JP3336865B2 - 熱可塑性組成物およびそれを用いた歩行者誘導用ブロック - Google Patents

熱可塑性組成物およびそれを用いた歩行者誘導用ブロック

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JP3336865B2
JP3336865B2 JP22459696A JP22459696A JP3336865B2 JP 3336865 B2 JP3336865 B2 JP 3336865B2 JP 22459696 A JP22459696 A JP 22459696A JP 22459696 A JP22459696 A JP 22459696A JP 3336865 B2 JP3336865 B2 JP 3336865B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のオレフィン
系重合体からなる熱可塑性組成物およびそれを用いた歩
行者誘導用ブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、歩行者誘導用ブロックには、
加硫エチレン−プロピレン−ジエンゴム(加硫EPD
M)が用いられている。しかし、硫黄等による加硫工程
が必要なため、製造工程が煩雑になり手間もかかるた
め、生産上改善が望まれていた。又、加硫のためにはポ
リマー鎖中に微量のジエン成分が必須であるが、このジ
エン成分のため、耐環境劣化性が不十分となり、品質上
も改善が望まれていた。
【0003】一方、ジエン成分を含まないエチレン−プ
ロピレンゴム(EPR)でも有機過酸化物等のラジカル
開始剤や、多官能不飽和化合物等により架橋させること
は可能である。しかし、上記の如き従来の歩行者誘導用
ブロックに用いられてきた加硫EPDM、および従来か
らのEPRは、チーグラー系のいわゆる「マルチサイト
触媒」を用いているため重合活性点が多く存在し、分子
量分布が大変広く、超低分子量成分も相当な割合が含ま
れているため、それ自身の柔軟性と機械的強度とのバラ
ンスに劣り、更に耐摩耗性に関しても低く好ましくな
い。
【0004】また、チーグラー系EPRあるいはEPD
Mについては、ペレットとなるポリマー構造が限られて
おり、それ以外の構造を有するEPRあるいはEPDM
は、ベール状となり、取り扱い上煩雑となり好ましくな
い。また、ペレット状であっても、超低分子量成分に起
因するブロッキングの問題があり、やはり好ましくな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の加硫EPDM製の歩行者誘導用ブロックの問題点であ
った製造プロセスおよび耐環境劣化性を改善し、かつ耐
摩耗性等の機械的特性に優れた熱可塑性組成物およびそ
れを用いた該ブロックを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の点を
鑑み鋭意検討を重ねた結果、以下に示す熱可塑性組成物
およびそれを用いた歩行者誘導用ブロックが前記課題を
全て解決するものであることを見出だし、本発明を完成
した。
【0007】すなわち、密度が0.858〜0.915
g/cm3 の範囲であり、かつゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)により算出される、重量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である
分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満である、エチレ
ンおよび少なくとも1種以上の炭素数が3〜12のα−
オレフィンからなるオレフィン系重合体25〜100重
量%を、ラジカル開始剤および/または多官能不飽和化
合物により架橋してなる熱可塑性組成物、
【0008】好ましくは、密度が0.858〜0.91
5g/cm3 の範囲であり、かつGPCにより算出され
る、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
の比である分子量分布(Mw/Mn)が3.0未満であ
る、エチレンおよび少なくとも1種以上の炭素数が3〜
12のα−オレフィンからなるオレフィン系重合体25
〜95重量%と、高密度ポリエチレン(低圧法)、低密
度ポリエチレン(高圧法)、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレンとエ
チレン等の他のαオレフィンとのアイソタクチック共重
合体(ブロック、ランダムを含む)、ポリブテン樹脂、
ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体等のエチレン−ビニルエステル共重合
体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のエチレ
ン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸共重合体およびその金属塩(エチレン系アイオノマー
樹脂)、水素添加されたビニル芳香族−共役ジエンブロ
ック共重合体から選ばれる少なくとも1種以上の熱可塑
性重合体75〜5重量%からなる組成物を、ラジカル開
始剤および/または多官能不飽和化合物により架橋した
熱可塑性組成物およびそれらを用いた歩行者誘導用ブロ
ックである。
【0009】以下、本発明に関して詳しく述べる。 〔オレフィン系重合体〕本発明の熱可塑性組成物を構成
する主たる成分であるオレフィン系重合体は、エチレン
および少なくとも1種以上の炭素数3〜12のα−オレ
