JP3334062B2 - 廃タイヤ及びシュレッダーダスト用廃棄物焼却装置 - Google Patents

廃タイヤ及びシュレッダーダスト用廃棄物焼却装置

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JP3334062B2
JP3334062B2 JP13415693A JP13415693A JP3334062B2 JP 3334062 B2 JP3334062 B2 JP 3334062B2 JP 13415693 A JP13415693 A JP 13415693A JP 13415693 A JP13415693 A JP 13415693A JP 3334062 B2 JP3334062 B2 JP 3334062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種の可燃性廃棄物の焼
却装置に関するものであり、特に自動車スクラップ解体
に伴って発生する廃タイヤやシュレッダーダストなどを
始めとする種々の可燃性廃棄物を炉体内に装入して炉体
下部の燃焼域で燃焼させ、炉体上部から高温の燃焼ガス
を炉外設備に導いてエネルギー回収を行なう廃棄物焼却
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の焼却装置の典型的な例と
しては特開昭58−45279号公報に示されたものが
ある。この従来装置では、シャフト炉の頂部から漏洩シ
ールダンパと二段の開閉ダンパーを介して炉内に投入さ
れた廃タイヤなどを炉内下部のバーナーと羽口空気とで
酸化燃焼させ、その際に発生した燃焼ガスで炉体内の廃
タイヤを乾留して燃焼性ガスを得ると共にそれに含まれ
る液体燃料を捕集し、焼却灰は炉体下部のプールに蓄え
られた水中を介して外部に取り出すようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の装置
では、炉頂内に燃焼性の乾留ガスが存在するにもかかわ
らず現実の過酷な操業条件下で炉頂の漏洩シールダンパ
ーが安定して完全なシール機能を維持できるとは限ら
ず、また廃タイヤの投入のたびに開閉される二段の開閉
ダンパーも炉内の高熱過酷な条件下に曝されているので
充分な閉鎖状態が次第に得られなくなり、その結果、廃
タイヤの投入に伴って炉内の燃焼性の乾留ガスに炉頂部
からの外部空気が多く混入され、場合によっては燃焼性
ガスが炉内で急激に燃焼して爆発を起こす恐れがある。
【0004】また従来の装置では炉内から燃焼性の乾留
ガスとそれに気化状態で含まれる液体燃料とを捕集する
ため、炉から外部の捕集設備へ配管を介して乾留ガスを
導かなければならず、配管途中での冷却によって配管内
で油分の一部が凝結し、これにガス中のダストが付着し
て配管の閉鎖が起こり、その結果、炉内圧が上昇して炉
底部の水封が破れると炉内に大量の空気が侵入して、や
はり炉内爆発が生じる恐れがある。
【0005】更に従来の装置では、炉内で燃焼した廃タ
イヤの焼却灰が前記プール内の水中に間欠的に落ち、こ
のときに水中から多量の水蒸気が急激に発生して炉内圧
の不安定を招き、延ては炉の爆発等の異常事態に至るこ
ともある
【0006】本発明はこのような従来の装置のもつ欠点
を解決するために、廃棄物の炉内投入に際して異常燃焼
や爆発事故を起こす危険がなく、また燃焼ガスを外部へ
導く途中での油分凝結による配管閉鎖を考慮しなくて済
み、更に焼却灰発生量が少なく、焼却灰の水による消火
の必要性もない安全且つ連続操業可能な廃棄物焼却装置
を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の廃棄物焼却装置
