JP3334173B2 - 難燃性樹脂およびその組成物 - Google Patents
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Description
難燃性樹脂及びその組成物に関する。本発明の難燃性樹
脂及びその組成物は、低誘電性が必要とされる電気・電
子用途における積層板用樹脂として特に有用であるが、
封止用途や成形用樹脂にも応用可能である。
キシ樹脂組成物のなかで、プリント配線基板用の材料と
しては、主としてビスフェノール型エポキシ樹脂とジシ
アンジアミドの組み合わせが用いられている。近年、プ
リント配線基板の高密度化や多層化に伴い、主に信号速
度向上の目的から樹脂の低誘電性が要求されてきてい
る。この要求に応えるための手段として、従来のエポキ
シ樹脂組成物では、低誘電性の熱可塑性樹脂を添加する
方法が周知であるが、この方法によれば、エポキシ樹脂
の耐熱性や接着性を損なう欠点が指摘され、実用に耐え
得る低誘電性樹脂の要求性能を十分に満たすことができ
なかった。
問題を解決しようとするものである。すなわち、低誘電
性かつ難燃性のエポキシ樹脂及びその組成物を得ようと
するものである。
を損なわずに難燃性を付与する方法について鋭意研究を
続けた結果、下記の樹脂及びその組成物が優れた低誘電
性と難燃性を兼ね備えていることを見出し、本発明を完
成させるに至った。
をとる。R、R’はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数
1〜10のアルキル基または炭素数5〜7のシクロアル
キル基を示すが、少なくとも一方は、炭素数2〜10の
アルキル基または炭素数5〜7のシクロアルキル基であ
る。P,Qはそれぞれ独立に、少なくとも1つは炭素数
4〜10のアルキル基または炭素数5〜7のシクロアル
キル基であり、その他は炭素数1〜10のアルキル基ま
たは炭素数5〜7のシクロアルキル基であり、それぞれ
互いに同一であっても異なっていてもよく、さらに、
i,jはそれぞれ独立に、1〜4の整数値をとる。)で
表されるエポキシ化合物と、
Xは、炭素数4〜10のアルキル基またはシクロアルキ
ル基であり、複数存在するときはそれらは互いに同一で
あっても異なっていてもよい。X’は、炭素数1〜3の
アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1
〜20のアリーロキシ基または炭素数1〜20のアラル
キル基であり、複数存在するときはそれらは互いに同一
であっても異なっていてもよい。kは、1〜4の整数値
で、lは、k+lの値が、Aに含まれる芳香環の置換可
能な位置の数以下である条件を満たすように定義され
る。)で表されるジヒドロキシ化合物と、
Y’はそれぞれ独立に、少なくとも1つはハロゲン原子
であって、残りは炭素数1〜10のアルキル基またはシ
クロアルキル基であってもよく、Y,Y’は互いに同一
であっても異なっていてもよい。r,sはそれぞれ独立
に、1〜4の整数値をとる。)で表される含ハロゲンビ
スフェノール化合物のジグリシジルエーテルを、反応さ
せることにより得られる難燃性樹脂に関する。また、本
発明は上記の難燃性樹脂と硬化剤からなる難燃性樹脂組
成物に関するものである。
般的な合成法としては、下記一般式化9
におけるものと同様に定義される。)で表されるビスフ
ェノール型化合物と、エピクロロヒドリン或いはエピブ
ロモヒドリンに例示されるエピハロヒドリンとの塩基に
よる脱ハロゲン化水素反応といった公知の方法にて合成
することができるが、ジメチルスルホキシド(DMS
O)等の非プロトン性極性溶媒を用いて高純度化する方
法がより好ましく用いられる。
許4560808号、独国特許2418975号等に挙
げられた方法の他に、公知のいかなる方法で得られたも
のでも用いることができる。
製法としては、下記一般式化10
に定義される。)で表されるフェノール類及び
に定義される。)で表されるフェノール類と、
に定義される。)で表されるカルボニル化合物またはそ
のアセタール化物とを、酸触媒存在下で反応させる方法
を例示することができるが、この限りではない。
位数nは0〜10の任意の値をとり得るが、目的とする
樹脂の操作性や硬化反応速度を損なわないために、n
は、0〜5であることが好ましい。
子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基等に代表される炭素数1〜10のア
ルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シク
ロヘプチル基等に代表される炭素数5〜7のシクロアル
キル基が例示されるが、本発明における低誘電率化の達
成及び原料としての経済性の点からは、少なくとも一方
は炭素数2〜10のアルキル基または炭素数5〜7のシ
クロアルキル基であり、なかでもn−プロピル基、is
o−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、s
ec−ブチル基、シクロヘキシル基であることが好まし
い。
に、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等に代
表される炭素数1〜10のアルキル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シク
ロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基等に代表される
炭素数5〜7のシクロアルキル基が例示されるが、本発
