JP3333968B2 - 光重合開始系増感剤 - Google Patents

光重合開始系増感剤

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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/46Polymerisation initiated by wave energy or particle radiation
    • C08F2/48Polymerisation initiated by wave energy or particle radiation by ultraviolet or visible light
    • C08F2/50Polymerisation initiated by wave energy or particle radiation by ultraviolet or visible light with sensitising agents

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なスチリル系化合物
を含有してなる光重合開始系増感剤に関する。
【0002】
【従来の技術】光重合性組成物は光エネルギーの感受に
より光照射部と未照射部に物性変化を示す材料であり、
印刷、超LSIなどの微細加工、プリント回路形成、U
V硬化塗料やインキ、ホログラム記録などの広い分野に
実用され、その用途はますます拡大されている。この組
成物は基本的には光重合開始剤、光重合可能な化合物お
よびバインダー樹脂からなり、通常は紫外域に分光感度
を有しており、水銀灯や高出力アルゴンレーザーの紫外
部発振線などを用いて画像の記録が行われている。近
年、可視光を用いて画像の記録を行う技術開発が盛んに
進められているが、最大の課題はこれ迄用いられている
光重合組成物では可視光に対して感度を示さないかまた
は低感度であったり、解像性が悪く使用に供し得ないこ
とである。これを解決するには、光重合組成物に分光増
感剤を加えて、可視光に十分な感度を付与する必要があ
る。従ってこの分野では、良好な特性を有する増感色素
の開発が要望されている。かかる増感色素の特性として
は、(1)溶媒に対し優れた溶解性を有すること、
(2)記録光の波長での吸収係数が大きいこと、(3)
感光波長が記録光の波長とよく一致すること、(4)高
感度であること、(5)保存安定性が良いこと、(6)
他の成分との相溶性が良いこと、等が要求される。今迄
に、光重合組成物に使用する増感色素としては、特開昭
57−21401号公報や同59−56403号公報
多くの文献に紹介されているが、これらの化合物はいず
れも上記の特性要件を満足するものではなく、特性の改
良、特に感度の改良が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】光重合性組成物を用
いる画像記録の技術分野では、高速記録や低出力レーザ
ー記録等の必要性から、ますます高感度な増感色素が要
望されている。しかしながら、増感色素の分子構造と諸
特性、特に感度との関係についてはまだ十分解明されて
おらず、公知材料の中から類推、選択することにより、
諸特性優れた色素を見い出すことは容易なことではな
い。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者らはこのよう
な実情に鑑み、鋭意検討した結果、下記一般式(I)で
表される新規スチリル系化合物が従来公知の類似構造を
有する化合物に比べて感度や溶解性おいて優れた特性
を示すことを見い出し、本発明を完成した。 (I)
【化1】 (上記式中において、YはO、S、Se、>CR11
12、NR13、または、−CH=CH−を表し、環A
は置換基を有してもよいベンゼン環またはナフタレン環
を表し、環Aは存在しても存在しなくてもよい。Bは
【化2】 または
【化3】 を表す。ここでRは置換基を有してもよいアルキル基
を表し、R〜Rはそれぞれ独立にC〜Cのアル
キル基を表し、Rは水素またはC〜Cのアルキル
基を表し、Rは水素、アルキル基、アルコキシ基、ヒ
ドロキシ基、アシルアミノ基またはハロゲンを表し、R
〜R12はそれぞれ独立にC〜Cのアルキル基を
表し、R13は水素またはRを表す。またnは1また
は2を表す。環Aの置換基としてはアルキル基、アルコ
キシ基、アルキル置換アミノ基、カルボン酸のエステル
基、ハロゲン置換アルキル基、シアノ基、ニトロ基、ス
ルホン酸のエステル基、アリール基、スルホンアミド基
やハロゲンを挙げることがでる。環Aが存在しないと
き、
【化4】 は置換基を有してもよい5員複素環
【化5】 を表し、置換基は環Aと同じ種類のものが4位および/
