JP3334411B2 - H形鋼の冷却装置 - Google Patents

H形鋼の冷却装置

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JP3334411B2
JP3334411B2 JP06543995A JP6543995A JP3334411B2 JP 3334411 B2 JP3334411 B2 JP 3334411B2 JP 06543995 A JP06543995 A JP 06543995A JP 6543995 A JP6543995 A JP 6543995A JP 3334411 B2 JP3334411 B2 JP 3334411B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、H形鋼の冷却装置に係
り、さらに詳しくは、冷却するH形鋼のサイズが変更さ
れ、あるいはH形鋼に左右の曲りや上下の曲りがある場
合においても、冷却装置と被冷却面との距離を常に一定
に保持することのできるH形鋼の冷却装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】H形鋼は、圧延後ホットシャーで切断さ
れ、冷却床で大気冷却していたが、最近では、より高性
能のH形鋼、すなわち、すぐれた材料特性が求められる
ようになり、H形鋼に対して熱処理が行われるようにな
った。この熱処理は、圧延後の800℃以上のH形鋼を
水で冷却し、その後焼き戻し処理を行うようにしてい
る。
【0003】このような圧延後のH形鋼の熱処理、特
に、そのフランジを冷却するにあたっては、冷却装置
(冷却ノズル)と被冷却面との距離を一定に保つことが
不可欠である。従来、上記の距離を一定に保つために、
H形鋼のフランジの外面にローラ等を当接した案内装置
により、H形鋼の曲りに応じて冷却装置全体をこれに追
従させるようにしたものがある。
【0004】上記のような冷却装置の案内装置として、
実開平1−139916号公報あるいは特開平4−52
019号公報に開示された発明がある。これらの公報に
開示された案内装置は、H形鋼のフランジの外面にロー
ラを押当てることにより、H形鋼の左右の曲りに対する
案内装置の幅方向の動きに追従して冷却装置を案内する
ようにしたものであるが、H形鋼の上下の曲りに対して
は対応できない。
【0005】また、特開平1−205033号公報に
は、H形鋼の上下の曲りを防止するために、H形鋼を上
下に拘束して冷却するようにしたものであるが、左右の
動きには対応しにくいという問題がある。
【0006】さらに、最近では、フランジ厚みの厚いH
形鋼については、これまでのフランジの外面冷却だけで
なく、フランジの内面も積極的に冷却する必要が生じて
おり、例えば、特開平6−297028号公報には、H
形鋼のフランジ上部の内面の間に冷却ヘッダーを挿入し
て冷却水を噴射するようにした冷却装置が記載されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−29702
8号公報に記載された冷却装置においては、H形鋼のフ
ランジ上部の内面の間に冷却ヘッダを挿入して冷却水を
噴射する関係上、圧延されたH形鋼のサイズが変更され
た場合は、そのサイズの変更に応じて冷却ヘッダを交換
し、あるいは、冷却ヘッダとフランジ間の距離を調整す
るなどの作業が必要になり、生産ラインを停止しなけれ
ばならない。このような冷却ヘッダの交換には、平均し
て作業員5人で約1〜2時間を要していた。
【0008】また、H形鋼が左右に曲って圧延され、あ
るいは、上下に曲って圧延された場合は、これに対処す
るために、冷却ヘッダをH形鋼の曲りに追従して左右及
び上下に移動させ、冷却ヘッダとウェブ及び冷却ヘッダ
とフランジ間の距離を常に一定に保持することが必要で
あるが、このような対策は講じられていない。このた
め、冷却むらによる材質の不均一が生じ、高品質のH形
鋼を得ることは困難であった。
【0009】本発明は、上記の課題を解決すべくなされ
たもので、H形鋼のサイズが変更された場合、あるい
は、H形鋼に左右又は上下の曲りがある場合において
も、冷却装置と被冷却面との距離を常にほぼ一定に保つ
ことのできるH形鋼の冷却装置を得ることを目的とした
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)本発明に係るH形
