JP3335754B2 - 定電圧発生回路 - Google Patents

定電圧発生回路

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JP3335754B2
JP3335754B2 JP04576194A JP4576194A JP3335754B2 JP 3335754 B2 JP3335754 B2 JP 3335754B2 JP 04576194 A JP04576194 A JP 04576194A JP 4576194 A JP4576194 A JP 4576194A JP 3335754 B2 JP3335754 B2 JP 3335754B2
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康 早川
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    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05FSYSTEMS FOR REGULATING ELECTRIC OR MAGNETIC VARIABLES
    • G05F3/00Non-retroactive systems for regulating electric variables by using an uncontrolled element, or an uncontrolled combination of elements, such element or such combination having self-regulating properties
    • G05F3/02Regulating voltage or current
    • G05F3/08Regulating voltage or current wherein the variable is dc
    • G05F3/10Regulating voltage or current wherein the variable is dc using uncontrolled devices with non-linear characteristics
    • G05F3/16Regulating voltage or current wherein the variable is dc using uncontrolled devices with non-linear characteristics being semiconductor devices
    • G05F3/20Regulating voltage or current wherein the variable is dc using uncontrolled devices with non-linear characteristics being semiconductor devices using diode- transistor combinations
    • G05F3/22Regulating voltage or current wherein the variable is dc using uncontrolled devices with non-linear characteristics being semiconductor devices using diode- transistor combinations wherein the transistors are of the bipolar type only
    • G05F3/222Regulating voltage or current wherein the variable is dc using uncontrolled devices with non-linear characteristics being semiconductor devices using diode- transistor combinations wherein the transistors are of the bipolar type only with compensation for device parameters, e.g. Early effect, gain, manufacturing process, or external variations, e.g. temperature, loading, supply voltage

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は定電圧発生回路の安定化
技術に関するものであり、特に第1及び第2の電位を供
給されて出力電圧を出力する際に、第2の電位の変動に
対する依存性を低減する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の定電圧発生回路の一例で
あるバイアス回路100の構成を示す回路図である。同
図においてトランジスタT1 ,T2 はNPN型BJT
(Bipolar Junction Transis
tor)である。トランジスタT1 のコレクタは抵抗R
2 (以下、抵抗R2 の有する抵抗値をもR2 と表記す
る。他も同様)を介して第1の電源線Vccに接続される
(第1の電源線Vccが第1の電位として供給する電位を
もVccと表記する)。また、トランジスタT1 のエミッ
タは抵抗R1 を介して第2の電源線VEEに接続されてい
る(第2の電源線VEEが第1の電位として供給する電位
をもVEEと表記する)。例えば第1の電位Vccは0V
に、第2の電位VEEはECLレベルの負の電位に、それ
ぞれ設定されている。
【0003】一方、トランジスタT2 のコレクタは直接
に第1の電源線Vccに接続され、そのエミッタは抵抗R
3 を介して第2の電源線VEEに接続されている。そして
トランジスタT2 のベースはトランジスタT1 のコレク
タに接続され、トランジスタT1 のベースは出力端子と
共にトランジスタT2 のエミッタに接続されている。
【0004】出力端子には出力電位V0 が与えられ、出
力電位V0 と第2の電位VEEとの電位差が出力電圧VCS
として外部へと取り出される。
【0005】この様に構成されたバイアス回路100の
動作について説明する。トランジスタT1 のコレクタと
抵抗R2 、トランジスタT2 のベースとの接続点を点A
とし、トランジスタT1 のエミッタと抵抗R1 との接続
