JP3329741B2 - 磁性薄帯の製造方法 - Google Patents
磁性薄帯の製造方法Info
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- JP3329741B2 JP3329741B2 JP22385298A JP22385298A JP3329741B2 JP 3329741 B2 JP3329741 B2 JP 3329741B2 JP 22385298 A JP22385298 A JP 22385298A JP 22385298 A JP22385298 A JP 22385298A JP 3329741 B2 JP3329741 B2 JP 3329741B2
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハンドリング性に
優れた磁性薄帯の製造方法を提供することである。
優れた磁性薄帯の製造方法を提供することである。
【０００２】
【従来の技術】優れた磁気特性を有する磁性薄帯とし
て、アモルファス材料やナノ結晶材料が知られている。
代表的なアモルファス材料は、溶湯をロール表面で急冷
し、厚さ５０μｍ以下のリボンとして得ることができ
る。このまま使用する場合も多いが、加熱処理を施し、
磁気特性の向上を行う場合がある。また、ナノ結晶材料
は、たとえばＦｅ−Ｃｕ−Ｎｂ−（Ｓｉ，Ｂ）系のごと
きナノ結晶組織に調整可能な合金組成を有する溶湯を、
上記アモルファス合金と同様にして急冷しアモルファス
リボンを製造し、その後加熱処理により結晶組織に調整
して得ることができる。ナノ結晶材料は、たとえば、特
公平４−４３９３号に示されるような、組織の少なくと
も５０％以上が平均結晶粒径１００ｎｍ以下の微細な結
晶粒からなる材料である。
て、アモルファス材料やナノ結晶材料が知られている。
代表的なアモルファス材料は、溶湯をロール表面で急冷
し、厚さ５０μｍ以下のリボンとして得ることができ
る。このまま使用する場合も多いが、加熱処理を施し、
磁気特性の向上を行う場合がある。また、ナノ結晶材料
は、たとえばＦｅ−Ｃｕ−Ｎｂ−（Ｓｉ，Ｂ）系のごと
きナノ結晶組織に調整可能な合金組成を有する溶湯を、
上記アモルファス合金と同様にして急冷しアモルファス
リボンを製造し、その後加熱処理により結晶組織に調整
して得ることができる。ナノ結晶材料は、たとえば、特
公平４−４３９３号に示されるような、組織の少なくと
も５０％以上が平均結晶粒径１００ｎｍ以下の微細な結
晶粒からなる材料である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上述した加熱処理を施
したアモルファス材料あるいはナノ結晶材料は、急冷し
たままのアモルファス材料に比べて靱性が低下して、脆
化する傾向がある。特に、加熱処理により結晶化させて
ナノ結晶組織に調整すると脆化傾向は著しく、ハンドリ
ング時に薄帯が容易に破断する問題がある。磁性薄帯の
一部の用途である巻磁心においては、熱処理による脆さ
を想定して、磁心形状に巻き回した後、加熱処理するこ
とによって脆さがハンドリング時に影響する事を防止す
る方法も採用されている。しかし、耐熱性の高い樹脂や
無機質での絶縁が必須であり、コスト的に問題があっ
た。
したアモルファス材料あるいはナノ結晶材料は、急冷し
たままのアモルファス材料に比べて靱性が低下して、脆
化する傾向がある。特に、加熱処理により結晶化させて
ナノ結晶組織に調整すると脆化傾向は著しく、ハンドリ
ング時に薄帯が容易に破断する問題がある。磁性薄帯の
一部の用途である巻磁心においては、熱処理による脆さ
を想定して、磁心形状に巻き回した後、加熱処理するこ
とによって脆さがハンドリング時に影響する事を防止す
る方法も採用されている。しかし、耐熱性の高い樹脂や
無機質での絶縁が必須であり、コスト的に問題があっ
た。
【０００４】また、実質的に平板形状で使用する部品、
たとえば特公平５−１９１９６号等に記載されるセンサ
ー材料や特開平１−２４１２００号等に記載されるシー
ルド材料では、磁性薄帯を平板状態で取り扱う必要があ
る。また、このような用途は樹脂と複合されて使用され
