JP3327394B2 - 光近接効果補正方法 - Google Patents

光近接効果補正方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光近接効果補正方
法に関し、更に詳細には、フォトリソグラフィによって
配線層上のフォトレジスト膜に転写するマスク配線パタ
ーンの屈曲部の形状を補正することにより、設計配線パ
ターンに存在する2個の屈曲部と屈曲部を繋ぐ直線部と
からなる「コの字」状パターンの直線部の幅を縮小させ
ないようにして転写する、光近接効果補正方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の微細化に伴い、半導体装置
を構成するゲート電極、配線層、コンタクトホール等の
パターンが、益々、微細化している。そのため、それら
ゲート電極、配線層、コンタクトホール等をフォトリソ
グラフィによってパターニングする際に必要となる露光
マスクのマスクパターンも益々微細化している。そし
て、フォトリソグラフィでの光露光の際、露光装置の限
界解像力に近くなるまで微細化されたマスクパターンを
フォトレジスト膜等に露光転写すると、パターンの相互
に近接する微細領域で近接光同士が光干渉する結果、露
光像が歪み、露光マスクのマスクパターンを正確に転写
することができない。一般に、これは、光近接効果と称
されている。露光転写の際、光近接効果が生じると、マ
スクパターンを介して設計パターンを正確にフォトレジ
スト膜に転写することができないので、設計の際に意図
した所望通りの素子特性を得ることができなくなる。そ
こで、光近接効果を抑制して、露光マスクのマスクパタ
ーンを正確にフォトレジスト膜に転写するために、光近
接効果を補償する補正を予めマスクパターンに施すこと
が行われている。
【0003】ここで、図8及び図9を参照して、光近接
効果の現象及び補正方法を簡単に説明する。図8(a)
及び(b)は、それぞれ、露光マスクのマスク配線パタ
ーン、及びマスク配線パターンをフォトレジスト膜に露
光転写した際、光近接効果によって歪んだエッチングマ
スクの配線パターンを示す模式図である。また、図9
(a)及び(b)は、それぞれ、光近接効果を補償する
ように補正したマスク配線パターン、及びそれにより得
たエッチングマスクの配線パターンを示す模式図であ
る。所望の設計配線パターン、即ち所望の設計配線パタ
ーンと所定の関係(例えば、一定比率の縮小関係)にあ
る露光マスクのマスク配線パターン11は、図8(a)
に示すように、直線部12と、直線部12から90°方
向に曲がる屈曲部13とを有するL字パターンであっ
て、配線パターン11の屈曲部13がコンタクトホール
14上に位置するように配置される。屈曲部13の外縁
側の角部は屈曲角θ1 が90℃であり、内縁側の角部は
屈曲角θ2 が270である。図8(a)に示すマスク配
線パターン11をフォトレジスト膜上に露光転写する
と、転写により得た配線パターン16は、図8(b)に
示すように、屈曲部13の外縁側の角部及び内縁側の角
部が、光近接効果により歪んで丸くなり、コンタクトホ
ール14とのずれが生じる。その結果、コンタクトホー
ル14との接合面積が減少して、接続抵抗が増大した
り、更には接続不良が生じたりする。
【0004】そこで、従来、光近接効果を抑制するため
に、光近接効果を補償するパターンを有するマスクパタ
ーンが使用される。上述の光近接効果を抑制するため、
例えば特開平10−229124号公報によれば、図9
(a)に示すように、マスク配線パターン11の屈曲部
13の外縁側の角部には、「L字」状微小パターンから
なる付加補正パターン17を付加し、屈曲部の内縁側の
角部には、パターンを切り欠いた「L字」状微小四辺形
パターンからなる切り欠き補正パターン18を設ける。
このような光近接効果補正を行ったマスク配線パターン
を有する露光マスクを使用することにより、図9(b)
に示すように、所望のマスク配線パターン11に近い転
写配線パターン19を得ることができる。
【0005】光近接効果補正を施すために、露光マスク
のマスクパターンに設ける付加補正パターン及び切り欠
き補正パターンの寸法は、L字パターン配線の露光工程
毎に、実験等によって定められている。例えば、屈曲部
の内縁の各部に設ける切り欠き補正パターンについて言
えば、切り欠き補正パターン20は、通常、図10に示
すように、直角を成す2本の脚部の長さがそれぞれLで
