JP3326953B2 - 給湯装置 - Google Patents

給湯装置

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JP3326953B2
JP3326953B2 JP02411894A JP2411894A JP3326953B2 JP 3326953 B2 JP3326953 B2 JP 3326953B2 JP 02411894 A JP02411894 A JP 02411894A JP 2411894 A JP2411894 A JP 2411894A JP 3326953 B2 JP3326953 B2 JP 3326953B2
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  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱交換器で加熱される
湯と水とを所要の分配率で混合して所要温度の給湯を行
うバイパスミキシング式の給湯装置に係り、特に流量調
整弁の弁体を全閉リミッタ位置または全開リミッタ位置
へ移動させる処理において弁体停止位置ずれの有無の判
定および修復の処理を行うようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のバイパスミキシング式の
給湯装置において、熱交換器と並列に配置されるバイパ
ス路の途中にはバイパス水量を可変設定する流量調整弁
が設けられており、この流量調整弁の弁体は、一般的
に、ステッピングモータにより駆動されるようにしてい
る。
【0003】そして、給湯温度を調整する過程におい
て、例えば高温給湯する時は弁体を全閉リミッタ位置に
駆動して、ガス量を制御(フィードフォワード制御、フ
ィードバック制御)することで、設定温度の給湯を行う
ことがあり、また、低温給湯の場合、通常、弁体は全開
リミッタ位置に至らない範囲内を駆動されるが、弁体異
常時には全開リミッタ位置に駆動されることがある。そ
して、このような場合には、ステッピングモータに対し
て弁体の現在位置から目標位置までの移動に必要なステ
ップ数に対応する駆動信号を与えることにより、必要量
だけステッピングモータを駆動するようにしている。
【0004】ところで、このようなステッピングモータ
で駆動する場合、同モータへの電源電圧の一時的な低下
や、弁体機構部分へのゴミの噛み込み等が原因で、ステ
ッピングモータが所期の弁開度通りに制御されなくなる
現象(いわゆる脱調)が生じることがあるが、このような
脱調現象が、前述した状況(弁体を全閉リミッタ位置や
全開リミッタ位置へ移動させる状況)において発生する
と、弁体が全閉リミッタ位置や全開リミッタ位置に到達
しなくなるおそれがある。
【0005】しかしながら、従来では、通常、弁体の全
閉リミッタ位置や全開リミッタ位置に電気的または磁気
的なスイッチやセンサなどの位置検出手段が設けられて
いるので、当該位置検出手段を用いて容易に上記ステッ
ピングモータの駆動停止時の位置ずれを検出でき、しか
も、このような位置ずれを検出したときには、位置検出
手段が作動するまでステッピングモータを駆動すること
で比較的容易に位置ずれを解消できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
において、本願出願人は、コスト低減を図るために、位
置検出手段の代わりに、弁体を全閉リミッタ位置または
全開リミッタ位置で機械的に強制停止させる機械式リミ
ッタを用いることを考えている。
【0007】このような機械式リミッタを用いた場合に
は、弁体を全閉リミッタ位置または全開リミッタ位置へ
移動させるような場合において、前述したような弁体の
目標位置到達の有無判定が行えなくなる。この判定を行
えないと、下記のような温度異常が発生することにな
る。つまり、全閉リミッタ位置で弁体の停止位置ずれが
発生したとき、本来必要としないバイパス水が供給され
るようになって実際給湯温度が目標給湯温度よりも低く
なるので、ガス量制御により温度補正を行うようになる
が、このガス量制御でも熱交換器からの出湯温度を沸騰
危険温度以下に設定する必要があるために特に冬季など
低入水温時だと結局実際給湯温度を目標給湯温度にまで
