JP3333438B2 - 動的水切れ抵抗性の測定方法及び装置 - Google Patents

動的水切れ抵抗性の測定方法及び装置

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JP3333438B2 JP30954197A JP30954197A JP3333438B2 JP 3333438 B2 JP3333438 B2 JP 3333438B2 JP 30954197 A JP30954197 A JP 30954197A JP 30954197 A JP30954197 A JP 30954197A JP 3333438 B2 JP3333438 B2 JP 3333438B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷時
の紙切れの程度を予測可能とする新規な動的水切れ抵抗
性の測定方法及びこの新規な動的水切れ抵抗性測定方法
を実施するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、印刷用紙は或る程度のサイズ性が
必要である。この印刷用紙のサイズ性は、印刷方法によ
って求められる性質が多少異なるが、これまでは紙にペ
ン書きするときのインクが滲む現象を避けるためであっ
た。従って、その測定方法はインクが滲む現象の程度を
評価できる測定方法であればよく、インクの紙層表面で
の広がりや厚み方向への浸透を測定するだけで充分であ
った。そこで、例えば紙表面でのインクの広がりを測定
する方法として、紙の表面抵抗を電気的に測定する大工
試式サイズ度試験方法がある。
【0003】しかし、紙を連続的に高速でロール印刷す
る輪転印刷、特に湿し水を使用する高速オフセット輪転
印刷では、紙への吸水抵抗性が重要となる。これは、紙
は吸水によって引張強度が低下するため、断紙の原因と
なるからである。すなわち、従来の大工試式サイズ度試
験のようにインクが滲む現象の程度を表わす測定方法で
は、高速オフセット輪転印刷における水切れ抵抗性を正
確に評価することが困難であった。
【0004】新聞輪転機は、巻き取り紙を使用して連続
的に高速印刷を行い、裁断し、折り畳む機械である。具
体的には、1)給紙部、2)印刷部、3)色刷り部、
4)折り部、5)レールフレーム部、6)駆動部の各部
から構成されており、この新聞輪転印刷では給紙部から
印刷部,印刷部から色刷り部,色刷り部から折り部の間
にシートランがあり、このシートランにおいては走行中
の紙の張力をコントロールしなければならない。これ
は、張力が弱くなるとダブリ,ヨリ等が起こり易く、強
すぎるとシワが発生したり,断紙する場合もあるからで
ある。A巻き幅の新聞輪転オフセット印刷の場合、単色
印刷では通常40kgfの張力がかけられるが、多色印刷で
はダブリを避けるために70〜80kgfの張力がかけられ
る。一方で、新聞輪転オフセット印刷では刷り上がりの
黒損をできるだけ少なくするために、印刷開始時や版替
え時に過剰の湿し水が使用される。また、ブランケット
の継ぎ目の空間に湿し水が溜まり、紙面に湿し水が幅方
向の線上に付着することがある。
【0005】紙面に湿し水が過剰に付着し、紙層内部に
まで水が浸透すると印刷用紙の引張強度は低下し、断紙
し易くなると考えられる。そのために、紙のサイズ度す
なわち吸水抵抗性が必要とされている。特にカラー印刷
の場合には一回の印刷で湿し水が4回紙面に接触する。
従って、少量の水が付着しても紙の吸水抵抗性が低い場
合には紙層内部に水が浸透し、引張強度は顕著に低下す
ると考えられる。一方、吸水抵抗性が高く、紙層内部に
浸透する水の量が少ない場合は、紙表面に過剰の湿し水
が付着した場合でも引張強度はそれほど低下しないと考
えられる。しかし、従来のサイズ度の測定方法では、ど
の程度のサイズ度(吸水抵抗性)を有する紙が断紙対策
という意味においての高速オフセット印刷適性を有する
