JP3330341B2 - 断層を通過するトンネル構造 - Google Patents

断層を通過するトンネル構造

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JP3330341B2 JP01003499A JP1003499A JP3330341B2 JP 3330341 B2 JP3330341 B2 JP 3330341B2 JP 01003499 A JP01003499 A JP 01003499A JP 1003499 A JP1003499 A JP 1003499A JP 3330341 B2 JP3330341 B2 JP 3330341B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断層を通過するト
ンネル構造に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】地中構造
物に関して、近年の大地震などを契機として、その耐震
性能、免震性能などの必要性が提言されている。
【0003】例えば、地下下水道等の管路施設において
は、重要な幹線等について、既存、新設とも流下機能を
確保し、震災時においても処理場、ポンプ場への下水の
収集を可能とすることが要求される。
【0004】特に、この種の管路施設が断層を通過する
際には、この断層破砕帯付近の耐震性能、免震性能など
が不可欠となる。
【0005】この断層破砕帯付近での管路施設の耐震対
策として、下記のものが考えられる。
【0006】(1)可とう性セグメントの採用 可とう性セグメントとは、シールドトンネルの覆工部材
であるセグメント同士を連結する継ぎ手に可とう性を持
たせたものである。
【0007】一般に可とう性セグメントは可とう性を保
持できる相対変位は10cm程度であり、断層破砕帯で
生じる大きな変形に追随できない。
【0008】また、可とう性セグメントを採用する場合
には、断層破砕帯内部の全てにこの種の継ぎ手を配置す
る必要がある。例えば断層破砕帯幅を10mを越える
と、継ぎ手は10数箇所も必要となり、コストが格段に
アップしてしまう。
【0009】(2)免震構造の採用 地下構造物に採用される免震構造とは、地下構造物の周
辺にせん断弾性係数の小さい免震層を設置し、地盤変位
を免震層で吸収して、地下構造物の変形を緩和するもの
である。
【0010】例えばシールドトンネルに免震構造を採用
した例として、裏込め材の代わりとして免震材料をテー
ルボイドに注入する工法が開発されている。
【0011】第33回地盤工学研究発表会(山口)19
98年7月の予稿集第1997頁以降に記載された「断
層破砕帯を通過する導水路トンネルに適用した免震構造
の解析的検討」によれば、免震層厚は1m程度必要とさ
れている。これは、通常の裏込め材層の厚さより遙かに
大きいため、シールド掘進機の大幅な改良が不可欠とな
る。さらに、大量の掘削残土が発生し、その処理が問題
となる。
【0012】(3)大断面化による流下断面積の確保 大断面化による方法は、断層破壊時の相対変位量を想定
し、断層にずれが生じた場合においても、断面の増加分
にてその変位を吸収使用とする方法である。
【0013】本方法を採用した場合には、拡幅断面掘削
機の採用、損傷時の止水性の確保、常時や無損傷時にお
ける流下必要圧力の増大などが懸念され実用的でない。
さらに、大量の掘削残土が発生し、その処理が問題とな
る。
【0014】そこで、本発明の目的は、断層が破壊して
断層ずれが生ずる現象が、内陸直下型大地震と同様に構
造物の供用期間中に発生する確率が極めて低く、構造物
の損傷の期待値(損傷程度×損傷確率)が非常に低いこ
とに鑑み、可能な限り低コストとしかつフェールセーフ
のコンセプトに基づき、断層破壊時にもトンネル機能を
確保することが可能な断層を通過するトンネル構造を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るトンネル構
造は、断層を横切って配置される断面リング状の覆工部
と、前記覆工部の一部の内側にて前記断層と対向する位
置に配置されるチューブ状の可とう性部材と、前記可と
う性部材の両端の定着領域を前記覆工部に定着させる定
着手段と、を有し、可とう性部材の両端の定着領域間に
変形可能な非定着領域を設けたことを特徴とする。
【0016】本発明では、断層破壊時に、可とう性部材
の非定着領域を、断層ずれに追随させて変形させること
ができる。なお、本発明のトンネル構造は、断層が存在
しない通常の地盤領域におけるトンネル掘削断面と同一
断面形状にて耐震性能を有することができる。
【0017】本発明では、可とう性部材が止水性を有す
ることが好ましい。こうすると、外側の覆工部が断層破
壊によって不連続となっても、外部からの浸水を可とう
性部材により防止できる。さらに、このトンネル構造が