高くできなくなる。一方、全開リミッタ位置で弁体の停
止位置ずれが発生したとき、本来必要とするバイパス水
の量が不足することになって実際給湯温度が目標給湯温
度より高くなるので、ガス量制御により温度補正を行う
ようになるが、このガス量制御でも熱交換器からの出湯
温度を低温腐食温度以上に設定する必要があるために特
に夏場など高入水温時だと結局実際給湯温度を目標給湯
温度にまで低くできなくなる。
【0008】本発明は、このような事情に鑑み、流量調
整弁の弁体を全閉リミッタ位置または全開リミッタ位置
で強制停止させる安価な機械式リミッタを用いながら
も、弁体を全閉リミッタ位置または全開リミッタ位置へ
移動させるときの弁体の停止位置ずれの有無判定および
位置ずれの修復が行えるようにすることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱交換器で加
熱される湯と水とを所要の分配率で混合して所要温度の
給湯を行うミキシングバイパス式の給湯装置において、
次のように構成する。
【0010】本発明では、熱交換器への入水路と熱交換
器からの出湯路との間で熱交換器をバイパスするバイパ
ス路に設けられる流量調整弁と、流量調整弁の弁体を駆
動するステッピングモータと、ステッピングモータを駆
動制御する制御手段とを備え、流量調整弁は、弁体が流
路を全閉にする全閉リミッタ位置および全開にする全開
リミッタ位置で前記弁体の移動をそれぞれ機械的に強制
停止させる機械式リミッタを備え、制御手段は、弁体を
全閉リミッタ位置または全開リミッタ位置へ移動させた
とき、ステッピングモータに対して現在位置から目標位
置への移動に必要なステップ数に対応する駆動信号を与
えるとともに、このステッピングモータの駆動停止に応
答して前記弁体の停止位置ずれの有無を湯水混合後の実
際給湯温度と目標給湯温度との偏差に基づいて判定し、
停止位置ずれ有りと判定したときに弁体を目標位置側へ
強制移動させるようステッピングモータを駆動して修復
する構成とした。
【0011】
【作用】本発明では、要するに、従来のような高価な位
置検出手段の代わりに、全閉リミッタ位置や全開リミッ
タ位置で弁体を機械的に強制停止させる安価な機械式リ
ミッタを用いることで、装置のコスト低減を図ってい
る。
【0012】そして、流量調整弁の弁体を全閉リミッタ
位置または全開リミッタ位置へ移動させる場合におい
て、ステッピングモータの脱調に伴う弁体の目標位置到
達の有無つまり停止位置ずれの有無を、実際給湯温度と
目標給湯温度との偏差に基づいて判定し、位置ずれ有り
と判定したときに弁体を目標位置へ強制移動させて修復
するようにしている。
【0013】
【実施例】以下、本発明の詳細を図1ないし図6に示す
実施例に基づいて説明する。図1ないし図5は本発明の
一実施例にかかり、図1は本発明の給湯装置の一実施例
の概略構成図、図2は流量調整弁の構成を示す縦断面
図、図3は機械式リミッタの分解斜視図、図4の(a)
は機械式リミッタの全閉リミッタ位置でのロック状態を
示す下面図、図4の(b)は機械式リミッタの全開リミ
ッタ位置でのロック状態を示す下面図、図5は判定修復
処理に関するフローチャートである。
【0014】図1において、10は熱交換器、11は熱
交換器10を加熱するガスバーナなどの加熱器、12は
図示しない水道管等に連通される入水路、13は図示し
ないカランやシャワー等に連通される出湯路、14は入
水路12と出湯路13との間で熱交換器10をバイパス
するためのバイパス路、1はバイパス路14に設けられ
てバイパス水量を調整する流量調整弁、15は入水温度
Tcを検出する入水温度センサ、16は熱交換器10で
加熱された湯の出湯温度Thを検出する出湯温度セン
サ、17は熱交換器10で加熱された湯とバイパス路1
4を通過した水とが混合された後の給湯温度Tmを検出
する給湯温度センサ、18は熱交換器10への通水量が
最大加熱能力を越えた場合に湯水の吐出水量を制限する
過流出サーボ弁、19は給湯動作に関連して前記各構成
要素を制御するコントローラ、20は目標給湯温度Ts
を設定する操作部である。
【0015】なお、コントローラ19は、給湯動作時に
下記フィードフォワード制御とフィードバック制御を行
う他、後述するような流量調整処理、判定修復処理を実
行するものであり、請求項に記載の制御手段を含む。フ
