JP3326162B2 - 消波用ブロック - Google Patents

消波用ブロック

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JP3326162B2 JP2000339186A JP2000339186A JP3326162B2 JP 3326162 B2 JP3326162 B2 JP 3326162B2 JP 2000339186 A JP2000339186 A JP 2000339186A JP 2000339186 A JP2000339186 A JP 2000339186A JP 3326162 B2 JP3326162 B2 JP 3326162B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は消波用ブロックに関
し、特に防波堤の外海側傾斜面に被覆石の代りに設置さ
れる消波用ブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の消波用ブロックとしては、本願発
明者と同一人が韓国で特許出願(特許出願番号10−1
999―46541号)及び実用新案登録出願(実用新
案登録出願番号20−1999−21409号)したも
のなどがある。
【0003】例えば上記特許出願番号10−1999―
46541号に開示されている消波用ブロック101
(図5〜図8参照)は、防波堤102の外海側傾斜面1
03に被覆石の代りに設置されるものであって、全体を
コンクリート等の固化材で一体的に形成したものであ
り、表面部104側に凹凸条の連続する複数の凹条部1
05と凸条部106を有し、各凹条部105の底部には
所定間隔を以って複数の長方形状の通水貫通孔107を
有し、更に連続する複数の凹条部105と凸条部106
の裏面側の両側に、各凹条部105及び凸条部106と
直交するように形成した側壁部108を有し、この両側
壁部108の間の中央に中間壁部109を有するもので
あった。
【0004】この消波用ブロック101は、表面部10
4側を海側にして防波堤102の外海側傾斜面103に
被覆するようにして設置する。この場合、各消波用ブロ
ック101の各側壁部108と中間壁部109との間に
は、防波堤102の外海側傾斜面103に設けた捨石が
入り込み、各側壁部108及び中間壁部109は捨石と
捨石との間に埋設固定される。
【0005】このことにより防波堤102に押し寄せる
波は、各消波用ブロック101の凸条部106に当たっ
て分散し、回折されて消滅する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の構造
から成る消波用ブロック101では、凸条部106と凸
条部106の間に形成した通水貫通孔107の大きさが
捨石の大きさより大きかった場合、捨石が通水貫通孔1
07を通じて海に流失してしまう懸念があり、もし捨石
が流失すると防波堤102の安全性に多大な悪影響を及
ぼす。
【0007】また、消波用ブロック101において、捨
石の流失防止可能な大きさ、すなわち捨石の大きさより
小さい通水貫通孔107を形成する場合は、凸条部10
6間の間隙を狭く形成するため、表面部104側に形成
される凸条部106の数も多くなる。そのため、この消
波用ブロック101を防波堤102に設置した場合、凸
条部106間の間隔が小さいために大きい波浪に対して
消波能力が低下してしまう。従って、防波堤102の消
波用ブロック101に当たった波は、容易に防波堤10
2を越えるため、内海での静穏維持を難くしてしまう。
【0008】本発明は上記のような点に鑑みて開発され
たものであり、消波効果をより向上させ、捨石の流失も
防止できる消波用ブロックを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
有効に達成するために、次のような構成にしてある。す
なわち、請求項1記載の本発明の消波用ブロックは、正
面側の側壁(1)と、この側壁(1)の両端に設けた左
側壁(4)と右側壁(4a)と、正面側の側壁(1)と
所定間隔を以って対峙する位置に配し両端を左側壁
(4)並びに右側壁(4a)の略中央部或いは適宜箇所
に設けた隔壁(7)と、上記正面側の側壁(1)と左側
壁(4)と右側壁(4a)及び隔壁(7)とで囲繞形成
された留水空間部(8)と、正面側の側壁(1)の外側
に突設した水平突出杆(2)と、正面側の側壁(1)に
設けた通水孔(3)と、上記隔壁(7)に設けた通水孔
