JP3325918B2 - マグネットポンプの羽根車磁力回転体およびその製造方法 - Google Patents

マグネットポンプの羽根車磁力回転体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マグネットポンプに関
し、特にマグネットポンプの羽根車磁力回転体およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマグネットポンプでは、電動機側
と磁気結合によって回転駆動される羽根車回転体は、プ
ラスチック材料で一体的、または結合して一体的に形成
されているとともに、その電動機側の磁石と対向する周
部にフェライト磁石等の磁石を埋設している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのため、羽根車回転
体を成形して、羽根車回転体の開孔部に磁石を挿入して
埋設しなければならず、成形や組み立てに手間がかかる
ものであった。
【0004】また、羽根車回転体に磁石を埋設している
ため、羽根車回転体の周面が磁力線を妨害するととも
に、それだけ電動機側の磁石との距離が遠くなり、磁力
を有効に利用できず、マグネットポンプの性能を高めら
れないものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、マグ
ネットポンプの電動機側と磁気結合によって回転駆動さ
れる羽根車回転体の羽根車と結合する磁力回転体を磁力
の増大をはかるために磁力回転体の内部にヨークを装着
して着磁性磁粉とプラスチックまたはゴムとを混合した
着磁性材料で成形するとともに、電動機側の磁石と対向
する上記磁力回転体の内部のヨーク部から周部の表面に
至るまで着磁したことを特徴とするマグネットポンプの
羽根車磁力回転体を提供するにある。
【0006】また、マグネットポンプの電動機側と磁気
結合によって回転駆動される羽根車回転体の羽根車と結
合する磁力回転体を磁力の増大をはかるために磁力回転
体の内部にヨークを装着して磁力の増大をはかるために
磁力回転体の内部にヨークを装着して成形する金型の所
定位置に所要の磁力の磁石を装着し、上記金型のキャビ
ティに着磁性磁粉とプラスチックまたはゴムとを混合し
た着磁性材料を流し込み、電動機側の磁石と対向する上
記磁力回転体の内部のヨーク部から周部の表面に至るま
で着磁性材料の着磁性磁粉を着磁性材料が硬化する前に
上記磁石で磁力吸引して着磁状態とすることを特徴とす
るマグネットポンプの羽根車磁力回転体の製造方法を提
供するにある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のマグネットポンプの羽根
車磁力回転体およびその製造方法は、マグネットポンプ
の電動機側と磁気結合によって回転駆動される羽根車回
転体の羽根車と結合する磁力回転体を磁力の増大をはか
るために磁力回転体の内部にヨークを装着して着磁性磁
粉とプラスチックまたはゴムとを混合した着磁性材料で
成形するとともに、電動機側の磁石と対向する上記磁力
回転体の内部のヨーク部から周部の表面に至るまで着磁
したことを特徴としている。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて説明す
る。図1、図2は、本発明の一実施例である。マグネッ
トポンプの羽根車回転体1は、図1のように羽根車2と
磁力回転体3とを一体的に接合して形成していて、磁力
の増大をはかるために磁力回転体の内部にヨークを装着
して磁力回転体3の着磁部10の内側に空孔11を設
け、その空孔11部に磁力に対応して適宜の厚さのヨ−
ク12を装着するようにしている。13はキャップであ
る。
【0009】この羽根車回転体1の磁力回転体3は、フ
ェライト系や希土類系の着磁性磁粉をナイロン樹脂やポ
リプロピレンなどのプラスチックやネオプレンゴム、ニ
トリルゴムなどのゴムと混合して、この着磁性材料6を
所定形状の超硬材料の非磁性の金型7のキャビティ8に
流し込んで一体的に成形するようにしている。空孔11
を設けるにあっては、予め所要の形状とした消失材料や
取り出し材料等を金型7のキャビティ8部に配設したり
することで容易に行える。
【0010】そして、金型7での成形時に、図2のよう
に金型7にS極、N極を交互に放射状に配設した永久磁
石の磁石9によって、成形中の磁力回転体3のヨーク1
2部から周部の表面に至るまで着磁性磁粉を所定方向に
整列してS極、N極に交互に着磁し、電動機側の磁石で
上記着磁部10を磁力吸引して回転駆動できるようにし
ている。