フィンからなる共重合体であって、特定の密度および特
定の分子量分布を有していることを特徴としている。本
発明にて用いられるオレフィン系重合体は、例えば、公
知のメタロセン系触媒により製造されることができる。
【0010】本発明に用いられるオレフィン系重合体
は、チーグラー系触媒等を用いる従来のものと比較して
重合触媒が異なり、且つ得られる重合体の性質も従来の
ものと比較して大きく異なっている。
【0011】メタロセン系重合触媒を用いたオレフィン
系重合体の特徴を列挙すると、 1.重合触媒が超高活性であるため、コモノマーのα−
オレフィンの組成を従来より大幅に高めることが可能と
なり、可塑剤を含まない状態でも柔軟性に富むエラスト
マー状の重合体が得られる。 2.チーグラー系ポリマーと比較してコモノマー分布が
均一である。 3.チーグラー系ポリマーと比較して分子量分布が極め
てシャープであり、低分子量成分が極めて少なく、耐摩
耗性、機械的強度および加工性に優れ、高品質である。
【0012】4.分子量分布がシャープであるにもかか
わらず、長鎖分岐を導入した場合はASTM D123
8により規定される190℃/10kgfにおけるメル
トインデックス(I10)と、190℃/2.16kg
fにおけるメルトインデックス(I2)との比(I10
/I2)の値が大きく、加工特性に優れる。 5.耐候性に大変優れている。等である。
【0013】炭素数3〜12のα−オレフィンとして
は、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、
ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセ
ン−1、ドデセン−1等が挙げられる。α−オレフィン
としては、炭素数が4〜12であるα−オレフィンがよ
り好ましい。この場合、機械的強度のより一層の向上が
見込まれる。
【0014】メタロセン系触媒とは、チタン、ジルコニ
ウム等のIV族金属のシクロペンタジエニル誘導体と助触
媒からなり、重合触媒として超高活性であるだけでな
く、従来の触媒、例えばチーグラー系触媒と比較して、
得られる重合体の分子量分布が狭く、共重合体中のコモ
ノマーである炭素数3〜12のα−オレフィンの分布が
均一であり、触媒種が均一であることを特徴としてい
る。
【0015】また、チーグラー触媒によるエチレンとα
−オレフィンの共重合体であるオレフィン系重合体で
は、上記のメルトインデックス比(I10/I2)と分
子量分布は、ほぼ直線的な比例関係を示し、メルトイン
デックス比の増加と伴に分子量分布も増大する傾向を示
す。分子量分布は3〜10程度である。
【0016】一方、メタロセン系触媒によるオレフィン
系重合体では、メルトインデックス比の値の如何にかか
わらず、分子量分布は3.0未満のシャープな値とな
り、低分子量成分が極めて少ない。このため、本発明の
熱可塑性組成物を構成するオレフィン系重合体の機械的
強度、耐摩耗性、加工性は大変優れている。
【0017】これらのオレフィン系重合体の分子量分布
はGPCにより算出される。GPC装置および測定法は
特に限定はされないが、本発明者は下記の装置および測
定法を用いた。 1.装置 ウオーターズ製 150C GPC 2.カラム SHODEX AT−807S 1本 東ソー TSK−GEL GMH−H6 2本の計3本 3.溶媒 1,2,4−トリクロロベンゼン 4.測定温度 140℃ 5.標準物質 ポリスチレン
【0018】本発明にて用いられるオレフィン系重合体
は、密度が0.858〜0.915g/cm3 の範囲の
ものが好ましい。本特許請求範囲の密度を有するオレフ
ィン系重合体を用いることにより、柔軟性に優れ、更に
機械的強度等にも優れた熱可塑性組成物および歩行者誘
導用ブロックを提供することができる。
【0019】また、本発明にて用いられるオレフィン系
重合体のメルトインデックスは特に限定はされないが、
0.01〜100g/10分(190℃、2.16kg
荷重)の範囲のものが好ましく用いられ、更に好ましく
は0.05〜50g/10分である。
【0020】〔オレフィン系重合体を含有する組成物〕
本発明にて提供される熱可塑性組成物およびそれを用い
た歩行者誘導用ブロックは、上記のオレフィン系重合体
と下記の熱可塑性重合体を組み合わせて、目的を達成す
ることが可能である。
【0021】ここで、好ましく使用される熱可塑性重合
体を具体的に示すと、高密度ポリエチレン(低圧法)、
低密度ポリエチレン(高圧法)、直鎖状低密度ポリエチ
レン、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレンと
エチレン等の他のαオレフィンとのアイソタクチック共
重合体(ブロック、ランダムを含む)、ポリブテン樹
脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂、エチレン−
酢酸ビニル共重合体等のエチレン−ビニルエステル共重
合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のエチ
レン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−
ビニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸共重合体およびその金属塩(エチレン系アイオノマ
ー樹脂)、水素添加されたビニル芳香族−共役ジエンブ
ロック共重合体等が挙げられる。
【0022】本発明にて提供される熱可塑性組成物は、
先に説明した特定のオレフィン系重合体を25重量%以
上含有することを特徴としている。25重量%未満では