下水道などとして利用される場合には、断層破壊後も、
止水性のある可とう性部材により流下機能を確保するこ
とができる。
【0018】本発明では、可とう性部材が配置される部
分の覆工部は、他の領域の覆工部よりも桁高が低いこと
が好ましい。
【0019】可とう性部材は覆工部の内側に配置される
ため、その覆工部の桁高(厚さ)を低く(薄く)するこ
とで、可とう性部材により生ずる段差を少なくできる。
従って、下水道などの流体の管路として利用される場合
に、流下断面積を縮小することが少なくなり、かつ、管
路抵抗を低減できる。
【0020】本発明では、可とう性部材の定着領域は、
断層の領域外に配置されていることが好ましい。こうす
ると、断層の全域が可とう性部材の非定着領域に配置さ
れる。従って、断層のいずれの箇所にて断層ずれが生じ
ても、可とう性部材の非定着領域を追随変形させること
ができる。
【0021】本発明では、定着手段は、可とう性部材の
リング径を拡大する方向に可とう性部材を押圧するもの
で構成できる。例えば、定着手段は、可とう性部材の内
側に配置される定着リング部材を含んで構成できる。こ
の場合、定着リング部材は、そのリング径を拡大する方
向に外力が付与されることで、可とう性部材を覆工部に
定着させる。あるいは、定着手段は、可とう性部材に形
成された中空通路と、中空通路内に加圧して充填された
流体と、を有して構成できる。
【0022】本発明の定着手段は、可とう性部材の両端
の内側に配置される第1の定着部材と、可とう性部材の
両端の外側に配置される第2の定着部材と、可とう性部
材の両端を挟んだ状態にて第1,第2の定着部材を締結
する手段と、を有する構成とすることもできる。
【0023】さらに本発明では、可とう性部材の定着領
域には軸方向に延びる補強材が配置され、あるいは可と
う性部材の非定着領域には周方向に延びる補強材が配置
されて、可とう性部材を補強することが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を圧力式下水道に適
用した実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0025】図1は地震発生前の下水道を示し、図2は
地震発生による断層破壊後の下水道を示している。各図
において、この下水道10は破砕帯を含む断層1(以
下、断層破砕帯1と称する)を横切って通過するように
構築されている。
【0026】この圧力式下水道10は、例えばシールド
工法により形成され、断面がリング状の覆工部20が、
覆工部材である多数の例えばRCセグメント22により
構成されている。
【0027】この覆工部20の内側であって、断層破砕
帯1と対応する領域には、断層破砕帯幅L以上の長さを
有する断面リング状の可とう性部材例えばゴムチューブ
30が配置されている。
【0028】このゴムチューブ30は、長期の耐久性、
耐酸性、耐アルカリ性に優れたゴム材料にて形成され、
土木、建築材料として既に採用実績のあるゴム材料が好
ましい。ゴムチューブ30のゴム材料は伸縮性に優れた
ものが好ましく、その破断伸びは、クロロプレンゴムの
場合には350%程度、天然ゴムの場合には400%程
度あると好ましい。また、ゴムチューブ30は止水性に
も優れている。さらに、本実施例のように圧力式下水道
として用いられるトンネル構造の場合、その圧力に耐え
る耐水圧性を、ゴムチューブ30単体にて備えている。
あるいはゴムチューブ30は、下水道10の周囲の土中
の地下水の水圧に耐える耐水圧性を単体にて備えてい
る。
【0029】このゴムチューブ30の両端は、覆工部2
0の内面に定着されている。このために、ゴムチューブ
30の両端部の内側には、一または複数の定着リング部
材40が配置されている。
【0030】この定着リング部材40は、図3に示すよ
うに、円周方向で4分割された円弧状部材42を、例え
ばボルト44とナット46(図3では図示せず)とで周
方向に連結することで構成される。
【0031】円弧状部材42同士を連結するために、図
4に拡大して示す連結部の自由長スペース幅W1を、例
えば図示しないジャッキ等にて幅W2まで強制的に拡開
させ、この幅W2を維持できるようにナット46をボル
ト44に装着する。この結果、図3及び図4に示すよう
に、各円弧状部材42にはその両端からそれぞれ矢印A
方向に向けた圧縮力が付与されることになる。
【0032】この矢印A方向の圧縮力により、4つの円
弧状部材42にて形成される定着リング部材40から
り、図3の半径方向外側に向かう矢印B方向に沿った外
力がゴムチューブ30に付与され、ゴムチューブ30が
覆工部20に定着される。
【0033】なお、定着リング部材40を構成する部材
が金属である場合には、その腐食対策として、例えば金
属表面をコーティングしておくことができる。
【0034】なお、図1では図示していないが、シール
ドトンネルの内側全面には、ライニグ材が設けられ、ト
