JP3332587B2 - 原子炉の半径方向中性子反射体 - Google Patents

原子炉の半径方向中性子反射体

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JP3332587B2 JP17276294A JP17276294A JP3332587B2 JP 3332587 B2 JP3332587 B2 JP 3332587B2 JP 17276294 A JP17276294 A JP 17276294A JP 17276294 A JP17276294 A JP 17276294A JP 3332587 B2 JP3332587 B2 JP 3332587B2
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浩和 庄村
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉に関し、特に原
子炉容器内に炉心を囲んで設けられる半径方向中性子反
射体の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、軽水炉において、炉心は多数の
燃料集合体から形成されるが、炉心からの中性子の洩れ
を防止したり、原子炉容器壁の中性子衝撃を軽減したり
する目的で、炉心の回りに半径方向中性子反射体を設け
ることが提案されている。
【0003】これを、図7,図8及び図9を参照して説
明する。まず図7において、原子炉容器1の中に、炉心
槽3が垂下支持され、その下方に下部炉心支持板5及び
下部炉心板7が設けられている。炉心は、下部炉心板7
の上に、並んで立って装荷された多数の燃料集合体9に
よって形成される。この燃料集合体9の上部は、上部炉
内構造物11に含まれる上部炉心板13によって押えら
れる。半径方向中性子反射体15は、炉心槽3の中に、
燃料集合体9を囲んで設けられる。
【0004】図8に、中性子反射体15の全体斜視図を
示しているが、該中性子反射体15は、上段環状体15
a、下段環状体15b及び6個の中段環状体15cを重
ね合わせて構成されている。これらの環状体15a,1
5b,15cは、通しボルト17によって緊締されてい
るが、周方向のずれを防ぐ位置決めは、全体にわたって
延びたキー19によって行われている。
【0005】図9に、キー19の組付け状況が示されて
いる。図9に示すように、中段環状体15cのキー溝に
嵌合されたキー19は、上下端を組立ボルト19a,1
9bで固定されており、更に下段環状体15bは、位置
決めピン18により下部炉心板7に正しく固定されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の構造の従来の半
径方向中性子反射体では、次のような問題点があった。
即ち、中性子反射体を構成する環状体は、一枚板である
ので大形であり、その加工には大形の機械を必要とす
る。また、燃料集合体に面する内側の開口を精度よく加
工しなければならないが、このような内側精密加工を行
うと、大きな加工時間を必要とする。
【0007】また、このような中性子反射体は、熱発生
源である炉心を取り囲んでいるから、炉心の高熱に曝さ
れると共に自身もγ線を受けて発熱する。このようにし
て、高熱になり熱変形を生ずるが、これらは、比較的細
径の位置決めキーに拘束されることになり、位置決めキ
ーが早期に劣化する。
【0008】したがって、本発明は、加工等の製作が容
易であると共に、部分的に高応力等が集中しないような
長寿命の原子炉用半径方向中性子反射体を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】叙上の目的の下に、本発
明によれば、原子炉容器の炉心槽の中に設けられ炉心を
半径方向外方から取り囲む半径方向中性子反射体は、次
のように構成される。即ち、全体として環状又は筒状の
半径方向中性子反射体は、複数、例えば4個の分周中性
子反射セグメントを、周端を互いに隣接させて円周方向
に並べて構成される。この分周中性子反射セグメントの
平面形状は、大略弧状をなしているが、多数の弧状中性
子反射部材を積重して構成される。そして、隣接した中
性子反射体部材のずれを防止するため、一方の接合面に
周縁突起を形成し、他方の接合面にその周縁突起を密に
受け入れる周縁肩段を形成して、インロー状に係合さ
せ、積重された多数の弧状中性子反射部材は、通しボル
トにより緊締される。
【0010】
【作用】以上の構成の半径方向中性子反射体を製作する
には、分割された分周中性子反射セグメントを一体とし
て外形加工すればよく、精度の良い外形形状が得られ
る。また、分周中性子反射セグメントの熱変形は、相互
間の隙間によって吸収され、更に、弧状の中性子反射部
材の熱変形は、周縁突起と周縁肩段との広い接触部を介
して伝達される。
【0011】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
を説明する。図1において、半径方向中性子反射体20
は、従来の場合と同様炉心棒3の中に設けられるが、向
かい合わせの2個の分周中性子反射セグメント21と、
別の向かい合わせの2個の分周中性子反射セグメント2
3とからなっている。通常原子炉の炉心は、核特性を考
慮して対称形に形成されており、このため2つのセグメ
ント21,23の差は、炉心に面にする内面の両端部の