明の目的とする低誘電率化を達成するためには、P,Q
それぞれについて、少なくとも1つはn−ブチル基、i
so−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、n−アミル基、iso−アミル基、sec−アミル
基、tert−アミル基、n−ヘキシル基、iso−ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基等に代表される炭素
数4〜10のアルキル基、あるいはシクロペンチル基、
シクロヘキシル基、シクロヘプチル基に代表される炭素
数5〜7のシクロアルキル基であることが好ましい。
物(A)の原料となるビスフェノール型化合物のうち、
好ましいものを具体的に例示すれば、1,1−ビス(4
−ヒドロキシ−5−t−ブチル−2−メチルフェニル)
ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−
5−sec−ブチル−2−メチルフェニル)ブタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフ
ェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−5−
t−アミル−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−t−アミルフェニル)ブタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−5−sec−アミ
ル−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシ−3−sec−アミルフェニル)ブタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル−
2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)ブタン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−5−t−ブチル−2−メチル
フェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−t−ブチルフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル−2−メチルフェニ
ル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−シ
クロヘキシルフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシ−5−t−ブチル−2−メチルフェニル)ヘ
キサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチ
ルフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
−5−シクロヘキシル−2−メチルフェニル)ヘキサ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシ
ルフェニル)ヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシ
−5−t−ブチル−2−メチルフェニル)ヘキサン、
3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニ
ル)ヘキサン、3,3−ビス(4−ヒドロキシ−5−シ
クロヘキシル−2−メチルフェニル)ヘキサン、3,3
−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニ
ル)ヘキサン等が挙げられる。
において、上記一般式中のAは少なくとも1個の芳香環
を有する有機基を示しており、例示すれば、ベンゼン、
ビフェニル、ジフェニルメタン、ジフェニルエタン、
1,1−ジフェニルプロパン、2,2−ジフェニルプロ
パン、1,1−ジフェニルブタン、2,2−ジフェニル
ペンタン、1,1−ジフェニルヘキサン、1,1−ジフ
ェニルシクロヘキサン、トリフェニルメタン、1,2,
2−トリフェニルエタン、ベンゾフェノン、ジフェニル
スルフォン、ジフェニルエーテル、ジフェニルチオエー
テル等が挙げられるが、本発明に好ましいものとして
は、ベンゼン、ジフェニルメタン、2,2−ジフェニル
プロパン、1,1−ジフェニルブタン、1,1−ジフェ
ニルシクロヘキサン、ジフェニルエーテルが用いられ
る。また、上記一般式中のXは、炭素数4〜10のアル
キル基またはシクロアルキル基であり、例示すれば、n
−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、
イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、イソヘキ
シル、t−ヘキシル、t−ヘプチル、イソオクチル、シ
クロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル基等が
挙げられるが、低誘電率化に好ましいものとしては、s
ec−ブチル、t−ブチル、イソペンチル、ネオペンチ
ル、t−ペンチル基が挙げられる。また、複数存在する
ときはそれらは互いに同一であっても異なっていてもよ
い。
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル等の炭素数1〜3のアルキル基、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ等の