鋼の冷却装置は、左右復元手段及び上下復元手段に連結
された一対の案内部材からなり、H形鋼のウェブとフラ
ンジの間に挿入される案内装置と、この案内装置に後続
し、案内装置により位置制御される冷却装置と、ノズル
を有しH形鋼の搬送ラインに沿って設置され、案内装置
により位置制御されてH形鋼のフランジ外側面を冷却す
る冷却ヘッダとを備えたものである。
【0011】
【0012】()上記(1)のH形鋼の冷却装置にお
いて、ノズルを有しH形鋼の搬送ラインの下方に設置さ
れ、案内装置によりノズルの角度が制御される冷却ヘッ
ダを備えたものである。
【0013】()上記(1)又は(2)のH形鋼の冷
却装置において、案内部材のH形鋼と接する面を前部が
H形鋼から遠ざかる弓状に形成したものである。 ()また、上記(1)〜()のH形鋼の冷却装置に
おいて、案内装置のH形鋼と接する面に複数のロールを
設けたものである。
【0014】
【作用】
(1)圧延されたH形鋼が搬送ライン上を搬送される
と、案内装置の案内部材がH形鋼のウェブとフランジで
形成される溝状部内に導かれ、続いて冷却装置がこの溝
状部内に導かれる。このとき、案内部材の両側面は左右
復元手段によりフランジの内面に摺接し、また下面は自
重によりウェブに摺接する。そして、冷却装置は冷却水
を噴射してフランジ内面及びウェブ上面を冷却する。
【0015】H形鋼に左右方向の曲りがあると、案内装
置は左右復元手段によりこの曲りに沿って左右に移動
し、冷却装置も案内装置に制御されて左右に移動し、フ
ランジ内面との距離を常に一定に維持する。ウェブに上
下方向の曲りがあると、案内装置は上下復元手段により
この曲りに沿って上下に移動し、冷却装置も案内装置に
制御されて上下に移動し、ウェブ上面との距離を常に一
定に維持する。
【0016】(2)上記(1)の案内装置の動きに対応
して冷却ヘッダが左右に移動し、H形鋼のフランジ外側
面との距離を常に一定に維持する。また、上下に移動し
て常にフィレット部に対向した位置に保持される。 (3)上記(1)の案内装置の動きに対応して冷却ヘッ
ダのノズルを移動あるいは回動させ、H形鋼の下面を冷
却する。
【0017】(4)案内装置を構成する案内部材のH形
鋼と接する面を弓状に形成したことにより、搬送された
H形鋼の溝状部に容易に侵入することができ、また、搬
送されるH形鋼との接触面積を小さくして抵抗を少なく
する。 (5)案内装置のH形鋼と接する面にロールを設けたの
で、H形鋼を円滑に搬送することができ、また、傷をつ
けることもない。
【0018】
【実施例】
実施例1 図1は本発明の第1の実施例を模式的に示した斜視図で
ある。図において、1は圧延後に搬送ライン上を連続し
て搬送されるH形鋼、2は冷却装置20の案内装置であ
る。3a,3bは案内装置2を構成する一対の案内部材
で、対向する内側面はほぼ平行に形成され、外側面は前
方がH形鋼1から遠ざかる弓状に形成されており、底部
も前方がH形鋼1から遠ざかる弓状に形成されている
(図2参照)。そして、外側面及び底面には、図2に示
すように、ステンレス製の複数本のロール4(実施例で
は直径50mm)が装着されている。なお、ロール4の
軸には衝撃吸収用のダンパ4aを設けてもよい。
【0019】5は両案内部材3a,3bの間に介装され
た左右復元手段である復元装置で、例えば図2に示すよ
うに、ブロック状の部材6に設けた複数の有底穴7に、
ばね9を介してロッド8の一端を摺動可能に挿入し、ロ
ッド8の他端を案内部材3a,3bにそれぞれ固定する
と共に、部材6の両端部を案内部材3a,3bに摺動可
能に嵌合したものである。これにより、案内部材3a,
3bは常に外方に向って付勢されている。
【0020】10は上下復元手段である上下移動装置
で、ピストン11とシリンダ12とからなり、ピストン
11の一端は復元装置5の部材6に固定されている。1
4a,14bはH形鋼1の搬送ラインの上方にこれと直
交して設けられたガイドレールで、シリンダ12はガイ
ドレール14a,14bに軸受を介して摺動可能に設置
された左右移動部材13に取付けられている。なお、こ
の状態において、案内部材3a,3bは自重により左右
移動部材13に懸垂されている。
【0021】20は例えば一対の多孔板式の冷却器21
a,21b(実施例では長さ2m)からなる冷却装置
で、その幅は案内装置2の幅より狭く、底部は案内装置
