JP3331663B2 - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチゾルまたはオ
ルガノゾルの代替物として使用することのできる塩化ビ
ニル系樹脂組成物及び該組成物から得られる複合成形体
に関する。
【0002】
【従来の技術】ペーストレジンと可塑剤とを主成分とす
るプラスチゾルやさらに希釈剤を含有するオルガノゾル
あるいはそれらから得られた成形品は、塗料工業、自動
車工業等において、また建築材料等として多用されてい
る。しかしながら、プラスチゾルやオルガノゾルから得
られた塗膜成形品等は、可塑剤を含有することに起因す
る不都合が多い。例えば可塑剤が成形品等の表面にブリ
ードし、成形品自体を汚染するとともに接着力を低下さ
せるという欠点があり、また自動車等に使用した場合フ
ォギング等の原因になっている。さらに、長期間使用す
ると可塑化能力が低下し、成形品が硬くなってしまうと
いう問題がある。
【0003】また、ポリ塩化ビニルとポリウレタンとを
混合したプラスチゾル、ポリ塩化ビニルと共にポリイソ
シアネート又はポリイソシアネートプレポリマー及びポ
リオール類等を混合したプラスチゾル等が特公昭50−
24989号公報、特開昭58−5357号公報及び特
開平3−9916号公報等に開示されているが、これら
のプラスチゾルはいずれも可塑剤を含有しており、上述
の各種欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、可塑剤
に起因する上述の悪影響を避けながら、プラスチゾルの
成形方法と同様の成形方法を採用しうる塩化ビニル系樹
脂組成物を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、実質的に
可塑剤を使用することなく、ペーストレジン、ブロック
化ポリイソシアネート及びポリオールでもってゾル状組
成物が形成できることを見出し本発明に到達した。即
ち、本発明の目的は、可塑剤を実質的に使用することな
く、プラスチゾルと同様の成形方法が採用できる塩化ビ
ニル系樹脂組成物及び該組成物から得られる耐油性、非
移行性等の優れた複合成形体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
は、乳化重合法または微細懸濁重合法によって得られた
ペースト形成性塩化ビニル系樹脂(以下、ペーストレジ
ンという)、ブロック化ポリイソシアネート及びポリオ
ールを主成分とし、該ブロック化ポリイソシアネートと
該ポリオールとの使用割合はブロック化ポリイソシアネ
ートが解離して得られるポリイソシアネート単量体とポ
リオールとの当量比で0.9〜1.1の範囲である塩化
ビニル系樹脂組成物、並びに該組成物を賦形した後加熱
固化したポリ塩化ビニル−ポリウレタン系複合成形体に
存する。以下、本発明について詳細に説明する。
【0006】本発明組成物の第1の成分であるペースト
レジンとしては、乳化重合法または微細懸濁重合法で製
造された粒径3μm以下、好ましくは0.1〜2μmの
微細塩化ビニル系重合体粒子を含む水性分散液を、通常
噴霧乾燥して得られるものが挙げられる。乳化重合法
は、例えば塩化ビニルまたはこれと共重合可能なコモノ
マー、例えば酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルキ
ル、エチレン、プロピレン等との混合物を、ラウリル硫
酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
等の重合用乳化剤及び水溶性重合触媒の存在下に重合さ
せる方法である。また微細懸濁重合法は、例えば塩化ビ
ニルまたはこれと共重合可能なコモノマーとの混合物
を、乳化剤または懸濁剤及び塩化ビニル可溶性重合触媒
と一緒にホモジナイザー等の分散機で均一に微分散して
安定化した後に重合させる方法である。
【0007】本発明組成物の第2の成分であるブロック
化ポリイソシアネートは、ポリイソシアネート単量体
を、例えば、アルコール類、フェノール類、オキシム
類、ラクタム類等のブロック化剤でもって公知の方法で
ブロック化反応を行い安定化させたものである。上記ポ
リイソシアネート単量体としては、例えばトリレン−
2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソ
シアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、1−クロロフェニレン−
2,4−ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソ
シアネート、3,3’−ビストルエン−4,4’−ジイ
ソシアネート、メチレンビスフェニレン−4,4’−ジ
イソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート等が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種
以上を混合して使用する。
【0008】本発明組成物の第3の成分であるポリオー
ルとしては、少なくとも加温時に液状を呈する各種のポ
リオールを使用することができる。該ポリオールは上記
ブロック化ポリイソシアネートの解離温度以下の温度で
液状を呈するものであることが好ましく、常温(25
℃)付近で液状を呈することがさらに好ましい。常温付
近で液状でないポリオールを使用する場合も適当な加温
設備を備えた組成物調製装置を使用することにより容易
に組成物を調製することができる。
【0009】該ポリオールの種類としては単量体ポリオ
ール並びにポリエーテルポリオール、ポリエステルポリ
オール等の重合体ポリオールが挙げられ、これらを単独
でまたは混合して使用することができる。単量体ポリオ
ールとしては、例えば1,2−プロパンジオール、1,
2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0010】ポリエーテルポリオールとしては、例えば
プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の多価
活性水素化合物にエチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド等アルキレンオキシドを付加重合させて得られたポリ
オキシアルキレンポリオールの外、ポリテトラメチレン
エーテルグリコール等が挙げられる。
【0011】またポリエステルポリオールとしては、例
