JP3334846B2 - 魚釣用両軸受型リール - Google Patents

魚釣用両軸受型リール

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JP3334846B2
JP3334846B2 JP32382896A JP32382896A JP3334846B2 JP 3334846 B2 JP3334846 B2 JP 3334846B2 JP 32382896 A JP32382896 A JP 32382896A JP 32382896 A JP32382896 A JP 32382896A JP 3334846 B2 JP3334846 B2 JP 3334846B2
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京市 金子
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣糸繰出し時のバ
ックラッシュ検出手段を備えた魚釣用両軸受型リールに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来周知のように魚釣用両軸受型リール
は、リール本体にスプールが回転可能に支持され、そし
て、当該スプールを釣糸巻取り状態(クラッチON)と
スプールフリー状態(クラッチOFF)とに切り換える
クラッチが装着されており、クラッチをOFF操作して
仕掛けをキャスティングすると、釣糸がスプールから繰
り出され、そして、クラッチをON操作して手動ハンド
ルを巻取り操作すると、繰り出された釣糸がスプールに
巻き取られるようになっている。
【0003】ところで、従来、この種の両軸受型リール
にあっては、キャスティング時に釣糸の繰出し速度をス
プールの回転速度が追い越して、釣糸が解れて絡み合っ
たり、リール枠体内に釣糸が食い込んでしまう所謂バッ
クラッシュが発生する虞があった。そこで、斯かるバッ
クラッシュを防止するため、従来、遠心ブレーキやマグ
ネットブレーキをリール本体に装着してスプールに制動
力をかける技術が知られているが、これらのブレーキ手
段はバックラッシュが発生していない状況でも動作して
しまう不具合が指摘されている。
【0004】又、実公昭62−33562号公報には、
リール枠体に、スプールに巻回された釣糸の巻回面に指
向する反射形ホトセンサを装着すると共に、当該ホトセ
ンサからの出力信号で動作するソレノイドと、当該ソレ
ノイドの動作でスプールを制動するブレーキ装置を備え
た魚釣用リールが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上記反射形
ホトセンサは、発光源から釣糸巻回面に照射したスポッ
ト光の反射光を光学系集光装置(レンズ)を用いてポジ
ションセンサに集束させる構造上、ユニットを小型化す
ることが困難であった。
【0006】又、一つの光学系集光装置によって測定で
きる糸巻径の範囲が限定されるため、リールのサイズや
スプールのサイズによって光学系集光装置を変更したり
その取付位置を変更しなければならず、大量生産に不向
きでコスト高となってしまう欠点が指摘されている。而
も、ホトセンサは、使用糸の種類によって反射光にバラ
ツキが生じ易く、又、釣糸巻回面が荒れている部分に照
射すると、反射光がポテンショメータに反射しないこと
があってデータが安定しない等の不具合があった。
【0007】ところで、本出願人は、先に特開平4−2
76510号公報等に於て、釣糸の繰出し糸長を計測す
る糸長計測装置を開示した。図11及び図12は上記糸
長計測装置を備えた両軸受型リールを示し、この両軸受
型リール1は、スプール3後方に設けたリール本体5の
サムレスト7の下部に、隣接する一対のセンサ支持部
9,11を一体に突設して、当該センサ支持部9,11
内に、夫々、巻回面13に対向させて送信用の超音波セ
ンサ15と受信用の超音波センサ17をV字状に装着し
たものである。
【0008】そして、糸長計測装置は、超音波センサ1
5から巻回面13に発射された超音波の反射波を超音波
センサ17に取り込んで、その超音波の伝搬速度と伝搬
遅延時間の積と、超音波センサ15,17とスプール3
の回転中心との距離の2倍の値との差分をとってスプー
ル3の糸巻径を糸巻径計測手段が計測した後、この糸巻
径と回転数検出手段で求められたスプール3の回転数を