2の底部より上方に位置している。両冷却器21a,2
1bは案内装置2の復元装置5と同じ構造の復元装置5
aにより連結されており、同様にして、復元装置5には
上下移動装置10aのピストン11が固定され、シリン
ダ12はガイドレール14bに設けられた左右移動装置
13aに取付けられている。そして、この冷却器21
a,21bはロッド15a,15bを介してそれぞれ案
内装置2の案内部材3a,3bに連結されている。な
お、この状態において、冷却器21a,21bは自重に
より左右移動部材13aに懸垂されている。
【0022】上述の案内装置2と冷却装置20は、案内
装置2に加わる僅かな力で左右及び上下方向に移動しう
るように、自重分の力は連結されている上下移動機構1
0,10aであらかじめバランスがとられている。この
自重をバランスさせる機構としては本実施例に限定する
ものではなく、例えば、バランスウェイトと滑車を用い
てその力をバランスさせるなど、他の手段を用いてもよ
い。
【0023】上記の案内部材3a,3bと冷却器21
a,21bとの連結はロッド15a,15bに限定する
ものではなく、例えば、案内装置2に設置した位置セン
サにより位置検出を行い、その出力信号に基いて冷却装
置20を電気的に制御するなど、他の手段を用いてもよ
い。また、冷却装置20に多孔板式の冷却器21a,2
1bを用いた場合を示したが、他の方式の冷却器を用い
てもよい。
【0024】次に、上記のように構成した本実施例の作
用を図1、図3により説明する。図に示すように、案内
装置2及び冷却装置20は、左右移動装置13,13a
に支持されてH形鋼1の搬送ラインL上に位置してお
り、両者は自重により上下移動装置10,10aの最下
位に位置してバランスし、また、復元装置5,5aに付
勢されて最外方に位置している。
【0025】いま、圧延されたH形鋼1が仕上げロール
25を経て搬送ラインL上を矢印方向に搬送されると、
先ず、案内装置2の案内部材3a,3bが、H形鋼1の
フランジ1a,1aの上部内面とウェブ1bの上面で形
成される溝状部内に導かれ、続いて冷却装置20の冷却
器21a,21bがこの溝状部内に導かれる。このと
き、案内部材3a,3bの両側面は復元装置5に付勢さ
れてそのローラ4がフランジ1a,1aの上部内面に摺
接し、また、下面は自重によりローラ4がウェブ1bの
上面に摺接しているので、H形鋼1は滑らかに移動する
ことができる。また、冷却器21a,21bはフランジ
1a,1aの上部内面及びウェブ1bの上面と所定の距
離を隔てて対向し、冷却水を噴射してフランジ1a,1
aの上部内面及びウェブ1bの上面を冷却する。なお、
冷却器21a,21bは、設計上、被冷却面との距離を
50mm程度に保持することが望ましい。
【0026】ところで、H形鋼1に左右方向の曲りがあ
ると、案内装置2の案内部材3a,3bは、復元装置5
の作用によりこの曲りに沿って左右に移動し、これに連
結された冷却器21a,21bも復元装置5aにより案
内装置2の動きに追従して左右に移動し、フランジ1
a,1aの上部内面との間を常に所定の距離に保持す
る。
【0027】同様にしてウェブ1bに上下方向の曲りが
あるときは、案内部材3a,3bはこの曲りに沿って上
下に移動し、上下移動装置10はこの移動を吸収する。
そして、これに連結された冷却器21a,21bも案内
部材3a,3bの動きに追従して上下方向に移動し、ウ
ェブ1bの上面との間を常に所定の距離に保持する。
【0028】本実施例による案内装置2を備えた冷却装
置20により、長さ23m、幅542mm、高さ490
mm、ウェブ厚み40mm、フランジ厚み45mmの圧
延後のH形鋼1を冷却した。なお、このH形鋼1には、
10mあたり左右に30mmの曲りが、また、上下に2
5mmの曲りがあった。実施結果によれば、H形鋼1を
支障なく冷却することができ、冷却器21a,21bと
被冷却面との距離を50mm±3mm以内に維持するこ
とができた。また、フランジ1a,1bの上部内面及び
ウェブ1bの上面には全く傷がなかった。
【0029】続いてH形鋼1のサイズ変更を行い、長さ
34m、幅700mm、高さ300mm、ウェブ厚み2
4mm、フランジ厚み28mmの圧延後のH形鋼を冷却
した。なお、このH形鋼には、10mあたり左右に35
mm、上下に30mmの曲りがあった。幅変更時に、案
内部材3a,3b及び冷却器21a,21bが左右方向