ンネル内面には滑面が確保される。このとき、ライニン
グ材とゴムチューブ30との付着性は良好に確保され
る。
【0035】このように、本実施の形態の圧力式下水道
は、従来のシールドトンネル施工に加えて、ゴムチュー
ブ30の配設と定着のための工程を追加するだけで構築
することができる。
【0036】図1及び図2において、ゴムチューブ30
が覆工部20に定着される両端領域を定着領域50と称
し、2つの定着領域の間の領域を非定着領域52と称す
る。そして、本実施の形態では、非定着領域52の長さ
は断層破砕帯幅L以上とする。また、本実施の形態で
は、各定着領域50の長さは、少なくともセグメント
0.5リング分の長さ以上であり、好ましくは、覆工部
20の外径をDとしたとき、各定着領域50の長さはそ
れぞれ1D以上とされている。従って、ゴムチューブ3
0の長さは、断層破砕帯幅L+2×(0.5リング分の
セグメント長)+余裕長(例えばセグメント1リング分
の長さ)を少なくとも有する。
【0037】このような構造を有する圧力式下水道が構
築された地盤にて地震が生じて、断層破砕帯1のいずれ
かの位置にて、図2に示すように断層破壊が生じた場合
について説明する。
【0038】断層破砕帯1が活断層である場合には特
に、図2に示すように、断層破砕帯1中にてせん断変形
が生じて断層ずれ2が発生する。
【0039】本実施の形態では、この断層ずれ2を含む
断層破砕帯1の領域は、ゴムチューブ30の非定着領域
52とされ、ゴムチューブ30はこの非定着領域52で
は弾性の範囲内で自由に変形する。
【0040】従って、図2に示す断層ずれ2が生じた場
合、その断層ずれ2でのせん断変形に追随してゴムチュ
ーブ30を変形させることができる。このため、本実施
の形態の圧力式下水道によれば、その中を流れる下水の
流下面積を確保して、下水を処理場またはポンプ場まで
流下させる機能を、断層破壊時にも確保することができ
る。
【0041】また、ゴムチューブ30の外側の覆工部2
0が断層ずれ2の位置にてたとえ不連続となっても、ゴ
ムチューブ30に亀裂が生じない限り、外部からの浸水
も防止できる。
【0042】なお、本発明は上述した実施の形態に限定
されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変
形実施が可能である。
【0043】覆工部20は、シールドトンネルの場合に
はセグメントで形成されるが、現場打設のコンクリート
であってもよい。また、覆工部20をセグメントで構成
する場合にも、RCセグメントに限らず、鋼製セグメン
トあるいはダクタイルセグメントなどであっても良い。
特に、ゴムチューブ30が配設される領域だけを鋼製セ
グメントあるいはダクタイルセグメントにて構成し、そ
れ以外の通常領域をRCセグメントとしても良い。この
とき、通常領域であるRCセグメントの厚さ(桁高)
と、鋼製セグメント及びゴムチューブ等を有する定着領
域50及び非定着領域52での桁高とをほぼ等しくする
と、管路内面の凹凸が少なくなり、管路抵抗を低減でき
る。ダクタイルセグメントを用い覆工部の桁高を低くし
ても、同様に管路抵抗を低減することができる。これら
の場合、RCセグメントよりも部材厚の薄い鋼製セグメ
ントまたはダクタイルセグメントは、RCセグメントと
同等以上の剛性などの仕様特性を有することは言うまで
もない。このために、図5に示す鋼製セグメント100
の凹部104であって、ゴムチューブ30の凸部32が
配置されない部分の全部または一部に、コンクリートが
予め充填されていても良い。
【0044】ここで、RCセグメントは内表面が曲面で
比較的滑らかであるのに対して、図5に示す鋼製セグメ
ント100は、縦リブ102間などに凹部104を有す
る構造となっている。
【0045】この凹部104を利用して、ゴムチューブ
30と鋼製セグメント100との定着力をより高めた構
造を図6に示す。図6に示すように、ゴムチューブ30
は、鋼製セグメント100の凹部104内に配置される
凸部32を有する。こうすると、ゴムチューブ30と鋼
製セグメント100との係合力が高まり、ゴムチューブ
30をより確実に鋼製セグメント100に定着できる。
【0046】図7は、図1に示す定着リング部材40に
代えて、凸部32を膨張させて定着力を発生させる変形
例を示している。
【0047】図7において、各凸部32内には、それぞ
れ連通された流体通路34が形成されている。ゴムチュ
ーブ30を鋼製セグメント100内に配置した後、通路
34内にエアなどの流体を加圧して密封する。こうする
と、凸部32が半径方向外側に向けて膨張するので、そ
れが矢印B方向の外力を生じさせ、ゴムチューブ30を
鋼製セグメント100に対して定着させる力となる。
【0048】この構造によれば、ゴムチューブ30の内
側にて突出する定着リング部材40などは不要となるの
で、管路抵抗はさらに低減する。