る場合が多い。樹脂と複合させる場合、樹脂の耐熱性は
高くても３００度程度しかなく、たとえば上述したナノ
結晶材料への加熱処理のように４００度を越える温度を
適用する場合は、加熱処理の前に樹脂を予め貼付したり
被覆しておくことができない。そのため、加熱処理後に
磁性薄帯をハンドリングする必要があり、磁性薄帯の脆
さが作業効率や歩留りの点で大きな問題となっている。
本発明の目的は、上述した問題に鑑み、脆くなった磁性
薄帯のハンドリング性を改善できる磁性薄帯の製造方法
を提供することである。
たとえば特公平５−１９１９６号等に記載されるセンサ
ー材料や特開平１−２４１２００号等に記載されるシー
ルド材料では、磁性薄帯を平板状態で取り扱う必要があ
る。また、このような用途は樹脂と複合されて使用され
る場合が多い。樹脂と複合させる場合、樹脂の耐熱性は
高くても３００度程度しかなく、たとえば上述したナノ
結晶材料への加熱処理のように４００度を越える温度を
適用する場合は、加熱処理の前に樹脂を予め貼付したり
被覆しておくことができない。そのため、加熱処理後に
磁性薄帯をハンドリングする必要があり、磁性薄帯の脆
さが作業効率や歩留りの点で大きな問題となっている。
本発明の目的は、上述した問題に鑑み、脆くなった磁性
薄帯のハンドリング性を改善できる磁性薄帯の製造方法
を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者は、優れた磁気
特性を有する磁性薄帯を得るための加熱処理がアモルフ
ァスコイルに対して行なわれる場合において、加熱処理
後に脆化により磁性薄帯が破断するのは、コイルから磁
性薄帯が離間した後であることに着目した。そして、加
熱処理ままのコイル状態では磁性薄帯断面に大きな応力
はかからないことから、磁性薄帯断面に直接応力がかか
るコイルから磁性薄帯が離間するより前の段階で、樹脂
を貼付もしくは被覆させておくことで、磁性薄帯の靱性
および強度を確保できることを見いだし本発明に到達し
た。
特性を有する磁性薄帯を得るための加熱処理がアモルフ
ァスコイルに対して行なわれる場合において、加熱処理
後に脆化により磁性薄帯が破断するのは、コイルから磁
性薄帯が離間した後であることに着目した。そして、加
熱処理ままのコイル状態では磁性薄帯断面に大きな応力
はかからないことから、磁性薄帯断面に直接応力がかか
るコイルから磁性薄帯が離間するより前の段階で、樹脂
を貼付もしくは被覆させておくことで、磁性薄帯の靱性
および強度を確保できることを見いだし本発明に到達し
た。
【０００６】即ち本発明は、アモルファスコイルを加熱
処理し磁性薄帯コイルとし、次いで前記磁性薄帯コイル
から磁性薄帯を導出するに際し、前記磁性薄帯コイルか
ら磁性薄帯が離間する前に、前記磁性薄帯の表面に樹脂
を貼付あるいは被覆する磁性薄帯の製造方法である。本
発明は、特に前記磁性薄帯をナノ結晶組織に調整する場
合に適用することが有効である。
処理し磁性薄帯コイルとし、次いで前記磁性薄帯コイル
から磁性薄帯を導出するに際し、前記磁性薄帯コイルか
ら磁性薄帯が離間する前に、前記磁性薄帯の表面に樹脂
を貼付あるいは被覆する磁性薄帯の製造方法である。本
発明は、特に前記磁性薄帯をナノ結晶組織に調整する場
合に適用することが有効である。
【０００７】
【発明の実施の形態】上述したように、本発明の最大の
特徴は熱処理ままのコイル状態では磁性薄帯断面に大き
な応力はかからないことから、磁性薄帯がコイルから離
間するより前の段階で、樹脂を貼付あるいは被覆させて
おくことにある。
特徴は熱処理ままのコイル状態では磁性薄帯断面に大き
な応力はかからないことから、磁性薄帯がコイルから離
間するより前の段階で、樹脂を貼付あるいは被覆させて
おくことにある。
【０００８】アモルファス状態のコイルは、たとえばメ
タルボビンに巻き回した状態として熱処理炉で加熱処理
することが可能である。アモルファス磁性薄帯として得
たい場合は、加熱処理後もアモルファス状態を保ってい
ることが必要であり、結晶化すると磁気特性は劣化する
ことから、加熱処理温度は結晶化温度未満であることが
必要になる。一方、結晶化して磁気特性を改善する、た
とえばナノ結晶材料の場合、その加熱処理温度は、結晶