基に、糸長演算手段が糸長計算式から釣糸19の繰出し
糸長を演算して、その演算値を操作パネル21上の表示
器23にデジタル表示するものである。
【0009】而して、上記超音波センサ15,17は、
既述したホトセンサと異なりレンズ等の光学系集光装置
を必要としないため、リール本体5の小型化を図ること
が可能であり、又、反射波が広い角度を以って反射する
ため、使用糸の種類や釣糸巻回面の状況の如何を問わず
反射波が受信用の超音波センサ17に確実に取り込まれ
てデータが安定する利点がある。
【0010】又、上述したように上記糸長計測装置で
は、糸巻径計測手段が、超音波センサ15から釣糸19
の巻回面13に発射された超音波の反射波を超音波セン
サ17で取り込んでスプール3の糸巻径を計測している
が、釣糸19を繰り出しているにも拘わらず、スプール
3の糸巻径が増加したような場合(例えば、スプール3
の回転速度が釣糸の繰出し速度を大きく追い越した結
果、釣糸19がフケて糸巻径が大きく膨らんだような場
合)や、釣糸19の繰出しにも拘わらず、スプール3の
糸巻径が変化しない場合(例えば、スプール3の回転速
度が釣糸繰出し速度を若干追い越して釣糸19がフケた
ものの、釣糸19の繰出し量と糸巻径の膨出量とが一致
して糸巻径が変化しない場合)等には、スプール3の回
転数に対する糸巻径の変化量が正常でないとして、この
場合の糸巻径計測値は糸長演算のデータとして使用して
いない。
【0011】つまり、従来、この糸長計測装置は、図1
3に示すようにスプールの回転数に対する糸巻径の変化
量として、一定の許容値Aを持った基準値Bが所定条件
として記憶手段に設定記憶されており、上記糸巻径計測
手段が計測した糸巻径の計測値がこの基準値B(及び許
容値A)から外れた時(例えば、図13中、計測値
C)、その計測値Cは糸長計測のデータとして活用して
いない。
【0012】そして、糸巻径K計測値がこの基準値B
(及び許容値A)を外れた時、正にスプール3から繰り
出されている釣糸19にバックラッシュが発生している
こととなる。本発明は斯かる超音波センサに着目し、こ
れを用いることで、従来に比し精度よく釣糸繰出し時の
バックラッシュを検出して、バックラッシュによるトラ
ブルを防止した両軸受型リールを提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項1に係る両軸受型リールは、リール本体に回
転可能に支持されたスプールの回転数を検出する回転数
検出手段と、スプールに巻回された釣糸の巻回面に超音
波を発射することによりスプールの糸巻径を計測する糸
巻径計測手段と、釣糸繰出し時のスプール回転数に対す
る糸巻径の変化量として一定の許容値を有する基準値を
記憶した記憶手段と、釣糸繰出し方向へ回転するスプー
ルに制動力を付与するブレーキ装置と、糸巻径計測手段
で計測された糸巻径計測値が基準値内であるか否かを比
較し、当該糸巻径計測値が基準値外であるとき、上記ブ
レーキ装置を作動させる作動指令手段とを備えたことを
特徴とする。
【0014】そして、請求項2に係る発明は、請求項1
記載の両軸受型リールに於て、糸長計算式が記憶手段に
記憶され、糸巻径計測手段によって計測された基準値内
の糸巻径計測値と回転数検出手段で求めた検出値を基
に、上記糸長計算式から釣糸の繰出し糸長を演算する糸
長演算手段と、糸長演算手段で演算された糸長を表示す
る表示器とからなる糸長計測装置を備えたことを特徴と
している。
【0015】(作用)請求項1に係る発明によれば、糸
巻径計測手段で計測された糸巻径計測値が基準値内であ
るか否かを作動指令手段が比較し、糸巻径計測値が基準
値外であるとき、バックラッシュが発生したとして当該
作動指令手段がブレーキ装置を作動させてスプールを制
動することとなる。
【0016】そして、請求項2に係る発明では、釣糸の
繰出しや巻取りに伴い、糸長計測装置が回転数検出手段
で計測されたスプールの回転数と糸巻径計測手段で計測
された糸巻径を基に釣糸の繰出し糸長を計測して、その
計測値が繰出し糸長として表示器に表示されるが、糸巻
径計測手段で計測された糸巻径計測値が基準値内である
か否かを作動指令手段が比較し、糸巻径計測値が基準値
外であるとき、バックラッシュが発生したとして作動指
令手段がブレーキ装置を作動させてスプールを制動す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。図1乃至図4は請求項1及び請