または5位に導入される。Rの具体例としてはメチル
、エチル、プロピル、イソブチル、s−ブチル
、t−ブチル、ヘプチル、デシル基、エトキシエ
チル基、エトキシエトキシエチル基、カルボキシエチル
基、エトキシカルボニルエチル基、スルホキシブチル基
や、3−クロロプロピル基を挙げることができる。
【0005】本発明の増感色素が併用される光重合開始
剤としては各種有機過酸化物、2、4、6−トリクロロ
メチル−s−トリアジンで代表されるトリアジン化合
物、ベンゾインアルキルエーテル、ビスイミダゾール、
鉄−アレン錯体、N−フェニルグリシンやジフェニルヨ
ードニウム塩を挙げることができる。またこれらの数種
を組み合わせた多成分系開始剤でもよい。有機過酸化物
の例を挙げると、パーオキシエステルとしてはジ−t−
ブチルジパーオキシイソフタレート、3、3’4、4’
−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾ
フエノン、ジアルキルパーオキサイドとしては2、5−
ジメチル−2、5−ビス(t−ブチルジオキシ)−3−
ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ヒドロパー
オキサイドとしては2、5−ビス(ヒドロパーオキシ)
−2、5−ジメチルヘキサン、t−ブチルヒドロパーオ
キサイド、パーオキシアセタールとしてはブチル−4、
4−ビス(t−ブチルジオキシ)バリレート、1、1−
ビス(t−ブチルジオキシ)−3、3、5−トリメチル
シクロヘキサン、ケトンパーオキサイドとしてはエチル
メチルケトンパーオキサイドなどがある。
【0006】光重合可能な化合物としては、1分子中に
エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する光重
合または光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリ
マーまたはこれらの混合物から構成される。このような
化合物の例としては、エチルアクリレート、ヒドロキシ
エチルアクリレート、エチレングリコールジメタアクリ
レート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペン
タエリスリトールトリメタアクリレート、ポリエステル
メタアクリレート、ポリウレタンメタアクリレート、エ
ポキシメタアクリレートなど、通常この技術分野に用い
られる化合物を挙げることができる。
【0007】バインダー樹脂の例としてはポリ−N−ビ
ニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルブ
チラール、ポリビニルカルバゾール、ポリスチレン、ポ
リメチルメタアクリレート、ポリエチレンオキサイド、
ポリブチルメタアクリレート、スチレン−マレイン酸エ
ステル、ポリメチルメタアクリレート−メタアクリル酸
系、ポリ−N−ビニルピロリドン−グリシジルメタアク
リレート系樹脂などを挙げることができる。
【0008】本発明になる増感色素は光重合開始剤に対
して0.1〜10倍の割合で使用され、これらの混合物
に対しバインダー樹脂が0〜数100倍の割合で加えら
れ、光重合性組成物が調製される。この組成物には必要
に応じて熱重合禁止剤や可塑剤等の添加物を加えてもよ
い。
【0009】次に実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。本発明の増感色素の具体例としては次のよ
うな色素を挙げることができる。
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【0010】本発明のスチリル系化合物は公知の方法に
より製造することができる。すなわち、活性メチル基を
有するアゾール化合物、インドレニン化合物またはキノ
リン化合物とテトラヒドロキノリンまたはユロリジンの
アルデヒド化合物との脱水縮合反応により製造すること
ができる。この場合必要に応じて鉱酸、有機酸やルイス
酸などの触媒を用いたり、アルカリ下相間移動触媒を用
いることもできる。 〈参考例1〉 色素1の合成 2−メチル−ナフト[1,2−d]ベンゾベンゾチアゾ
ール10gと1−エチル−6−ホルミル−2,2,4,
7−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノ
リン13gとをベンゼン40mlに溶かした溶液にカセ
イソーダ20gと水20mlからなる水溶液およびテト
ラブチルアンモニウムブロマイド3gを加え水浴上60
℃で3時間加熱攪拌した。その後ベンゼン層を分液し、
乾燥後ベンゼンを留去し、得られた粘調物をメタノール
で洗い、黄色粗結晶4.4gを得る。このものを酢酸エ