化温度以上である必要がある。いずれにしても、アモル
ファスコイルを加熱処理して磁性薄帯コイルとしたとき
脆化が生ずる。特にナノ結晶化した場合は、アモルファ
スが有する高い靱性が消失するので脆化傾向は著しい。
タルボビンに巻き回した状態として熱処理炉で加熱処理
することが可能である。アモルファス磁性薄帯として得
たい場合は、加熱処理後もアモルファス状態を保ってい
ることが必要であり、結晶化すると磁気特性は劣化する
ことから、加熱処理温度は結晶化温度未満であることが
必要になる。一方、結晶化して磁気特性を改善する、た
とえばナノ結晶材料の場合、その加熱処理温度は、結晶
化温度以上である必要がある。いずれにしても、アモル
ファスコイルを加熱処理して磁性薄帯コイルとしたとき
脆化が生ずる。特にナノ結晶化した場合は、アモルファ
スが有する高い靱性が消失するので脆化傾向は著しい。
【０００９】そのため、本発明では、磁性薄帯コイルか
ら磁性薄帯を導出する時、磁性薄帯が離間する前に、前
記磁性薄帯の表面を樹脂で張付あるいは被覆するように
したものである。その具体的手法としては、図１に記載
するようにメタルボビンに巻いてある熱処理後の磁性薄
帯コイル１から磁性薄帯２が離間する前に、樹脂製の接
着テープ３を供給し、ローラ４で押しつけて貼付る方法
が使用できる。また、別の方法として、図２に示すよう
に、熱処理後の磁性薄帯コイル１から磁性薄帯２が離間
する前に、ロールコーター４に接触させ樹脂５を表面に
被覆し、ヒータ６を設けた乾燥ゾーン７で加熱乾燥する
方法が使用できる。もちろん、これらの方法以外にも、
図３に示すように樹脂浴８に部分浸積して乾燥ゾーン７
で乾燥する方法、図５に示すように紫外線硬化樹脂９を
スプレーコーティング装置１０でコーティングし、紫外
線光源１１で硬化させる方法を採用しても良い。
ら磁性薄帯を導出する時、磁性薄帯が離間する前に、前
記磁性薄帯の表面を樹脂で張付あるいは被覆するように
したものである。その具体的手法としては、図１に記載
するようにメタルボビンに巻いてある熱処理後の磁性薄
帯コイル１から磁性薄帯２が離間する前に、樹脂製の接
着テープ３を供給し、ローラ４で押しつけて貼付る方法
が使用できる。また、別の方法として、図２に示すよう
に、熱処理後の磁性薄帯コイル１から磁性薄帯２が離間
する前に、ロールコーター４に接触させ樹脂５を表面に
被覆し、ヒータ６を設けた乾燥ゾーン７で加熱乾燥する
方法が使用できる。もちろん、これらの方法以外にも、
図３に示すように樹脂浴８に部分浸積して乾燥ゾーン７
で乾燥する方法、図５に示すように紫外線硬化樹脂９を
スプレーコーティング装置１０でコーティングし、紫外
線光源１１で硬化させる方法を採用しても良い。
【００１０】液状の樹脂を被覆する場合は、できるだけ
速く強度と靭性を確保できるように乾燥あるいは重合を
進ませることが望ましく、磁性薄帯コイルから磁性薄帯
が離間するときにかかる所定の応力に耐えるようにする
ことが望ましい。
速く強度と靭性を確保できるように乾燥あるいは重合を
進ませることが望ましく、磁性薄帯コイルから磁性薄帯
が離間するときにかかる所定の応力に耐えるようにする
ことが望ましい。
【００１１】
【発明の効果】上述したように、加熱処理した磁性薄膜
コイルから導出する際に、磁性薄膜の靱性を確保するこ
とは、実質的に平坦な磁性薄帯として使用するセンサ材
やシールド材への製造時のハンドリング性を大きく改善
できる。また、本発明の製造方法を採用することで、従
来磁心状態にしてから加熱処理することが求められ、耐
熱性の高い無機材質による絶縁が必須であったナノ結晶
磁性材料磁心も、熱処理後の樹脂絶縁で巻き回すことが
可能となり、製造コストの削減に大きな効果がある。
コイルから導出する際に、磁性薄膜の靱性を確保するこ
とは、実質的に平坦な磁性薄帯として使用するセンサ材
やシールド材への製造時のハンドリング性を大きく改善
できる。また、本発明の製造方法を採用することで、従
来磁心状態にしてから加熱処理することが求められ、耐
熱性の高い無機材質による絶縁が必須であったナノ結晶
磁性材料磁心も、熱処理後の樹脂絶縁で巻き回すことが
可能となり、製造コストの削減に大きな効果がある。