かを正確に把握することができなかった。すなわち、高
速オフセット印刷に望ましい印刷用紙とは、どの程度の
サイズ度(吸水抵抗性)が必要であるのかを数値化する
ことができなかった。
【0006】紙のサイズ度と強度との両方を測定する方
法としては、JIS P 8135に示されるように紙を蒸留水に
浸漬してから引張強度を測定する湿潤引張強さ試験があ
る。この湿潤引張強さ試験とは、試験片全体を蒸留水に
浸し、完全にウエットな状態の引張強度を測定するもの
である。しかしながら、この方法は試験条件が過酷で実
際のオフセット輪転印刷時の吸水状態とは異なるので、
新聞印刷用紙のようにサイズ度の低い製品についてこの
湿潤引張強さ試験を行うことが不可能であった。従っ
て、印刷、特にオフセット輪転印刷の浸し水の過剰付着
によって実際に発生する断紙の起こる程度を定量的に測
定することはできなかったのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、巻き
取り紙を使用する連続的なオフセット輪転印刷における
断紙トラブルを避けるためには、予め紙切れに関する紙
物性を把握し、特に紙の吸水抵抗性をコントロールする
ことでその対処が可能になると考えられる。そこで本発
明は、オフセット輪転印刷時の水切れ抵抗性、すなわち
印刷時に湿し水が付着・転移することによる断紙(水切
れ)の抵抗性を定量的に測定する方法及びこの方法を実
施するための装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、連続的な
オフセット輪転印刷時に起こる断紙は、紙に張力がかけ
られている状態で水の付着による紙の引張強度の低下が
原因であると考えた。そこで、そのような条件に近い、
試験紙片への適量の水の付着と引張強度の測定とから成
るオフセット輪転印刷の動的水切れ抵抗性の測定方法を
検討した結果、短辺3〜15mm×長辺120〜320mmの紙片の
中央部に1〜30μlの水を付着させ水の付着後速やかに
該紙片の両端より荷重をかけて水付着時の引張強度を測
定すると共に、乾燥時(水の付着前の状態)における紙
片の引張強度を測定し、水付着時の引張強度の乾燥時の
引張強度に対する百分率により動的水切れ抵抗性、すな
わち水付着時の強度低下率を求めれば、連続的なオフセ
ット輪転印刷の実状に適合した断紙の抵抗性を定量的に
評価することが可能な新規な動的水切れ抵抗性の測定方
法となることを究明し、またこの動的水切れ抵抗性の測
定方法を実施するための装置としては、引張強度測定装
置部分と、紙片の中央部に所定量の水を付着させる自動
水付着装置部分と、該引張強度測定装置部分でそれぞれ
測定した乾燥時(水の付着前の状態)における紙片の引
張強度及び該自動水付着装置部分で水を付着させた時の
紙片の引張強度を記憶して水付着時の引張強度の乾燥時
の引張強度に対する百分率により動的水切れ抵抗性を算
出して表示する部分とから成っていればよいことも究明
して本発明を完成したのである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で言う動的水切れ抵抗性と
は、紙、特に超軽量化新聞用紙又は比較的低坪量の紙の
巻き取り紙を使用した連続的なオフセット輪転印刷にお
いて、印刷途中で過剰な湿し水が部分的に付着した場合
の水の紙層への浸透に対する抵抗性の目安となるもので
ある。一般に紙は水を含む状態では顕著に強度が低下す
る。この性質によって、紙は水中で容易に離解されるの
で、再利用が可能である。リサイクルの観点からは、必
要以上にサイズ性を付与して湿潤強度を必要以上に向上
させることは、紙の離解性を低下させるので好ましくな
い。すなわち、リサイクル工程で適当な離解性を有する
ような水切れ抵抗性が好ましい。
【0010】本発明に係る動的水切れ抵抗性の測定方法
によれば、リサイクル工程において適度な離解性を維持
した上で連続的なオフセット輪転印刷時に断紙を起こさ