(3a)とからなる構成にしてある。
【0010】また、請求項2記載の本発明の消波用ブロ
ックは、防波堤の外海側傾斜面に被覆される消波用ブロ
ックにおいて、外海側壁(1)の正面側の上・下に2つ
の水平突出杆(2)を互いに離隔的に突出し、両水平突
出杆(2)の間の外海側壁(1)の面に矩形状の海水通
水孔(3)を複数個穿設し、上記外海側壁(1)の背面
の左端並びに右端に左側壁(4)並びに右側壁(4a)
を直角に背向連設し、海水通水孔(3a)が複数穿設さ
れた縦隔壁(7)を上記外海側壁(1)の背面と一定距
離で離隔して立設し、縦隔壁(7)の左端並びに右端を
それぞれ左側壁(4)並びに右側壁(4a)の間に縦に
連設して、上記外海側壁(1)と左側壁(4)と右側壁
(4a)及び縦隔壁(7)とで囲繞される留水空間部
(8)を設け、更に上記縦隔壁(7)の背面中央部に中
間隔壁(9)を背向連設した構成にしてある。
【0011】また、請求項3記載の本発明の消波用ブロ
ックは、請求項1叉は2記載の消波用ブロックの構成に
おいて、左側壁(4)叉は右側壁(4a)のいずれか一
方に側方に突出する係合凸部(6)を設け、上記他方の
側壁(左側壁叉は右側壁)に係合凹部(5)を設けた構
成にしてある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図4に基づいて説明する。防波堤(WB)の外海側傾斜
面に被覆される消波用ブロック(B)の構造は、波浪の
押し寄せられる外海側壁(1)を、一定sizeを有す
る横部、縦部及び厚さで備え、この外海側壁(1)の正
面に上・下で一定な距離で離隔隔たりを置いて、二列の
水平突出杆(2)を一定の長さで突設し、この両水平突
出杆(2)の間には水平で一定な長さと幅の矩形状の海
水通水孔(3)を複数穿設し、このような外海側壁
(1)の背面の左、右側先端に直角で背向連設される一
定な長さを有する左側壁(4)と右側壁(4a)を備
え、この左、右側壁(4)(4a)には各々係合凹部
(5)と係合凸部(6)を形成し、左・右側壁(4)
(4a)の上・下端面にも各々係合凹部(5a)と係合
凸部(6a)を形成し、外海側壁(1)の背面と一定な
距離で離隔して縦隔壁(7)を立設するが、この縦隔壁
(7)の左・右側先端は各々左・右側壁(4)(4a)
の間の空間を留水用空間部(8)となるようにし、縦隔
壁(7)には捨石粒sizeより小さい直径を有する多
数個の海水通水孔(3a)を穿設し、縦隔壁(7)の背
面の中央部には、左、右側壁(4)(4a)の長さと高
さに一致する中間隔壁(9)を背向連設した構成であ
る。
【0013】上述した構成からなる消波用ブロックは、
外海側壁(4)に突設された水平突出杆(2)の間の距
離が大きいので、大きい波浪も分散回折されて一次消波
され、更に外海側壁(1)の背面に留水用空間部(8)
が設けてあるから通水孔(3)を通じて内部に流入した
波浪の一部も留水用空間部(8)で波力を吸収される。
故にこの消波用ブロック(B)では消波効果が高くな
る。
【0014】また、各水平突出杆(2)の突出長を長く
形成することによって、越波が容易でなくなり内海の静
穏を維持できる。
【0015】更に消波用ブロック(B)の内部に留水用
空間部(8)を設けたことによって、縦隔壁(7)に穿
設される通水孔(3a)の直径を大きくする必要がない
ため、防波堤を構成する捨石が流失してしまうこともな
く、防波堤の寿命を延長される等の効果を得ることがで
きる。
【0016】尚、水平突出杆(2)は、側壁(1)の外
側に1本叉は3本以上設けてもよく、また水平突出杆
(2)の形状、大きさも図示の例に限らず他の形状,大
きさにするも自由である。更に水平突出杆(2)の突出
長さは、適宜長さに設計変更するも自由である。また、
正面側の側壁(1)に設けた通水孔(3)並びに隔壁
(7)に設けた通水孔(3a)の形状,大きさ,数も図
示の例に限らず、適宜設計変更するも自由である。ま
た、消波用ブロックの全体の大きさも、所定の大きさに
限定されるものではない。更に消波用ブロックの材質
は、コンクリート以外に、耐用年数が長く波の圧力に耐
えうる硬質材であれば如何なる材質であってもよい。ま
た、係合凹部(5)は、左側壁(4)叉は右側壁(4
a)に形成して留水空間部(8)内に突出しないように
形成してもよい。更に隔壁(7)より後方に突出する左
側壁(4)と右側壁(4a)との間には、中間隔壁
(9)と同様の複数の隔壁を設けてもよい。
【0017】また、本発明の消波用ブロックは、海の防
