を支えることを特徴とする請求項1記載のプリ
    プレグの製造方法。
  16. 【請求項16】 第二の塗工工程において、バックアッ
    プローラの周速を補強基材の進行速度よりも大きくする
    ことを特徴とする請求項15記載のプリプレグの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 第二の塗工工程において、バックアッ
    プローラの前後でバックアップローラの反対側より押え
    ロールで補強基材を押さえることを特徴とする請求項1
    記載のプリプレグの製造方法。
  18. 【請求項18】 第二の塗工工程と第二の加熱工程との
    間で、補強基材の進行方向と逆方向に回転する平滑化ロ
    ールを用いて、補強基材の表面又は裏面の樹脂層を平滑
    化することを特徴とする請求項1記載のプリプレグの製
    造方法。
  19. 【請求項19】 第一の塗工工程にて、マトリクス樹脂
    を補強基材の下面より塗工し、第二の塗工工程にて、補
    強基材の上面からマトリクス樹脂を塗工することを特徴
    とする請求項1記載のプリプレグの製造方法。
  20. 【請求項20】 第二の加熱工程において、加熱ユニッ
    トを補強基材の幅方向に分割し、この分割された加熱ユ
    ニットごとに設定温度を調整することを特徴とする請求
    項1記載のプリプレグの製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項1記載の発明を実施するための
    装置であって、補強基材の巻き出しユニットと、連続運
    転を可能とすべく補強基材の切り替え時に作用するアキ
    ュムレータユニットと、主剤(A)、硬化剤(B)及び
    硬化促進剤(C)を各々一定温度に流動状態で保管する
    貯槽と、これらの貯槽からの各組成物を計量する計量装
    置と、計量された主剤(A)、硬化剤(B)及び硬化促
    進剤(C)を混合してマトリクス樹脂を調整する混合ユ
    ニットと、調整されたマトリクス樹脂を塗工する第一の
    ダイコータと、マトリクス樹脂を補強基材内部の全体
    含浸させる非接触型の第一の加熱ユニットと、この第一
    の加熱ユニットを経た補強基材に、前記調整されたマト
    リクス樹脂をさらに塗工する第二のダイコータと、この
    第二のダイコータを経た補強基材に含浸されているマト
    リクス樹脂を半硬化状態に硬化させる第二の加熱ユニッ
    トと、マトリクス樹脂が含浸された補強基材を加圧して
    均一かつ平滑化する、温度を一定に保持するコンパクシ
    ョンローラと、プリプレグを巻き取るためのロールタイ
    プの巻き取りユニットまたは一定長さに横方向に切断す
    るカッターユニットとを有するプリプレグの製造装置。
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