JP3327842B2 - 連続圧延における溶接部近傍での破断防止方法 - Google Patents
連続圧延における溶接部近傍での破断防止方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、先行する鋼帯と後
行する鋼帯とを溶接接合して連続圧延を行って、鋼板、
とりわけ極薄の鋼板を製造する際に、圧延時に溶接部近
傍で発生する破断を防止する方法に関する。
行する鋼帯とを溶接接合して連続圧延を行って、鋼板、
とりわけ極薄の鋼板を製造する際に、圧延時に溶接部近
傍で発生する破断を防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼帯を次々に連続で冷間圧延す
るには、連続圧延ラインの入側において、先行する鋼帯
の尾端と後行する鋼帯の先端とを溶接して、鋼帯同士を
接合する必要がある。
るには、連続圧延ラインの入側において、先行する鋼帯
の尾端と後行する鋼帯の先端とを溶接して、鋼帯同士を
接合する必要がある。
【0003】例えば、連続圧延ラインの入側厚みが1.
0〜5.0mm程度の鋼帯を、同出側厚みが0.5〜
2.0mm程度まで連続圧延する際、鋼帯同士の接合は
フラッシュバット溶接で行われ、連続圧延において、ロ
ールに溶接部が噛み込まれた際に溶接部の破断やロール
疵が発生するのを防止する観点から、溶接部の余盛を研
削することが行われている。
0〜5.0mm程度の鋼帯を、同出側厚みが0.5〜
2.0mm程度まで連続圧延する際、鋼帯同士の接合は
フラッシュバット溶接で行われ、連続圧延において、ロ
ールに溶接部が噛み込まれた際に溶接部の破断やロール
疵が発生するのを防止する観点から、溶接部の余盛を研
削することが行われている。
【0004】しかしながら、フラッシュバット溶接は、
鋼帯を正確に突き合わせる必要があるが、入側での厚み
が1.0mm以下の極薄鋼板を対象とする場合は、突き
合わせ時の精度が悪いと溶接状態が劣化することが問題
になる。
鋼帯を正確に突き合わせる必要があるが、入側での厚み
が1.0mm以下の極薄鋼板を対象とする場合は、突き
合わせ時の精度が悪いと溶接状態が劣化することが問題
になる。
【0005】そこで、極薄鋼板の製造では、先行する鋼
帯の尾端と後行する鋼帯の先端とを重ね合わせて溶接す
る、重ね合わせ溶接が行われることが多い。その際、重
ね合わせ部分の過厚部の処理は、特開昭60−1304
82号公報に開示されるように、ローラーにより圧潰す
るのが一般的である。
帯の尾端と後行する鋼帯の先端とを重ね合わせて溶接す
る、重ね合わせ溶接が行われることが多い。その際、重
ね合わせ部分の過厚部の処理は、特開昭60−1304
82号公報に開示されるように、ローラーにより圧潰す
るのが一般的である。
【0006】一方、フラッシュバット溶接や重ね合わせ
溶接などの抵抗溶接では、溶接時に、その界面に生じる
表面酸化膜に溶接強度が依存するため、ステンレス鋼や
電磁鋼などの特殊鋼を製造する、圧延ラインでは、レー
ザー溶接が多く行われている。また、レーザー溶接で
は、フラッシュバット溶接や重ね合わせ溶接に比べて、
溶接部の厚みが薄く滑らかなため、薄鋼板の圧延工程で
は溶接部の研削は省略されている。
溶接などの抵抗溶接では、溶接時に、その界面に生じる
表面酸化膜に溶接強度が依存するため、ステンレス鋼や
電磁鋼などの特殊鋼を製造する、圧延ラインでは、レー
ザー溶接が多く行われている。また、レーザー溶接で
は、フラッシュバット溶接や重ね合わせ溶接に比べて、
溶接部の厚みが薄く滑らかなため、薄鋼板の圧延工程で
は溶接部の研削は省略されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、連続圧
延ラインの入側において、レーザー溶接にて鋼帯同士を
接合して連続圧延を行うと、溶接部から先行材側に5〜
15mm離れた溶接部近傍の領域に穴が板幅方向に点在して
発生し、この穴あきに起因してタンデム圧延機内で鋼帯