【0049】また、本発明に用いられる可とう性部材は
ゴムチューブ30に限らず、ウレタンなどの他の部材を
用いることができる。
【0050】可とう性部材を覆工部に確実に定着させる
ために、定着領域50では可とう性部材及び/又は覆工
部を例えば粗面にするなどの表面加工して、その摩擦力
を高めることもできる。
【0051】逆に、非定着領域52では、可とう性部材
及び覆工部の間に滑材を封入するか潤滑剤を注入等し
て、その摩擦力を低減しておくことが好ましい。
【0052】さらに、可とう性部材例えばゴムチューブ
30を、図8に示すようにして鋼材等の補強材により補
強しても良い。図8では、定着領域50には軸方向に沿
って複数本の棒状の補強材110で補強されて、定着領
域50でのゴムチューブ30の耐久性が高められてい
る。また、非定着領域52では複数のリング状の補強材
112で補強されている。これにより、非定着領域52
では、せん断変形の自由度が確保されながら、ゴムチュ
ーブ30の耐久性が高められている。
【0053】次に、本発明のさらに他の実施の形態につ
いて、図9及び図10を参照して説明する。
【0054】図9は、鋼製セグメント100を用いたシ
ールドトンネルを示し、図示しない断層破砕帯と対応す
る領域に、補強材例えば補強繊維114にて補強された
ゴムチューブ30が配置されている。ゴムチューブ30
が配置されない領域はRCセグメント22にてトンネル
が形成されている。なお、この鋼製セグメント100の
一部は、上述した通りコンクリートが充填されたもので
あってもよい。
【0055】ゴムチューブ30の非定着領域52には、
鋼製セグメント100の内側にて所定間隔毎に支持リン
グ130が配置されている。
【0056】ゴムチューブ30の定着領域50には、定
着リング140が配置されている。この定着リング14
0にてゴムチューブ30を定着している図9のA領域
を、図10に拡大して示す。
【0057】図10に示すように、鋼製セグメント10
0の外縁にはスキンプレート120が配置されて、鋼製
セグメント100の内側にゴムチューブ30が配置され
ている。ゴムチューブ30の端部には厚肉部30Aが形
成され、この厚肉部30Aには孔30Bが設けられてい
る。厚肉部30Aの段差部は、鋼製セグメント100の
縦方向に延びる鋼板(継ぎ手板または縦リブなど)10
0Aと当接している。
【0058】このゴムチューブ30の厚肉部30Aは、
内側の定着リング130と外側の定着位置150との間
に挟まれている。定着リング140より突出するスタッ
ドボルと142は、ゴムチューブ30の厚肉部30Aに
形成された孔30Bに挿通され、定着板150の図示し
ない孔より突出する端部がナット144に螺合されてい
る。これにより、ゴムチューブ30は定着リング140
と定着板150との間に挟持される。
【0059】なお、図9では図示していないが、上述し
た実施の形態と同様に、シールドトンネルの内側全面に
は、ライニング材が設けられ、トンネル内面には滑面が
確保される。
【0060】ここで、一例として、RCセグメント22
の桁高は150mmであるのに対して、鋼製セグメント1
00はそのスキンプレート20の厚さを2.7mmとし、
主桁の桁高を110mmとすると、そのトータル桁高は1
12.7mmとなり、RCセグメント22の桁高より低く
できる。また、ゴムチューブ30の厚さは例えば15mm
であり、定着リング140の厚さは例えば22mmである
ので、鋼製セグメント100、ゴムチューブ30及び定
着リング140のトータル厚さは149.7mmとなり、
RCセグメント22の桁高150mmとほぼ等しくなる。
【0061】このような構造によれば、RCセグメント
22の厚さ(桁高)と、鋼製セグメント100、定着リ
ング140及びゴムチューブ30のトータル厚さとをほ
ぼ等しくできるので、管路内面の凹凸が少なくなり、管
路抵抗を低減できる。また、定着リング140の固定
は、鋼製セグメン100の凹部の空間を利用してボルト
142,ナット144などの締結手段によって実現でき
るので、定着リング140の内側に突出する部材を不要
とし、これによっても管路抵抗を低減できる。
【0062】また、鋼製セグメント100が断層破壊時
にてたとえ不連続となっても、支持リング120及び補
強繊維114がゴムチューブ30を保護する機能を有す
るため、大きな支障が無い限りメインテナンスすること
は必ずしも要しない。
【0063】なお、本発明のトンネル構造は圧力式下水
道に限らず、断層破砕帯を横切る他の種々のトンネル構
造に適用できることは言うまでもなく、流体の管路とし
て用いられるものに限定されるものでもない。
【0064】また、図9及び図10に示す定着リング1
40に代えて、周方向で分割された複数の定着板を用い
ても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る圧力式下水道の一部