波堤の構築にのみ使用されるものではなく、河川や湖等
の堤等、波を消滅させるあらゆる場所に使用可能であ
る。
【0018】
【発明の効果】以上、上記した説明でも明らかなように
本発明の消波用ブロックは、防波堤に設置することによ
り側壁(4)に突設された水平突出杆(2)によって波
浪も分散回折されて一次消波され、更に側壁(1)の背
面に留水用空間部(8)を設けたことにより通水孔
(3)を通じて内部に流入した波浪の一部は留水用空間
部(8)で波力を吸収され、消波効率を従来の消波用ブ
ロックと比べより高くすることができる。
【0019】また、上記したように消波用ブロックの内
部に留水用空間部(8)を設けたことによって、縦隔壁
(7)に穿設される通水孔(3a)の直径を大きくする
必要がなく、防波堤を構成する捨石が流失してしまうこ
ともなく、防波堤の寿命を延長される等の効果を得るこ
とができる。
【0020】また、水平突出杆(2)の突出長が長くて
越波が容易でないから内海の静穏を維持ができる。
【0021】また、左側壁(4)叉は右側壁(4a)の
いずれか一方に側方に突出する係合凸部(6)を設け、
上記他方の側壁(左側壁叉は右側壁)に係合凹部(5)
を設けたことによって、設置する各消波用ブロックの係
合凸部(6)を隣接する他の消波用ブロックの係合凹部
(5)に係合させて繋ぐことができ、より強固に消波用
ブロックを設置箇所に固定できて、波浪によって流出す
るのを防止できる。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る消波用ブロックを防波堤に設けた
場合の防波堤の横断面概略図である。
【図2】本発明に係る消波用ブロックの斜視図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】本発明に係る消波用ブロックの正面図である。
【図5】従来の消波用ブロックを防波堤に設けた場合の
防波堤の横断面概略図である。
【図6】従来の消波用ブロックの一部切欠断面斜視図で
ある。
【図7】従来の消波用ブロックの平面図である。
【図8】図7のA−A線断面図である。
【符号の説明】
WB.防波堤 B 波用ブロック 1 外海側壁 2 水平突出杆 3,3a 海水通水孔 4 左側壁 4a 右側壁 5,5a 係合凹部 6,6a 係合凸部 7 縦隔壁 8 留水用空間部 9 中間隔壁

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正面側の側壁(1)と、この側壁(1)の
    両端に設けた左側壁(4)と右側壁(4a)と、正面側
    の側壁(1)と所定間隔を以って対峙する位置に配し両
    端を左側壁(4)並びに右側壁(4a)の略中央部或い
    は適宜箇所に設けた隔壁(7)と、上記正面側の側壁
    (1)と左側壁(4)と右側壁(4a)及び隔壁(7)
    とで囲繞形成された留水空間部(8)と、正面側の側壁
    (1)の外側に突設した水平突出杆(2)と、正面側の
    側壁(1)に設けた通水孔(3)と、上記隔壁(7)に
    設けた通水孔(3a)とからなる消波用ブロック。
  2. 【請求項2】防波堤の外海側傾斜面に被覆される消波用
    ブロックにおいて、外海側壁(1)の正面側の上・下に
    2つの水平突出杆(2)を互いに離隔的に突出し、両水
    平突出杆(2)の間の外海側壁(1)の面に矩形状の海
    水通水孔(3)を複数個穿設し、上記外海側壁(1)の
    背面の左端並びに右端に左側壁(4)並びに右側壁(4
    a)を直角に背向連設し、海水通水孔(3a)が複数穿
    設された縦隔壁(7)を上記外海側壁(1)の背面と一
    定距離で離隔して立設し、縦隔壁(7)の左端並びに右
    端をそれぞれ左側壁(4)並びに右側壁(4a)の間に
    縦に連設して、上記外海側壁(1)と左側壁(4)と右
    側壁(4a)及び縦隔壁(7)とで囲繞される留水空間
    部(8)を設け、更に上記縦隔壁(7)の背面中央部に
    中間隔壁(9)を背向連設した消波用ブロック。
  3. 【請求項3】左側壁(4)叉は右側壁(4a)のいずれ
    か一方に側方に突出する係合凸部(6)を設け、上記他
    方の側壁(左側壁叉は右側壁)に係合凹部(5)を設け
    たことを特徴する請求項1叉は2記載の消波用ブロッ
    ク。
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