点を点Bとする。そして、点,Bにおける電位を電位V
B とすると、数1が成立する。
【0006】
【数1】
【0007】ここで、トランジスタT1 ,T2 のベース
電流を無視し、トランジスタT1 ,T2 のそれぞれのベ
ース−エミッタ間電圧をそれぞれV1 ,V2 とすると、
数1は、
【0008】
【数2】
【0009】と変形される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ここで、出力電圧VCS
=V0 −VEEが常に一定であることが望ましい。バイア
ス回路100がECL回路に接続される場合を例にとっ
て以下にその理由を述べる。
【0011】図11はバイアス回路100に接続される
ECL回路Q9 の構成、及びこれとバイアス回路100
との接続関係を示す回路図である。ECL回路Q9 とし
て、ここではインバータを例示している。ECL回路Q
9 は、そのベースに入力信号が与えられるトランジスタ
11と、固定電位VBBがそのベースに与えられるトラン
ジスタT12と、これらのトランジスタT11,T12のエミ
ッタに共通して接続され、ここから第2の電源線VEE
と電流を引き出す電流源Q10とを備えている。トランジ
スタT11,T12のコレクタはそれぞれ抵抗を介して第1
の電源線VCCに接続されている。
【0012】電流源Q10はそのコレクタがトランジスタ
11,T12のエミッタに共通して接続され、そのベース
にバイアス回路100の出力電位V0 が与えられるトラ
ンジスタT10と、トランジスタT10のエミッタと第2の
電源線VEEとを接続する抵抗R10とを備えている。
【0013】今、出力電圧VCSが変動すると電流源Q10
の流す電流も変動して一定ではなくなる。その結果、E
CL回路Q9 の誤動作が招来されることになる。したが
って、バイアス回路100に接続されるECL回路Q9
の動作を安定にするためには、出力電圧VCS=V0 −V
EEが常に一定であることが望ましい。
【0014】一方、出力電圧VCSの変動は、第1及び第
2の電位Vcc,VEEの変動によって生じる。今、第1の
電位Vccは0Vに固定されて変動する事がなく、値が負
である第2の電位VEEが変動する場合について考える。
【0015】出力電圧VCSの第2の電位VEEに対する依
存性は、数2から以下のように求められる。
【0016】
【数3】
【0017】ここで第1の電位Vccは0Vに固定されて
変動する事がないので、更に
【0018】
【数4】
【0019】が得られることになる。ここで右辺第1項
はトランジスタT1 ,T2 のそれぞれのベース−エミッ
タ間電圧V1 ,V2 の第2の電位VEEに対する依存性を
示す項であり、近似的には第2項と比較して無視する事
ができる。
【0020】一方、出力電圧VCSの温度依存性を小さく
するためにR2 /R1 は通常1程度に決められるので、
たとえ右辺第1項を無視することができたとしても、
【0021】
【数5】
【0022】となる。
【0023】従来のバイアス回路100は以上のように
構成されているので、第1の電位と比較して低電位であ
る第2の電位VEEが変動したときに、出力電圧VCSも第
2の電位VEEの変動にに比例して変動する。このため、
上述のようにバイアス回路100に接続されたECL回
路Q9 の誤動作を惹起するという問題点があった。
【0024】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、比較的低電位である第2の電位に
対する、出力電圧の依存性を抑制し、安定な定電圧発生
回路を得ることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】この発明のうち請求項1
にかかる定電圧発生回路は、(a)互いに異なる第1及
び第2の電位をそれぞれ与える第1及び第2の電位点
と、(b)(b−1)出力端子と、(b−2)前記出力
端子に接続された第1端と、前記第2の電位点に接続さ
れた第2端とを含む出力抵抗と、(b−3)前記第1の
電位点に接続された第1の電流電極と、前記出力端子に
接続された第2の電流電極と、制御電極とを含む出力ト
ランジスタとを有する出力回路と、(c)(c−1)前
記第2の電位に対し、所定範囲の変動を有する一定のク
ランプ電圧を加えたクランプ電位を与えるクランプ出力
端子と、(c−2)前記クランプ電圧の前記変動を伝達
する変動出力端子とを有するクランプ回路と、(d)
(d−1)前記出力端子に接続された第1の帰還入力端
子と、(d−2)前記クランプ出力端子に接続された第
2の帰還入力端子と、(d−3)第3の帰還入力端子
と、(d−4)前記第1ないし第3の帰還入力端子の変
動に従って負帰還された電位を前記出力トランジスタの
前記制御電極に与える帰還出力端子と、を有する帰還回
路と、(e)(e−1)前記変動出力端子に接続された
変動入力端子を有し、(e−2)前記変動入力端子と前
記第2の電位との電位差の増減に従って増減する帰還電
流を前記第3の帰還入力端子に流す電流発生回路とを備
える。
【0026】この発明のうち請求項2にかかるものは、
請求項1記載の定電圧発生回路であって、前記帰還回路
は(d−5)前記第1の電位点と前記第2の帰還入力端
子との間に接続された第1の抵抗と、(d−6)前記第
2の帰還入力端子と前記帰還出力端子との間に接続され
た第2の抵抗と、(d−7)前記帰還出力端子及び前記
第3の帰還入力端子に接続された第1の電流電極と、前
記第1の帰還入力端子に接続された制御電極と、第2の
電流電極とを含む帰還トランジスタと、(d−8)前記
帰還トランジスタの前記第2の電流電極と前記第2の電
位点との間に接続された第3の抵抗とを更に有する。
【0027】この発明のうち請求項3にかかるものは、
請求項2記載の定電圧発生回路であって、前記帰還回路
において前記帰還出力端子と前記第3の帰還入力端子と
が直接に接続される。
【0028】この発明のうち請求項4にかかるものは、
請求項1記載の定電圧発生回路であって、前記クランプ
回路は(c−3)前記第1の電位点に接続された第1の
電流電極と、前記クランプ出力端子に接続された制御電
極と、第2の電流電極とを含むクランプ電位発生トラン
ジスタと、(c−4)前記クランプ電位発生トランジス
タの前記第2電流電極に接続された第1の電流電極と、
前記第2の電位点に接続された第2の電流電極と、前記
変動出力端子に接続された制御電極とを含むクランプ電
位変動検出トランジスタとを更に有する。
【0029】この発明のうち請求項5にかかるものは、
請求項4記載の定電圧発生回路であって、前記クランプ
