JP3334187B2 - Vtrの記録速度モード判別回路 - Google Patents

Vtrの記録速度モード判別回路

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JP3334187B2 JP28072692A JP28072692A JP3334187B2 JP 3334187 B2 JP3334187 B2 JP 3334187B2 JP 28072692 A JP28072692 A JP 28072692A JP 28072692 A JP28072692 A JP 28072692A JP 3334187 B2 JP3334187 B2 JP 3334187B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば8mmVT
Rの記録速度モードを変速再生中に判断するのに用いて
好適なVTRの記録速度モード判別回路に関する。
【0002】
【従来の技術】8mmVTRでは、標準モード(SPモ
ード)と、長時間モード(LPモード)の2つの記録速
度モードが設定できる。テープに記録されている記録信
号がこれら2つの記録速度モードのうちのどちらである
かを、キュー、レビュー、早送り、巻き戻し等、通常の
再生速度とは異なる速度で再生している間に判断するこ
とは、変速再生中にトラック切り換えに起因するノイズ
位置を安定させるためや、狂いのないテープカウンタを
実現するために、不可欠である。
【0003】VHS方式のようにコントロールトラック
を持つ場合には、コントロールパルスの周期を測ること
により、変速再生中にVTRの記録速度モードを判別す
ることができる。しかしながら、8mmVTRでは、コ
ントロールトラックを有していないため、コントロール
パルスの周期から記録速度モードを判別できない。
【0004】そこで、8mmVTRでは、従来、回転ヘ
ッドによって再生される再生信号のエンベロープを用い
て、変速再生中に記録速度モードを判断するようにして
いる。
【0005】つまり、図4AはSPモードで記録したテ
ープで変速再生した時のヘッドの軌跡を示し、図4Bは
LPモードで記録したテープで変速再生した時のヘッド
の軌跡を示すものである。図4A及び図4Bに示すよう
に、SPモードの時のトラックT1の幅は広くなり、L
Pモードの時のトラックT2の幅は狭くなる。再生時の
回転ヘッドの幅は、SPモードの時の幅の広い記録トラ
ックT1の幅とほぼ等しい。
【0006】図5Aは、SPモードの時の再生信号の波
形を示し、図6AはLPモードの時の再生波形を示す。
再生時の回転ヘッドの幅は、SPモードの時の幅の広い
記録トラックT1の幅とほぼ等しくなるので、再生信号
のエンベロープのうねりは、SP記録された領域を再生
しているとき(図5A)の方がLP領域を再生している
とき(図6A)に比べて大きくなる。したがって、再生
波形を検波して、その再生波形のエンベロープの振幅を
比較すれば、SPモードかLPモードかを判断できる。
すなわち、図6BはSPモードの時の再生信号を検波し
た波形を示し、図7BはSPモードの時の再生信号を検
波した波形を示す。SPモード及びLPモードのときの
検波信号の振幅AC1及びAC2とを比較すると、SP
モードの時の検波信号の振幅AC1は、LPモードの時
の検波信号の振幅AC2に比べて大きくなる。したがっ
て、再生信号を検波し、その検波信号の振幅レベルがし
きい値以上かどうかを判断することでSPモードかLP
モードかを判断できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、回転ヘッド
によって再生される信号のレベルは、トラック幅だけで
なく、テープの種類、そのテープが記録されたときの記
録電流の大きさ、また周囲温度にも依存する。このた
め、上述のように、再生信号を検波し、その検波信号の
振幅レベルがしきい値以上かどうかを判断することで、
SPモードかLPモードかを判断する場合には、検波信
号の振幅レベルを比較するしきい値の設定が困難であ
り、調整が難しくなるという問題がある。また、温度特
性等で再生信号レベルが変動した場合に、モードを誤判
別するという問題がある。
【0008】したがって、この発明の目的は、変速再生
中に記録速度モードを確実に判別できるモード判別回路
を提供することにある。
【0009】この発明の他の目的は、温度変動の影響を
受けにくく、調整が簡単なモード判別回路を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、複数の記録
速度モードが設定可能なVTRで変速再生中に記録速度
モードを判別する記録速度モード判別回路において、変
速再生時にヘッドからの再生信号のエンベロープの谷間
のレベルがしきい値以下かどうかを検出して記録速度モ
ードを判断するようにしたことを特徴とするVTRの記