該オレフィン系重合体の特徴が生かしきれず、好ましく
ない。このオレフィン系重合体25〜95重量%に、上
記した熱可塑性重合体から選ばれる少なくとも一種以上
の熱可塑性重合体75〜5重量%を組み合わせることに
より、機械的強度と柔軟性、加工性のバランスが改善さ
れ、また更に用いる熱可塑性重合体により経済性も改善
されるため、好ましく用いることができる。
【0023】本発明にて提供される熱可塑性組成物は、
その組成物を有機過酸化物等のラジカル開始剤や、ある
いは多官能不飽和化合物を用いて架橋させることが必要
である。これにより、更に耐摩耗性や機械的強度、耐熱
性等を向上させることが可能となる。
【0024】ここで、好ましく使用される有機過酸化物
の具体的な例として、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,
1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、
2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−
ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン
等のパーオキシケタール類;ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパー
オキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−
m−イソプロピル)ベンゼン、α,α’−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジ
メチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイ
ド類;
【0025】アセチルパーオキサイド、イソブチリルパ
ーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,
5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイドおよびm−トリオイルパーオキサイド等の
ジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセ
テート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチ
ルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−
ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、およびク
ミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類;
【0026】ならびに、t−ブチルハイドロパーオキサ
イド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピル
ベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘ
キサン−2,5−ジハイドロパーオキサイドおよび1,
1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハ
イドロパーオキサイド類を挙げることができる。これら
の化合物の中では、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサンおよび2,5−ジメチル−2,5−ビス
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が好ましい。
【0027】更に、好ましく用いられる多官能不飽和化
合物の例として、ジビニルベンゼン、トリアリルイソシ
アヌレート、トリアリルシアヌレート、ダイアセトンジ
アクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジイソプ
ロペニルベンゼン、P−キノンジオキシム、P、P’−
ジベンゾイルキノンジオキシム、フェニルマレイミド、
アリルメタクリレート、N、N’−m−フェニレンビス
マレイミド、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシ
エタン、1、2−ポリブタジエン等を挙げることができ
る。これらの有機過酸化物もしくは多官能不飽和化合物
は、組成物100重量部に対し0.02〜10重量部、
好ましくは0.05〜5重量部の量で用いられる。
【0028】本発明にて提供される熱可塑性組成物およ
びそれを用いた歩行者誘導用ブロックの硬度はASTM
D2240にて規定される表面硬度Aタイプが90以
下である。90を越えると雨の日等の路面が濡れている
と滑りやすく、また、ハイヒールを履いている場合、転
倒しやすく、歩行者が負傷する恐れがあるため好ましく
ない。更に好ましい表面硬度は、60〜80である。
【0029】また、本発明の熱可塑性組成物には、その
特徴を損ねない程度に無機フィラーおよび可塑剤を含有
することが可能である。ここで用いる無機フィラーとし
ては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シ
リカ、カーボンブラック、ガラス繊維、酸化チタン、ク
レー等が挙げられる。また、可塑剤としては、例えば、
パラフィンオイル、ポリエチレングリコール、ジオクチ
ルフタレート(DOP)等のフタル酸エステル等が挙げ
られる。また、その他の添加剤、例えば、有機・無機顔
料、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等