電位変動検出トランジスタにおいて、その前記制御電極
及び前記第1の電流電極が直接に接続される。
【0030】この発明のうち請求項6にかかるものは、
請求項5記載の定電圧発生回路であって、前記クランプ
回路は(c−5)前記クランプ電位発生トランジスタの
前記第2電流電極と前記クランプ電位変動検出トランジ
スタの前記第1の電流電極との間に直列に介在するダイ
オードを更に有する。
【0031】この発明のうち請求項7にかかるものは、
請求項5または6記載の定電圧発生回路であって、前記
クランプ回路は、(c−6)前記クランプ電位発生トラ
ンジスタの前記第2電流電極と前記クランプ電位変動検
出トランジスタの前記第1の電流電極との間に直列に介
在する第4の抵抗を更に有する。
【0032】この発明のうち請求項8にかかるものは、
請求項1記載の定電圧発生回路であて、前記電流発生回
路は(e−3)前記帰還電流が流れる第1の電流電極
と、前記変動入力端子に接続される制御電極と、前記第
2の電位点に接続される第2の電流電極とを含む電流発
生トランジスタを更に有する。
【0033】この発明のうち請求項9にかかるものは、
請求項8記載の定電圧発生回路であって、前記電流発生
回路は(e−4)前記電流発生トランジスタの前記第2
の電流電極と前記第2の電位点との間に直列に介在する
第5の抵抗を更に有する。
【0034】この発明のうち請求項10にかかるもの
は、定電圧発生回路であって、(a)互いに異なる第1
及び第2の電位をそれぞれ与える第1及び第2の電位点
と、(b)(b−1)出力端子と、(b−2)前記出力
端子に接続された第1端と、前記第2の電位点に接続さ
れた第2端とを含む出力抵抗と、(b−3)前記第1の
電位点に接続された第1の電流電極と、前記出力端子に
接続された第2の電流電極と、制御電極とを含む出力ト
ランジスタとを有する出力回路と、(c)(c−1)入
力端及び出力端と、(c−2)前記入力端に接続された
第1端と、前記第2の電位点に接続された第2端とを含
む第1の枝と、(c−2)前記出力端に接続された第1
端と、前記第2の電位点に接続された第2端とを含む第
2の枝とを有し、前記第1の枝に流れる電流に比例した
電流を前記第2の枝に流すカレントミラー回路と、
(d)前記カレントミラー回路の前記入力端に接続さ
れ、前記第2の電位に対して所定範囲の変動を有する一
定のクランプ電圧を加えたクランプ電位を与えるクラン
プ回路と、(e)(e−1)前記出力端子に接続された
第1の帰還入力端子と、(e−2)前記クランプ電位が
与えられる第2の帰還入力端子と、(e−3)前記カレ
ントミラー回路の前記出力端に接続された第3の帰還入
力端子と、(e−4)前記第1ないし第3の帰還入力端
子の変動に従って負帰還された電位を前記出力トランジ
スタの前記制御電極に与える帰還出力端子とを有する帰
還回路とを備える。
【0035】この発明のうち請求項11にかかるもの
は、請求項10記載の定電圧発生回路であって、前記ク
ランプ回路は(d−1)前記第1の電位点に接続された
第1の電極電流と、前記カレントミラー回路の前記入力
端に接続された第2の電流電極と、前記クランプ電位が
与えられる制御電極とを含むクランプ電位発生トランジ
スタを有する。
【0036】この発明のうち請求項12にかかるもの
は、請求項11記載の定電圧発生回路であって、前記ク
ランプ回路は(d−2)前記クランプ電位発生トランジ
スタの前記第2の電流電極と前記カレントミラー回路の
前記入力端との間に直列に介在するダイオードを更に有
する。
【0037】
【作用】この発明のうち請求項1にかかる定電圧発生回
路においては、出力端子に与えられる電位、クランプ電
位、及びクランプ電位の変動に対応する帰還電流が、帰
還回路へと帰還され、帰還回路が出力回路に対して負帰
還を与える。
【0038】この発明のうち請求項2にかかる定電圧発
生回路においては、第1の抵抗が第1の電位とクランプ
電位との電位差を支える。
【0039】この発明のうち請求項3にかかる定電圧発
生回路においては、帰還電流と第2の抵抗のみによって
生じる電圧降下が、出力トランジスタの制御電極の電位
を変動させる。
【0040】この発明のうち請求項4にかかる定電圧発
生回路においては、クランプ電位発生トランジスタの制
御電極と第2の電流電極との間でクランプ電圧の一部を
負担する。そしてクランプ電位変動検出トランジスタが
クランプ電圧の変動を検出し、これを変動出力端子に伝
達する。
【0041】この発明のうち請求項5にかかる定電圧発
生回路においては、クランプ電位変動検出トランジスタ
の制御電極と第2の電流電極との間でもクランプ電圧の
一部が負担される。
【0042】この発明のうち請求項6にかかる定電圧発
生回路においては、ダイオードもクランプ電圧の一部を
負担する。
【0043】この発明のうち請求項7にかかる定電圧発
生回路においては、第4の抵抗がクランプ電位変動検出
トランジスタの第1の電流電極に流れる電流を制御す
る。
【0044】この発明のうち請求項8にかかる定電圧発
生回路においては、電流発生トランジスタがクランプ電
圧の変動を帰還電流に変換する。
【0045】この発明のうち請求項9にかかる定電圧発
生回路においては、第5の抵抗が帰還電流のクランプ電
圧の変動に対する依存性を制御する。
【0046】この発明のうち請求項10にかかる定電圧
発生回路においては、クランプ回路がクランプ電圧の一
部を負担し、カレントミラー回路がクランプ回路に流れ
る電流に比例した帰還電流を帰還回路に与える。
【0047】この発明のうち請求項11にかかる定電圧
発生回路においては、カレントミラー回路の第1の枝も
クランプ電圧の一部を負担する。
【0048】この発明のうち請求項12にかかる定電圧
発生回路においては、ダイオードもクランプ電圧の一部
を負担する。
【0049】
【実施例】
A.実施例1: (A−1)構成:図1は本発明の実施例1であるバイア
ス回路101の構成を示す回路図である。
【0050】バイアス回路101は4つの回路、即ち出
力回路Q1 、帰還回路Q2 、クランプ回路Q3 、電流発
生回路Q4 から構成されている。
【0051】出力回路Q1 、帰還回路Q2 は、図11に
示されたバイアス回路100を構成する。即ち点Aにお
いてトランジスタT1 のコレクタとトランジスタT2
ベースと抵抗R2 の一端が接続されている。そして抵抗
2 の他端は第1の電源線VCCに接続されている。但し
抵抗R2 は点Cにおいて、互いに直列に接続される2つ
の抵抗R2a,R2bに分割されている。
【0052】トランジスタT2 のエミッタはトランジス