求項2に係る両軸受型リールの第一実施形態を示し、図
に於て、25はスプール軸27を介してリール本体29
の側板31,33間に回転可能に支持されたスプール、
35は手動ハンドルで、当該手動ハンドル35を巻取り
操作すると、その回転力がハンドル軸37,スプール軸
27に夫々に装着されたドライブギヤ39,ピニオンギ
ヤ41からスプール軸27に伝達されて、釣糸43の巻
取りが行われるようになっている。そして、上記ピニオ
ンギヤ41は、スプール軸27に回転可能且つその軸方
向へ摺動自在で、当該スプール軸27に設けたクラッチ
部45に係脱可能に構成されており、従来と同様、図示
しないクラッチレバーを操作して、当該クラッチ部45
とピニオンギヤ41とのクラッチ係合をクラッチプレー
ト47で解除すると、スプール25がスプールフリー状
態となって、キャスティング動作で釣糸43がスプール
25から繰り出されるようになっている。
【0018】49は本実施形態に係る両軸受型リール5
1の制御機構を収容する収容体で、当該収容体49はリ
ール本体29のリール枠体53に組み付けられている。
そして、その操作パネル55上に、釣糸43の繰出し糸
長をデジタル表示する表示器57が設けられている。
又、59はスプール25の後方に位置するリール本体2
9の支柱で、当該支柱59はリール枠体53と一体に成
形されてサミングバーとして機能するようになってい
る。そして、指先の感触を良好なものとするため、図2
に示すようにその上面は丸みを帯び、又、下面は平坦に
形成されて後端がリール本体29の後方へ突出した形状
となっている。
【0019】そして、支柱59の下面にセンサ支持体6
1が取り付き、当該センサ支持体61のスプール対向面
63に設けられた2つのセンサ取付孔65に、夫々、超
音波センサ67,69がスプール25に対向して取り付
けられている。図3に示すように超音波センサ67は、
図12の超音波センサ15と同様、スプール25に巻回
された釣糸43の巻回面71に超音波を発射する送信手
段として機能し、又、超音波センサ69は巻回面71か
ら反射された反射波を受信する受信手段として機能する
ものである。
【0020】そして、図1に示すようにこれらを支持す
るセンサ支持体61のスプール対向面63の中央はV字
状に成形されて、当該部位に上記センサ取付孔65が設
けられており、各センサ取付孔65に夫々超音波センサ
67,69を装着すると、両超音波センサ67,69が
V字状に配置されて超音波センサ67から発射した超音
波の反射波を超音波センサ69が良好に受信できるよう
になっている。
【0021】図3は収容体49内に収容された制御機構
の詳細を示し、図中、73は糸長演算,糸長表示及びデ
ータの書込み制御を行うマイクロコンピュータで、この
マイクロコンピュータ73は、プログラムメモリ, デー
タメモリ, タイマ及び入出力装置を制御管理して与えら
れたジョブを処理すべく必要な演算,転送処理を実行す
るCPU(中央処理装置) 75と、糸長演算処理プログ
ラムや糸長計算式等を格納するROM77及びCPU7
5での演算結果等のデータをメモリするRAM79と、
入力インターフェース(INTI)81及び出力インタ
ーフェース(INTO)83とを備え、これらはバス8
5を介してCPU75に接続されている。
【0022】又、図中、87はスプール25の回転数と
その方向を検出する回転センサ(回転数検出手段)で、
一対のリードスイッチ87a,87bと、これに対向し
てスプール25の内側周縁に固着した複数のマグネット
87cとから構成されている。そして、リードスイッチ
87a,87bがマグネット87cによりいずれか先に
ON/OFFされることで得られるスプール25の正
転,逆転判定信号を入力インターフェース81を介して
CPU75に取り込むことで、内蔵のアップ/ダウンカ
ウンタをアップカウント又はダウンカウント状態にセッ
トするようになっている。
【0023】そして、リードスイッチ87a,87bの
ON/OFFにより得られるスプール27の回転パルス
を、入力インターフェース81を通してアップ/ダウン
カウンタに入力することにより、当該アップ/ダウンカ
ウンタをアップカウント又はダウンカウントさせるよう
になっている。更に、入力インターフェース81には、
受信回路89を介して超音波センサ69が接続され、
又、出力インターフェース83には、送信回路91を介
して超音波センサ67や表示器57が接続されている。
