JP3335752B2 - 管状部材の焼入れ冷却方法および装置 - Google Patents

管状部材の焼入れ冷却方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は管状部材すなわち中空円
筒体や中空の異形の管の焼入れ冷却方法および装置にか
かわり、特に薄肉で焼入れ変形防止ための拘束が従来
困難であったものに好適な方法および装置を提供するも
のである。
【0002】
【従来の技術】肉厚が3mmといった薄肉の中空円筒体
などの管状部材を焼入れ冷却する場合、極めて曲がりが
発生しやすい上、直径が変化するという問題もある。焼
入れ歪を防止する手段としては材料に拘束を加えつつ冷
却する方法が知られいるが、薄肉であるがゆえに拘束
力を加えようとしても押さえた部分が凹んでしまった
り、材料の径方法の拘束力のため長さ方向に材料寸法が
延びてしまうなどの問題があった。
【0003】本発明が対象としている薄肉管状部材を焼
入れるための従来の技術として特開昭57−19222
1号公報のものがある。この方法は管状部材を加熱およ
び冷却の両工程を通じてその両端面を回転可能かつ軸方
向に膨張収縮可能に支持し、管状部材に長さ方向に飛び
飛びに接した回転円盤群を直交する2方向より被焼入れ
材に当てることにより曲がりを防止すると共に冷却速度
の調整により寸法変化を防止するものである。しかしこ
の方法は回転円盤が管状部材の長さ方向に対して飛び飛
びに接触するため押しつけ力を十分に制御しないと管状
部材の直径が部分的にくびれるおそれがある。
【0004】また特開昭54−67504号公報には丸
棒材をこれに沿った長さの3本のロールの間に挟んで回
転させつつ冷却する方法が示されている。しかしこの方
法を薄肉の管に適用すると曲がりを生じないための通常
のロールの押さえ力では管の径が減少し長さが伸びると
いう現象が生ずる。
【0005】また棒材の側面にラックギアが形成されて
いるような異形の棒材においては上記のような回転させ
つつ冷却する方法は不可能であるから焼入れ歪を防止す
る方法として従来からプレスクエンチが行なわれてい
る。この方法は所定の焼入れ温度に加熱された被焼入れ
材の全体または一部分を所定の形状の凹部を有する金型
に入れて加圧しつつ冷却液の槽に入れるなどの方法で冷
却するものである。近年自動車等の軽量化のため前記ラ
ックギアを形成した棒材なども中空にして管状部材とす
ることがあるが、このような場合上記のプレスクエンチ
では加圧力により管がつぶれてしまうおそれがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は管状部材にお
いて冷却時の歪発生を防止するため拘束焼入れする場合
に、管のつぶれや直径の変化などが生じないようにする
ことを課題とする。全体が平行部である管材のみなら
ず、側面の一部分が平面になったりしている異形の管状
部材も被焼入れ材として適用可能な方法および装置であ
る必要がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、管状部材を焼入れ冷却する方法にお
いて、被焼入れ材の冷却過程の温度低下に伴なう弾性限
応力の増大に対応して冷却開始から終了まで拘束力を増
大させつつ加えることにより、焼入れ変形を防止するこ
とを特徴とする管状部材の焼入れ冷却方法である。また
ここにおいて、被焼入れ材の各温度における弾性限応力
の20%を越えない範囲内の拘束力を加えることも特徴
とする。
【0008】また前記管状部材の冷却方法において、冷
却過程における被焼入れ材の温度低下と時間との関係を
あらかじめ求めておき、拘束力の弾性限応力に対する比
率を一定の範囲内に維持するように冷却の経過時間に依
存して前記拘束力を変えること、または冷却過程におけ
る被焼入れ材の温度を実測し、拘束力の弾性限応力に対
する比率を一定範囲内に維持するように前記冷却過程に
おける被焼入れ材の温度に依存して前記拘束力を変える
ことを特徴とする方法である。
【0009】また管状部材である被焼入れ材を焼入れ冷
却する装置において、被焼入れ材の円周位置の3箇所以
上において長さ方向に連続的または部分的に接触しつつ
回転する複数の加圧ロールと、冷却材を被焼入れ材に供
給する冷却手段とを有し、前記複数の加圧ロールのうち
少なくとも1には被焼入れ材に対する加圧手段が設け
られ、焼入れ冷却中において加圧力設定入力を変化させ
ることにより前記加圧手段の加圧力を調節する加圧力制