タT1 のベース及び抵抗R3 の一端に接続されている。
抵抗R3 の一端は出力端子にも接続され、出力電位V0
が与えられる。抵抗R3 の他端には第2の電源線VEE
接続される。
【0053】トランジスタT1 のエミッタは抵抗R1
一端と点Bにおいて接続され、抵抗R1 の他端には第2
の電源線VEEが接続される。
【0054】クランプ回路Q3 は、第2の電源線VEE
接続されたエミッタ、並びに互いに共通して接続された
コレクタ及びベースとを含むトランジスタT4 と、トラ
ンジスタT4 のコレクタに接続されたカソードを含むダ
イオードDと、第1の電源線VCCに接続されたコレクタ
と、点Cにおいて帰還回路Q2 に接続されたベースとダ
イオードDのアノードに接続されたエミッタとを含むト
ランジスタT6 とから構成されている。
【0055】ダイオードDは、図2に示されるように、
コレクタとベースを互いに直結したトランジスタT5
用いて構成する事ができる。この場合、ダイオードDの
カソード及びアノードは、それぞれをトランジスタT5
のエミッタ及びコレクタ(ベース)に対応する。
【0056】電流発生回路Q4 は、第2の電源線VEE
接続されたエミッタと、トランジスタT4 のベース及び
コレクタに共通して接続されたベースと、点Aにおいて
帰還回路Q2 に接続されたコレクタとを含むトランジス
タT3 から構成されている。
【0057】以上において、トランジスタT3 〜T
6 は、トランジスタT1 ,T2 と同様に、NPN型BJ
T(Bipolar Junction Transi
stor)である。
【0058】(A−2)動作の定性的説明:以上のよう
に構成されたバイアス回路101において、帰還回路Q
2 は3つの帰還入力を得て、出力回路Q1 に負帰還をか
ける。
【0059】第1の帰還入力には出力電位V0 が対応す
る。つまりトランジスタT1 のベースは第1の帰還入力
端子として機能する。この第1の帰還入力は従来のバイ
アス回路100においても存在していた帰還入力であ
る。第2の電位VEEからみた出力電位V0 の変動はトラ
ンジスタT1 のバイアスを変化させることになり、抵抗
1 ,R2 を流れる電流が変動する。その結果、点Aの
電位VA も変動してトランジスタT2 のベース電位のバ
イアスに負帰還がかかり、第2の電位VEEからみた出力
電位V0 の変動が抑制される。即ち点Aは、帰還回路Q
2 において帰還出力端子として機能する。
【0060】第2の帰還入力には点Cの電位VC が対応
する。つまり、点Cは第2の帰還入力端子として機能す
る。クランプ回路Q3 は第2の電位VEEが変動しても、
所定のクランプ電圧だけ高いクランプ電位を点Cに与え
る。なおクランプ電圧はトランジスタT4 ,T5 ,T6
のベース−エミッタ間電圧V4 ,V5 ,V6 の和であ
る。
【0061】従って、クランプ電圧の第2の電位VEE
対する依存性(換言すれば、ベース−エミッタ間電圧V
4 ,V5 ,V6 の第2の電位VEEに対する依存性)を無
視すると、第2の電位VEEの変動によらずに電位VC
第2の電位VEEとの電位差をほぼ一定の範囲に保つこと
ができる。この際、抵抗R2aはクランプ電位(電位
C )と第1の電位VCCとの電位差を支えているので、
第1の電位VCCが固定されていることにも拘らず、電位
C は第2の電位VEEの変動に対応して変動する事がで
きる。
【0062】一方、抵抗R2bは電位VC ,VA の電位差
を支えている。トランジスタT2 のベース電流を無視す
ると、この抵抗にはトランジスタT1 が流す電流I
1 と、クランプ電圧の第2の電位VEEに対する依存性を
反映して電流発生回路Q4 のトランジスタT3 が流す電
流I3 とが流れる。
【0063】従って、クランプ電圧の第2の電位VEE
対する依存性を無視すると、電流I1 がクランプ電圧で
定まる値を常に採ることとなる。よって、第2の電位V
EEの変動に対応してAの電位VA も変動し、トランジス
タT2 のベース電位のバイアスに負帰還がかかる。この
ような負帰還は、数4の右辺第2項をキャンセルする事
に対応する。
【0064】第3の帰還入力には電流I3 が対応する。
クランプ電圧の第2の電位VEEに対する依存性、即ちベ
ース−エミッタ間電圧V4 ,V5 ,V6 の第2の電位V
EEに対する依存性を無視できない場合には、クランプ回
路Q3 のみによってはクランプ電圧を正確に一定に保つ
ことができない。そこでトランジスタT4 のベース−エ
ミッタ間電圧V4 の変動を、電流発生回路Q4 のトラン
ジスタT3 に伝達し、これに対応した値を有する電流I
3 を抵抗R2bに与える。
【0065】従って、本実施例においては、点Aは第3
の帰還入力を受ける第3の帰還入力端子として機能する
と同時に、トランジスタT2 のベース電位に帰還出力を
与える帰還出力端子としても機能する。
【0066】例えば第2の電位VEEが低下すると(その
絶対値が大きくなると)、ベース−エミッタ間電圧
4 ,V5 ,V6 が増大する。つまりクランプ電圧が増
大したことになる。この場合には、トランジスタT3
ベース−エミッタ間電圧V3 も増大し、電流I3 が増大
する。従って、抵抗R2bにおける電圧降下は増大し、電
位VA は低下し、第2の電位VEEとの電位差が縮まる。
このためにクランプ電圧が増大しても、帰還出力端子た
る点Aは出力回路Q1 に帰還出力たる電位VA を適切に
与えることができる。第2の電位VEEが上昇した場合に
おいても電位VA を適切に与えることができる。このよ
うな負帰還は、数4の右辺第1項をキャンセルすること
に対応する。
【0067】以上のように、この発明では従来のバイア
ス回路100よりも帰還入力を2つ増やすことにより、
安定した出力電圧を与えることができる。そして、これ
らの新たに追加された2つの帰還入力は、クランプ回路
3 と電流発生回路Q4 によって得ることができる。
【0068】これらの帰還入力が得られることに鑑みれ
ば、クランプ回路Q3 において、トランジスタT4 はク
ランプ電圧の一部を負担すると共に、その変動を検出す
る機能を有している。そしてトランジスタT5 ,T6
クランプ電圧の一部を負担する機能を有している。
【0069】また、電流発生回路Q4 はクランプ電圧の
変動を入力してこれに応じた変化をする帰還電流を発生
する機能を有している。
【0070】(A−3)定量的説明:以下、数式を用い
てバイアス回路101の動作を定量的に説明する。
【0071】点A,Cにおける電位VA ,VC 、及び出
力電位V0 、並びに電流I1 はそれぞれ以下のように表
