JP2986107B2 - 酸化物超電導線の製造方法および酸化物超電導線を用いた製品の製造方法 - Google Patents
酸化物超電導線の製造方法および酸化物超電導線を用いた製品の製造方法Info
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
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- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、酸化物超電導線の製造方法および酸化物
超電導線を用いたコイルのような製品の製造方法に関す
るものである。
超電導線を用いたコイルのような製品の製造方法に関す
るものである。
[従来の技術] 酸化物超電導材料を、たとえばコイルやケーブルなど
の用途に向けようとする場合、これを長尺化するための
技術が必要である。また、長尺化されたものは、ある程
度の可撓性を有していなければならない。
の用途に向けようとする場合、これを長尺化するための
技術が必要である。また、長尺化されたものは、ある程
度の可撓性を有していなければならない。
上述した要件を満たし得る、酸化物超電導材料を長尺
化する方法、すなわちある程度の可撓性を有する酸化物
超電導線を得る方法としては、たとえば、可撓性を有す
る長尺基材上に酸化物超電導層を形成する方法が知られ
ている。このとき、酸化物超電導層を形成する方法とし
ては、蒸着、スパッタリング、CVD等の気相薄膜形成方
法を適用することができる。
化する方法、すなわちある程度の可撓性を有する酸化物
超電導線を得る方法としては、たとえば、可撓性を有す
る長尺基材上に酸化物超電導層を形成する方法が知られ
ている。このとき、酸化物超電導層を形成する方法とし
ては、蒸着、スパッタリング、CVD等の気相薄膜形成方
法を適用することができる。
[発明が解決しようとする課題] 酸化物超電導材料は、一般に、歪、特に引張り歪に対
して弱く、たとえば引張り歪が与えられると、臨界温
度、電流密度といった超電導特性が著しく劣化するとい
う欠点があった。
して弱く、たとえば引張り歪が与えられると、臨界温
度、電流密度といった超電導特性が著しく劣化するとい
う欠点があった。
また、たとえば引張り歪に関して、これが所定の大き
さを越えると、たとえそのような引張り歪が除去された
としても、引張り歪を与える前に得られていた超電導特
性をもはや得ることはできなかった。これに対して、引
張り歪が所定の大きさを越えない場合には、その引張り
歪を除去すれば、引張り歪を与える前に得られていた超
電導特性を再現することが可能であった。
さを越えると、たとえそのような引張り歪が除去された
としても、引張り歪を与える前に得られていた超電導特
性をもはや得ることはできなかった。これに対して、引
張り歪が所定の大きさを越えない場合には、その引張り
歪を除去すれば、引張り歪を与える前に得られていた超
電導特性を再現することが可能であった。
ところで、前述したように、酸化物超電導線を得るた
め、可撓性を有する長尺基材上に酸化物超電導層を形成
するとき、酸化物超電導層は、少なくとも加熱工程を通
ることによって形成される。したがって、酸化物超電導
層をその上に形成するために用いられる長尺基材として
は、このような加熱工程に耐えるとともに、この加熱工
程において酸化物超電導層との間ぜ不所望な反応または
拡散等が生じない材料で構成されなければならない。そ
のため、長尺基材としては、たとえば、YSZ(イットリ
ア安定化ジルコニア)が有利に用いられている。YSZ以
外にも、酸化物超電導層をその上に形成するための長尺
基材の材料として適したものが、いくつかある。
め、可撓性を有する長尺基材上に酸化物超電導層を形成
するとき、酸化物超電導層は、少なくとも加熱工程を通
ることによって形成される。したがって、酸化物超電導
層をその上に形成するために用いられる長尺基材として
は、このような加熱工程に耐えるとともに、この加熱工
程において酸化物超電導層との間ぜ不所望な反応または