【0024】そして、既述した特開平4−276510
号公報の糸長計測装置と同様、超音波センサ67から発
射された超音波が超音波センサ69に受信されるまでの
時間差Δtを、マイクロコンピュータ73に内蔵された
タイマ93が測定して、この時間差Δtを基に、先ず、
CPU75は巻回面71と両超音波センサ67,69と
の間の距離dを、ROM77にメモリされた 距離d=音速331(m/sec)×1/2×Δt の式で演算し、そして、スプール25に巻回された釣糸
43の糸巻径Dを 糸巻径D=(c−d)×2 なる式により算出する。尚、この式に於て、cは超音波
センサ67,69とスプール軸27の軸心間の距離であ
る。
【0025】そして、回転センサ87で計測されたスプ
ール25の回転数Nと上記糸巻径Dを基に、ROM77
にメモリされた 糸長L=π・D・N の計算式から繰出し糸長Lを演算して、その演算結果が
出力インターフェース83を介して表示器57に表示さ
れるようになっている。
【0026】而して、従来の糸長計測装置と同様、本実
施形態に於ける糸長計測装置にあっても、糸長Lを演算
するに当たり、図13で説明したようにスプール27の
回転数に対する糸巻径の変化量として一定の許容値Aを
持った基準値Bが所定条件としてROM77にメモリさ
れており、計測した糸巻径Dがこの基準値B(及び許容
値A)から外れる時、斯かる計測値は糸長計測のデータ
として活用しない。
【0027】そして、既述したように計測された糸巻径
Dがこの基準値B(及び許容値A)を外れた時、正にス
プール25から繰り出される釣糸43にバックラッシュ
が発生しているのであるから、CPU75はこの時、リ
ール本体29に装着したブレーキ装置95を作動させ
て、釣糸繰出し方向に回転するスプール25に制動力を
駈けるようになっている。
【0028】図2及び図4はブレーキ装置95の構造を
示し、図中、97はスプール軸27を中心としてスプー
ル25の一側面に形成された円形上の凹部で、その内壁
97aにブレーキリング99が取り付けられている。
又、図2中、101は側板31の内壁に沿って当該側板
31に回動可能に支持された支持アームで、図1及び図
2に示すようにその中央部分はブレーキリング99方向
に延設されてその内周に沿った円弧状に成形されてお
り、その上面にブレーキシュー103が貼着されてい
る。
【0029】そして、支持アーム101の先端側には、
アクチュエータ105の作動ステー105aが遊貫され
ており、図2に示すブレーキOFF状態にあるとき、作
動ステー105aが伸長し、そして、支持アーム101
は、当該作動ステー105aに装着したコイルスプリン
グ107のバネ力で矢印E方向に付勢されて、ブレーキ
シュー103がブレーキリング99から離した構造とな
っている。
【0030】尚、図2中、108は作動ステー105a
の先端に固着したストッパ部材で、コイルスプリング1
07のバネ力で矢印E方向に付勢された支持アーム10
1は、当該ストッパ部材108に矢印E方向への移動が
規制されている。そして、釣糸43の繰出し時に、計測
された糸巻径Dが基準値B(及び許容値A)から外れた
時、図4に示すようにCPU75はアクチュエータ10
5を作動させて作動ステー105aをコイルスプリング
107のバネ力に抗して矢印F方向に後退させること
で、支持アーム101を移動させて、ブレーキリング9
9の内周にブレーキシュー103を押圧させるようにな
っている。そして、その後に計測された糸巻径Dが基準
値B(及び許容値A)内になると、CPU75はアクチ
ュエータ105を停止し、この結果、コイルスプリング
107の復元力で支持アーム101が矢印E方向に付勢
されて、スプール25に対する制動が解除されるように
なっている。
【0031】その他、図2中、109はスプール軸27
を支持する軸受、111は支持アーム101の取付ピン
である。本実施形態はこのように構成されているから、
釣糸43の繰出しや巻取りに伴い、計測された糸巻径D
やスプール25の回転数Nに基づいて糸長計測が行われ
るが、既述したように、釣糸43の繰出し時にバックラ
ッシュが発生して糸フケが生ずることで糸巻径が増加し
たり、糸巻径が変化しないような場合、計測された糸巻
径Dは基準値B(及び許容値A)から外れる。
【0032】すると、CPU75はバックラッシュが発
生したと判断してアクチュエータ105を作動させる。
これにより支持アーム101が取付ピン111を回転中
