JP3335104B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP3335104B2
JP3335104B2 JP17592197A JP17592197A JP3335104B2 JP 3335104 B2 JP3335104 B2 JP 3335104B2 JP 17592197 A JP17592197 A JP 17592197A JP 17592197 A JP17592197 A JP 17592197A JP 3335104 B2 JP3335104 B2 JP 3335104B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に四輪レーシン
グカーに好適に採用でき、コーナリング性能を高めた空
気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年の
車両の高性能化、高出力化に対応すべくタイヤのコーナ
リング性能を高めることが要望され、特に、レーシング
タイヤでは、走行路面の平滑性、外乱時の衝撃の大き
さ、コーナリングの際の高速性等々から、この要望がさ
らに強くなっている。
【0003】本発明は、本来、路面からの衝撃を吸収し
て、トレッド面の路面追従性を確保する部分であるサイ
ドウォール外方部付近、いわゆるサイドウォール部のフ
レキシブルゾーンを補強し、コーナリング性能の向上を
図りうる空気入りタイヤの提供を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のうち、請求項1
記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部を通り
ビード部のビードコアのタイヤ軸方向内側に至る本体部
に、該ビードコアの回りでタイヤ軸方向内側から外側に
折り返されて巻き上げられる巻上げ部を連設しかつタイ
ヤ赤道に対して60〜85゜の傾斜角度で傾くコードを
有する内側カーカスプライと、この内側カーカスプライ
の外側に配されるとともにトレッド部からサイドウォー
ル部を通りビード部の前記ビードコアに至り前記内側カ
ーカスプライのコードと逆に傾くコードからなる外側カ
ーカスプライとからなるカーカス、前記カーカスの半径
方向外側かつトレッド部の内部に配されるベルト層、前
記内側カーカスプライと外側カーカスプライとの間に配
されかつタイヤ赤道に対して略90゜の傾斜角度で傾く
補強コードを具えるとともに前記ベルト層と外側カーカ
スプライを介して重なる重なり部を有する補強インサー
ト層、および内側カーカスプライの前記巻上げ部のタイ
ヤ軸方向外側かつ外側カーカスプライのタイヤ軸方向内
側に配される介在部を少なくとも有するとともにタイヤ
赤道に対して30〜60゜の傾斜角度で傾くフィラーコ
ードを有する2枚の補強フィラープライからなる補強フ
ィラー層を具え、かつ前記重なり部の該重なり部に沿っ
た長さLは、前記ベルト層のタイヤ軸方向のベルト巾の
30%以下であり、しかも補強インサート層の半径方向
の外端縁Iaのビードベースラインからの高さHIa
は、タイヤ断面高さHの80%以上、半径方向の内端縁
Ibのビードベースラインからの高さHIbは、タイヤ
断面高さHの50〜70%であり、かつ前記巻上げ部の
半径方向の外端縁Taのビードベースラインからの高さ
HTaは、タイヤ断面高さHの60%以下であって、し
かも前記補強インサート層の前記内端縁Ibを巻上げ部
の前記外端縁Taより半径方向外方に位置させるととも
に、前記補強フィラー層の半径方向の内端縁Faのビー
ドベースラインからの高さHFaは、タイヤ断面高さH
の30%以下、半径方向の外端縁Fbのビードベースラ
インからの高さHFbは、タイヤ断面高さHの50〜8
0%とした空気入りタイヤである。
【0005】なお、「ビードベースライン」は、JIS
で規定されるタイヤ断面高さHを定めるビード部側のタ
イヤ軸方向の基準線として定義する。
【0006】又、請求項2記載の発明では、前記補強コ
ードの初期モジュラスは、300〜500kgf/mm2 であ