ない程度の強度を明確にすることができる。
【0011】本発明において試験紙片の大きさは、短辺
3〜15mm×長辺120〜320mmの大きさであり、特に水付着
を1点で行う場合には、紙片の大きさは短辺3〜5mm×
長辺120〜320mmの大きさが好ましく、ハンドリングや引
張強度測定装置の関係から短辺5mm×長辺120〜180mmが
最も好ましい。通常、機械抄きの紙の場合、抄紙時の流
れ方向(MD方向)が長辺となるように試験紙片を調製
する。
【0012】本発明における適度の水付着量とは、実際
のオフセット印刷における湿し水量に近い量である。水
の供給方法としては、前記大きさの試験片紙に対して1
〜30μlの水の付着を効率よく行うことが可能であれば
よい。また水付着の方法は、可能な限り紙面に衝撃を与
えないことが望ましく、手動の場合はマイクロピペット
を使用すればよい。また、水滴を機械的及び定量的に滴
下して水を付着させてもよい。水を機械的及び定量的に
付着させる手段としては、水滴の自然落下,ロール転
移,微小ノズルやインクジェット方式等による噴霧があ
る。より具体的には動的接触角計のような装置を使用し
てもよい。また、1点だけでなく、短辺方向に多点或い
は帯状に付着させてもよいが、その場合、試験片の短辺
を広くする必要がある。水付着を1点で行う場合は、1
〜5μlの水付着量が好ましい。
【0013】本発明の引張強度試験とは、通常引張強度
試験として用いられるJIS P 8113に記載の測定方法を基
準にしている。本発明の動的水切れ抵抗性とは、前述の
水付着時の引張強度の乾燥時の引張強度に対する百分率
で評価するもので、下記の式で表される。
【0014】
【式1】動的水切れ抵抗性(%)=(水付着時の引張強
度/乾燥時の引張強度)×100
【0015】本発明は、連続的なオフセット輪転印刷時
の諸条件に適合した新規な動的水切れ抵抗性の評価方法
及びこの方法を実施するための装置に関するものであ
る。すなわち、紙片に適度の量の水を付着させその後速
やかに荷重をかけて引張強度を測定し、別途測定した乾
燥時(水の付着前の状態)における紙片の引張強度に対
する百分率により動的水切れ抵抗性を評価するのであ
る。すなわち、紙層内部に水が浸透すれば、紙片の強度
は顕著に低下する。従って、紙層内部への水の浸透が抑
制できれば紙の強度は保持され、乾燥時の強度が保持さ
れる。本発明に係る動的水切れ抵抗性の測定方法によれ
ばオフセット輪転印刷時の水切れ(断紙)と紙の強度と
の関係を簡易なテーブルテストで判断でき、オフセット
輪転印刷と類似した状態の紙の湿し水抵抗性を測定でき
る。
【0016】本発明に係る動的水切れ抵抗性測定装置
は、引張強度測定装置部分と、自動水付着装置部分と、
引張強度から動的水切れ抵抗性(前記式より算出)を算
出して表示する部分とから成る。上記の3つの部分は連
動させることが可能であるが、自動水付着装置だけを作
動させない場合には、通常の引張強度の測定も行うこと
ができる。試験紙片をセットすれば、所定量の水を滴
下,転移或いは噴霧等の手段によって水を付着させて速
やかに引張強度を測定し、別途水を付着させない通常の
乾燥時の状態で測定した引張強度と対比することによ
り、動的水切れ抵抗性値を表示できる。
【0017】このような動的水切れ抵抗性測定装置の一
例としては、図1に示すものが示すことができる。図1
において、1は表示部で、測定する試験紙片3が破断し
た時の最大荷重(水付着時の引張強度と乾燥時における
紙片の引張強度)及び動的水切れ抵抗性を表示する。2
は試験紙片3の中央部に1〜30μlの蒸留水又は湿し水
を自動的に付着させる自動水付着装置部分であって、図
示した実施例では試験紙片3を水平に保持した状態で引
張強度を測定する構造であるから上部から蒸留水又は湿
し水を自動的に滴下する構成になっているが、通常の引
張試験装置の如く試験紙片3を垂直に保持した状態で引
張強度を測定する構造である場合には側方から転移或い