心として図2の状態から図4の状態に移動するので、支
持アーム101に装着したブレーキシュー103がブレ
ーキリング99の内周に押圧してスプール25を制動
し、バックラッシュを速やかに解消することとなる。
【0033】そして、その後に計測された糸巻径Dが基
準値B(及び許容値A)内に戻ると、CPU75の指令
でアクチュエータ105が停止し、コイルスプリング1
07の復元力で支持アーム101が矢印E方向へ付勢さ
れて、スプール25に対する制動が解除されることとな
る。このように、本実施形態に係る両軸受型リール51
も、バックラッシュを検出して始めてブレーキ装置95
が作動するので、ブレーキ装置95がキャスティング時
の仕掛けの飛距離に悪影響を与えることがない。
【0034】そして、超音波センサ67,69は、従来
のホトセンサと異なりレンズ等の光学系集光装置を必要
としないため、リール本体29の小型化を図ることが可
能であり、又、反射波が広い角度を以って反射するた
め、使用糸の種類や釣糸巻回面の状況の如何を問わず反
射波が超音波センサ69に確実に取り込まれてバックラ
ッシュの検出精度が向上することとなる。
【0035】而も、従来、糸長計測装置に使用されてい
た超音波センサ67,69をバックラッシュの検出に兼
用できるため、経済的でコストの軽減を図ることが可能
である。図5乃至図7は請求項1及び請求項2に係る両
軸受型リールの第二実施形態を示し、以下、図面に基づ
き本実施形態を説明するが、第一実施形態と同一のもの
には同一符号を付してそれらの説明は省略し、又、糸長
計測装置は第一実施形態の糸長計測装置と同一構造であ
る。
【0036】図5に於て、113は側板31の内壁に成
形された軸受保持部で、図7に示すように円形状に成形
されたその外周に、2つのカム突起115が180°の
間隔を開けてスプール25の径方向に突設されている。
そして、上記カム突起115が係合するカム溝117が
内周に刻設されたブレーキユニット119が上記軸受保
持部113の外周に装着されており、カム溝117は軸
受保持部113の外周に沿ってスプール軸27の軸方向
へ形成され、ブレーキユニット119は当該カム溝11
7に案内されて、スプール軸27の軸方向に移動可能と
なっている。
【0037】又、ブレーキユニット119の外周にはギ
ヤ121が形成されており、当該ギヤ121に、側板3
1の内壁に装着されたステッピングモータ123のモー
タ軸123aに取り付くギヤ125が噛合している。そ
して、ステッピングモータ123は、第一実施形態に於
けるアクチュエータ105と同様、釣糸43の繰出し時
に、計測された釣糸43の糸巻径Dが基準値B(及び許
容値A)から外れた時、CPU75の指令で作動するよ
うになっており、斯様にステッピングモータ123が作
動して所定のステップ角だけ回転すると、ギヤ121,
125を介してブレーキユニット119が、カム溝11
7に沿ってスプール25から離間する方向へ移動するよ
うになっている。
【0038】そして、図5に示すようにブレーキユニッ
ト119には、スプール軸27を軸心としてスプール2
5方向へ筒状のブレーキリング127が一体に延設され
ており、その内周127aはスプール25方向に順次拡
開したテーパ形状とされている。一方、スプール25か
ら軸受109方向へのスプール軸27の突出部には、両
端部にブレーキカラー129を移動自在に装着した1本
のステー131が径方向に挿着されており、当該ブレー
キカラー129はスプール25の回転による遠心力でブ
レーキリング127の内周127aに接触するが、スプ
ール25の通常回転状況下で、当該ブレーキカラー12
9はブレーキリング127の内周127aの内径の小さ
な部分に当接して、スプール25の回転に支障を来さな
いようになっている。
【0039】そして、上述したように計測された釣糸4
3の糸巻径Dが基準値B(及び許容値A)から外れた結
果、CPU75の指令でステッピングモータ123が所
定のステップ角だけ回転してブレーキユニット119が
スプール25から離間する方向へ回転し乍ら移動する
と、遠心力で移動したブレーキカラー129がブレーキ
リング127の内周127aの内径の大きな部分に当接
するので、制動力が通常時よりも大きく作用して釣糸繰
出し方向に回転するスプール25を制動するようになっ
ている。
【0040】そして、その後に計測された糸巻径Dが基
準値B(及び許容値A)内に戻ると、CPU75の指令