拡散等が生じない材料で構成されなければならない。そ
のため、長尺基材としては、たとえば、YSZ(イットリ
ア安定化ジルコニア)が有利に用いられている。YSZ以
外にも、酸化物超電導層をその上に形成するための長尺
基材の材料として適したものが、いくつかある。
上述のような長尺基材上に酸化物超電導層が形成され
た酸化物超電導線は、たとえば、これをエナメル塗布の
ような次の工程に付すための準備段階において、あるい
はこれを出荷する段階において、ボビンに巻取るという
工程が必要であり、また、酸化物超電導線を用いた製品
を得ようとするとき、たとえばコイルの場合には、これ
をコイル状に巻いたり、ケーブルの場合には、これをた
とえばパイプ状の長尺体の表面に螺旋状に巻付けたりす
る工程が必要である。このような酸化物超電導線の取扱
いにあたっては、そのどれをとってみても、酸化物超電
導線を曲げることが必ず行なわれる。しかしながら、こ
のように酸化物超電導線を曲げたとき、必然的に、酸化
物超電導層には、歪が生じることが理解されよう。この
歪は、前述したように、酸化物超電導層を構成する酸化
物超電導材料の超電導特性を劣化させる原因になること
がある。
た酸化物超電導線は、たとえば、これをエナメル塗布の
ような次の工程に付すための準備段階において、あるい
はこれを出荷する段階において、ボビンに巻取るという
工程が必要であり、また、酸化物超電導線を用いた製品
を得ようとするとき、たとえばコイルの場合には、これ
をコイル状に巻いたり、ケーブルの場合には、これをた
とえばパイプ状の長尺体の表面に螺旋状に巻付けたりす
る工程が必要である。このような酸化物超電導線の取扱
いにあたっては、そのどれをとってみても、酸化物超電
導線を曲げることが必ず行なわれる。しかしながら、こ
のように酸化物超電導線を曲げたとき、必然的に、酸化
物超電導層には、歪が生じることが理解されよう。この
歪は、前述したように、酸化物超電導層を構成する酸化
物超電導材料の超電導特性を劣化させる原因になること
がある。
そこで、この発明の目的は、酸化物超電導線を曲げる
といった工程を含む酸化物超電導線の製造において、上
述したような酸化物超電導層の超電導特性の劣化をでき
るだけ防止し得る、酸化物超電導線の製造方法を提供し
ようとすることである。
といった工程を含む酸化物超電導線の製造において、上
述したような酸化物超電導層の超電導特性の劣化をでき
るだけ防止し得る、酸化物超電導線の製造方法を提供し
ようとすることである。
また、この発明は、酸化物超電導線が、そこに含まれ
る酸化物超電導層の超電導特性の劣化をできるだけ防止
し得る状態で用いられた製品の製造方法を提供しようと
するものである。
る酸化物超電導層の超電導特性の劣化をできるだけ防止
し得る状態で用いられた製品の製造方法を提供しようと
するものである。
[課題を解決するための手段] この発明は、可撓性を有する長尺基材上に酸化物超電
導層が少なくとも加熱工程を通って形成された酸化物超
電導線の製造方法に向けられるものであるが、次のよう
な知見に基づき成されたものである。
導層が少なくとも加熱工程を通って形成された酸化物超
電導線の製造方法に向けられるものであるが、次のよう
な知見に基づき成されたものである。
本発明者は、前述したように、酸化物超電導材料は、
一般に、歪に対して弱いという欠点があることを認識し
ていた。ところが、可撓性を有する或る種の長尺基材上
に酸化物超電導層が少なくとも加熱工程を通って形成さ
れた酸化物超電導線を得てから、或る方向にこれを曲げ
たとき、酸化物超電導層に必然的に歪が生じているにも
かかわらず、超電導特性がほとんど劣化しなかったり、
むしろ超電導特性が向上する場合があることを発見し
た。この原因について、追及した結果、これは、長尺基
材の熱膨張係数と酸化物超電導層材料の熱膨張係数の差
に起因していることがわかった。すなわち、現在、酸化
物超電導線を得るために、酸化物超電導層を形成するの
に適した可撓性を有する長尺基材は、そのほとんどが、
酸化物超電導層の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を