は噴霧等の手段によって蒸留水又は湿し水を自動的に付
着させる構成になっていればよい。4は設定したスパン
長で試験紙片3の端部を保持して指定した所定の引張速
度で試験紙片3に張力を付与する可動チャックで、予め
入力されている場合には試験紙片3の端部を保持すると
速やかに自動水付着装置部分2が作動して試験紙片3の
中央部に1〜30μlの蒸留水又は湿し水を自動的に付着
させるように連動する構造になっていることが好まし
い。ここで、スパン長とは試験紙片3を引張強度測定装
置の可動チャック4と後述する固定チャック6とで固定
した時の両チャック4,6間の距離であり、このスパン
長は50〜250mmが好ましい。また、5は各部を固定する
測定台、6は試験紙片3のもう一端を固定する固定チャ
ックである。このような装置によって、乾燥時における
試験紙片3の引張強度の測定と精密量の水の付着、水の
付着後の速やかな試験紙片3の引張強度の測定とが可能
となり、動的水切れ抵抗性の測定が可能となる。
【0018】すなわち、準備した試験紙片3の両端を測
定台5上の固定チャック6と設定したスパン長の位置に
ある可動チャック4との保持させ、自動水付着装置部分
2を作動させずに可動チャック4を移動させて試験紙片
3に張力を付与してその試験紙片3が破断する時の張
力、すなわち乾燥時における試験紙片3の引張強度の測
定を行うと共に、自動水付着装置部分2を作動させて試
験紙片3の中央部に所定量の蒸留水又は湿し水を自動的
に付着させて速やかに可動チャック4を移動させて試験
紙片3に張力を付与してその試験紙片3が破断する時の
張力、すなわち水付着時における試験紙片3の引張強度
の測定を行うと、表示部1に動的水切れ抵抗性が表示さ
れるのである。
【0019】本発明は、連続的なオフセット輪転印刷時
の諸条件に適合した新規な評価方法及び装置である。す
なわち、紙片に適度の水を付着させ、その後速やかに荷
重をかけ、引張強度を測定する。紙層内部に水が浸透す
ると、紙の引張強度は顕著に低下する。従って、紙層内
部への水の浸透を抑制することができれば、紙の強度は
保持され、乾燥時の強度が保持されると考えられる。本
発明の新規な評価方法及び装置によって、連続的なオフ
セット輪転印刷時の水切れと紙の強度の関係を簡易なテ
ーブルテストで判断することが可能である。つまり、オ
フセット輪転印刷と類似した状態における紙の動的水切
れ抵抗性値を測定できる。
【0020】本発明者らは、同程度の点滴吸水度を有す
る試料であってもサイズ付与の方法(内添、外添或いは
その両方)が異なれば、動的水切れ抵抗性が異なること
もあることを見出した。これは、外添サイズの場合は紙
表面にバリア層が形成されて水が紙層内部に浸透するこ
とを防止しているからであると考えられる。従って、印
刷時のように張力がかかって紙表面のバリア層が破壊さ
れれば、バリア層の割れ目からサイズが施されていない
紙層内部にまで水が容易に浸透すると考えられる。これ
に対して、内添サイズの場合は、紙層内部までサイズが
施されているので、張力がかかっても紙層内部にまでは
水が浸透することが困難であると考えられる。すなわ
ち、張力がかかっている状態における水の紙層内部への
浸透性の違いが、紙の動的水切れ抵抗性を支配している
と考えられる。従って、点滴吸水度が高くともオフセッ
ト輪転印刷時の断紙に対する抵抗性が高いとは一概には
言えない。これに対して、本発明に係る動的水切れ抵抗
性の測定方法は、紙に張力がかかっている状態における
紙層内部への水の浸透性が評価できるので、実際のオフ
セット輪転印刷時の紙切れとの相関は高いと考えられ
る。
【0021】
【実施例】次に、実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。ここで、各実施例及び比較例において、それぞ
れの条件下で前述した本発明に係る動的水切れ抵抗性の
測定装置を使用して本発明に係る動的水切れ抵抗性の測
定方法を実施する他、必要に応じて点滴吸水度、従来法