ィードフォワード制御は、入水温度Tc、熱交換器10
からの出湯温度Th、および操作部20で予め設定され
た給湯温度Tsの各値に基づいて、制御目標となる湯水
混合の目標分配率ρFFを算出するとともに、この目標分
配率ρFFから、下記ステッピングモータ3のステップ数
と湯水分配率ρとの関係に基づいて目標ステップ数(目
標値)SFFを算出するものである。また、フィードバッ
ク制御は、入水温度Tc、熱交換器10からの出湯温度
Th、および湯水混合後の実際の給湯温度Tmに基づい
て、実際の湯水混合の分配率ρAを算出し、この実際分
配率(実際値)ρAと前記目標分配率ρFF(目標値)と
の偏差量Δρ(=ρA−ρFF)を所定のサンプリング周
期Δtごとに求め、この偏差量Δρに基づいて補正分配
率(補正値)ρFBを算出するものである。
【0016】前述の流量調整弁1は、バイパス路14の
途中に介装される流路ケース2と、ステッピングモータ
3と、ステッピングモータ3により正逆いずれかの方向
に回転されるとともに軸方向に進退変位される軸体4
と、軸体4の自由端側に固定されて流路7の開度を可変
するための弁体5と、弁体5が流路7を全閉にする全閉
リミッタ位置および全開にする全開リミッタ位置で軸体
4の回転をそれぞれ機械的に強制停止させる機械式リミ
ッタ6とを備えている。ここでは流量調整弁1にステッ
ピングモータ3を一体化しているタイプを例に挙げてい
るが、別体としてもよい。
【0017】ステッピングモータ3は、有底円筒形のケ
ース31と、このケース31の開口部位に閉塞状態に装
着され中心に貫通孔を有する取付板32と、ケース31
の円筒形周壁の内面に固定装着されているステータ33
と、非磁性材からなる円筒形ボスの外周数箇所に永久磁
石が櫛歯状に取り付けられてなりステータ33の内周部
位に非接触状態に同心状に嵌挿されるロータ34と、一
端がケース31の底壁内面の中心に固着されて同心状に
設けられる円筒形の雌ねじ部材35と、ロータ34と雌
ねじ部材35との間に圧縮状態に介装されてロータ34
を取付板32側へ弾発付勢するコイルバネ36と、ステ
ータ33とコントローラ19とを接続する接続線37と
を備えている。ロータ34は、その中心に一端面から他
端面へ向けて大・中・小と3段階に縮径する貫通孔が設
けられているとともに、この貫通孔の中径孔部にはスプ
ライン歯341が設けられている。また、この貫通孔の
大径孔部には雌ねじ部材35の中間から他端部位が同心
状に遊嵌されている。
【0018】軸体4は、その基端側外周に雄ねじ41が
刻設されているとともに、中間部位外周にスプライン歯
42が刻設されている。この軸体4の雄ねじ41が雌ね
じ部材35に螺合され、軸体4の外周スプライン歯42
がロータ34の内周スプライン歯341にセレーション
嵌合され、自由端側がロータ34の小径孔部に軸方向ス
ライド自在に嵌合され、さらに、この軸体4の所要位置
が焼結金属からなるすべり軸受38を介して取付板32
の中心貫通孔に回動自在に支持されている。
【0019】弁体5は、ゴムなどの弾性体からなり、断
面ほぼ台形状に形成されている。この弁体5は、流路7
の入口と出口との中間に位置する連通路71に嵌入され
るもので、その小径部位が連通路71の出口側開口に位
置するときに全開状態となり、大径部位が連通路71の
出口側開口に当接するときに全閉状態となる。
【0020】機械式リミッタ6は、図3および図4に示
すように、ステッピングモータ3のロータ34の小径孔
部側外周に一体的に設けられるロータ61と、このロー
タ61により間欠的に回転駆動させられるとともに正逆
両回転方向のそれぞれ所要角度位置でロータ61を回転
不可能に拘束する間欠歯車としての偏平なゼネバ歯車6
2とからなり、ステッピングモータ3に内蔵されてい
る。ロータ61は、大径部61aと小径部61bとを有
し、この外周の所要角度範囲には大径部61aと小径部
61bの双方にまたがって単一の三角形歯61cが設け
られており、大径部61aの三角形歯61cの両側には
三角形溝61d、61eが設けられている。ゼネバ歯車
62は、2枚の偏平円板62a、62bを重合したもの
からなり、第1円板62aの外周6等配位置のうちの5
箇所には矩形歯62cが突設され、第2円板62bの外
周6等配位置のうちの4箇所には4つの三角形歯62e