幅がWの寸法で、屈曲部の内縁に沿って2方向に延びる
「L字」状のパターンである。切り欠き補正パターン
は、光近接効果を出来るだけ解消するように補正するた
めに、切り欠き補正パターンのL及びWの大きさは、使
用するプロセス条件や配線幅毎に実験等により予め求め
られていて、光近接効果補正ルールと呼ばれている。
【0006】ところで、半導体装置に設ける配線パター
ンは、基本的には、直線部と屈曲部とからなるL字パタ
ーンで構成されていて、通常の配線パターンには、90
°及び270°以外の角度の屈曲角の屈曲部は殆どな
い。即ち、半導体装置の設計及び製造上では、屈曲部
は、屈曲角90°の外縁角部と屈曲角270°の内縁角
部とから形成されているとして、実用的には、十分であ
る。そこで、従来、光近接効果補正をマスク配線パター
ンに施す際には、設定した光近接効果補正ルールに従っ
て所定寸法の切り欠き補正パターンをL字パターン配線
の屈曲部に一律に適用している。例えば、図11に示す
模擬設計配線パターン22のマスク配線パターンを設計
する際、配線レイアウト上で設計配線パターン22を走
査し、屈曲部23から31に到達する度に、機械的に一
律で、その屈曲部23から31の内縁側に光近接効果補
正ルールに従った切り欠き補正パターンを設けている。
L字パターン配線は、屈曲部と、屈曲部からL字状に伸
びる直線部とから構成されている。図10中、32は屈
曲部24と25との間の直線部、33は屈曲部27と2
8との間の直線部、34は屈曲部30と31との間の直
線部、及び35は拡散層である。また、屈曲部24と屈
曲部25との間の直線部32、屈曲部26と屈曲部27
との間の直線部、及び屈曲部28と屈曲部29との間の
直線部は、ゲート電極を構成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の配線パターンをL字パターンの組み合わせとして扱う
方法、言い換えれば配線パターンをL字パターンに分解
して扱うL字パターン光近接効果補正方法には、以下の
ような問題があった。ここで、図12を参照して、従来
の光近接効果補正方法の問題点を説明する。図12は、
従来の光近接効果補正方法の問題点を説明する模式的配
線パターン図である。マスク配線パターン36は、内縁
側(屈曲角270°の角部)がパターンの同じ側にある
2個の屈曲部37、38を有する「コの字」状パターン
を有し、しかも、「コの字」状を形成する屈曲部37、
38同士が近接している。このようなマスク配線パター
ン36の屈曲部37、38の内縁側に切り欠き補正パタ
ーン39を光近接効果補正ルールに従って一律に設ける
と、露光して得たエッチングマスクの配線パターン40
は、図12に示すように、dの値が小さいと「コの字」
状パターンを形成する屈曲部37、38間の直線部41
の配線(破線で表示)が、設計値より細くなって局部的
に抵抗が大きくなるという問題があった。特に、図12
に示すように、直線部41が拡散層42上に設けられた
ゲート電極41を構成するとき、ゲート電極41のゲー
ト長が、所定のゲート長L1 より短いL2 になってしま
う。近年、ゲート長は益々短くなってきており、Lの少
しの違いがトランジスタのショートチャンネル効果に敏
感に影響するので、設計したトランジスタ特性から大き
くずれて、設計通りの回路動作を得ることができないと
いう大きな問題が出て来る。
【0008】尚、上述の例で、露光マスクのマスク配線
パターン36に切り欠き補正パターン39を設けないと
きには、図13に示すように、直線部41、即ちゲート
電極41のゲート長さは所定のゲート長L1 になるもの
の、ゲート電極41の端部43が太くなって所定のゲー
ト長L1 より大きくなるために、これまた、トランジス
タ特性が悪くなる。
【0009】そこで、本発明の目的は、「コの字」状パ
ターンを有する配線パターンを形成する際、「コの字」
状パターンの屈曲部間の直線部の配線幅が所定配線幅に
なるように光近接効果補正をマスクパターンに行う方法
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、「コの字」
状パターンを有するマスク配線パターンで、「コの字」
状パターンを形成する屈曲部同士が近接している場合
に、屈曲部間の直線部の配線幅が細くなる原因を追求し
た結果、従来のように、L字パターンの光近接効果補正
ルールを一律に適用して屈曲角270°の屈曲部に切り
欠き補正パターンを設けたとき、図12に示すように、