炭素数1〜20のアルコキシ基、フェノキシ、ナフトキ
シ等のアリーロキシ基、またはベンジル、フェネチル等
の炭素数1〜20のアラルキル基が挙げられるが、本発
明に好ましいものとしては、メチル基、エチル基、メト
キシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ベンジル基が挙げ
られる。また、複数存在するときはそれらは互いに同一
であっても異なっていてもよい。
(B)について好ましく用いられるものを具体的に例示
すれば、t−ブチルヒドロキノン、ジ−t−ブチルヒド
ロキノン、t−ブチルレゾルシノール、ジ−t−ブチル
レゾルシノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−
t−ブチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシ−5−t−ブチル−2−メチルフェニル)ブタ
ン、ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチル)メタン、
ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフ
ェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−
t−ブチルフェニル)メタン、シクロヘキシルヒドロキ
ノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキ
シルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シ−5−シクロヘキシル−2−メチルフェニル)ブタ
ン、ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシル)メタ
ン、ビス(2−ヒドロキシ−3−シクロヘキシル−5−
メチルフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,
5−ジ−シクロヘキシルフェニル)メタン、4,4’−
ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチルジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジシクロ
ヘキシルジフェニルエーテル等が挙げられるが、経済性
および低誘電性の点から、2,6−ジ−t−ブチルヒド
ロキノン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チル−2−メチルフェニル)ブタン、ビス(2−ヒドロ
キシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、
ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニ
ル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−5−シク
ロヘキシル−2−メチルフェニル)ブタンが特に好まし
く用いられる。
化合物のジグリシジルエーテル(C)は、上記一般式
中、Y、Y’はそれぞれ独立に、少なくとも1つはハロ
ゲン原子であって、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、
ヨウ素原子のうち、臭素原子が好ましい。またハロゲン
原子以外の置換基の場合は、炭素数1〜10のアルキル
基またはシクロアルキル基であってもよく、好ましく
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−
アミル基、イソアミル基、シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基、シクロヘプチル基である。またY,Y’は互
いに同一であっても異なっていてもよい。
ジグリシジルエーテル(C)について具体的に例示すれ
ば、テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエー
テル、テトラクロロビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテル、テトラヨードビスフェノールAのジグリシジル
エーテル、テトラブロモビスフェノールFのジグリシジ
ルエーテル、テトラクロロビスフェノールFのジグリシ
ジルエーテル、テトラブロモビスフェノールCのジグリ
シジルエーテル、テトラクロロビスフェノールCのジグ
リシジルエーテル、トリブロモビスフェノールAのジグ
リシジルエーテル、2,2’−ジブロモビスフェノール
Aのジグリシジルエーテル等が挙げられるが、経済性及
び効率的な難燃性付与の点からテトラブロモビスフェノ
ールAのジグリシジルエーテルが好ましく用いられる。
キシ化合物(B)と含ハロゲンビスフェノール化合物の
ジグリシジルエーテル(C)との反応は公知の方法で行
えば良い。
意の割合で反応させることができるが、本発明に好まし
くは、エポキシ化合物(A)は、低誘電性を保つために
樹脂全体の30〜70重量%の範囲で用いられ、ジヒド
ロキシ化合物(B)は、樹脂自体の粘度を適切な範囲内
とするために樹脂全体の5〜40重量%の範囲内で用い
られ、さらに含ハロゲンビスフェノール化合物のジグリ
シジルエーテル(C)は、難燃性と低誘電率のバランス
をとるために、樹脂全体の臭素含量が15〜40重量%