御手段が設けられていることを特徴とする管状部材の焼
入れ冷却装置である。
【0010】またさらに、管状部材である被焼入れ材を
焼入れ冷却する装置において、複数に分割される一式の
金型を有し、前記金型の内面は複数の凸部と金型の外部
あるいは隣接する凹部と連通した凹部とにより構成さ
れ、前記一式の金型を構成する少なくとも1つの型の前
記凹部の1箇所以上には冷却材噴出口が設けられ、前記
一式の金型は加圧手段に取り付けられ、焼入れ冷却中に
おいて加圧力設定入力を変化させることにより前記加圧
手段の加圧力を調節する加圧力制御手段が設けられてい
ることを特徴とする管状部材の焼入れ冷却装置である。
【0011】また上記各管状部材の焼入れ冷却装置にお
いて、焼入れ冷却開始からの経過時間に依存して変化す
る加圧力設定値を与える加圧力設定入力信号発生装置が
さらに設けられていること、被焼入れ材の焼入れ冷却中
の温度を測定する温度計と前記温度計の測定値に依存し
て変化する加圧力設定値を与える加圧力設定入力信号発
生装置とがさらに設けられていることも特徴とする。
【0012】
【作用】本発明においては焼入れ冷却時における拘束力
を、被焼入れ材の温度変化による弾性限応力の変化に対
応して変化させる。これにより従来のプレスクエンチな
どで用いられていたのよりはるかに小さい拘束力で材料
の焼入れ変形を防止することができ、管状部材において
も拘束力によるつぶれを生ずることがない。材料の弾性
限応力は温度により著しく変化する。図2はその例を示
すが、温度上昇と共に低下し、800℃位になると著し
く低くなる。一方焼入れの冷却過程では再び弾性限応力
は大きくなるが、焼入れ硬化により加熱時の同じ温度に
おける値より大きくなっている。そこで本発明において
は被焼入れ材の冷却過程の温度低下に伴なう弾性限応力
の増大に対応して冷却開始から終了まで拘束力を増大さ
せつつ加え、拘束力を常に弾性限応力内に維持しつつ冷
却を行なう。これにより材料のつぶれを防止しつつ冷却
による材料強度の増加に見合った有効な拘束力を与える
ことができ、焼入れ変形を防止できる。これがため負荷
係数=負荷応力/弾性限応力という数値を導入し、この
値を温度にかかわらず一定に維持しつつ焼入れを行なう
ものである。
【0013】図1は薄肉鋼管の焼入れ冷却時においてロ
ールにより拘束したときの負荷係数と曲がりおよび外径
変化率の関係を示すグラフである。曲がりは拘束を加え
ない負荷係数がゼロのときは大きいが拘束力を加えると
低下し、さらに拘束力を加え負荷係数が大になるにした
がって徐々に増加する。一方外径変化率は負荷係数が小
さいときはあまり変わらないが負荷係数がある値を越え
ると急激に増加する。これは材料が加圧ロールの間で押
されて細くなるためである。このため図1でみるように
被焼入れ材の各温度における弾性限応力の20%を越え
ない範囲の拘束力に止めるのがよい。
【0014】上記の負荷係数(=負荷応力/弾性限応
力)を求める方法であるが、管状体を上下から圧縮して
残留変形が生じ始める力を実測して求めることができ
る。また資料などにある弾性限応力の値から計算で求め
ることもできる。これは管を圧縮したときの最大応力が
弾性限界になる印加力を求めればよい。
【0015】すなわち図4は(a)が管の断面図で、
(b)はその長さ方向の一部分の断面図であるが、管の
円周の任意の部分における(b)で示した断面に軸力
N、曲げモーメントMが加わっているとする。このとき
図4(b)における管の単位長さ当りの断面積A、断面
の中心線までの管の半径Rとすると、断面の中心線から
の距離y(管の外側へ+、内側へ−とする)における応
力σは曲り梁の一般式である数1で与えられる。
【0016】
【数1】
【0017】ただしκは曲り梁の断面係数であり、厚さ
2hの長方形断面においては数2で与えられる。
【0018】
【数2】
【0019】ここで図4(a)に示すように管の単位長
さ当りPの力で上下に圧縮力を加えるとすると、最大応
力が現われる断面は明らかに力Pが加わった場所の断面
になる。ここでは軸力Nはゼロであり、曲げモーメント
Mはたわみにおいて円筒の対称性からこのPを加えた部
分、およびこれと90度離れた部分では断面の中心線に
対する傾きが不変であるという条件により、M=PR/
{π(1+κ)}と求められる。これを数1に代入して
圧縮力Pが加わっている断面での応力σ0 は数3で与え
られる。
【0020】
【数3】
【0021】ただしPは圧縮力として負にとる。断面の