も好適に使用される。
【0030】本発明の熱可塑性組成物を製造する方法と
しては、通常の樹脂組成物、エラストマー組成物の製造
に用いられる一般的な全ての方法を採用することが可能
である。主として機械的溶融混練であり、単軸押出機、
2軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロー
ル等が好ましく用いられる。中でも2軸押出機は、ラジ
カル開始剤および/または多官能不飽和化合物の存在下
で、オレフィン系重合体および熱可塑性重合体を均一か
つ微細に分散させ溶融混練し、さらに架橋反応を生じせ
しめて、本発明の熱可塑性組成物を連続的に製造するの
に、より適している。
【0031】ここで得られた組成物を更に製品金型内に
供給し、歩行者誘導用ブロックとして得ることができ
る。製造法は任意の成形方法で良く、射出成形、圧縮成
形等が好ましく用いられる。
【0032】〔歩行者誘導用ブロック〕一般に歩行者誘
導用ブロックは、例えば、一般道路の両側に沿った歩道
や、横断歩道の停止線、駅のプラットホームの待機線等
で利用され、アスファルト舗装道路等に埋め込んだり、
貼り付けたりして使用される。本ブロックは、特に目の
不自由な方に対し、安全に、かつ安心して歩行できるよ
うに設置されるものであるが、夜間や停電時の健常者の
避難や誘導のためにも設置されるため、例えば黄色等の
明色であることが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。なお、これら実施例および比
較例において、各種の評価方法に用いた試験法は以下の
通りである。 (1)硬さは、2mm厚シートを4枚重ねて、ASTM
D2240に準じ、Aタイプにて23℃雰囲気下にて
評価した。 (2)引張強度[MPa] JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。 (3)伸び[%] JIS K6251に準じ、23℃にて評価した。
【0034】(4)耐摩耗性[cc/80回転] JIS K6264に準じ、23℃にてピコ摩耗試験機
を用いてその摩耗体積を評価した。 (5)耐環境劣化性試験 カーボンアーク式サンシャインウェザーメータ(スガ試
験機製)を用い、ASTM D1499に準じてブラッ
クパネル温度63℃、降雨時間18分/照射時間120
分とし、2mm厚圧縮成形シートを150時間連続で暴
露した後の引張強度保持率[%]で評価した。また、熱
可塑性組成物及び歩行者誘導用ブロックを作成するにあ
たり、本発明者は下記のものを用いた。
【0035】〔オレフィン系重合体(a)〕 オレフィン系重合体(a−1) ダウケミカルカンパニー製、ENGAGE EG820
0 コモノマー:オクテン−1 密度:0.870g/cm3 Mw/Mn=2.4 ASTM D1238 メルトインデックス 5 ASTM D2240 硬度(タイプA)75
【0036】オレフィン系重合体(a−2) ダウケミカルカンパニー製、ENGAGE EG815
0 コモノマー:オクテン−1 密度:0.868g/cm3 Mw/Mn=2.3 ASTM D1238 メルトインデックス 0.5 ASTM D2240 硬度(タイプA)75
【0037】オレフィン系重合体(a−3) ダウケミカルカンパニー製、AFFINITY PF1
140 コモノマー:オクテン−1 密度:0.895g/cm3 Mw/Mn=2.3 ASTM D1238 メルトインデックス 1.6 ASTM D2240 硬度(タイプA)93
【0038】〔その他〕 成分(b)アイソタクチックポリプロピレン樹脂 三菱化学製、三菱ポリプロ MA2 ASTM D1238 メルトインデックス 16 ASTM D790 曲げ弾性率:1,400MPa 成分(c)パラフィンオイル 出光興産製、ダイアナプロセスオイル PW−380
【0039】成分(d)炭酸カルシウム ゴム等の増量材として一般に用いられるもの 成分(e)水素添加ブロック共重合体(SEBS) スチレン含量:35wt% ASTM D1238 メルトインデックス 0.1 であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添
加物
【0040】成分(f)エチレン−プロピレンゴム チーグラー系マルチサイト触媒を用いて重合したもの C3含量:27wt% Mw/Mn=8 ASTM D1238 メルトインデックス 2
【0041】成分(g)エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム(EPDM) チーグラー系マルチサイト触媒を用いて重合したもの C3含量:27wt% ジエン含量:4mol% ASTM D1238 メルトインデックス 2
【0042】成分(h)ラジカル開始剤 2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン(日本油脂製、パーヘキサ25B) 成分(i)多官能不飽和化合物 トリメチロールプロパントリアクリレート
【0043】
【実施例】
実施例1〜5、比較例1〜7 上記の各オレフィン系重合体(a−1)〜(a−3)を
用いて、成分(b)〜(f)と表1に示す各配合にて2
軸押出機(L/D=30、樹脂温度235℃)により混
練し組成物を得た。更に有機過酸化物により架橋させる
ため、ミキシングロールを用いて樹脂温度160℃に
て、パーヘキサ25B(日本油脂製)を配合した。得ら
れた組成物から200℃にて圧縮成形により2mm厚の
シートを作製し、各機械的特性および耐環境劣化性を評
価した。更に、得られた組成物より歩行者誘導用ブロッ