では、焼却炉内で可燃性廃棄物を完全燃焼させ、発生し
た燃焼性ガスを炉内上部で空気の供給と共に消煙バーナ
ーで燃焼させ、外部設備へは高温の燃焼ガスとして送る
ようにしたものである。すなわち、請求項1に記載の発
明においては、→可燃性廃棄物を焼却炉体内に装入して
炉体下部の燃焼域で燃焼させ、炉体上部から高温の燃焼
ガスを炉外に導いてエネルギー回収を行なう廃棄物焼却
装置において、前記炉体上部から燃焼ガスを炉外設備に
導くために炉内頂部から滑らかな流線で前記炉外設備に
至る燃焼ガス取出耐火流路と、炉体内上部において前記
燃焼ガス取出耐火流路の下流へ向かう前記燃焼ガスに後
方から高圧空気を送り込んで残留可燃成分を燃焼させる
消煙バーナーと、前記消煙バーナーとは異なる位置で前
記炉体の側面上部に設けられた可燃性廃棄物投入用の開
口と、この開口を開閉可能に閉鎖するゲート装置と、ゲ
ート装置の前面で該ゲート装置に向かって進退動するこ
とにより前記ゲート装置が開かれた時に可燃性廃棄物を
前記開口から炉内へ装入する装入プレス手段とを設け
前記ゲート装置の炉外側から前記装入プレス手段に至る
シリンダ室内壁に火花防止の表面処理が施されているこ
とによって前述の課題を解決している。
【0008】請求項2に記載の発明おいては、前記炉外
設備としてアルミニウムなどの金属溶解炉と、熱エネル
ギー回収用の少なくとも一つの燃焼設備と、排ガス洗浄
設備と、前記取出耐火流路を前記金属溶解炉内に直結す
る流路系統と、該金属溶解炉からの排出ガスを前記燃焼
設備に導いて二次燃焼させる流路系統と、前記燃焼設備
からの排ガスを前記洗浄設備に導いて洗浄する流路系統
を備えている。
【0009】請求項3に記載の発明おいては、前記金属
溶解炉に対する被溶解金属のチャージに際して前記取出
耐火流路からの燃焼ガスを前記燃焼設備に側路するバイ
パス系統を更に備えている。
【0010】請求項4に記載の発明おいては、炉体底部
の炉床板に積層した焼却灰を外部に排出するために開閉
可能な焼却灰排出口と、該排出口に対抗する側から炉床
板に沿って進退動作する焼却灰押し出し装置とが炉体に
付設され、これら焼却灰排出口の開閉と焼却灰押し出し
装置の進退動作とが連動可能に構成されている。
【0011】
【作用】本発明の廃棄物焼却装置は、可燃性の廃タイヤ
やシュレッダーダスト廃棄物を炉体内に装入して炉体下
部の燃焼域で燃焼させ、炉体上部から高温の燃焼ガスを
炉外設備に導いてエネルギー回収を行なう。この場合、
投入された廃棄物は先ず炉内堆積の上層部で強熱の予熱
を受け、その固体分の熱分解が進む。次いで燃焼域に達
すると、多くの炭素分がほぼ完全に燃焼されて燃え残り
炭素の極めて少ないほぼ完全な灰分となり、最下層にほ
ぼ完全燃焼済の焼却灰層を形成する。焼却灰層内では、
わずかに残った炭素も余燃焼によって完全に灰化され、
従って多くの場合、排出灰は金属と灰のみとなり、排出
灰量は従来よりも激減する。前記炉体内堆積上部からの
燃焼ガスは、炉内頂部へ向かう間に炎を発生しながら燃
焼され、更に炉頂部から滑らかな流線で前記炉外設備に
至る燃焼ガス取出耐火流路へ向かって燃焼しながら送り
出され、炉外設備に導かれる。この取出耐火流路は、炉
体内に連続して内面を耐火キャスタブルで被覆した耐火
煉瓦層および水冷ジャケット構造の鉄皮により構成で
き、流路内では原則的に通過ガスに渦流や乱流が生じな
いように流路壁面を流線に沿って曲面で形成し、丸型ま
たは角型の流路断面積の変化も流線に沿って滑らかとな
るように形成することが好ましい。
【0012】炉体内上部では消煙バーナーが前記燃焼ガ
ス取出耐火流路の下流へ向かう前記燃焼ガスに後方から