・・・が、また第2円板62bの外周6等配位置のうち
の残り2箇所を含む扇形範囲には単一の矩形歯62dが
突設されている。このゼネバ歯車62の第1円板62a
がロータ61の小径部61bに、ゼネバ歯車62の第2
円板62bがロータの大径部61aにそれぞれ噛合しう
るように対向配置されている。このような機械式リミッ
タ6の動作としては、ロータ61が正逆方向にいずれも
5回転するとゼネバ歯車62がその反対方向にほぼ1回
転してロックするようになっている。例えば、ロータ6
1を時計方向に5回転させると図4(a)に示すように
ロータ61とゼネバ歯車62とがロックして弁体5を全
閉リミッタ位置で停止させる一方、ロータ61を反時計
方向に5回転させると図4(b)に示すようにロータ6
1とゼネバ歯車62とがロックして弁体5を全開リミッ
タ位置で停止させる。このように本実施例では、機械式
リミッタ6をステッピングモータ3に内蔵するだけでな
く、機械式リミッタ6のロータ61を、ステッピングモ
ータ3のロータ34の小径孔部側外周に一体に形成する
とともに、偏平なゼネバ歯車62を用いることにより、
流量調整弁1の軸方向寸法をコンパクトに仕上げている
が、ストップ機構6のロータ61を、ステッピングモー
タ3のロータ34と別体に形成してもよい。また、ゼネ
バ歯車62の第1、第2円板は一体で形成してもよい
し、さらに、矩形歯62d、三角形歯62eは軸方向全
幅にわたって形成して強度アップを図るようにしてもよ
い。
【0021】このような流量調整弁1の動作を説明す
る。ステッピングモータ3のステータ33を励磁してロ
ータ34を所要回転方向に所要ステップずつ回すと、こ
れとセレーション嵌合する軸体4が同期して回ることに
なり、これに伴い、軸体4の雄ねじと雌ねじ部材35と
の螺合による送り作用でもって軸体4が軸方向不動のロ
ータ34に対して軸方向一方へと前記セレーション嵌合
部分に案内されて送り出されることになり、軸体4の自
由端に固定の弁体5と流路7の連通路71との相対位置
つまり開度が変化する。この変化量は、操作部20から
入力される目標給湯温度Tsに基づいて、コントローラ
19で設定される。
【0022】次に、前述の流量調整処理、判定修復処理
を説明する。
【0023】(1)流量調整処理では、目標流量に基づ
いてステッピングモータ3の駆動ステップ数を設定し、
この駆動ステップ数に基づいてステッピングモータ3を
駆動することにより、前述のような動作を行わせて弁体
5による開度を調整することを行う。
【0024】また、例えば高温給湯する時には弁体5を
全閉リミッタ位置へ移動させることがあり、低温給湯す
る時は弁異常によって弁体5が全開位置へ移動されるこ
とがあるが、この場合、ステッピングモータ3に対して
は、弁体5の現在位置から全閉リミッタ位置または全開
リミッタ位置への移動に必要なステップ数を算出し、こ
のステップ数に対応する駆動信号を与える。つまり、こ
の駆動信号によりステッピングモータ3を駆動すれば、
正常な場合には、弁体5が必ず目標位置(全閉リミッタ
位置または全開リミッタ位置)へ到達することになる。
【0025】(2)判定修復処理は、前述の全閉リミッ
タ位置または全開リミッタ位置への移動処理が終了した
後つまりコントローラ19からステッピングモータ3へ
の駆動信号を出力停止した後で起動される。まず、弁体
5の目標位置への到達の有無つまり停止位置ずれの有無
を判定し、移動処理が適正に行われたか否かを判定す
る。この判定により停止位置ずれしていると判定したと
きには、ステッピングモータ3を駆動して弁体5を強制
移動させて目標位置へ到達させるよう修復する。
【0026】前述の停止位置ずれの判定については、湯
水混合後の実際給湯温度Tmと目標給湯温度Tsとの偏
差に基づいて行う。修復時の目標位置到達の確認も湯水
混合後の実際給湯温度Tmと目標給湯温度Tsとの偏差
に基づいて行う。また、前述の修復時には、弁体5が目
標位置へ到達するのに必要なステップ数より余裕を持つ
ステップ数に対応する駆動信号をステッピングモータ3
に与える。このため、修復時には、ステッピングモータ
3が目標位置に到達してもステッピングモータ3の駆動
が継続されている場合には未駆動ステップ数についてス
テッピングモータ3が脱調することになり、予め設定さ
れる駆動ステップ数に対応する制御信号が出力され終わ