屈曲部に設けた切り欠き補正パターン同士、特に切り欠
き補正パターンの端部同士が近接することにより、屈曲
部間の直線部の配線が細くなることを見い出した。そし
て、屈曲部同士の間隔が短いときには、即ち切り欠き補
正パターン39同士の対向する端部間の間隔dが短いと
きには、その端部間の間隔dが所定間隔d S になるよう
に、切り欠き補正パターンの対向する脚部パターンを短
縮することにより、屈曲部間の直線部の配線幅を所定の
配線幅に維持できることを多数回の実験により見い出し
た。そして、直線部がゲート電極層を形成する際に、端
部間の間隔dが実験から求めた所定値dS より小さい場
合には、dをdS にすることにより、所定のゲート長を
維持する上で、特に効果があることを見い出した。ま
た、図8に示すように、コーナ部にコンタクト孔が無い
場合には、コーナ部外側に付加補正パターンを付けて
も、付けなくても、出来上がった配線の電気特性にさほ
どの影響が生じないことも見い出した。従って、コーナ
部にコンタクト孔が無い場合には、付加補正パターンが
あっても、無くても良い。
【0011】また、ゲート電極配線パターンの場合、屈
曲部の外縁側に設ける付加補正パターンは、光近接効果
補正ルールに従って一律に設けても、トランジスタ特性
に影響する程、屈曲部間の直線部の形状及び寸法に影響
しないことを実験により確認した。同じく、ゲート電極
配線パターン以外の配線パターンであっても、配線パタ
ーンのパターニングに対する好ましくない影響は生じな
い。
【0012】尚、「コの字」状パターンには、図6に示
すように、屈曲部72、74間の直線部76が、拡散層
35から所定距離以上離隔して交差することなく延在
し、直線部76から離れるように屈曲部72、74から
延びるパターン部分が、拡散層35上を横断して、ゲー
ト電極を構成するパターンがある。このときは、切り欠
き補正パターン78同士が接触しない限り、切り欠き補
正パターン78の端部同士の間隔の長短にかかわりな
く、L字パターン光近接効果補正ルールを適用しても、
図6に示すように、屈曲部72、74の内縁側72′、
74′が膨らむものの、所定の形状のゲート電極を得る
ことができることを見い出した。尚、ここで、所定距離
とは、屈曲部72、74の内縁側72′、74′の膨ら
みが、ゲート電極の形状に影響して、トランジスタ特性
を悪くしない程度に、直線部76が拡散層35から離隔
している距離である。
【0013】上記目的を達成するために、本発明に係る
光近接効果補正方法(以下、第1の発明方法と言う)
は、フォトリソグラフィにより配線パターンをパターン
ニングする際に使用するフォトマスクに対し、前記配線
パターンの形状に応じて光近接効果を補正する光近接効
果補正方法において、配線パターンを走査してL字パタ
ーンを認識する第1のステップと、認識した前記L字パ
ターンの配線形状に応じて各屈曲部にL字パターン光近
接効果補正を施す第2のステップと、前記配線パターン
を走査して「コの字」状パターンを認識する第3のステ
ップと、前記第3のステップで認識した「コの字」状パ
ターンの2つ屈曲部に対して、前記第2のステップでL
字パターン光近接効果補正としてそれぞれ施した2つの
切り欠き補正パターンの端部同士の間隔dを求める第4
のステップと、前記間隔dと予め設定してある長さdS
を比較する第5のステップと、前記間隔dがdS より小
さい場合は、間隔dがdS になるように切り欠き補正パ
ターンを修正する第6のステップとを備えることを特徴
としている。
【0014】尚、第2のステップでは、L字パターン光
近接効果補正として、コンタクトと接続する屈曲部に対
しては付加補正パターンを設け、コンタクトと接続しな
い屈曲部に対しては付加補正パターンを設けない。
【0015】ゲート電極配線パターンに適用する時に
は、本発明に係る別の光近接効果補正方法(以下、第2
の発明方法と言う)は、フォトリソグラフィによりゲー
ト電極配線パターンをパターンニングする際に使用する
フォトマスクに対し、前記ゲート電極配線パターンの形
状に応じて光近接効果を補正する近接効果補正方法にお
いて、ゲート電極配線パターンを走査してL字パターン
を認識する第1のステップと、認識した前記L字パター
ンの配線形状に応じて各屈曲部に切り欠き補正パターン
を設け、L字パターン光近接効果補正を施す第2のステ
ップと、前記配線パターンを走査して「コの字」状パタ
ーンを認識する第3のステップと、前記第3のステップ