録速度モード判別回路である。
【0011】
【作用】2つの記録速度モードSP及びLPを有するV
TRで、変速再生動作中にビデオヘッドによってテープ
から拾われるRF信号の振幅が標準モードではほとんど
0にまで減少する期間があることを利用して、キュー、
レビュー、巻戻し、早送り等通常再生とは異な速度での
再生動作中に、走行しているテープの記録速度モードを
正確に判別できる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して説明する。図1は、この発明が8mmVTRに適
用された一実施例である。図1において、テープ1から
の再生RF信号が回転ヘッド2により再生され、増幅器
3によって適当なレベルにまで増幅される。増幅器3の
出力が再生ビデオ信号処理回路4に供給されるととも
に、検波回路5に供給される。
【0013】再生ビデオ信号処理回路4により、再生F
M変調輝度信号から輝度信号が復調されるとともに、再
生低域変換クロマ信号の搬送波周波数が例えば周波数
3.58MHzの搬送波周波数に戻され、例えばNTS
C方式の複合ビデオ信号が再生される。この再生ビデオ
信号が出力端子6から出力される。
【0014】検波回路5により、テープ1からの再生R
F信号が検波される。この検波回路5の出力がローパス
フィルタ7に供給される。ローパスフィルタ7により、
検波回路5の出力が適当な時定数によって積分され、再
生信号のエンベロープを表わす波形に変換される。ロー
パスフィルタ7の出力がレベルシフト回路8を介してコ
ンパレータ9の一方の入力端に供給される。
【0015】また、検波回路5のオフセット電圧が電圧
フォロア回路10を介してコンパレータ9の他方の入力
端に供給される。コンパレータ9の出力がローパスフィ
ルタ11を介してコンパレータ12の一方の入力端に供
給される。コンパレータ12の他方の入力端には、基準
電圧源13より所定のしきい値Vth2 が与えられる。コ
ンパレータ12の出力端から出力端子14が導出され
る。出力端子14の出力から、LPモードとSPモード
の判別信号が出力される。
【0016】この発明の一実施例では、再生RF信号の
エンベロープを検出し、このエンベロープが最も低くな
る谷間のレベルに着目し、そのレベルを直流的に処理す
ることにより、モードを判別している。
【0017】つまり、SPモードでは、変速再生中の回
転ヘッド2からの再生信号は、図2Aに示すようにな
る。また、LPモードでは、変速再生中の回転ヘッド2
の再生信号は、図3Aに示すようになる。図2Aと図3
Aとを比較すれば分かるように、SPモードの場合(図
2A)にはLPモードの場合(図3A)に比べ再生RF
信号のエンベロープの振幅が大きくなると共に、SPモ
ードの場合の再生信号のエンベロープの谷間の部分A1
は、LPモードの場合の再生信号のエンベロープの谷間
の部分A2に比べて低レベルまで下がる。すなわち、S
Pモードの場合の再生RF信号のエンベロープの谷間の
部分A1は0レベル近くまで下がる。これは、回転ヘッ
ド2の幅がSPモードの時のトラック幅に略等しいから
である。このことから、再生信号のエンベロープの谷間
の部分が0付近まで下がっているかどうかを検出すれ
ば、記録速度モードを判断できる。
【0018】ヘッド2からの再生信号は、検波回路5で
検波され、ローパスフィルタ7で積分される。したがっ
て、記録信号がSPモードの場合には、ローパスフィル
タ7からは図2Bに示すような信号が出力され、記録信
号がLPモードの場合には、ローパスフィルタ7からは
図3Bに示すような信号が出力される。
【0019】ローパスフィルタ7の出力はコンパレータ
9に供給され、コンパレータ9でしきい値Vth1 と比較
される。このしきい値Vth1 は、テープ上に再生される
べき信号が無く、検波回路5に増幅器3の雑音のみが供
給される状態でのレベル以上でLPモードで記録された
テープを変速再生したときのエンベロープ波形の谷間の
値以下に設定される。具体的には、無信号再生時のエン
ベロープよりやや高いレベルに設定すれは良い。
【0020】このしきい値Vth1 は、勿論固定の外部の
電圧源から得るようにしても良いが、この発明の一実施
例では、検波回路5のオフセット電圧を電圧フォロア1
0で取り出して、しきい値Vth1 を得るようにしてい
る。このように検波回路5のオフセット電圧を利用して
しきい値Vth1 を形成すると、温度変動が生じても、安
定してモード判別を行なえる。
【0021】すなわち、検波回路5の出力にはオフセッ
ト電圧が現れる。このオフセット電圧は、温度変動の影
響により変化する。しきい値Vth1 を検波回路5のオフ
セット電圧を利用して形成すると、温度変動により検波
回路5の出力としきい値Vth1 が同様に変化するため、
温度変動の影響が生じない。
【0022】なお、検波回路5の出力レベルに対してし