となる範囲内で用いることができる。
も、用いずに行ってもよい。溶媒を用いる場合は、汎用
有機溶媒を用いることができ、例示すればアセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、
メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール系
溶媒等が挙げられるが、好ましくはメチルエチルケト
ン、トルエン、キシレン、ブチルセロソルブ、ジオキサ
ン、ジエチレングリコールジメチルエーテルが用いられ
る。
の範囲内で行うことができるが、反応を効率よくかつ副
反応を抑えるためには、80〜150℃の範囲内で行う
ことが好ましい。上記の成分をトリフェニルホスフィン
またはイミダゾール等の塩基性触媒の存在下で反応させ
ることができる。触媒量は、少ない場合は反応時間が長
くなり、多い場合は製品の安定性が悪くなるため、対樹
脂(重量)で10-2〜10-5の量が好ましい。
の硬化剤を用いることが出来る。硬化剤としては、例え
ば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、
1,1,1−トリスヒドロキシフェニルエタン、フェノ
ール類と芳香族アルデヒド類との重縮合物、フェノール
類と不飽和脂環式化合物との付加物オリゴマー、フェノ
ール類のキシリレン結合オリゴマー、ポリヒドロキシス
チレン、ポリヒドロキシブロモスチレン等の多価フェノ
ール類、芳香族アミン、脂肪族アミン等のアミン系硬化
剤、酸無水物、ジシアンジアミド、ヒドラジド化合物、
ルイス酸錯体等が挙げられる。好ましくは、ジシアンジ
アミドあるいは多価フェノール類である。また、その配
合量についてはエポキシ基に対して、0.3〜1.2当
量が好ましい。
従来公知の二官能エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、
他の熱硬化性樹脂または官能基を有する熱可塑性樹脂等
を併用することも可能である。具体的には、ビスフェノ
ールAのグリシジルエーテル、フェノールノボラックの
グリシジルエーテル、クレゾールノボラックのグリシジ
ルエーテル、ブロモ化フェノールノボラックのグリシジ
ルエーテル、不飽和ポリエステル樹脂、シアネート樹
脂、マレイミド樹脂、グリシジル修飾ポリブタジエン、
無水マレイン酸修飾ポリエチレン等である。これらの樹
脂は本発明の樹脂中に混合されていてもよいし、本発明
の樹脂と予め反応させておいて用いることもできる。
進剤、併用難燃剤、離型剤、表面処理剤、充填剤等の公
知の添加剤を加えてもよい。硬化促進剤としてはイミダ
ゾール類、三級アミン類、リン系化合物を、併用難燃剤
としては三酸化アンチモン、赤リン等を、離型剤として
はワックス類、ステアリン酸亜鉛等を、さらに表面処理
剤としてはシランカップリング剤を挙げることができ
る。充填剤としてはシリカ、アルミナ、タルク、クレ
ー、ガラス繊維等を挙げることができる。
には樹脂組成物をメチルエチルケトン、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、1,4−ジオキサン等の溶剤
を用いて均一に溶解させ、ガラス繊維、ポリエステル繊
維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維等の有機、無機繊維
からなる織布、マット、紙あるいはこれらの組み合わせ
からなる基材に含浸させ、加熱乾燥して得たプリプレグ
を熱プレス成形する方法が挙げられるが、これらの方法
に限定されない。
れらに限定されるものではない。例中、エポキシ当量と
は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で定
義される。臭素含量は、樹脂固形分基準の重量%で定義
される。
合物(A)の製法例に関するものである。1,1−ビス
(4−ヒドロキシ−5−t−ブチル−2−メチルフェニ
ル)ブタン114.6g(0.6 OH moleq、
OH当量191g/eq.)、エピクロロヒドリン38
8.5g(4.2mol)、ジメチルスルホキシド19
5.3gを、温度計、攪拌装置、分離管付きコンデンサ
ーを付けた1リットル4つ口平底フラスコに仕込み、4
8℃ 41torrの条件下で48.6%苛性ソーダ水
溶液49.38g(0.6 mol)を4時間かけて滴
下する。この間、温度は48℃に保ちながら、共沸するエ
ピクロロヒドリンと水を冷却液化し、有機層を反応系内
に戻しながら反応させた。
ンを減圧濃縮により除去し、副生塩とジメチルスルホキ
シドを含むエポキシ化物をメチルイソブチルケトンに溶
解させ、副生塩とジメチルスルホキシドを温水洗浄によ
り除去した。減圧下で溶媒を除くことによりにより、エ
ポキシ化合物143.1gを得た。
エポキシ当量は260g/eqであった。赤外吸収スペ
クトル測定の結果、フェノール性OHの吸収3200−
3600cm-1は消失し、エポキシドの吸収1240、
910cm-1の吸収を有することが確認された。
ラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−5−t−ブチル−2−
メチルフェニル)ブタンとの付加反応により、臭素含量
が20重量%の難燃性末端エポキシ樹脂を得る方法に関
するものである。
2g、テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテル(住友化学工業(株)製、商品名:スミエポキシ
ESB−400、エポキシ当量403g/eq)40.