有している。
一般に、歪に対して弱いという欠点があることを認識し
ていた。ところが、可撓性を有する或る種の長尺基材上
に酸化物超電導層が少なくとも加熱工程を通って形成さ
れた酸化物超電導線を得てから、或る方向にこれを曲げ
たとき、酸化物超電導層に必然的に歪が生じているにも
かかわらず、超電導特性がほとんど劣化しなかったり、
むしろ超電導特性が向上する場合があることを発見し
た。この原因について、追及した結果、これは、長尺基
材の熱膨張係数と酸化物超電導層材料の熱膨張係数の差
に起因していることがわかった。すなわち、現在、酸化
物超電導線を得るために、酸化物超電導層を形成するの
に適した可撓性を有する長尺基材は、そのほとんどが、
酸化物超電導層の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を
有している。
第1図を参照して、長尺基材1上に、酸化物超電導層
2が形成されるとき、たとえば400〜1000℃の温度の加
熱工程に付される。所望の酸化物超電導層2が形成され
た後、酸化物超電導層2は、長尺基材1とともに冷却さ
れる。この冷却中において、長尺基材1には、矢印記号
3で示すような収縮が生じ、他方、酸化物超電導層2に
は、矢印記号4で示すような収縮が生じる。このとき、
長尺基材1の熱膨張係数が酸化物超電導層2の熱膨張係
数よりも小さいことを示すため、矢印記号3は矢印記号
4よりも短く図示されている。したがって、冷却後にお
いては、このような熱膨張係数の差に基づき、矢印5で
示すように、酸化物超電導層2には、引張り歪が与えら
れる。
2が形成されるとき、たとえば400〜1000℃の温度の加
熱工程に付される。所望の酸化物超電導層2が形成され
た後、酸化物超電導層2は、長尺基材1とともに冷却さ
れる。この冷却中において、長尺基材1には、矢印記号
3で示すような収縮が生じ、他方、酸化物超電導層2に
は、矢印記号4で示すような収縮が生じる。このとき、
長尺基材1の熱膨張係数が酸化物超電導層2の熱膨張係
数よりも小さいことを示すため、矢印記号3は矢印記号
4よりも短く図示されている。したがって、冷却後にお
いては、このような熱膨張係数の差に基づき、矢印5で
示すように、酸化物超電導層2には、引張り歪が与えら
れる。
この発明は、第1図に示すように、長尺基材1の熱膨
張係数が酸化物超電導層2の材料の熱膨張係数よりも小
さい、酸化物超電導線に向けられるものである。
張係数が酸化物超電導層2の材料の熱膨張係数よりも小
さい、酸化物超電導線に向けられるものである。
この発明において、前述した技術的課題を解決するた
め、酸化物超電導線の製造にあたっては、曲げ中心に対
して、酸化物超電導層が内側に、かつ長尺基材が外側に
位置するように、酸化物超電導線が曲げられる。再び第
1図を参照して説明すれば、上述したような特徴的な製
造方法によれば、酸化物超電導層2に予め与えられてい
る矢印記号5で示した引張り歪は、緩和されるようにな
る。
め、酸化物超電導線の製造にあたっては、曲げ中心に対
して、酸化物超電導層が内側に、かつ長尺基材が外側に
位置するように、酸化物超電導線が曲げられる。再び第
1図を参照して説明すれば、上述したような特徴的な製
造方法によれば、酸化物超電導層2に予め与えられてい
る矢印記号5で示した引張り歪は、緩和されるようにな
る。
この発明において、長尺基材としては、好ましくは、
テープ状のものが用いられる。
テープ状のものが用いられる。
また、上述したような熱膨張係数の条件を満たし得る
長尺基材の材料としては、たとえば、ジルコニア、アル
ミナ、ガラス、チタン、ジルコニウム、タングステン、
白金、クロム、ニッケル、ニオブ、モリブデン、鉄、ス
テンレス鋼およびニッケル合金などがある。
長尺基材の材料としては、たとえば、ジルコニア、アル
ミナ、ガラス、チタン、ジルコニウム、タングステン、
白金、クロム、ニッケル、ニオブ、モリブデン、鉄、ス
テンレス鋼およびニッケル合金などがある。
この発明では、また、上述したような酸化物超電導線
を用いた製品の製造方法が提供される。この製品の製造