高圧空気を送り込んで燃焼させ、従って炉内で発生した
燃焼性のガスは、炉頂部で含有油分およびダストも含め
て高温の燃焼状態となってそのまま取出耐火流路から炉
外設備へ送られるので、炉外設備に至る間に流路内面へ
の燃焼ガス中からの凝結油分や塵埃ダスト等の付着は極
めて少ない。
【0013】前記消煙バーナーとは異なる、例えば下方
または側方位置で前記炉体上部に設けられた可燃性廃棄
物投入用の開口は、ゲート装置によって開閉可能に閉鎖
される。このゲート装置は外部操作によって開閉され、
ゲート装置を介して前記開口に対面するように装入プレ
ス手段が配置されている。このゲート装置の炉外側から
前記装入プレス手段に至るシリンダ室内壁に軟質金属被
覆等による火花防止の表面処理が施されている。
【0014】ホッパーなどの投入口から投入されて前記
ゲート装置の前面に置かれた可燃性廃棄物は、ゲート装
置を開いて装入プレス手段による押し込み動作によって
炉内へ投入される。また別の投入法として、可燃性廃棄
物を一旦圧縮状態にプレスしてから、極く短時間のゲー
ト開放で炉内に投入することもできる。すなわち、この
場合、ホッパーから投入された廃棄物は、ゲート装置が
閉鎖状態の時に装入プレス手段によって前記シリンダ室
内で前記ゲート装置に向かって押圧プレスされると共
に、前記ゲート装置が開かれた時にプレスされた可燃性
廃棄物が同じプレス手段によって反力を支持された状態
で自身の復元力による反動を伴って炉内へ投入される。
このときプレス手段は前進運動を行なって可燃性廃棄物
を炉内へ押し込む動作も行なう。これらの押し込みの後
にプレス手段はただちに後退し、同時にゲート装置も直
ちに閉鎖される。
【0015】本発明の別の好ましい態様においては、前
記取出耐火流路を前記金属溶解炉内に直結する流路系統
と、該金属溶解炉からの排出ガスを前記燃焼設備に導い
て二次燃焼させる流路系統と、前記燃焼設備からの排ガ
スを前記洗浄設備に導いて洗浄する流路系統とを備えて
おり、炉内で発生した燃焼性のガスは、炉頂で直ちに燃
焼されて高温の燃焼状態のまま取出耐火流路を送られ、
好ましくは前記炉外設備として設けられたアルミニウム
などの金属溶解炉に熱源として送られて燃焼され、さら
に金属溶解炉から出てくるガスは熱エネルギー回収用の
少なくとも一つの燃焼設備で再び燃焼され、この間に含
有油分や固形分の流路癖への凝結付着を生じるような冷
却を受けないように系統が組まれる。
【0016】最終的な燃焼を受けた後の排ガスは洗浄設
備で洗煙除塵される。このように、途中で冷却を受ける
ような配管の介在をなくすことにより燃焼ガスに含まれ
る油分の凝結による配管の閉鎖の問題が解決され、炉内
圧力の異常上昇に伴う危険が回避される。
【0017】本発明の別の好ましい態様においては、前
記金属溶解炉に対する被溶解金属のチャージに際して前
記取出耐火流路からの燃焼ガスを前記燃焼設備に側路す
るバイパス系統が更に設けられており、これにより金属
溶解炉が被溶解金属のチャージ中にあるときにも前記取
出耐火流路からの燃焼ガスが遮断されることなく燃焼設
備に側路され、炉体からの燃焼ガスの取出し流量の急変
が回避されることから燃焼炉内の燃焼条件を安定に保っ
て連続操業を行なうことが可能となる。
【0018】前記炉体下部では複数の点火バーナーが炉
内に投入された廃棄物の集積の中に炭素燃焼域を形成
し、好ましくは前記点火バーナーは大出力の主点火バー
ナーと常時点火状態にすることのできる比較的小出力の
補助点火バーナーとを含み、燃焼の開始は主点火バーナ
ーおよび必要に応じて補助点火バーナーとの併用で、ま
た必要に応じて行なわれる燃焼の維持は補助点火バーナ
ーによるものとする。