ると自動停止する。
【0027】この判定修復処理を詳しく説明する。図5
に示すように、ステップS1において、実際給湯温度T
mと目標給湯温度Tsの偏差が適宜設定される所要範囲
(例えば10℃)を外れるか否かを判定し、NOの場合
つまり温度正常の場合にはステップS2〜S4を介して
ステップS1へ戻る一方、YESの場合つまり温度異常
の場合にはステップS5でタイマT0を減算してステッ
プS6へ進む。このタイマT0は、温度異常の継続時間
を計測するためのものであり、例えば20秒に設定され
る。
【0028】前述のステップS2ではタイマT0をセッ
トし、ステップS3でタイマT1をセットし、ステップ
S4で通常処理(例えば流量調整処理)を行う。
【0029】また、ステップS6では、ステップS5で
減算したタイマT0がタイムアップしたか否かを判定す
る。このステップS6でYESと判定した場合には流量
調整弁1が異常であるとしてステップS7へ移行して加
熱器11のガス量制御処理を行う一方、NOと判定した
場合には、ステップS8〜S11へ移行して前述の判定
修復処理を行う。なお、ステップS6でYESと判定さ
れるのは、ステップS8〜S11の判定修復処理でも修
復できなかった場合である。
【0030】ステップS8では、制御上において弁体5
が目標位置(全閉リミッタ位置または全開リミッタ位
置)へ到達しているか否かを判定する。つまり、この判
定はステッピングモータ3への駆動信号が出力され終わ
ったか否かでもって行うのである。このステップS8で
NOの場合にはステップS3〜S4を介してステップS
1へ戻る一方、YESの場合にはステップS9でタイマ
1を減算してステップS10へ進む。タイマT1は、流
量調整弁1の異常判定にあたって若干の猶予時間を計測
するためのものであり、タイマT0よりも短く例えば1
0秒に設定される。ステップS10では、ステップS9
で減算したタイマT1がタイムアップしたか否かを判定
し、NOの場合にはステップS4へ移行する一方、YE
Sの場合にはステップS11へ進み弁体5を目標位置へ
強制的に移動させる。
【0031】以上説明したように、本発明では、流量調
整弁1の弁体5を全閉リミッタ位置や全開リミッタ位置
で強制停止させる機械式リミッタ6を用いて、従来の位
置検出手段を無くしたので、装置のコスト低減を図るこ
とができる。また、弁体5を全閉リミッタ位置や全開リ
ミッタ位置へ移動させる場合において、弁体5の目標位
置到達の有無の判定を湯水混合後の実際給湯温度と目標
給湯温度との偏差に基づいて行い、判定結果に基づいて
弁体5を目標位置へ強制移動させるように修復するよう
にしている。
【0032】図6は流量調整弁の他の例を示している。
図例の流量調整弁1Aは機械式リミッタ6Aを内蔵しな
い一般的なステッピングモータ3Aを利用している。
【0033】この実施例の流量調整弁1Aにおいて図2
の流量調整弁1と異なる構成は、主として軸体4Aがス
テッピングモータ3Aの外部に配置されていることと、
機械式リミッタ6Aがステッピングモータ3Aの外部に
配置されていることである。詳しくは、ステッピングモ
ータ3Aのロータ(図示省略)と一体的に連結されてス
テッピングモータケース31Aから外部へ突出するカッ
プリング10Aを備えており、このカップリング10A
の凹部内周面にスプライン歯101Aが設けられてい
る。軸体4Aは、その上端外周にスプライン歯42A
が、また中間部分外周に雄ねじ41Aがそれぞれ設けら
れており、下端側自由端に弁体5Aが取り付けられてい
る。この軸体4Aの上端の外周スプライン歯42Aがカ
ップリング10Aの内周スプライン歯101Aにセレー
ション嵌合されている。軸体4Aの中間の雄ねじ41A
は、弁ケース11Aに設けられている雌ねじ部111A
に螺合されている。そして、弁ケース11Aのステッピ
ングモータ3A側に、機械式リミッタ6Aが設けられて
いる。この機械式リミッタ6Aは、基本的には上記実施
例のものと同じ構成であるが、ロータ61Aがカップリ
ング10Aの下端側外周に一体形成されている点が上記
実施例のものと異なる。
【0034】さらに、この例では、弁体5Aの上端にフ
ランジ51Aが形成されており、このフランジ51Aが
流路7Aの連通路71Aの壁面に当接して全閉状態にす
るようになっている。この構造では、リセット処理時の