の湿潤引張強度、オフセット輪転印刷機による水切れ試
験を行った。
【0022】〈動的水切れ抵抗性〉荷重をかける直前に
所定量の水を付着させる以外はJIS P 8113に従った。ま
た、通常の乾燥時の引張強度をJIS P 8113に従って測定
し、水付着時の引張強度と乾燥時の引張強度とより動的
水切れ抵抗性を算出した。なお、試料はMD方向が長辺
となるように調製した。
【0023】〈点滴吸水度〉Japan TAPPI No.33に準じ
た。すなわち、JIS P 8111に従って前処理した試料に1
μlの蒸留水を静かに滴下し、水が紙層に完全に浸透す
るまでの時間を計測し、点滴吸水度とした。
【0024】〈湿潤引張強度〉JIS P 8135に従った。試
料を20±2℃の蒸留水に10秒間浸漬した後、3枚に重ね
ておいた吸い取り紙の上に載せ、上から1枚の吸い取り
紙をかぶせ、軽く押さえて過剰の水を除き、試料の水分
量の変化が起きないうちに手早くJIS P 8113に従って引
張強度を測定した。
【0025】〈水切れ試験〉東芝製オフセット輪転印刷
機を用いた。200rpmで第1胴及び第2胴を通して紙を走
行させ、第1胴までのシートランの張力(X)を42kgf
に固定し、第2胴から操作部までの張力(Y)を5kgf
毎に変化させ、断紙が起こった時の張力を読み取った。
このとき、版には湿し水設定目盛り最大量の湿し水を供
給し、供給開始から30秒後に走行中の紙にブランケット
を当てた。断紙発生時の張力を水切れ強度とした。
【0026】実施例1 サイズ度の異なる7種類の新聞印刷用紙(試料A〜G)
について、動的水切れ抵抗性の測定及び水切れ試験を行
った。動的水切れ抵抗性の測定は、試料の大きさを短辺
15mm×長辺250mm、スパン長180mm、引張速度10mm/分、
付着水量5μlの条件で行った。なお、試料Aはサイズ
処理を行っていない未サイズ紙、試料B及びCはウェッ
トエンドにて内添サイズ剤を添加した内添サイズ紙、試
料D〜Fはゲートロールコーターによって外添サイズ剤
を塗布した外添サイズ紙、試料Gは内添サイズ+外添サ
イズ紙である。結果を表1及び図2に示した。動的水切
れ抵抗性と水切れ試験とは相関が高いことが判る。
【0027】比較例1 実施例1と同じ試料について、点滴吸水度を測定し、水
切れ試験の結果と共に表1及び図3に示した。点滴吸水
度と水切れ試験の相関はあまりないことが判る。
【0028】
【表1】
【0029】比較例2 実施例1と同じ試料について、湿潤引張強度の測定を行
ったが、10秒間の蒸留水への浸漬では、強度の低下が著
しく、湿潤引張強度の測定が不可能であった。また、浸
漬時間の短縮を試みたが、バラツキが大きく、有効な測
定結果が得られなかった。
【0030】実施例2 サイズ度の異なる新聞印刷用紙、試料H(未サイズ紙、
点滴吸水度4秒)、試料I(内添サイズ紙、点滴吸水度
42秒)、試料J(内添サイズ+外添サイズ紙、点滴吸水
度630秒)について、付着水量5μlの条件で、試験紙片
の短辺を5〜60mmに変化させた以外は、実施例1と同様
に動的水切れ抵抗性の測定を行い、結果を表2に示し
た。試験紙片の短辺長が20mmを超えると、各試料間の動
的水切れ抵抗性の値の差が小さくなってくる。これは、
試験紙片への水の供給が1点の場合、試験紙片の短辺が
長くなると短辺方向での水の付着する面積が相対的に小
さくなり、水付着による引張強度の低下を判定すること
が困難になると考えられる。
【0031】
【表2】
【0032】実施例3 実施例2で使用した試料について、付着水量を1〜10μ
lに変化させた以外は実施例1と同様に動的水切れ抵抗
性の測定を行い、その結果を表3に示した。水量が1μ
lでは各試料間の動的水切れ抵抗性の差は小さいが、3
〜10μlでは各試料間の動的水切れ抵抗性の差が明確に
表われる。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】以上に詳述した如く、従来はオフセット