が溶接部近傍で破断することが、問題となっていた。
延ラインの入側において、レーザー溶接にて鋼帯同士を
接合して連続圧延を行うと、溶接部から先行材側に5〜
15mm離れた溶接部近傍の領域に穴が板幅方向に点在して
発生し、この穴あきに起因してタンデム圧延機内で鋼帯
が溶接部近傍で破断することが、問題となっていた。
【0008】そこで、本発明は、前記問題点を解決し、
連続圧延ラインにおいてレーザー溶接にて鋼帯同士を接
合して連続圧延を行う際に、溶接部近傍での破断を防止
する方法について提案することを目的とする。
連続圧延ラインにおいてレーザー溶接にて鋼帯同士を接
合して連続圧延を行う際に、溶接部近傍での破断を防止
する方法について提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特に極薄
鋼板で発生する溶接部近傍での穴あきについて、鋭意調
査したところ、実験室規模での圧延において、実機にお
いて穴あきを生じる部分に、減厚部が生じること、つま
り、穴あきの原因が熱影響による母板部の機械的性質の
劣化ではないこと、また減厚部は溶接部が厚い場合に生
じていること、を究明した。そして、さらに調査を進め
た結果、穴あきの直接の原因が、圧延ロールバイト内で
の圧延油の封入によるものであることが、新たに判明し
たのである。
鋼板で発生する溶接部近傍での穴あきについて、鋭意調
査したところ、実験室規模での圧延において、実機にお
いて穴あきを生じる部分に、減厚部が生じること、つま
り、穴あきの原因が熱影響による母板部の機械的性質の
劣化ではないこと、また減厚部は溶接部が厚い場合に生
じていること、を究明した。そして、さらに調査を進め
た結果、穴あきの直接の原因が、圧延ロールバイト内で
の圧延油の封入によるものであることが、新たに判明し
たのである。
【0010】すなわち、本発明は、次の通りである。 (1) 連続圧延ラインにおいて、先行する鋼帯の尾端と後
行する鋼帯の先端とを、レーザー溶接にて接合し、連続
して圧延を行うに当たり、溶接部に、先行する鋼帯と後
行する鋼帯との間で延びる溝を、鋼帯の幅方向に並列さ
せて複数設けることを特徴とする連続圧延における溶接
部近傍での破断防止方法。
行する鋼帯の先端とを、レーザー溶接にて接合し、連続
して圧延を行うに当たり、溶接部に、先行する鋼帯と後
行する鋼帯との間で延びる溝を、鋼帯の幅方向に並列さ
せて複数設けることを特徴とする連続圧延における溶接
部近傍での破断防止方法。
【0011】(2) 前記(1) において、溝の幅を1mm以
上および溝の相互間隔を10mm以下とすることを特徴
とする連続圧延における溶接部近傍での破断防止方法。
上および溝の相互間隔を10mm以下とすることを特徴
とする連続圧延における溶接部近傍での破断防止方法。
【0012】(3) 前記 (1)または (2)において、溶接部
の鋼帯幅方向に歯車ロールによる圧延を施して溝を形成
することを特徴とする連続圧延における溶接部近傍での
破断防止方法。
の鋼帯幅方向に歯車ロールによる圧延を施して溝を形成
することを特徴とする連続圧延における溶接部近傍での
破断防止方法。
【0013】(4) 前記 (1)または (2)において、プレス
面に凹凸を有する金型にて、溶接部を圧下して溝を形成
することを特徴とする連続圧延における溶接部近傍での
破断防止方法。
面に凹凸を有する金型にて、溶接部を圧下して溝を形成
することを特徴とする連続圧延における溶接部近傍での
破断防止方法。
【0014】
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】さて、連続圧延における溶接部近
傍での穴あきの発生は、図1に示すように、先行する鋼
帯1の尾端と後行する鋼帯2の先端とをレーザー溶接し
た、溶接部3の近傍を、圧延ロール4および5で圧下す
る際、圧延機入側において、ロール4および5、鋼帯1
および溶接部3に囲まれた空間6によって圧延油7が封