り、かつ前記フィラーコードの初期モジュラスは、30
00〜4500kgf/mm2 であることを特徴としている。
【0007】なお、「初期モジュラス」は、初期弾性率
(引張)と同義であり、コードの単位断面積当たりの応
力(kgf/mm2 )として定義する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図面
に基づき説明する。本発明の空気入りタイヤは、トレッ
ド部2からサイドウォール部3を通りビード部4のビー
ドコア5のタイヤ軸方向内側に至る本体部6aに、該ビ
ードコア5の回りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返
されて巻き上げられる巻上げ部6bを連設しかつタイヤ
赤道Cに対して60〜85゜の傾斜角度で傾くカーカス
コードを有する1枚の内側カーカスプライ6Aと、この
内側カーカスプライ6Aの外側に配されるとともに内側
カーカスプライ6Aのカーカスコードと逆にかつタイヤ
赤道Cに対して60〜85゜の傾斜角度で傾くカーカス
コードを有する1枚の外側カーカスプライ6Bとからな
るセミラジアル、1−1構造のカーカス6を具え、本例
では、タイヤ断面高さHとタイヤ巾Wとの比H/Wであ
る偏平比を50%程度以下としたレーシングタイヤとし
て形成される。
【0009】又、空気入りタイヤは、前記ビードコア5
から前記本体部6aと巻上げ部6bとの間で半径方向外
方にのびる断面略三角形状の硬質ゴムからなるビードエ
ーペックス8を有する。
【0010】なお、前記外側カーカスプライ6Bは、ト
レッド部2からサイドウォール部3を通りビード部4の
前記ビードコア5に至る本体部6cに、前記ビードコア
5の回りでタイヤ軸方向外側から内側に折り返されて巻
き上げられる折返し部6dを連設している。
【0011】このように、カーカスコードの傾斜角度を
60〜85゜とすることにより、タイヤ重量の増加を招
くことなく、カーカス6の剛性を高めることができ、特
に、レーシングタイヤのなかでも比較的高偏平比のフォ
ーミュラ用タイヤのカーカス剛性を効果的に高めうる。
【0012】又、前記カーカスコードとして、例えばナ
イロン、レーヨン、ポリエステル、アラミドなどの有機
繊維コードを用いるとともに、初期モジュラスを150
〜1000kgf/mm2 、カーカス巾5cm当たりの打込み本
数を30〜55本、コードサイズを2/840d〜2/
1680dの範囲としている。
【0013】なお、カーカスコードの初期モジュラス、
打込み本数、コードサイズは、所望の値に種々設定しう
る。
【0014】又、空気入りタイヤは、前記カーカス6の
半径方向外側かつトレッド部2の内部に、ベルト層7を
設けている。
【0015】ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道
Cに対して15〜30゜の傾斜角度で配列した1枚又は
複数枚、本例ではベルトコードを逆に向けた2枚のベル
トプライ7A、7Bからなり、トレッド巾の70〜12
0%の巾を有して配されることにより、トレッド部2の
ほぼ全巾に亘ってタガ効果を高め、前記偏平比を維持す
る。
【0016】又、前記ベルトコードとして、例えばアラ
ミド、カーボン等の有機繊維コード、或いはスチールコ
ードを用いるとともに、初期モジュラスを3000〜7
000kgf/mm2 のベルト巾5cm当たりの打込み本数を2
0〜70本、コードサイズを2/840d〜2/168
0dの範囲としている。
【0017】なお、ベルトコードの初期モジュラス、打
込み本数、コードサイズは、所望の値に種々設定しう
る。
【0018】又、空気入りタイヤは、前記内側カーカス
プライ6Aと外側カーカスプライ6Bとの間に配されか
つタイヤ赤道Cに対して略90゜の傾斜角度で傾く補強
コードを具えるとともに前記ベルト層7と外側カーカス
プライ6Bを介して重なる重なり部9Aを有する補強イ
ンサート層9を具える。
【0019】前記補強インサート層9は、補強コードを
引き揃えてトッピングゴムで被覆した1枚又は複数枚、
本例では1枚のプライからなるとともに、前記補強コー