印刷時の紙切れの程度を予測することは不可能であった
ものが、本発明に係る動的水切れ抵抗性の測定方法によ
れば、連続的なオフセット輪転印刷の実状に適合した吸
水状態となるように所定範囲の大きさの紙片の中央部に
水を付着させ水の付着後速やかに該紙片の両端より荷重
をかけて水付着時の引張強度を測定すると共に、乾燥時
(水の付着前の状態)における紙片の引張強度を測定
し、水付着時の引張強度の乾燥時の引張強度に対する百
分率により動的水切れ抵抗性を評価することを特徴とす
る方法であるので、従来はオフセット印刷時の紙切れの
程度を予測することが可能となるのである。
【0035】また本発明方法によって、リサイクルの観
点から水中で容易に離解される適当な離解性を有してい
るのも拘らず、高速オフセット印刷に望ましい印刷用紙
としてどの程度のサイズ度(吸水抵抗性)が必要である
のかを数値化することが可能となるばかりか、新聞印刷
用紙のようにサイズ度の低い製品についても動的水切れ
抵抗性を評価することが可能となるのである。
【0036】更に、本発明方法を実施して動的水切れ抵
抗性を評価することによって、水付着時の強度低下率が
20%以下であれば、通常の張力では断紙が起こりにくい
ことも見出すことができたのである。
【0037】そして、本発明に係る動的水切れ抵抗性の
測定装置は、引張強度測定装置部分と、紙片の中央部に
所定量の水を付着させる自動水付着装置部分と、該引張
強度測定装置部分でそれぞれ測定した乾燥時(水の付着
前の状態)における紙片の引張強度及び該自動水付着装
置部分で水を付着させた時の紙片の引張強度を記憶して
水付着時の引張強度の乾燥時の引張強度に対する百分率
により動的水切れ抵抗性を算出して表示する部分とから
成る簡単な構造であるから、安価且つ容易に製造して前
記効果を有する本発明に係る動的水切れ抵抗性の測定方
法を容易に実施することができるのである。
【0038】このような種々の効果を奏する本発明の紙
分野及びオフセット輪転印刷分野に貢献する工業的価値
は非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動的水切れ抵抗性測定装置の1実
施例を示す説明図である。
【図2】実施例1における動的水切れ抵抗性結果(%)
と水切れ試験結果(kgf)との関係を示すグラフであ
る。
【図3】比較例1における点滴吸水度結果(秒)と水切
れ試験結果(kgf)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 表示部 2 自動水付着装置部分 3 試験紙片 4 可動チャック 5 測定台 6 固定チャック

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短辺3〜15mm×長辺120〜320mmの紙片の
    中央部に1〜30μlの水を付着させ水の付着後速やかに
    該紙片の両端より荷重をかけて水付着時の引張強度を測
    定すると共に、乾燥時(水の付着前の状態)における紙
    片の引張強度を測定し、水付着時の引張強度の乾燥時の
    引張強度に対する百分率により動的水切れ抵抗性を評価
    することを特徴とする動的水切れ抵抗性の測定方法。
  2. 【請求項2】 引張強度測定装置部分と、紙片の中央部
    に所定量の水を付着させる自動水付着装置部分と、該引
    張強度測定装置部分でそれぞれ測定した乾燥時(水の付
    着前の状態)における紙片の引張強度及び該自動水付着
    装置部分で水を付着させた時の紙片の引張強度を記憶し
    て水付着時の引張強度の乾燥時の引張強度に対する百分
    率により動的水切れ抵抗性を算出して表示する部分とか
    ら成ることを特徴とする動的水切れ抵抗性測定装置。
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