入され、この圧延油7の介在によって鋼帯に減厚部が発
生し、ここを核として穴あきが発生する。なお、この現
象は、鋼帯の側縁でも同様に発生し、この場合の圧延油
の封入は、鋼帯の側縁もロール扁平に起因して封鎖され
ることによって生じる。
傍での穴あきの発生は、図1に示すように、先行する鋼
帯1の尾端と後行する鋼帯2の先端とをレーザー溶接し
た、溶接部3の近傍を、圧延ロール4および5で圧下す
る際、圧延機入側において、ロール4および5、鋼帯1
および溶接部3に囲まれた空間6によって圧延油7が封
入され、この圧延油7の介在によって鋼帯に減厚部が発
生し、ここを核として穴あきが発生する。なお、この現
象は、鋼帯の側縁でも同様に発生し、この場合の圧延油
の封入は、鋼帯の側縁もロール扁平に起因して封鎖され
ることによって生じる。
【0017】本発明では、溶接部の先行鋼帯側で穴あき
が発生することなしに溶接部を圧延するために、図1に
示した、圧延中にロール、鋼帯および溶接部の間に圧延
油が封入されることを未然に防止するものである。
が発生することなしに溶接部を圧延するために、図1に
示した、圧延中にロール、鋼帯および溶接部の間に圧延
油が封入されることを未然に防止するものである。
【0018】具体的には、図2に示すように、溶接部3
に、先行鋼帯1と後行鋼帯2との間で延びる溝8を、鋼
帯の幅方向に並列させて複数、図示例では4本、設ける
ことが肝要である。すなわち、従来は、圧延中に空間6
に封入されていた圧延油7は、図3に示すように、圧延
ロール4および5の進行に伴って、これら溝8を介し
て、先行鋼帯1側から後行鋼帯2側へ移行して、空間6
に封入されることはなくなるから、この圧延油7に起因
した減厚部、ひいては穴あきの発生は、回避されるので
ある。
に、先行鋼帯1と後行鋼帯2との間で延びる溝8を、鋼
帯の幅方向に並列させて複数、図示例では4本、設ける
ことが肝要である。すなわち、従来は、圧延中に空間6
に封入されていた圧延油7は、図3に示すように、圧延
ロール4および5の進行に伴って、これら溝8を介し
て、先行鋼帯1側から後行鋼帯2側へ移行して、空間6
に封入されることはなくなるから、この圧延油7に起因
した減厚部、ひいては穴あきの発生は、回避されるので
ある。
【0019】ここで、図4および図5に、溶接部近傍で
の圧延後の長手方向の板厚分布を、本発明に従って溶接
部に溝を設けた場合と、溝を設けない場合とについて、
調査した結果を示す。なお、この実験に用いた材料は電
磁鋼板であり、母板厚が0.5mmの鋼板を0.39m
mまで1パスで圧延を行った。また、溶接部の圧延前の
厚みは、0.75mm程度であった。
の圧延後の長手方向の板厚分布を、本発明に従って溶接
部に溝を設けた場合と、溝を設けない場合とについて、
調査した結果を示す。なお、この実験に用いた材料は電
磁鋼板であり、母板厚が0.5mmの鋼板を0.39m
mまで1パスで圧延を行った。また、溶接部の圧延前の
厚みは、0.75mm程度であった。
【0020】まず、溶接部に溝を設けない場合の結果を
図4に示すように、溶接部よりも先行鋼帯側に減厚部が
生じていることがわかる。一方、溶接部に溝を設けた場
合は、その調査結果を図5に示すように、減厚部が生じ
ないことがわかる。すなわち、溶接部に溝を設けること
によって、圧延油の封入を防止して減厚部の発生を未然
に防止できること、従って多パス圧延を行う実機におい
て、穴あき破断を防止できることが明らかである。
図4に示すように、溶接部よりも先行鋼帯側に減厚部が
生じていることがわかる。一方、溶接部に溝を設けた場
合は、その調査結果を図5に示すように、減厚部が生じ
ないことがわかる。すなわち、溶接部に溝を設けること
によって、圧延油の封入を防止して減厚部の発生を未然
に防止できること、従って多パス圧延を行う実機におい
て、穴あき破断を防止できることが明らかである。
【0021】また、溶接部に設ける溝の幅は1mm以上
および溝の相互間隔は10mm以下とすることが、好ま