方法において、酸化物超電導線は、曲げ中心に対して、
酸化物超電導層が内側に、かつ長尺基材が外側に位置す
るように、曲げられた状態とされている。
を用いた製品の製造方法が提供される。この製品の製造
方法において、酸化物超電導線は、曲げ中心に対して、
酸化物超電導層が内側に、かつ長尺基材が外側に位置す
るように、曲げられた状態とされている。
上述した製品としては、たとえば、酸化物超電導線を
用いたコイル、酸化物超電導線を巻取ったボビン、長尺
体の表面に酸化物超電導線を螺旋状に巻いてなるケーブ
ル、などがある。
用いたコイル、酸化物超電導線を巻取ったボビン、長尺
体の表面に酸化物超電導線を螺旋状に巻いてなるケーブ
ル、などがある。
[発明の効果] この発明によれば、酸化物超電導線は、そこに含まれ
る酸化物超電導層において不可避的に残存している引張
り歪が解放されるように製造されるので、酸化物超電導
層の超電導特性を劣化させることが防止される。なお、
この発明によれば、超電導特性の劣化を単に防止するだ
けではなく、むしろ、超電導特性の向上が期待できる場
合もある。また、前述したように、酸化物超電導線を曲
げるとき、酸化物超電導層に予め与えられている引張り
歪は、緩和されるだけでなく、逆に圧縮歪を生じる場合
もあるが、このような圧縮歪は、引張り歪ほど、超電導
特性に悪影響を及ぼさず、また、超電導特性をより向上
させる場合もあり得ることがわかっている。
る酸化物超電導層において不可避的に残存している引張
り歪が解放されるように製造されるので、酸化物超電導
層の超電導特性を劣化させることが防止される。なお、
この発明によれば、超電導特性の劣化を単に防止するだ
けではなく、むしろ、超電導特性の向上が期待できる場
合もある。また、前述したように、酸化物超電導線を曲
げるとき、酸化物超電導層に予め与えられている引張り
歪は、緩和されるだけでなく、逆に圧縮歪を生じる場合
もあるが、このような圧縮歪は、引張り歪ほど、超電導
特性に悪影響を及ぼさず、また、超電導特性をより向上
させる場合もあり得ることがわかっている。
この発明において、長尺基材として、テープ状のもの
を用いると、酸化物超電導線を所望の方向に曲げること
がより容易になる。
を用いると、酸化物超電導線を所望の方向に曲げること
がより容易になる。
また、この発明にかかる製造方法を用いて得られたコ
イル、ケーブルのような製品、またはボビンのような中
間製品のよれば、酸化物超電導線が有する超電導特性を
最大限に利用することができる。
イル、ケーブルのような製品、またはボビンのような中
間製品のよれば、酸化物超電導線が有する超電導特性を
最大限に利用することができる。
[実施例] 実施例1 レーザ蒸着法を用いて、Y−Ba−Cu−O系超電導物質
を、安定化ジルコニアからなるテープ状の長尺基材(幅
5mm、厚み0.1mm)上に、1μmの厚みをもって成膜し
た。成膜条件は、次のとおりである。
を、安定化ジルコニアからなるテープ状の長尺基材(幅
5mm、厚み0.1mm)上に、1μmの厚みをもって成膜し
た。成膜条件は、次のとおりである。
ターゲット組成:Y1Ba2Cu3OX 成膜温度:750℃ ガス圧:0.1Torr ガス:O2 レーザ波長:193nm エネルギ密度:1J/cm2 第2図に示すように、成膜室6において、上述したよ
うな成膜を行なった後、長尺基材の移動速度を4cm/時と
しながら、熱処理室7において、得られた酸化物超電導
線の熱処理を、900℃で10分間の条件で行なった。続い
て、巻取り室8において、第3図および第4図に示すよ
うに、ボビン9の巻芯10上に、酸化物超電導線11を5タ
ーンだけ巻取った。このとき、第4図に示されるよう
に、酸化物超電導層12が内側に、かつ長尺基材13が外側
に位置するように巻取られた。また、巻芯10の直径は30
mmであった。
うな成膜を行なった後、長尺基材の移動速度を4cm/時と
しながら、熱処理室7において、得られた酸化物超電導
線の熱処理を、900℃で10分間の条件で行なった。続い
て、巻取り室8において、第3図および第4図に示すよ