中で最大応力が現われるのはyの正負の最大値(±
h)、すなわち管の内外面であるが、この場合yが負す
なわち管の内面の引張応力が、yが正すなわち管の外面
の圧縮応力より大になる。しかしその程度は管の径2R
に比して肉厚2hが小さければさ程は違わない。
【0022】図3は負荷係数を一定とした場合における
温度と上記した拘束力との関係を示すグラフである。焼
入れの冷却時間の例も温度とあわせ示してある。このよ
うに負荷係数を一定にするためには焼入れの冷却開始か
ら弾性限応力に比例するように拘束力を順次増加するこ
とになる。実際の焼入れ作業において拘束力を変化させ
るためには冷却途中の温度の変化を把握する必要があ
る。これには前記の図3で示したように被焼入れ材の温
度低下と時間との関係をあらかじめ求めておき、これに
よって負荷係数を一定範囲内に維持するように冷却の経
過時間に依存して拘束力を変化させればよい。このあら
かじめ温度低下と時間の関係を調べる方法としてはたと
えば熱電対を被焼入れ材に直接取りつけて焼入れを行な
えばよい。
【0023】本発明の管状部材の焼入れ冷却方法は同一
の形状の部材を大量に処理するのが目的であるから多く
の場合上記のようにあらかじめ温度の時間推移を測定し
ておくことで十分である。しかし個々の材料の温度を放
射温度計などで実測しながら、そのときの温度に依存し
て拘束力を変えるようにすればより確実である。この方
法ではたとえば焼入れ加熱温度や冷却条件を材質上の理
由などで変更した場合でもすぐに対処できる点で好まし
い。
【0024】本発明の焼入れ冷却方法を実施するための
装置としては単純な管の場合には、この被焼入れ材の円
周位置の3箇所以上で接触しつつ回転する複数の加圧ロ
ールを設け、これにより回転させつつ拘束力を加えると
よい。この状態で冷却水噴射ノズルなどの冷却手段によ
り冷却を行なう。図5はこのような焼入れ冷却装置の例
を示す正面図である。1は被焼入れ材で、図示しない加
熱装置で焼入れ温度に加熱された後この装置に送り込ま
れる。2、3、4、5は加圧ロールであり、被熱処理材
の長さ以上の長さを有する単純な円筒状であるか、また
は部分的に接触するような長さ方向に断続した外周面を
有するものでもよい。部分的に接触する外周面を有する
ものは被焼入れ材に吹き付けた冷却水の流通は良くなる
が、被焼入れ材との接触面積が減少した分だけ加圧力は
低減する必要がある。これら加圧ロールのうち符号5の
ものはモータ8により回転駆動され、他のものは自由回
転できるようになっている。
【0025】一方、加圧ロール2、3は油圧シリンダ6
により進退できるようになっている。そして焼入れによ
る温度低下に伴なう弾性限応力の増大に対応して加圧力
を増大させつつ被焼入れ材に押し付ける。加圧力は油圧
シリンダに供給する作動油の圧力を調節することにより
調節できる。したがって焼入れ開始から経過時間に応じ
て加圧力設定値を与える加圧力設定入力信号発生装置9
により油圧の圧力調整弁10を作動させればよい。また
図示しない放射温度計などで被焼入れ材の焼入れ冷却中
の温度を実測し、これにもとづき加圧力設定値を与える
加圧力設定入力信号発生装置を設けてもよい。なお図中
7は水の噴射ノズルである。
【0026】図5に示した冷却装置はこの形のものに限
定されるものでなく、加圧ロールは図5では4本あるが
被焼入れ材の円周位置の3箇所以上において接触するも
のであればよい。また加圧ロールが進退するのは図5で
は2本一緒に行なわれるようになっているが、少なくと
も1本の加圧ロールが進退できるようになっていればよ
い。また加圧のための進退機構は油圧シリンダの他に空
圧シリンダも使用でき、また停止状態で必要な力を発生
することのできるモータを使用した電動シリンダも使用
できる。
【0027】また加圧手段において加圧力設定入力によ
り油圧シリンダ等を動作させる方法は加圧機構の一部分
にロードセルを取りつけて実測した加圧力にもとづいて
もできる。すなわちこれと設定値との差によるフィード
バック制御により油圧力や電動シリンダのモータ電圧を
調節するようにすればより高精度の制御ができる。また
冷却手段は図5のような噴射ノズルに限らず装置の下部
を冷却水槽に入れるなどの手段もとれる。
【0028】また単純な円筒でない異形部材については
図5に示した被焼入れ材を回転させる装置は使用できな
いので図6に示す装置を使用する。図6では被焼入れ材
1は円筒の側面にラックが設けられているものであり、
図中14は紙面に垂直に並んだラックの歯の1つを示し