しい。なぜなら、溝の幅が1mm未満では、圧延油が先
行鋼帯側からの移行が不完全になり、一部の圧延油がロ
ールバイトに封入されてしまうためである。同様に、溝
の相互間隔が10mmをこえる場合も、圧延油が残って
しまい、ロールバイトで封入されてしまうためである。
一方、溝部の厚みは、先行鋼帯および後行鋼帯の薄い方
の厚みと同程度にするのがよい。溝部の厚みが厚い場
合、圧延油の排出効果が損なわれてしまい、過度に薄い
場合は溝部で圧延油を封入してしまい、破断の原因とな
るからである。
および溝の相互間隔は10mm以下とすることが、好ま
しい。なぜなら、溝の幅が1mm未満では、圧延油が先
行鋼帯側からの移行が不完全になり、一部の圧延油がロ
ールバイトに封入されてしまうためである。同様に、溝
の相互間隔が10mmをこえる場合も、圧延油が残って
しまい、ロールバイトで封入されてしまうためである。
一方、溝部の厚みは、先行鋼帯および後行鋼帯の薄い方
の厚みと同程度にするのがよい。溝部の厚みが厚い場
合、圧延油の排出効果が損なわれてしまい、過度に薄い
場合は溝部で圧延油を封入してしまい、破断の原因とな
るからである。
【0022】溝を溶接部に設けるには、例えば、図6に
示すような、歯車ロール9による加工方法や、図7に示
すような、プレス面に凹凸を付与した金型10で圧下す
る方法などを採用するのがよい。なお、砥石による研削
や切削処理による方法も考えられるが、極薄鋼板では溶
接部において目違いが発生する場合が多く、研削や切削
処理により極端に薄い部分を発生させてしまう可能性が
あり、本発明には適していない。
示すような、歯車ロール9による加工方法や、図7に示
すような、プレス面に凹凸を付与した金型10で圧下す
る方法などを採用するのがよい。なお、砥石による研削
や切削処理による方法も考えられるが、極薄鋼板では溶
接部において目違いが発生する場合が多く、研削や切削
処理により極端に薄い部分を発生させてしまう可能性が
あり、本発明には適していない。
【0023】次に、図1に示した、圧延中にロール、鋼
帯および溶接部の間に圧延油が封入されることを未然に
防止する、別の手法について、図8を参照して説明す
る。すなわち、図8に示すように、溶接部3の厚み、具
体的にはその最大厚みTを、先行鋼帯1の厚みT1 を基
準として、0.2mm以下の増加に抑えることによって
も、ロールバイトでの圧延油の封入を回避できる。
帯および溶接部の間に圧延油が封入されることを未然に
防止する、別の手法について、図8を参照して説明す
る。すなわち、図8に示すように、溶接部3の厚み、具
体的にはその最大厚みTを、先行鋼帯1の厚みT1 を基
準として、0.2mm以下の増加に抑えることによって
も、ロールバイトでの圧延油の封入を回避できる。
【0024】ここに、溶接部3の厚みTの先行鋼帯1の
厚みT1 に対する増厚量と穴あきの発生との関係につい
て調査した結果を、図9に示す。同図において、黒丸は
溶接部の先行鋼帯側に穴あきが発生したもの、白丸は穴
あきが発生しなかったもの、をそれぞれ示す。なお、溶
接部3の厚みTは、溶接速度を4.5m/min と一定に
して溶接ワイヤの送り速度を0.6〜2.2m/min に
変化させることによって、調節した。この溶接部の厚み
は、鋼帯幅方向の中央で測定した。
厚みT1 に対する増厚量と穴あきの発生との関係につい
て調査した結果を、図9に示す。同図において、黒丸は
溶接部の先行鋼帯側に穴あきが発生したもの、白丸は穴
あきが発生しなかったもの、をそれぞれ示す。なお、溶
接部3の厚みTは、溶接速度を4.5m/min と一定に
して溶接ワイヤの送り速度を0.6〜2.2m/min に
変化させることによって、調節した。この溶接部の厚み
は、鋼帯幅方向の中央で測定した。
【0025】図9から、溶接部の厚みを先行鋼帯の厚み
に対して、0.2mm以下の増加に抑えることによっ
て、穴あきの発生を回避できることがわかる。一方、溶
接部の厚みTは、後行鋼帯の厚みT2 以上であること