及び上方に速やかに移動し、冷却器21a,21bと被
冷却面との距離を維持し、H形鋼1は支障なく通過し、
冷却することができた。なお、冷却器21a,21bと
被冷却面との距離は50mm±4mm以内に維持され、
被冷却面の傷は全くなかった。
【0030】実施例2 本発明の第2の実施例を図4に示す。本実施例はH形鋼
1の冷却時間を延長する場合、あるいは生産性を向上す
るために、H形鋼1の搬送速度を早くした場合を想定
し、実施例1で説明した冷却装置20を長くしたもので
ある。すなわち、案内装置2に、一対の多孔板式の冷却
器21a,21bからなる二対の冷却装置20a,20
bを連結したものである。
【0031】本実施例では冷却装置20a,20bの長
さをそれぞれ1.5m、両冷却器20a,20bのすき
間を50mmとした。これは、長い冷却装置を使用する
と、H形鋼1の僅かな曲りでも冷却装置の前端部及び後
端部がH形鋼1と接触するおそれがあるので、これを防
止するため冷却装置を分割して連結し、それぞれの冷却
装置20a,20bの位置を制御してH形鋼との接触を
防止するようにしたものである。なお、冷却装置20
a,20bを構成する各冷却器21a,21bの外面側
及び底面には、図5に示すように、ステンレス製のロー
ル4(実施例では50mm)を装着し、フランジ1a,
1bの上部内面とウェブ1bの上面との接触が円滑にな
るようにした。この場合、ロール4の軸に衝撃吸収用の
ダンパ4aを設けてもよい。
【0032】本実施例によりH形鋼の冷却を行ったとこ
ろ、冷却装置20a,20bと被冷却面との距離を50
mm±4mm以内に維持することができ、被冷却面の傷
は全くなかった。
【0033】実施例3 図6は本発明の第3の実施例の模式図である。本実施例
は、第2の実施例で示した案内装置2と二対の冷却装置
20a,20bからなるセットを、複数セット(図には
2セットの場合が示してある)設けたものである。これ
により、H形鋼1の冷却時間をさらに延長し、あるいは
H形鋼の搬送速度を早くして冷却時間をさらに短縮する
ことができる。
【0034】実施例4 図7は本発明の第4の実施例を模式的に示した斜視図で
ある。なお、第1の実施例と同じ機能の部分にはこれと
同じ符号を付し、説明を省略する。26はH形鋼1を搬
送する搬送ロール、30はH形鋼1のフランジ1aの外
面の側方で、かつフランジ1aの高さ方向のほぼ中央部
(フィレット部1c)に沿って配設された冷却ヘッダ
で、所定の間隔でフランジ冷却ノズル31a,31b,
31cと、フィレット部冷却ノズル32a,32bと
が、フランジ外側面1dと所定の距離を隔てて交互に設
けられている。
【0035】16は案内装置2の上下移動装置10のシ
リンダ12に取付けた変位検出器で、ピストン11の変
位を検出する。17,17aは冷却水ヘッド30の上方
において、第2の左右移動装置13b,13cを介して
ガイドレール14a,14bに取付けられたロッド駆動
装置で、このロッド駆動装置17,17aに上下に移動
可能に装着されたロッド18,18aの先端部は、冷却
水ヘッド30に連結されている。そして、上下移動装置
13と13b、13aと13cとは、それぞれベルト、
ロッド等19,19aにより連結されている。なお、図
示してないが、他方のフランジ1aの外面側にも同様の
設備が設けられている。
【0036】上記のように構成した本実施例において、
圧延後のH形鋼が搬送されて、案内装置2及び冷却装置
20により、H形鋼のフランジ1a,1aの上部内面及
びウェブ1bの上面が冷却される作用は、第1の実施例
の場合と同様である。このとき、冷却ヘッダ30に設け
たフランジ冷却ノズル31a〜31c及びフィレット部
冷却ノズル32a,32bから冷却水が噴射され、フラ
ンジ1aの外面を冷却する。
【0037】冷却中のH形鋼1に左右方向の曲りがある
と、案内装置2及び冷却装置20はこれに沿って移動
し、左右移動装置13,13aもガイドレール14a,
14bに沿って移動する。左右移動装置13,13aが
移動すると、これとベルト等19,19aで連結された
左右移動装置13b,13c、ロッド駆動装置17,1
7aも移動し、この移動はロッド18,18aを介して
冷却ヘッダ30を移動させ、フランジ冷却ノズル31a
〜31c及びフィレット冷却ノズル32a,32bとフ
ランジ1aの外面との距離を、常に一定に保持する。
【0038】また、H形鋼1に上下方向の曲りがあり、