【0019】前記ゲート装置は、煽り戸形式の他、好ま
しくはスライディング形式で構成される。スライディン
グゲート装置は固定フレームとスライド板とを含み、ス
ライド板には前記投入用開口に対応した開口部と前記投
入用開口を閉鎖する閉鎖部とが形成され、この閉鎖部の
炉内側の面には耐火物煉瓦層が設けられている。好まし
くは前記固定フレームと前記スライド板との摺動面はそ
れらの相対摺動方向と直交する断面内で屈曲した形状に
形成され、摺動面間の隙間を介して漏れようとする炉内
ガスに対する漏洩路の長さを実質的に長くしてシール性
を確保する。
【0020】前記スライディングゲート装置は、そのス
ライド板を駆動するための油圧ピストンシリンダ装置等
の動力駆動機構を備えることが望ましく、これはゲート
の開閉を迅速に行なうためと、シール性の向上のために
密に組み合わされたスライド板の大きな開閉トルクに対
処するためである。
【0021】前記炉体は任意の炉体内断面形状に構成す
ることができ、好ましくはストレートまたは下部へ向か
うにつれて内部が徐々に大面積になるようにして、炉内
における廃棄物の棚吊り(ブリッジ)現象の発生を回避
する。
【0022】炉体底部の炉床板上には、廃棄物の燃焼を
燃焼空気の吹き込み量の調整などによって最適に行なわ
せることにより、ほぼ完全燃焼した白色の焼却灰が堆積
するが、この灰は、炉体下部に外部からの操作によって
開閉可能に設けられた焼却灰排出口と、対抗する側から
炉床板に沿って進退動作する焼却灰押し出し装置とによ
って定期的に炉外に押し出される。完全燃焼した灰は炉
外の空気に触れても炎を発して燃焼することはなく、従
って例えばバケットによって捨て場に搬送可能であるの
で、炉体近傍で散水消火を行なう必要はなく、水蒸気の
間欠的な発生による炉内圧力の急激な変動も生じること
がない。
【0023】この場合、前記焼却灰排出口の開閉動作と
前記焼却灰押し出し装置の動作とを連動させることは好
ましいことであり、これにより炉内への不要な空気の流
入を制限して安定な連続操業を可能とすることができ
る。
【0024】
【実施例】本発明の好適な実施例を図面と共に説明すれ
ば、図1は本発明の実施例に係る廃棄物焼却装置の全体
構成を示す系統図、図2は主要部をなす炉体の実施例を
縦断面として模式的に示す説明図、図3はスライディン
グゲート装置近辺の拡大縦断面図、図4は図3のB−B
線矢視断面図、図5はスライド板を炉内側の面から示し
た正面図である。
【0025】図示の廃棄物焼却装置は、廃タイヤなどの
可燃性廃棄物を焼却炉100に装入してその炉体下部の
燃焼域でほぼ完全に燃焼させ、炉体上部から高温の燃焼
ガスを炉外設備に導いてエネルギー回収を行なうもので
あり、炉外設備として図1には焼却炉100の炉頂の取
出耐火流路から燃焼ガスを熱源として供給されるアルミ
ニウム溶解炉110と、該溶解炉からの排ガスを二次燃
焼させて熱交換器等によりエネルギー回収を行なう二次
燃焼室120と、二次燃焼室120からの排ガスを二次
燃焼させて同様に熱交換器等によりエネルギー回収を行
なう三次燃焼室130と、三次燃焼室130からの排ガ
スをアルカリ洗浄水などのシャワリングおよびダスト捕
集等により洗浄・浄化する洗煙装置140と、浄化され
た排ガスを必要に応じて熱風加熱して放散させる煙突設
備150とが一連のガス系統によって縦続的に接続され
て配置されている。
【0026】更にこの燃焼ガス系統には前記溶解炉11
0を側路するようにダンパー装置160を介してバイパ
ス耐火流路170が設けられている。すなわち、溶解炉
110に原料のアルミニウム屑などを装入する際には、
焼却炉100からの燃焼ガスが供給され続けていると溶