みにあり、他は同形である。そして、その差も、セグメ
ント21,23の接合部を炉心の隅部に合わせてずらし
たために生じたものであるから、両者は基本的に同形で
ある。よって、一つのセグメント23の構造を説明すれ
ば、全体の構造が理解できよう。
【0012】図1において、中性子反射セグメント23
は、上段の弧状中性子反射部材25、下段の弧状中性子
反射部材27及び6枚の中段の弧状中性子反射部材29
から主としてなっている(以下、弧状中性子反射部材
は、セグメントリフレクタと称する。)。
【0013】図2は、各セグメントリフレクタ25,2
7,29の積重状態を示すために、一部を切り欠いて示
したもので、セグメントリフレクタ25、29は、下面
外周部に周縁突起25a,29aが形成されており、セ
グメントリフレクタ29,27には、それを受ける周縁
肩段29b,27aが削成されているが、これらは図3
に明瞭に示される。図3の(a)(b)において、セグ
メントリフレクタ25,29の積重ねの状態と、セグメ
ント21,23の接合部の状態が拡大されて示されてい
る。
【0014】図3の(a)(b)から判るように、セグ
メント21,23の周端の間には、せまい隙間31が形
成されており、その円形部には冷却材のジェット流を防
止する丸棒33が挿入されている。丸棒33は、これを
受け入れるセグメント21,23のセグメントリフレク
タの孔面が交互に接することにより自身の弾性を利用し
て固定される。図3の拡大図には、図面の複雑化を避け
るため図示されていないが、前述のようにセグメントリ
フレクタ25,27,29には、図4に示すように、通
しボルト35が挿通されて両端のナットにより緊締され
ている。
【0015】以上のように構成されたセグメント23及
び同様のセグメント21は、図1に示すように炉心槽3
の中に設置され全体としても半径方向反射体20を形成
し、炉心を形成する燃料集合体から出る中性子を反射す
る。そして、図3の(b)から容易に想像できるよう
に、炉心槽3とセグメント21,23との間の隙間を通
って冷却材が流れ、これを冷却する。
【0016】以上のようなセグメントリフレクタ25,
27,29の内周面、外周面を加工するには、別個に加
工してもよいが、図5に示すように、通しボルト35は
使用してセグメント23として一体化して行うと、極め
て効率的に行うことができる。
【0017】なお、前記実施例においては、セグメント
流を丸棒で防止したが、図6に示すように、セグメント
121と123の間に、クランク形断面の隙間131を
形成してもよい。図6の(a)において、符号125,
129は、セグメントリフレクタである。
【0018】
【発明の効果】以上発明したように、本発明によれば、
複数の分周中性子反射セグメントを円周方向と並べて半
径方向中性子反射体を構成したので、熱変形は相互の隙
間によって吸収され、特定の箇所に大きな荷重、大きな
応力が作用することもなく、寿命は長いものとなる。ま
た、弧状中性子反射部材を積重し、通しボルトで緊締さ
れ一体化されるので、その状態で外周面及び内周面を効
率的に加工される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の全体斜視図である。
【図2】 前記実施例の一部切欠き斜視図である。
【図3】 (a)は、前記実施例の要部を示す部分拡大
図、(b)は、図3の(a)の更に一部の拡大平面図で
ある。
【図4】 前記実施例の部分を拡大して示す一部切欠き
立断面図である。
【図5】 前記実施例の製作状態を示すための部分斜視
図である。
【図6】 (a)は、前記実施例の一部を改変した改変
実施例の部分拡大図、(b)は、図6の(a)の更に一
部の拡大平面図である。
【図7】 本発明の半径方向中性子反射体が使用される
原子炉の立断面図である。
【図8】 従来装置の全体斜視図である。
【図9】 従来装置の立断面図である。
【符号の説明】
20…半径方向中性子反射体、21…分周中性子反射セ
グメント、23…分周中性子反射セグメント、25…弧
状中性子反射部材、25a…周縁突起、27…弧状中性
子反射部材、27a…周縁肩段、29…弧状中性子反射
部材、29a…周縁突起、29b…周縁肩段、35…通
しボルト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 11/06 G21C 5/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉容器の炉心槽の中に設けられ炉心
    を半径方向外方から取り囲む半径方向中性子反射体であ
    って、弧状の中性子反射部材を多数積重すると共に通し
    ボルトで緊締して分周中性子反射セグメントを形成し、
    同分周中性子反射セグメントの周端を互いに隣接させて
    多数周方向に並べて筒状に構成し、前記中性子反射部材
    の一方の下面に周縁突起を形成し、他方にその周縁突起
    を密に受け入れる周縁肩段を形成してなることを特徴と
    する原子炉の半径方向中性子反射体。
JP17276294A 1994-07-25 1994-07-25 原子炉の半径方向中性子反射体 Expired - Lifetime JP3332587B2 (ja)

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