これに追従した案内装置2によりピストン11が上下方
向に移動すると、その変位が変位検出器16で検出さ
れ、変位量に対応した電気信号を出力してロッド駆動装
置17,17aに送信する。この信号を受けたロッド駆
動装置17,17aは、ピストン11の変位量に対応し
てロッド18,18aを昇降させ、これに連結された冷
却ヘッダ30を昇降させ、フィレット部1cと対向した
位置に保持する。
【0039】上記のように構成した本実施例により圧延
後のH形鋼1を冷却した。このH形鋼1は上下方向の曲
り10mあたり45mmあったが、フランジ冷却ノズル
31a〜31c及びフィレット部冷却ノズル32a,3
2bと被冷却面との距離を、高さ方向に±6mm以内、
幅方向に±5mmに維持することができた。これにより
フランジ冷却ノズル31a〜31cの高さ方向のずれ、
及びフィレット部冷却ノズル32a,32bの位置ずれ
によるフランジ1a,1aの上下の温度差を解消するこ
とができ、材質の均一化をはかることができた。また、
フランジ1a,1aの上下の温度差が解消されたことに
より、完全冷却後に現われる曲りもきわめて軽微であっ
た。
【0040】上記の説明では、H形鋼1の左右方向の曲
りに追従する案内装置2及び冷却装置20の動きを、ベ
ルト等19,19aを介してロッド18,18aに伝達
し、冷却ヘッダ30を移動させる場合を示したが、他の
機械的又は電気的手段により冷却ヘッダ20を移動させ
てもよい。また、H形鋼1の上下方向の曲りに追従する
案内装置2の動きを変位検出器16で検出し、その出力
信号に対応してロッド駆動装置17,17aによりロッ
ド18,18aを昇降させ、冷却ヘッダ30を上下方向
に移動させる場合を示したが、他の電気的又は機械的手
段により冷却ヘッダ30を移動させるようにしてもよ
い。
【0041】実施例5 図8は本発明の第5の実施例を模式的に示した斜視図で
ある。なお、第1の実施例と同じ機能の部分にはこれと
同じ符号を付し、説明を省略する。本実施例は、実施例
1の案内装置2により、搬送ロール26の下側に設置さ
れたH形鋼1の下面を冷却する下部冷却ノズルの角度を
制御するようにしたものである。
【0042】図において、35は案内装置2に取付けら
れ、案内装置2の幅方向の位置を検出する位置検出器
で、その出力信号は制御器36に加えられ、制御器36
は案内装置2の偏位量に対応した制御信号を出力し、モ
ータ37に加える。40は搬送ロール26の下方に設置
され、H形鋼1の下面を冷却する冷却ヘッダで、所定の
間隔で複数のノズル41a,41b,41cが回動可能
に装着されている。42は各ノズル41a〜41cに連
結されたバーで、モータ37により回動される。
【0043】上記のように構成した本実施例において、
H形鋼1の左右方向の曲りに対応して案内装置2が左右
方向に移動すると、位置検出器35がこれを検出し、そ
の出力信号が制御器36に送られる。制御器36は案内
装置2の基準位置と現在位置との偏差に対応した制御信
号を出力してモータ37に加え、これを駆動する。これ
により、バー42は制御信号、したがって、案内装置2
の移動量に対応して回動され、これに連結されたノズル
41a〜41cの角度を制御する。
【0044】本実施例によれば、H形鋼1の上下を均一
に冷却することができ、また、H形鋼のサイズの変形に
も容易に対応することができる。なお、上記の説明で
は、案内装置2に取付けた位置検出器35により案内装
置2の位置を検出し、これに基いてモータ37によりノ
ズル41a〜41cの角度を制御する場合について述べ
たが、他の手段によりノズル41a〜41cの角度を制
御するようにしてもよい。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば次のような効果を得ることができる。 (1)左右復元手段及び上下復元手段に連結された一対
の案内部材からなり、H形鋼のウェブとフランジの間に
挿入される案内装置と、この案内装置に後続し、案内装
置により位置制御される冷却装置とによりH形鋼を冷却
するようにしたので、冷却するH形鋼のサイズが変更さ
れてもラインを止めて冷却装置を交換したり調整したり
する必要がなく(従来は、冷却装置の交換に平均5人で
1〜2時間を要していた)、自動的にこれに対応するこ
とができる。このため、作業能率を大幅に向上すること
ができる。