解炉110の内部が加圧状態となっているので溶解炉内
から加熱ガスが多量の粉塵と共に漏洩するが、このとき
にダンパー装置160を操作して焼却炉100からの燃
焼ガスの送り先をバイパス耐火流路170へ切り替え、
溶解炉110を迂回して直接二次燃焼室120へ送り込
むようにすることにより、溶解炉110内を外部大気圧
と同等の圧力にして発塵のない原料チャージができるよ
うにしてある。
【0027】焼却炉100とその燃焼ガス取出耐火流路
の構成は図2に示されている。図2において、前記焼却
炉100の炉体上部からの燃焼ガスは、炉内頂部から滑
らかな流線で前記炉外設備に至る燃焼ガス取出耐火流路
10によって前記溶解炉110に導かれている。この取
出耐火流路10は、炉体内に連続して内面を耐火キャス
タブルで被覆した耐火煉瓦層および水冷ジャケット構造
の鉄皮から構成され、流路10内では原則的に通過ガス
に渦流や乱流が生じないように流路壁面を流線に沿って
曲面で形成し、丸型または角型の流路断面積の変化も流
線に沿って滑らかとなるように形成してある。前記耐火
流路10は炉内空間と滑らかな断面形状変化で連続する
空間を形成し、炉内での廃棄物の堆積層は炉内上部に充
分な空間を残して形成される。この堆積層は、最下層の
焼却灰層Aと、その上部の炭素燃焼層Bと、更にその上
部の強熱分解層Cとを実質的に形成している。強熱分解
層Cで生じる熱分解ガスは、その上部の熱分解ガス燃焼
層Dで外部空気の調整された供給と共に燃焼され、炉頂
部の残留可燃ガス燃焼層Eおよび耐火流路10内の消煙
層Fで消煙バーナー11からの炎により更に完全に燃焼
が維持される。従ってこの焼却装置では炉内でガスの燃
焼をも行なうので、排ガスは燃焼性が比較的低く、爆発
の危険性の極めて低い高温ガスとして路外設備に供給さ
れる。燃焼層Bと熱分解層Cおよびガス燃焼層Dにおけ
る燃焼は、炉体下部に設けられたエアー導入ノズルから
の空気量の調整によって制御され、焼却灰層Aには従っ
て白色のほぼ完全燃焼した灰と廃棄物中の金属とが比較
的少ない量で堆積する。残留可燃ガス燃焼層Eおよび耐
火流路10内の消煙層Fでは燃焼で残った可燃性ガス成
分を燃焼させ、消煙する。
【0028】炉体内上部の消煙バーナー11は、前記燃
焼ガス取出耐火流路10の下流へ向かう前記燃焼ガスに
後方から高圧空気を送り込んで着火・燃焼させるように
配置されており、従って炉内で発生した燃焼性のガス
は、炉頂部で含有油分およびダストも含めて高温の燃焼
状態となってそのまま取出耐火流路10から溶解炉11
0へ送られるので、溶解炉110に至る間に流路10の
内面への燃焼ガス中からの凝結油分や塵埃ダスト等の付
着は極めて少ない。この消煙バーナーは必要に応じて複
数設けてもよい。
【0029】前記消煙バーナー11より下方の位置で前
記炉体上部に設けられた可燃性廃棄物投入用の開口2
は、スライディングゲート装置3によって開閉可能に閉
鎖される。このスライディングゲート装置3は油圧シリ
ンダ装置4によって上下方向に開閉され、スライディン
グゲート装置3を介して前記開口2に対面するように可
燃性廃棄物圧縮用のシリンダ室5が設けられている。
尚、このスライディングゲート装置3は直線移動によっ
て開閉を行なうタイプのものであるが、これに代わって
回転によって開閉を行なうロータリータイプのものを用
いることも可能である。
【0030】このシリンダ室5の前面には可燃性廃棄物
を投入するためのホッパー6が配置され、このホッパー
6から投入されて前記シリンダ室5の前面に置かれた可
燃性廃棄物は、プレスラム7の前進動作とスライディン
グゲート装置3の開口動作によって炉内へ投入される。