ゼロ点位置を全閉リミッタ位置とする場合において、フ
ランジ51Aが連通路71Aの壁面に対して圧接するこ
とになって食い込むおそれがあるため、この全閉リミッ
タ位置から開側へ動作させるときに動きにくくなりやす
い。そこで、このようなことを考慮して、全閉リミッタ
位置から開側への動作時においてステッピングモータ3
Aへ与える励磁周波数(単位時間当たりのパルス数のこ
と)を、開側から全閉リミッタ位置側への動作時におい
てステッピングモータ3Aへ与える励磁周波数よりも小
さくするようにしている。これはつまり、励磁周波数と
作動トルクとが反比例の関係にあり、ステッピングモー
タ3Aへ与える励磁周波数を小さくすると作動トルクが
大きくなるという特性があることを利用している。具体
的に例えば、開側から全閉リミッタ位置側への動作時に
おいてステッピングモータ3Aへ与える励磁周波数を2
00(PPS)に設定し、全閉リミッタ位置側から開側
への動作時にはステッピングモータ3Aへ与える励磁周
波数を100(PPS)に設定する。
【0035】
【発明の効果】本発明では、従来のような高価な位置検
出手段の代わりに、全閉リミッタ位置や全開リミッタ位
置で弁体を機械的に強制停止させる安価な機械式リミッ
タを用いることにより、装置のコスト低減を図ってい
る。
【0036】そして、流量調整弁の弁体を全閉リミッタ
位置または全開リミッタ位置へ移動させる場合におい
て、ステッピングモータの脱調に伴う弁体の目標位置到
達の有無つまり停止位置ずれの有無を、実際給湯温度と
目標給湯温度との偏差に基づいて判定し、位置ずれ有り
と判定したときに弁体を目標位置へ強制移動させて修復
するようにしているから、ステッピングモータの脱調に
伴う温度偏差を迅速に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給湯装置の一実施例の概略構成図。
【図2】流量調整弁の構成を示す縦断面図。
【図3】機械式リミッタの分解斜視図。
【図4】機械式リミッタの動作説明に用いる下面図で、
(a)は全閉リミッタ位置でのロック状態、(b)は全
開リミッタ位置でのロック状態である。
【図5】判定修復処理に関するフローチャート。
【図6】流量調整弁の他の例の構成図。
【符号の説明】
1 流量調整弁 3 ステッピングモータ 5 流量調整弁の弁体 6 機械式リミッタ 10 熱交換器 11 加熱器 12 入水路 13 出湯路 14 バイパス路 19 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−66736(JP,A) 実開 昭62−85861(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24H 1/10 302 F24H 9/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器で加熱される湯と水とを所要の
    分配率で混合して所要温度の給湯を行うミキシングバイ
    パス式の給湯装置であって、 熱交換器への入水路と熱交換器からの出湯路との間で熱
    交換器をバイパスするバイパス路に設けられる流量調整
    弁と、流量調整弁の弁体を駆動するステッピングモータ
    と、ステッピングモータを駆動制御する制御手段とを備
    え、 流量調整弁は、弁体が流路を全閉にする全閉リミッタ位
    置および全開にする全開リミッタ位置で前記弁体の移動
    をそれぞれ機械的に強制停止させる機械式リミッタを備
    え、 制御手段は、弁体を全閉リミッタ位置または全開リミッ
    タ位置へ移動させたとき、ステッピングモータに対して
    現在位置から目標位置への移動に必要なステップ数に対
    応する駆動信号を与えるとともに、このステッピングモ
    ータの駆動停止に応答して前記弁体の停止位置ずれの有
    無を湯水混合後の実際給湯温度と目標給湯温度との偏差
    に基づいて判定し、停止位置ずれ有りと判定したときに
    弁体を目標位置側へ強制移動させるようステッピングモ
    ータを駆動して修復するものである、ことを特徴とする
    給湯装置。
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