【0046】また、冷却するH形鋼に左右方向あるいは
上下方向の曲りがあっても、案内装置がこれに沿って移
動すると共に、冷却装置もこれに追従して移動し、冷却
装置と被冷却面との距離を常にほぼ一定に維持するよう
にしたので、H形鋼を均一に冷却することができ、材質
の不均一をなくし高品質のH形鋼を得ることができる。
【0047】さらに、ノズルを有しH形鋼の搬送ライン
に沿って設置され、H形鋼のフランジ外面を冷却する冷
却ヘッダの位置制御を行うようにしたので、フランジの
上下の温度差を解消して材質の均一化を実現することが
でき、また、この温度差の解消により完全冷却後に現れ
る曲りを軽微に抑えることができる。
【0048】()上記(1)の案内装置により、ノズ
ルを有しH形鋼の下方に設置された冷却ヘッダのノズル
の角度を制御するようにしたので、上記(1)の効果を
有すると共に、H形鋼の上下を均一に冷却でき、均一な
材質のH形鋼を得ることができる。
【0049】()上記(1)又は(2)の案内部材の
H形鋼と接する面を、前部がH形鋼から遠ざかる弓状に
形成したので、案内装置が、搬送されるH形鋼のフラン
ジとウェブで形成された溝状部に円滑に挿入される。ま
た、案内装置とH形鋼との接触面積が小さいので抵抗が
少なく、H形鋼を円滑に搬送することができる。
【0050】()上記(1)〜()の案内装置のH
形鋼と接する面に複数のロールを設けたので、H形鋼を
円滑に搬送することができ、また、接触面に傷がつくこ
ともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を模式的に示した斜視図
である。
【図2】図1の要部の平断面図及び縦断面図である。
【図3】第1の実施例の作用説明図である。
【図4】本発明の第2の実施例の説明図である。
【図5】図4の要部の平断面図及び縦断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例の説明図である。
【図7】本発明の第4の実施例を模式的に示した斜視図
である。
【図8】本発明の第5の実施例を模式的に示した斜視図
である。
【符号の説明】
1 H形鋼 2 案内装置 3a,3b 案内部材 4 ロール 5,5a 復元装置 10,10a 上下移動装置 13,13a,13b,13c 左右移動装置 14a,14b ガイドレール 15a,15b ロッド 16 変位検出器 17,17a ロッド駆動装置 18,18a ロッド 20 冷却装置 21a,21b 冷却器 30,40 冷却ヘッダ 35 位置検出器 41a〜41c ノズル 42 バー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−71301(JP,A) 特開 昭50−112260(JP,A) 特開 昭52−104450(JP,A) 特開 平7−155823(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 45/02 320

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延されて搬送ライン上を搬送されるH
    形鋼の冷却装置において、 左右復元手段及び上下復元手段に連結された一対の案内
    部材からなり、H形鋼のウェブとフランジの間に挿入さ
    れる案内装置と、 該案内装置に後続し、該案内装置により位置制御される
    冷却装置と ノズルを有しH形鋼の搬送ラインに沿って設置され、案
    内装置により位置制御されてH形鋼のフランジ外側面を
    冷却する冷却ヘッダと を備えたことを特徴とするH形鋼
    の冷却装置。
  2. 【請求項2】 ノズルを有しH形鋼の搬送ラインの下方
    に設置され、案内装置により前記ノズルの角度が制御さ
    れる冷却ヘッダを備えたことを特徴とする請求項1記載
    のH形鋼の冷却装置。
  3. 【請求項3】 案内部材のH形鋼と接する面を前部が前
    記H形鋼から遠ざかる弓状に形成したことを特徴とする
    請求項1又は2記載のH形鋼の冷却装置。
  4. 【請求項4】 案内装置のH形鋼と接する面に複数のロ
    ールを設けたことを特徴とする請求項1,2,3のいず
    れかに記載のH形鋼の冷却装置。
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