3g、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−5−t−ブチル
−2−メチルフェニル)ブタン8.5gを、温度計、冷
却管および攪拌装置を付けた500ml4つ口丸底フラ
スコに仕込み、120℃で加熱溶融させた後、トリフェ
ニルホスフィン20mg(対樹脂0.02重量%)をメ
チルエチルケトン1.0gに溶解した液を加えた後、溶
媒を除去しながら130℃に昇温し、3時間保持し、反
応物を冷却して取り出すことにより目的の付加物10
0.0gを得る。得られた付加物のエポキシ当量は、3
80.0g/eq.であった。
ラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル、
2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンの付加反応によ
り、臭素含量が20重量%の難燃性末端エポキシ樹脂を
得る方法に関するものである。
7g、テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテル(住友化学工業(株)製、商品名:スミエポキシ
ESB−400、エポキシ当量403g/eq)40.
3g、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン6.0g
を、温度計、冷却管および攪拌装置を付けた500ml
4つ口丸底フラスコに仕込み、110℃で加熱溶融させ
た後、2−エチル−4−メチルイミダゾール34mgを
メチルエチルケトン1.0gに溶解した液を加えた後、
溶媒を除去しながら130℃に昇温し、2時間保持し、
反応物を冷却して取り出すことにより目的の付加物10
0.0gを得る。得られた付加物のエポキシ当量は、3
84.0g/eq.であった。
ラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビ
ス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチル)メ
タンとの付加反応により、臭素含量が20重量%の難燃
性末端エポキシ樹脂を得る方法に関するものである。
2g、テトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテル(住友化学工業(株)製 ESB−400、エポ
キシ当量403g/eq)40.3g、ビス(2−ヒド
ロキシ−3−t−ブチル−5−メチル)メタン8.5g
を、温度計、冷却管および攪拌装置を付けた500ml
4つ口丸底フラスコに仕込み、120℃で加熱溶融させ
た後、2−エチル−4−メチルイミダゾール31mgを
メチルエチルケトン1.0gに溶解した液を加えた後、
溶媒を除去しながら130℃に昇温し、3時間保持し、
反応物を冷却して取り出すことにより目的の付加物10
0.0gを得る。得られた付加物のエポキシ当量は、4
22.0g/eq.であった。
関するものである。実施例1で得られた難燃性樹脂に、
ジシアンジアミド(当量21)0.7当量と、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール0.2部を加え、メチルセ
ロソルブ/1,4−ジオキサン=1/1(w/w)50
%溶液調整する。160℃でBステージ化(予備硬化)
した後、170℃、50kg/cm2 で30分間プレス
することにより、厚さ約2mmの硬化物を得る。
関するものである。実施例2で得られた樹脂に、実施例
4と同様の操作を行うことにより、厚さ約2mmの硬化
物を得る。
関するものである。実施例3で得られた樹脂に、実施例
4と同様の操作を行うことにより、厚さ約2mmの硬化
物を得る。
とテトラブロモビスフェノールAの付加物と、オルソク
レゾールノボラックのグリシジルエーテルを用いた樹脂
の硬化物作成例に関するものである。スミエポキシES
B−500(商品名、エポキシ当量 493g/e
q.、住友化学工業(株)製)とスミエポキシESCN
−195XL(商品名、エポキシ当量 196g/e
q.、住友化学工業(株)製)を9対1の重量比で混合
したものを、実施例1と同様の操作をおこなうことによ
り厚さ約2mmの硬化物を得る。
物の誘電率を表1に示す。
得た厚さ約2mmの硬化物の両面に金属塗料により電極
を作成し、横河ヒューレットパッカード(株)製の42
75A Multi−Frequency LCR m
eterを用いて得た静電容量の値より算出して求め
た。
本発明の難燃性樹脂及びその組成物は従来の汎用的なエ
ポキシ樹脂に比べてかなり低誘電性の硬化物を与える。
本発明の難燃性樹脂及びその組成物は、低誘電性が必要
とされる電気・電子用途における積層板用樹脂及びその
組成物として特に有用であるが、封止用途や成形用樹脂
としても応用が可能である。
Claims (5)
- 【請求項1】(A)一般式化1 【化1】 (式中、nは平均繰り返し単位数を表し、0〜10の値
をとる。R、R'はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数