ドは、タイヤ赤道Cに対して略90゜(本明細書では9
0゜±2゜の範囲を意味する)の傾斜角度で傾く。
【0020】このように、1−1構造のカーカス6にお
いて、前記補強インサート層9を内側、外側カーカスプ
ライ6A、6B間に挟み込むため、内側、外側カーカス
プライ6A、6Bの交差するカーカスコード(傾斜角度
は60〜85゜)によるパンタグラフ効果を、略90゜
の傾斜角度の補強コードを有する該補強インサート層9
により効果的に拘束、抑制でき、サイドウォール部3の
フレキシブルゾーンの剛性、特に横剛性を高め、コーナ
リング性能を向上しうる。
【0021】又、補強インサート層9は、空気入りタイ
ヤのサイドウォール部3のフレキシブルゾーンの剛性調
整を行うため、前記重なり部9Aの該重なり部9Aに沿
った長さLを、前記ベルト層7のタイヤ軸方向のベルト
巾BWの30%以下、かつ補強インサート層9の半径方
向の外端縁IaのビードベースラインBLからの高さH
Iaを、タイヤ断面高さHの80%以上とし、しかも半
径方向の内端縁IbのビードベースラインBLからの高
さHIbは、タイヤ断面高さHの50〜70%とする。
【0022】前記重なり部9Aの前記長さLがベルト巾
BWの30%より大きいと、トレッド部2のフレキシビ
リティーを阻害しがちとなる。従って、長さLはベルト
巾BWの30%以下、より好ましくは20%以下、さら
に好ましくは10%以下が良いが、補強インサート層9
に対するベルト層7による拘束力を確保するために、長
さLをベルト巾BWの3%以上、より好ましくは5%以
上とするのが良い。
【0023】又、前記外端縁Iaの前記高さHIaがタ
イヤ断面高さHの80%よりも小さいと、サイドウォー
ル部3のフレキシブルゾーンを十分に補強できず、従っ
て、80%以上、より好ましくは83%以上、さらに好
ましくは87%以上が良いが、前記重なり部9Aの長さ
Lを考慮して、90%以下が好ましい。
【0024】又、前記内端縁Ibの前記高さHIbがタ
イヤ断面高さHの70%よりも大きいと、サイドウォー
ル部3のフレキシブルゾーンを十分に補強できず、逆に
50%よりも小さいと、該フレキシブルゾーンを外れた
位置まで補強することになり、乗り心地、タイヤ重量等
に悪影響を及ぼす。従って、高さHIbはタイヤ断面高
さHの70%以下、より好ましくは65%以下、さらに
好ましくは60%以下が良く、又、50%以上、より好
ましくは53%以上、さらに好ましくは55%以上が良
い。
【0025】更に、本願発明では、前記補強インサート
層9によって横剛性の調整を行うため、前記巻上げ部6
bの半径方向の外端縁TaのビードベースラインBLか
らの高さHTaを、タイヤ断面高さHの60%以下と
し、かつ前記補強インサート層9の前記内端縁Ibを巻
上げ部6bの前記外端縁Taより半径方向外方に位置さ
せる。
【0026】このように補強インサート層9の補強コー
ドが前記「略90゜」で傾き、かつ補強インサート層9
と巻上げ部6bとが重ならないため、成形工程に無理が
なく、仕上がりを均一化しうるとともに、補強インサー
ト層9と巻上げ部6bとの重なり部分によるサイドウォ
ール部3の過剰な剛性強化を防ぎ、適度のフレキシビリ
ティーを確保しうる。
【0027】なお、サイドウォール部3の曲げ変形によ
る前記内側カーカスプライ6Aの抜けだしを阻止し、該
プライ6Aのビードコア5への係止を確実にするため、
前記高さHTaをタイヤ断面高さHの10%以上とする
のが好ましい。
【0028】又、前記補強コードとして、例えばナイロ
ン、レーヨン、ポリエステルなどの有機繊維コードを用
いるとともに、初期モジュラスを300〜500kgf/mm
2 、プライ巾5cm当たりの打込み本数を30〜40本、
コードサイズを2/840d〜2/1500dの範囲と
し、コード材料等の選択により補強インサート層9によ
る横剛性の調整を行う。
【0029】該初期モジュラスが300kgf/mm2 よりも
小さいと、補強インサート層9による補強効果を十分に
得られず、コーナリング性能の改善を果たし得ないこと
がある一方、500kgf/mm2 よりも大きいと、サイドウ