例えば、スライディングゲート装置3が閉鎖状態の時に
プレスラム7によって前記シリンダ室5内で前記廃棄物
を前記スライディングゲート装置3に向かって押圧プレ
スしてもよく、この場合、プレスラム7がプレス用油圧
シリンダ装置8によって駆動されてプレス圧縮動作を行
なうと、前記スライディングゲート装置3が開かれた時
にプレスされた可燃性廃棄物が同じプレスラム7によっ
て反力を支持された状態で自身の復元力による反動を伴
って炉内へ投入される。このときプレスラム7は、前記
プレス動作に引き続いて、前記スライディングゲート装
置3が開かれた時にプレスした可燃性廃棄物を開口2か
ら炉内へ押し込む動作も行なう。この押し込み動作の後
にプレスラム7は直ちに後退し、同時にスライディング
ゲート装置3も直ちに閉鎖される。
【0031】前記シリンダ室5の入側上部に設けられた
空気抜き孔9は、プレスラム7による廃棄物のプレス圧
縮に伴って該廃棄物塊に含まれる空気や水分その他の流
体ををシリンダ室外に排出し、プレスによる廃棄物塊の
体積減少を一層効果的にするものである。プレスラム7
がこの孔9よりもスライディングゲート装置側に達する
位置ではシリンダ室5内は圧縮状態の廃棄物、例えば廃
タイヤで充満状態となる。ここでプレスラム7は一旦停
止され、スライディングゲート装置3が開かれて圧縮廃
棄物塊が復元力の反動で炉内に放出されると再び前進し
て残った廃棄物を炉内に押し出す。その後、プレスラム
7が後退するが、ラム7がスライディングゲート装置3
の前面まで戻るとスライディングゲート装置3が閉鎖さ
れる。この際、シリンダ室5内には炉内から燃焼ガスが
噴出してくるが、空気抜き孔9はこの炉内からの燃焼性
の残ったガスと混合する可能性のある空気(つまり酸
素)がシリンダ室5に残るのを事前に極力少量にしてお
くためのものとして有効である。これによりスライディ
ングゲート装置3が閉鎖状態に戻るまでの間にシリンダ
室5内でガスの異常燃焼が生じないようにしてある。
【0032】前記シリンダ室5内における少なくとも前
記スライディングゲート装置3寄りの壁面および前記ゲ
ート装置3のスライド板32のシリンダ室側表面は、廃
棄物のプレス時および炉内への押し込み時に廃棄物と摺
接し、例えばスパイクタイヤの金属ピンなどと擦れると
火花を発生する恐れがあり、スライディングゲート装置
3を開いてプレスされた廃棄物を炉内に押し出す際に炉
内から可燃性のガスがシリンダ室側に漏れてきた場合に
この火花が生じるとシリンダ室5内の酸素濃度によって
はガスに再着火される危険があるので、これを防止する
ためにこれら壁面及び表面には例えば軟質金属被覆等に
よる火花防止の表面処理を施してある。また、これら壁
面及び表面に少量の散水を適宜行なうようにすることも
好ましいことである。
【0033】前記炉体下部に設けられた複数の点火バー
ナーは炉内に前記燃焼域を形成するためのものであり、
これら点火バーナーは大出力の主点火バーナー14と常
時点火状態にすることのできる比較的小出力の補助点火
バーナー15とを含み、燃焼の開始は主点火バーナー1
4および必要に応じて補助点火バーナー15との併用で
行なわれ、また必要に応じて行なわれる燃焼の維持は補
助点火バーナー15によるものとしている。尚、図示し
ないが前記燃焼域には、下層の焼却灰層Aを介して炉体
に設けられたノズルから圧力調整された燃焼用の空気が
吹き込まれ、点火バーナーの調整と共に完全燃焼が制御
される。
【0034】前記スライディングゲート装置3は、図3
〜5に示すように、炉壁に気密シール被覆16と共に気
密に固定された固定フレーム31と、この固定フレーム
31に上下方向に摺動可能に組み合わされたスライド板