が、好ましい。なぜなら、溶接部の厚みTが後行鋼帯の
厚みT2 未満であると、溶接強度が不十分となり、溶接
部で破断が発生するからである。ちなみに、後行鋼帯の
厚みT2 が先行鋼帯1の厚みT1 よりも厚い場合は、板
厚の薄い順に先行鋼帯厚みT1 、後行鋼帯厚みT2、溶
接部の厚みTの順であり、さらに、溶接部厚みTは、先
行鋼帯厚みT1 に0.2mmを加えた値よりも小さくな
っている。
に対して、0.2mm以下の増加に抑えることによっ
て、穴あきの発生を回避できることがわかる。一方、溶
接部の厚みTは、後行鋼帯の厚みT2 以上であること
が、好ましい。なぜなら、溶接部の厚みTが後行鋼帯の
厚みT2 未満であると、溶接強度が不十分となり、溶接
部で破断が発生するからである。ちなみに、後行鋼帯の
厚みT2 が先行鋼帯1の厚みT1 よりも厚い場合は、板
厚の薄い順に先行鋼帯厚みT1 、後行鋼帯厚みT2、溶
接部の厚みTの順であり、さらに、溶接部厚みTは、先
行鋼帯厚みT1 に0.2mmを加えた値よりも小さくな
っている。
【0026】なお、溶接部の厚みを先行鋼帯の厚みに対
して、0.2mmの増加に抑えるには、溶接条件を制御
したり、溶接部を部分的に研削する、などの処理を行え
ばよい。
して、0.2mmの増加に抑えるには、溶接条件を制御
したり、溶接部を部分的に研削する、などの処理を行え
ばよい。
【0027】
【実施例】実施例1 4スタンドタンデムミルの連続圧延ラインにおいて、
2.5〜3.2wt%Siを含有する方向性電磁鋼板を、ラ
イン入側の板厚が0.75〜0.4mm、同出側の板厚
が0.35〜0.15mmおよび板幅900〜1200
mmの条件にて圧延するに当たり、鋼帯同士(板厚差:
0.15mm以下)を接合した溶接部に、図2に示した
溝を設けた。なお、圧延機は、4スタンド構成のタンデ
ム圧延機であり、ワークロール径は330〜375mm
の範囲で実施した。
2.5〜3.2wt%Siを含有する方向性電磁鋼板を、ラ
イン入側の板厚が0.75〜0.4mm、同出側の板厚
が0.35〜0.15mmおよび板幅900〜1200
mmの条件にて圧延するに当たり、鋼帯同士(板厚差:
0.15mm以下)を接合した溶接部に、図2に示した
溝を設けた。なお、圧延機は、4スタンド構成のタンデ
ム圧延機であり、ワークロール径は330〜375mm
の範囲で実施した。
【0028】すなわち、実施例1−1では、幅2mmお
よび相互間隔20mmで溝を設け、また実施例1−2で
は、幅2mmおよび相互間隔10mmで溝を設けて、連
続圧延を行った。この溝加工は、プレス面に凹凸を付与
した金型(図7参照)を、鋼帯幅方向に圧下と移動とを
繰り返しながら行った。また、比較例として、溶接部に
何も加工を施さずに圧延を同様に行った。
よび相互間隔20mmで溝を設け、また実施例1−2で
は、幅2mmおよび相互間隔10mmで溝を設けて、連
続圧延を行った。この溝加工は、プレス面に凹凸を付与
した金型(図7参照)を、鋼帯幅方向に圧下と移動とを
繰り返しながら行った。また、比較例として、溶接部に
何も加工を施さずに圧延を同様に行った。
【0029】かくして得られた鋼板について、溶接部近
傍での穴あきの発生を調査した。その結果、図10に示
すように、比較例では、対象寸法の材料で1%の頻度で
穴あきが発生したが、実施例1−1では、0.2%まで
穴あきを削減することができ、さらに実施例1−2では
0.1%まで穴あきを削減することができた。すなわ
ち、本発明により、溶接部近傍の先行鋼帯側に発生して
いた穴あきによる破断を防止できることが、明らかであ
る。
傍での穴あきの発生を調査した。その結果、図10に示
すように、比較例では、対象寸法の材料で1%の頻度で
穴あきが発生したが、実施例1−1では、0.2%まで
穴あきを削減することができ、さらに実施例1−2では
0.1%まで穴あきを削減することができた。すなわ
ち、本発明により、溶接部近傍の先行鋼帯側に発生して