チルより再結して、精製品2.5gを得た。このものは
メタノール中吸収極大波長(λmax)435nm、融
点150−151℃を示した。 〈参考例2〉 色素17の合成 キナルジン2.9gと1−エチル−6−ホルミル−2,
2,4,7−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒ
ドロキノリン4.9gに濃塩酸2mlを加え、油浴中1
20℃で3時間加熱する。内容物は一度溶融後次第に粘
調化し、表面は金属光沢を帯びてくる。反応後セイソ
ーダ水溶液で処理し、ベンゼン抽出し、乾燥後ベンゼン
を留去後メタノールより結晶化して、黄色粗結晶4gを
得る。メタノールより再結晶して精製品2gを得た。こ
のものはメタノール中吸収極大波長421nm融点1
47℃を示した。
【0011】次に感度測定について説明する。 感光液処方: バインダー樹脂(HSP−621) 100部 多官能モノマー(PETA) 100部 有機過酸化物(BTTB) 8部 増感色素 6部 エチルセロソルブ 1000部 上記の感光液を表面処理した砂目立てアルミ板に回転塗
布し感光層を形成した。酸素による重合阻害を避けるた
めにポリビニルアルコールのオーバーコート層を設け
た。この感光層に、3W超高圧水銀灯からの光をシャ
ープカットフィルター(Y−47)及び干渉フィルター
(KL−49)を通すことによりアルゴンレーザーの発
振波長に近い490nmの光を取り出し、この光をグレ
ースケールを密着させて照射した。その後アルカリ系現
像液により現像した。感度はグレースケール法により、
光硬化したステップの段数から求めた。表1にその結果
を示す。
【表1】 なお、略号および比較例色素の構造は以下のとおりであ
る。 HSP−621:アクリル酸−アクリル酸メチル−アク
リル酸イソブチルの共重合体 PETA :ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト BTTB :3,3’,4,4’−テトラ(t−ブ
チルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン
【化26】
【化27】
【0012】表1からも明らかなように、本発明の色素
はいずれもマイクロジュール単位の高感度を示すことが
判った。本発明と類似の構造を有する特開昭57−21
401号公報に記載の従来公知の色素(比較例1)に比
べて数倍から約10倍の高感度を示した。比較例2の色
素は熱カブリのため完全に現像することが出来ず、感度
を測定するには至らなかった。本発明の色素にはいずれ
もこのような現象は認められなかった。本発明色素がこ
のように高感度を示す理由は今のところ不明であるが、
複数個のアルキル基で置換されたキノリン環やユロリジ
ン環を分子内に有することから色素分子が前述の増感色
素としての要求特性をより一層満足することとなり、こ
のような高感度を示すものと考えられる。
【0013】
【発明の効果】本発明にる色素は高い感度を有するこ
とから、水銀灯のg線、ヘリウム−カドミウムレーザー
やアルゴンイオンレーザーなどの可視レーザーによる高
速走査記録が可能であり、レーザーダイレクト製版用P
S版、ドライフィルムレジスト、デジタルカラープルー
フ、ホログラム記録材料、感光性マイクロカプセルなど
の材料系の増感色素として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安井 茂男 岡山県岡山市藤田錦566番139 株式会社 日本感光色素研究所内 審査官 森川 聡 (56)参考文献 特開 平2−69(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるスチリル系
    化合物を含有してなる光重合開始系増感剤。 (I) 【化1】 (上記式中において、YはO、S、Se、>CR11
    12、NR13、または、−CH=CH−を表す。環A
    は置換基を有してもよいベンゼン環またはナフタレン環
    を表し、環Aは存在しても存在しなくてもよい。Bは 【化2】 または 【化3】 を表す。Rは置換基を有してもよいアルキル基を表
    し、R〜Rはそれぞれ独立にC〜Cのアルキル
    基を表し、Rは水素またはC〜Cのアルキル基を
    表し、Rは水素、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロ
    キシ基、アシルアミノ基またはハロゲンを表し、R
    12はそれぞれ独立にC〜Cのアルキル基を表
    し、R13は水素またはRを表す。またnは1または
    2を表す。)
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