でステッピングモータ123が逆方向に所定角分戻っ
て、ブレーキユニット119がスプール25方向へ回転
し乍ら移動するようになっている。本実施形態に於ける
ブレーキ装置133はこのように構成されており、当該
ブレーキ装置133を装着した本実施形態の両軸受型リ
ール135にあっても、超音波センサ67,69を用い
たため、従来のホトセンサを用いたバックラッシュ検出
手段に比しリール本体29の小型化を図ることが可能で
あると共に、バックラッシュの検出精度が向上すること
となる。
【0041】そして、従来、糸長計測装置に使用されて
いた超音波センサ67,69をバックラッシュの検出に
兼用できるため、本実施形態によっても、経済的でコス
トの軽減を図ることが可能である。図8乃至図10は請
求項1及び請求項2に係る両軸受型リールの第三施形態
を示し、本実施形態は、従来周知のマグネットブレーキ
をスプールのブレーキ装置に用いたものである。
【0042】尚、本実施形態に於ても、上記各実施形態
と同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略
し、又、糸長計測装置も第一実施形態の糸長計測装置と
同一構造である。図8に於て、137は側板31の内周
に成形された軸受保持部で、図9に示すようにスプール
軸27を軸心としてスプール25方向へ延設された筒状
の内輪部137aの外周に、6個のマグネット139が
S極を外側に向けて周方向に60°の間隔で装着されて
いる。
【0043】又、図8中、141は側板31の内壁に突
設した管状支持部143内に回転可能に支持された外輪
で、その内周には、上記マグネット139に対向して6
個のマグネット145が、N極を外側に向けて周方向に
60°の間隔で装着されている。更に又、外輪141の
外周には、図10に示すようにステッピングモータ12
3に取り付くギヤ125に噛合するギヤ147が設けら
れており、本実施形態にあっても、釣糸43の繰出し時
に、計測された釣糸43の糸巻径Dが基準値B(及び許
容値A)から外れた時、CPU75がステッピングモー
タ123を所定のステップ角だけ回転させて、図9の如
くマグネット139,145が対峙するように外輪14
1を回転させてマグネット139,145の位相を同期
させるようになっている。
【0044】そして、図8及び図9に示すように外輪1
41と軸受保持部137の内輪部137aとの間に、ス
プール軸27を軸心としてスプール25の側部に固着さ
れた非磁性導電体からなる筒状部149が挿入した構造
となっている。本実施形態に於けるブレーキ装置151
はこのように構成されており、当該ブレーキ装置151
を装着した本実施形態の両軸受型リール153によれ
ば、ブレーキ装置151が作動していない時、マグネッ
ト139,145の位相はずれた状態となっている。
【0045】そして、釣糸43の繰出し時に、計測され
た糸巻径Dが基準値B(及び許容値A)から外れると、
CPU75の指令でステッピングモータ123が所定の
ステップ角だけ回転して、図9の如くマグネット13
9,145のNS極が対峙する状態に外輪141が所定
角度回転するので、磁力線の間を回転する筒状部149
に制動力が加わってスプール25の回転が規制されるこ
ととなる。
【0046】従って、本実施形態によっても、上記各実
施形態と同様、所期の目的を達成することが可能であ
る。尚、上記筒状部149はスプール25と別体に成形
したが、スプールを非磁性導電体で成形して、筒状部を
スプールと一体成形してもよいことは勿論である。又、
ブレーキ装置は上記各実施形態の構造に限定されるもの
ではなく、スプールに制動力を付与し得るものであれ
ば、その他のブレーキ装置を用いてもよいし、糸巻径計
測手段も上記各実施形態のものに限定されるものではな
い。
【0047】更に又、本発明は糸長計測装置を備えない
両軸受型リールに適用することも可能である。而して、
この実施形態としては、上記各実施形態と同様、例えば
超音波センサ67から発射された超音波が超音波センサ
69に受信されるまでの時間差Δtを、マイクロコンピ
ュータ73に内蔵されたタイマ93が測定して、この時
間差Δtを基に、CPU75が巻回面71と両超音波セ
ンサ67,69との間の距離dを、ROM77にメモリ
された 距離d=音速331(m/sec)×1/2×Δt の式で演算し、そして、スプール25に巻回された釣糸
43の糸巻径Dを 糸巻径D=(c−d)×2 なる式により算出する。