ている。この装置は上型11と下型12とを有し、後に
図7で示すように油圧プレスなどの加圧手段に取り付け
られている。金型の内側は通常被焼入れ材の形状にほぼ
一致した先端位置をもつ凸部13を有する。凸部は図6
において紙面と垂直方向に連続したものであるか、また
は断続的に配置されている。また金型の内側にはこれら
凸部の間に凹部15を有し、ここに冷却液噴出口16が
配置されている。したがって凹部は焼入れ液の流通が円
滑に行なわれるよう金型の外部と連通して焼入れ液を排
出するか、隣接する凹部へ連通し、これらを経由して冷
却液を排出するようになっている。冷却液噴出口は少な
くとも1つの型の1箇所にあればよいが、これの配置に
より冷却速度を適宜変えられる。図中17は冷却液供給
室であり、図示しない配管に接続されている。
【0029】図6の装置において被焼入れ材を加圧する
ときの加圧力の制御の方法は先に図5について述べたの
と同様で、加圧手段が油圧プレスであれば油圧シリンダ
を図5の装置と同様に制御すればよい。なお被焼入れ材
に加圧力を与えるには上下の型が完全に閉じて型当り面
18が接触してしまう状態にならないようにすることは
当然である。材料は熱膨張の影響で焼入れ温度から常温
までの間に1%程度収縮するからこれを考慮に入れて型
の寸法を定めなければならない。図6においては一式の
金型が上型と下型とに2分割されている例を示したが、
たとえば3分割など分割数を増やし多方向から加圧でき
るようにすることは加圧力の加わる方向が均等化できる
ために好ましい。
【0030】本発明の管状部材の焼入れ冷却装置は誘導
加熱装置などの加熱装置と組合せて配置される。図7は
本発明の装置のうち図6に示した装置を誘導加熱装置と
組み合わせた例である。図中23は誘導加熱装置であっ
て、20は油圧プレスであり図6で示した上型11、下
型12が取り付けられている。21は上型11を上下す
るための油圧シリンダで22はこれにより駆動されるピ
ストンロッドであり、それぞれ4本ずつある(2本は図
において重なった位置にある)。
【0031】被焼入れ材1はローラによる送り装置2
4、25で送られて加熱、焼入れの位置に移動される。
また被熱処理材の一端または両端に長さを継ぎ足す形で
継ぎ棒を接続しておけば加熱、焼入れにおける材料の移
動はさらに容易になり円滑な作業ができる。図中27、
28は継ぎ棒であり、29、30はこれの継ぎ目であ
る。なおさらに図5に示した装置を図7の配置につけ加
えたり、図5の装置と誘導加熱装置との組合せなども可
能なことは当然である。
【0032】
【実施例】直径25mm、肉厚3mm、長さ1000m
mの材質S35C相当の管状部材を950℃に加熱し図
5に示した焼入れ冷却装置によって加圧方法を変えて焼
入れを行ない、曲がりと外径変化率を求めた。なお曲が
りの測定は両端をナイフエッジで支えて回転しつつ中間
位置での振れ幅をダイヤルゲージで測定したもので、管
が扁平になった分も曲がりとして測定される。表1はこ
のときの冷却時の拘束方法と曲がりおよび外径変化率を
示したものである。
【0033】
【表1】
【0034】この実施例においてはあらかじめ求めてお
いた冷却時間経過による温度変化により、温度低下に伴
う弾性限応力の増加に比例して加圧力を増大した。加圧
力と弾性限応力との比率である負荷係数0.1位が曲が
り、外径変化率とも小さく好ましいことがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明の管状部材の焼入れ冷却方法によ
れば被焼入れ材の変形防止のため拘束を与えるに当って
材料が高温で弾性限応力が小さいときには拘束力を小さ
く、低温になり弾性限応力が大になるに従って拘束力を
大にするので、管のつぶれや外径が細くなるなどの問題
がなく効果的に変形防止を達成できる。また本発明の装
置により単純な管や管の側面にラックが設けられている
ような異形部材、またこれらの形状が複合した管状部材
の焼入れに対処できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄肉管の焼入れ冷却時における拘束の負荷係数
と曲がりおよび外径変化率の関係を示すグラフ
【図2】鋼材の加熱、焼入れ時の温度変化による弾性限
応力の変化を示すグラフ
【図3】負荷係数を一定としたときの温度と拘束力との
関係を示すグラフ
【図4】弾性限応力と拘束力との関係の計算を説明する
(a)管の断面図と、(b)その長さ方向の一部分の断