される。
【0072】
【数6】
【0073】
【数7】
【0074】
【数8】
【0075】
【数9】
【0076】但し、第1の電位VCCは0Vで変動しない
としている。数6を数8に代入して、
【0077】
【数10】
【0078】が得られる。数10に数7、数9を代入し
て、
【0079】
【数11】
【0080】が得られる。よって、出力電圧VCSは、
【0081】
【数12】
【0082】となるので、その第2の電位VEEに対する
依存性は、
【0083】
【数13】
【0084】として表すことができる。
【0085】数13の右辺の第1項及び第2項は、それ
ぞれ数4の右辺の第1項及び第2項に対応している。従
って、もし各トランジスタのベース−エミッタ間電圧の
第2の電位VEEに対する依存性を無視することができれ
ば、従来の場合と同様に数13の第1項は無視できる。
しかし、数13では電流I3 の第2の電位VEEに対する
依存性も無視できるので、結局
【0086】
【数14】
【0087】となる。従って、数4の右辺の第2項に相
当する部分も無視できて、出力電圧VCSは第2の電位V
EEが変動しても一定となる。
【0088】電流I3 の第2の電位VEEに対する依存性
が無視できる理由について説明する。一般にトランジス
タのベース−エミッタ間電圧VBEとそのコレクタ電流I
C (ベース電流を無視した場合にはエミッタ電流と等し
い)とは数15の関係がある。
【0089】
【数15】
【0090】ここで電圧VT は例えばシリコントランジ
スタでは26mV程度の値を採る定数である。よって数
15から、電流I3 の第2の電位VEEに対する依存性は
数16のようになる。
【0091】
【数16】
【0092】従って他のトランジスタと同様に、トラン
ジスタT3 のベース−エミッタ間電圧V3 の第2の電位
EEに対する依存性が非常に小さい場合には、電流I3
の第2の電位VEEに対する依存性が無視できる。
【0093】更に、従来のバイアス回路100とは異な
り、この実施例1にかかるバイアス回路101では、各
トランジスタTi のベース−エミッタ間電圧Vi の第2
の電位VEEに対する依存性(i=1〜6)が無視できな
い場合においてさえも、その動作の第2の電位VEEに対
する依存性を小さくする事ができる。
【0094】数13を変形すると、数16を用いて数1
7が得られる。
【0095】
【数17】
【0096】各トランジスタTi のベース−エミッタ間
電圧Vi の第2の電位VEEに対する依存性(i=1〜
6)はほぼ等しいため、R1 の値をR2bの値よりも充分
小さく、例えば1/10よりも小さく設定すると、数1
7は近似的に数18で表されることになる。
【0097】
【数18】
【0098】一方、図1から解るように、トランジスタ
1 ,T3 のコレクタは共通して接続されている。また
トランジスタT1 のエミッタには第2の電源線VEEが接
続されており、トランジスタT3 のエミッタには抵抗R
1 を介して第2の電源線VEEが接続されている。よって
抵抗R1 の値を小さく設定することにより、トランジス
タT1 ,T3 のサイズが等しくても、両トランジスタの
ベース−エミッタ間電圧Vi の第2の電位VEEに対する
依存性はほぼ等しくなる。
【0099】よって、帰還電流である電流I3
【0100】
【数19】
【0101】と設定することにより、数18の右辺をほ
ぼ零に設定することができる。かかる設定は抵抗R1
値を適切に設定するのみで実現できる。
【0102】以上のようにこの実施例1によれば、各ト
ランジスタTi のベース−エミッタ間電圧Vi の第2の
電位VEEに対する依存性が無視できる場合においても従
来の技術よりも安定した出力電圧を供給することができ
るばかりでなく、上記依存性が無視できない場合であっ
ても容易な設定で安定した出力電圧を供給することがで
きるという効果がある。
【0103】(A−4)別の観点からの説明:バイアス
回路101の構成は、別の観点から説明する事もでき
る。図3はバイアス回路101の構成を示す回路図であ
り、各素子の接続状態は図1と同一である。但し、各素
子をグループ分けするブロックが異なる。
【0104】出力回路Q1 及び帰還回路Q2 に関しては
図1と同一であるが、図1においてクランプ回路Q3
び電流発生回路Q4 が構成していた部分が、クランプ回
路Q5 及びカレントミラー回路Q6 に区分されている。
【0105】クランプ回路Q5 はトランジスタT
5 (D),T6 で構成され、クランプ電圧の一部を負担
している。またカレントミラー回路Q6 はトランジスタ
3 ,T4で構成されており、トランジスタT4 もクラ
ンプ電圧の一部を負担している。
【0106】今、第2の電位VEEが上昇(その絶対値が
低下)した場合には、トランジスタT4 のベース−エミ
ッタ間電圧V4 は小さくなる。するとトランジスタT4
のコレクタ電流は小さくなる。トランジスタT3 ,T4
はカレントミラー回路Q6 を構成しているので、トラン
ジスタT4 のコレクタ電流の減少に対応して、トランジ
スタT3 を流れる電流I3 も小さくなる。よって抵抗R
2bにおける電圧降下も小さくなって出力電位V0 は上昇
する。これが第2の電位VEEの上昇を補償することとな
って、出力電圧VCSは一定に保たれる。
【0107】逆に、第2の電位VEEが低下(その絶対値
が増大)した場合には、トランジスタT4 のベース−エ
ミッタ間電圧V4 は大きくなる。するとトランジスタT
4 のコレクタ電流は大きくなる。よってこれに対応して
トランジスタT3 を流れる電流I3 も大きくなる。そし
て抵抗R2bにおける電圧降下も大きくなって出力電位V
0 は低下する。これが第2の電位VEEの低下を補償する
こととなって、出力電圧VCSは一定に保たれる。
【0108】B.実施例2:図4は本発明の実施例2で
あるバイアス回路102の構成を示す回路図である。バ
イアス回路102は実施例1に記載されたバイアス回路
101の帰還回路Q2 を帰還回路Q21に置換した構成を
有している。
【0109】帰還回路Q21は、帰還回路Q2 の抵抗R2b
を2つの抵抗R2b1 ,R2b2 に分割した構成を有してい
る。そして、抵抗R2b1 の一端は点Cに接続され、他端
は点A1 において抵抗R2b2 の一端及びトランジスタT
2 のベースと接続されている。一方、抵抗R2b2 の他端
と、トランジスタT1 ,T3 のコレクタとは共通して点
2 において接続されている。
【0110】この様に構成された帰還回路Q21において