いた穴あきによる破断を防止できることが、明らかであ
る。
【0030】実施例2 4スタンドタンデムミルの連続圧延ラインにおいて、
3.0wt%Siを含有する方向性電磁鋼板を、ライン入
側の板厚が0.75〜0.4mm、同出側の板厚が0.
35〜0.15mmおよび板幅900〜1200mm条
件にて、圧延するに当たり、鋼帯同士(板厚差:0.1
5mm以下)を接合した溶接部の厚みを変更した。な
お、圧延機は、4スタンド構成のタンデム圧延機であ
り、ワークロール径は330〜375mmの範囲で実施
した。
3.0wt%Siを含有する方向性電磁鋼板を、ライン入
側の板厚が0.75〜0.4mm、同出側の板厚が0.
35〜0.15mmおよび板幅900〜1200mm条
件にて、圧延するに当たり、鋼帯同士(板厚差:0.1
5mm以下)を接合した溶接部の厚みを変更した。な
お、圧延機は、4スタンド構成のタンデム圧延機であ
り、ワークロール径は330〜375mmの範囲で実施
した。
【0031】すなわち、実施例2−1では、溶接条件を
変更することによって溶接部の厚みを先行鋼帯に比較し
て0.2mm以下の増厚に抑え、かつ後行鋼帯の厚みよ
り厚くし、また実施例2−2では、溶接部の一部を研削
することによって溶接部の厚みを先行鋼帯に比較して
0.2mm以下の増厚に抑え、かつ後行鋼帯の厚みより
厚くして、連続圧延を行った。また、比較例として、従
来の溶接条件で溶接を行って圧延を同様に行った。
変更することによって溶接部の厚みを先行鋼帯に比較し
て0.2mm以下の増厚に抑え、かつ後行鋼帯の厚みよ
り厚くし、また実施例2−2では、溶接部の一部を研削
することによって溶接部の厚みを先行鋼帯に比較して
0.2mm以下の増厚に抑え、かつ後行鋼帯の厚みより
厚くして、連続圧延を行った。また、比較例として、従
来の溶接条件で溶接を行って圧延を同様に行った。
【0032】かくして得られた鋼板について、溶接部近
傍での穴あきの発生を調査した。その結果、図11に示
すように、比較例では、対象寸法の材料で1%の頻度で
穴あきが発生したが、実施例では、約0.1%まで穴あ
きを削減することができた。すなわち、本発明により、
溶接部近傍の先行鋼帯側に発生していた穴あきによる破
断を防止できることが、明らかである。
傍での穴あきの発生を調査した。その結果、図11に示
すように、比較例では、対象寸法の材料で1%の頻度で
穴あきが発生したが、実施例では、約0.1%まで穴あ
きを削減することができた。すなわち、本発明により、
溶接部近傍の先行鋼帯側に発生していた穴あきによる破
断を防止できることが、明らかである。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、ステンレス鋼や電磁鋼
などの特殊鋼を含む極薄鋼板の圧延製造工程において、
溶接部近傍の先行鋼帯側での穴あきや破断を招くことな
しに、溶接部を圧延することができ、従来は難しかった
連続圧延の実現が可能となる。
などの特殊鋼を含む極薄鋼板の圧延製造工程において、
溶接部近傍の先行鋼帯側での穴あきや破断を招くことな
しに、溶接部を圧延することができ、従来は難しかった
連続圧延の実現が可能となる。
【図1】溶接部近傍での穴あきの発生原因を説明する図
である。
である。
【図2】本発明の具体的手法を示す図である。
【図3】本発明の作用を説明する図である。
【図4】溶接部前後の板厚分布を示す図である。
【図5】溶接部前後の板厚分布を示す図である。
【図6】溶接部に設ける溝の加工方法を示す図である。
【図7】溶接部に設ける溝の加工方法を示す図である。
【図8】本発明の具体的手法を示す図である。
【図9】溶接部の厚みと穴あきとの関係を示す図であ
る。
る。
【図10】穴あきの発生頻度の測定結果を示す図であ
る。
る。
【図11】穴あきの発生頻度の測定結果を示す図であ
る。
る。
1 先行鋼帯 7 圧延油 2 後行鋼帯 8 溝 3 溶接部 9 歯車ロール 4 圧延ロール 10 金型 5 圧延ロール 6 空間