で認識した「コの字」状パターンの2つ屈曲部に対し
て、前記第2のステップでそれぞれ施した2つの切り欠
き補正パターンの端部同士の間隔dを求める第4のステ
ップと、前記間隔dと予め設定してある長さdS を比較
する第5のステップと、前記間隔dがdS より小さい場
合は、間隔dがdS になるように切り欠き補正パターン
を修正する第6のステップとを備えることを特徴として
いる。
【0016】尚、ゲート電極配線パターンの「コの字」
状パターンの直線部と拡散層の距離が所定範囲内で延在
し、直線部から離れるように屈曲部から延びるパターン
部分が拡散層上を横断するゲート電極を構成する際に
は、第2のステップで終了し、第3のステップから第6
のステップを行わない。また、前記第3のステップで認
識した「コの字」状パターンの2つ屈曲部の外縁部に
は、付加補正パターンを設ける。
【0017】本発明方法で、マスク配線パターンの屈曲
部に設ける切り欠き補正パターンは、基本的には、屈曲
部の2方向の内縁に沿って延在する「L字」状の切り欠
きであって、「L字」状の切り欠きの奥行きと長さは、
配線の幅や使用するプロセスに応じて予め決められてい
る。ここでは、便宜のために、これら要素を配線形状と
呼ぶことにする。従って、配線幅、配線材料、プロセス
等に応じて、L字パターンの付加補正パターン及び切り
欠き補正パターンの寸法を予め定め、配線形状に応じて
適用する。
【0018】本発明方法によれば、設計配線パターンの
「コの字」状パターンの直線部が、拡散層上を横断する
ゲート電極を構成する際には、光近接効果補正したマス
ク配線パターンを転写することにより、所定のゲート長
を有し、所望の形状のゲート電極を容易に形成すること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照し、実施
形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に
説明する。実施形態例1 本実施形態例は、第1の発明方法に係る光近接効果補正
方法の実施形態の一例であって、図1は本実施形態例の
光近接効果補正方法を実施する際の手順を示すフローチ
ャート、図2は「コの字」状パターンの屈曲部に設けた
切り欠き補正パターンを示すパターン図、及び図3は
「コの字」状パターンの屈曲部に設けた短縮切り欠き補
正パターンを示すパターン図である。本実施形態例の方
法は、ゲート電極を構成しないときの配線パターンをパ
ターニングする際に、露光マスクのマスク配線パターン
の補正に適用する光近接効果補正方法である。
【0020】図1を参照して、本実施形態例の方法の手
順を説明する。先ず、ステップ1では、図11に示すよ
うな設計配線パターン22を走査して、屈曲部と、屈曲
部からL字状に伸びる2本の直線からなるL字パターン
を抽出して、ステップ2に移行する。設計配線パターン
22では、L字パターンを構成する屈曲部は23から3
1まである。なお、本実施形態例では、拡散層35は無
いものとする。
【0021】ステップ2では、設計配線パターン22の
L字パターンに対応するマスク配線パターンのL字パタ
ーンの各屈曲部の内縁側(屈曲角が270°の角部)
に、それぞれ、配線形状に応じて、所定の切り欠き補正
パターンをL字パターン光近接効果補正ルールに従って
一律に設ける。例えば、図2に示すように、設計配線パ
ターン22の屈曲部30、31に対応するマスク配線パ
ターン50の屈曲部52、54の内縁側(屈曲角が27
0°の角部)に切り欠き補正パターン58をL字パター
ン光近接効果補正ルールに従って一律に設ける。
【0022】ステップ3では、ステップ1で抽出したL
字パターンのうち隣合う2個のL字パターンが「コの
字」状パターンを構成するかどうか判断し、構成すれ
ば、ステップ4に移行し、構成しなければ、ステップ7
に移行する。「コの字」状パターンは、例えば、図11
の屈曲部30、31と、屈曲部29と屈曲部30とを結
ぶ直線と、屈曲部30、31とを結ぶ直線部34と、屈
曲部31から伸びる直線とからなる配線パターンを「コ
の字」状パターンと言う。以下、便宜上、このような
「コの字」状パターンを屈曲部30、31と直線部34
とからなる「コの字」状パターンと言う。
【0023】ステップ4では、屈曲部30、31と直線
部34とからなる「コの字」状パターンに対応するマス
ク配線パターンに設けた切り欠き補正パターンの端部同
士の間隔を算出してステップ5に移行する。即ち、図2