は、第3の帰還入力である帰還電流I3 は点A2 に与え
られる。即ち点A2 が第3の帰還入力端子として機能す
る。一方、点A1 はトランジスタT2 のベースに帰還出
力を与える帰還出力端子として機能する。
【0111】実施例2に即して考えれば、実施例1はR
2b2 =0の場合に相当しており、A1 ,A2 は点Aとし
て一致していたことになる。
【0112】本実施例のように、第3の帰還入力端子
と、帰還出力端子とを別々にし、抵抗R2b2 を設けるこ
とにより、設計の自由度が増し、実施例1の効果を有し
つつ、トランジスタT2 のベースに与える帰還出力を適
切に設定する事ができる。
【0113】なお、実施例2は実施例3と比較すると構
成が簡単になるという利点がある。
【0114】C.実施例3:図5は本発明の実施例3に
かかるバイアス回路103の構成を示す回路図である。
バイアス回路103は図3に示された実施例1にかかる
バイアス回路101のカレントミラー回路Q6 をカレン
トミラー回路Q61に置換した構成を有している。
【0115】カレントミラー回路Q61はカレントミラー
回路Q6 において、トランジスタT3 と第2の電源線V
EEとの間に抵抗R4 を追加して設けた構成を有してい
る。カレントミラー回路の動作に関してよく知られるよ
うに、この様な抵抗をエミッタに接続する事により、ト
ランジスタT4 に流れる電流とトランジスタT3 が流す
電流I3 との比率を変更する事ができる。従って、数1
9に示される関係を満足するように設計することが、よ
りいっそう容易となる。
【0116】勿論、図5に示すように、バイアス回路1
03は図1に示された実施例1にかかるバイアス回路1
01の電流発生回路Q4 を、電流発生回路Q41に置換し
た構成として見ることもできる。
【0117】D.実施例4:図6は本発明の実施例4に
かかるバイアス回路104の構成を示す回路図である。
バイアス回路104は図3に示された実施例1にかかる
バイアス回路101のカレントミラー回路Q6 をカレン
トミラー回路Q62に置換した構成を有している。
【0118】カレントミラー回路Q62はカレントミラー
回路Q6 において、トランジスタT4 のコレクタとクラ
ンプ回路Q5 との間に抵抗R5 を追加して設けた構成を
有している。この抵抗R5 の存在によりクランプ電圧が
上昇する他に、トランジスタT4 に流れる電流をバイア
ス回路101と比較して減少させることができる。よっ
てトランジスタT3 が流す電流I3 をバイアス回路10
1よりも減少させることができる。従って、数19に示
される関係を満足するように設計する際の自由度が広が
り、設計が容易となる。
【0119】勿論、図6に示すように、バイアス回路1
04は、図1に示された実施例1にかかるバイアス回路
101のクランプ回路Q3 を、クランプ回路Q31に置換
した構成として見ることもできる。
【0120】なお本実施例は実施例3と比較して最適化
が容易であるが、その反面抵抗値の変動による電流I3
の変動は小さい。従って、実施例3と実施例4とは、設
計時間に依拠したコストと、要求される性能との兼ね合
いで使い分けられるべきである。
【0121】E.実施例5:図7は本発明の実施例5に
かかるバイアス回路105の構成を示す回路図である。
バイアス回路105は図3に示された実施例1にかかる
バイアス回路101のカレントミラー回路Q6 をカレン
トミラー回路Q63に置換した構成を有している。
【0122】カレントミラー回路Q63は、図5に示され
た実施例3にかかるバイアス回路103のカレントミラ
ー回路Q61と同様に抵抗R4 を設け、更に図6に示され
た実施例4にかかるバイアス回路104のカレントミラ
ー回路Q62と同様に抵抗R5を設け、更にトランジスタ
3 のコレクタと帰還回路Q2 との間に抵抗R6 を追加
した構成を有している。
【0123】本実施例は抵抗R6 を追加することによ
り、実施例3,4と比較して電流I3を減少させること
ができる。つまり抵抗の数を増加させたので、一層設計
の自由度が高まるという効果がある。
【0124】勿論、図7に示すように、バイアス回路1
05は、図1に示された実施例1にかかるバイアス回路
101のクランプ回路Q3 を、クランプ回路Q31に置換
し、電流発生回路Q4 を電流発生回路Q42に置換した構
成として見ることもできる。
【0125】F.実施例6:図8は本発明の実施例6で
あるバイアス回路106の構成を示す回路図である。バ
イアス回路106は図1に示されたバイアス回路101
のクランプ回路Q3をクランプ回路Q30に置換した構成
を有している。
【0126】クランプ回路Q30は、クランプ回路Q3
ダイオードD(トランジスタT5 )を省略した構成を有
している。即ち、トランジスタT4 のコレクタとトラン
ジスタT6 のエミッタとは直結している。この様に構成
すると、実施例1に即して考えればベース−エミッタ間
電圧V5 が0であることに相当するが、数17から数1
8を導くことができることには変わりないので、実施例
1の効果を得ることができる。
【0127】図9はバイアス回路106をECL回路Q
9 に接続した構成を示す回路図であり、図12に対応す
る。この様に、ECL回路Q9 の備える電流源Q10が一
つのトランジスタT10のみを有している場合には、その
流す電流の温度依存性はトランジスタT10のベース−エ
ミッタ間電圧V10の温度依存性で定まる。
【0128】一方、バイアス回路106の出力する出力
電圧VCS(=V0 −VEE)の温度依存性は、トランジス
タT2 ,T4 ,T6 のベース−エミッタ間電圧V2 ,V
4 ,V6 の温度依存性に因って定まる。
【0129】ここでこれらのベース−エミッタ間電圧V
2 ,V4 ,V6 ,V10の温度依存性は互いにほぼ等しく
設定できる。そして第2の電源線VEEから始めてトラン
ジスタT4 ,T6 、抵抗R2b、トランジスタT2
10、抵抗R10をこの順に経由して第2の電源線VEE
戻る経路を考えると、ベース−エミッタ間電圧V4 ,V
6と、ベース−エミッタ間電圧V2 ,V10とは逆向きに
存在している。従って、これらの温度依存性を殆どキャ
ンセルさせる事ができる。
【0130】即ち、バイアス回路106とECL回路Q
9 とを総合して考えた場合に、電流源Q10の流す電流の
温度依存性を低減する事ができる。
【0131】なお、実施例1〜5は実施例6と比較する
とクランプ電圧をトランジスタ一つ分のベース−エミッ
タ電圧だけ増大することができるという利点がある。出
力電圧はクランプ電圧よりも大きくなることはないの