【0048】そして、回転センサ87で検出されたスプ
ール25の回転数Nと上記糸巻径Dを基に、糸巻径Dが
基準値B(及び許容値A)を外れた時、CPU75が上
記ブレーキ装置95を作動させて、釣糸繰出し方向に回
転するスプール25に制動力を駈けるようにすればよ
い。
【0049】而して、本実施形態によっても、ホトセン
サを用いた従来のバックラッシュ検出手段に比し、リー
ル本体29の小型化を図ることが可能であると共に、バ
ックラッシュの検出精度を向上させることが可能であ
る。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、各請求項に係る発明
によれば、バックラッシュが発生した場合に初めてブレ
ーキ装置が作動するので、ブレーキ装置がキャスティン
グ時の仕掛けの飛距離に悪影響を与えることがないし、
又、超音波センサを用いたことで、ホトセンサを用いた
従来のバックラッシュ検出手段に比しリール本体の小型
化を図ることが可能であると共に、バックラッシュの検
出精度が向上することとなった。
【0051】そして、請求項2に係る発明によれば、糸
長計測装置として使用する超音波センサをバックラッシ
ュの検出に兼用できるため、経済的でコストの軽減を図
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項2の第一実施形態に係る両
軸受型リールの要部切欠き平面図である。
【図2】ブレーキOFF時の図1のII−II線断面図であ
る。
【図3】図1の両軸受型リールの制御機構の説明図であ
る。
【図4】ブレーキON時の図1のII−II線断面図であ
る。
【図5】請求項1及び請求項2の第二実施形態に係る両
軸受型リールの要部切欠き平面図である。
【図6】ブレーキOFF時の図5のVI−VI線断面図であ
る。
【図7】図5のVII−VII線断面図である。
【図8】請求項1及び請求項2の第三実施形態に係る両
軸受型リールの要部切欠き平面図である。
【図9】ブレーキOFF時の図8のIX−IX線断面図であ
る。
【図10】図8のX−X線断面図である。
【図11】糸長計測装置を備えた従来の両軸受型リール
の斜視図である。
【図12】図11に示す両軸受型リールの要部斜視図で
ある。
【図13】スプールの回転数と釣糸の糸巻径計測値の基
準値の説明図である。
【符号の説明】
25 スプール 27 スプール軸 29 リール本体 51,135,153 両軸受型リール 57 表示器 59 支柱 67,69 超音波センサ 71 巻回面 73 マイクロコンピュータ 75 CPU 87 回転センサ 95,133,151 ブレーキ装置 99,127 ブレーキリング 101 支持アーム 103 ブレーキシュー 105 アクチュエータ 113,137 軸受保持部 115 カム突起 117 カム溝 119 ブレーキユニット 123 ステッピングモータ 129 ブレーキカラー 139,145 マグネット 141 外輪 149 筒状部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リール本体に回転可能に支持されたスプ
    ールの回転数を検出する回転数検出手段と、 スプールに巻回された釣糸の巻回面に超音波を発射する
    ことによりスプールの糸巻径を計測する糸巻径計測手段
    と、 釣糸繰出し時のスプール回転数に対する糸巻径の変化量
    として一定の許容値を有する基準値を記憶した記憶手段
    と、 釣糸繰出し方向へ回転するスプールに制動力を付与する
    ブレーキ装置と、 糸巻径計測手段で計測された糸巻径計測値が基準値内で
    あるか否かを比較し、当該糸巻径計測値が基準値外であ
    るとき、上記ブレーキ装置を作動させる作動指令手段と
    を備えたことを特徴とする魚釣用両軸受型リール。
  2. 【請求項2】 糸長計算式が記憶手段に記憶され、 糸巻径計測手段によって計測された基準値内の糸巻径計
    測値と回転数検出手段で求めた検出値を基に、上記糸長
    計算式から釣糸の繰出し糸長を演算する糸長演算手段
    と、 糸長演算手段で演算された糸長を表示する表示器とから
    なる糸長計測装置を備えたことを特徴とする請求項1記
    載の魚釣用両軸受型リール。
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