32とを含み、スライド板32には前記投入用開口2に
対応した開口部33と前記投入用開口2を閉鎖する閉鎖
部34とが形成され、この閉鎖部34の炉内側の面には
耐火物煉瓦層35が設けられている。前記固定フレーム
31と前記スライド板32との摺動面36は、図4に示
すようにそれらの相対摺動方向と直交する断面内で屈曲
した形状に形成され、摺動面間の隙間を介して漏れよう
とする炉内ガスに対する漏洩路の長さを実質的に長くし
てシール性を確保してある。
【0035】前記スライディングゲート装置3は、その
スライド板32を駆動するための油圧ピストンシリンダ
装置4を備えており、これによりゲートの開閉を迅速に
行なうと共に、シール性の向上のために密に組み合わさ
れたスライド板32の大きな開閉トルクに対処してい
る。
【0036】炉体1は、図2に示す例では内部の主要燃
焼領域が一定横断面積のストレート部分で構成されてい
るが、これは、扱う廃棄物の種類によっては炉内におけ
る廃棄物の棚吊り(ブリッジ)現象を確実に防止するた
め炉体内の横断面形状が下部へ向かうにつれて徐々に大
面積になるように形成してもよい。またこの炉体の断面
形状は、矩形、多角形、円形等、任意の形状とすること
が出来、その炉壁は水冷ジャケット構造として冷却水の
循環により冷却及び熱エネルギーの回収を行なう。
【0037】炉体底部の炉床板17は水冷構造の平面と
なっており、炉床板17のレベルにおける炉体下部には
焼却灰排出口19が形成されている。この排出口19に
は、外部からの油圧シリンダ装置20の操作によって開
閉されるダンパードア21が設けられている。この実施
例では、ダンパードア21はヒンジ式のものとして示さ
れているが、スライドドアとしてもよい。
【0038】炉体下部の焼却灰排出口19に対抗する位
置には、炉床板17上に沿って進退動作する焼却灰押し
出し装置22が設けられ、これは油圧シリンダ装置23
によってダンパードア21の開閉と連動して駆動される
ことにより炉床板17上に堆積した焼却灰を排出口19
から炉外のバケット18の中に排出する。尚、この押し
出し装置22は、炉体の大きさに応じて単連または個々
に進退動作可能な二連以上の多連の水冷スライドラムを
に並設した形式とし、その進退動に際して炉床板との間
に焼却灰を噛み込んで浮き上がらないように両側にガイ
ド機構を備えたものとするのがよい。また、図示の例で
は炉床板17と焼却灰押し出し装置22は水平に設けら
れているが、これらは排出口19へ向けて下り勾配で傾
斜する形式にしてもよい。
【0039】前記焼却灰排出口19からは一般には完全
焼却済の灰が出てきてバケット18内に落下するが、こ
のバケット18は図示のようなリフト移動車両24また
はコンベア等によって図示しない消化設備に運搬され
る。
【0040】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
廃棄物の炉内投入に際して異常燃焼や爆発事故を起こす
危険がなく、また燃焼ガスを外部へ導く途中での油分凝
結による配管閉鎖を考慮しなくて済み、更に焼却灰発生
量も少なく、焼却灰を水で消火しなくてもよいから、安
全且つ連続操業可能な廃棄物焼却装置を提供することが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る廃棄物焼却装置の全体構
成を示す系統図である。
【図2】主要部をなす炉体の実施例を縦断面として模式
的に示す説明図である。
【図3】スライディングゲート装置近辺の拡大縦断面図
である。
【図4】図3のB−B線矢視断面図である。
【図5】スライド板を炉内側の面から示した正面図であ
る。
【符号の説明】