切欠した概略説明図である。
【図2】図1の構造物の断層破壊時の状態を示す概略説
明図である。
【図3】図1の構造物の定着領域の断面図である。
【図4】図3に示す定着リング部材の連結部の拡大図で
ある。
【図5】図1のRCセグメントに代用される鋼製セグメ
ントの概略斜視図である。
【図6】図5の鋼製セグメントに適合する可とう性部材
の部分断面図である。
【図7】定着手段を内在した可とう性部材の断面図であ
る。
【図8】補強材にて補強された可とう性部材の概略斜視
図である。
【図9】一部に鋼製セグメントを用いたシールドトンネ
ルの他の実施の形態を示す断面図である。
【図10】図9の図示A部分の拡大図である。
【符号の説明】
1 断層破砕帯(断層) 2 断層ずれ 10 圧力式下水道 20 覆工部 22 RCセグメント 30 ゴムチューブ(可とう性部材) 32 凸部 34 流体通路 40 定着リング部材 42 円弧状部材 44 ボルト 46 ナット 50 定着領域 52 非定着領域 100 鋼製セグメント 102 縦リブ 104 凹部 110,112 補強材 120 スキンプレート 130 支持リング 140 定着リング 142 スタッドボルト 144 ナット 150 定着板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−133731(JP,A) 特開 平4−327693(JP,A) 特開 平10−88981(JP,A) 特開 昭52−120530(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 11/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断層を横切って配置される断面リング状
    の覆工部と、 前記覆工部の一部の内側にて前記断層と対向する位置に
    配置されるチューブ状の可とう性部材と、 前記可とう性部材の両端の定着領域を前記覆工部に定着
    させる定着手段と、 を有し、 前記可とう性部材の前記定着領域間に変形可能な非定着
    領域を設けたことを特徴とするトンネル構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記可とう性部材の定着領域は、前記断層の領域外に配
    置されていることを特徴とするトンネル構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記可とう性部材は、止水性を有する材料にて形成され
    ていることを特徴とするトンネル構造。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかにおいて、 前記可とう性部材が配置される部分の覆工部は、他の領
    域の覆工部よりも桁高が低いことを特徴とするトンネル
    構造。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかにおいて、 前記定着手段は、前記可とう性部材のリング径を拡大す
    る方向に前記可とう性部材を押圧することを特徴とする
    トンネル構造。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記定着手段は、前記可とう性部材の内側に配置される
    定着リング部材を含み、 前記定着リング部材は、そのリング径を拡大する方向に
    外力が付与されることで、前記可とう性部材を前記覆工
    部に定着させることを特徴とするトンネル構造。
  7. 【請求項7】 請求項5において、 前記定着手段は、 前記可とう性部材に形成された中空通路と、 前記中空通路内に加圧して充填された流体と、 を有することを特徴とするトンネル構造。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4のいずれかにおいて、 前記定着手段は、 前記可とう性部材の両端の内側に配置される第1の定着
    部材と、 前記可とう性部材の両端の外側に配置される第2の定着
    部材と、 前記可とう性部材の両端を挟んだ状態にて前記第1,第
    2の定着部材を締結する手段と、 を有することを特徴とするトンネル構造。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかにおいて、 前記可とう性部材の定着領域には、軸方向に延びる補強
    材が配置されていることを特徴とするトンネル構造。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかにおいて、 前記可とう性部材の非定着領域には、周方向に延びる補
    強材が配置されていることを特徴とするトンネル構造。
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