うに、ボビン9の巻芯10上に、酸化物超電導線11を5タ
ーンだけ巻取った。このとき、第4図に示されるよう
に、酸化物超電導層12が内側に、かつ長尺基材13が外側
に位置するように巻取られた。また、巻芯10の直径は30
mmであった。
このようにボビン9に巻取られた酸化物超電導線11
を、液体窒素中に浸漬し、臨界電流を測定したところ、
5Aであった。
を、液体窒素中に浸漬し、臨界電流を測定したところ、
5Aであった。
比較例1 上述した実施例1において、ボビン9の巻芯10に酸化
物超電導線11を巻取るとき、酸化物超電導層12が外側に
位置するようにした以外は実施例1と同じ条件で、ボビ
ン9に巻取った酸化物超電導線11の臨界電流を同じ条件
で測定したところ、2Aしかなかった。
物超電導線11を巻取るとき、酸化物超電導層12が外側に
位置するようにした以外は実施例1と同じ条件で、ボビ
ン9に巻取った酸化物超電導線11の臨界電流を同じ条件
で測定したところ、2Aしかなかった。
実施例2 実施例1と同じ長尺基材および同じ成膜条件を用い
て、酸化物超電導線を得た。この酸化物超電導線を用い
て、次のように、超電導コイルを作製した。
て、酸化物超電導線を得た。この酸化物超電導線を用い
て、次のように、超電導コイルを作製した。
第5図に示すように、酸化物超電導線14を、コイル18
の中心15から半径30mmの距離となる円周上から巻き始
め、5層まで巻いて、コイル18を作製した。このとき、
第6図に示すように、酸化物超電導線14は、酸化物超電
導層16が内側に、かつ長尺基材17が外側に位置するよう
に巻かれた。
の中心15から半径30mmの距離となる円周上から巻き始
め、5層まで巻いて、コイル18を作製した。このとき、
第6図に示すように、酸化物超電導線14は、酸化物超電
導層16が内側に、かつ長尺基材17が外側に位置するよう
に巻かれた。
このようにして得られたコイル18を、液体窒素中に浸
漬し、臨界電流を測定したところ、23Aの値が得られ
た。
漬し、臨界電流を測定したところ、23Aの値が得られ
た。
比較例2 実施例2において、酸化物超電導層16が外側になるよ
うに巻いたことを除いて実施例2と同じ条件で、コイル
を作製し、同じ条件で臨界電流を測定したところ、8Aの
値しか得られなかった。
うに巻いたことを除いて実施例2と同じ条件で、コイル
を作製し、同じ条件で臨界電流を測定したところ、8Aの
値しか得られなかった。
比較例3 実施例1によって得られた酸化物超電導線を、巻取る
ことなく、適当な長さで切断して、直線状態で、液体窒
素中での臨界電流を測定したところ、5.2Aの値が得られ
た。
ことなく、適当な長さで切断して、直線状態で、液体窒
素中での臨界電流を測定したところ、5.2Aの値が得られ
た。
実施例3 厚さ50μmのYSZ(9%Y2O3添加)からなるテープ状
の長尺基材上に、レーザ蒸着法により、厚さ2μmのY1
Ba2Cu3O7−δからなる酸化物超電導層を形成した。成
膜条件は、次のとおりである。
の長尺基材上に、レーザ蒸着法により、厚さ2μmのY1
Ba2Cu3O7−δからなる酸化物超電導層を形成した。成
膜条件は、次のとおりである。
ターゲット組成:Y1Ba2Cu3O7−δ 基材温度:720℃ レーザピーク出力:2J レーザパルス幅:15ns レーザ周波数:10Hz O2圧力:0.01Torr 次に、O2中で、950℃で1時間の熱処理を施した。
得られた酸化物超電導線において、酸化物超電導層が
内側に、かつ長尺基材が外側に位置するように、直径40
mmまで曲げた場合、臨界電流密度の低下は、8%であっ
た。
内側に、かつ長尺基材が外側に位置するように、直径40
mmまで曲げた場合、臨界電流密度の低下は、8%であっ
た。
比較例4 実施例3と同様の条件で得られた酸化物超電導線にお
いて、長尺基材が内側に位置するように、同じく直径40
mmまで曲げた場合、臨界電流密度は、90%以上の低下を
示した。
いて、長尺基材が内側に位置するように、同じく直径40
mmまで曲げた場合、臨界電流密度は、90%以上の低下を
示した。
第1図は、この発明が生まれる契機となった酸化物超電