に示したマスク配線パターン50の2個の屈曲部52、
54にそれぞれ設けた切り欠き補正パターン58の対向
する端部同士の直線部56に沿った間隔d(図2参照)
を算出し、ステップ5に移行する。ステップ5では、算
出した端部同士の間隔dと、予め設定した設定間隔dS
(図2参照)とを比較し、算出した端部同士の間隔d
が、図2に示すように、予め設定した設定間隔dS 未満
であるときには、ステップ6に移行し、算出した端部同
士の間隔dが設定間隔dS 以上であるときには、ステッ
プ7に移行する。
【0024】ステップ6では、図3に示すように、切り
欠き補正パターンの対向する端部同士の間隔dが設定間
隔dS になるように、切り欠き補正パターン58の直線
部56に沿ったパターン部分の長さを短縮してなる短縮
切り欠き補正パターン59を改めてマスク配線パターン
50の2個の屈曲部52、54の内縁側に、それぞれ、
設ける。これにより、直線部56の端部、即ち屈曲部5
2、54との連結部分は、図3で破線で示すように、細
りが小さくなる。ステップ7では、ステップ2で設けた
切り欠き補正パターン58を最終的な切り欠き補正パタ
ーンとする。配線抵抗が回路特性に敏感に影響を与える
ような場合には、本実施形態例を使用すれば問題が解決
できる。
【0025】実施形態例2 本実施形態例は、第2の発明方法に係る光近接効果補正
方法の実施形態の一例であって、図4は本実施形態例の
光近接効果補正方法を実施する際の手順を示すフローチ
ャート、図5は第1の「コの字」状パターンの屈曲部に
設けた切り欠き補正パターンを示すパターン図、図6は
第2の「コの字」状パターンの屈曲部に設けた切り欠き
補正パターンを示すパターン図、及び図7は第1の「コ
の字」状パターンの屈曲部に設けた短縮切り欠き補正パ
ターンのパターン図である。本実施形態例の方法は、配
線パターンに存在する「コの字」状パターンの直線部、
又は屈曲部から延びるパターン部分が、拡散層上を横断
して、ゲート電極を構成する際のマスク配線パターンの
補正に適用した例である。
【0026】図4を参照して、本実施形態例の方法の手
順を説明する。先ず、ステップ1では、図11に示すよ
うな設計配線パターン22を走査して、L字パターンを
抽出して、ステップ2に移行する。図11の設計配線パ
ターン22では、本実施形態例のL字パターンを構成す
る屈曲部は24から29まである。
【0027】ステップ2では、設計配線パターンのL字
パターンに対応するマスク配線パターンのL字パターン
の各屈曲部の内縁(屈曲角270°の角部)に、それぞ
れ、配線形状に応じて、所定の切り欠き補正パターンを
L字パターン光近接効果補正ルールに従って一律に設け
て、ステップ3に移行する。例えば、図5に示すよう
に、設計配線パターン22のL字パターンを構成する屈
曲部24、25に対応するマスク配線パターン60で
は、屈曲部62、64の内縁側に切り欠き補正パターン
68をL字パターン光近接効果補正ルールに従って一律
に設けて、ステップ3に移行する。尚、マスク配線パタ
ーン60の直線部66は、設計配線パターン22の直線
部32に対応するものである。また、設計配線パターン
22のL字パターンを構成する屈曲部27、28に対応
するマスク配線パターン70では、図6に示すように、
屈曲部72、74の内縁側に切り欠き補正パターン78
をL字パターン光近接効果補正ルールに従って一律に設
けて、ステップ4に移行する。
【0028】尚、図7中、屈曲部72から右側に向かっ
て伸びる直線は、トランジスタTR1のゲート電極を構
成し、屈曲部74から右側に向かって伸びる直線は、ト
ランジスタTR2のゲート電極を構成していて、TR1
とTR2はパラレルトランジスタを構成している。ま
た、マスク配線パターン70の直線部76は、設計配線
パターン22の直線部33に対応するものである。
【0029】ステップ3では、ステップ1で抽出したL
字パターンのうち隣合う2個のL字パターンが「コの
字」状パターンを構成するかどうか判断し、構成すれ
ば、ステップ4に移行し、構成しなければ、ステップ8
に移行する。「コの字」状パターンとは、例えば、図1
1の屈曲部24、25と直線部32とからなる配線パタ
ーン、また図11の屈曲部27、28と直線部33とか
らなる配線パターンを言う。
【0030】ステップ4では、抽出した「コの字」状パ
ターンが、直線部が拡散層を横断してゲート電極を構成
する第1の「コの字」状パターンか、直線部が拡散層を