1:炉体、2:廃棄物投入用開口、3:スライディング
ゲート装置、5:シリンダ室、6:ホッパー、7:プレ
スラム、8:プレス用油圧シリンダ装置、9:空気抜き
孔、10:燃焼ガス取出耐火流路、11:消煙バーナ
ー、14:主点火バーナー、15:補助点火バーナー、
17:炉床板、19:焼却灰排出口、21:ダンパード
ア、22:焼却灰押し出し装置、100:焼却炉、11
0:アルミニウム溶解炉、120:二次燃焼室、13
0:三次燃焼室、140:洗煙装置、150:煙突設
備、160:ダンパー装置、170:バイパス耐火流
路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/027 F23G 5/44 F23G 7/12 F23J 1/00 F27B 19/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車スクラップ解体に伴って発生する
    可燃性の廃タイヤ及びシュレッダーダスト廃棄物を焼却
    炉体内に装入して炉体下部の燃焼域で燃焼させ、炉体上
    部から高温の燃焼ガスを炉外に導いてエネルギー回収を
    行なう廃棄物焼却装置において、前記炉体上部から燃焼
    ガスを炉外設備に導くために炉内頂部から滑らかな流線
    で前記炉外設備に至る燃焼ガス取出耐火流路と、炉体内
    上部において前記燃焼ガス取出耐火流路の下流へ向かう
    前記燃焼ガスに後方から高圧空気を送り込んで残留可燃
    性成分を燃焼させる消煙バーナーと、前記消煙バーナー
    とは異なる位置で前記炉体の側面上部に設けられた前記
    廃棄物投入用の開口と、この開口を開閉可能に閉鎖する
    ゲート装置と、前記ゲート装置の前面で前記ゲート装置
    に向かって進退動することにより前記ゲート装置が開か
    れた時に可燃性廃棄物を前記開口から炉内へ装入する装
    入プレス手段とを備え 前記ゲート装置の炉外側から前記装入プレス手段に至る
    シリンダ室内壁に火花防止の表面処理が施されている
    とを特徴とする廃タイヤ及びシュレッダーダスト用廃棄
    物焼却装置。
  2. 【請求項2】 前記炉外設備としてアルミニウムなどの
    金属溶解炉と、熱エネルギー回収用の少なくとも一つの
    燃焼設備と、排ガス洗浄設備と、前記取出耐火流路を前
    記金属溶解炉内に直結する流路系統と、該金属溶解炉か
    らの排出ガスを前記燃焼設備に導いて二次燃焼させる流
    路系統と、前記燃焼設備からの排ガスを前記洗浄設備に
    導いて洗浄する流路系統とを備えていることを特徴とす
    る請求項1に記載の廃タイヤ及びシュレッダーダスト用
    廃棄物焼却装置。
  3. 【請求項3】 前記金属溶解炉に対する被溶解金属のチ
    ャージに際して前記取出耐火流路からの燃焼ガスを前記
    燃焼設備に側路するバイパス系統を更に備えていること
    を特徴とする請求項2に記載の廃タイヤ及びシュレッダ
    ーダスト用廃棄物焼炉装置。
  4. 【請求項4】 炉体底部の炉床板に積層した焼却灰を外
    部に排出するために開閉可能な焼却灰排出口と、該排出
    口に対抗する側から炉床板に沿って進退動作する焼却灰
    押し出し装置とが炉体に付設され、これら焼却灰排出口
    の開閉と焼却灰押し出し装置の進退動作とが連動可能に
    構成されていることを特徴とする請求項1に記載の廃タ
    イヤ及びシュレッダーダスト用廃棄物焼却炉装置。
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