クを作製した。また比較のため、本発明で用いるオレフ
ィン系重合体が25重量部未満の組成物、未架橋組成
物、および加硫EPDMも併せて評価し、同様に歩行者
誘導用ブロックを作製した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】結果からも明らかな様に、本発明により提
供される熱可塑性組成物およびそれを用いた歩行者誘導
用ブロックは、優れた機械的特性および耐環境劣化性を
有していることは明らかである。比較例1〜4は、同様
の組成をもつ実施例1〜5に比べていずれも機械的強度
が劣り、比較例5も機械的強度が劣っている.比較例6
は硬さが硬すぎるので良くない。また、比較例7として
評価した加硫EPDMは、機械的強度はほぼ同等である
ものの、耐環境劣化性に劣ることは明らかである。
【0046】
【発明の効果】本発明の熱可塑性組成物およびそれを用
いた歩行者誘導用ブロックは、従来の加硫EPDM製該
ブロックと比較して耐環境劣化性および耐摩耗性等の機
械的強度にも優れており、その利用価値は極めて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歩行者誘導用ブロックの一例を示す平
面図(A)と側面図(B)である。
【符号の説明】
1 歩行者誘導用ブロック 2 突起物(歩行者が靴や杖で該ブロックを認識するた
めのもの)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−120127(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/08 C08L 23/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度が0.858〜0.915g/cm
    3 の範囲であり、かつゲルパーミエーションクロマトグ
    ラフィー(GPC)により算出される、重量平均分子量
    (Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分
    布(Mw/Mn)が3.0未満である、エチレンおよび
    少なくとも1種以上の炭素数が3〜12のα−オレフィ
    ンからなるオレフィン系重合体25〜100重量%を、
    ラジカル開始剤および/または多官能不飽和化合物によ
    り架橋してなる熱可塑性組成物。
  2. 【請求項2】 密度が0.858〜0.915g/cm
    3 の範囲であり、かつゲルパーミエーションクロマトグ
    ラフィー(GPC)により算出される、重量平均分子量
    (Mw)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分
    布(Mw/Mn)が3.0未満である、エチレンおよび
    少なくとも1種以上の炭素数が3〜12のα−オレフィ
    ンからなるオレフィン系重合体25〜95重量%と、高
    密度ポリエチレン(低圧法)、低密度ポリエチレン(高
    圧法)、直鎖状低密度ポリエチレン、アイソタクチック
    ポリプロピレン、プロピレンとエチレン等の他のαオレ
    フィンとのアイソタクチック共重合体(ブロック、ラン
    ダムを含む)、ポリブテン樹脂、ポリ(4−メチルペン
    テン−1)樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエ
    チレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−エチルア
    クリレート共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸エ
    ステル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合
    体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびその
    金属塩(エチレン系アイオノマー樹脂)、水素添加され
    たビニル芳香族−共役ジエンブロック共重合体から選ば
    れる少なくとも1種以上の熱可塑性重合体75〜5重量
    %からなる組成物を、ラジカル開始剤および/または多
    官能不飽和化合物により架橋した熱可塑性組成物。
  3. 【請求項3】 オレフィン系重合体がエチレンおよび少
    なくとも1種以上の炭素数が4〜12のα−オレフィン
    からなることを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑
    性組成物。
  4. 【請求項4】 オレフィン系重合体がメタロセン系触媒
    を用いて製造したものであることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載の熱可塑性組成物。
  5. 【請求項5】 ASTM D2240に規定される表面
    硬度Aタイプが90以下であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の熱可塑性組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑
    性組成物よりなる歩行者誘導用ブロック。
  7. 【請求項7】 ASTM D2240に規定される表面
    硬度Aタイプが90以下であることを特徴とする請求項
    6記載の歩行者誘導用ブロック。
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