ォール部3の剛性が過大となり、フレキシビリティーを
損ないがちとなる。
【0030】又、空気入りタイヤは、前記補強インサー
ト層9とカーカス6との組み合わせにより剛性バランス
を調整し、さらに内側カーカスプライ6Aの前記巻上げ
部6bのタイヤ軸方向外側かつ外側カーカスプライ6B
のタイヤ軸方向内側に配される介在部10Aを少なくと
も有する2枚の補強フィラープライ10a、10bから
なる補強フィラー層10を具える。
【0031】前記補強フィラープライ10a、10b
は、フィラーコードを引き揃えてトッピングゴムで被覆
したシート状体からなり、かつ該フィラーコードは、タ
イヤ赤道Cに対して30〜60゜の傾斜角度かつ各プラ
イ10a、10bにおいて逆に傾く。
【0032】なお、タイヤ軸方向内側の補強フィラープ
ライ10aは、そのフィラーコードを、前記内側カーカ
スプライ6Aの本体部6aのカーカスコードと交差させ
て配される。
【0033】従って、補強フィラー層10は、2枚の補
強フィラープライ10a、10bと内側、外側カーカス
プライ6A、6Bとのパンタグラフ効果によって、サイ
ドウォール部3の繰り返しの曲げ変形に対して追従でき
る。
【0034】又、本例では、前記内側の補強フィラープ
ライ10aの半径方向の両端縁を、外側の補強フィラー
プライ10bによって覆っているため、サイドウォール
部3の繰り返しの曲げ変形による内側の補強フィラープ
ライ10aの両端縁の移動を阻止し、該端縁での剥離を
防止しうるとともに、外側の補強フィラープライ10b
の両端縁も外側カーカスプライ6Bにより覆われ、該端
縁での剥離を防いでいる。
【0035】又、前記補強フィラー層10の半径方向の
内端縁FaのビードベースラインBLからの高さHFa
は、タイヤ断面高さHの30%以下、半径方向の外端縁
FbのビードベースラインBLからの高さHFbは、タ
イヤ断面高さHの50〜80%とする。
【0036】前記高さHFaがタイヤ断面高さHの30
%よりも大きいと、ビード部4で補強できず、従って、
25%以下、さらには15%以下がより好ましく、又、
下限は、0以上であるが、ビードコア5の半径方向外面
以上の高さで補強効果は十分である。
【0037】又、前記高さHFbがタイヤ断面高さHの
50%よりも小さいと、サイドウォール部3を十分に補
強できず、逆に、80%よりも大きいと、サイドウォー
ル部3のフレキシブルゾーンを前記補強インサート層9
と共に過度に補強するため、好ましくない。従って、高
さHFbはタイヤ断面高さHの50%以上、より好まし
くは55%以上、さらに好ましくは60%以上が良く、
又、80%以下、より好ましくは75%以下、さらに好
ましくは70%以下が良い。
【0038】又、前記介在部10Aによって、前記巻上
げ部6bの前記外端縁Taを覆っているため、サイドウ
ォール部3の曲げ変形による内側カーカスプライ6Aの
抜けだしを効果的に阻止しうる。
【0039】なお、図1に示す例では、前記補強フィラ
ー層10は、前記補強インサート層9と外側カーカスプ
ライ6Bとの間に配される上方介在部10Bを有し、剛
性バランスを調整している。
【0040】又、前記フィラーコードとして、例えば芳
香族ポリアミドなどの有機繊維コードを用いるととも
に、初期モジュラスを3000〜4500kgf/mm2 、プ
ライ巾5cm当たりの打込み本数を31〜37本、コード
サイズを2/1260d〜2/1800dの範囲とする
のが、高い剛性を確保しうる点で好ましい。
【0041】さらに、外側の補強フィラープライ10b
のフィラーコードの初期モジュラスを、内側の補強フィ
ラープライ10aのフィラーコードの初期モジュラスよ
りも小さくすることが、各プライ10a、10bの両端
縁での剥離をより一層確実に防止しうる点で好ましい。
【0042】このように、前記補強インサート層9と補
強フィラー層10とにより、ビード部4からサイドウォ
ール部3の前記フレキシブルゾーンまでの剛性を高め、
コーナリング性能、コーナリングフォース、ラップタイ
ムを向上しうる。
【0043】なお、前記ベルト層7の半径方向外面に、
バンド層11を設けることが好ましい。該バンド層11