【図１】本発明の一実施例を示す概念図である。
【図２】本発明の別の実施例を示す概念図である。
【図３】本発明の別の実施例を示す概念図である。
【図４】本発明の別の実施例を示す概念図である。
１ 磁性薄帯コイル、２ 磁性薄帯、３ 粘着テープ、
４ ロールコータ、５ 樹脂、６ ヒータ、７ 乾燥ゾ
ーン、８ 樹脂浴、９ 紫外線硬化樹脂、１０ スプレ
ーコーティング装置、１１ 紫外線光源
４ ロールコータ、５ 樹脂、６ ヒータ、７ 乾燥ゾ
ーン、８ 樹脂浴、９ 紫外線硬化樹脂、１０ スプレ
ーコーティング装置、１１ 紫外線光源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−39542（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−267532（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B21C 47/18 B32B 15/08 B05D 1/18 B65H 23/182
Claims (2)
- 【請求項１】 アモルファスコイルを加熱処理して磁性
薄帯コイルとし、次いで前記磁性薄帯コイルから磁性薄
帯を導出するに際し、前記磁性薄帯コイルから磁性薄帯
が離間する前に、前記磁性薄帯の表面に樹脂を貼付ある
いは被覆することを特徴とする磁性薄帯の製造方法。 - 【請求項２】磁性薄帯は、ナノ結晶組織を有することを
特徴とする請求項１に記載の磁性薄帯の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22385298A JP3329741B2 (ja) | 1998-08-07 | 1998-08-07 | 磁性薄帯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22385298A JP3329741B2 (ja) | 1998-08-07 | 1998-08-07 | 磁性薄帯の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000051933A JP2000051933A (ja) | 2000-02-22 |
| JP3329741B2 true JP3329741B2 (ja) | 2002-09-30 |
Family
ID=16804734
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22385298A Expired - Fee Related JP3329741B2 (ja) | 1998-08-07 | 1998-08-07 | 磁性薄帯の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3329741B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4775679B2 (ja) * | 2001-05-15 | 2011-09-21 | 日立金属株式会社 | 積層薄帯の製造方法および製造装置 |
| JP7020493B2 (ja) * | 2017-11-30 | 2022-02-16 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | シート状積層体及び積層物 |
| CN114300211B (zh) * | 2022-01-13 | 2022-12-23 | 中国科学院近代物理研究所 | 一种卷绕型纳米晶扫描磁铁及其制备方法 |
-
1998
- 1998-08-07 JP JP22385298A patent/JP3329741B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2000051933A (ja) | 2000-02-22 |
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Legal Events
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