導線の製造工程における熱膨張係数の影響を示す説明図
である。 第2図は、この発明の実施例1において用いられる装置
を概略的に示す説明図である。第3図は、第2図に示し
た巻取室8に配置されるボビン9を示す正面図である。
第4図は、第3図に示したボビン9の巻芯10に酸化物超
電導線11が巻かれる状態を示す拡大断面図である。 第5図は、この発明の実施例2により得られたコイル18
の一部を示す正面図である。第6図は、第5図に示した
コイル18に含まれる酸化物超電導線14の一部を拡大して
示す断面図である。 図において、1,13,17は長尺基材、2,12,16は酸化物超電
導層、6は成膜室、7は熱処理室、8は巻取室、9はボ
ビン、11,14は酸化物超電導線、18はコイルである。
導線の製造工程における熱膨張係数の影響を示す説明図
である。 第2図は、この発明の実施例1において用いられる装置
を概略的に示す説明図である。第3図は、第2図に示し
た巻取室8に配置されるボビン9を示す正面図である。
第4図は、第3図に示したボビン9の巻芯10に酸化物超
電導線11が巻かれる状態を示す拡大断面図である。 第5図は、この発明の実施例2により得られたコイル18
の一部を示す正面図である。第6図は、第5図に示した
コイル18に含まれる酸化物超電導線14の一部を拡大して
示す断面図である。 図において、1,13,17は長尺基材、2,12,16は酸化物超電
導層、6は成膜室、7は熱処理室、8は巻取室、9はボ
ビン、11,14は酸化物超電導線、18はコイルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 繁 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 一柳 肇 大阪府大阪市此花区島屋1丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (56)参考文献 特開 昭64−43912(JP,A) 特開 平2−222505(JP,A) 特開 昭63−279527(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01B 12/00 - 12/16 H01B 13/00 565
Claims (8)
- 【請求項1】可撓性を有する長尺基材上に酸化物超電導
層が形成されたものであり、前記長尺基材の熱膨張係数
が前記酸化物超電導層の熱膨張係数よりも小さい、酸化
物超電導線の製造方法であって、 前記可撓性を有する長尺基材上に前記酸化物超電導材料
を施与するステップと、 前記長尺基材上に酸化物超電導材料が施与されてなる構
造物に熱処理を加えて、酸化物超電導線を作製するステ
ップと、 曲げ中心に対して、前記酸化物超電導層が内側に、かつ
前記長尺基材が外側に位置するように、前記酸化物超電
導線を曲げるステップとを備えることを特徴とする、酸
化物超電導線の製造方法。 - 【請求項2】前記長尺基材がテープ状である、請求項1
記載の酸化物超電導線の製造方法。 - 【請求項3】前記長尺基材が、ジルコニア、ニッケル、
およびニッケル合金からなる群から選ばれた材料によっ
て構成される、請求項1または2記載の酸化物超電導線
の製造方法。 - 【請求項4】可撓性を有する長尺基材上に酸化物超電導
層が形成されたものであり、前記長尺基材の熱膨張係数
が前記酸化物超電導層の熱膨張係数よりも小さい、酸化
物超電導線のを用いた製品製造方法において、 前記可撓性を有する長尺基材上に前記酸化物超電導材料
を施与するステップと、 前記長尺基材上に酸化物超電導材料が施与されてなる構
造物に熱処理を加えて、酸化物超電導線を作製するステ
ップと、 曲げ中心に対して、前記酸化物超電導層が内側に、かつ
前記長尺基材が外側に位置するように、前記酸化物超電
導線を曲げることにより製品を作製するステップとを備
えることを特徴とする、酸化物超電導線を用いた製品の
製造方法。 - 【請求項5】前記長尺基材がテープ状である、請求項4
記載の酸化物超電導線を用いた製品の製造方法。 - 【請求項6】前記長尺基材が、ジルコニア、ニッケル、