面図
【図5】本発明の装置の例を示す図
【図6】本発明の装置の例を示す図
【図7】本発明の装置と加熱装置とを組み合わせた配置
の例を示す図
【符号の説明】
1 被焼入れ材 2、3、4、5 加圧ロール 6 油圧シリンダ 7 噴射ノズル 8 モータ 9 加圧力設定入力装置 10 圧力調節弁 11 上型 12 下型 13 凸部 14 ラックの歯 15 凹部 16 冷却液噴出口 17 冷却液供給室 18 型当り面 20 油圧プレス 21 油圧シリンダ 22 ピストンロッド 23 誘導加熱装置 24、25 送り装置 27、28 継ぎ棒 29、30 継ぎ目
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 淳一 神奈川県平塚市田村5893 高周波熱錬株 式会社 湘南事業所内 (56)参考文献 特開 昭54−67504(JP,A) 特公 平6−53896(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/00 - 9/44 C21D 9/50 C21D 1/02 - 1/84

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状部材を焼入れ冷却する方法におい
    て、被焼入れ材の冷却過程の温度低下に伴なう弾性限応
    力の増大に対応して冷却開始から終了まで拘束力を増大
    させつつ加えることにより、焼入れ変形を防止すること
    を特徴とする管状部材の焼入れ冷却方法。
  2. 【請求項2】 被焼入れ材の各温度における弾性限応力
    の20%を越えない範囲内の拘束力を加えることを特徴
    とする請求項1記載の管状部材の焼入れ冷却方法。
  3. 【請求項3】 冷却過程における被焼入れ材の温度低下
    と時間との関係をあらかじめ求めておき、拘束力の弾性
    限応力に対する比率を一定の範囲内に維持するように冷
    却の経過時間に依存して前記拘束力を変えることを特徴
    とする請求項1または2記載の管状部材の焼入れ冷却方
    法。
  4. 【請求項4】 冷却過程における被焼入れ材の温度を実
    測し、拘束力の弾性限応力に対する比率を一定範囲内に
    維持するように前記冷却過程における被焼入れ材の温度
    に依存して前記拘束力を変えることを特徴とする請求項
    1または2記載の管状部材の焼入れ冷却方法。
  5. 【請求項5】 管状部材である被焼入れ材を焼入れ冷却
    する装置において、被焼入れ材の円周位置の3箇所以上
    において長さ方向に連続的または部分的に接触しつつ回
    転する複数の加圧ロールと、冷却材を被焼入れ材に供給
    する冷却手段とを有し、前記複数の加圧ロールのうち少
    なくとも1には被焼入れ材に対する加圧手段が設けら
    れ、焼入れ冷却中において加圧力設定入力を変化させる
    ことにより前記加圧手段の加圧力を調節する加圧力制御
    手段が設けられていることを特徴とする管状部材の焼入
    れ冷却装置。
  6. 【請求項6】 管状部材である被焼入れ材を焼入れ冷却
    する装置において、複数に分割される一式の金型を有
    し、前記金型の内面は複数の凸部と金型の外部あるいは
    隣接する凹部と連通した凹部とにより構成され、前記一
    式の金型を構成する少なくとも1つの型の前記凹部の1
    箇所以上には冷却剤噴出口が設けられ、前記一式の金型
    は加圧手段に取り付けられ、焼入れ冷却中において加圧
    力設定入力を変化させることにより前記加圧手段の加圧
    力を調節する加圧力制御手段が設けられていることを特
    徴とする管状部材の焼入れ冷却装置。
  7. 【請求項7】 焼入れ冷却開始からの経過時間に依存し
    て変化する加圧力設定値を与える加圧力設定入力信号発
    生装置がさらに設けられていることを特徴とする請求項
    5または6記載の管状部材の焼入れ冷却装置。
  8. 【請求項8】 被焼入れ材の焼入れ冷却中の温度を測定
    する温度計と、前記温度計の測定値に依存して変化する
    加圧力設定値を与える加圧力設定入力信号発生装置とが
    さらに設けられていることを特徴とする請求項5または
    6記載の管状部材の焼入れ冷却装置。
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