は、高速走行におけるベルト層7の浮き上がり、ベルト
エッジルースを防ぐエッジバンド12を少なくとも有
し、例えばバンドコードを有する帯状プライの周方向螺
旋巻きにより形成されている。さらに、バンド層11
は、本例では、ベルト層7のタイヤ軸方向の一端から他
端までのびかつ端部で前記エッジバンド12上に重なる
フルバンド13を具える。
【0044】又、前記補強インサート層9を、タイヤ赤
道Cのタイヤ軸方向片側のみに配し、その方向を車両の
外側又は内側に向けてリム組、装着することにより、コ
ーナリング特性を調整しうる。
【0045】さらに、前記補強インサート層9は、本発
明の範囲を逸脱しない限りにおいて、前記タイヤ巾Wを
定めるタイヤ最大巾点をこえて半径方向内方に延在して
も良い。
【0046】
【実施例】図1及び表1に示す仕様に基づきF3000
フォーミュラ用タイヤ(スリックタイヤで前輪に用い
る)を試作し、鈴鹿サーキット(1周5.86km)をテ
スト走行した時の性能を調べた。テストは、排気量(3
000cc)、最大馬力(500HP)、駆動形式(後
輪駆動)、車重(540kgw)、前輪荷重(110kgw
/1輪)、後輪荷重(160kgw/1輪)、タイヤサイ
ズ(前輪:220/615R13、後輪:340/62
0R13)、タイヤ内圧(120kPa)の条件のもと
で走行し、ラップタイム、感応応答性能(従来例を10
0とする指数で大きい程、良好)、感応ブレーキ性能
(従来例を100とする指数で大きい程、良好)、感応
コーナリング性能(従来例を100とする指数で大きい
程、良好)を評価した。
【0047】又、コーナリングパワー(CP)、コーナ
リングフォース(CF)も、室内用のタイヤコーナリン
グ試験機を用いて測定した。
【0048】なお、試作タイヤのカーカス、ベルト層、
バンド層、補強フィラー層の構成の概要は下記の通りで
ある。
【0049】 カーカス :内側カーカスプライと外側カーカスプライとの1−1構造 コード角度(対タイヤ赤道) 65゜(内、外で交差) コードの材質 ナイロン コードサイズ 2/1260d(1400dtex) コードの初期モジュラス 345kgf/mm2 打込み本数 51本/5cm 巻上げ部の外端縁Taの高さHTa/タイヤ断面高さH=0 .52 ベルト層 :2枚のベルトプライ ベルト巾BW 234mm コード角度(対タイヤ赤道) 23゜(内、外で交差) コードの材質 芳香族ポリアミド コードサイズ 2/1500d(1670dtex) コードの初期モジュラス 3800kgf/mm2 打込み本数 35本/5cm バンド層 :2枚のエッジバンドと1枚のフルバンド コード角度(対タイヤ赤道) 0 コードの材質 ナイロン コードサイズ 2/840d(935dtex) コードの初期モジュラス 230kgf/mm2 打込み本数 49本/5cm 補強フィラー層:内側、外側の補強フィラープライの2層 コード角度(対タイヤ赤道) 45゜(内、外で交差) コードの材質 芳香族ポリアミド コードサイズ 2/1500d(1670dtex) コードの初期モジュラス 3800kgf/mm2 打込み本数 35本/5cm 内端縁Faの高さHFa/タイヤ断面高さH=0.08 外端縁Fbの高さHFb/タイヤ断面高さH=0.74 テスト結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】又、タイヤ内圧120kPa、速度10km
/H、キャンバー角0°で、実施例1、従来例の各タイ
ヤのスリップ角とCFとの関係を図2のグラフで表示し
た(実施例1を破線、従来例を実線で示す)。図2にお
いて、、、は、それぞれの荷重におけるCFの発
生量を表す。
【0052】テストの結果、実施例1〜5は従来例、比
較例に比べて各性能が向上していることを確認できた。
【0053】又、実施例6、7は、従来例に比べてラッ
プタイム、感応応答性能、コーナリングパワー(CP)
では優れているが、他の性能では同等もしくはやや低下
しており、補強コードの初期モジュラスを、請求項2記
載の数値範囲にするのが好ましいことも確認できた。
【0054】