で、クランプを増大させることにより大きな出力電圧を
出力し得ることになる。
【0132】
【発明の効果】この発明のうち請求項1にかかる定電圧
発生回路は、出力端子に与えられる電位のみならず、ク
ランプ電位にも基づいて負帰還がかかるので、出力端子
に与えられる電位と第2の電位との電位差が安定する。
しかも、クランプ電圧の変動についても負帰還がかかる
ので、所定の範囲での変動が出力端子に与えられる電位
に与える影響を低減して、いっそう上記電位差を安定さ
せることができる。
【0133】この発明のうち請求項2にかかる定電圧発
生回路は、第1の抵抗が第1の電位とクランプ電位との
電位差を支えるので、第1の電位に依らず、第2の電位
の変動に応じてクランプ電位が変動する。
【0134】この発明のうち請求項3にかかる定電圧発
生回路は、第2の抵抗のみによって出力トランジスタの
制御電極の電位を変動させることができるので、構成が
簡単となる。
【0135】この発明のうち請求項4にかかる定電圧発
生回路は、クランプ電圧の変動に対応した帰還電流が電
流発生回路において得られる。
【0136】この発明のうち請求項5にかかる定電圧発
生回路は、クランプ電位発生トランジスタの制御電極と
第2の電流電極との間のみならず、クランプ電位変動検
出トランジスタの制御電極と第2の電流電極との間でも
クランプ電圧の一部が負担されるので、大きなクランプ
電圧を得ることができる。
【0137】特にクランプ回路がクランプ電位発生トラ
ンジスタとクランプ電位変動検出トランジスタの直列接
続のみで構成される場合には、出力回路の出力トランジ
スタの制御電極と第2の電流電極との間で支えられる電
圧が存在するため、出力端子に接続されるべき次段のト
ランジスタが1つだけ存在する場合に、次段のトランジ
スタに流れる電流の温度特性が改善される。
【0138】この発明のうち請求項6にかかる定電圧発
生回路は、クランプ電位発生トランジスタ及びクランプ
電位変動検出トランジスタの制御電極と第2の電流電極
との間のみならず、ダイオードもクランプ電圧の一部を
負担するので、大きなクランプ電圧を得ることができ
る。
【0139】この発明のうち請求項7にかかる定電圧発
生回路は、クランプ電位変動検出トランジスタの第1の
電流電極に流れる電流を制御して、第2の電位の変動量
に対する変動出力端子の電位の変動を制御することがで
きる。
【0140】この発明のうち請求項8にかかる定電圧発
生回路は、クランプ電圧の変動に対応して帰還電流を制
御するので、第2の抵抗における電圧降下を制御して、
クランプ電圧に対する帰還出力端子の電位変動の依存性
を小さくする。
【0141】この発明のうち請求項9にかかる定電圧発
生回路は、帰還電流のクランプ電圧の変動に対する依存
性を制御するので、第2の抵抗における電圧降下をより
効果的に制御することができる。
【0142】この発明のうち請求項10にかかる定電圧
発生回路は、クランプ電圧の変動が帰還電流に反映され
るので、帰還回路の帰還出力端子の電位がクランプ電圧
の変動から受ける影響を低減することができる。
【0143】この発明のうち請求項11にかかる定電圧
発生回路は、クランプ電位発生トランジスタの制御電極
と第2の電流電極との間のみならず、カレントミラー回
路の第1の枝もクランプ電圧の一部を負担するので、大
きなクランプ電圧を得ることができる。
【0144】この発明のうち請求項12にかかる定電圧
発生回路は、ダイオードもクランプ電圧の一部を負担す
るので、大きなクランプ電圧を得ることができる。
【0145】以上のように、本発明によれば帰還回路に
対して、第2の電位にほぼ一定電圧のクランプ電圧を加
えたクランプ電位を与えるので、第2の電位の変動によ
らずに出力電位を一定にできるばかりでなく、帰還電流
がクランプ電圧の変動をも補償するので、出力電圧の第
2の電位に対する依存性をなくすることができ、安定な
出力電圧を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の構成を示す回路図である。
【図2】ダイオードDをトランジスタT5 を用いて構成
することを示す回路図である。
【図3】本発明の実施例1の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の実施例2の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の実施例3の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の実施例4の構成を示す回路図である。
【図7】本発明の実施例5の構成を示す回路図である。
【図8】本発明の実施例6の構成を示す回路図である。
【図9】本発明の実施例6の動作を説明する回路図であ
る。
【図10】従来の技術を示す回路図である。
【図11】従来の技術を示す回路図である。
【符号の説明】
D ダイオード I3 トランジスタT3 のコレクタ電流(帰還電流) Q1 出力回路 Q2 帰還回路 Q3 クランプ回路 Q4 電流発生回路 Q5 クランプ回路 Q6 カレントミラー回路 R1 抵抗(抵抗) R2a 抵抗(第1の抵抗) R2b 抵抗(第2の抵抗) R3 抵抗(出力抵抗) R4 抵抗(第5の抵抗) R5 抵抗(第4の抵抗) T1 トランジスタ(出力トランジスタ) T2 トランジスタ(帰還トランジスタ) T3 トランジスタ(電流発生トランジスタ、カレント
ミラー回路の第2の枝) T4 トランジスタ(クランプ電位変動検出トランジス
タ、カレントミラー回路の第1の枝) T5 トランジスタ(ダイオード) T6 トランジスタ(クランプ電位発生トランジスタ) V0 出力電位 VCC 第1の電源線(第1の電位点、第1の電位) VEE 第2の電源線(第2の電位点、第2の電位)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−135512(JP,A) 特開 平5−324104(JP,A) 特開 平3−252806(JP,A) 特開 平3−201015(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05F 3/22 H03F 3/343

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)互いに異なる第1及び第2の電位
    をそれぞれ与える第1及び第2の電位点と、 (b)(b−1)出力端子と、 (b−2)前記出力端子に接続された第1端と、前記第