えば1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,
4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等のグリコ
ールと、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸等の二塩基酸とを重縮合させて得られ
たポリエステルポリオール、γ−ブチロラクトン、δ−
バレロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトンの開
環重合で得られるポリエステルポリオール等が挙げられ
る。上記ポリオールの中では重合体ポリオールが好まし
く、ポリエステルポリオールがさらに好ましい。これら
重合体ポリオールは、常温(25℃)付近で液状を呈す
ると共に粘度の低いものであるのが好ましく、さらにそ
の平均分子量が500〜5000程度であるのが望まし
い。
【0012】本発明組成物におけるペーストレジン、ブ
ロック化ポリイソシアネート及びポリオールの使用割合
は、ペーストレジン100重量部に対しブロック化ポリ
イソシアネート及びポリオールを合計で通常30〜70
0重量部、好ましくは50〜500重量部である。そし
て、ブロック化ポリイソシアネートとポリオールとの使
用割合はブロック化ポリイソシアネートが解離して得ら
れるポリイソシアネート単量体とポリオールとの当量比
が0.9〜1.1の範囲となる割合であるのが望まし
い。
【0013】本発明組成物は、上記第1ないし第3の三
成分を、必要に応じて安定剤、充填剤、発泡剤等の通常
塩化ビニル系樹脂に添加される助剤と共に、公知の混合
機、例えばポニーミキサー、ホバートミキサー、インタ
ーナルミキサー、チェンジカンミキサー、ニーダー、擂
潰機等で均一に混合することによって調製することがで
きる。調製の際、組成物を低粘度化する目的で有機溶剤
または少量の可塑剤を併用してもよい。有機溶剤は、組
成物の成形加工中に揮散するので、成形品性能を損なわ
ない範囲で比較的多量の使用が可能であるが、可塑剤は
本発明の目的達成のため、その使用割合は制限され、通
常、ペーストレジン100重量部当り30重量部以下の
範囲で使用される。
【0014】本発明組成物は、プラスチゾル又はオルガ
ノゾルと同様の成形方法を採用することができる。例え
ば、本発明組成物がゾル状である場合、それを基材上に
塗布賦形し、次いで加熱昇温して固化することによりポ
リ塩化ビニル−ポリウレタン系複合成形体が得られる。
得られた複合成形体はプラスチゾルやオルガノゾルから
得られた成形品と同様の用途に好適に用いられる。
【0015】
【実施例】次に本発明の具体的態様を実施例にて詳述す
るが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例
によって限定されるものではない。なお、組成物から製
造された複合成形体の性能は、次のように試験した。
【0016】(1)非移行性試験 アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下、
ABSという)及びポリスチレン樹脂(以下、PSとい
う)の板上に複合成形体(シート)を密着させ、荷重1
kg/cm2 をかけ、70℃の温度で4日間放置後の各板上
の汚染度を目視判定した。判定結果は次のように表示し
た。 ○ : 全く汚染なし ○x : わずかに汚染 (2)ガソリン抽出量 複合成形体をガソリン中に23℃で1日間浸漬した後、
80℃で4時間乾燥し、前後での複合成形体の重量変化
を百分率で示した。
【0017】実施例1〜5 表−1に示す組成の各成分を均一混合してゾル状組成物
を調製し、脱泡した後、離型紙上に0.5mm厚にコーテ
ィングし、180℃で10分間加熱固化し、これを冷却
した後、複合成形体の試験片(シート)とした。性能を
表−2に示す。 比較例1 ブロック化していないポリイソシアネート単量体を使用
したほかは実施例1と同様にした。結果を表−2に併記
した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、実
質的に可塑剤を含有しないにもかゝわらずプラスチゾル
またはオルガノゾルと同様の成形方法を採用することが
でき、該組成物を賦形した後加熱固化して得られた成形
品は、ポリ塩化ビニル−ポリウレタン系複合成形体とな
り、多量の可塑剤を含有する塩化ビニル系樹脂成形品に
比し非移行性、耐ガソリン抽出性等の性質が優れ、車両
用部品成形品、電気機器部品あるいは建築用資材として
有効に利用しうる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−251445(JP,A) 特開 平5−295251(JP,A) 特開 昭61−120820(JP,A) 特開 平1−254725(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08L 27/04 - 27/06 C08L 75/04 - 75/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳化重合法または微細懸濁重合法によっ
    て得られたペースト形成性塩化ビニル系樹脂、ブロック
    化ポリイソシアネート及びポリオールを主成分とし、該
    ブロック化ポリイソシアネートと該ポリオールとの使用
    割合はブロック化ポリイソシアネートが解離して得られ
    るポリイソシアネート単量体とポリオールとの当量比で
    0.9〜1.1の範囲であることを特徴とする塩化ビニ
    ル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリオールがブロック化ポリイソシアネ
    ートの解離温度以下の温度で液状を呈するものである請
    求項1に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 該組成物がゾルである請求項1または請
    求項2に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の塩
    化ビニル系樹脂組成物を賦形した後加熱固化したもので
    あることを特徴とするポリ塩化ビニル−ポリウレタン系
    複合成形体。
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