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B23K 31/00 B23K 31/00 C (72)発明者 赤木 功 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (72)発明者 岡田 典久 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (56)参考文献 特開 平3−169493(JP,A) 特開 平7−124611(JP,A) 特開 昭62−199207(JP,A) 特開 平8−52508(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/00 - 11/00 B21B 15/00 B21D 17/00 - 17/04 B23K 26/00 B23K 31/00
Claims (4)
- 【請求項1】連続圧延ラインにおいて、先行する鋼帯の
尾端と後行する鋼帯の先端とを、レーザー溶接にて接合
し、連続して圧延をするに当たり、溶接部に、先行する
鋼帯と後行する鋼帯との間で伸びる溝を、鋼帯の幅方向
に並列させて複数設けることを特徴とする連続圧延にお
ける溶接部近傍での破断防止方法。 - 【請求項2】請求項1において、溝の幅を1mm以上お
よび溝の相互間隔を10mm以下とすることを特徴とす
る連続圧延における溶接部近傍での破断防止方法。 - 【請求項3】請求項1または2において、溶接部の鋼帯
幅方向に歯車ロールによる圧延を施して溝を形成するこ
とを特徴とする連続圧延における溶接部近傍での破断防
止方法。 - 【請求項4】請求項1または2において、プレス面に凹
凸を有する金型にて、溶接部を圧下して溝を形成するこ
とを特徴とする連続圧延における溶接部近傍での破断防
止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19858798A JP3327842B2 (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | 連続圧延における溶接部近傍での破断防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19858798A JP3327842B2 (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | 連続圧延における溶接部近傍での破断防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000024701A JP2000024701A (ja) | 2000-01-25 |
JP3327842B2 true JP3327842B2 (ja) | 2002-09-24 |
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ID=16393671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19858798A Expired - Fee Related JP3327842B2 (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | 連続圧延における溶接部近傍での破断防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3327842B2 (ja) |
-
1998
- 1998-07-14 JP JP19858798A patent/JP3327842B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JP2000024701A (ja) | 2000-01-25 |
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