およびニッケル合金からなる群から選ばれた材料によっ
て構成される、請求項4または5記載の酸化物超電導線
を用いた製品の製造方法。 - 【請求項7】前記製品は、前記酸化物超電導線を用いた
コイルである、請求項4ないし6のいずれかに記載の酸
化物超電導線を用いた製品の製造方法。 - 【請求項8】前記製品は、長尺体の表面に前記酸化物超
電導線を螺旋状に巻いてなるケーブルである、請求項4
ないし6のいずれかに記載の酸化物超電導線を用いた製
品の製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP1990/000421 WO1990012409A1 (fr) | 1989-03-31 | 1990-03-29 | Procede de traitement d'un fil a supraconducteur d'oxide et objet ainsi realise |
EP90905662A EP0417329B1 (en) | 1989-03-31 | 1990-03-29 | Method of producing an oxide superconducting wire |
DE69015524T DE69015524T2 (de) | 1989-03-31 | 1990-03-29 | Verfahren zur herstellung eines supraleitenden drahtes auf oxidbasis. |
CA002030559A CA2030559C (en) | 1989-03-31 | 1990-03-29 | Method of treating oxide superconductive wires and products using the same |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8255689 | 1989-03-31 | ||
JP1-82556 | 1989-03-31 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0374012A JPH0374012A (ja) | 1991-03-28 |
JP2986107B2 true JP2986107B2 (ja) | 1999-12-06 |
Family
ID=13777770
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1179423A Expired - Lifetime JP2986107B2 (ja) | 1989-03-31 | 1989-07-12 | 酸化物超電導線の製造方法および酸化物超電導線を用いた製品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2986107B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0502475B1 (en) * | 1991-03-04 | 1997-06-25 | Toda Kogyo Corporation | Method of plating a bonded magnet and a bonded magnet carrying a metal coating |
DE102010040272B4 (de) * | 2010-09-06 | 2018-04-19 | Siemens Aktiengesellschaft | Hochtemperatur-Supraleiter (HTS)-Spule |
-
1989
- 1989-07-12 JP JP1179423A patent/JP2986107B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0374012A (ja) | 1991-03-28 |
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