きい値Vth1 を適切に設定するために、レベルシフト回
路8が設けられている。レベルシフト回路8は、例えば
分圧回路により実現できる。このようなレベルシフト回
路8を設けることにより、検波回路5の出力レベルに対
するしきい値Vth1 のレベルが上述の関係に設定され
る。
【0023】検波回路5の出力としきい値Vth1 とを比
較して得られるコンパレータ9の出力は、記録信号がS
Pモードの場合には、図2Cに示すように、比較的幅の
広い方形波となる。これに対して、記録信号がLPモー
ドの場合には、コンパレータ9の出力は、図3Cに示す
ように、ノイズ等によりごく細いパルスが生じることは
あるが、略“L”レベルとなる。
【0024】このコンパレータ9の出力(図2C、図3
C)がローパスフィルタ11で積分される。記録信号が
SPモードの場合には、コンパレータ9の出力が幅の広
い方形波となるので、図2Dに示すように、ローパスフ
ィルタ11の出力信号レベルV1 は大きくなる。これに
対して、記録速度モードがLPモードの場合には、コン
パレータ9の出力が略0であるから、図3Dに示すよう
に、ローパスフィルタ11の出力信号レベルV2 は略0
である。
【0025】このローパスフィルタ11の出力としきい
値Vth2 とがコンパレータ12で比較される。コンパレ
ータ12の出力は、変速再生されているテープの記録速
度モードがSPモードのときは“H”、LPモードのと
きは“L”となる。
【0026】コンパレータ12の出力は、通常VTRの
システムコントローラ(図示せず)に供給される。シス
テムコントローラは、変速再生中にこの信号を調べるこ
とによりテープの記録速度に合わせた変速再生を行なう
ことができる。システムコントローラは、そのときのテ
ープ再生が通常再生であるか変速再生であるかを知って
いるから、この判別回路の出力を通常再生中に調べるこ
とで、テープ上に記録された信号があるかないかを知る
ことも可能である。
【0027】
【発明の効果】この発明では、判別動作の記録電流依存
性や再生信号レベルの温度変化に対して、きわめて安定
した動作を行なうことができる。このことは、結果とし
ての動作の信頼性だけでなく、調整工程を省くことがで
きるという製造上の利点をも同時にもたらす。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例のブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の説明に用いる波形図であ
る。
【図3】この発明の一実施例の説明に用いる波形図であ
る。
【図4】従来の記録モード判別回路の説明に用いる略線
図である。
【図5】従来の記録モード判別回路の説明に用いる波形
図である。
【図6】従来の記録モード判別回路の説明に用いる波形
図である。
【符号の説明】
2 回転ヘッド 5 検波回路 9,12 コンパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/782 - 5/783 H04N 5/91 - 5/956 G11B 15/087 G11B 15/467

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の記録速度モードが設定可能なVT
    Rで変速再生中に記録速度モードを判別する記録速度モ
    ード判別回路において、 変速再生時にヘッドからの再生信号のエンベロープの谷
    間のレベルがしきい値以下かどうかを検出して記録速度
    モードを判断するようにしたことを特徴とするVTRの
    記録速度モード判別回路。
  2. 【請求項2】 複数の記録速度モードが設定可能なVT
    Rで変速再生時に記録速度モードを判別する記録速度モ
    ード判別回路において、 変速再生時にヘッドからの再生信号のエンベロープレベ
    ルを検出する検波回路と、 上記検波回路から出力される上記再生信号のエンベロー
    プとしきい値とを比較し、上記再生信号のエンベロープ
    レベルが上記しきい値以下となる期間を検出する回路
    と、 上記比較回路の出力から記録速度モードを判別する判別
    回路とからなるVTRの記録速度モード判別回路。
  3. 【請求項3】 上記複数の記録速度モードは、標準モー
    ドと長時間モードであり、上記しきい値は、無信号再生
    時のレベル以上長時間記録モードのときのエンベロープ
    波形の谷間のレベル以下に設定されるようにした請求項
    1又は請求項2記載のVTRの記録速度モード判別回
    路。
  4. 【請求項4】 上記しきい値は、上記検波回路のオフセ
    ット電圧を利用して形成するようにした請求項2記載の
    VTRの記録速度モード判別回路。
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