    2の電位点に接続された第2端とを含む出力抵抗と、 (b−3)前記第1の電位点に接続された第1の電流電
    極と、前記出力端子に接続された第2の電流電極と、制
    御電極とを含む出力トランジスタとを有する出力回路
    と、 (c)(c−1)前記第2の電位に対し、所定範囲の変
    動を有する一定のクランプ電圧を加えたクランプ電位を
    与えるクランプ出力端子と、 (c−2)前記クランプ電圧の前記変動を伝達する変動
    出力端子とを有するクランプ回路と、 (d)(d−1)前記出力端子に接続された第1の帰還
    入力端子と、 (d−2)前記クランプ出力端子に接続された第2の帰
    還入力端子と、 (d−3)第3の帰還入力端子と、 (d−4)前記第1ないし第3の帰還入力端子の変動に
    従って負帰還された電位を前記出力トランジスタの前記
    制御電極に与える帰還出力端子と、 を有する帰還回路と、 (e)(e−1)前記変動出力端子に接続された変動入
    力端子を有し、 (e−2)前記変動入力端子と前記第2の電位との電位
    差の増減に従って増減する帰還電流を前記第3の帰還入
    力端子に流す電流発生回路とを備えた定電圧発生回路。
  2. 【請求項2】 前記帰還回路は、(d−5)前記第1の
    電位点と前記第2の帰還入力端子との間に接続された第
    1の抵抗と、(d−6)前記第2の帰還入力端子と前記
    帰還出力端子との間に接続された第2の抵抗と、(d−
    7)前記帰還出力端子及び前記第3の帰還入力端子に接
    続された第1の電流電極と、前記第1の帰還入力端子に
    接続された制御電極と、第2の電流電極とを含む帰還ト
    ランジスタと、(d−8)前記帰還トランジスタの前記
    第2の電流電極と前記第2の電位点との間に接続された
    第3の抵抗と、を更に有する、請求項1記載の定電圧発
    生回路。
  3. 【請求項3】 前記帰還回路において、前記帰還出力端
    子と前記第3の帰還入力端子とが直接に接続される請求
    項2記載の定電圧発生回路。
  4. 【請求項4】 前記クランプ回路は、(c−3)前記第
    1の電位点に接続された第1の電流電極と、前記クラン
    プ出力端子に接続された制御電極と、第2の電流電極と
    を含むクランプ電位発生トランジスタと、(c−4)前
    記クランプ電位発生トランジスタの前記第2電流電極に
    接続された第1の電流電極と、前記第2の電位点に接続
    された第2の電流電極と、前記変動出力端子に接続され
    た制御電極とを含むクランプ電位変動検出トランジスタ
    とを更に有する、請求項1記載の定電圧発生回路。
  5. 【請求項5】 前記クランプ電位変動検出トランジスタ
    において、その前記制御電極及び前記第1の電流電極が
    直接に接続される、請求項4記載の定電圧発生回路。
  6. 【請求項6】 前記クランプ回路は、(c−5)前記ク
    ランプ電位発生トランジスタの前記第2電流電極と前記
    クランプ電位変動検出トランジスタの前記第1の電流電
    極との間に直列に介在するダイオードを更に有する、請
    求項5記載の定電圧発生回路。
  7. 【請求項7】 前記クランプ回路は、(c−6)前記ク
    ランプ電位発生トランジスタの前記第2電流電極と前記
    クランプ電位変動検出トランジスタの前記第1の電流電
    極との間に直列に介在する第4の抵抗を更に有する、請
    求項5または6記載の定電圧発生回路。
  8. 【請求項8】 前記電流発生回路は、(e−3)前記帰
    還電流が流れる第1の電流電極と、前記変動入力端子に
    接続される制御電極と、前記第2の電位点に接続される
    第2の電流電極とを含む電流発生トランジスタを更に有
    する、請求項1記載の定電圧発生回路。
  9. 【請求項9】 前記電流発生回路は、(e−4)前記電
    流発生トランジスタの前記第2の電流電極と前記第2の
    電位点との間に直列に介在する第5の抵抗を更に有す
    る、請求項8記載の定電圧発生回路。
  10. 【請求項10】 (a)互いに異なる第1及び第2の電
    位をそれぞれ与える第1及び第2の電位点と、 (b)(b−1)出力端子と、(b−2)前記出力端子
    に接続された第1端と、前記第2の電位点に接続された
    第2端とを含む出力抵抗と、(b−3)前記第1の電位
    点に接続された第1の電流電極と、前記出力端子に接続
    された第2の電流電極と、制御電極とを含む出力トラン
    ジスタとを有する出力回路と、 (c)(c−1)入力端及び出力端と、(c−2)前記
    入力端に接続された第1端と、前記第2の電位点に接続
    された第2端とを含む第1の枝と、(c−2)前記出力
    端に接続された第1端と、前記第2の電位点に接続され
    た第2端とを含む第2の枝とを有し、前記第1の枝に流
    れる電流に比例した電流を前記第2の枝に流すカレント
    ミラー回路と、 (d)前記カレントミラー回路の前記入力端に接続さ
    れ、前記第2の電位に対して所定範囲の変動を有する一
    定のクランプ電圧を加えたクランプ電位を与えるクラン
    プ回路と、 (e)(e−1)前記出力端子に接続された第1の帰還
    入力端子と、(e−2)前記クランプ電位が与えられる
    第2の帰還入力端子と、(e−3)前記カレントミラー
    回路の前記出力端に接続された第3の帰還入力端子と、
    (e−4)前記第1ないし第3の帰還入力端子の変動に
    従って負帰還された電位を前記出力トランジスタの前記
    制御電極に与える帰還出力端子とを有する帰還回路とを
    備えた定電圧発生回路。
  11. 【請求項11】 前記クランプ回路は、(d−1)前記
    第1の電位点に接続された第1の電極電流と、前記カレ
    ントミラー回路の前記入力端に接続された第2の電流電
    極と、前記クランプ電位が与えられる制御電極とを含む
    クランプ電位発生トランジスタを有する、請求項10記
    載の定電圧発生回路。
  12. 【請求項12】 前記クランプ回路は、(d−2)前記
    クランプ電位発生トランジスタの前記第2の電流電極と
    前記カレントミラー回路の前記入力端との間に直列に介
    在するダイオードを更に有する、請求項11記載の定電
    圧発生回路。
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