1〜10のアルキル基または炭素数5〜7のシクロアル
キル基を示すが、少なくとも一方は、炭素数2〜10の
アルキル基または炭素数5〜7のシクロアルキル基であ
る。P,Qはそれぞれ独立に、少なくとも1つは炭素数
4〜10のアルキル基または炭素数5〜7のシクロアル
キル基であり、その他は炭素数1〜10のアルキル基ま
たは炭素数5〜7のシクロアルキル基であり、それぞれ
互いに同一であっても異なっていてもよく、i、jはそ
れぞれ独立に、1〜4の整数値をとる。)で表されるエ
ポキシ化合物と、 (B)一般式化2 【化2】 (式中、Aは、芳香環を1個以上有する有機基を示す。
Xは、炭素数4〜10のアルキル基またはシクロアルキ
ル基であり、複数存在するときはそれらは互いに同一で
あっても異なっていてもよい。X'は、炭素数1〜3の
アルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1
〜20のアリーロキシ基または炭素数1〜20のアラル
キル基であり、複数存在するときはそれらは互いに同一
であっても異なっていてもよい。kは、1〜4の整数値
で、lはk+lの値がAに含まれる芳香環の置換可能な
位置の数以下である条件を満たすように定義される。)
で表されるジヒドロキシ化合物と、 (C)一般式化3 【化3】 (式中、Bは、炭素数1〜20の有機基を示す。Y、
Y'はそれぞれ独立に、少なくとも1つはハロゲン原子
であって、その他は炭素数1〜10のアルキル基または
シクロアルキル基であってもよく、Y,Y'は互いに同
一であっても異なっていてもよい。r,sはそれぞれ独
立に、1〜4の整数値をとる。)で表される含ハロゲン
ビスフェノール化合物のジグリシジルエーテルを、反応
させることにより得られる難燃性樹脂。 - 【請求項2】請求項1中で成分(B)が一般式化4 【化4】 (式中、Zは炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数1〜
20のアルキリデン基、炭素数5〜20のシクロアルキ
リデン基、炭素数6〜20のアラルキリデン基、炭素数
7〜20のシクロアルキルアルキリデン基、カルボニル
基、スルホン基、−O−または−S−を表す。X1 ,X
2 はそれぞれ独立に、炭素数4〜10のアルキル基また
はシクロアルキル基であり、それぞれは互いに同一であ
っても異なっていてもよい。X'1 ,X'2 はそれぞれ独
立に、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜20のア
ルコキシ基、炭素数1〜20のアリーロキシ基または炭
素数1〜20のアラルキル基であり、それぞれは互いに
同一であっても異なっていてもよい。k、mはそれぞれ
独立に、1〜4の整数値をとり、l、nはそれぞれ独立
に、k+l、m+nの値が、各々の芳香環に置換可能な
位置の数以下である条件を満たすように定義される。)
で表される請求項1記載の難燃性樹脂。 - 【請求項3】一般式化4におけるZが炭素数1〜4のア
ルキレン基、炭素数1〜20のアルキリデン基、炭素数
5〜20のシクロアルキリデン基、炭素数6〜8のアラ
ルキリデン基、炭素数7〜20のシクロアルキルアルキ
リデン基、カルボニル基、スルホン基、−O−または−
S−である請求項2記載の難燃性樹脂。 - 【請求項4】請求項1中で成分(B)が一般式化5 【化5】 (式中、Xは炭素数4〜10のアルキル基またはシクロ
アルキル基であり、複数存在するときはそれぞれは互い
に同一であっても異なっていてもよい。X'は炭素数1
〜3のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭
素数1〜20のアリーロキシ基または炭素数1〜20の
アラルキル基であり、複数存在するときはそれぞれは互
いに同一であっても異なっていてもよい。kは1〜4の
整数値であり、lはk+lの値が、芳香環に置換可能な
位置の数以下である条件を満たすように定義される。)
で表される請求項1の難燃性樹脂。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性樹
脂と硬化剤を必須成分とする難燃性樹脂組成物。
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JP21138992A JP3334173B2 (ja) | 1992-08-07 | 1992-08-07 | 難燃性樹脂およびその組成物 |
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---|---|
JPH0656963A JPH0656963A (ja) | 1994-03-01 |
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- 1992-08-07 JP JP21138992A patent/JP3334173B2/ja not_active Expired - Fee Related
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