所定距離以上離隔して延在し、屈曲部から延びるパター
ン部分が拡散層を横断してパラレルトランジスタのゲー
ト電極を構成する第2の「コの字」状パターンかを判断
し、第1の「コの字」状パターンであれば、ステップ5
に移行し、第2の「コの字」状パターンであれば、ステ
ップ8に移行する。尚、いずれにも該当しない「コの
字」状パターンがあれば、実施形態例1で説明した方法
を適用する。
【0031】ステップ5では、図5に示すように、マス
ク配線パターン60の2個の屈曲部62、64にそれぞ
れ設けた切り欠き補正パターン68の対向する端部間の
直線部66に沿った間隔dを算出し、ステップ6に移行
する。ステップ6では、算出した端部同士の間隔dと、
予め設定した設定間隔dS (図5参照)とを比較する。
そして、算出した端部同士の間隔dが、図5に示すよう
に、予め設定した設定間隔dS 未満であるときには、ス
テップ7に移行し、算出した端部同士の間隔dが設定間
隔dS 以上であるときには、ステップ8に移行する。
【0032】ステップ7では、図7に示すように、切り
欠き補正パターンの対向する端部間の間隔dが設定間隔
S になるように、切り欠き補正パターン68の直線部
66に沿ったパターン部分の長さを短縮してなる短縮切
り欠き補正パターン69を改めてマスク配線パターン6
0の2個の屈曲部62、64の内縁側に、それぞれ、設
ける。これにより、ゲート電極となる配線66の寸法
は、図7中破線で示すように、設計値通りの値になり良
好な形状のゲート電極となるので、トランジスタ特性も
設計値通りにすることができる。
【0033】ステップ8では、ステップ2で設けた切り
欠き補正パターン68又は78を最終的な切り欠き補正
パターンとする。第2のパターンの場合は、直線部76
が細ったとしてもゲート電極部ではないので、図7に示
す2つのパラレルトランジスタTR1、TR2に与える
影響は、殆ど無い。勿論、第2のパターンについても、
第1のパターンと同様にdの長さを判定して狭い場合に
は、dS にしても良いが、第2のパターンでは、トラン
ジスタの特性にさほどの影響を与えないので、前述の段
〔0000〕で付加補正パターンについて説明した同
じ趣旨から、dS にしても良く、しなくても良いが、d
S にするには、但し、一連の処理に時間がかかる。
【0034】
【発明の効果】本発明方法によれば、マスク配線パター
ンをフォトリソグラフィにより転写する際、マスク配線
パターンに存在する「コの字」状パターンの2個の屈曲
部に設ける切り欠き補正パターンの対向する端部間の間
隔を設定間隔に維持することにより、「コの字」状パタ
ーンの直線部の幅を縮小させないようにしてマスク配線
パターンをフォトレジスト膜上に転写する、光近接効果
補正方法を実現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の光近接効果補正方法を実施する
際の手順を示すフローチャートである。
【図2】「コの字」状パターンの屈曲部に設けた切り欠
き補正パターンを示すパターン図である。
【図3】「コの字」状パターンの屈曲部に設けた短縮切
り欠き補正パターンを示すパターン図である。
【図4】実施形態例2の光近接効果補正方法を実施する
際の手順を示すフローチャートである。
【図5】第1の「コの字」状パターンの屈曲部に設けた
切り欠き補正パターンを示すパターン図である。
【図6】第2の「コの字」状パターンの屈曲部に設けた
切り欠き補正パターンを示すパターン図である。
【図7】第1の「コの字」状パターンの屈曲部に設けた
短縮切り欠き補正パターンを示すパターン図である。
【図8】図8(a)及び(b)は、それぞれ、露光マス
クのマスク配線パターン、及びマスク配線パターンを露
光転写した際、光近接効果によって歪んだエッチングマ
スクの配線パターンを示す模式図である。
【図9】図9(a)及び(b)は、それぞれ、光近接効
果を補償するように補正したマスク配線パターン、及び
それにより得たエッチングマスクの配線パターンを示す
模式図である。
【図10】切り欠き補正パターンを示す平面図である。
【図11】設計配線パターンを示すパターン図である。
【図12】従来の光近接効果補正方法の問題点を説明す
るマスク配線パターンのパターン図である。
【図13】光近接効果補正を行わないときの問題点を説
明するパターン図である。
【符号の説明】
11 設計配線パターン/露光マスクのマスク配線パタ