【0011】したがって、マグネットポンプの羽根車回
転体を従来のように磁石を挿入して埋設することなく、
磁力回転体を簡単に成形でき、超音波接合手段等で別途
成形した所定寸法の羽根車を接合することによって、磁
力吸引効果を最大限に発揮するようにできる大容量、高
揚程等のマグネットポンプを容易に製造することができ
る。
【0012】また特に、上記したように金型での成形中
に着磁性材料が硬化する前に着磁性磁粉を磁力吸引して
着磁するため、成形材料中の着磁性磁粉の極性を所望方
向に整えることができ、磁力の強い羽根車回転体を得る
ことができる。
【0013】上記実施例では、金型側に永久磁石を配設
したが、所要の磁力を発生する電磁石を配設して金型の
キャビティの成形材料の供給、充填、硬化のタイミング
に合わせて電磁石を作動し、上記のように磁力回転体の
周部に着磁するようにもできる。
【0014】本実施例では、空孔によって上記磁力回転
体の周部に着磁部を常に一定の深さまでの着磁状態とす
ることができるとともに、ヨ−クを装着することで磁力
の増大をはかることができる。また、空孔を設けること
によって、磁力回転体の肉厚を均一状にできて、短時間
で硬化するようにもできて生産性の向上がはかれる。
【0015】上記では、電動機側の磁石による磁力吸引
方向が、ポンプ側周面に対向した、いわゆるポンプ側面
対向型のマグネットポンプについて説明したが、ポンプ
の底面に対向した、いわゆる軸対向型のマグネットポン
プについても同様に適用できる。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明にあっては、マグネ
ットポンプの羽根車回転体の磁力回転体の磁力の増大を
はかることができる磁力回転体を一体的に成形できて製
造を簡単化できる。
【0017】そして、電動機側の磁石と対向する磁力回
転体のヨーク部から周部の表面に至るまで着磁するの
で、従来のように羽根車回転体に磁石を挿入して組み立
てる必要がなくなって、羽根車回転体の周面で磁力が妨
害されずに、電動機側の磁石との距離を最短にすること
ができるとともに、ヨークを介して磁力吸引力を最大限
に利用でき、ポンプ性能を高めることができる。
【0018】また、金型のキャビティに着磁性磁粉とプ
ラスチックまたはゴムとを混合した着磁性材料を流し込
み、電動機側の磁石と対向する上記磁力回転体の内部の
ヨーク部から周部の表面に至るまで着磁性材料の着磁性
磁粉を着磁性材料が硬化する前に上記磁石で磁力吸引し
て着磁するので、上記磁力回転体の成形材料中の着磁性
磁粉の極性を容易に所望方向に整えることができ、磁力
の強い羽根車回転体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の側断面図、
【図2】同上の成形状態を示す概要側断面図。
【符号の説明】
1…羽根車回転体 2…羽根車 3…磁力
回転体 6…着磁性材料 7…金型 8…キャ
ビティ 9…磁石装置 10…着磁部 12…ヨ−
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 13/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネットポンプの電動機側と磁気結合
    によって回転駆動される羽根車回転体の羽根車と結合す
    る磁力回転体を磁力の増大をはかるために磁力回転体の
    内部にヨークを装着して着磁性磁粉とプラスチックまた
    はゴムとを混合した着磁性材料で成形するとともに、 電動機側の磁石と対向する上記磁力回転体の内部のヨー
    ク部から周部の表面に至るまで着磁したことを特徴とす
    るマグネットポンプの羽根車磁力回転体。
  2. 【請求項2】 マグネットポンプの電動機側と磁気結合
    によって回転駆動される羽根車回転体の羽根車と結合す
    る磁力回転体を磁力の増大をはかるために磁力回転体の
    内部にヨークを装着して成形する金型の所定位置に所要
    の磁力の磁石を装着し、 上記金型のキャビティに着磁性磁粉とプラスチックまた
    はゴムとを混合した着磁性材料を流し込み、電動機側の
    磁石と対向する上記磁力回転体の内部のヨーク部から周
    部の表面に至るまで着磁性材料の着磁性磁粉を着磁性材
    料が硬化する前に上記磁石で磁力吸引して着磁状態とす
    ることを特徴とするマグネットポンプの羽根車磁力回転
    体の製造方法。
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