【発明の効果】叙上の如く本発明の空気入りタイヤは、
コーナリング性能を向上でき、限定されるわけでは勿論
ないが、特に、セミラジアルレーシングタイヤのなかで
も、タイヤディメンションが規定され比較的偏平比の高
いフォーミュラ用タイヤとして有効に利用しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すタイヤ右半分子午断面
図である。
【図2】コーナリングフォースの測定結果を示すグラフ
である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6A 内側カーカスプライ 6B 外側カーカスプライ 6a 本体部 6b 巻上げ部 7 ベルト層 9 補強インサート層 9A 重なり部 10 補強フィラー層 10A 介在部 C タイヤ赤道 BW ベルト巾 BL ビードベースライン H タイヤ断面高さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 9/06,9/08,13/00 B60C 15/00,15/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部を通りビ
    ード部のビードコアのタイヤ軸方向内側に至る本体部
    に、該ビードコアの回りでタイヤ軸方向内側から外側に
    折り返されて巻き上げられる巻上げ部を連設しかつタイ
    ヤ赤道に対して60〜85゜の傾斜角度で傾くコードを
    有する内側カーカスプライと、この内側カーカスプライ
    の外側に配されるとともにトレッド部からサイドウォー
    ル部を通りビード部の前記ビードコアに至り前記内側カ
    ーカスプライのコードと逆に傾くコードからなる外側カ
    ーカスプライとからなるカーカス、 前記カーカスの半径方向外側かつトレッド部の内部に配
    されるベルト層、 前記内側カーカスプライと外側カーカスプライとの間に
    配されかつタイヤ赤道に対して略90゜の傾斜角度で傾
    く補強コードを具えるとともに前記ベルト層と外側カー
    カスプライを介して重なる重なり部を有する補強インサ
    ート層、 および内側カーカスプライの前記巻上げ部のタイヤ軸方
    向外側かつ外側カーカスプライのタイヤ軸方向内側に配
    される介在部を少なくとも有するとともにタイヤ赤道に
    対して30〜60゜の傾斜角度で傾くフィラーコードを
    有する2枚の補強フィラープライからなる補強フィラー
    層を具え、 かつ前記重なり部の該重なり部に沿った長さLは、前記
    ベルト層のタイヤ軸方向のベルト巾の30%以下であ
    り、 しかも補強インサート層の半径方向の外端縁Iaのビー
    ドベースラインからの高さHIaは、タイヤ断面高さH
    の80%以上、半径方向の内端縁Ibのビードベースラ
    インからの高さHIbは、タイヤ断面高さHの50〜7
    0%であり、 かつ前記巻上げ部の半径方向の外端縁Taのビードベー
    スラインからの高さHTaは、タイヤ断面高さHの60
    %以下であって、しかも前記補強インサート層の前記内
    端縁Ibを巻上げ部の前記外端縁Taより半径方向外方
    に位置させるとともに、 前記補強フィラー層の半径方向の内端縁Faのビードベ
    ースラインからの高さHFaは、タイヤ断面高さHの3
    0%以下、半径方向の外端縁Fbのビードベースライン
    からの高さHFbは、タイヤ断面高さHの50〜80%
    とした空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】前記補強コードの初期モジュラスは、30
    0〜500kgf/mm2 であり、かつ前記フィラーコードの
    初期モジュラスは、3000〜4500kgf/mm2 である
    ことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
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