ーン 12 「コの字」状パターンの直線部 13 「コの字」状パターンの屈曲部 14 コンタクトホール 16 転写された配線パターン 17 付加補正パターン 18 切り欠き補正パターン 19 転写された配線パターン 20 切り欠き補正パターン 22 設計配線パターン 23〜31 「コの字」状パターンの屈曲部 32〜34 「コの字」状パターンの直線部 35 拡散層 36 マスク配線パターン 37、38 屈曲部 39 切り欠き補正パターン 40 エッチングマスクの配線パターン 41 直線部 42 拡散層 43 ゲート電極の端部 50 マスク配線パターン 52、54 屈曲部 56 直線部 58 切り欠き補正パターン 59 短縮切り欠き補正パターン 60 マスク配線パターン 62、64 屈曲部 66 直線部 68 切り欠き補正パターン 69 短縮切り欠き補正パターン 70 マスク配線パターン 72、74 屈曲部 76 直線部 78 切り欠き補正パターン

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトリソグラフィにより配線パターン
    をパターンニングする際に使用するフォトマスクに対
    し、前記配線パターンの形状に応じて光近接効果を補正
    する光近接効果補正方法において、 配線パターンを走査してL字パターンを認識する第1の
    ステップと、 認識した前記L字パターンの配線形状に応じて各屈曲部
    にL字パターン光近接効果補正を施す第2のステップ
    と、 前記配線パターンを走査して「コの字」状パターンを認
    識する第3のステップと、 前記第3のステップで認識した「コの字」状パターンの
    2つ屈曲部に対して、前記第2のステップでL字パター
    ン光近接効果補正としてそれぞれ施した2つの切り欠き
    補正パターンの端部同士の間隔dを求める第4のステッ
    プと、 前記間隔dと予め設定してある長さdS を比較する第5
    のステップと、 前記間隔dがdS より小さい場合は、間隔dがdS にな
    るように切り欠き補正パターンを修正する第6のステッ
    プとを備えることを特徴とする光近接効果補正方法。
  2. 【請求項2】 第2のステップでは、L字パターン光近
    接効果補正として、コンタクトと接続する屈曲部に対し
    ては付加補正パターンを設け、コンタクトと接続しない
    屈曲部に対しては付加補正パターンを設けないことを特
    徴とする請求項1に記載の光近接効果補正方法。
  3. 【請求項3】 フォトリソグラフィによりゲート電極配
    線パターンをパターンニングする際に使用するフォトマ
    スクに対し、前記ゲート電極配線パターンの形状に応じ
    て光近接効果を補正する近接効果補正方法において、 ゲート電極配線パターンを走査してL字パターンを認識
    する第1のステップと、 認識した前記L字パターンの配線形状に応じて各屈曲部
    に切り欠き補正パターンを設け、L字パターン光近接効
    果補正を施す第2のステップと、 前記配線パターンを走査して「コの字」状パターンを認
    識する第3のステップと、 前記第3のステップで認識した「コの字」状パターンの
    2つ屈曲部に対して、前記第2のステップでそれぞれ施
    した2つの切り欠き補正パターンの端部同士の間隔dを
    求める第4のステップと、 前記間隔dと予め設定してある長さdS を比較する第5
    のステップと、 前記間隔dがdS より小さい場合は、間隔dがdS にな
    るように切り欠き補正パターンを修正する第6のステッ
    プとを備えることを特徴とする光近接効果補正方法。
  4. 【請求項4】 ゲート電極配線パターンの「コの字」状
    パターンの直線部と拡散層の距離が所定範囲内で延在
    し、直線部から離れるように屈曲部から延びるパターン
    部分が拡散層上を横断するゲート電極を構成する際に
    は、第2のステップで終了し、第3のステップから第6
    のステップを行わないことを特徴とする請求項3に記載
    の光近接効果補正方法。
  5. 【請求項5】 前記第3のステップで認識した「コの
    字」状パターンの2つ屈曲部の外縁部には、付加補正パ
    ターンを設けることを特徴とする請求項3又は4に記載
    の光近接効果補正方法。
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